`configure'スクリプト(@xref{Installation})を使ってGNU CCのコンフィギュレーションを行うと、 テンプレート・ファイル`Makefile.in'から、 ファイル`Makefile'が作られます。 その際、 `config'ディレクトリから、 `t-target'、`x-host'という名前の、 メイクファイルの断片ファイルが組み込まれます。 これらのファイルが存在しない場合、 指定されたターゲットやホストに関して追加すべき情報が存在しない、 という意味になります。
ターゲット・メイクファイルの断片ファイル`t-target'は、 ターゲットに依存する特殊な変数や、 `Makefile'の中で使われるターゲットを定義します。
LIBGCC1
CROSS_LIBGCC1
LIBGCC2_CFLAGS
LIB2FUNCS_EXTRA
CRTSTUFF_T_CFLAGS
CRTSTUFF_T_CFLAGS_S
EXTRA-PARTS
の中で、
`crtbeginS.o'と`crtendS.o'を使う場合に、
使われます。
MULTILIB_OPTIONS
MULTILIB_OPTIONS
マクロは、
それ固有の特別な`libgcc.a'が作られなければならない、
オプションの組み合わせの一覧です。
相互に互換性のないオプションを、
スラッシュで区切って、
並べて記述します。
一緒に使うことのできるオプションは、
スペースで区切って記述します。
ビルド・プロシージャが、
互換性のあるオプションのすべての組み合わせを作ります。
例えば、
MULTILIB_OPTIONS
を`m68000/m68020 msoft-float'のようにセットすると、
`Makefile'は、
`-m68000'、`-m68020'、`-msoft-float'、`-m68000 -msoft-float'、`-m68020 -msoft-float'
というオプションの組み合わせを使って、
それぞれに固有の`libgcc.a'を作るようになります。
MULTILIB_DIRNAMES
MULTILIB_OPTIONS
が使われている場合、
この変数は、
互いに異なるライブラリを置くのに使われるべきディレクトリの名前を指定します。
MULTILIB_OPTIONS
の1つの要素に対応して、
MULTILIB_DIRNAMES
にも1つの要素を記述してください。
MULTILIB_DIRNAMES
が指定されていない場合、
そのデフォルトの値は、
MULTILIB_OPTIONS
のすべてのスラッシュをスペースで置き換えたものになります。
例えば、
MULTILIB_OPTIONS
が`m68000/m68020 msoft-float'として指定されたとすると、
MULTILIB_DIRNAMES
のデフォルト値は、
`m68000 m68020 msoft-float'となります。
これとは異なるディレクトリ名の集合を使いたいのであれば、
異なる値を指定することができます。
MULTILIB_MATCHES
MULTILIB_OPTIONS
に指定された場合、
GNU CCは、
それと同義のオプションをすべて知る必要があります。
このような場合、
MULTILIB_MATCHES
に、
`option=option'という形式の項目を一覧にしてセットすることにより、
すべての関連する同義オプションを記述することができます。
例えば、
`m68000=mc68000 m68020=mc68020'のような値を指定します。
MULTILIB_EXCEPTIONS
MULTILIB_OPTIONS
の組み合わせが複数指定されている場合、
ライブラリが作られてはならない組み合わせの存在する場合があります。
このような場合、
そのような例外的なオプションを、
シェルの記法を用いて、
MULTILIB_EXCEPTIONS
にセットします。
例えば、
PowerPCの組み込み用ABIのサポートにおいては、
`-mcall-aixdesc'オプションと、
`-mrelocatable'(19)オプション、
`-mlittle'オプションのいずれか一方を同時に指定してコンパイルされたライブラリを作ることは、
望ましくありませんでした。
したがって、
MULTILIB_EXCEPTIONS
には、
*mrelocatable/*mcall-aixdesc* *mlittle/*mcall-aixdesc*
がセットされています。
MULTILIB_EXTRA_OPTS
MULTILIB_EXTRA_OPTS
にセットします。
ホスト・メイクファイルの断片ファイル`x-host'は、 ホストに依存する特殊な変数や、 `Makefile'の中で使われるターゲットを定義します。
CC
CLIB
OLDCC
OLDAR
ar
です。
INSTALL