西島三重子物語その10
その後の「西島三重子物語」3
 86年には松竹映画「離婚しない女」の主題歌を依頼され、秀作「冬なぎ」を作曲、
レコードも発売した。
 87年〜88年にかけては、全て洋楽を歌うという画期的な試みを行ったレコード
「想いのとどく日」で我々を驚かせてくれた。同時にシングルレコード「カフェ・ニセ」
(C/W「TO・N・DE・KE」)を出したのだが、オリジナル曲ならともかく洋楽曲という
のは小生には解せない。東芝EMIの方針に疑問を感じた。売れる見こみがあると
はとても思えなかった。

 と、ここまでは順調だったと言えよう。
 だが、世の中では明らかにレコードはもう過去のものとなっていた。CDが完全に
主役であった。これ以後は思うようにオリジナル曲が出せなかった。理由は単純、
ヒットが見込めないからだ。ヒット曲はTVのCM曲やドラマの主題歌がほとんどとい
うありさまで、いくら歌そのものが良くても、そのような話題にでもならないかぎり売
れないという矛盾した時代でもあるのだ。
 以後、長い停滞の時代が続くことになる。
 その間、NHKラジオ「はつらつスタジオ505」で歌った「かもめよりも遠くへ」(C/W
「少年の日の海」)がシングルとして出たが、予想ほどには売れなかったようだ。
 何より宣伝に力を入れてもらえないのではどうしようもなかった。東芝EMIも売り込
みに積極的とはいえなかった。
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