珍盤クラシックCDの部屋 ライブラリー
(更新:1997.10.6-1)


No.2

DDD-cpo-999 256-2

 バロックからいきなり第二弾は後期ロマン派へ。我が愛するアントン・ブルックナーです。ブルックナーといえばへ長調の弦楽五重奏曲が、まあ普通の感覚からすれば十分珍曲(?)なのかも知れません(ちなみに私はこの曲のCDを5種類もっています。名曲!! )が、今回はなんとピアノ曲です!! 1850年頃から1868年頃に作曲された作品が時代を追って収められています。前半の時代の曲は、良く言えば「素朴で明るい小品」ですが、言い方を変えると、「これがあのブルックナーか?」と思うくらい単純明快ノーテンキ!!な曲が立て続けに続きます。ところが、このアルバムの白眉は、1868年頃に書かれた、 Fantasie と Erinnerung の最後の2曲。ブルックナーの交響曲の緩徐楽章が好きな人なら、この2曲は秋の夜長の夜更けに、しっとりと心に沁み入てくる名曲です。というのも、演奏が素朴ないい演奏であることももちろんですが、ここで使われているピアノは1835年以前製のベーゼンドルファーであるとのこと。いい意味での小じんまりとした録音も相まって、本当に素朴でしみじみとした空気感が漂います。ブルックナー・ファン以外にもお奨めの1枚。終曲のErinnerungの最後の方はまるでキース・ジャレットみたい。(1997.10.6)


ご感想などをお寄せください。
メール・アドレスをお知らせいただいた方には、今後、更新情報を配信させていただきます。  

E-mail: BXI00242@niftyserve.or.jp

[トップへ戻る]  [What's New へ]  [珍盤クラシックCDの部屋 ホームページへ]