縮刷版99年8月上旬号


【8月10日】 IQが100を越えた途端に饒舌になった「どこでもいっしょ」によると「ルンメニゲ」と「のうてんき」の禁断の愛が発覚したらしい。小さい「マクロス」を使う人は不幸にも「ワンフェス」になってしまったという。「ガンダムZZ」が放映された時に画面の後ろに「パタリロ」の幽霊が映っていたそーな。とにかく訳の分からない言葉をぶっ放す一方でムグムグと言いづらそうな態度も見せるんでおそらくはと思っていたら案の定、夜に荷物をまとめて「キリンヤガ」まで「三日月の傷のあるネコ」に人間にしてもらう為に出ていってしまいましたとさ。最初で11日保ったのは「シーマン」と対称的、名前「しいまん」だったのがかえって運を招いたのかな、じゃあ次は「ゼルダ」と付けようだって未だに最初の村から出られないんだもん、僕。

 「ワンダーフェスティバル」で発表のあった「ワンダーショウケース」の話を別にプレスとしてご招待された訳じゃなかったけど勝手に座って聞いてたんで勝手に記事にする。まあ一応は新聞協会加盟の新聞に記事が出ることになった訳だけど、メジャーな企業からもマイナーな企業からもアウト・オブ・ガンチュウな会社なんできっとどこからも何の反響もなく埋もれていくんだろーなー、まあその分「ワンダーショウケース」のプロデューサーを務めている模型界のオピニオンリーダー、あさのまさひこさんから「言ってることと書いてあることが違うやんけ」ってなツッコミが入らないから楽なんだけど。

 しかし「ワンダーショウケース」。その発端が「ワンフェス」に来て出展しているディーラーさんたちの作品にいわゆるキャラター物が増えて一般の客もそーゆー「萌えキャラ」だったらとりあえずオッケー的感覚で来て見て買っていくんで、信念で作品を作っている上手いアーティストが埋もれてしまうってな危機感があったって海洋堂の人もあさのさんも説明してる。つまりは発表会をやってる会場の大半のディーラーや客に向かって「おめーらクズや」とまで直裁的な言い方では勿論ないけれど、半ばそれに類するアジテーションをしていたってことだけは事実として認識して良いと思う。

 でもって古手のディーラーさんからは「ワンフェスは沈滞してる」と言われてあさのさん海洋堂さんとも、なお一層の危機感を募らせたとか。参加ディーラーが増えて参加者が増えてその分人気がバラけただけじゃなく、純粋に自分の力に売れ行きがそぐわないって感じてるんだったら、その言い分はなるほどと認めて、有望だけれどスポットが今一つ当たらないアーティストを盛り上げる役割を果たすだろうと「ワンダーショーケース」がスタートした意義を讃えよう。

 ただ1点、気になったのはこーゆー有望なアーティストを取りあげず、ただ人気のキャラを作ってたってだけでそーゆーディーラーを取りあげるメディアの責任に言及した部分で、だったら模型ライターとして多分1番くらいに発言力のあるあさのまさひこさんは一体、メディア人として何をして来たのかって事への言及が欲しかった。「モデグラ」1誌じゃ模型界って変わらないってことなのかなー。

 さて「ワンダーショウケース」は一応は青田買いじゃなくって海洋堂は利潤も独占も抜きで選ばれたアーティストを半年間プロデュースして作品も出すって契約で、これを信じれば1社の独占よりも業界の繁栄を選ぶ、最近の業務用ゲーム機業界で沸き起こっている乱訴の根底にあるK社のロジカルだけれど融通の聞かない態度とは、極地にあるボランティア精神だと讃えよう。期間中も交渉自由で期間終了後は「ショウケース」の作品ですら別に製品化権移しても良いなんてホント敵に塩贈りまくりって感じだし。ちなみに第1号アーティストは美少女フィギュアを作る「ちびすけマシーン」さんとふくやまけいこキャラが人気の「たじまあきひろ」さん(だったっけ)さん。ふくやまキャラなんてあのフェルトペンの独特のホンワカしたタッチを立体作品にも移していてファンとして目頭が熱くなる。

 奇しくも美少女キャラばかりになったのは偶然と言っていたからロボットも男性キャラもいずれは出て来るんだろーから別にして、こーやって「ショウケース」のアーティストとしてピックアップすることが1つの権威として働くようになってしまい、「だったら安心」「だったら値上がり確実」ってな感性だけで購入するユーザーを増やすだけだったら、通の目を養うなんて目的は果たせないんじゃないかと思うけど、何はともあれイベント性を打ち出すことで、フツーのメディア(ウチはフツーじゃないからな、書いてる奴がだけど)でも着目させよーと狙ったものならそれもまた認めよう、「ワンフェス」を取りあげる一般紙が1つもない今はまだ、その段階なのだろーから。

 「日の丸・君が代法案」成立、各紙の社説を比べてみて思うのは、推進派の情動をも擽った説得力に対して反対派の言説は人々を突き動かす力にやや欠けているって点。何といっても酷いと感じたのは「朝日新聞」の社説で、冒頭から若者風俗で先端ファッションがやがて大流行になっていくってな事例を引いて「まわりと同じでありたい、との気持ちが強い。こういう社会では、法制化は心理的な強制力として働きがちだ」と主張してる。別に「まわりと同じでありたい」から先端ファッションを真似るんじゃなくってそれがカッコ良いと思う気持ちがあるから真似るんだよね、それを若者気質に自分の主張がないってなニュアンスを感じて引き合いに出すセンスが、いちばん状況を理解してもらいたい若者層の反発を招くんだよ。結局爺の繰り言ってしか思えないのは正直作戦として相応しくない。

 それから続いて記述される「次に権威主義。『お上のご威光』、すなわちお役所のお墨つきに弱い面がある」ってな感じの、役人にペコペコしてばっかりいるだろ庶民ってなニュアンスの言葉にイラつく。別に官僚は偉いからペコペコするんじゃない、彼らが持っている権力がすぐさま庶民のご飯に関わってくるから否でもペコペコしなくちゃならないんだ、そーゆー「権威主義」への迎合じゃない、事実として「権力」に叩頭せざるを得ない構造をこそ叩くべきなのに、庶民を弱者として描いているよーで実は小馬鹿にしていそーな文章を、どーして喜んで受け入れることが出来るだろー。

 噴飯ものなのが「もうひとつは物神崇拝、あるいは呪術主義。ただの『物』に特別の意味や力があると重い、崇拝の対象にすることだ」ってあってこーした「精神風土を克服する道」を探そうとする展開はすなわち、初詣に行って仏像を拝んだり鏡餅を飾ったり雛祭りをしたり菖蒲湯に入ったりする慣習をも否定しかけないニュアンスをはらむ。唯物史観は結果として精神のゆとりを廃して別の物ではなくても制度への、権威への崇拝を招くのはソ連に中国を見れば明かだったじゃないか、それを日の丸憎し君が代憎しを訴えるために古証文のように持ち出して来るセンスには、呆れを通り過ぎておかしみさえ感じる。

 個人的には「日の丸」も「君が代」も信じたい人が信じれば良い、ことさらに讃える必要はないがことさらに卑下する必要も感じないって中立(どっちつかず)派なんで、賛歌と同時に反対の声も同じくらいのボリュームで鳴り響いて欲しいと思ってる。にも関わらず反対派の急先鋒となるべき朝日社説のこの説得力の無さは、穿ってみれば間抜けさを貫くことで結果として敵に利しているんじゃないかとすら思えてくる。曖昧だけど「毎日新聞」の話し合おう認めたくはないが必要だったら認めようとする消極的現実的対応の方が、同じテーブルの上で議論しあるいは勝利する可能性を持っているだけに評価できる。「戦争論」問題もそーだけど、人の情動に訴える言葉に対抗するのは難しい。「反対だからはんたい」的硬直性を廃し、同じよーに情を擽って世論を導こうとする戦略を、どうしてとれないのかねえ新聞は。


【8月9日】 森岡浩之さんの不思議なファンタジー「月と炎の戦記」(角川書店、840円)をペラペラと一気読み、うーんなるほど読みやすくって面白いんだけどギャグなのかマジなのか間で揺れ動く迷いみたいなものが読み手側にあって、理解にちょっとばかり難渋する。姉弟喧嘩っぽい展開で起こったアマテラスの岩戸隠れが、いきなり西洋風のファンタジックな村へと飛んでそこの娘がミズチ退治に無理矢理派遣されて四苦八苦、妙に論理的な熊の化け物に夕食にされそうになって神様のバカヤローって具合に罵倒したら、現れたのが巨大な兎にのったツクヨミであったとは、日本の神話を持ち上げよーと懸命な富士山系的勢力から見ると、不敬の限りを尽くした小説だと言っていえなくもない。あっ、でも直接天皇じゃないからいいのか、はるか御先祖様ってことにはなってても。

 愚痴っぽい兎に薄情なツクヨミに神を平気で罵倒する娘の折りなす物語が、実は異様に深くかつ深淵なテーマをはらんでいたことを知るのは後半で、それはツクヨミやアマテラスお父神にあたるイザナギを訪ねた時に明らかになるんだけど、端的に言えば「お前昨日食ったパンの枚数を覚えているか(スゴゴゴゴゴゴゴ)」的な人間そのものの存在意義を問いただそうとするものだっただけに、さてはてこーゆー身も蓋もない言いぐさの中で出して良かったものなのか、それともコミカルなファンタジーだからこそやんわりと、けれどもじわじわと人間とゆー存在の取るに足らなさを描き出した方が感動を招いたんじゃなかと、そんなことを考えさせられる。

 人間にとって蟻ん子の世界がたとえ救いを求めて来てたって気が付かないし、クジラだって個別の顔なんかは知らなくっても減って来たんで総数は保護しておこーとゆー、そこに種としての価値はあっても個性は認めていない傲慢さがある。ひるがえって神とゆー高次な存在が人間に抱く感情ってのも、誰かではなくって種として保護しておけばいーやってな感じの「慈悲」かもしれないと、光瀬龍が「百億の昼と千億の夜」のラストで指摘したものとも共通する、神や仏にすがって救いを求める行為のもしかすると無意味かもしれない可能性が浮かび上がって頭を悩ませる。とはいえ主人公は美少女でツクヨミは美形で兎は巨大で空を飛ぶってな、爆裂した設定に可愛いイラストで深淵かつ稀有なテーマを柔らかく楽しく伝えてくれる森岡さんの、エンターテイナーに撤するその心意気はファンとして心から嬉しく思う、売れなきゃ本って無意味過ぎるもんね。

 雑誌やら科学やらアートやら逆Aやらゲームやらコジャレ系やら孫正義系な人たちと情報交換会、酔うとパンツまで脱いでくれるとゆー噂のアートの人は飲んではいたけと最後まで履いていたのはお父さんちょっと残念だったよ今度は焼酎のウォッカ割りをガンガンやってポンポン脱いじゃって下さいな。話はあっちこっちに飛びまくりでかつ中間に位置した場所に座っていた関係で双方の話をどっちつかずに聞きつつ時間を過ごしてた関係で、実は「SFマガジン」の原稿料がってな話もスターバックスコーヒーの話もほとんどうっすらとした覚えてない。終わりがけに登場した三鷹なアニメ会社(って山とあるからなー、最近話題のあの会社)の人とはほとんど話せず当然話題については触れられず、っても聞いてどーなるものでもないけどやっぱ聞きたかったじゃないですか、今でも「のうてんき」の格好で会社に来るんですかって、統括本部長の人は。

 たぶん参加者では歳で1番上くらいだったけど理性とそれから一応はまださらりまんなんで早々に辞去して帰りの電車で中笈木六さんと生まれた頃からの親友で人生ほとんど一緒に歩いてて家の玄関を出たらすぐ正面が相手の家ってな関係にある商売も同じな由麻角高介さんって小説家の最新作「スプラッタボーイ」(辰巳出版、860円)を読む。周囲に気兼ねなく読めるのは人の少ない夜中の電車の特権よ、って人前で読めない話なの? うーん表紙のイラストはまだ大人しいんだけど、内容がねー、何とゆーか両性具有の少女が犯られまくってるプロローグからその少女が復讐のためにでっかいガンをぶっ放して悪魔に魂を売ったか悪鬼と化した父親に復讐するストーリーの合間に、暗殺者の少女と楽しんだり女医さんを虜にしたりと忙しく両刀のそのまま刀を使用する展開ってつまりはエロですね、エロ。

 圧倒的でおざなりじゃなく使える描写を散らしながらもやっぱり人類の価値を問うテーマを語ろうとするあたりに、友人とかゆー中笈木六さんほどのキャリアを果たして持っているかは謎なんだけど、物書きとしての巧みさを感じる。銃器へのこだわりも親友譲りで持てる知識を存分に注ぎ込んでリアルでかつ迫力のあるガンアクションを楽しませてくれる。肉のぶっといガンアクションも存分に楽しませてくれるのはジャンルとしては当然至極。何故に主人公がそーゆー体になったのかって場面がサラリと書かれてあるだけで、股間を擽られる感じは受けなかったけど、その分別に存分な描写を交えてくれているから朝に1回夜に1回でも2週間は軽く持ちそー。しかし一体誰なんだ(笑)、由麻角高介って(笑々)。

 西武池袋の玩具売場で見かけた面白いものあれこれ、300円の新作144分の1ガンダムを2つばかり買ってみたのはさておいて、「カードキャプターさくら」のふわふわ系ドールも発売されて一瞬欲しい度が高まったけど、本体はあっても着せ替えのバトルコスチュームがほとんど品切れで制服では楽しみ半減なんで買うのを見送る。知世ちゃんは制服と私服しかもともとないんだけどやっぱりさくらちゃんの可愛い姿に目を細める知世ちゃんってシチュエーションにしたかったから今日のところはパスする。けど何でパンツ、黒いんだ? あとバンダイが輸入してるんだけど製造はバイクの川崎重工業らしー楽器の形をした玩具にすっげー惹かれる。

 サックスとギターとボンゴとキーボードがあってそれぞれにヒップだったりクラブだったりテクノだたりビートっぽいリフが、ボタンやキーボードやスイッチを押すとサックスだったりギターだったりボンゴっぽいリズム音色で流れ出して、タイミングよく押さえていけばメロディーにはならないけれどビートの聴いた瞬間芸に近い音楽をその場に現出できる。価格が4500円とか5000円もして高いのが難だけど、サックスのそれっぽさボンゴのマジに使えるっぽさが頭にキンキン来たんで、うまく広めれば結構楽しい展開になりそーな予感がする。全部揃えたら何かセッションできるかな。1つ買うならサックスがとりあえず欲しい第1候補、くわえなくっても良いのに来店していたガキなお子さまが先っぽを加えていやがってそれを止めない親に世の中のモラルの変化を感じたり。美少女(推定10歳以下)がくわえたんだったら奪ってでも後をくわえたのにぃ。


【8月8日】 明け方の午前3時過ぎまで「ソウルキャルバー」のミッションモードクリアに血道を上げて果たせず睡眠、目覚ましを午前6時半に合わせて部屋の電気も着けたまんまにしておいて、睡眠時間を削りまくってまで向かうは有明「ワンダーフェスティバル」。仕事だと絶対に起きられない時間でもこーゆー時だと不思議に目が覚めるのは別名「遠足効果」と言って楽しいイベントがあるとついつい朝も早くなるって奴で、今回もちゃんと午前の7時には目覚めて7時半には家を出られたあたりに熱の入れっぷりも伺える、って他人事じゃねーよ。

 甲斐あって到着したのは8時の15分過ぎってあたり、前回だったらファッションタウンの前のカメラ屋あたりが最後尾だったものが今回はそこを越えてホールも越えて橋を渡って幾星霜、ほとんど電車で1駅余分に乗り越した方が早かったかもって思えるくらいの、実に「パレットタウン」のあたりにまで列の最後尾が来ていてその流行ぶりにちょっと愕然とする。「ゆりかもめ」だったらホント「お台場海浜公園」あたりで降りた方が早かったかもね、料金もちったー安くなるし。とはいえ今回はワシントンホテルを東にぐるりと回る並べ方としていなかった点と、行列の人がたいていしゃがみこんでいてスペースを余分に取っていたことが、列を長引かせている理由だと見ながら推察したら、案の定午前10時をしばらく前に行列の整理が始まって、詰めていったら前回来た時とほぼ同じあたりまで列がギュッと縮まって、沸いてはいるけど爆発はしてないなってことが身を持って理解できた。

 腐りきっているとはいっても一応名前は大手町界隈にだけは通ってる新聞社の人間なんだから、並ばずとも他に入りようがあるんだろーとは思うけど、流石に秋葉原界隈には名前は通ってなくってましてや大阪近辺では無名に近かったりするんで「招待状」なんて良いものは全然まったくカケラも届かず、またこっちも別に仕事ばかりで行く訳じゃなく夏は炎天下、冬は極寒を並んで入って「完売御礼」の札に来年こそはと誓うのもまた参加者の気分を理解する上で欠かせないことだと思っているから、次回もちゃんとパンフかってそーだな朝は今度は7時半位を目指して午前5時に目覚ましかけて床に就くことにしよー。そーいえば「トイフェスティバル」も全然案内来なかったなー、やっぱマイナーな新聞ってのはこれだから。入り口が別で入場も別だって知らない「スター・ウォーズ」の小さいフィギュア集め命の青年が間違えて「ワンフェス」の列に並んでたのは可哀想な気がしたなー。買えたかな、ちゃんと。

 10時半前には入場できたのにやっぱり品切れだった「ヴィ・ショップ」の「実物大おじゃる丸電ボ付き」。実物を見たらなるほどこれならって思わせる可愛さ大きさ出来の良さで、ディーラーさんの中にも買って自分の椅子に置いて店番させてるところがあったなー、予約の受け渡しもしてたみたいだけど、やっぱり皆さん持って歩いて帰ったんでしょーか。いきなりの敗北で後は「青の6号」から紀野真弓ちゃんでもいないか探したけどガレキ関係は見つからず、でもツクダ・ホビーのドールが7000円の割引価格ピンズ付きで出ていたんで1も2もなく即購入、ほんとうは戦闘ようのぷにくになスーツ姿の方があれば良かったんだけどまだ無いみたいだしミニスカートも捨てがたい物があるんでとりあえずん所は十分です。今夜から抱いて寝ます。

 たまたまパンフレットを読んでいてチェックしてあった「漆黒の皇国」ってディーラーに回って安かった「ホシ丸」をゲット、500円って値段が実にそそるじゃありませんか、一見簡単そーだし、実際簡単かもしれないけど、でも目は難しそーかも。幾つかあったみたいだけど午後には完売だったところ見るとそれなりに評判も良かったんでしょ、あとシイナとホシ丸がメロンアイスだかを食べてる3000円のバージョンもあったけど、こっちもホシ丸だらりと手足を下てて可愛いんだけど作るだけのスキルと余裕が今はないんでしばらくガレキは遠慮します、きっと冬になったら暇だらけになるんだろーけど、いーかげん仕事も飽きて来たところだし。また口だけ? へいへいそーです。

 「なるたる」関係は別ん所で塗装済みホシ丸が3000円だったりシイナのお父さんを撃墜した名前忘れた手が変化する妖精みたいな女の子が出ていたりしてそれなりな人気の予感、気分ではやっぱりホシ丸リュックも欲しかったけどフィギュアじゃないからこーゆー場にはあんまり出ないか、ってだったらコミケで出るかってゆーとそーとも思えないしなー。やっぱ自分で作るかミシン踏みながら。「レイン」は5点ほど見かけた感じで印象に残ったのはベッドの上で仰向けになって首は起こしている熊ちゃんパジャマ姿の奴でそーか、あっさり完売になってましたが。メジャーなキャラでは「ビバップ」のフェイ・バレンタインが今は亡き(南無阿弥陀仏)「ルッカー」の表紙で立て膝して片足は寝かせた色気ムンムンなポーズをそのまま立体化した奴が結構ソソる出来で完売に泣く。「ブギーポップ」も2つばかり見かけたけど人気は相変わらずでこれも残念、誰かだったら相良宗介でも作らないかと思っていたら、ガレキじゃないけど変身サイボーグ用ヘッドでそ宗介が出ていてしぶとい人気と納得、似てたかどーかは神のみぞ知る、だけど。

 毎度お世話になります「アルフレックス」の時代劇人形は初出展の「念仏の鉄by山崎務」に初めて見えてやっぱりな迫力に売れるだろーとの確信を抱く。あの鉤鼻あの酷薄そうな唇あの目をちゃんと再現しているあたりは原型の兄さんの腕未だ衰えじ、むしろ作り続けることによって鍛えられてるってことなんだろー。今回目玉の「中村水主 会場限定スタンド付き18000円」は用意してあった50体が午前中のうちにほぼ完売状態になり、正午近くに寄ったら「あと3体」ってことになってて声につられて慌てて財布から残ってた現金をごっそり取り出し購入してしまう辺りに根性の無さ意志の弱さが見えかくれする。

 さすがに同時に売ってた「侍 三船敏郎」は遠慮したけど既に完売御礼な「座頭市」の後を襲っていずれ完売になるのは必至なんで、近くそのうちに購入してこれまでのラインを揃えよー。去年の「JAF−CON」で見かけて取材に行ってから1年、今は本業のSPツールの仕事はどーなってんだかアルフレックス、でも頑張って「悪魔くん 水木しげるバージョン」も作って下さい「若山富三郎版 子連れ狼 乳母車付き(木製になるかは未定、でもギミックはいっぱい、ミサイルとか飛ぶかも)」も。京極夏彦さんこーゆーのって買わないのかなー、「必殺」「子連れ」大好きなのに。ルーカスに三船とか上げたら喜ぶかなー。

 帰宅して読了したのは北川歩実さんの「透明な一日」(角川書店、1700円)。記憶の魔術師っぽい作品の目立つ北川さんだけあって今回も扱うネタは「前向性健忘症」って記憶にまつわる一種の生涯。酒を飲んだ間のことをすっかり忘れてしまうって奴のきっと大袈裟になったものだと理解すれば良いんだろーけど、その瞬間に覚えたことを直ぐに忘れて記憶できないって症状を、記憶が十分でもないけど一応は簡単でも蓄積されていく脳味噌を持っている人間だと、まずなかなかに理解に苦しみ読みあぐねる。

 それでもそーした症状を持つ人間の怪しさ、そーした症状を持つ人間ならではの動機が浮かび上がってくる幾つかの殺人事件を発生させて、記憶の意味とそれを使った仕掛けを問うていく辺りは作者ならではの記憶へのこだわり脳科学への関心が伺われてファンにはたぶんん堪らない作品い仕上がっている。エンディングの最後の1行までもがハラハラさせる展開で、犯人は誰で動機は何で健忘症ってどーゆー事なのかをあれこれ考えさせてくれる、良質でちょっぴり酸っぱいミステリーに仕上がっている。とはいえなにぶん前向性なんて大袈裟じゃないどちらかってーと「老人力」に近い記憶の衰退が見られる今日このごり、読んで覚えたことを明日もまた覚えているとは全然限らないあたりに、出世もしなけりゃ学問すらもおぼつかない今の立場が何となく透けて見えてとっとだけ落ち込む。っていったい何の話をしてたんだっけ、おや何を書いてるんだどれどれ、ふーん誰が書いたか知らないけれど随分自虐的な奴だなー。


【8月7日】 シリーズ最新作の「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」(上遠野洋平、イラスト・緒方剛志、メディアワークス、570円)を一気読み、1つの事件を時系列どおりに流しきっちりまとめてしまってるのは、時系列を前後させて事件を描き出してた第1作とか前作のパターンと違っているけど、それでも導入部でしっかりつかみ物語できっちり盛り上げ真打ちブギーポップを半ば狂言回しに使いつつしっかり落とすところなんざー、とてもデビューから1年ちょいの未だ新人の類に入る人とは思えない見事さよ。口絵も華やかさが寂しさへと行き崩壊に突き進む物語の気分を同じ構図ながらも人の配置を変え色を変えて表していて、上遠野×緒方が2人そろっての「ブギーポップ」なんだってことを改めて印象づけてくれる。

 その意味では立場が逆転して上遠野原作、緒方作画で「電撃アニメーション」でスタートした漫画版「ブギーポップは笑わない」が原作のあの広漠として寂寥間漂う文字で表された雰囲気を、ときおりギャグっぽい顔立ちを交えながらもどこまで描き出していけるかってのに興味がある。あれだけフクザツな世界感を絵にして来た人だから、心配はいらないんだろーけれど。それにしてもアニメ化を2000年にやると言い切っただけあって、いきなりの漫画連載スタートそれも「ガオ」とかってなコミック誌じゃなくアニメ雑誌での堂々連載ってあたりに、メディアワークスの本気度がチラリ伺える。「悠久」以上に。連載されてる間はたぶん雑誌も大丈夫だろーから、裏表紙から数えて7ページ目の某某な某による連載も続いてくれるだろーことを、近所の神田大明神&湯川聖堂&ニコライ堂に向かって祈ろうー。神様孔子様キリスト様

 気合いの入れ方では多分同じくらいだったんだろーけど空回りしたの散々な目にあってしまった「ガンドレス」に関する進展が、っても暑中お見舞いがいきなり届いて「『ガンドレス』完成に向けて只今制作進行中!」って書かれてあって、つまりは予定していた夏んはビデオ化は難しそーでどーやら9月末ゴロの配送になるってことらしー。絵はがきではもはや誰だか覚えていない、たぶんチームのエラいさんだったよーなお姉さんのイラストが笑ってますでもどこかひきつってるよーな(気のせい)。スタッフへの「応援メッセージ」をメールで送ってね、って書いてあるけど何をどう「応援」すれば良いんだ?

 ちゃんと作ってたってことは誉めてあげても良いけれど、あのバージョンを見せられた頭には正直感性版の出来不出来など実はどーでも良くって、仮に送られて来たとしてもビデオはあの歴史的画期的先鋭的映像から大いに外れたフツーの映像になっているに違いなく、だったら永遠に待ち続けながら「そーいえばこーゆーことがあったんだぜ、おまけに今に至るまで」ってな話のネタにしていた方が、よほど伝説として語り継がれるんじゃないかと思ってみたりもするけれど、そーは言っても約束は約束なんでとりあえずは9月末までには完成させて、大々的にお披露目なんぞをやってみちゃー如何だろー、自虐的であってもやっぱ、話題作りは必要だぜ。

 東京都現代美術館で開幕した「身体の夢」展をもぞもぞと起き出して見に行く、夏の暑さで歩く道路も茹で上がっているみたいだけど、ほら木場から東京都現代美術館まで行く途中の公園は木場だけあって水辺を模したものがいくつかあって、近所のガキなお子さまが水遊びなんかをしていてとっても目に優しいんですわ、ってあぶねー奴、でも深川警察署も近いんで無茶はしません流石にねえ。で展覧会の方は1つは過去のコルセットから最近のデザイナーによる半ば実験的な物も含めた衣装の歴史をザッと辿ったもので、もう1つはファッションをテーマにした美術作品って構成になっている、ってもそれらが結構入り交じっている辺りもアートとファッションとゆー共に「美」を追究する物だけに、どこかでベクトルが重なり合っているって事の現れなんだろー。

 居並ぶコルセットは最近読んだ唐沢俊一さんが監約したアメリカ人だかが書いた身体改造用珍妙パーツを集めた本との絡みから、こーゆー物を使ってまで人は体を改造したがったのかと往時の人の嗜好も含めていろいろ考えさせられる。途中から胴体への圧迫がズンと減った衣装が出てはくるんだけど、それでもコルセットこそ外されても依然細身の胴体が主流を占めてそーゆー体型の人じゃないと着られない服が並んでいるのは、いくら好みが多様化っていったって美の基準がそう短期間にグラリと変わるってもんじゃーないことを示しているよーな気がしてならない。情報が蓄積され共有されるよーになった影響かな、染み着いた観念がなかなか消えやしない。

 気になった服は三宅一生さんが作った1枚の布にスナップを付けて体にまきつけて定められたよーにスナップを留めると服になるって奴。中身のマネキンのスタイルの良さもあったんだろーけど見た目の可愛さが近所にあった別の服に比べて群抜けていた。川久保玲さんの服はカラスなボロルック系はなく最近のなのかなチェックの可愛い柄の素材で背中が瘤だったりお尻がでぶだったりと、異形なものを中に入れて身体のラインを通念的な美の基準からすれば醜く改変してしまう作品を出している。服は人に着られてナンボなんでマネキンを使った展示では真価が掴めなかったけど、街にこーゆー服を着て歩いているひとがいなかった所を見ると、極めて実験的先鋭的な部類の服だったんだろー。思想は分からないでもないけれど、美はなかなかに頑固だからね。

 芸術の方では「デパートガール」ってゆーか案内嬢を山と集めてショーウィンドーに並べた動く歩道に積み重ねたりした写真で知られるやなぎみわさんが個人的な趣味もあってお気に入り。制服でミニスカートで能面みたいな顔の美人で手には手袋ってスタイルは、どうにも男のフェチな気持ちを擽るんだよね、でもって足を横にして座られたりするとその太股が目に白く焼き付くんだよね、うーたまらん。本来的には消費社会の象徴を消費しまくる一種の警句にも満ちた作品なんだろーけど、見た目の凄さに圧倒されて邪(よこしま)な気持ちにとらわれて、そーゆー真っ当な見方がちょっと僕にはできません、でもそーゆー見方でもいーんだけど、アートなんて。

 「シーマン」はまた死にくさって残り3匹になりやがったぜ俺にはやっぱペットは向かんか。「ソウルキャリバー」は5分46秒台とかってなクリアが出て今んところこれが1番、でも技を覚えてすべてをパーフェクトで行けばもっと早くなるんだろーから、コマンド覚えて鍛えねば。しかし見た目のなめらかさに加えて8方向にずりずりと動けて背中側からだって攻撃出来てしまう自由度ってのを、家庭用ゲーム機で楽しめる時代が来ていたとは技術の進歩もこれでなかなか素晴らしい。入交昭一郎さんが「ゲームとしてのグラフィック能力は十分だ」って「ドリームキャスト」の事を言ったのはまんざら自画自賛ではなかったんだねー、だったら自分家で作れよな。シャンファが倒された時に見せるうつぶせになって手足をバタバタさせるポーズがなんか変、誰ですかこーゆーデータを入れたのは。


【8月6日】 うーんやっぱり間違えていやがりやがったらしーW辺嬢@アニメージュ編集は日本なのにライバル紙の日刊と思っていたそーな、まーいつものことですんで別に決してお根になど持ちませんが(by厩戸皇子)もしも心に棚が、じゃない罪の意識が芽生えたのでしたらお願いします29日の千葉市美術館での高畑勲監督講演会の場で観客席から唄って下さい「おーじゃまじゃまじゃまー」って、何でしたらよく似た声になるよーにボンベ入りの窒素ガスをこちらで用意させて頂きます。鈴木プロデューサーがいたら包丁で刺されるかも、最近のいしいひさいち漫画のキャラクターみたく。後そーですね「となりの山田くん」のオコリんぼな人も、東急ハンズかロフトのパーティーコーナーで、多分売ってる変声の窒素ガスを持って千葉市美術館にいらして下さいあたしゃ応援しますから心の中だけで。

 お仕事をして仕事をして現金を稼いでから総武線に乗って横須賀線を経て再びな「パシフィコ横浜」へ。雨が近いのか地平線にはムクムクと入道雲っぽい凶悪な面立ちの雲がいっぱい沸き立っていて、こんな場面をマイルス・デイビスのサマータイムを聞きながら三脚立ててパチパチとって荒木な気分を味わいたいって思ったけれど、小岩あたりで外も見えなくなるくらいの土砂降りになって荒木ってたらカメラごと水没だったと天気を見る目の難しさを実感する。雲撮るってのも命がけ、ってか。電車はやがて桜木町に到着、初期にバテバテだったんでスタミナとるべーと駅前にある脱税が発覚したのは本部だろーからチェーンは関係ないだろー「餃子の王将」に学生時代からだと10年は軽く経過したぶりに入ってラーメン定食をば。「シウマイ」の街で食う「餃子」ってのもレジスタンス入ってて気分はちょぴりレッドです、ってそれほどのものなのか?

 流石に食後はツラかったんでバスに乗って展示場まで。入り口で名刺を出すと「ああこんなにでっかく記事にしてくれた」と喜ばれたのは嬉しかったけど、これだけ世界中の人が遊びまくってる「マジック:ザ・ギャザリング」の米国以外では初めてってゆー世界選手権をおよそ日本のエスタブリッシュなメディアの1つも取材に来ていなかったらしーと気付き、これじゃー世間様とは新聞テレビの気分がズレるのも当たり前だと実感する。20万人しか集まらない「GRAY」のコンサートを1面から流す一方で、20万人が3日連続で集まるコミケを事件じゃなく正式にイベントとして報道するメディアが皆無な現状を鑑みれば、文化への意識の差ってのも全然分からない訳じゃないけどね。5万は来るだろー「ワンダー・フェスティバル」への果たして対応や如何に。やっぱコスプレくらいしか紹介しないのかなー。

 喜んで戴けたよーでロゴ入りのキャップやTシャツをくれたんで頂戴しつつ場内を見学、一昨日はまだ始まっていなかった世界選手権の予選が赤いテーブルの上で粛々を進んでいて、500万円近い賞金を目指してここが正念場ってな強い意志を紛々と発散させて写真の撮影すら近寄りがたい。個人は知らないけれど国別だとやっぱり圧倒的にアメリカが強くって1位になってて後はどこだったっけ? 知らないけれどフランスが結構上位にあってあーゆー国でもアメリカンな「MTG」を受け入れてるんだってことが分かって面白かった。ちなみに日本は7位くらいだったかな、39カ国ある中では上位だけどデュエリスト人口では米国に次ぐくらいいるはずなんでこれはちょっと拙いかも、でもサッカー人口多く立って「ワールドカップ」にやっと出られる国だから、金満と能力ってのは実は全然関係ないのかも、もちろん知性も。

 刊行なった浅暮三文さん「カニスの血を嗣ぐ」(講談社ノベルズ、980円)を帰りの電車でしゃりしゃりと読む、980円たー新書の高くなったもんだと思ったのは内緒、けどそれだけの価値はある緊張に溢れる時間を過ごさせてくれるから値段を見て棚に戻した人はとりあえず再び手に取りなさいと言っておこー。匂いが中心となるのは「偏執の芳香 アロマパラノイド」(牧野修、アスペクト、1800円)と底流が一致するけれど、向こうがホラーからSF寄りな放しだったのと比べるとこちらはいささか鋭敏さが増し過ぎてはいるけれど病気と説明して人間の拡張した能力がなせる技だと納得させ、その上で現実に起こり得る事件を現実に即して描く完全なミステリー寄りの作品に仕上がっている。それもすっげーハードボイルドな、あの根っから明るい御本人からはとっても想像できないくらいに。

 主人公が神戸生まれで広告代理店に努めてた経験があってカントリーが好き、ってプロフィールに同じ経歴を持つ浅暮さんを重ねる読者もあるいはいるかもしれないって思うけど、匂いのよーに嘘をつかない情報とは違って活字の情報は重ねて塗れば真実も隠れて痘痕も靨(えくぼ)も消えてキレイな顔になるから、言明はしないけれど気だけは付けよーと指摘だけはしておこー。

 本筋に戻れば犬にも匹敵する嗅覚を得た男が、それを頼りに自分に降り懸かりそーな殺人事件、ってゆーか動機は仲間と思っていた犬が殺させた殺犬事件の謎を追って東奔西走する物語に、こちらは暗喩としての嗅覚つまりはカンと意志によって事件の犯人と黙した男を追いかける刑事が絡む、2人の”猟犬”を描いたハンティング小説とも言えなくもない。双子の扱いが神秘に謎めいていてまたかと眉を顰めたのも事実だけど、それも仕掛けの1つと納得すればこれだけワクワクさせてくれる小説を最近あんまり読んでなかった。こーゆー路線で今後もいくとなるとファンもついて神秘な作家と浅暮さんを思い慕う婦女子の大勢出ること必定、そこでサイン会でもと開いた先で登壇するなり「あっさぐれでーす」とポーズもバッチリ決めて叫べば、なお一層のファンが着くこと不確実だとここに開催を是非と願って本屋さんたちを拝む、どーですビブレ船橋旭屋書店さん。


【8月5日】 再生したマッシュルーマーはまだ元気です。でも1日家にいない勤め人な生活で皆さんよくもこれだけ難儀なソフトを育ててるもんだとちょっと不思議に思う。だって電源落として遅くに家を出て早くに帰ってアクセスすると、水温は10度まで下がり空気も淀んで2、3匹死に掛かってるよーな鈍い動きしかしないんだもん、これが早朝から深夜の残業を経て飲み屋でクダまいて帰る若リーマンだと確実に1日で全滅になるんじゃなかろーか、それとも怠惰な重役出勤してる野郎とアクセス時間から見越して天罰を与えているのか開発者は。だったらそれはそれで凄いけど。やっぱり1人物には電子であろーとペットは向かんってことなのかも。「デジモン」やら「ファービー」やらをどれ1つとして真っ当に育て上げられない属人的な要素ってこともありますが。

 ちなみに3月購入の「ファービー」はここ1カ月間ずーっと寝っ放し。スピーカー壊れたか声も甲高くなってて久々に聞くとなんだかちょっとキビが悪い。その点「どこでもいっしょ」の凄さはやっぱり持って歩けて触るだけ育っていくことでしょー。「ポケモン」みたいに対戦しなけりゃ集められなかったり、「たまぴっち」のよーに電話してくれる友達がいないと断末魔に苦しむ「たまぴっち」を見せつけられる、ってこともなくスタンドアロンな人間だってそれなりに遊べてしまえるからね。今はとりあえずIQは84くらい(これだけの言葉を覚えたってことか)で画面に出てくる文章にもそれなりに繋がりが出てきた感じ、マツキヨでカバディやったら笑われたなんて文章はほら、なかなか当を得てるでしょ、って得てねーよ。10日あたりが節目だってことでちょっと楽しみ、ポイントも貯めてるし。

 ちょっち前話題になり過ぎるくらいになったガイナックスの暑中見舞いは斉藤友之さんて人の尻尾首輪な美少女のイラストで、「彼女彼氏の事情」がはや懐かしさを通り過ぎ始めていて、況や「蒼きウル」だった頃など忘却の彼方へと押しやられてしまうほどに一応はちゃんと動いてるって事が分かって宜しい、って宜しくないぞ「蒼きウル」に関しては。さてガイナックス、この夏には新キャラクターズ「あに・まぐ」(「あにまる・まぐねてぃずむの略らしー)を颯爽とデビューさせるそーで、ワンフェスとコミケにドドーンと出展してはいろいろなグッズを販売するとか。昨今のあーゆー話題の後だとやっぱり世間の注目ってのも集まるだろーから、ブースに並んでるところを写真に取られて上司に見られたら……なんだ全然ヤバくねーやそーゆー奴だと思われ切っているだろーから。よっしゃだったら映ってやるぜ右手に「あに・まぐ」左手に「デ・ジ・キャラット」来ているTシャツはコスパあたりの陵辱美少女ってあたりをビシっとキメて堂々と。

 秋葉原では「ドリームキャスト」関連ソフトが大賑わいでラオックス・ゲーム館の2階も珍しく人で溢れててまるで11月28日の発売日の喧噪を再び見るよーだった。19900円に値下げした時もこれほど賑わってなくって取材に来ていたらしー「読売新聞」のカメラマンなんかどこ撮ったら良いか迷ってたもんなー。おそらくは今日発売ではナムコの「ソウルキャリバー」かセガ・エンタープライゼスの「プロ野球チームをつくろう2」、それとハドソンだかの「北へ。」デジタル画集のどれかを買ってたんだろーけど、よくよく考えると先週の「シーマン」及びコナミのフライト物、そして今週の3本を越えてさて後冬までいったい何を待てばいーんだろーかと首をひねる。

 あるっちゃーカプコンのゾンビのゲーム位しか思い浮かばないし、ほらあの「雪山マシンガンOL」と「横須賀おやじーっ!」な奴があるじゃんって言われたって、ねえ、ちゃんど出るのかすらアレだし。つまりは8月11日を前にしてすでに「DC」は今日がグランドクロスだったって訳で、MMR風に言えばバンアレン帯の崩壊によって降り注ぐ宇宙線が体の遺伝子に影響を与えて人類滅亡への幕が開くって訳でこれをまんま「DC」に置き換え考えると、残された道は絶滅ってことなのかと不吉な予感にほくそ笑む、笑んでちゃいかんが。せめて「サクラ大戦3」の案内だけでも出さないと客が逃げるぞ、「セングラ2」だけじゃいよいよ心許ないぞ。なんだか発売1年を待たずしてすでに末期「SS」ん時のよーだなー。

 それでも「ソウルキャリバー」は流石に良い絵でプレイしてみても女体のなめらかさふくよかさがちゃんと感じられて有り難い、挌闘ゲームでそーゆーところしか見ないのかオレ? 揺れまくらないのはちょっと残念。とりあえずは当然ながら「シャンファ」ちゃんを使ってアーケードモードでプレイ、難易度はきっと軽めに設定してるんだろーけど、それにしても出てくる奴らを最悪で1度の復活くらいでばったばったとなで切りにし、ラスボス倒して宇宙人もやっつけ何とたったの6分54秒78でクリアして、妙な漫画調のエンディングまで見てしまった。ド下手な自分がコマンドも知らず適当押ししただけなのに、これで良いのか大丈夫なのかプロは満足出来るのか。きっと突き詰めて遊べばそれなりに奥深さもあるだろーからしばらく研究してみよー。「シャンファ」ちゃんフィギュアとか出ねーかな。

 「スター・ウォーズ」じゃ「ペプシ」がフィギュアで一儲けしたみたいだけど、「オー・プラス」も負けちゃいないと中田選手のトレカをおまけに付けはじめたんでちょっと飲み急ぐ。2日で4枚ゲットしたカードは8枚ある通常版ばかりでレアな金・銀に超レアなサイン(印刷だけど)入りってのはまだ出ていない。500本とかに1枚だそーだからきっと永久に出ることは無いと思うけど、それでも40近くある頭をすべて集めるなんて無茶よりはまだ総数だけならまだ集まりそーな印象があって、別にファンでもないのについつい「オー・プラス漬け」になってしまう。やっぱり流行りとかオマケに弱い人生、なんだねーオレってば。ペットボトルならそーだな「南アルプスの天然水」で大滝秀治カードでも付けたら話題にだけはなって面白いかな、売れるかは知らん。


【8月4日】 なんでもマッシュルーマーを巻き貝に食わせるとトンデモな事が起こるらしーと聞いたけれどどんなにトンデモな事なんだろーかと今は試してみる勇気がないから、とりあえずは再び全滅な憂き目になった暁に試してみちゃおー「シーマン」水中残酷物語。「どこでもいっしょ」の「しいまん」は牛丼を食べて冬瓜が嫌いでタニマニアが秋葉原の隙間に出没する妖怪だと思っている田中麗奈と紀野真弓ちゃん大好き久多良木さん大嫌いなねじ曲がった性格に育って来たけど時間がなくって入力面倒なんでIQ未だに63です。

 これ以上言葉が増えるとクイズん時にポイントは高くなっても該当する言葉を思い出せず、結局答えられないまんまヒントを3つ言われてしまう可能性が大だから、ここで入力はひとまずおいて特点稼ぎに走ろーか。とはいってもすでに今朝方覚えさせた言葉すらも忘れている朝令暮改型健忘アルツハイマー症候群。やっているとこんな言葉も入力したのを忘れてしまっていたのかと、なかなかに背筋を震撼させてくれて「シーマン」に劣らずこの夏1番クラスのブキミソフトだったんだなーと理解する。ホント怖いよ、年寄りにゃ。

 がんがんメモを取っている割には実は書いたことの8割は字がミミズかロンゴロンゴ文字かロゼッタ文字で判別できなかったりするから実は単なる労力の無駄だったりするんだけど、それでも話を聞いてばっかだと間合いが埋まらないからメモを取って安心したフリをするんです記者って因果な商売だ、ってことで今日もきょうとて大量のメモを取りに「パシフィコ横浜」へ。かの「マジック:ザ・ギャザリング」の世界選手権が開幕ってことで主催者とか発明者とか愛好者ってな人たちが集まって記者会見を開くってんで、自分では全然ギャザらない癖に半分のさらに半分くらいは通ぶってたい悲しい性が、午前11時なんてフリーな人には脅威とも未知ともいえる時間帯に「パシフィコ横浜」なんて千葉県民にとっては久遠とも涅槃とも言えそーな遠隔地へと足を運ばせるのであった。単なるヤジ馬野郎とも言いますが。

 待っていると「今佐竹さんのベンツが到着」とかってな連絡が受付にガンガン入って来てそーか佐竹雅昭さんはベンツに乗るのか、とか思ってしばらく部屋で待った後、トイレに言ったら入り口で身の丈2メートルもないけど巨大な男とすれ違い、見るとかのKO、じゃないK1戦士の佐竹雅昭さんだった。意外と細身になっていたのはシェイプしたからなのかな、最新号「ゲームぎゃざ」の大森望さんによるインタビューを読むと福岡の試合で勝ってたみたいだし。やがて関係者が表の廊下で談笑してたんで覗くと佐竹さんが外国人を相手に立派に英語で会話していて、健全過ぎる肉体に宿った知性に嫉妬込みの先入観を改める。そーいや佐竹さんて外語大出だったっけ。

mtg  そのうち会見場に入場して来た佐竹さんをいちばん右に、「マジック:ザ・ギャザリング」を開発したファンにとっては多分カリスマにも等しい人物なんだろーリチャード・ガーフィールド氏、マジックを発売しているウィザード・オブ・ザ・コースト社のアトキンズ社長とかが着席し、さらに横にはこんなところで名前が上げられちゃってたりするホビージャパンの佐藤光市社長とかが居並んだ様はそれなりに壮観。佐竹さんの強さがどこまでかは分からないけど、肉体付き対戦(なんてものがある)なら間違いなくナンバー1だろーから、日本では、モーリス・スミスはいないし。

 膨大なメモも相変わらずの沙蚕(ゴカイ)が線虫で判別不能なんで頭に覚えているガーフィールド氏のコメントを引用すると、この「マジック」ってゆーものは単なるカードゲームなんかじゃなく知的スポーツであってかつ、これを普通のスポーツに引けをとらないくらいに社会的に認知させたいってことを訴えていたのが印象的だった。部屋ん中で大の大人が吹けば飛ぶよーな紙切れ出し合い闘っているどこがスポーツだ、ってな意見ももちろんあって当然だけど、一方で中国国家体育局が「マジック」を公認したって報道もあるだけに、健全な脳味噌が健全な肉体を作るってなことが中国4000年の気孔に太極拳な国だけあって可能なのかもと思えて来た。

 あるいは佐竹さんが言ったよーに相手との駆け引きを考え決して強いカードじゃなくても使い方組み合わせ方によって強い相手も撃ちまかせるってな点が、格闘技にも強い関連があって人生においても相当に応用できるってな「ゲームぎゃざ」創刊号のインタビューとも共通する話を喋ってくれた。これってなんだかハマり過ぎてて客観的にはイヤなんだけど、いわゆる「お宅」な遊びのほとんどが何か事あればその原因として糾弾される世の中にあって、紙切れ遊びがスポーツとして認められ慕われるってのは結構勇気づけられたりもするんで、ここは知名度抜群肉体も抜群な佐竹さんを前面にお仕立て、肉体派オタクの決起集会でも開いて世間にアッピールして頂きたい気になって来た。

 会見が終わって会場をのぞくとフリーゾーンには午前中から詰めかけていたってゆー人たちがすでにデッキの見せびらかしっこや対戦を始めていて、熱気がムンムンと伝わってくる。せかい39カ国から来た204人の選手はそれでも余裕があって、本番の世界選手権が始まるまでをゆったりくつろいだ雰囲気でスタートした開会式を眺めてた。前に3人ばかり座ったいかにもな連中がココ3年くらいのチャンピオンってことらしく、世界中から集まって来た(ホント世界中、それはゲームショウより多いかも)プレスの視線を集めてた。

 たかがゲームと侮れないそのチャンピオンの人気ぶり、かつ1等賞金が3万4000ドルってケタには司会の伊集院光さんともども仰天で、これで本格的に対戦番組なんかが放送されるよーになれば、ビリヤードやボウリングってなメジャーじゃないけど根強い人気のスポーツ番組と同様の、いやむしろテレビでデッキの組立方やら対戦スタイルなんかを確認したい大勢のファンが、こぞって見る人気番組なんかになるかも。今回の世界選手権も米国から来たテレビが取材して放映するらしく、本場の人気ぶりをそこでもジンと実感してみる。

 日本はそれでも帰社して「これが流行ってます」っても若い記者からおじさんまで、誰1人として知らなかったりするからいかに新聞社ってとこが流行に疎く、むしろ隔絶された生活を送ってそれでも平気ってな状況かが分かって戴けるかと思います。大会は8日までなんで「ワンフェス」抜けてそっちへと転戦しよーかな。ガーフィールドさんとの対戦とかカードの即売、有名アーティストのサイン会なんかも開かれててて「パシフィコ横浜」は敢然に「マジック」1色、次に日本に来るまで人気が持つとは思うけど20年後とかってな可能性もない訳じゃないんで、触りだけの「でゅエリスト」でものぞいておいて損はないと思うぞ。


【8月3日】 「シーマン」はマッシュルーム8匹のうちの5匹が死去、残り3匹のうちの2匹もまもなく息を引き取ったらしく水槽の中を下へと沈んで後ピクリとも動かす、再アクセスしたら死骸すらも消えてしまって残り1匹が力無く浮游するばかりとなっていた。こりゃヤバいかもと思って電源は落とさずセーブだけして出かけたんだけど、帰宅すると残りの1匹も水面に浮かび酸素を供給すると今度は下へと沈んでご臨終、結局すべてが死に絶えてしまい水槽は奇妙な貝が1匹ズリズリとはい回るだけのブキミな姿となってしまった。

 これで本当にキチンと動いているのか実は不安になってるんだけど、他にやり方もなさそーだしきっと何度かの試行錯誤の末によーやく幼生体となり成体へと変貌を遂げていく様をカンドー的に眺められるんだろー、と思うんだけどさてはて。再スタートした水槽ではマッシュルームが8匹元気に暮らしています(by細川俊之)。

 「じゅげむ」の最新号にSCEIの岡本伸一執行役員が唐突に出ていた理由はそーゆーことだったのかとよーやく気付きつつ会社へ行って適当に仕事。近藤正純ロバートさんなる別にアヤシげなハーフなんかじゃない元興銀マンが率いるレゾナンス出版が、珍しく手を出すレジ前サイズの占い本の話とか、ロバート近藤なるミッキー安川やばってん荒川みたいにアヤシげな名前だけど実はコーネル大卒の人物が、トレンディドラマの名セリフを土台に英語を解説するとかってな早見優ちゃん推薦らしー英会話本の話やらを土台に、適当な話をでっちあげてでっかく仕上げて記事にしたりと色々小細工を弄する。

 トミーの「ファービー」がたったの2カ月で100万個を出荷して見事100万個目をゲットした人とその前後の人にプレゼントを贈るとか、DASACON明けの28日とかに原宿クエストホールで自慢の「ファービー」を見せっこするイベントを開くとかいった記事も突っ込みこれでだいたい100行超、あとはバンダイの「松坂魂」なる球速測定機やら何やらかにやらの記事を100行ばかり突っ込んでから、期待の京極夏彦さん原作「怪」のテレビ映画化に関する記者会見をホテル・ニューオータニまで見に行く。

 会場には30分前に入って涼みながら昼寝しながら取材ノートの整理。しばし席を外して戻ると隣りに妙齢でスレンダーでジーンズ姿でサラサラヘアーな女性が腰掛けていてこりゃーラッキー、とか思っていたら、やがて到着した大森望さん@目玉焼きTシャツの知り合いらしく紹介してもらい、何と某「アニメージュ」のW辺@京極さん担当だったと判明する。加えて某「逆A」の担当で、ってことはつまり藤津亮太さんと一緒に仕事をしている人ってことで、関係者ばかり集まるとは言っても世の中これでなかなかに四畳半だなってなことに思い至る。

 W辺嬢はとっかえひっかえカメラを出して記者会見中も飛び出し何枚もパチパチパチ、さてその成果が果たしてどのよーな形で披露されるかは、時期を考えればおそらくは9月発売の「アニメージュ」あたりで明らかになることでしょー。会見の途中で声出して笑うゴーカイさは流石に編集稼業な女っぽい。藤津さん楽しそーでいーですね(いーのか?)。

 発表内容ってのはつまり日本衛星放送ことWOWOWで京極さんが角川書店から刊行されている「怪」って季刊誌に連載している怪談話「怪」を土台に書き下ろした、オリジナルのストーリーを元に90分のドラマを製作して順次放映してくってもので、映画部の製作ドラマってことでは今年2月の「天然少女 萬」と同じパターンってことになるのかな、こっちはWOWOWの社長賞まで受賞したんで、結構イケイケな感じなのかも、シーズンごとの放映ってことでタイプはちょっと違いますが。

 第1回目が年末年始に京極脚本による「七人みさき」、以後京極さんのプロットを別の人が脚本家にて来春に「隠神だぬき」、来夏に「赤面えびす」、来秋に「福神ながし」が順に放映されることになっている。ところで京極さん初の脚本って言ってたけど、例の「鬼太郎」って脚本自分じゃなかったっけ? 記憶薄れてて覚えてませんが。本も買ったんで探せばあると思うんだけど、ほら読みかけの本さっき使ったリモコンすがら次の瞬間消滅する怪奇な部屋(不精ともいう)なんで探せないんでし資料が。

 出演はマドンナワインで「ガラスの仮面」な田辺誠一さんに「高校教師」な遠山景織子さん、脇に佐野史郎さんという超絶強力なメンバーを揃えてて、監督に時代劇ならこの人ってな京極さんも安心の酒井信之さんを起用し京都撮影所でフィルムで撮るってな凝りようで、京極さんの世界もこれならきっと多分しっかりフィルムの上に再現以上に実現して見せてくれるだろーと、今から期待もワクワク浮かぶ、とはいえ我が家は貧乏所帯で「WOWOW」見られず早ガックシ。第1話なんかには京極さん本人も首から下だけってな場合も含めて出演する予定らしく、出来れば夏にも頑張りアンテナ買って線引っ張って見られる環境を作りたいなー。

 聞くと京極さん、「水戸黄門「大岡越前」を作ったC.A.Lが製作し「木枯らし紋次郎」「必殺シリーズ」を作った人たち撮影した場所も絡む時代劇の惑星直列ロイヤルストレートフラッシュ大三元状態に一もニもなく執筆を決めて、忙しい最中に「小説を書けー」との編集者たちの魂の叫びも聞き入れずに第1話の脚本を書き上げたとか。その内容たるや「怪談」そのもので自身言うよーに「スーパーナチュラルはいっさいない」幽霊すら登場しない「怪談物」になっているとか。それでどーやって恐がらせているかを想像すると、おそらくは酒井監督が言う「心理的なもの」の積み重ねであり田辺さんのいう「人間が実は1番怖い」展開になっているんだろー。

 「四谷怪談」に「妖怪大戦争」「妖怪百物語」(タイトル適当)ってな時代劇怪談映画を頻繁にテレビで見た世代なんでぬっぺぼうも唐傘もあぶらすましも出ないし行進もしない展開をさて、素直に喜べるかどーかは分からないけど奇跡の出会いを受けた京極さんによる渾身の脚本により初めて成った京極作品の映像化、その持てる”奇譚”ぶりがおそらくは存分に発揮されているだろーと、見られないことを棚に上げて今から期待に胸膨らませる。W辺嬢って胸どーだったっけ?

 会見後は囲みの取材で背後霊のよーに輪の後ろで京極さんの立て板に水なコメントを聞き流す。小説がすぐに食べてもらう料理とすると脚本はレシピみたいなものでそれを元に料理してもらうのが楽しみってな感じのことを多分話していたよーな。小説を書くときには映像を一切頭に思い浮かべず読んだ人がそれぞれに映像を感じて貰えるよー配慮しているって言葉が事実としたら、よくよく執筆態度にただワープロ画面への集中が極まっていると想像したけどどーなんでしょー。普通だったら「海は青かった」と書くだけでも青い海が目に浮かぶもんだから。

 田辺さん佐野さんが長身なのは知っていたけど意外と高かった遠山さんに並んだ京極さんがいっちゃん小さく見えてファンな人はちょっぴりゲショっとするかも。関係ないけどあの濃いキリっとして目がパチっとした京極さんの顔立ちって、厳密かどーかはともかく直感的に安達佑実さんの目鼻立ちと相似にあるよーな気がして仕方がないんだけどどーでしょーファンな人、ってファンな人が安達佑実写真集を買ってその顔立ちをマジと眺めているとも思えないから比べられないか。安倍晴明桔梗紋が入ったペンダントが印象的、体はオトーフのよーにプニプニしているよーに見えたけど、やっぱり歳相応ってことですか。鍛えねば。

 記者が汽車じゃないけど帰社してSCEIの社長にして我が「どこでもいっしょ」では極悪人となって認識されてしまった久多良木社長を讃える記事を書きつつ、アナリストの人に電話したら本来の肩書きはプリンシパルってゆーらしくまるでバレリーナですねと突っ込みオコられつつ、400行あまりを3時間くらいかけてゲシゲシを書いたら明日組みの予定が先に延びてやがって怒り心頭、でもどーせ書くんだから早く仕上げても良いかと独り無理矢理納得させて帰途に着く。明日は横山宏さんにとって敵になったゆホビージャパンが大々的にパックアップする「マジック:ザ・ギャザリング」の世界大会の初日で横浜まで記者会見に良く予定。佐竹雅昭さんも出席だけど流石に横浜は遠いんで来る人も少ないでしょーが、丁髷いたら指さして笑ってやって下さいな。佐竹けしかけちゃりますんで(知り合いじゃないけど)。


【8月2日】 小林恭二さんが自分の父親について書いた私小説ってゆーかほとんど評伝な「父」(新潮社)を読む。一高文乙って当時の日本最高峰な学校に飛び級して入ったとゆー秀才な父親が、官僚の募集がなかったからって神戸製鋼に入って途中結核で死ぬ寸前まで生きつつも生還して会社に戻って専務にまで上りつめ、にも関わらず副社長にはならず監査役へと下がって相談役に退いた後、ブロン液に溺れパブロンSに浸り酸素に耽る、ほとんど自殺行為の3乗のよーな生活を送りつつ教典を読んでいたとゆー、そんな生涯を自分との対立も含めてえぐり出すよーに書いている。

 それは単なる露悪趣味では絶対にない、決死に近い覚悟をもって著した血の出るよーな内容を、書かざるを得なかった小林さんの目的は一体どこにあったんだろー。裏返しのコンプレックスなのかそれとも名実相成った「父殺し」なのか。おそらくは読む人がそれぞれに家族両親を思いつつ痛みを感じてページを繰ることになるんだろー。それにしても父東大兄東大本人東大ってゆー家庭はやっぱり鷹の子は鷹とゆー遺伝的形質とゆーよりも、そーゆー環境がプレッシャーも含めて成し得る技ってことになるんだろーなー、資金的な面も含めて。

 それでも昔はそーゆー精神的な面で東大へと行けたものが、最近だと「2000年度版 危ない大学」(中村忠一、1400円)って本によれば、東大生の親の平均年収ってのは1100万円に達してて、受験的な頭はやっぱり費用をかけないと作れない状況が指摘されている。東大出て良い会社に行って稼いで子供を良い塾に通わせて東大に入れて、ってな連鎖が「学歴貴族」を生み出す構図ってゆーか。っても最近は入った超一流企業がガラガラと潰れてしまう激動期、連鎖がそこいらでズダンと途切れてしまえば楽しいんだけど、だからと言ってランキングに名前も出ない学校を出ていても安心だなんて怠けていると、高校生あたりで会社作ってバリバリ稼ぐ輩も山と出て来るだろーから、学歴の崩壊に溜飲を下げてる暇なんてないみたい。

 何故かここんところ「SPA!」とか「じゅげむ」に連続して登場し、或いは世間が飯野賢治さんをゲーム界のヒーローとして祭り上げるのに飽きて、次にキャラが立ちまくってるってことでイジくり倒そーとしているのかもしれない岡本吉起カプコン常務なんて、最新の「じゅげむ」の評伝マンガを読むと、高校からデザインスクールを経てあちゃこちゃ会社を回った先がカプコンだったってゆー、学歴なんててんで無関係な実力本位の代表選手。マンガを読むとその破天荒ぶりと同等の実力が伝わって来て、なるほどただの半ズボン野郎なんかじゃないってことが分かる。前に面会した時に「大学いったら馬鹿になるから東大の入学証明書を持って来たら東大卒ってことにして入れてやる、ただし使えれば」とかってなことを言ってたくらいだし。

 学歴エリートの頂点っぽい場所にいる慶応の医大生が集団で起こしたレイプ事件は、示談の成立した人も含めて全員が退学。教育機関ならこいつらの性根を叩き直すくらいの教育をしてみろよって会見を聞きながら思ったりもしたけれど、事件が事件だけに医者候補生って意味も勘案しての退学とゆー処分に至ったことも理解できるだけに難しい。それでも通学を認め、周囲からのあらゆる迫害排斥に耐え抜く反省をした後に強靭な使命感を持つ立派な医者が生まれたりする可能性にかけてみるってのも1つの手だし、周囲の目に耐えかねて自ら退学するならそれも処分の1つってことで、世間的な感覚とは違った手法を採ってみても、被害者の気持ちを別にすれば面白かったかも。とはいえ事件が事件だけに、物に動じない無神経な奴等ばかりだったかもしれないから、やっぱり愛ある処分ってのは無理か。

 文藝春秋の「諸君!」なんぞを買ってみたり。目指すは福田和也さんが江藤淳さんについて書いた追悼文で、ひたすらに自分が世話になった人の死を哀しむとともに、江藤さんが論壇においてはたそうとしていた責任感について振れ、自らその責任感を果たしていこうとする決意を最後に強く訴えてる。ジャーナリズムを主戦場に、半ば破天荒な生き方を続けていたこの数年の福田さんがさてはて、江藤さんの死に啓発をされて本当に変わるのかってな疑問も浮かばない訳じゃないけれど、棺桶を担いだほどの入れ込みぶりは真剣な生き様へと転じる大きな契機となる可能性もあり、さて福田和也の新フェーズにおける仕事はどーゆーものになるのか、黙して行方を眺めてみたい。それが責任だからって歌手になるとか言ったらどーしよー。

 「諸君!」でもう1つ読みたかったのが大塚英志さんが「リュウ」とか「プチアップルパイ」とか「少年キャプテン」の刊行にすいて書いた連載「ぼくと宮崎勤の’80年代」。リアルタイムで読んでた世代にとって出てくるマンガ家やマンガ雑誌の名前は懐かしいってもんじゃなく、むしろ気恥ずかしさも内包した血肉と化した同時代感すらあり、またあさりよしとおさん、高屋敷要さん、来留間慎一さん、永野のり子さんっていった今に通じる大勢の新人マンガ家を山と輩出したこれらのマンガ雑誌(「プチアップルパイ」はアンソロジー形式の単行本シリーズ)の意義も、おおいに認めざるを得ないけど、そこで中心になったとゆー大塚さんの立場をさて、「漫画ブリッコ」に触れた回でオガピー小形克宏さんを除外したと中森明夫さんに指摘されたこともあるからさて、単純に偉大なり大塚英志と讃えて良いものかと逡巡する。当事者による自伝的歴史とは別に、客観的調査に基づく80年代オタク・ロリコン系漫画雑誌漫画家編集者の系譜を誰か、振り返ってくれはしなだろーか。僕がやれ? 面倒なん嫌いなん。


【8月1日】 うーをー怒っておられる(7月29日付)「となりの山田くん」に激ギレしておられるやっぱり普通一般的いしいひさいちファンなら怒って仕方がない映画なんだよなーと納得、高畑勲監督のファンならこれこそって見てかつ最高傑作とも断じられる辺りにさてはてどーゆー違いを見出せば良いのかって悩むけど、答えの1つは来週の「金曜ロードショー」の「火垂るの墓」を果たして正視し納得の眼差しで見られるかって辺りに在りそーな気もするから、真っ当過ぎるドラマへの涙を吹きつつそこに潜む説教風を感じて「とな山」との近似や差異を探し出し、「とな山」理解(決定的反発も含む)の一助にしてみよー。本当は「じゃりんこチエ」が見たいんだけど出資もしてなきゃジブリ作品でもないからやらないか、日テレとことん営業中。

 そんな「とな山」に怒りを感じた人も、或いは感動の坩堝に叩き込まれた人でも直接感想悪罵を伝えられそーな場があるんでお知らせしまーす「千葉市美術館」って千葉のパルコのちょっと裏手の旧市街っぽい場所にある美術館で、8月29日に高畑勲監督を講師に迎えて「日本美術の映画的・アニメ的なるもの」って講演会があるんで、DASACONで一晩中議論してやっぱり「高畑許すまじ」ってな決意を固めた人は、行って会場内で嫌味ったらしくいしいひさいち心(いしいひさいち・こころ)に従っていたかの名作のジングルを唄い持って抗議としてみちゃ如何。「おーじゃまじゃまじゃま おじゃまんがーっ」。

 ちなみにこの講演会ってのは、10日から始まる展覧会「絵巻物 アニメの源流」の記念イベントとして開かれるもの。なんと展覧会自体がスタジオジブリと高畑監督の企画らしく、日本のアニメって実は絵巻物語の時代に源流を見る実に由緒正しく正統的な表現手法の流れを組んでるだぜエッヘン! ってな主張がゴールデンウィークのパルコで開かれた村上隆×東浩紀さんのトークショーで「ひょっとしてトンデモ?」なんてコメントされた著書「十二世紀のアニメーション 国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの」(徳間書店)が土台となっているから、あるいはどうして「とな山」がこんな作品になったのかってな思想の一端を、展示への解釈の中から探り出せるかも。9月12日まで開催中で料金は一般800円子供が240円。「十二世紀の昔から、日本人はアニメが好き」ってなチラシの文句がホラ、何となくな雰囲気を感じさせて暮れるでしょ?

 高畑監督の身も蓋もない激ぶりについては刊行なった恐怖の座談本「封印」(岡田斗司夫、田中公平、山本弘、音楽専科社、1500円)にも詳しいので読むよーに。一例では近く放映なる「火垂るの墓」を劇場公開した時に試写で原作の野坂昭如さんまでもが逃げ出したとゆー壮絶リアルな演出ぶりへの言及とか、ビデオ化された「火垂るの墓」を見たアメリカの子供が日本を爆撃して英雄になった祖父をわーわー泣いて非難したとかってな「いい話」とかってのが紹介されてたりします。「おもひでぽろぽろ」についてはは一言「テーマが『農家の嫁に行け』でしょ」(岡田、201ページ)。ほかにも御大エコ・ジジイについての真っ正面からイジり倒した座談とかが雑誌掲載時には自粛したであろー部分も含めてまるごと掲載されてて正直言ってヤバ過ぎなんで、ツブされやしないと思うけどとりあえず早めに押さえておくのが吉でしょー。「ヤマト部屋」=「アカシック・コード」説とか、すげーぞ。

 坂東英二や江本猛紀の野球界暴露本のきっと1億倍も爆発力の強そーな内容だけど、ときどき小岩井小百合なんてどれほどのアイドル通でもきっと知らない、あるいは岩井小百合のパチもんとして存在したかもしれない名前が出てたりして、ライブ感覚な座談の雰囲気をそのまま伝え過ぎた感じもあって後が心配。冒頭からだって竹熊健太郎さんへの注釈が「『新世紀エヴァンゲリオン』の権威者」(10ページ)だもん。そんな夏に冷や汗な本を読みつつ、品川で開催中の「C−62」を「999」にしてしまう乱暴きわまりないイベントへ。東映アニメーションの絡んだ作品を客車の中に人形やらグッズやらでディスプレーして見せてしまおうって如何にも夏休み風のイベントで、どれくらいの人が来ているのかとヤジ馬根性も少しあったけど到着したら意外やそこそこの来場者数で、夏休みのお父さんお母さんの如何に安く近所で楽しく済ますかってな指向が不景気の中実によく現れてるってことが分かってそれなりに勉強になった。来年は是非とも戦艦まるごと借り切って中で「ヤマト」メインの展覧会をやって下さいな。

 1番良かったのは実は「おジャ魔女どれみ」から出演してた「どれみ」と「はづき」の着ぐるみ2人だったりして、とりわけ「はづき」ちゃんの顔の造形がとってもよくって中身をこの際気にしなければ童心にかえって抱きつきたい衝動いかられたけれど、流石に大人なんで遠くから白いタイツの足とかを眺めるだけに止める。何故か知らないけれど「999」「ヤマト」「ハーロック」ってな松本キャラのコスプレさんたちが集まっていて、会場の隣りのホームに置かれた休憩用の列車の中で向かい合って座ってそれはとてつもなく壮絶なビジュアルを見せてくれてたのは果たして仕込みかサービスか。こっちは完璧に仕込みな列車の最後尾に乗っていた夏なのに黒い毛皮が大変そーな「メーテル」もどきもビジュアル的に結構壮絶だったけど、暗かったからまだ許す。

 展示物は総じて適当で客車に座る「メーテル」に比して「鉄郎」がやたらと巨大だったり並んでいるのが文具に玩具が中心だったりして別にここじゃなきゃ見られないってものが少なくその意味では子供騙しな所もあったけど、正面から見ると浮き上がって見える「デジモン」のプレートとかはちょっと新しかったかも。「ヤマト」から「ファイナル・ヤマト」までのポスターが並んだ部屋は感激が感動に代わり落胆から激怒へと移った感情をわずか数メートルの距離で懐古できるから「封印」冒頭の「宇宙戦艦ヤマト徹底研究」なんかを読んで納得出来る人なら一見を。アトラクションにもなっていない第1艦橋から見た白色彗星を波動砲で撃つ場面なんかもチャチくて子供喜びそーです。子供が「ヤマト」を分かるかどーかは別にして。

 「ゲゲゲの鬼太郎」のコーナーで墓のディスプレーに「松田家」とあったのはもしかして会場を提供したJR東日本の松田昌士社長を讃えてのこと? あと魔女っ娘キャラクターが並んだ部屋にある「セーラームーン」の立て看板はやっぱり永遠の「セラムン魂」を擽ってくれて人がいなけりゃ抱きつきたかったほど。立体人形が並んだコーナーの最奥にある「セーラームーン」と「ちびムーン」の人形も右に同じ。グッズ売場では「セーラームーン」関連の懐かしいのか今でも製造中なのか知らないけれどハンカチが売ってるんで平日の子供がちょっと減ったかもしれない頃合を見計らってお兄さんもゴーだ。子供がたくさんいる方が「僕だ誰かの親なんです」ってな顔で平気で買えるかもしれないけれど。しかしわからん「ゲーマーズ」どーしてこのイベントに「デ・ジ・キャラット」関連グッズ売場を出しますか。


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