縮刷版99年6月中旬号


【6月20日】 ニュースは見逃したんで亀戸は「トイザらス」での積極的な取材活動の様が、果たしてテレビカメラに収められていたかは判明せず。代わりにテレビ朝日で放映された「ザ・スクープ」で台頭する中古ビジネスを取りあげた中に、ゲームの中古問題を扱ったコーナーがあってそこで「テレビゲームソフトウェア流通協会」での”勝利宣言”記者会見に最前列で臨んでいる姿が映ってた。同じコンピュータソフトウェア著作権協会の方でも先頭に座ってたんで映ったかな? どっちも一瞬だったんで自分でもよく解らなかったほどだから、よほど普段からナマな顔を見ている人じゃないと「うつってるー」ってな反応はないだろーね。眩しかった光輝いてた気分が悪くなったってって人はいたかも。

 しかし圧倒的に中古オッケーな側に組しての報道は、上昇の金岡さんが涙を滲ませているアップにどっかの店長さんの涙を映した一方で、メーカー側はエニックスの福嶋さんに通り一編の事を言わせているだけなのは見ていてちょっとバランスが悪い。ってーか本にしてもゲームにしても”著作権者の権利”なり”文化防衛”ってな視点をまったく抜きにして、コピー機のトナーとかパソコンとかと一緒に「中古容認論」をぶち上げるのはやっぱりどこか足りないよーな気がしてならない。等しく影像ってコンテンツビジネスを営むテレビ局でも、こーゆー意識を知ってか知らずか表に見せないのは、やっぱり視聴者の判官贔屓(メーカーは悪で企業は善ってな図式)に訴えたいから、なのかなー。本社屋の人格権まで主張する癖に(ってこれは違ったお台場の方のテレビ局だった)。

 「マリオゴルフ64」でリングくぐりを次々と攻略、ってもテーブル山のトップにうまくのせなきゃならないコースと岩場砂山の端に突き出た2つのリングをくぐらなきゃならないコースに難渋して、朝も白み始めてからようよう寝付いたものの朝になったんで仕事に行く。道中読んだ「サンケイスポーツ」に例の亀戸での模様がしっかりと、それもカラーで掲載されていたのにまず仰天、よくよく見ると「ダース・モール」のライトセーバーのすぐ脇に、白いTシャツ青い帽子にサングラス口髭なおっさんが写ってるでしょ。「ロイター」とある写真の出稿元はつまりロイターが撮影したってことで或いは「ニッポンのおバカさんイッパイでス」ってなキャプションと一緒に海外にも配信されたかも、我が活躍が。

 ちなみに「産経新聞」の土曜付け夕刊には店内で玩具を物色する我が後ろ姿がこれは鮮明に写ってた。仕事している様を体を張って見せる我が”ぢゃあなりすと魂”に産経読者よ、瞠目せよ。「日経新聞」には残念ながら写真はなく、じゃああのカメラマンは何しに来てたんだろーと悩んだけれどまあそのうち記事のカットとして使われることもあるんでしょー。朝日は記事も写真も一切無し。だったらと見た今朝付けにも記事はなく、下々な趣味など扱うのも汚らわしいのかとちょっぴり憤る。いや汚らわしいってのは「スター・ウォーズ」のことじゃなく僕の写真がって事ですが。

 ついでなんで日曜恒例の求人欄から地方在住マスコミ志望な方への情報を幾つか。まず小松左京さん半村良さんら日本SFの名作を文庫にして絶賛発売中な角川春樹事務所が25歳から35歳の年齢幅で書籍や文庫の編集者を募集中、ををまだ自分にも資格があるじゃんと思いつつその横にある「狩猟界社」って狩猟の専門誌を出してる会社にも何やらキナ臭さ(あたり前じゃん鉄砲雑誌だもん)を感じてソソられてみたり。神楽総合警備みたく雨の日に社内で猟銃散弾銃を打ち合って遊んでる会社だったら楽しいなー、喧しいけど本物なんで。出版だとアスキーにKKロングセラーズにキネマ旬報社が目に付くか。昔ほど大手でも中途をやらなくなったのは書籍で5割近い返品率がある昨今の情勢を鑑みると致し方のないことなのかも。そのお陰って訳でもあるんだろー。

 けど、ソフトバンクに魂を売ってコンビニエンスストアへの本のデリバリーをやろーとしていたトーハンの上瀧博正社長が、日本書籍商組合連合会の定例理事会のお邪魔して「es−Books」についての釈明を行ったとか。割と自身満々に会見の場になんかへも役員を送り込んで事業の正当性と可能性を身を持って示していただけに、これだけの反発があるとはよもや予想してなかったんだろー。とはいえかく言う日書連だって「ザ・スクープ」が放映した中にあった「ブック・オフ」の激しい台頭には取引先でも無いんで今は気勢を上げるのが関の山。あるいは出版社に圧力をかけて「中古販売は新作の販売機会を逸するため禁止せよ」と言わせるよーになるのかな、まさか「本は映画であるから頒布権が及ぶ」とは言わせないだろーけれど。

 戻って朝日は「ベストセラー快読」に奥田英朗さんの「最悪」(講談社、2000円)が登場、知らないうちに版を重ねて今はなんと5刷4万8000部まで販売冊数を伸ばしているのが解って驚く、いやこれが売れるのは今とゆー時代性とお話の面白さから考えれば全然不思議じゃないけれど、エッセイはあんなに面白かったのにピクリとも動かず第1作の「ウランバーナの森」(講談社、1600円)も最高だったのに売れなかった奥田さんが、大ブレイクしたのにはもう1押しする何かがあったんだろー。これでもう1押しは確実、賞でも取れば10万の大台にも乗るかも。楽しみだたのしみだ。

 「じぇいぶんがく」ってなマークも帯に鮮やかな神栄二さんて人の「涅槃刑」(河出書房新社、1300円)を読む。うーむこれは新しいんだか古いんだか解らない得体の知れ無さ炸裂しまくりな問題作、何しろ帯の煽りからして「狂気にまみれた彼岸の悲劇 終末を加速させるJ文学の最終兵器登場!!」だ、迫力だけなら新本格の最終兵器とも核兵器ともノストラダムスともおぼしき清涼院流水さんに匹敵するものがある。ソレっぽい人の集まる映画館で「金銅仏に抱きついて射精する坊主」が出てくる映画が上映されているスクリーンを前にして、薔薇色のワンピースが似合う絶世の美女(?)から謎のありそーな主人公が聞いたのは、絶世の美女(??)が留学中のインド人男性と恋に陥り悩みけれども執着が消えないとゆー物語。どーですホントに得体が知れないでしょ。

 「98年東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了」ってな作者自身の高学歴なプロフィルと、宗教に異端な性倒錯が絡んだ中身はまるで平野啓一郎さんの芥川賞受賞作「日蝕」なんかを想像させるけど、挟まるお経らしき文句に宗教的な問答が挟まり高尚な雰囲気を出しつつも、そのあまりに俗っぽい性倒錯と猟奇的なエンディングの描写は、読み手の心を畏敬の高みではなく現実のさらに卑俗な部分へと引き下ろし、腹の底から妖しい興奮を沸き立たせ、「日蝕」とはまた違う種類の震えを読む手に起こす。

 まさか意識して書いたって訳でもないだろーけど、ラストの「曰く彼は性器をもっていたが、彼の物語は虚勢されていた」って言葉には、美麗な言葉遣いに眩まされても実は物語そのものに心がないとの指摘が多い平野さんへの牽制と、読みよーによっては読みとれなくもない。じゃあ「涅槃刑」がどーかと言われれば、興奮はしたけど訳解らんてのが今の率直な感想。トランスセクシャルの描写が「イブの鎖」(榊原史保美、双葉社)に比べると解りやす過ぎる気もするし、おってプロな方々の検証が待たれるところであります。


【6月19日】 「マリオゴルフ64」をプレイしながら久々に真夜中まで起きて「千年王国三銃士ヴァニーナイツ」をリアルタイムで観賞。アレストホルンがアゴルモアな親父の圧倒的な強さの前に、次週以降のうさぎちゃんたちがどー闘うんだろー、やっぱり特訓して必殺技を編み出すのか、それとも小学生の3人娘を連れてきて「プチット」とか「ちびヴァニー」とかってな軍団と6人タッグで闘うんだろーかと興味は尽きない。「仮面天使ロゼッタ」がメリハリないまま終わったのとは対称的に、「美少女仮面ポワトリン」でデュアブル(だったかな? 螢雪次郎がやってたんだっけ)が登場して番組に軸が出来たかの如く今後はアレストホルンとのバトルで引っ張っていくのかな、それともラストに登場の新たな美女が絡むのかな。どーせテレ朝深夜の箸棒トクサツと見てない人もまだ間に合うから面白がれ。

 「マリオゴルフ64」の「リング通し」を幾つか仕上げてから3時過ぎに寝て、ちゃんと午前は8時に起きる僕って何て仕事熱心。行く先は亀戸にある「トイザらス」でトミーから「スター・ズオーズ エピソード1/ファントム・メナス」の玩具がいっぱい発売されて騒動になっているのを取材に行く。到着したのは午前9時ちょっと過ぎ。すでに周囲をグルリと取り囲む長大な行列が出来ているかと思いきや、並んでいたのはおよそ50人くらいとなんだかちょっぴり拍子抜け、でもここが1番賑わうだろーとの噂を聞きつけていたのかコスプレイヤーが「ボバフェット」やら「ダース・モール」やら「クーンイ・アミダラ」やら「クワイ=ガン・ジン」やらがガシャガシャと歩いていたから絵には十分になったかな。

 もちろん取材だから一緒になって記念撮影なんてことはせず、かといって「ザらス」の店員さんとかに「どーですか何時から並んでましたかこれから売れますかパドメってどうですか」なんてことを聞いたりはせず、ここはひたすら”行列に並んで開店までの時間をワクワクしながら待つ気持ち”を体験し、ちょっぴり早まった開店後には”人を押し分けてでも欲しい人形を手にとり巨大な篭へと叩き込んでから取捨選択して再び群れの中に飛び込み残っている人形をゲット、そのままレジへと走って万冊を何枚も切ってから(あれも買っておけば良かった)と思い再びとって返して再戦、けれどもしばらくしてから(どーしてこんなに買っちゃんたんどー)と自己嫌悪に陥る典型的な半端マニア”の気持ちを体験する。体験ってあーたそりゃ買い物に行っただけだって。

 なるほどそーとも言うか。いやいや日経新聞が行列の先頭付近にコスプレを何人か並べて写真を撮っていた時にたまたま時間差で入場待ちして先頭に来ていた僕が横に入ってしまったのも、名にしおう日経新聞にサンダル履きにジーンズで帽子にサングラスに髭面な胡乱の3乗みたたいな親父を写し込むことで、ライバルの(と思っているのはこちらだけ)紙価を下げよーとゆー職業意識の現れなんだよ、でもちゃんと写ってたかな、明日会社で見てみよー。テレビはテレ朝が来ていたけれどこっちは写っていたかな、帰ってニュースをチェックだ(やっぱり仕事じゃねーなコイツ)。

 さてもお買いあげは何を置いてもまずは「ダース・モール」。それは自分が扮装できるとしたら無い髪を剃り上げれて顔塗ればオッケーだってな親近感から来るもんじゃなく、単純に「エピソード1」で1番キャラが立ってるって事で注目しているからなんだけど、そー思う人はやっぱり大勢いるよーで、大きなドールが見ているうちに次々となくなっていく。イカンと思いまずはこれから篭に叩き込み、次いでソフビっぽい造形のポーズを決めたフィギュアをゲット、それから何やら棒っ切れの先端に取り付けてスイッチを雄とグルグル回る「ダース・モール」を購入し、それから1番誰もが購入するベーシックフィギュアから化粧してないアミダラと良くは似ているけど今はパドメとヨーダとアナキンと名前忘れたドーブツな奴とそして我がモールを「コムテックリーダー」と一緒に購入する。これで幾らかな。

 物はついでと「NABOO PISTOL」って書いてある水鉄砲にこれがトドメとばかりにコンピューターを相手に闘うキャラクターが駒になった「ギャラクティックチェス」も手に取りシャコシャコとレジに向かってふと見ると。オレンジ色に黒が基調のアメリカテイストな「エピソード1」の玩具の中に、どう見ても異質な色形の奴が紛れ込んでいるのを発見する。そうあの紫の奴、朝っぱらから立川の航空公園らしき(違うってば)場所で緑と黄色と赤の奴らと踊りまくってる紫色のニクい奴が、いつの間にやら篭の中へと入り込んではつぶらな瞳をウルウルさせて僕の顔を見上げてた。これはあるいは我が精神の奥底に封じ込められている何者かが、彼を求めて無意識のうちに手に取らせたのかもしれないと考える。わかったよ連れて帰ってやるよ「ティンキーウィンキー」、たとえ○○だって。

 大枚3万円を支払ってレジの外へと出て、トミーから様子を見に来ていた広報とかハズブロ事業部の人たちと名刺交換をして歓談、ほらちゃんと取材になったでしょ、って向こうはどう思ったかは知らないけど。「エピソード1」のグッズだけじゃなく「テレタビーズ」も一緒に買っていたことをちゃんとホメてくれました、ほらこれも「トミー」の販売だから。トミーはこの夏に「ゾイド」も発売してそれから「ポケモン」が「金・銀」をにらんで一段のヒートの予感、さらには「サウスパーク」の腕時計とか「ヤキューマン」とか「トミカ」とか「プラレール」とか細かい商品がわんさとあってトドメは今もまだまだ人気たっぷりな「ファービー」(「ザらス」でも日本語版は瞬滅してたし)がある。「ミクロマン]「リカちゃん」「ビーストウォーズ」とアニメ作品が山積みなタカラもホビーな人気に下支えされててバンダイも復活の兆しあり。ゲームがPS独り勝ちな中で玩具はいろいろ面白そー。エポック社の「スタイリッシュ・キャンディ」はどーなってんだろ。


【6月18日】 真正面から抗議に対して反論するならいざ知らず、例のお台場の建物の「人格権」だか何かを主張して「勝手にイジんないで」と訴えるフジテレビのあんたそれでも言論機関かい? なんてことを思いつつ「サイゾー」第2号を読みながら仕事場へ。グラハム・ハンコックの「神々の指紋」が来月の1999年7の月到来を前にビデオ化されるってな話を適当に書く。ワーナーヴィジョン・ジャパンから23日にリリースの予定でビデオは全3巻、いっちゃん最後の巻には例の与那国島沖にあるときどき「少年マガジン」の「MMR」だかでも触られてた遺跡っぽい岩場にハンコックが迫ってるそーで、7の月とどっちがより眉唾かを推し量りつつ内なるノストラダムス度(神秘を信じる度)を探ってみるのも世紀末らしかったり。

 夏なんでつっかけでもと思ってフラリ入った「ABCマート」でホーキンスとかの安いサンダルを眺めていたら、寄って来た店員がいーでしょいーでしょと高いのから薦め始めて聞いて見て触っていると安いのがより安く見えて来て、ついついフラフラと高い方へと目が移りもう安いのが買えなくなってしまったあたしゃ洗脳され易い性格です。流石に28センチもする人気があるとか言われたゾーリは買えなかったけど、中に1つやたらと派手なサンダルがあってこれならどーだと聞かれ「サイズがあれば」なんて逃げようとしたら「あります」と言われてもはやガッチリと横四方固めをかけられた気分。そのまま試し履きまでさせられこーなるともー逃げられず、財布に金があったことも働き「MERRELL」って登山靴では有名らしーメーカーの9800円もするサンダルを買ってしまう。フツフツを湧き出す自己嫌悪を、25万円のソニー犬を買ったと思えば1万円のゾーリの1足くらい平気じゃんと無理矢理押さえ込む。明日は亀戸で山と「スター・ウォーズ エピソード1」のグッズを買うぞソニー犬の残り25分の24匹分。

 漫画を何冊か。川原由美子さんの選集第2巻「ペーパームーンにおやすみ」(朝日ソノラマ、800円)もやっぱり間を抜けてた時代に刊行されたものでこれが初読、15歳のアイドルに好かれるなんてなんと羨ましい作家なんだと嫉妬にメラメラ燃える。なんでやっちゃわないんだよー。もう1冊はこれが第6巻になった今市子さんの「百鬼夜行抄」(朝日ソノラマ、760円)。あんなに美しく情の深い存在といつまでも一緒にいられるんだったら憑かれたって全然平気じゃんとこちらにも嫉妬心がメラメラ。平面の少女にたとえ実在したとしても妖怪と燃やす相手が何だかとっても詮無いけれど、これぞオタクな生き様って奴で今日もきょうとて妄想の中でリビドーを燃やす。「百鬼夜行抄」第6巻の3話目は人間が突然人形に変わった時の顔にギョギョギョッ、人形の持つ人に似た人ならざるその境界性がかえって身近な恐怖を感じさせるんだろーか。9月上旬発売の特集業の自選ベスト1って何だろー? 第6巻の尾崎さん話も捨てがたいんだけどなー。

 あのデジキューブが店頭公開後初の株主総会を開くってんで虎ノ門へ。もちろん株主だからじゃなく純粋に取材ってことで珍しく(ゲーム会社じゃ結構やってるけど)総会の議場へと入れてもらって鯱張って議案を読んだり司会を務める鈴木尚さんの顔なんかを眺めながら、株主としてはおそらく未来永劫立ち入れないだろー総会の雰囲気を味わう。普通だったら(それが普通じゃいかんのだけど)「異議なし」「議事進行」を進んで20分もあればシャンシャンってな手拍子足拍子とともに終わってしまう株主総会が、ここん家は質疑応答に手が上がらなくなるまで時間をとっていたため実に1時間18分もの”マラソン総会”に。質問も「夜中に子供のお土産にコンビニでゲームを買えたよ有り難う」「金曜日の夕方に総会を開いてくれたんで出られたよサンキュー」ってな仕込みじゃないけど激励っぽい内容だったりして質問者にも回答者にもブキミな言葉で言うなら「初々しさ」が漂う。

 質問から類推される今後の展開で言えば1つはデジキューブがDVDタイトルを扱う方針を示したこと。「決まった訳ではないが」と言いつつも「次世代プレイステーション」の発売に向けた取り組みって事を明らかにしたってことはつまり「次世代PS」はDVDビデオがかかるって事かいな、なんて穿った見方をしたくなる。それと「ソニーも12月いは出したいんじゃいか」ってな単なる憶測とは思えない発言があったことで、もちろん「部品が多いから1つでもボトルネックになれば何カ月もすぐに遅れる」との前提があるけれど、年末商戦に向けて気合いの入ったゲーム業界にとて12月発売は希望的観測が含まれてはいるものの既定の事実になっているってことなんだろー。総会にはなぜかエイヴェックスの依田巽社長が出席してて株主だってこともあるけど来週の日曜日にかの「ヴェルファーレ」で総会を開くってんで偵察もかねての出席だったみたい。「参考になった」とは言っていたけどあちらは音楽会社の株主総会、派手さではデジキューブの比じゃない絢爛にして豪華な総会を見せてくれることでしょー。お立ち台とか用意して上で踊ってくれてるといーなー、もち役員じゃなくって女性社員が、だけど。


【6月17日】 ってことで早速文庫版の「ピンキーリング」(野間美由紀、白泉社、670円)を神保町の三省堂書店でゲット。っていったいお前の仕事は何なんだよくまーそんな暇があるもんだとのご指摘もあろーけど、これだって「著作権問題」を考える上での立派なリッパな仕事なんだーい、なんて聞かれたら言い訳をしてやろーと思っていたら、何時もフッツリといなくなるのが癖だと思われ諦められてるんで誰ににもなんにも聞かれなかった。僕っていらない子だったんだー。ちなみに三省堂では森博嗣さん期待の新刊にして小説では初のハードカバーになる「そして二人だけになった」(新潮社、2000円)を買うと、7月3日開催の「名刺交換会」の整理券がもらえたんで即座にゲット。おそらくはその日は都会に住んでるSFな人はこぞって日本のチベットに篭っているはずなんで、申し込みに遅れて行けなかったあたしゃ1人嬉しく森さんに「たれぱんだ」の名刺を渡してまーす。

 で「ピンキーリング」所収の「プリンセス・パール」を読んで「IN・POCKET」所収の玉岡かおるさんの「シャドー・プリンセス」を読んでなるほどこれなら言われるはずだってな印象を持つ。物語の結構すべてが同じって訳じゃなく結末を別のもう少しダークな話に変えてはあるけれど、重要な小道具として登場する真珠のネックレスを巡る真贋論争の部分で、それが宝石店へと持ち込まれる理由から「貝パール」だと判明した時の鑑定士の言い回し、フィフティーズという時代を持ち出しその時代における「貝パール」を巡って交わす言葉等々に、これで影響を受けていないというんだったらスプーン曲げだって500円玉への煙草通しだってデビッド・カッパーフィールドの自由の女神消滅だってみぃんな「超能力」だと信じてあげても良いって気になって来る。

 シンクロニシティが無理なら1億歩譲って例えば「インスパイアされた」とか、もっとあからさまに「カバーバージョンです、コードをマイナーにしたけど」とかって言えばなるほど「アートだねー」と言われてお仕舞いってことに……はならねーか。絵画彫刻の類だったらパクリってゆーよりポップアートだとか言って賞賛を浴びられるけど物語の世界じゃーそーは行かないからな。まずもってとりあえずは担当さんが不在で話が進行してないんで対応は明日以降のおそらくは来週あたりへと持ち込まれる可能性が大。そこで例えば新聞雑誌テレビなんかがどーゆー騒ぎ方をするのか(お前はって言わないで)興味あることこ。確か「IN・POCKET」に連載している明石散人さんて、過去にテレビ番組やら何やらに持論を山とパクられてその度に闘って来たらしーから、担当している人だったらアイディアの盗用についてはデリケートな筈。そう信じてまずは明確な対応を待ちたいところであります。

 さくさくと「マリオゴルフ64」。なるほどコースはど下手ながらも本当のゴルフをやったことのある人間にとって上手く行き過ぎ感じはあるけれどこれは「ゲーム」であってホンモノの「ゴルフ」のシミュレーションじゃないんで、リアルなアマの接待ゴルフみたく右へ左へと飛ぶなならまだいい前に飛ばずに後ろへ転がるゴルフとは違い、リアルなプロのトーナメントと同様に位置取りやらグリーン勝負やらがシビアに勝敗を分ける内容は、プレイしていて自分がゴルフをとっても上手くなったよーな気にさせてくれて有り難い。どーにかピーチ姫でルイジを倒して仲間にできたのが今日の収穫。あとリングくぐりで1番簡単なコースながらも5つあるうちの4つまでをクリアできたのも嬉しかったこと。評判をもれ伝え聞くところではスロットで使用クラブを決める「タモリ・たけし・さんま」3大お笑いタレントお正月ゴルフ大会みたいな趣向もあって、深くプレイして皮を剥がしていくのがちょっと楽しみ。あの絵のピーチ姫じゃ脱がれても困るし、そーゆー雑念を抱かせずにプレイに集中させてくれる、得難いゴルフゲームとの印象を持ってます。打ちっ放しに行きたくなって来たなあ。


【6月16日】 「マリオゴルフ64」は本当のコースに出たことのある人間それも130を切ったことがな超下手な日曜接待されゴルファーから見るとよほどの事がない限りボールが”前に飛ぶ”のが簡単過ぎるし、グリーンでも滅多なことでは3パットがないのも嬉しすぎるのが何(難)だけど、だからと言って頭に描く理想が出来る訳でもなく、コースの攻略クラブの選択等々をシミュレーション的に考え、インパクトの瞬間にヘッドは回転はしないけどゲージのハードなタイミングをクリアして、パツンと打って最高に上手く飛んだと思っても、他のコンピューターのプレーヤーがそれに輪をかけて上手かったりするんでなかなか勝てずとっても哀しい。頑張り抜けば勝てるしいろいろな遊びも楽しめそーな内容なんでこれからしばらく凝ります仕事もせずに。

 「電撃hp」の第3号をとりあえず購入、ををこれは上遠野浩平さん&緒方剛志さんのコンビが「ブギーポップ」じゃない作品に初めて挑んだ「メタル・グゥルー」が掲載されててまだ読んでないけどとりあえずは幅を拡げてくれそーな可能性を見せてくれたからまだまだ先が楽しめそー。とはいっても8月10日にゃぁシリーズ新作「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」が刊行の予定で文庫本の方はしばらくはこっちが先行か。デビューはそれほど違わないのに注目度では後塵を拝している秋山瑞人さんの「E.G.コンバット」の新作が7月10日の「スター・ウォーズ」降臨の日に刊行とか。世間のお金と話題がどちゃーっとそっちに抜ける日の発売はやっぱりマイナー路線をひた走って確固たるビッグ・マイナーの地位を確立せよとの出版社の親心魚心、なのか。負けるな秋山ひるむな☆ほしみる。僕の生まれた超ラッキーな日に本を出すんだ売れないはずがあるものか。いやあるのかな。どっちやねん。

 いよいよ突入したぞビクトリー球団との血を血で洗う死闘が展開されるのは「アストロ球団」(太田出版、1900円)第3巻。ロッテを一蹴したアストロの打倒に抜けアストロの球四郎が集めたスポーツ業界の有名人たちを脇に置き、実は活躍するのは球三郎の兄で陣流拳法の総帥・大門だったり、刑務所から出てきた謎のピッチャー氏家慎二郎だったり、まだ登場してないけど「北斗の拳」のユダみたく華麗な姿態に残虐なプレイを見せて最後は無様だけれど超カッコ良く散って行くバロン森(だったっけ?)だったりするのが、「アストロ球団」をして単純な野球漫画の域を越えた永遠に語り継がれる怒涛の漫画としての地位を確固たるものにしている。3巻の途中から始まった「ビクトリー編」が全5巻ってことはつまりは残り2巻も続くってことか。どーりで昔読んでた時の印象がビクトリーとの血塗れの死闘ばかりだった筈だよな。まずは特攻野郎氏家慎二郎の逝き様に注目して次巻を待て。

 野間美由紀さんの漫画が盗用されちゃったかもしれない事件を知って夜の10時過ぎに本屋へと走る時に駅前の繁華街の狭いアパートに住んでるメリットとちょっと感じてみたり。とりあえずは盗用を指摘されている玉岡かおるさんの「シャドー・プリンセス」が掲載されてる講談社文庫の「IN・POCKET」の6月号を抑える。もしかしたら明日の朝1番とかに回収されちゃう可能性もあるからね。野間美由紀さんの漫画で盗用されちゃった側の「プリンセス・パール」が入っている白泉社文庫「ジュエリーコネクションシリーズ」の第1巻は見つからなかったから突き合わせはしてないけれど、明日にも街の本屋で仕入れて読んで見てみよー。明石散人さんの「アカシックファイル」横の広告「謎ジパング」の上の「売り切れ続出増刷出来!」の文字が眩しいなあ。

 「トゥナイト2」に登場するネットアイドルの条件は1日のアクセスが100件以上で1日に1000件を越えれば超アイドルでテレビの取材もバンバンと来て商売人がワンサと押し掛けそのままメジャーへの道をひた走る、んだったらどーして僕んとこにはテレビの取材がこないんだろーやっぱりビジュアル系なんで遠慮してるのかな。それはさておき本屋でメディアワークスから刊行されてた「アニメーションインターナショナルクロニクル AIC創立15周年記録大全史」(2800円)を購入、サンライズとかガイナックスとか誰もが知ってる超絶大ヒット作品を持つスタジオでもないのにどーしてってな意見もあるいは出るかもしれないけれど、スマッシュヒットを雨霰と持ち実は密かに世界で人気のAIC、故にこーしたムックが出るのも個人的には至極当然だと思ってる。

 しょっぱなを飾る「メガゾーン23」を劇場で見たあたりを契機にしばらくアニメから足を洗って、何年かを経て再び超絶メジャーじゃないけどマニアに人気のありそーなアニメにずっぽりとハマるきっかけを作った「天地無用!」のどちらもAICの作品だったってのは、我が人生においてやっぱりそれなりな意味を持つ会社ってことになるんだろー、あるいは運命と言い換えてもいーのかも。今は「デュアル!ぱられるんるん物語」をやってるみたいだけどBS見られないんでその最先端に触れられないのがちょっと残念、「天地」第3期とかってあるのかな。最近のだいたいの作品にスポンサーとなってるパイオニアLDCは音楽部門がボロボロで超絶キツいだろーけど、ここは日米友好のために会社ツブしてもAICにどんどんアニメを作らせましょー。


【6月15日】 リプライしたらアドレス違いで届かなかったんでこっちで報告、「カードダス」の自販機は基本的にはレンタルで店舗にお貸し下げしているだけで本体のみの販売はしておらず、古くなったらバンダイが改修してリサイクルとか廃棄処分とかにするみたいなんで普通の人が購入するのは正攻法では困難とか。海外への展開もしておらず第一海外じゃーあーした自販機なんて街角に置いておいたら2分で消滅なんでやっておらず海外で入手するのも難しい。抜け荷みたく中古でカードダス用自販機だけ売ってるケースってあるんだろーか? あったら僕もちょっぴり欲しい。

 とは言え海外の施設から出かけられない体が不自由な子供の所へと運んでいって人気の「ポケモンカード」をダイヤルぐるりと回してカードを出す、その行為が子供の体や心のリハビリにつながるって話にはちょっぴり惹かれるものもあるし、そのために「ポケモン」カードをかけずり回って集めているおじさんがいるって話もなかなか泣かせる。だからどーでしょー、バンダイさんに事情を話してアプローチしてみるのがまずは正しいステップだと思いますが。お手伝いは出来ませんがアピールはさせて頂きます。

 コナミに取材に行くと1階のエレベーターホールに背広姿の小柄な男性が肩からショルダーストラップで鞄をかけた如何にもサラリーマン然とした雰囲気で立っていて、どっかで見たことある人だなー良く似てるなーと思ってエレベーターに乗って襟章を見ると「SEGA」の文字、おーっとこれはっぱり入交昭一郎セガ・エンタープライゼス社長じゃないかとマジと見たら、向こうも気が付きなんだかバツの悪そーな顔をされてしまった。

 こっちも大人だから「取材頼んでるのにどーして出てこないんですか怖いんですかそれとも広報の輩が黙ったまんまで伝えてないんですかそんなに僕が嫌いですかオールホンダじゃないF1参入は許せますか娘さんは美人ですかよかったら僕に下さい」なんて讒言はせず、「後藤善男ってウケますかー」って話しかけた程度にしておいたけど、月曜発売の「日経ビジネス」に堂々の入交インタビューが出ていたりするのを読むと、いい加減こちらの堪忍袋の尾も切れそうなんで、新聞記者必殺の夜討ち朝駆けをされたくなければサッサと連絡くらいは寄越せよなセガ。

 先々週あたりに怒りの電話を掛けた時には「トッププライオリティーで」って言ったよね広報Uさん、でも現実にこーゆーインタビューが出るのを読むとセガの辞書には「トップ」の上を行くプライオリティーってのが存在するって訳でそれはあるいは「ゼロ」なのかな、それとも「超トップ」「激トップ」「爆トップ」なのかな。まあいーさ、たとえ連絡が来なくたってアポの1つも取ろーとしない羽賀健二程度の誠意しか持ち合わせていない、つまりはその程度の会社なんだと、こっちがこの程度のメディアって事実は脇に置き、怒りよりもむしろ憐憫の情で、かつて偉大だった企業の世紀末の華々しく散っていく様を眺めてやることにするからさ。思い出したよバンダイにも先週だかに電話をしたんだったけどーなりました? やっぱりヤバい相手なんで会わせられませんか、オタク野郎だし話濃くなり過ぎだし。

 いかんいかん、いじけ虫にもさようなーらマーリン(謎)、などと気を取り直してどーやら入さんコナミの上月景正社長に要件だったよーでしばらくロビーの窓から東京タワーとか東京湾の方を眺めた後に役員スペースへと入っていった。期待の「DC」に未だ決定打となるタイトルの供給を発表していないコナミに例えば「メタルギアソリッド」(7月1日発売の完全版って何だ?)とか「ダンスダンスレボリューション」とかってなビッグタイトルの供給をお願いに来たのかな、或いはコナミが抱え込んだプロ野球のライセンス権の解放とか。「詩織ちゃんを僕に下さい」なんて座敷で三つ指ついてお願いしてたらとてつもなく面白いんだけど、でもって難しい顔をして腕組みをして斜め上を向いて黙り込むんだ上月さん。いやまーこれは冗談だけどやっぱり欲しいよねコナミのビッグヒットタイトルを「DC」としても。成果はありましたかぁ。

 ここんところで「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」への岡田斗司夫さんの政治的には正しくない今時真っ当な「エピソード1」評が掲載されているので関係者は注目、って関係者とゆーのはつまりはファンのことですね、米国でも試写でもまだ見ていない純真無垢な人たち(僕もだけど)。なるほど「ジェダイの復讐」で繰り広げられた「森の木陰でドンジャラホイ」なドーブツ宝島に唖然呆然として以後しばらく足を洗い、「デジタル厚化粧」(岡田さん)なリニューアルされたトリロジーも終ぞ見ずに済ました身にとって、同じよーなドーブツ図鑑が何冊も出来そーな「エピソード1」に抱くのは「だいじょーぶなのか?」ってな不安心でしかない。

 それでも「スター・ウォーズ」の子供への布教を一身に担った「コロコロコミック」の今日発売の7月号に、何となんと何と麻宮騎亜さん絵による漫画版「スター・ウォーズ エピソード1」の前半が掲載されているのを読むと、派手な剣劇賑やかな展開には実際の影像になった場合を想像させて嬉しがらせる要素もあり、また感動の「スター・ウォーズ」へと結びつく蛇足ならぬ蛇手的な余計感は否めないものの、それでも描かれる人間関係社会環境を知りたいってな欲求も湧いてくるからやっぱり見に行ってしまうんだろーなー、7月10日の封切り日には。堀江美都子さんの握手会に行かなかったとしたらだけど。おっとその前に6月19日のトミーによる玩具解禁の方をまずはクリアーしなければ。聞くと亀戸の「トイザらス」には着ぐるみとかコスプレとかが出ての賑わいになりそーなんで、朝10時の開店時にはそっちに出張って遊んでますで見かけても戦いは挑まないで下さい、フォースないんで僕には人徳も含めて。


【6月14日】 やっぱりそー来るか来るよな「To Heart」のマルチ登場編パート2は、一生懸命やってるマルチに浩之が下心のない優しさを見せてそれが結果としてほのかな恋心(ロボットが恋するのかな)を抱き、けれどもお別れが来て皆が総出で見送ったのにあらまあってなエンディングへと至る、そーゆー設定にありがちな王道の物語を臆面もなく見せてくれた。それが鬱陶しく感じられないのは、徹底的に暴れず騒がず淡々と描き切る展開もそーだけど、王道でお約束な物語を実は誰もが大好きだってことに他ならない。何時もと変わらない笑顔で最後のバスに乗っていったマルチにウルウルとして、廊下を走るマルチの姿にニコニコとするその心地よさに、全千葉県民が真夜中にも関わらず「オッケエー」と叫んだ声が耳に届いた、気がした。

 仮に例えば「自分はロボット」と信じている人間の女の子だったら(KYEかいな)、むしろ設定が前に出て視聴者を構えさせてしまったかもしれないけれど、唐突でも説明無用でも今と全然変わらない社会の昔とも全然変わっていない学校に未来でも存在の可能性が小さいメイドロボットを配置してなお違和感を感じさせずに済んだのは、設定よりもその上で描かれるドラマに必然性と普遍性があったからだろー。ドジでノロマなカメだでど努力は人一倍やって性格も欲って落ち込んだりもするけれど私は元気ですって奴? 考えて見れば魔女がいて空を飛ぶ世界なんてのも相当に唐突で違和感アリアリなのを普遍性と必然性で説得してしまった宮崎駿さんの前例もあることだし、落ちつくべきところに落ちついたってところでしょー。これであらかた揃った駒がさて最終回へとどう動いていくのか、残りあと数回も見逃せません。

 こんな夢を見た。どうやら料亭か旅館の大広間らしい部屋に座卓の高さのテーブルを何台も並べていろいろな作家がサイン回を開いている。中で1番人気は京極夏彦さんらしーけどどれが京極産か解らず、またプロやファンの人たちで賑わう場所に居心地の悪さを感じてか廊下へと出るとそこでも宴会が開かれていて、中の1人の老人がよって来て見ると森繁久彌さんだった。知り合いらしくこちらに丁寧な挨拶をくれて、それを恐縮もせずに受け流したあと別の場所から外へと出て目が覚める。京極さんはともかく森繁さんが登場した意味がちょっと不明、あるいは死期でも預言したかと思ったもののテレビのワイドショーでも死去の報は入ってなかったから、きっと融けだした脳の細胞がたまたま森繁さんの記憶がインプットされた場面だったんだろー。しかし夢ってやっぱり訳解らなん。

 1日に珍しく3本のアポが入っていたんで都内を恵比寿初台江戸川橋とハシゴする。1500円のPSソフトのシリーズを作っている会社に行って高けりゃ良いってもんじゃないってな話を聞いた後、初台ではアスキーが始めるEC事業の担当者に面会、いきなりの黒い3連星仕様のザクTシャツを着ての登場に、だからアスキーって好きなんだと思わず皆済を叫ぶ。ただのザクでも赤ザクでもない限定品のザクTを買いに並ぶ関連会社とはいえども一応や役員の兄ちゃんがいる会社に、たとえ左前でも務めてみたいと思うだろ? 聞くと「G2O」にも書いてるそーで最近熱心に読んでなかったことを詫びつつ、折角仕切ってるEC事業なんで「ガンダム」を内緒で一杯にして欲しい旨告げておく。秋元康氏については実績はともかく個人的には抱く嫌悪感を表明したから嫌われちゃったかな。でも見たでしょいよいよスタートした「後藤善男」シリーズのCMを。このタイミングでのあのセンスを、手放しで誉められる人って勇気あると思うけど。

 出て新宿は神楽坂から江戸川橋方面に向かってトーハンに行って決算発表を聞く。内容はともかく話題は当然のことながら例のソフトバンクと立ち挙げる予定の書籍のネット販売&コンビニ流通。ソフトバンク側はまだまだ決まっていないと口を濁し、書店は恐々としつつも日販への鞍替えも睨んで激震の状況にあると言われるトーハンの施策について、当のトーハンは「中小の書店さんがトーハンにとって命、そこを粗略に扱うことはいたしません」と言明し、かつ「バンクとの取引で1冊でも注文を受けて配送を行うインフラが出来る。これは書店さんでも出版社さんでも活用できる」とむしろ書店にとっても良い提携だと訴える。実際様々な憶測と懸念が浮かんでいたらしーことが、そーした疑念への答えをちゃんと容易していた事からも伺える。

 まあ、結局はコンビニがちゃんと丁寧にお客さんを扱えるかって辺りに正否の鍵があると思えるから、実際のところは始まってみないと何にも言えない。ただ「カタログ販売の会社が使っていないコンビニ流通を本が行うからってどーして騒ぐの?」的な当然至極の意見もあって、それはソフトバンクがやったからだよとメディアの奇妙な価値基準を理由に挙げて説明しなくちゃならなかった辺りに、曇った眼の歪んだ視線で腐った世の中を見ているよーで見ていない、メディアの愚かさを自覚してとてつもなく自己嫌悪に駆られる。そーか森繁が夢に出たのは愚劣なメディアの劣等感を森繁におじぎさせることで解消しよーとしていたのか、なんてな夢判断をしてみたけれど、当たってる?


【6月13日】 イアン・マキューンの「アムステルダム」(小山太一訳、新潮社、1800円)に主人公の1人として登場する新聞社の編集局長は、部数の落ちて来た新聞を変えようとセンセーショナリズムに走り秘密の写真を掲載しようとあがいて挙げ句に破滅へと突き進む。なるほどお高くとまった新聞を変えようとする意気は買うし、何ら手を打てないで伝統にしがみつく他の幹部たちのあたふたぶりも笑えるけれど、編集局長の突っ走る理由がとにかく積み上げたプライドと権威のさらなる強化に過ぎず、拠って立った「読者の支持」が失われてもなお自らの地位にしがみ付こうとして果たせず、落剥していく様の滑稽さにはただただ笑うより他はない。しょせんは貴方も歯車の1つ、雰囲気が読めなければバッサリと切り捨てられるんだよ。

 新聞という権威を守る側と、新聞の権威なんて切り捨ててしまえと責める側ではとりあえず守る側が勝ち残った訳だけど、その権威といっても結局は切り捨てられた編集局長と裏表の保身に過ぎず揺らぐ立場に変わりはない。じゃあどうすればいいのと言われれば、別に滅びればいーじゃんと自信の立場も省みず思ってしまうんだけれど、それとゆーのも今の新聞が置かれた状況は変革するには容易じゃないってことが解るから。毎日新聞から東京新聞を経て今はフリーの吉川利明さんが書いた「新聞記者卒業」(第三書館、1500円)なんかを読めば、いかに今の新聞社が記者のやる気をスポイルして、組織人間会社人間を作り出しているかが良く解る。上しか見ない平目野郎や権威にしがみつきゴマすりに躍起となる幹部たちの姿を見ると、それでも一応は紙面の善し悪しを議論している「アムステルダム」に描かれる新聞社の方がずっと真っ当に思えて来るね。

 「新聞記者卒業」はとにかく”身も蓋もない”本で、サツ回りの無駄記者クラブの怠惰金儲けへの情熱セクハラの実態等々の新聞社に蔓延る奇妙な風習が経験を交えて実に刻銘に描かれていて志望する人には勉強になる。築地と渋谷が書いたことこそがトップニュースだとばかりに過剰に反応する、自らの主観もモノサシも持たない新聞社の愚劣な横並び意識。口ではゆとりの生活だとか過労死への糾弾だとかを言っていながら、当の新聞社自体が休日出勤なんか当たり前で私生活なんて不要だと言って仕事(社会じゃなくって会社にとって重要って仕事だったりする例もあったり)に縛り付けようとする自己矛盾。スクープといったって発表から半日1日早く書いてるだけ、にもかかわらずそれこそが名誉と讃える他社と社内しか見ていない今の新聞社の人たち。

 そんな状況に若い人たちがどんどんと辞めていってる実態に、自らの失策を全くもって覚えようとせず単に感性の変化とか、軟弱になったと言ってのける役員幹部の愚かさを読んでなお、新聞社を志望する人がいるとすれば変革できると信じているのか、状況に流される相当な覚悟を持っているのか、単に権威が好きかどれかだろーと思えてくる。じゃああんたはどーなのと聞かれれば、それでも世間が権威と信じてくれている間に、権威さえあれば一段の発展が見込める産業なり会社なりを世に出してあげたいってな心境があってしがみついていると答えるけれど、これとて10年後20年後にそんな産業企業が世界を席巻した時に、「オレが育ててやったよーなもんだ」と威張るための種蒔きかもしれんと、奥底に宿る打算の心を探して自己嫌悪に浸ってる。とにかく2冊のジャーナリズムの不甲斐なさを描いた本、もう来年の採用はほとんど終わってしまったかもしれないけれど、後々希望する人は読んで覚悟を決めましょう、でも読んだなんて言うと、落ちるよ、だって面接するのは批判されてるオヤジな奴等、なんだから。

 早起きして幕張メッセに再び。「次世代ワールドホビーフェア」のオープンする9時ちょうどに場内へと突入し、とりあえずはザッと場内を回った後でトミーのブースに行って今日の分として出してあった「メカ生体ゾイド」を買って本日の用事の全てを果たす、ってをいをいそれでいーのかこれでいーのだレア物に群がるファン真理を自ら体験するとゆー実にジャーナリスティックな行動を取ったのだから。ちょっと自己嫌悪。立ち直って説明すれば今回出ていたゾイドは、アニメ化に向けて夏に続々と出てくる商品とはちょっと違って、どーやら80年代に販売されていた製品の在庫に余っていた製品らいしくその証拠に電話番号の東京の局番が3ケタになってる。関連情報のあるページなんかを見ると、1度再販された時の製品かもしれないなー。

 売っていたのはガイロス帝国って悪役っぽい設定の側の「ダーク・ホーン」と「デッド・ボーダー」の2種類。わずかに「デスザウラー」って大型のゾイドも出ていたけれど流石に買う金持ち運ぶ気力はなく、うちに見る間に人の手に渡って買われていってしまったので、あるいは珍しい製品だったのかも。とりあえず昨日は買い逃した「ダーク・ホーン」と「デッド・ボーダー」を各2000円で購入し、意気揚々と場内の他のコーナーを見て回る。「テクモ」は朝からモンスターのバトルに山ほどの子供が行列を作って意外な人気を見せていたのが印象的。アニメは視聴率的には多分苦戦してるんだろーけれど、あきらめず地道に浸透を目指せばマーチャンダイジングもちゃんと付いて来るかもしれないから、残るはやっぱりスポンサーの体力気力をどこまで保たせるかってあたりにかかって来そー。ジムナスティックやってたお姉ちゃんたち、背中に「モッチー」のビニールリュック背負っててカワイかったです。踊ってる途中で柱に捕まりゼエゼエやってる着ぐるみ「モッチー」も、ね。

 バンダイで見た「ハイパーウイング」が個人的にはこの夏期待の商品。空気ポンプでタンクに空気を送り込むと、それが管を通ってプロペラを回して飛行機を100メートル以上も滑空させるとゆー「空気エンジン」搭載の飛行機で、狭い場所ではちょっと難しいかもしれないけれど郊外の駐車場とか広場があれば試して遊んでみたい気になった。改造とかするとさらに飛ぶよーになるのかな。ほかの「アクティブトイ」とは違って技術をランクにして競うってマーケは無理だけど、滑空時間なんかを紙飛行機の大会みたく競技にすれば改造投げ方空気の入れ方等々の様々な”技”が広まって、大人のホビーとして人気をはくする可能性がアリと見た。5000円近いんで子供には無理、かなあ。親子で遊ぶのはオッケーか。「ハムスター」の屋敷は生のハムスターがチョロチョロとして卑怯感たっぷり、だって生ハム(略すと食べられそー)可愛いんだもん。売れそーだなー。

 帰って粛々と読書。復活した太宰治賞を受賞した冴桐由さんの「最後の歌を超えて」(『太宰治賞1999』所収、筑摩書房、1000円)はまんまどっかで読んだことのなる、知覚を変えて遠くへ行こー的SFの1つに過ぎないといえば過ぎず、それも決してダイナミックなビジョンを見せてくれるでもないこじんまりとした作品で、これが太宰治賞を受賞してしまうんだったら「ブギーポップ」のシリーズだって十分に視覚アリじゃんとか思えて来る。もちろん本人の自覚はともかく僕的主観ではれっきとしたSFが文学賞を受賞することに何等異議はないけれど。

 おかしいのは選んだ選考委員のとりわけ柴田翔さんの物言いで、「おそらくサイエンス・フィクションやコンピュータ・ゲームには、これと類似のファンタジーものは珍しくないのだろう。(中略)その種の遊びにいたって不案内な私にもロール・プレイング・ゲームの影響を強く思わせる。だが新しく出現したメディアを享受し、それに影響されながら、なおことばによる表現を目指すとき、そこに新しい文学の可能性が生まれることは、例えば初期映画の出現の際にも見られたのではないだろうか」って言葉には、ゲームというデジタルメディアはもちろん、SFやファンタジーが到達した人類の進化へのビジョンってのも、”文学”それも活字による”文学”に影響を与える程度の存在でしかないって雰囲気が伺われて釈然としない。

 ことばへの拘りさえあれば過去に他のメディアで似たものがあろーと欠点が多かろーと向こう傷だと言ってのける文学至上な独善も何かヤダ。「表現にことばとしての力があるかないか」じゃあ今の様々なメディアの表現に慣れ親しんだ人々を活字の世界に呼び込み固定することは難しい。むしろ「ことばによる表現」に他のメディアの表現をも上回る「力があるかないか」って方を文学やってる人にも考えて頂きたいもんだと、収録されている選評を読んで思った次第。むろん僕は「ことばによる表現」が好きだし力を秘めているからこその欲求であって、言葉による表現者が増え言葉による表現に親しむ人が増えてくれれば全然問題はない。たぶん冴桐由さんにはビジョンを作り出す能力はあるんだから、選考委員の独善なんか気にせず果てしない想像力をもってめくるめくビジョンを言葉によって繰り出していって下さいな。


【6月12日】 ど眠い中を始まった「次世代ワールドホビーフェア」を見物に幕張メッセへ。場内は既にして山ほどの親子連れでいっぱいでブースを見る足も結構止まる。思ったのは昔に比べて女の子の姿が結構増えていることで、最初は「コロコロコミック」関連のイベントとして始まったものが回を重ねるごとに子供向けの玩具&ゲームショーと趣を変え、これに連れて出品される品物も男女取り混ぜたものへと拡大して来たことが1つには女子増加の理由にあるのかな。男女の区別を子供があんまり意識せずに面白いものは面白いってな発想で、貪欲にどんどんと食いつくよーになったってことも考えられる。平気でヨーヨーぶん回す女の子も「ダンスダンスレボリューション」に華麗なステップで挑む女の子も「ヤキューマン」「ビーダマン」を楽しむ女の子もいたからなあ。もちろん「ポケットモンスター」は男女を問わず人気のナンバー1だしね。

 こーなるといわゆる「女児玩具」ってカテゴリーが果たしてどこまで明確なカテゴリーとして成立し得るのかって疑問に突き当たる訳で、例えば美少女アニメのキャラグッズやら人形やらままごと関係やらに未だ重きを置く昔ながらの玩具屋さんのマーケティングも変化を求められて来るのかも。男子の玩具に平気で手を出す女子がいて、今はまだ少ないけれど女子の玩具を楽しむ男子が出てくると、ユーザーを囲い混む上で有効に働いていた「男児玩具」「女児玩具」って明確なカテゴリー分けが、新しいユーザーを巻き込む上で逆に壁として働くって可能性も考えてみたくなる。まあハッキリした根拠もなく思考しているだけなんで、この辺りこれまでとこれからの子供文化の変遷の様子を見ながら、ちょっと深く考えてみたいねえ。

 トミーの「ゾイド」はテスト販売の品物が残っていたのでちょっと目を離したら途端に品切れになって唖然。しまったさっさとツバ付けとくんだったと悔やむこと仕切りで、本当だったら今日1日で明日は別のところへと出かける予定を(っても1人でフラフラするだけなんだけど)変更し、朝1で会場へとかけつけ「ゾイド」獲得に走ることに決める。頑張るぞぉ。仕方がないんで場内を反対側まで行ってでっかいブースがしつらえられた「スター・ウォーズ エピソード1」のコーナー横でダース・モール様ご愛用の「ダブルブレード・ライトセーバー」を4410円で購入する。最初の「スター・ウォーズ」公開時から「ライトセーバー」は欲しくてたまらなかった品物、20余年を経てのゲットになんだか涙が出てくる。これも見る間になくなったから、やっぱり人気の製品なんだなー。クワイ=ガン・ジンのセーバーはそれ以前に売り切れてたんだけど。

 セガ・エンタープライゼスのコーナーでは期待もいっぱいのナムコは「ソウルキャリバー」の美麗さに圧倒され、これならいー線行くんじゃないかと期待を抱かされたものの、会場に設置されたモニターに映し出された次なる「ドリームキャスト」のプロモーション影像を見て気分が一挙に醒め萎える。先に「湯川専務」を全国民が注目する人物へと仕立て上げた2番煎じを狙ったのか、今度「DC」がフィーチャーするのは「後藤喜男」とゆー人間、これが実在か否かはどっちでも良いことで、同じ手段が2度通じると信じて疑わないプロモーション部門のセンスになんだかなんともな気分にさせられる。うーみゅ。

 おまけに流されていた影像のストーリーのこれがまたなんだかなーの代物で、おそらくは海外から日本へと働きに来ている外国人の行員が「後ろの藤の喜ぶ男」と唄いながら空き缶みたいなものを潰し、パートっぽいおばさんが出てきて「DC」を箱に詰めていく展開の、まるで「プレイステーション」の雰囲気を洗練とは逆方向へと変えた内容に興醒めする。トドメは箱詰めされた「DC」に押される「19900円」への値下げを告げるラベルが3段構えでクローズアップになる場面。思い出したねそれは今年の1月23日に「PS」が15000円に値下げになった時にラベラー持った人が「1・2・3」のかけ声も鮮やかに値札ラベルを押していったカットになんとも実によく似てる。あるいは意識してパクって本編では華麗に路線転換を見せる筋書きがあるのかもしれないけれど、案外マジに「かっこいいとはこーゆーことだ」と信じてないとも言えないだけにこの先どーなるのか興味津々、ですな。

 残る問題はこーゆー雰囲気のCMを、未だその名を偉大なものと信じている秋元康さんプロデュースだからと、中身の善し悪しなんか関係なくただインパクトのみでオヤジなメディアの人たちが諸手を挙げて歓迎しかねない点。「週刊文春」の対談で「あの時点で200万台あれば全部売れた」と言ってのけ、プロモーションには瑕疵のなかったことを語って後のフォローも含めて担ってしかるべきな責任を、一部回避している社外取締役様の威光をもってすれば、メディアなんて簡単に跪くもんね。トッププライオリティとか口では言って1週間以上経っても1本の経過報告すら寄こさない、その対応1つをもってもマイナーなメディアのやんちゃ坊主が叫んで崩せる相手じゃなし、話題なって「後藤喜男」だけが激しく有名になるこの夏、ですか。

 混雑する中を堂々と幼女たちに揉まれてシアワセな気分(犯罪だぁぁぁ)に浸って気疲れしたんで帰宅して読書。イアン・マキューンって人の書いた「アムステルダム」(小山太一訳、新潮社、1800円)は英国が誇る「ブッカー賞」の受賞作をあって期待をしてたらハズされた。いやまー確かにある種の人たちには自分たちが営々と積み上げてきた権威もプライドもまとめて崩され失意の心で復讐に走る展開に同調できるし、権威が1番な英国で受けた訳も解らないでもないけれど、歳若く失い崩され呆然とする地位もプライドも持たない人間にはこれしきの事でジクジクと悩む奴等の気がしれない。

 よしんばオヤジな真理に理解及んだとしても、背後で人心を操り破滅へと追い込んだ側の人間の動機に納得できない点もこれありで、今後出てくる様々な解説なりがどんな評価を示すのか、他人事でもないんだけれどちょっと興味のあるところ。チャキタガミなオヤジが幅を効かせる「本の雑誌」は絶賛調が踊るんだろーなー。ちなみに近日掲載「SPA!」の書評は僕じゃないから悪しからず。


【6月11日】 何で未来な都会の兄ちゃん姉ちゃん父ちゃんが「きしめん」なんぞを夜食に食うんだと思ったらそーゆー伏線だったんですね「ベターマン」。色がピンクで平べったくなかったのは良心とゆーか仮にこれからきしめんを食べる機会があってもグジャグジャと襲いかかるきしめん様の怪物の姿をとりあえずは思い浮かべて比べてオエッとしなくて済みそーだし。分析したまんまの臭いを発生させるアミューズメントマシンってのはあって不思議じゃなさそーな機械、だって某アトラスは爪にインクジェットで模様をプリントしてしまうネイルアートのマシンをアミューズメント施設に納入してんだから、香水くらい機械が調合しても悪くはないよな、けど握りっ屁を嗅がせた途端に館内に広まる芳香はちょっとねえ、それがたとえ美人のだったのしても。

 平べったいと言えば世界を席巻しているあの平べったいどーぶつ「たれぱんだ」をフィーチャーした絵本が登場、その名も「たれぱんだ」(絵と文末政ひかる、小学館、1300円)は表紙がいきなりたれぱんだで裏表紙もやっぱりたれぱんだでめくるとたれぱんだ次をめくるとたれぱんだとにかく延々たれぱんだづくしのファンには文字どおりたまらない1冊。8日に発売だって聞いていたからあちらこちらの本屋を探していたのに見つからず、これはいよいよ注文でもしないといけないかなーと思っていたことろに立ち寄った池袋の「リブロ」で平積みになっているのを発見、もう中なんてろくすっぽ読まずに買いましたよあたしゃ。

 そんな期待に違わず中身はこれまでグッズにサンエックスのホームページなんかで見た絵柄が山と描かれかつプラスアルファな情報もあってこれまで不思議に思ってたこと、謎だったことも幾つか明らかにされて小踊りする。「たたかわない」めかたれぱんだってのがいて顔にフランケンみたいな線が入っていたけどなんとまあ。仰天の理由は読めば解るしグッズにもなっていたかもしれないけれど、知らない人は見て驚けよ実はめかたれぱんだの中には(以下秘密)。たれぱんだの飼い主らしき男の描写があって髪後ろで縛って野球帽被って眼鏡かけてて帽子を取ったらどうだかは別にして外見はとっても僕っぽい。いかにもダレた人間のところにどーやらたれぱんだはやって来てくれるらしく、だったら僕にも資格があるはずだから買いにいこう「すあま」用意しよう「透明のがらすびん」。明日にはきっとかかってるねたれぱんだ。黒い平べったいやつは勘弁だけど。

 しかしバンダイ結構かけてるみたいなところがあるのか「たれぱんだ」を起用したスナック麺とゼリーを6月下旬から発売とか。ゼリーには人形だかが入っているそーでそれが20種類以上もあるそーなんで集める人は大変かも。池袋のサンシャイン下にあるバンダイとサンエックスが運営してる「たれぱんだや」には東京駅でも売ってた「たれぱんだんご」(外箱だけたれぱんだで中はただの草だんご)とかどらやきとかも売って、ほかに山ほどのグッズに次々と集まってくる女性陣が「かわいーかわいー」を連発しててなるほどこっそりしっかり蔓延ってるんだってことを実感する。絵本によれば侵略する意図はないよーだけど本当かな。平べったさを活用した石鹸受けなんかが僕的にヒット商品、もちろんうつぶせとはらばいの2種類がありまーす。個人的に欲しいのはたれぱんだの形したボウルで中にプリンとかゼリーを入れて固めてお皿にひっくり返すとブヨンと垂れた巨大たれぱんだプリンorゼリーの一丁上がりって寸法だ。作らない?

 DVD版「To Heart」(ケイエスエス)の第1巻を石丸で購入、近所のダイナミックオーディオあたりじゃ売り切れたから、東京地区とかに済んでてUHFが見られずCSも駄目なファンがいよいよ発売と勇んで買っていったのかな。1話しか入っておらず値段が安いけど石丸じゃーLDと同様にポスターを1枚つけてくれるってんで見本からぷりぷり・くにくにな戦闘服姿の紀野ちゃんが写ってる「青の6号」の第1巻発売告知ポスターをゲット、触れないけど、見るだけで我慢します。しかしバンダイビジュアルとも微妙に違う大きさのパッケージはCDケースも未だ並立するDVDパッケージにあって不統一感も甚だしい。ワーナーあたりが確か同じサイズだったけどほら、洋画なんて滅多に買わないんで出来れば前にも何度も書いたけどどこかで統一計って頂きたいもんです。あっとでもキューブリックの傑作4本入りDVDも発売近いしこっちのサイズも増えそーだなー。

 池袋ではコンピュータソフトウェア著作権協会の会見と懇親会、前の中古問題に関する話が幾つかあって判決で「本件各ゲームソフトにおいては、プレイヤーの操作に従って画面上に連続して表れる影像をもって直ちにゲーム著作者の思想・感情の表現ということができない」「映画の効果に類似する視覚的効果を生じさせる方法で表された著作者の思想又は感情の表現が存在しない」と言われたことに対するクリエーターな人たちの声なんかがそのうち上がってくるとか。「映画か否か」についてはクリエーターそれぞれい異論反論あるだろーけど「思想感情がねえ」と言われてはやっぱ黙ってられない筈だし。けどゲームな人が声高に叫んでもゲームを文化なんて認識してない新聞テレビがちゃんとその声でっかく伝えるんだろーか。そっちからの興味もこれありで遠からず出るだろー声明にちょっち注目です。

 懇親会では一家総出の「ゲーム批評」とかライバルなのかな「ゲームラボ」の人たちと歓談。SOTECのCMがすげえだろーとカテナの小宮善継社長に言われて「すごいすごい」と相槌を売ったら「もっと凄いのが出るよ」と言われてちょっち歓心ピクピク。よもは5万9800円のノート型パソコンなんて出ないだろーな、19万9800円でDVD&14・4型TFT&6・4GBハードディスク搭載ノートだったら「うっかりしてまーした」と謝られたって即買っちゃうぞ。後は池袋をうろうろしてゲーセンでたれぱんだグッズをゲットしそこない安サンダルとかを見たりしつつ帰宅。明日は9時から幕張メッセで「次世代ワールドホビーショー」なんで早く寝ます「ハイパーディアブロ」の技とか披露しなくちゃいえないし、って回せもしないのにゆーのかその口が。


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