●いわゆる「かぜ」症候群について
かぜは,上気道の急性感染症のことをいい,そのなかには普通感冒(鼻かぜ),咽頭炎,気管支炎,肺炎,インフルエンザなど様々な病型があります.症状は,くしゃみ,鼻汁,咽頭痛,喀痰,などの呼吸器症状を主に,頭痛,発熱,腰痛,倦怠感などの全身症状,下痢,腹痛などの消化器症状が出現します.
普通感冒は,私たちがふだん「かぜ」と呼んでいるものです。鼻が出たり喉が痛かったりしますが、一般的に軽い症状です。徐々に発症し,予後は良好で1週間ほどで治ります。全身症状はほとんどありません。発熱はないか、あっても37度代です。
これに対しインフルエンザは寒気や倦怠感、あるいは全身の筋肉の痛み,頭痛などではじまります。急性に発症し,かぜに比べて熱も高く(39-40度)しかも何日も持続します。
発熱はもともと微生物に対する防御反応のひとつで、ウイルスの活動を鈍らせ たり、微生物を外へ追い出す線毛運動の働きを活発にする良い働きがあります。発病初期の発熱をむやみに下げるのは疑問がもたれています.とはいっても,40度も熱がでれば苦しいですし,心配です.発熱によって体や精神が必要以上に衰弱しそうなときや長い間高熱が続くときには「解熟鎮痛剤」などで下げます.鼻水も炎症反応のひとつで、その中には微生物の感染を抑える成分が含まれています。咳と痰は、病原微生物をひとまとめにして外へ出す働きがあり,症状はそれぞれ役割をもっています。これらの症状が著しく強いときに,その人の全体の状況を考えて薬が処方されます.
■かぜの養生のポイント
保温・・・温度条件を寒くすると、発熱反応が加速されますから、
からだを冷やさないようにしっかり保温 しましょう。
睡眠・・・睡眠時は、抗体をつくるリンパ 球の活動が促進されます。
つまり睡眠を充分とることによって抗体をたくさん作る
能力(ウイルスを中和する能力)が上がり、回復が早くなり ます。
栄養・・・栄養のあるものを食べ、水分を 補給することも大切。
極端に食欲が落ちている場合は、おかゆを とりましょう。
●こどもの風邪
こどもは風邪をひくものです.風邪をひくたびに抵抗力を身につけて,だんだん丈夫な体になっていきます.
【風邪をひいたら】
●休む:家でのんびり,ごろりとしているのが一番よい薬です.
●保温:極端でなく,寒くない程度の厚着をします.
●食事:食欲はなくてあたりまえくらいに考え,子供の好きなものを与え,水分を十分とります.
●入浴:熱があるときは入らない.熱がなく,顔色もよく,食欲も元気もあるときはお風呂に入ってもよいでしょう.
【熱さましの使い方】
熱さましは,熱によるつらさを軽くするための薬で,病気そのものをなおす薬ではないことに注意して下さい.
●38℃以上で,つらそうにしていたら使う.
●高熱でも元気にしていたら使わなくともよい.
●再度使うときは,6時間以上あいだをあけて下さい.
冷えたタオルで頭を冷やしてあげて下さい.子供は安心します.