西島三重子物語その6
「西島三重子物語」その6(四枚目のアルバム)
 

 そして、翌年にはもう次のLP制作の話も本決まりとなった。その4枚目のLP
となるのが79年4月発売の「水色の季節の風」というタイトル名であった。
 また、その頃、三重子が初めてTVドラマ番組に出演する話もあった。TV朝日
系(当時はNET TV)の「みずき花匂うとき」の主題歌に採用され、ドラマの
中で本人が歌うシーンであった。あこがれの主演の田村正和にも会えた。
 三重子にとってTVというのはあくまでも見るものであったが、今度は見られる
立場になり、恥ずかしくもありうれしいものでもあった。
 急に忙しさを増し、全てが順調で怖いぐらいであった。三重子にとっては、この
時期が一番楽しく充実した時期でもあった。


 「風」会員の石田さんにご提供いただいた録音テープ(in ロ
ーディ・プラザ)によりますと、田村さんはとてもハンサムだった
とか、中田喜子さんは顔がちっちゃくて、凄く美人だったとか話
されています。
(昭和53年9月16日、銀座ローディ・プラザの生録会にて)
  「思い出を振り返らずに」
 テレ朝『みずきの花匂う時』
 主題歌('78/10)
 三重子が思わぬ展開によって音楽業界へデビューしてからもう4年の年月が経っ
た。今まではとにかく無我夢中で突っ走り、自分を見つめる余裕がなかった。
 その1979年に作った彼女の集大成と言われる傑作LP「シルエット」はそれ
までの軌跡をベースに全てをぶつけたものであるといえるだろう。ちなみに、ファ
ンの一番好きなLPは?と聞くと必ずといってもいいほどこのLPが挙げられる。
 実際に以前アンケートをとってみても然りである。特にこの中には、あの「池上
線」に匹敵するといわれ今も根強い人気を持っている代表作「千登勢橋」が入って
いる。東京は豊島区の目白通りと明治通りの交差する所にこの橋はある。小学校か
ら短大までの14年間通った川村学園のすぐそばにあり、三重子自身も特に思い入
れの強かった歌である。
 だが、このLPの完成後に、三重子の心に序々にであるが期するものが芽ばえつ
つあった。そして今までお世話になったワーナーパイオニアを離れて心機一転し、
レコード会社をテイチク・コンチネンタルレコード会社に移籍した。これを機に今
迄の持ち味である叙情的な曲調をベースにより新しい可能性を求めようとしたのか
もしれない。
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