縮刷版99年8月中旬号


【8月20日】 げらげらげらと大笑いしながら日本興業銀行と富士銀行と第一勧業銀行の合併を報道する記事を読む。いや別に合併が悪いとかってんじゃなく、そのこと自体は前向きに日本の銀行が世界から置いてきぼりにされないよーに力を合わせて頑張りましょうってな、強い意志にあふれた物なんだけど、外国の銀行やアナリストから出ていた、合併が意味を持つためにはいたずらに肥大化することを避け効率性を上げるためにリストラをしなくてはってな意見の、まるで正反対をいくよーな人事をやってのけるよーで、世界を目指すとか言っていた舌が、実は2枚どころか3枚4枚に割れてるんじゃないかってな思いを抱く。

 なんでも3行が作る持ち株会社のCEO会長ってな職に興銀と富士の頭取が就任して、CEO社長って職に一勧の頭取が就任するんだとか。このCEOってのはチーフ・エグゼクティブ・オフィサー、訳すと最高経営責任者ってことで会社の1番偉い人を指す役職なんだけど、最高ってのは文字どおり最高な訳で普通は1人しかいなければならないところを、実に3人が3人とも「最高経営責任者」となり、かつ日本的な職制でやっぱりトップを示す会長が2人もいるって状況の、どこに合併を成功に導くための効率化の思想があふれてるんだろーと思わない方がおかしい。いっそ超最高経営責任者とかって役職でも作って、CCEOとかって名乗らせれば立場も明確になったのに。

 かつ聞いた話だとこーした会長社長の順番は、それぞれの歳の順に若い人が社長で上2人か会長になるってことで決めたとか。冗談かもしれないけれど事実だとしたら、効率化を推進して世界に飛躍するために不可分の能力なりリーダーシップではなく、極めて日本的な順送り人事で最も重要なことが決められた訳で、一事が万事ってことになればこの人事1つを取っても合併の成功はおぼつかないってな予想がつく。実のところは今日び誰がなったって大した違いはないんだろー頭取の職制、だったらいっそ3人がそろって引退して顧問とかになって、後は3行の人材をガラガラポンとやった上で優秀さの度合いで順にトップから職制を決めれば、潔さとカッコ良さで世界にアピールできたのに。日本ってばやっぱりどこまで行っても大いなる田舎な国、なんだなあ。

 イングラムってキャラクターの版権管理なんかをやってる会社に行って資料なんかをもらう。新しいキャラクターの話とは別に最近イチオシのキャラは何かと聞いたら意外にもやっぱり「たれぱんだ」がアジア市場で大ブレイクの兆しとかで、とりわけ香港なんかでは品物が出せば売れる状況になりつつあるんだとか。デザインをした末政ひかるさんも香港とかに行ったみたいだし、遠からずマクドナルドの景品なんかに登場して最近の「ハローキティ」にも並ぶ大行列を作り出し、今は売れてるといっても心ある人の関心でしかなかった「たれぱんだ」が、「キティ」を除けばなかなか無し得ず最近よーやく「ポケモン」が人気になり始めたジャパニーズ・キャラクターのカテゴリーで、グローバル・キャラクターとなる可能性も決して低くはないみたい。でもアジアならまだしもアメリカ進出した時に「たれ」ってどーゆー言葉になるんだろー? 英語な人教えて下さい。

 ボークスのショールームでマーカーやら筆やらパレットやらパテやらペイントナイフなんかをまとめて買ったら「300円ガンダムですね」とバレしてしまった。どーしてだろー赤と黄色と青と蛍光ピンクのマーカーしか買ってないのにこれだとフランスの国旗でも作るんだろーとか言われる可能性の方が大きいのに(小さい小さい)。なんてことを思った後で麹町に行って今は懐かしい「週刊アスキー」(両開き版)を作っていた渡邊直樹さんが今勤めている編集プロダクションに寄って近況などをあれこれ。元朝日新聞でアスキーに顧問で招かれたのも束の間、渡邊さんと同じく上げられた2階でハシゴを燃やされ上にも逃げらずどーしたなろーと気になっていた蜷川さんって人が社長のプロダクションで、麹町のビルの1フロアでパソコンやらステレオやらを並べ最新の雑誌をズラリと置いてハイソな雰囲気のオフィスに仕上がっていて羨ましさに目を眩ませる。

 ただしエレベーターから降りた脇に巨大な円形空気吸引機と灰皿とベンチがあったのを見れば一目瞭然だったよーに、オフィス内は出版業務に携わってる会社とはとても信じられない非喫煙の場所になっている。逆に夕方に寄ったメディアワークスの「電撃アニメーションマガジン」編集部は編集長も副編集長も喫煙者で編集長に至ってはまだ○○生だった頃から両切りの「ピース」で根性を試していた程の筋金入りで今も「ショートホープ」を常用してるから、会長が来て「明日から禁煙」なんて言ったらきっと神田神保町から東は浅草橋で西は飯田橋あたりまでを直径とした範囲を巻き込む大爆発が起こるだろー。某「S」誌編集部のTシャツ厳禁例はさても実行に移されたのか。元S編集長曰く「T鈴木はTシャツしか着る物がないはずだから居られなくなるかも」って言ってたんで興味津々報告よろしく。

 インベーダーゲームにICライターを使い裏地には虎だか豹だかが踊っていながら富野セリフをつぶやき将棋の奨励会で1級まで行きダイビングブームで借金を返しフランスに雄飛した後さらにいっそうの混乱を経た後にアニメの主題歌に筋肉少女帯を使い仲間由紀恵様さま様とツーショットじゃないけどプリクラまで取り競輪と競艇にも詳しい謎めいた経歴を持つ人なんかと昨今の日本経済について話した後で帰途。およそその道1筋20年ってな人が多い同一カテゴリーの雑誌の編集長の中でもきっと最高に異色の経歴だと思うんで、その多趣味が炸裂した暁には雑誌の性格は収集つかなくなって華々しくも討ち死には必死。なんでアニメファンの大勢を占める深いけれども狭い範囲の知識の供給にしばらくは務めていきましょう。しかし奨励会とアニメの話を同時に出来るってのはなかなかにない機会、楽しかったでーす。

 みず谷なおき未刊の秀作「Hello!あんくる」の総集編が徳間書店から刊行されてたんで買う。表紙の主人公が眼鏡っ娘ってだけで正解なマンガだけど、実は連載中に読んだことがなく改めて見て「デビューん時を絵が変わってねえ」その達者さに改めて舌を巻き、早すぎる死を悔しく思う。巻末に追悼のマンガなんかを載せた岡崎つぐおさん、島本和彦さん、新谷かおるさん、三鷹公一さんて名前のリアルタイムで読んでいた頃の「増刊少年サンデー」ぶりに、懐かしくも面白かった当時を思い出しつつ経過した時間の長さをズドーンと感じてこの間に僕はいったい何をやって来たのかと哲学的に悩む。

 カメラマンとかが出てくる「ズームイン」ってマンガはホントに今も鮮明に覚えていて、ってのも多分当時のマンガの中でもズバ抜けて構図とかに斬新さがあったからで、その後「人類ネコ科」「ブラッディエンジェルズ」の女性キャラの可愛さも含め、かつ名古屋出身って親しみもあって相当にファンしてた記憶が強くある。「少年キャプテン」じゃーいっしょにならなかったけど「増刊サンデー」には細野不二彦さんもいたしちょっと時代は下がるけどゆうきまさみさんも「鉄腕バーディー」なんかを描いていたっけ。今を代表するマンガ家の居並ぶ中でその完璧主義ぶりが仇となって決して多くない作品しか残せなかったことを、恨みもするがだからこそのみず谷なおきでもある訳で、それが今も読めることにやっぱり有り難うとの感謝の言葉を贈ろう。


【8月19日】 「インターネット・パソコン通信をめぐる名誉毀損そのほかの不祥事が相次いでいたネット黎明期。陰山は数多くの人間に誹謗中傷罵詈雑言を浴びせ、各所で揉め事を引き起こしていた」とゆー出版社の編集者が登場する安達遥さんの「老年期の終わり」って短編が「SFバカ本ペンギン篇」に掲載されているのが周知の事実がどーかは別にして、小説によればこの陰山って編集者のあまりの暴虐に「激怒したライターが陰山の勤め先の出版社を急襲し」たそーな。ふーん。あとこの陰山って編集者、不採用の通知は紋切りじゃなく「書き出しから構成・主題・キャラクター設定、果ては誤字脱字にいたるまで、ありとあらゆる欠点をあげつら」うんだとか。へー。それがだからと言いたい訳じゃないけれど、小説としてはそーゆー何かへの怒りっぽい描写とは無関係なバカSFになっているから好みとしては同じアンソロジーの森奈津子さんのよりは上になる。それにしてもうーんうんうん。

 デビッド・ブリンが苦手っちゅーか嫌いなのはもしかすると自分に通風の気があるからなのかもと洒落にもならない冗談を思いついたけど非科学的とボクメツされちゃうだろーからSFな人の前で言うのはよしておき、「電撃ホビーマガジン」を読みながら宿題になっている「ガンプラ」作りの予習をする。300円の新型をさてどのくらいに作り上げればよいものか、色を付けるのは当然としてもマーカーでチョチョイで良いのか「Mr.カラー」を塗らなきゃいかんのかブラシを吹けってのか関節にポリキャップを仕込んで可動戦士に改造しろってのか、あれこれ考え模型屋に行って値札を見て筆1本にもブランドを感じて迷う今日この頃。何事につけても格好から入る人間の悪い癖がここにも出ています。

 諌早湾の干拓が及ぼしたらしー様々な影響を丹念に取材した番組がNHKで放映されていたんで見る。浅見光彦じゃない榎木孝明さんの訥々としたナレーションと、起こっている事実のみを刻銘に映し出した画によって、自然の摂理を人はどうあがいても頑張っても絶対に越えられないのだとゆーことを、静かにけれども強く語る良質のルポルタージュに仕上がっていた。NHKにしてこの強さってのは一体何だろーと思ったけれど、今さらこれで何になるとの気分も強い。とはいえこれを他山の石にたとえば名古屋の藤前干潟、そして船橋沖の三番瀬の防衛がなされれば過ちは繰り返されない訳でそれだけでも消極的でも意味があるんだと信じたい。直前のバイオリン教師、小野アンナの生涯を追ったルポも面白かったし、NHKってだから侮れない。

 日本興業銀行を退社した人たちが作ったレゾナンス出版が新しくやろーとしている、編集プロダクションや中小出版社から営業やら取り次ぎやら総務経理ってな分野のアウトソーシングを受けて編プロさん出版社さんは付加価値の高い編集部門に特化して下さいってな事業の話を聞いて、これって角川書店の角川歴彦さんが主婦の友とかメディアワークス同朋舎出版を傘下にやっていることと似ているなーと思ったり。共通するのは「再版制度」がなくなった場合に果たして愛情もないノルマに押されて本を作って取り次ぎに流して本屋に並べて金だけもらう「偽札」のよーな本が淘汰され本当に力のある本しか売れなくなる、そんな時に物を言うのが編集の力だってことに気が付いているって点で、その危機意識がされどんな結果を生み出すのかを本好きとしては期待を持って見ているんだけどどーだろー。本以外の分野との連携にプロモーション、ネットワークの重要さへの関心の持ち具合も似ているし、2人の歳を離れた出版会の「風雲児」を、並べて対談でもさせてみると面白いかも、って俺がやれ? 面倒じゃん。

 愛想をつかしたから辞めた訳じゃレゾナンスの人はないけれど、長く築き上げて来た地位と役割が、時代の流れの中でやっぱり崩れ掛かっていたのがここに来て明確になったみたい。バブルの金融機関に誰もが行きたがった時代に、希望した東大生が入れず都銀にしか内定がとれなかったといって自殺したってな話もあった日本興行銀行だけど、同じカテゴリーに属している日本長期信用銀行、日本債権信用銀行が、1つにはバカな投資の果てだったことがあっても、根本的にはその役割がとうに終わって相次ぎ破綻したのと同じ状況に、やっぱり直面しているんだろー。大蔵省の外局くらいの意識があったんだろー興銀が、ずっと格下に見ていた感覚的には街金な富士銀行、第一勧業銀行と持ち株会社形式で一緒にならざるを得ないこの現実に、興銀マンたちの心の動揺も伝わって来る。しかしデカくなったからといって、殿様商売ばかりだった都銀のリテールに国策だった興銀のホールセールが、情け無用の世界で互していけるかは見えない部分が多すぎる。企業的にはデカくなった銀行に効率が悪いと捨てられる懸念もある訳で、単なる金融機関の再編に止まらない様々な方面への影響がジワジワとこれから出て来そー。安心するのはまだ早いってことで。


【8月18日】 でもっていよいよ水を抜くのに成功した「シーマン」は、平べったくなった水たまりをフリャフリャと泳いでいるだけでまだ陸地には上がろーとしない。そのうちにきっと良いことがあるだろーからくすぐってご機嫌を取りつつ観察をしばらく続けてみよー。虫かごの方はと言えば蜘蛛が巣をかけたのは良いけれど、蛾はかかるそぶりもないからそーゆーイベントは用意していないのかもしれない。綺麗な色をしていた青虫は他の青虫とはちょっと違ったさなぎになったからきっと蛾とは違った妙な物が孵るに違いない。楽しみたのしみ。それにしてもあの不細工な顔でも笑ってもらえると嬉しくなるのって、いったいどーゆー心理なんだろー? 誘拐犯人に惚れてしまうって奴? それとも美人は3日見たら飽きるって奴の逆? 心理な人の考察を待ちましょう。

 どこかやるだろーと思った「東芝ホームページ暴言事件」へのネガティブキャンペーンは「週刊朝日」が見方するならやっぱりこっちが敵に回るかってな「週刊文春」が登場。当該の人が前にも富士通の社長宛にパソコンを送りつけたり、近所のベスト電器で384万円を購入して245万円を返品したってな話を掘って来ては並べて「どーですヘンな人でしょ」ってな趣旨の記事にしている。これが事実か否かを検証する術はないけど例えば真実だからといって東芝の人が暴言を吐いたって事実だけはいかんともし難く、そのことにおいては東芝がいささかのペナルティをも減じられることはないとまずは言っておこー。

 で記事の方なんだけど社長宛に品物を送りつけることってそんなに一般社会通念上おかしなことなんだろーか。それで手っ取り早く物事が片づくんだったらやってみようって気にもなるよね、仮にそれまで散々たらい回しサポートに苦渋をなめて来た経験があったとしたら。そうでなくっても今の世の中ヒエラルキーの上から責めた方が物事が通りやすくなっているって、誰もが知ってる事実じゃん、村会議員に頼むよりは国会議員に頼んだ方が陳情通りやすいし部長課長のコネよりは社長のコネ一発の方が内定がとりやすいし、ビジネスだってトップに一声かけてもらったら途端にスムーズに物事が動いたって経験、あるでしょ? 誰だってクレーム付ける時は言うよね「あんたじゃ話にならん、上司出せっ!」。それが行き着いた形でしかないんじゃないの。

 そんな上が偉くて下は大変ってな「よのなかのしくみ」が、あらゆるセグメントで透けて見えてるよーになってしまったこの気持ち悪い時代に、くそマジメに「社会通念」を持ち出してそれに合ってないから「いかがなものか」なんて説教垂れてる方が、もはや時代に乗り遅れてるって思うんだけど。そもそもがホームページってゆー新しいメディアの台頭によって、たとえ無名でも山ほどの人間がそこに集めまれば巨大な圧力になるってことが分かり、一種のパラダイムシフトが起こっていることが示された事件を取りあげるのに、昔ながらの誰が決めた訳でもないし、法律にだって書かれていない社会通念に照らし合わせて「善意の一消費者」なんてありもしない共同幻想の概念を作り上げる考え方が古い。

 まあ別にクレームの主の見方をするつもりはないけれど、結局消費者であったりする身としては手段は多く持っていたいってのが本音の部分で、それが効き目を持っているなら社長への直訴だって善意はないけどかといって悪意も持たずにやりますよ。それが嫌なら末端までをちゃんとしっかりしておけってな、結局は今回の事件で学んだことと変わらない対応を惹起させる記事でしかないと思うんだけど。

 ベスト電器とのやりとりがだからどーしたってのもあって、これで「蝿が入ってた」なんて言って恐喝でもしていたなら事件だけど、結果としてベスト電器がいくらか稼いでいる構図からは、ちょっぴり口数の多かった難しいお客さんだったねーってな程度のことしか見えない。クレームを付けて問題なのはそれが恐喝となること。そーゆー事実でもつかんで披露しない限りは、揶揄は出来ても叩きのめすなんてことはとうてい出来ません。さても「文春」メールで御意見募集なんかしているから、T氏からの抗議を受けて気合いを入れて取材し直し徹底的に叩きのめす考えか? それはそれでどんな展開になるのかと、まずはお手並み拝見と生きましょう。社長あてに手紙、届くかもね。

 ををちゃんと第4号も出たぞ偉いなー「サイゾー」はJポップがメイン記事。ほんの1年前までは泣かず飛ばないどころか沈むのも近しと思われていた東芝EMIが宇多田ヒカル1発(でもなく他に椎名林檎とかミッチーとかいろいろいるんだけど)で盛り返して今や業界でも飛ぶ鳥を落とす勢いになっている、そのお水なレコード業界の体質を喝破してくれているのは分かりやすくて面白い。これをマジメに「マーケティングが」「プロモーションが」「時代が」「世代が」なんて分析し出すと途端に某NKエンタテインメント(吃驚マーク付き)になってしまうから、たとえ目指してもそーはならない辺りに記事を落とし込む雑誌の性格主義主張が見えて良いですねー。でも部数ははるか及んでないんだけど。シクシク。

 そーか鈴木敏夫さんが徳間書店の社長になったらそれはそれでとっても面白い会社になりそーな気がするけれどどーなんだろー「アニメージュ」な人たちぃ。毎日包丁もって怒鳴り込んで、は来ませんか、コンビニじゃないし。宮崎哲弥さんのTシャツはあいかわらず謎でこれってザクと黒い三連星使用ザクの掛け合わせですかってな質問を浴びせかけたくなりました。「だめ連」に浴びせかける乾貴美子さんの眼がマジで怖い。成宮観音さん岡田芳枝さん押さえておくのがどんどん社会性から乖離して戦うコラムのイメージから遠ざかっております、ってそんなイメージあったっけ? 朝日新聞とか朝ナマとかから寿司屋にチューヤンだもんなあ、仕方ないか。

 をを押井守先生そんな事言ったらどこも新作の記事を載せてくれなくなりますよ、でもアニメじゃないから良いのかな。カットのアニメ雑誌が1番上に「メージュ」で下に「メディア」「ニュータイプ」が並び下敷きに「AX」「電撃アニマガ」ってなっているのはヒエラルキー的に正しいかも、でも新聞が朝日読売じゃく読売朝日のよーにアニメ雑誌も「ニュータイプ」が本来ならば1番上に来るべきで、そこんところにご本人の意志はなくとも長い歴史と伝統への敬意がちょっとは伺われます。「電撃アニマガ」が中央寄りなのはちょっと嬉しい。フェードアウトは近いか「AX」?!


【8月17日】 ムルムルと暑い最中で目を覚まして支度して出勤、しよーと思って足の踏み場もない床へと足を降ろせず仕方なく足を乗せた椅子の上には、物の置き場もない机の上で物を置けず仕方なく眼鏡が乗せてあったために、蔓(つる)がベキリと根本から折れてご臨終。直せばそれでも使えないこともなかったけれど、人前に出るのにセロテープで止めてある眼鏡はやっぱりマズいしいつまでもそれが保つものでもないから、これも寿命とあきらめ秋葉原デパートへと出向いて眼鏡を1つ調達する。

 巨大な顔にハマるサイズで選び「ジェフリービーン」って一応はアメリカンなデザイナーのフレームにその場でレンズを切って1時間ほどで仕上げてもらって会社に向かう。ツーポイントとかオーバルってなクリエイチブな顔立ちに見えるデザインも選びたかったけど、そーゆーのが似合う風体でもなく結局おっさん好みの巨大なレンズの眼鏡になったのが分相応でところでしょうか。もう戻れないのねあの日には。

 えっと声の届かない微妙な位置でテーブルの上を伺(8月14日付け)ったのもひとえに引っ込み思案の自意識過剰がなせる技でありまして、覚えてくれてるかにな知らないって言われると恥ずかしいな見ず知らずのおっさんから声をかけられるのって嫌だろーなってな悶々とした感情が、秒をさらに1万くらいに割った微細な瞬間に脳内をかけめぐって神経パルスを伝わって手足の筋肉を萎縮させ、足をなかなかテーブル前へと踏み出させないのであります。

 その微妙な感情を人は(って自分が勝手になんだけど)「R・T(リウイチ・タニグチ)フィールド」と呼んでいて、それも年齢を重ねるに従ってだんだんと厚く濃くなっており、ますます世間的なお付き合いとかましてや世間一般でいうところの「身を固める」慣習から、パイオニア8号から見た冥王星よりも彼方へと遠ざかっているよーな気がしないでもない。これを打破するにはやっぱり「アンチR・Tフィールド」なるものの展開が必要で、皆様におかれましては胡乱な奴では確かになるほどあるけれど、表向きはフツーの顔で決して眩しさに眼など覆わぬようにして戴ければ恐悦至極に存じます。

 99ドルに値下げとはソニー・コンピュータエンタテインメントもセガ・エンタープライゼスの「ドリームキャスト」投入を前に嫌らしい限りだけど、すでに米国では若干のマイナス傾向が見られすでに大方普及も終わった段階だけに、「DC」潰しとゆーよりはむしろ最後のダメ押しをして次へとつなげる戦略にしたってことなんだろー。機能面では100ドルの差(つまりは値段倍ってことか)でも十分に太刀打ちできそーなハードだし、ソフトの数もアメリカ人の好きなスポーツゲームなんかも含めて結構な数登場しそーだし。

 これでグラフィックと描画速度の双方があればオッケーな「スター・ウォーズ」のポッドレーシングあたりが「DC」向けでポポンと出てくれれば、それなりなインパクトは与えられそーな気もしないでもない。ちょっと弱気。たぶん出してくれると期待して「N64」版もPS版も「ポッドレーシング」は買ってないんだけど、どーなるんでしょーかイリさん、ねえ?

 そんなセガを果たしてどーすれば勝ち組みと高らかに宣言できるか無理を承知であれこれ考える会合を経て再び秋葉原にてトイ関係をマーケティングリサーチ(別名ウィンドーショッピング)。「CC桜」のふわふわドールの着替えが結構「ボークス」には揃っていたけど金も尽きたし置く場所もないから見送り、「ロビーナちゃん」の小さなフィギュアも有り体な顔がマスプロっぽくって今は見送り、知らないうちに人気が出ているのか謎な何とかってゆーファンタジーの世界をまんま小さなフィギュアにして、ジオラマみたく組み上げて戦うゲームの関連グッズを見ながらこーゆーのが次に来るのかもー来ているのかと関心する。

 最後に22日に「ボークスショールーム」にあの「ヴァニーナイツ」が来るって張り紙を見てこの日は仕事で出勤だったんだーと悔しさに歯がみしつつ4階の海洋堂へと向かい、いちおーは公称数10万部ってな新聞で記事にちゃんとしたのに世間の反応は皆無だった「ワンダーショーケース」の作品をながめ、「ワンフェス」でのクリアバージョンに続いて今度は「クリアパープル」を出してコレクターの気持ちを擽るちょっぴりやり過ぎな感もないバリエーション戦法の続く「エヴァ初号機」フィギュアをながめてから帰途につく。かえすがえすも22日が恨めしい。

 「シーマン」は2匹が肺魚になったと思ったら、交尾して1匹がプカーンと浮かんでご臨終あそばされる。残った1匹が果たしてどんな成長を辿り、果たして子孫を残してくれるのかはこれからの観察次第ってことになるけど、虫かごの方では蛾が2匹元気に飛び回るかたわらで、クモが巣を張ってきっと蛾なんかを食べようとしているに違いなく、蛾は蛾で卵を生んでそこから青虫がペコペコを孵って「シーマン」の餌になるかそれともさなぎから蛾へと変態するかの瀬戸際にある。

 けれどもよく見ると3匹残している青虫の1匹だけが微妙に色違いでちょっと妖しく、さて一体これからどーしたら適切な飼育が出来るものかとあれこれ逡巡しております。水槽の中には草も生え始めたし岩も2回ばかり手伝ってもらって動かしたけど、今のところ良いことも起こってないからさらになお一層の努力がいるんだろー。奥深過ぎて逃げられない不思議なソフト。これと「ソウルキャリバー」を出したってだけでもー「DC」は伝説のハードになりました。って伝説になっちゃ困るんだろーけどセガとしては。


【8月16日】 寝不足ってゆーか寝ずに会社に行ったものだから世界がなんだが歪んで見えるし光は明るすぎて頭ペカペカ。電通PRから届いていた土曜日の「ビーニー・ベイビーズ」初売りの時の写真なんかを見ていたら向こうが行列を撮影した写真の中にしっかりと赤い帽子白いTシャツサングラス髭ってな胡乱過ぎる輩(やから)が写っていて、仕事じゃなくって買いに行ったのがすっかりバレバレになっていたけど記事にもしたからとりあえず義務は果たしたってことで。週末と来週末にもまた22種類づつの発売があるけど果たして行くか行けるのか? カンガルーなんかがちょっと欲しい気はするけれど、ちょっぴりスレて来たんで並んでいる縫いぐるみがドル紙幣に見えて来たのがマズいかなあ、純粋にカワイさを愛でる気持ちが失われて来たみたい。こーやって人は大人になっていくのです。

 コミケで思い出したことあれこれ。初日に企業ブースへと向かう途中に通り過ぎた西館4階屋上部分のコスプレ広場は例年だったらベッタリと人に溢れて身動きもとれない状態だったのが、今回は極めて厳格に入り口までをも制限してカメラマンの1人ひとりに注意書きみたいなものを渡すシステムが出来上がっていて、コスプレーヤーはともかくカメラマンへの管理がちょっぴり厳しくなっていたよーな印象を受ける。配っていたパンフレットに書かれた内容だと、レフ板はともかく3脚すらも持ち込み禁止になっていたからよほど長物が気になる人が多かったのか。屋外なんだから手持ちで十分ってことはあるけど、邪魔さ加減では何種類も機材を放り込んだむカメラバックや300ミリとかの望遠の方が邪魔な場合もある訳で理由がいまいち解らん。

 注意書きにはあと「コミケットは、同人誌即売会です。撮影会と間違えないように」ってあって、だったら始めっから撮影だけを目的に来ているカメラマンはもとより、西4屋上から1歩も出ないコスプレーヤーの存在自体だって「同人誌即売会」の趣旨とはズレてる訳だから認められないはずなのに、そーゆー人たちもいるってことを知っててこーゆー言葉を掲げるあたりに、「カメラマン=悪」で「コスプレーヤー=被害者」ってな気分がちょっぴり伺えるし、喧嘩と火事じゃないけどやっぱり欠かせない華っぽいコスプレの立場が見える。気になったのは「次回から、カメラ登録が予定されています」って項目で、これがいったい何を意味してどーゆー運用がなされるものなのか、まさか1人ひとり入場者の顔写真をとってヘンな格好とかを要求する人を準備会にいつけちゃって欲しいってな、同人誌即売会でもプレス向けにやっているのと同じことでもやろうとしているんだろーかと妄想してしまう。カメラ小僧はやっぱり「構成員」じゃないってことなのかなー、プレスといっしょで。

 大原まり子さん岬兄悟さん編集による「SFバカ本 ペンギン篇」(廣済堂文庫、552円)は文庫書き下ろし版ですべてが初読で楽しいたのしい。とりわけ演歌のステージを暗黒魔界に変えてしまった牧野修さんの絵に想像した時の迫力に笑ってしまった。あと自分がとことん森奈津子さんのセンスと合わないことも分かったねえ。うーん。マンガは新書館から刊行なった「X親分」って奇妙なSF調のマンガを1冊。棟割り長屋に住む岡っ引きの親分とその下っ端が江戸におこる奇妙な事件を解決していくって設定の捕物帖らしーマンガなんだけど、しょっぱなから親分が事件を起こしたのは宇宙人だの半魚人だのと決めてかかってほかを一切振り返らず、人相書きまで作って高札に張り出すとあって天然なのかマジなのか解らないまま親分と宇宙生命体との激しい戦いなんぞが描かれたりして、おバカ度爆発の奇妙なマンガに仕上がっている。

 顔の鈴なりになった力士や頭が魚の大家とかがは平気な親分。そもそも下っぴきで使っている野郎が異国の船から流れ着いた金髪で目は緑ってな外国人、なのに気にせず気にすることすら考えないで普通に節する態度には、あるいは人種とかってな違いを越えた権能のみを認めるふりーだむな精神が宿っているのかと考えたけれど、単に地球を侵略するものだけが敵って目的意識がはっきりし過ぎているから他が眼に入らないだけなんでしょー。ぜんたいどーゆー発想がこーゆーマンガを生んだのか、っておそらくは「Xファイル」が元ネタなんだろーけどそれを岡っ引きでやってしまった発想に拍手パチパチ。とにかくも今月読んだ漫画でベストに入れたい爆裂どなんで新書館はあんまり置いてないけれど見かけたら読んで笑いましょう。


【8月15日】 プランニングハウスの「ファンタジーの森」シリーズに他の人たちに比べて新人っぽさが著しく漂う寺田とものりさんって人の「エンジェルスリンガー」(840円)が出ていたんで買って一気読み。天使が地上の人間を支配し時には残虐に振る舞う世界観がいまひとつピンとは来なかったけど、天使とゆー名詞を無視して単なる異次元よりの美しき支配者と思って読めばそれほど違和感はない。詳しくはここを読んでみよう。何故天使なのかも読み落としただけなのかもしれないし。さて物語の舞台はそんな天使が降りてきた街サカエ。そこで暮らしていた青年が、天使にさらわれた美少女を追って進んでいく。

 何でもこの世界では天使を喰らった「天使喰らい」には天使の魂が入り込んで天使を討つだけのパワーを手にいれることが出来るんだとか。そんな彼ともう1人別の天使喰らい、そして人間らしー1人の少女が連れだって進んでいくうちに、人間なのに天使に食われた眷天使といった種類の存在なんかも明らかになって来て、支配する者される者の錯綜した関係のなかで人が人としての尊厳を持って生きていくことの大変さなんかが描かれる。名古屋な人たちだけあって別にカナレって地名が出てくるのが名古屋人(なごや・びと)の耳に懐かしい。近づくラストのドンデンとか、「や」なテイストあふれる展開とかは「ファンタジーの森」にあって異色の1冊。世界として広がっていけばまだまだ続けられそうな話だし、出来れば愛憎入り交じった3角関係をドロドロと描き嗣いでいって頂きたい。

 そうは言ってもコミケはやって来るもので、ろくすっぽ寝ずに暑い最中を東京ビッグサイトまでテクテク。11時過ぎについたらはや行列は正面階段の下くらいまでしか伸びておらず、入りはスムーズにいったかそれとも地上のコミケ力(こみけ・ちから)がダウンしているのかとありゃこりゃ考えてみる。中に入ればそれでも混雑は従来どーりで、通路をかきわけ何とかかんとかたどり着いたは岡田斗司夫さん率いる「ロケット野郎」の卓。氷川竜介さんを売り子に贅沢な布陣卓前に押し入り、ミニサイズながら2つで500円とゆー高いのか安いのか不明な値段の新作を買ってそのまま消える、自意識過剰な引っ込み思案なんで「いつぞやは」と言った時に「あんたなんか知らん」とムゲにされるのが怖いんで挨拶はせず。うーんこれでマスコミ人ってんだから始末に終えない(自分で言うな)。

 評論関係をふらふらとして「NHK狂育」で国家公務員1種に合格した人の赤裸々にも程がある体験記なんかを購入し、こーゆー人たちが増えるとオタク記者として取材が楽しくなる反面、日本の未来はどーなんだろーとか考えてみたりなんかしちゃったり。いや楽しければそれでいーんだけど、審議会とか混ぜてくれればなお結構だったらりして。評論部屋を離れてからは創作部屋へと回って紺野キタさんの「サリーガーデンズ」で新作「ひみつの秘密の階段」なんかを購入、それから青木光恵さんの卓へと回って前に担当してもらってた小形克宏さんに冬コミ以来の挨拶をしつつ、小形さんが担当した夏目房之介さんの新刊「マンガの力」(晶文社、1600円)の大変だった話なんかを聞く。図版の引用の範囲とかいろいろ、原稿をいかにキレイに転載するかってなテクニックも貯め込んだそーで、ホームページのアップとかしてくれたら役立つ人も結構多いかも。

 岡田さんの所でかったミニミニ同人誌に載ってた岡田家ととりまく人脈図なんかを見ながらあれこれ。これに掲載されたら一流の岡田人脈の仲間入りかそれとお反岡田人脈の筆頭に数えられるとか考えたり。線を辿ってガイナックスの澤村武司社長にはDAICON仲間と線が伸びているのに、何故か統括本部長のところには直接の線が伸びておらず憶測が脳裏を飛び交う。林寛子友達と書かれたみのうらさんへと遠くから線を伸ばした主に何本か伸びる矢印に添えられた「大嫌い」の言葉の強烈なことよ。上部にある「敗訴した人」の主語が不明なため「岡田さんが」なのか「岡田さんに」なのかを取り違える人が出やしないかとお節介にも思ってしまったり他いろりおな縮図が見えて勉強になります役に立つとは思えないけど。

 本当は仕事があるのに逃避して午後の8時まで居眠りをしてそれから更に逃避して殊能将之って人のメフィスト賞受賞作「ハサミ男」(講談社、980円)なんかを一気読み、その独特の毒々とした語り口が耳について離れずページをめくる度に気になって気になってついつい最後まで読んでしまった。女性を絞殺してからノドにハサミを突き立てる通称「ハサミ男」が第3の犠牲者をねらってついに犯行に及ぼうとした時、すでに少女は「ハサミ男」を真似た別の人によって殺され、「ハサミ男」はその犯人を探して探偵まがいの活躍をする羽目となってしまう。それでいいのかって結末もこれでいいのだと思えてしまえるのは登場する刑事の気持ちに半ば合い通じる所があったからなのかも。「知ってるつもり」のティプトリー・ジュニアってのにどんな意味があるかは知らないけれど、濃そうな作者ってことくらいは分かりますね。

 でもって朝まで原稿を書いて気が付いたら午前8時だしまった起き過ごした自業自得って奴ですけど。でもまー「星方天使エンジェルリンクス」の学研がら出たムックの表紙の美鳳の美爆乳をおかずに1晩をランランとして過ごせたってこともあるから自分を許そう。けどこのムック、WOWOWを見ていた人には自明でも見ていなかった人には衝撃的なネタばらしがちょっと多すぎて8月25日からリリースされるビデオで補完しようって人には読むのをあんまりオススメしない。すでにアニメ雑誌の方でさんざんっぱら被せられた身にはどうでも良いけれど、ウィンドウが限られるとアニメでもこーゆー自体が起こるってことを、ムック屋さんもいろいろ考えないといけなくなったのが現象として興味深い。単にマイナーなだけ? うーんそうかも。


【8月14日】 真夜中からの土砂降りは徹夜組には大変だろーと同情はしないけど金は欲しい今日この頃、雨に打たれ風に飛ばされながらも目的の為には我慢も辞さないコミケマニアな人々を横目に朝の8時に起床。米TY社が93年に売出しで全米を席巻しコンプリートすればおそらくはひと財産になるだろーお手玉風な縫いぐるみ「ビーニーベイビーズ」の、正規ルートでは日本初上陸を見物がてら1つ2つ試しに買ってやるかと半ば冷やかし、半ば取材で銀座にあるソニープラザへと向かう。10時の少し前に到着すると行列はなるほど出来てはいたけどざっと数えて30人程度。例の「ファービー」の時は1時間前で軽く数百は行っていた列に比べるとちょっと拍子抜けしたけれど、都内だけでも新宿で2カ所に渋谷で1カ所ほか全国30カ所以上での発売だけに、人も分散したんだろー。

 ロケーションの良さからきっと集まるだろーと思っていたメディアはテレビ朝日にフジテレビに共同通信にほか適当。インタビューに来た女性リポーターにすげなく手を振る人の多かったのは、或いは真っ当なファンとゆーよりはここで買ってプレミア市場へと回す業者も入っていたのかと訝るけれど、「ファービー」の時よりはあからさまなラメ系シャツの人はそんなにいなかったから、まだ真っ当度合いは高かったかも。待つこと45分でちょっとだけ早めて開店、実のところは何がいったい流行っているのか全然知らなかったから、見た目と趣味で適当に篭へと突っ込んでいたら1つ2つが知らんどる間に(名古屋方面語)6つも溜まってありゃりゃこりゃりゃ。放っておくと10個は行きそーだったんで適当に切り上げ、レジへと向かって勘定してもらう。6個で税込み4000円とちょっとは定価だとしてもやっぱり安い。皆がハマる訳ですね。

 選んだのは次の6つ。七色に輝くティディベアの「Peace」、カゴメのサイダーでお馴染み(?)のサイを象った「Spike」、手足と耳の中が白いネコの「Zip」、まんまちゃんに何か似ている犬の「Bones」、ネコだと思ったら黒ヒョウだったらしー「Velvet」、アライグマだと思ったらバーナード犬だと後で知った「Bernie」。メーカーのページで調べたら、一応はすべてリタイアした組に入っていたから若干のプレミアが付いている可能性はあるだろーし、リストを見ただけて詳しい人ならパチパチと今のプレミア価格なんかを弾き出せるかもしれないけれど、別段売る気もないし飾って楽しければオッケーな気分で選んだものなんで気にしない。っても後で別のページに虹熊が2万円とかって値段で出ているのを見るとちょっとは「ウーム」と考えちゃいました。貧乏になったら里子に出すか。

 購入した足で現場の責任者っぽい人を捕まえ名刺を出して取材させろとネジ込み、申し込みしていた人しかダメと言われたところを「だってうちには全然案内来なかっただもーん」とゴリ押しして近くにいた仕切りっぽい電通PRの人に話を通して写真を何枚か。おそらくは名前の通ったメディアには取材の案内とかってなリリースも日本発売のお知らせも撒いてたんだろーけど、超弩級なマイナーさを誇る新聞社の中でもアングラな方面ばっかり担当している記者ん所は、電通PR様のよーな大マスコミ相手にトレンドを仕掛ける会社の眼中に無かったのかな。あるいはソニープラザの官僚じみた体質が折角のハレの舞台を大々的に宣伝するのを嫌ったために、派手なパブリシティーを打てなかった可能性もあるから、その場合は電通PRもクライアントのTY社とソニープラザの板挟みにあって大変だったのかも。これを機会に電通PR様におかれましてはゲシゲシとリリースなどを投げてやって下さいな、って読んでないだろーけどね。

 さーて有明に行くべーと地下鉄有楽町線の方面へ向かって歩いていたら、プランタンを多分越えたあたりにあった小さなギャラリーのショーウィンドーに「快獣ブースカ」のソフビ人形を発見、これはと思って看板を見ると「今井アレクサンドル」ってブースカの人形を日本中で撮影したアーティストの個展が開かれていて、面白そーだと思って中に入るとソソソっと画廊の人がやって来て「いらっしゃいませ5000円からありますどーですか」ってなバーゲン中のブティックの店員さんみたいな軽いセールストークをカマしてくる。とはいえ工事現場のベニヤ板っぽい木にペンキで赤を塗り上に黒で簡単な線を書いた作品を、今の体力で買うだけの余裕はないと言ったら「こちらはどーです」と見せてくれたのが去年発売された今井アレクサンドル作品集「ブースカの散歩物語」(マイストロ、1300円)。見開いた場所には何と今井アレクサンドルさん直筆によるポスターカラーの「ブースカ」が描かれ、加えてこれを「1000円でいーです」とまで値引きされてしまってフラフラと心動かされて購入してしまう。

 さささささらに何と! 壁に張られていた今井アレクサンドルさんペインティングによる「ブースカ」の描かれたTシャツの値段を(8000円くらいかなー)と想像して「幾らですか」と聞いたら「3000円、だけど2000円でいよー」とこれまた関西の露天か赤札堂の投げ売りみたいなことを言われて即座に「買った!」と宣言。絵柄もいろいろあったみたいだけど、村上隆さんにとっての「DOBくん」に匹敵する一種今井さんのイコンと化している「ブースカ」デザインのド派手なTシャツに決定。しめて3000円プラス税ってなお手軽なお値段で現代アートの最先端を越えてしまってる今井アレクサンドルさんの、ファインとはちょっと違うかもしれないけれどれっきとしたアート作品を、コミケで売ってるアニメTシャツよりも安い値段で購入してしまう。

 聞くと今井アレクサンドルさん、作品を自ら手売りするくらいにアートを「権威」とゆーよりは手に取り買ってもらって嬉しい的「作品」として考えているよーで、随分と前に読売新聞に掲載されたインタビューなんかでもそーいったアカデミズムからもコマーシャリズムからもちょっと違った不思議なポジションで作品の普及に務めている。アカデミズムとコマーシャリズムの融合を目指してる村上隆さんとは、似ているけれど何となく違った立ち位置のよーな気がするけれどそーいった解釈で良いのかな、現代アート実はあんまり得意じゃなかったりするんで。ちなみに展覧会は明日までで今日の感触からすればきっと作品の投げ売りなんかもあるんじゃないかと勝手な想像をしているけれどさてはて。場所は銀座数寄屋橋交差点から東映会館の方面へ向かって歩道は右手側をテコテコと歩き、銀座プランタンを確か越えたあたりの地下鉄有楽町線東銀座駅の入り口よりやや手前な場所にある画廊。Tシャツなんか絶対狙い目だぜ、外で着るには勇気1億倍いるけどね。

 電車乗り継ぎで正午過ぎに到着したコミケは河内美加さん家を横目で見たらあびこたけまるくん漫画は完売で残念。そのまま通り過ぎてヤングアダルト関係を見て回り、「E.G.コンバット」の用語集を1000円もするけど分厚さ細かさでは納得の値段で購入する。見ていたら後で知ったけど有名らしー「ストロボ式」ってブースで「我孫子武丸真打昇進記念本」なんかに交じって出ていた「ハイッバーコップ不完全マニュアル」なる冊子を発見。これってつまりは「DASACON2」で開かれる「架空書評勝負」の課題図書として出ていた実は存在しない本たちへの、これまた架空の評論本って訳で流石はコミケ何でもありってところを見せつけられた思いを抱く。机の前に「DASACON2」って張ってて誰がどれだけ分かったかは不明。筆者の高さんはエントリーもしているから、読んで気に入った場合はこちらで投票もね。


【8月13日】 とゆー訳でコミケだが、って別に平日で夏休みでもないんだけど人の集まるところにニュースあり、ってな勝手な理屈をこねて出没系ライターとしての責務を果たすべくザッと様子をのぞきに行く。昼ちょっと前だったんで行列サークルとかゆー「ウロボロス」に出ていたらしー鶴田謙二さんのゲーム「神罰」の設定集もガイナックスの「ゆかいな仲間たち」テレカもともに当然ながら完売の憂き目にあって初日より敗北を喫する。ってまーこんな時間に行ってりゃー仕方ないか。西館の企業ブースは相変わらずのリーフ人気に行列がグルリと3方を囲む感じに出来ていて、何を売っているのか確認すらもおぼつかない状態に最初から近寄るのを避けてアニメ版を作ってかケイエスエス販売の方に行くとをを何と! アニメ版「To Heart」のセル画の大放出をやっててすかさず行列の後ろにさっと付く。

 すでに何周も回って1回に1フクロ2枚入り1000円のものを5フクロ6フクロと買っている人がいたからこちらの人気も相変わらず。但し列の長さがだいだい変わらず同じ人が何回も回ってるってことはつまりは尻尾を食う蛇じゃないけれど、おおよそ同じ人たちがグルグルと回って1割くらいが出たり入ったりしてるだけってことなのかも。10分ほどで第1回目の購入となったんで1000円出してフクロをもらって見たら欲しかった(欲しかったの?)眼鏡っ娘委員長のアップが1枚に弓道の格好した金髪が1枚入っててまずまずの出来。続いて10分ほど並んた2回目は志保のアップと犬にまとわりつかれた新聞配達娘の2枚で、2回引いて4枚買って4種類のキャラをゲットってのは何て効率良いんでしょーと、グランドクロス以降に付いて回る運の高さを喜ぶ。

 ってーのも昨日たまたまプレイしたユージンの「スター・ウォーズ エピソード1」関連カプセルで、ミニブリスター5種類が5回でコンプリート出来てしまったばかり。この運を引きずってまんま並んでたら、ブルマー姿のあかりや口に手をあてたマルチや帽子を被っているかネコを遊んでいる綾香先輩ってな個人的にベストのシーンも手に入ったかもしれないけれど、時間もなかったし暑かったんで諦めて脱出し、明日の再起を誓って有明を後にする、って明日も行くのか勿論行きます。ただし午前中はソニープラザで米国だかで大流行している「ビーニーベイビーズ」の日本上陸初売り大会があってそっちに取材、じゃなくって行列観察しに行くんで午後になるだろーから大体のものは売り切れた後だろーなー。ミステリー関連って明日だったっけ? 顔知られてないんで適当に出没して見て回ろー。

 予想どーりに「盗聴法」成立を伝える新聞に新味も迫力も一切なく、ただ淡々と事実の列挙と経過報告に過ぎない内容に今さらながら新聞の抱える問題を感じる。1つには新聞が持つ言論パワーの低下があって、「モノを言う」とか言っても肝心なところで「中立公正」をタテに客観報道、両論併記に終始し、とりあえずは反対のコメントを集めてはいるものの自らは主張せず、淡々と事態が流れるのを見た上で結果に対して「見守っていかねばならない」としたり顔をしてみせる。血を流そうとせず高みからどっちつかずの事を言っても世間は絶対に動きません。まだ自らの言葉で語るキャスターの方が賛否両論あるけど手前の顔で勝負していて世間に与えるインパクトもでかい。新聞記者にゃー顔、ないもんね。

 あってもやっぱり両論併記の上に「成り行きに注目したい(ナリチュウ)」的発言でお茶を濁して説得力がいささかもない。引き合いに出して悪いけれど、つまりはそれだけ期待していたのに裏切られたことへの反発の念を込めてるんだけど、朝日新聞の3面に掲載されている社会部編集委員の奥山郁郎さんによる署名記事を読むと、「組織犯罪から社会を守っていくためのシステムの構築は、急務の課題である」「犯罪組織の(中略)中枢に迫ることは、これまでの操作手段では限界があるとされて来た」「これを打開する新たな武器として、米国など先進国は、すでに、通信傍受などを法的に認めている」ってな言葉を並べて、つまりは「盗聴法」は必要なんだってな主張を行っている。

 あとは警察の「頑張ります」的コメントを受けて「法の適性な運用を量ること」を求める立場にあるってことは、つまりは「盗聴法」そのものには最初から朝日新聞は賛成だったってことで、こーゆーメディアに大反対の論陣を張ってもらって今国会では廃案に追い込んでもらおーと期待を寄せた人は結局、馬鹿を見たってことになる。懸念を述べて反対のコメントを出していた東浩紀さん宮台真司さん猪瀬直紀さんは、結果的には「朝日新聞の昨年暮れの世論調査によると、警察への信頼度はなお高いものがある」って記事の中で堂々と記述して、未だに共産党幹部宅の盗聴を認めない警察官僚たちに、厳格な運用を期待しちゃってる朝日新聞に、左右のバランスをとる重し代わりに使われちゃったってことなのかも。

 しかし曖昧であっても賛成であってもこれだけ新聞が書き立てた「盗聴法」が一切の抵抗もなくするすると通ってしまうのが、メディアに人を動かす力がないのか人に動く考えがないのか果たしてどちらなんだろーか。ダイオキシンについての報道1つが野菜の価値をグラリと下げてしまうテレビに比べて新聞の言論機関としてのパワーはやっぱり格段に落ちていると思って間違いない。ネットで情報がガンガンと流れる時代に残る新聞への期待は、言論機関として政治経済といったエスタブリッシュメントに与える影響だったんだけど、こーなるとそーゆー期待も抱くことが間違いのよーに思えてくる。昔ながらの老舗の看板を利用し、記事を掲載してもらってハクを付ける程度の利用価値しか見い出せないのだとしたら、全国紙で5紙もある必要はなく左(っても右側の中央寄りって程度)の築地に右の読売さえあれば事足りそーな気がするなー。新聞再生のためにさて何をすべきか何ができるか。できないってのが答えなのかなー。

 それにしても「ソウルキャリバー」はやり込むほどにその凄みが分かるって物で、例えばオープニングのムービーなんか、絵が見る度に変わって草原で髪をかきあげる女性キャラが毎回違って服装も変わってるその凝り様に、次は何が出るかとBGV代わりにしてついつい見入ってしまう。演舞の場面での下に移った影までが同じスピード同じ形で追従するのは、当たり前に見てはいるけど考えてみれば凄いことなんだろーし、シャンファの演舞だと桜か何かの花びらがサワサワと舞台の上を流れていくのが見えて、こーゆー部分にまでも力を割ける余裕が「ドリームキャスト」にあるってことも分かって、「ゲームマシンとしては十分」ってな社長の人の発言もまんざら強がりじゃないって事が目に見えて伝わって来る。「シーマン」も血の吸い合いから残りが減っていよいよ本格的な調教の始まり。8月の実稼働率ではトップを行く「DC」をさて、次のステップに載せられるかはネットを安く使える環境の提供にかかってくる。英のBT、米のAT&Tに匹敵するならやっぱり東電ソフトバンクマイクロソフト連合の無線ネット網への参画か?


【8月12日】 上野の博物館で「大顔展」なんかを見る。顔についてのいろんな展示があって最初の方には光の加減による能面の見え方、いろんな笑顔のモナリザの本物はどれ、ひっくり返ると顔って区別が付かないね、ってな表情にかかわるパート。そこからやがて進化によって変わる頭蓋骨、各界著名人のデスマスクにライフマスク、表情筋をむきだしにした頭部の標本ってな生々しいパートへと移って行き、見る人によっては失神すらしかねないオゾましさを醸し出してたけれど、夏休みな子供は無邪気でひるまず眺めているから流石なもの。大人は出来ない蛙の解剖をなるほど子供は平気で出来ちゃう訳だよな。

 かみ合わせにの矯正よる表情の変化を示した展示は一目瞭然性が高く勉強になる。みんな歯はちゃんと直しましょう。別のフロアは世界の仮面に化粧の秘密など「装い」に関わるあれこれ。仮面については伝統文化意義などつきつめれば山ほどの哲学民俗学が語れるんだろーけど、それだけのスペースもないからとりあえずは並べてその様式の違いなんかを分からせる程度になっている。秋だったかにBOX東中野だかで公開予定の狂言師・野村万之丞さんが撮ったドキュメンタリー映画か何かに仮面に関する知識の披露があるはずなんで興味のある人はそっちを見よう。

 本館に帰って第2会場でかみ合わせの力やバランスを計る機械を試すと若干の右寄りでまずまずの成果。力も結構あって老け顔だけど歯はまだ元気なことが分かってちょっと嬉しい。しかしそれだけで400円も取るとはなあ。常設展示は夏休みの宿題をやりに来たらしー女の子が山といておじさんとっても嬉しくって涙が出てきました。ジロジロと見るのはヤバいけど、誰かの親っぽい格好で行って疲れてベンチで休むお父さん然として行き来する美(の割合は実は少ないけれども一応は)少女たちを観察する、ってな夏休みを過ごして皆さん良いですか良いですよね。

 国会で盗聴法案成立、うーんグランドクロスから1日遅れたけれど日本にとって滅亡にも等しい日となったことんは違いなく、近づく世紀末への跫音がひたひたと鳴り響いて気持ちが冷える。その時良ければ何だって良いって思っているのか知らないけれど、よくもまあこれだけの問題を抱えた法律を成立させたものだと思う小渕総理は、果たして来世紀の100年において前世紀のワースト3に入る宰相だったと言われ糾弾される可能性を、自分の頭に想起できてるんだろーか。法案の危険性についての想像力が議員にもマスコミ自身にも欠けているのは分かるけど、自分のやってしまった事の恐ろしさを想起できない人たちの大勢いる事実の方が、実はもっと恐ろしい。

 必要な法案でありだから成立を急ぐんだって、それが信念と思って取り組んでいる人の果たして本当にどれだけいるのか、権力なり保身といった別のベクトルが働いたがための賛成なんだと傍目にも事情が透けて見えてしまうこの薄ら寒い状況に、さてどーやって立ち向かっていったら良いものなのか。何年か前に中国に言った時に彼らは例えば上海の甫東地区開発の青写真を、1年2年なんてスパンじゃなくって10年、50年というスパンで語る。翻って今の日本で100年先を見越した行動を取り指針を果たして策定し得るだろうか。目先のご飯につながらない事を経済界は賛成せず従って政治家も賛成しないこの風土が、わずかに100年程度の繁栄だったアジアの盟主の座を遠からず大陸に返上すること必定って印象を抱く。やっぱ倭人、なんだなあ。

 さて明日の朝刊を各紙がどーいった紙面展開でやって来るのか興味のあるところだけど、おおむね「盗聴法、総背番号制、成立」を頭に単なる経過報告に過ぎないそれ自体に主張の一切含まれない時事刻々的推移、法律そのものの危険性とは一切無縁な政治家たちが何をどやって収集を計ろうと画策したのかをルポした政治記事ならぬ政権記事、そして結果的に成立するだろうことが分かっているにも関わらず具体的な策をとれず「それでも僕たち私たち頑張りました」とアリバイ作りにしかなかなかった戦略を正当化しようとする人々の声ってあたりが打倒だろう。すでの終わってしまったことを経過報告されてもだから何? ってのが新聞マスコミへの意見でだったら「言論機関」「社会の木鐸」なんて称号は即座に返上せよと言いたくなる。どこか1面で「主張」なり「社説」を張ったら、結果の無力さはおいても一応は認めてじゃあ次に何をしてくれるのかを見てみたいが、さてはて。

 なるほど「パワーストーン」に登場するだろーとは聞いていたけど、まさか「ベターマン」にそれも大量に登場するとは幾らブロッコリーがスポンサーでもやり過ぎじゃねーのかサンライズ、だなんて実は全然思いませんでしただって山ほどの女子生徒がそろって「デ・ジ・キャラット」のコスプレをして「待ってるニョ」って言うんだぜ、これをどーして非難できよーぞ。山ほどの「ゲマ」ちゃんも登場にもはや番組はCM時間の様。アニメ化も決まった「デジコ」のいよいよ地球侵略が本格化する兆しが見え始めたのも、やっぱり「グランドクロス」の影響なのかニョ。


【8月11日】 キバヤシあたりが言うには今日がグランドクロスで世界滅亡への幕開けだったらしーけど、世間的には別にテポドンも飛んで来なけりゃスーパーモスキートも刺しに来ない平和な1日だったみたいで、ズジャーン! ってな具合の思わせぶりな引きにしてあった今日発売の「週刊少年マガジン」もたったの1日も持たずにただの法螺と化してしまった。20年以上を引っ張って、ネッシーや猿と人間のガイコツを組み合わせた何とか人ほどには長くはないけど日本記録くらいは上げても良さそーなノストラダムスに比べると、毛ほども話にならないお騒がせぶりは憤りを通り過ぎて呆れるより他はない。もしかしてこんな漫画を堂々を掲載するよーになった「少年マガジン」自体のかつて「ジャンプ」が辿った道へと至る、「破滅」の幕を開けた日だったのか、だとしたら偉いぞキバヤシ身をはったギャグに感動の拍手を。

 「マガジン」裏表紙の「ドリームキャスト」の広告にさりげなく写っている「ズラリーマン」を見てどーしてもN山@元セガ社長が思い浮かぶのは単なる目の迷いだろーか。いや別に何もN山さんがズラとか言ってる訳じゃない(言ってるじゃん)けれど、ヤニ下がった眉に細っこい目に薄い笑いの口とかがどこか感じさせるんだよね。仮にそーだとしたらこの5月だかに辞めてパソナへ移った途端のあからさまな嘲笑ってことで、これまた笑いを通り越して呆然とせざるを得ない。プランニングをしている秋元某がそこまで意識しているかどーかは知らないけれど、そーだとしたら本来は無関係だった製造上のミスの責任をおっかぶせて、1番目立っていた専務を常務に降格した時以上の、笑えずむしろ怒りと反発を買う広告展開だと思うけどどーだろー。もちろんこれは「ズラリーマン」のモデルがN山さんだったと仮定しての事なんで、知ってる人はとりあえず広告を見て判断して下さい。ちなみに簾(すだれ)ではありません。

 「盗聴法案」に絡んで新聞各紙が「今日成立」の大見出し。もちろんそれが大きなニュースである以上は事実関係を報道するのは当然で、その意味から「今日成立」と報ずることへの文句はいささかも持っていない。ただそこで思うのは新聞は単なる報道機関ではなく、むしろ歴史的な成立過程からすれば「言論機関」としての役割を持ちかつ役目を自認して来たとゆー点で、だったらどーしてこの危機的な状況の中で経過報告に過ぎない「今日成立」を1面の頭で報道しなくてはならないのか、理解は出来ても納得はできない。もしも本当に心底反対するのだったら、それがたとえ言ったところでどうにも出来ずに成立してしまうと分かっていても、堂々と1面から「社説」として声高に危険性を主張しないのか、社として反対の立場を示さないのか。「中立公正だから」「不偏不党だから」なんて言うのは単なる情報ブローカーだけで良い、言論機関として自らを主張するならページをめくった場所の誰も読まない社説で、それですらどっちつかずの主張を細々と展開してお茶を濁すなんてことはしないで頂きたいぜ某朝日。

 新聞が1面で社説なんてことは前例がないとかといえば実はあって、といってもうろ覚えなんで違ったかもしれないけれど確かあれは60年安保の頃の国会を取り囲む人々があふれた時に朝日が1面で社説として冷静な行動を呼びかけたよーな記憶がある、って見た訳じゃなく後で何かで読んだだけなんだけど、違ったとしても安保以上に個人の暮らしを脅かす可能性が高い「盗聴法案」への反対の狼煙を、新聞が1面から堂々と主張して悪いはずがない。むしろその方がカッコ良くかつ潔いと評判になって社説なんて場所よりよほど効果的に内容を伝えられる。いっそ政治経済文化スポーツテレビのあらゆる面を「盗聴法」にかこつけた記事で埋めてしまえば、インパクトも強いしそれだけの大事なんだと読者に意識してもらえるのに、正攻法どころか実は「中立公正」「不偏不党」の美名に隠れて自ら主張することをせず、曖昧さの中でアリバイ作りだけをしているメディアの今ほど無力さを感じた事はない。ってお前はどうだなんて聞かないで、もとから無力なんだから。

 「クレヨンしんちゃん特集号」に連載されて評判らしく、ちょっと前に大特集号も出て買ってよんだら面白くって単行本化を待ち望んでいた「マイペースゆず☆らん」(小池田マヤ、双葉社、619円)の第1巻が出たんで買う。関西パワーさくれつの美女2人、うち1人は宝塚の男役もかくやと思わせる美形でかつ勤め先の会社の会長の孫、もう1人は美人ながらも関西のノリがバリバリで関西弁のギャグをかまし服装はド派手で金にはガメついってなコンビが、煙たがられたのか東京へと揃って転勤してきて巻き起こす様々な騒動を4コマ漫画の積み重ねで描いてる。ほんのりとしてときどき鋭い秋月リスさんの「OL進化論」とは対極を行きそーな関西ノリ炸裂の逸品なんで、こーゆー世界が好きな人なら読んで損なし。”美男子”で同僚のOLにモテモテな蘭が実はAカップで悩んでるってのがちょっとカワイイ。実写ドラマにせえへんかな、誰やったらにおうとるやろか。天海佑希?

 皆様からのお便りによって無事「ギルマン」化を成し遂げた「シーマン」は子供みたいな声でギャアギャアと叫ぶチビ助どもが水槽の中をうりゃうりゃと泳ぎ回っててクローズアップにするととっても気持ち悪い。あの顔がでかくなってタメ口どころか憎まれ口を叩くよーになるなんて、考えるだに背中が怒りでふつふつとなって早くそーなって欲しいと毎日をテレビのモニターごしに水槽をのぞいては、つまんだり叩いたりして大きくなあれと呼びかける。さらになお一層の難関があるのかは知らないけれど、別に難しい謎を攻略することをこのゲームの本意とは思ってないんで「ギルマン」の件も含めて分からないことがあったらゲシゲシと悩みを吐露して行きますんで教えて下さい皆様。でもラストはやっぱり言っちゃ否、「おれはお前のオヤジだ」なんて「シーマン」が言い出すとはまあ思ってないけどね。


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