縮刷版99年4月下旬号


【4月30日】 八丁堀の責め苦を受けながら午前の6時頃までかかってデッチャラとデッチ上げ文章を書き連ねつつ途中録画に失敗してしまったけどリアルタイムで見てしまった「ベターマン」に主人公の兄ちゃんは相変わらず嫌いだけどお話およびこれが肝心、女の子キャラは好み抜群との意を抱く。やっぱりメインは火乃木ちゃんで下から煽ってスッと前を向くシーンでいっしょに胸のピラミッド方な膨らみもツンと前を向くカットのグンバツ(死語)さに頭がドン! そのシーンだけを見るために僕はきっと絶対DVDも買ってしまうだろー自分のことだけど納得する。お話の見えなさは相変わらずでベターマンっていったい何者ホワイな気分は未だ抱くもその分読み込む楽しさもあるからまー良いか。エンディングが妙にカッコ良く思えてしまったのは単なるミッドナイト・ハイな頭に響いた幻聴? CD買っちゃいそーだよー。

 午前6時に寝てしばらくして起きてもやっぱり残っているのがスルーナイト・ハイ。気の迷いもここまでいくと感動を覚えるくらいにフラフラと東武船橋店の玩具売場へと立ちよって、ついつい買ってしまったのだよ「神風怪盗ジャンヌ」が武器として使っている「リバンドボール」を。手首にまくストラップにゴム紐がついていて先っぽには黄色いゴムのボールが。テレビだとこれが壁に張り付きターザンだって出来るし落ちている物を張り付けて拾うことだって出来るんだけど、残念なことにジャンヌ・ダルクの力は入っておらずタダのボールで弾むくらいが関の山。放り投げても引力があって手元に戻る前に落ちてしまうしなかなか使い勝手が難しい。とりあえず「SFセミナー」の合宿へと持ち込んで練習しよーかと思っているけど別に「ハイパーディアブロ」の記事を書くための練習もしなくちゃいけないんで迷惑ですが合宿の大広間でアクティブトイの練習をたぶんやってる奴がいたらそれが僕です。虐めないでね。

 一緒に買ってしまったんだよ遂に「おジャ魔女どれみ」が胸に下げてる「どれみタップ」を。見かけはまあそれなりのものだけど、ボタン操作でメロディーを奏でられるしメロディーが流れる中身の良さはこの春スタートしたアニメの関連グッズでもピカ1のよーな気がする。音楽の時間に楽器として使えそーな便利さも兼ね備えた「どれみタップ」ももちろん迷惑を省みず「SFセミナー」の合宿でアニメの部屋に入り込んだ時にイチオシアニメの代表例としてガン慣らしてアピールするつもりなのでファンな人は応援しよー、って別の小間が面白いからと逃げる可能性もあるからその時は御免。ああ「カードキャプターさくら」の「封印の鍵」とそれからショートバージョン「杖」が欲しーなー。ジャンヌのフィギュアとさくらのあたらしフィギュアも一緒に。

 これは後でのぞいた池袋西武の玩具売場で思ったことだけど、ここに挙げた3つの作品ってどれもがバンダイの扱いなんだよなー。でもってそれぞれにお客さんが集まっていてとりわけ「どれみタップ」は小さい女の子が楽しそーに遊んでたりするのを見ると、あの「セーラームーン」を境にパッタリと売れなくなってしまってた女児玩具に久々に光が見え始めているよーな気がしないでもない。「おジャ魔女どれみ」の服なんて男のワシでも来てみたくなる良い出来だもん。バトンや杖とかも含めて「おジャ魔女」関連を筆頭に「ジャンヌ」「さくら」(時間帯が裏表なのがちょっと残念)でバンダイちょっぴり安心できる春、なのかも。男児はアクティブ・トイをどこまで引っ張れるのかが鍵。そのためにも「SFセミナー」ではディアブロを、ってだから迷惑だってばさ。

 ちなみに船橋の方の東武には例の「ポケピィ」がまだ10個くらいは在庫になってるみたいなんで「チェキ」れない近隣の人は要チェックね。そんなこんなで仕事に行ってやっぱり未だ尾を引いていた神童向けに原稿を書き足したりしながら適当に時間を潰してから、マーケティングリサーチとしゃれ込むために池袋へ。パルコの5階だかにあるホビーショップで前に1個買ったは良いものの雑然とした部屋でふんづけて折り曲げてしまった指スケボーを1つ新たに買い求める。「ミスター・グレイ」の絵柄がデザインされたシリーズから1番派手なのを1つ所望。本当だったらハーフパイプをベニヤで作った台も欲しいんだけどこれってただ持ってるだけだとちょっぴり間抜けなブツだしなー。やっぱり作るかロフトで材料を仕入れて。さて指スケボーが流行るか否かは不明だけど神田あたりのスケボー屋でも見たし人によってはジワジワと浸透しつつある雰囲気で、とにかく多様な絵柄を集めるって楽しみも加わればこの夏にブレイクしそーな予感がちょっぴり。青田買いしときませんか?

 秘密の会合で情報をあれこれ。すでに発表になっているらしー杉崎ゆきるの「女神候補生」のアニメ化が果たして成功するかどーかを考えるけど少なくとも公共衛星放送向きの素材じゃないわなー。堺三保さんの考証はさえるかジーベックの絵は走るか否か。できれば我が家はBS入らないんで地上波でやっちゃって頂きたいなー。でも持っているけど一体どーゆー話だったっけ? あと石井聰互さんんが撮り上げた作品があるのに上映館が決まっておらず現在店晒し状態でひどく残念に思ったりとか。だってすごいよ浅野忠信さんと永瀬正敏さんが出ていてそれだけでも凄いのに方や浅野が100ボルトの電撃を起こせるとすると、こなた永瀬は1000ボルトの電撃を起こせてこの2人が戦うって内容とか。訳の解らなさでは「シックス・ストリングス・サムライ」をも超えていろーでさてもどんな絵になっているのかをとにかく見たくてしょうがない。年に1つしか出ない社長賞を獲得したとかでやっぱり男は女子高生のパンツに弱い、訳じゃないちゃんと中身も数字も良かったWOWOW「天然少女萬」も劇場公開の可能性があるそーなんで、ここはついでにお願い石井さんの電撃バトルもちょいちょいと。


【4月29日】 まだ続いている神童の感想文はゲラで手を入れるからうっちゃっておくとして、別のさらに膨大な原稿を前に考えただけで頭パンキッシュ、GW明けでもいーかーなーなんて勝手に甘い見通しをたてつつ逃避行動のために東京都現代美術館へと向かい、いよいよ始まった草間彌生展を見る。これまでも例えば90年の夏に幕張メッセで開かれた過去に類を見ず今もって後にも類のない現代美術の展覧会「ファルマコン90」が、おそらくその作品に触れた最初だったよーに記憶していて、以降六本木の小さなギャラリーとかまだ河田町にあったころのフジテレビギャラリーとかで機会ある度に作品の一端を見ていたアーティストだけど、かくも広大なスペースを使ってその初期から最近までをも包含する作品群を一気に見られる機会はこれが初。まずはとにもかくにも迫力に圧倒されましたと言っておこー。

 初期の作品はまだシュールレアリストっぽい雰囲気の、カンディンスキーとか岡本太郎の初期っぽい作品が多かったのがニューヨークに移り住んでガラリと変わったのが最初の驚き。どでかいキャンバスの端から端までを白い絵の具で網目状に塗りつぶす「無限の網」シリーズが並ぶ部屋で、間近に見てその意外や起伏にとんだ絵の具遣いに目を見張り、遠目に見てその巨大さ故にかかった時間の長さ、及びその時間をささえた集中力ってーか執着力に呆然としつつこれほどまでに彼女を支えたオブセッションすなわち強迫観念とはいったい何だったんだろーかと考える。もちろん有名になりたいアーティストとして成功したいってな切迫した気持ちも彼女を後押ししたんだろーとは思うけど、それだけじゃない内なる衝動がなくしてはかくも大きなキャンバスを埋め尽くせるものじゃないならね。

 もう少し後の水玉シリーズとか海藻のよーな線で埋め尽くされたシリーズとかでもそーした観念は伺い知ることができるけど、なおいっそうそうした感情を際だたせるのが例の男根を模したかのごとき形状をした物体がいくつも生えたミクストメディアのシリーズ。ボートから生えていたりドレッサーから生えていたり靴から生えていたりテーブルから生えていたり椅子から生えていたり階段から生えていたりとそれはもー様々で、そんなニョキニョキと生えた仮に男根としておこー物体の、上に横たわる草間彌生本人の写真なんかを見るとやっぱりそっち方面への関心が、多分にあったんだろーかとも思えてくる。「ウッドストック陰茎斬り」なんて本も書いてたし。最初の銀色が後に水玉の布を使ったニョキニョキになったのも意味としては何かあって必然なんだろーけれど、なにぶんついちゃってる身としてはそーゆーものに執着する女性の心理はよく解らない。未だ少ない研究がさらに増えることを節に願う。

 四方と天上を鏡に囲まれた部屋の真ん中で草間的物体といっしょに佇む作品は中に入ると広がる無限の世界が心地よく、そこに写し出されたやっぱり無限の自分にナルシスしながら次の人が来ないのを良いことにしばらくボーッとする。本当だったら扉も占めて完全に鏡の世界に身を起きたかたけど、ほらやっぱりゲージツだから中で悪さされちゃーたまらんのだろー、入り口だけがぽっかりと開いて無限の世界のそこかしこに、さらに別の世界へとつながる窓が開いているよーでそれはそれで含蓄があって面白かった。銀色の球体が吹き抜け部分の床一面に並べられた作品は、夜と球体に自分の姿が逆さに写って見渡すとすべての球体に自分が写ってこれはこれで奇妙な感じ。屋外での景色が無限に煌めく効果も狙ったんだろーけれど、観賞時に別の感嘆があるってのも単なる1枚の絵とは違ったインスタレーションの魅力かも。ナルシスが強すぎるだけだって? そーかもな。

 結構描いてると思ってた南瓜をモチーフにした作品が1点しかなかったのが意外。あれってそれほど草間彌生のバイオグラフィでは重要じゃないんだろーか。立体の南瓜とかって好きなのに、黄色く塗られて黒い点々が入ったやつ。あと生きている草間彌生が「草間彌生の部屋へようこそ、水玉ワールド云々」とかって喋る映像の入ったCD−ROMがi−Macで再生されて混んでたんで触れなかったけど欲しいかな。いや流石に今はお婆さんみたいくなってしまった草間彌生を愛でたいってんじゃなく、昔のまだ一応はオリエンタルなガールっぽかった頃の写真とかハプニングの映像とか最新のニューヨークで行われた展覧会での模様とかアーティスト、画商らに聞いた草間彌生の評価とかってコンテンツを、じっくりと観賞したかったんですが。売らないかな、全作品集も入ってたらなお良い。

 外では4800円もしやがるけれどカタログを購入。ペンダントとかもあったし先だって買いのがした草間彌生&荒木経惟ツーショットTシャツもとりあえずは先送り。もちろんヒステリックから刊行中の荒木さんの巨大写真集もやってる仕事が一段落したらその時にフトコロ具合で考えましょーってことで会場をあとにして、とりあえず有栖川有栖さんがサイン会をやってる三省堂神田本店をのぞく。今回は最初出勤日だった関係で整理券をもらっておらず行列はなし。サイン会にいってサインをもらわない極悪非道の振る舞いをしてしまいましたが事情があっての事をファンは勘弁して下さい。長髪のオヤジ顔な有栖川さんが黙々とサインをする光景は、意外や前の清涼院流水さんほどの周囲と取り囲む女性陣といった騒ぎもなく淡々としたもので、やおいな本も山と出ているシリーズの人の割にはどーゆー自体だと思案する。これで良いのか新本格ってな定義はさておき清涼院さんの方がわざわざ見たがる熱狂的で深度のあるファンが多いってことなのか。うーん謎。

 いきなり表紙からスタートしている稀有な漫画はとり・みきさんの「御題頂戴」(ぶんか社、1300円)を買う。ショートストーリーを並べながらも同じモティーフが繰り返し登場して収斂していく展開は、過去に類をいくつも見るとり・みきさんお得意の手法でそれ自体に意外性はないけれど、繰り出すモティーフの例えば天変地異を告げる手相を持つ山本さんとか、腹話術人形のカーナビとか、ヘソのゴマの多い美女ジェラルディンにフケが止まらないダルマンクール男爵に花粉症で鼻水涙が溢れ出る男ゲッツ・フィン・ベルリヒンゲンの3人とかが繰り返し登場しては前よりなおいっそうのギャグを叩きつけるものだからたまらない。コマの1つキャラの1人ページの1まい見落とすことなくラストまで一気に運ばれていってしまう。

 美女の脱糞シーンとかってのもあってそれはそれでお楽しみ。興奮できるかどーかは人によるけど。あと「SF大将」で「演ずるためには神と一体にならねばならず波の人間にはその中に入ることすら不可能」と言われた「中魔神」を演じることになって顔まで変えよーと必死に頑張って報われなかった百日紅美鈴の前歴及びライバルにして内田春菊目な内田春雨との絡みがあって「SF大将」持ってる人は倍楽しめる。「御題頂戴」のタイトルどーりに御題を頂戴していてなるほど内田春菊目の内田春雨登場の御題は内田春菊さんからの頂戴じゃんか。エピソード1の「スター・ウォーズ」が実は収録されている「スター・ウォーズ」だったら面白すぎるかもと思える昨今。高山名物「さるぼぼ」は出ないの?


【4月28日】 あっちこっちをドつきあった挙げ句に回って来たらしー神童の感想文をチャラチャラと書いたりしながら寝て起きて朝。とりあえずメールしてから出勤途中に秋葉原に寄って「ポケピィ」を首からぶら下げる用にソニー・コンピュータの「ポケットステーション」用ロングストラップを買う。前にもいにあれこれ試したけれどPHS用のネックストラップが長くってカメラ部分が股間にブンブンあたって小さいから痛くはないけど代わりに裏ブタが開いてフィルムが1枚パーになる事件が続出。最近は「ハイパーヨーヨー」を入れるサックのストラップ部分だけを外して付けていたけど首をひっぱられないよーに輪っかが柔らかい金属で出来ていて、引っ張られると抜け落ちる恐れがあったからこれも却下になっていた。ポケステ用のストラップは後ろで長さ調節が出来るのが利点でこれだと威張って言えば胴体の短い自分でも股間にカメラをぶら下げなくても良くなる。難渋している人はお試しあれ。しかし本当はぶら下げるはずのポケステ1度も売ってるのを見たことないんだよな僕。どうーなってるの?

 神童の感想文を手直ししたり同じ海岸向けのレギュラーの仕事を片づけながら本業の方の仕事とか別の方面の仕事に必要な資料(って日経のコピーだけど)集めをしたりしながらゴールデンウィーク前の暇な時間をツブしていたら、セガ・エンタープライゼスが兜町の東京証券取引所で業績の下方修正を発表するってんで出向く。配られた資料を見て赤字はそれ自体「あったりまえじゃーん」ってな気分ですっとばし、細かな業務改善のための方策をチェック。ををなんとゆーことかと思ったのはあの鈴木裕さんが率いるAM2研とかいったアミューズメント機器の開発部門とコンシューマの開発部門をいっしょにしちゃおうってな改善策で、傍目にはたしかに同じ「ソフト開発」とゆー名称の舞台を1つにまとめてリソースの有効活用を目指すって意味があるよーに見えるけど、生半可でもゲームをかじった目にはきっと「だいじょーぶなの」ってな思いが走っただろー。

 100円で3分を楽しませるのがアミューズメントなら30時間が最近は100時間をも楽しませることが可能なコンシューマ。明らかに異なる方向性で開発を進めなくっちゃいけないものをいっしょにしたら虻蜂取らずの中途半端なものしか出来ずに結果自滅していくんじゃないかと誰だって心配して当然だね。そこんとこととりあえずは向こうの偉い人が、最近のコンシューマで流行ってるのってぜーんぶアミューズメントの焼き直しじゃん100円で3分を楽しませるアミューズメントってゲーム性が大事でしょだったらコンシューマにだって応用できるよ、ってな説明をしていたから一応は考えてはいるみたい。

 ただしその考えが正しいか否かは一面の正しさはあっても別の面では間違っていると言え、家庭用では不可能な高スペックあるいは体感的なゲームをアミューズメント向けに必死でやっている人と、アミューズメントでは絶対に無理な長い時間をハマらせて世界にプレーヤーを巻き込むRPGやアドベンチャーをコンシューマ向けにせっせとやっている人の、双方がポカンとする可能性をどーしても否定できない。だいたいが今のセガにまんま家庭用へと持っていってバカ売れするアミューズメント機器があるの?

 ってのが純朴な疑問で例えばそーだな「プリクラ」は絶対に無理だし「UFOキャッチャー」だってリアルなマテリアルが介在する自販機系は絶対に不可能、ならばビデオゲームってなるけどオレしばらく見てるけどマジにホームでエンジョイできるビデオってしらねーんだよ。あるとすれば「スパイクアウト」とか名前忘れた「海中生物大虐殺ゲーム」とか「デイトナUSA」とかってあたりか。「NAOMI」基板のアミューズメントもどんどんと出ては来ているみたいだけど、いずれいしたってコナミの音楽ゲームにおされまくって話題のカケラも見えてこない。

 まあ言ってしまえば「ドリームキャスト」向けにだってミリオン確実なソフトなんて1本たりともない訳だし、ってそれも道理で3月末で「DC」目標の100万台を下回る公称で90万台しか出荷しておらず、先行き不透明感がドップリ濃くなる予感のなかを今冬の今世紀最強マシーンにして21世紀もしばらくは最強マシーンの「次世代プレステーション」を迎え撃たなきゃはならない。施設はどんどんと閉めて4000人いる社員の実に25%にあたる1000人を削減するなんて目標もあって誰が彼がと戦々恐々するなかを、いったい誰が安心して長期的な展望に立って未来を変えて歴史を作るゲームの創作にとりくめるのか。そんなモチベーションとの戦いもこれあるなかで300万台なんて強気を言っちゃうセガをさて、讃えたものか貶したものか。どうでも裕さん「シェムー」にずっしりイリさんも元常務も広瀬さんも誰も彼もの命運がかかってまっせ、きばりやー。

 タイトーから子供の日にちなんでカラオケのアニソンランキングが到着、っても1位が「だんご三兄弟」だったりするのは子供の歌も含んでの集計だからだでそーで今の時期はやっぱりしょーがない。とはいえ2位がすでにして伝説と化したアニメ「エイウォール」の主題歌だったこれまた伝説になってしまったhideさんが歌ってた「RPCKET DIVE」。ほかに上だとシャ乱Qのオーフェンじゃなくって「D.N.A2」のテーマソングとか「るろ剣」あたりが上位を占めてアニソンらしさがあまりない。「DTエイトロン」は今絶好調の「ドラゴンアッシュ」もランクインしてたっけ。

 まータイアップの手段としてアニメが見直されている表れと言えば言えるけど、こーも居並ぶと昔ながらの「どアニソン」がちょっぴり懐かしー。それでもランクには「ルパン三世」に「ガッチャマン」に何故か岩崎良美さん唄う「タッチ」が入っててアニソン御三家なる名前まで付けられていたのがオールド世代には喜ばしいとゆーか何とゆーか。H2Oが入っていたかは記憶にないけど出来れば加えて「トリトン」も入れておいて欲しかったかな。ほかだと「ポケットモンスター」が2曲20位以内に入ってて相変わらずの人気の強さを印象づけて、「ドラえもん」も1曲どれかは忘れたけれど入っていたのが相変わらずの人気の長さを印象づけた。さて来年は何が1位にくるんでしょーか、「だんご」じゃないとは断言できるけど。

 届いた「SPA!」を読み超ナツかしー「金魂巻」のマルキン・マルビの記事にタメイキ。もちろん架空のプロフィルだから実在を探すのは無理なんだろーけど、こと「オタク」の項のマルキンを読み、これは実在の誰彼を混在させた人なのかもと思いあれこれ拙い記憶を探して犯人、じゃない当人探しをして羨ましがる。プロフィルによればその年収2800万円の編集プロダクション社長で120人のスタッフ(ってまるで出版社じゃんこれだと)を抱えて妻はファンタジー作家で三鷹台に1軒屋を持ち庭には核シェルターが埋まってて子会社に作らせた世界に1つの宇宙船フィギュアが宝物だとか。

 体重98キロの39歳ってマルキンオタクの部分でもいーから心辺りのある人っているんだろーか。あの人? それともあの人? 宇宙船フィギュアってのがオタキングっぽくオタッコンツェルン創設なんてまんま「オタクのビデオ」だったりするけど、流石に年収2800万円は、ねえ。妻がファンタジー作家ってのはあるいはありそーな線だけど、それでも年収ってすーせん万円いくんでしょーか伺いたいです女流ファンタジー作家の方々に。一方マルビは月収10万で家にルリルリの等身大フィギュアがある31歳童貞クン。こっちの方が身近にいそーで親近感がすっげー湧く、けど僕なら等身大は木之元桜だもんね、ってなんだいオレのことだったのか。


【4月27日】 単なる場つなぎキャラかと思った潰れ大福みたいなオバさんパーマの女性が本当に竜城寺四郎ん家のママ(ママ?)だったんでギックリ。あの適当な造形でもちゃんと豪毅で面倒見が良い婦長さんってな雰囲気が出ているのは流石とゆーか記号の魔力とゆーか単なる眼の曇りとゆーか。一方で今週の登場や先生でもないチビっ子剣士、なのに突然リアルな劇画となって襲いかかってくる展開にドッキリ。先週のツイン教師からいきなりの劇メーションへの飛躍に、来週はさていかなるコロガシがあるかと期待をしたら別の悩殺な魅力へと行くみたいでそれはそれでオッケー。富士山口の渋面「十兵衛ちゃん」も悩ましげに身をくねらすよーな、脱がし合いとか引っかき合いとかってな女性っぽさ(女性ぽっさ?)炸裂のバトルにならんと欲す。でも十兵衛ちゃんドブに落ちた眼帯を眼にはめちゃダメだよ結膜炎になって夏なのにプールに入れなくなっちゃうぞ。

heya  「VIRUS」のメカをやったまみやなつきさん家で「パチモン(じゃないOEM)チェキ」なタカラの「ポケピィ」で机の上を撮って披露してたんでこっちも負けじと「ポケピィ」からのスキャンをドドーン。とはいえ整理整頓された机の上に飾られたステーショナリーってな雰囲気とは正反対をいく、子供は脅えて机の下へと隠れ虫も寄っては埋もれて死ぬと近づかない恐るべき机になっているのが解るでしょう。画面右端の赤い長い髪をした人形は「笑顔のリカちゃん」シリーズの1つで店頭では滅多にお目にかかれない眼を細めて口を開けて笑うリカ。でその足下に横たわっているのはピンクのドレスを着た普通のリカちゃんでもらったのはえっと何時だったっけ? ごくごく普通の製品です。転じて左の山はFAXの上に積み上がった本で最上段には「ポケピィ」の箱が。これが崩れた時はさらに左にあるベッドに落ちて寝ている人間を潰します。って僕が潰れるだけだけど。

 正面に埋まっているのが今は珍しくなってしまった今も仕様中の愛機「LC575」。その画面に映っているのはいったいなんだとお叱りの声も飛びそうだから釈明しよーグッピーです。ってちょっと待てどーして高橋由美子がヌードなんだ看護婦の格好で足おっぴろげてんだって言われればそれはアイコラだからです。んなもんをデスクトップピクチャにしているつまりは自分はそーゆー人間だってことがこれで一目瞭然解っていただけたと思いますが、だからどーゆー人間なんだってのは自分で言うのも烏滸(おこ)がましい(ちょっと用法違うかな)んで勝手に皆さんで噂して下さいな。マックの前にもゴミやら辞書やら灰皿やらパスポートやらがゴチャゴチャ。良く見ると「てくてくエンジェル」やらが埋もれてて上にはガレージキットが積み上げられてもう大変。片づけてくれる人がいれば幸せだけどほら、グッピーなんで無理だわな。

 バンダイからのリリースでバンダイビジュアルの社長交代を知る。今も昔も珍しい社長プロデューサーとして「十兵衛ちゃん ラブリー眼帯の秘密」なんて番組の企画にどーどーと名前を連ねてたいるする渡辺繁社長が、前任の茂木隆社長のバンダイ社長就任にともなうトコロテン人事で社長に就任したのがえっと2年くらい前だったっけ? その後もちゃんと稼働しているのか謎なデジタルエンジンを立ち上げちゃんと進んでいるのか秘密なアニメ作品のプロデュースを手がけていたものの、社長業との兼務がキツいのか謎で秘密が重大な岐路に立っているのか知らないけれど、とにかくバンダイから社長を迎えて一段下がって専務エグゼクティブプロデューサーとして実質的にも現場復帰をすることになったみたい。40歳ちょいって年齢もちょうど油がギトギトの頃だしここは金とか体面とかを気にせずドドドンドンと好きなアニメ作りに邁進して「ミト」やら「十兵衛」やら話題の作品をドシャドシャ作り上げちゃって下さいな。「ジーマイン」は知らない。逃げてないで今度ちゃんとインタビュー出てよ。


【4月26日】 なんでまたってな時間は午前も3時に千葉テレビで放映されたアニメ版「To Heart」の第4話を見てなるほど魔術な来栖川先輩には妹だかがいたのかって事に初めて気付く初(うぶ)な僕。格闘大好き少女の勧誘にぬぼーっとしながらも着いていっては一緒に練習までしてしまう浩之の見えない主体性に都合が良過ぎやしないかこの八方美人めと半ば羨ましく半ば妬ましく思うも、もとがきっとそーゆー話なんだから仕方がないと諦めよう。絵の良さ美術の綺麗さは第4話に来ても衰えずますます快調な見通し。真夜中にボワーンと見て懐かしくもまったくもって良いことのなかった高校時代を懐かしめる佳作として可能な限り見続けDVDも購入しよー。だからせめて午前1時にゃ放映してね千葉テレビさん。

 週末に掲載の産経新聞「斜断機」をチェック、そのメンバーに豊田有恒さんの名前を発見してまたまた韓国いーかげんにしろってないかにも「正論」産経に相応しい主張でも繰り広げているのかと思ったら、意外や『「職業」欄復活で日本再生を』とゆー内容でちょっと意を殺がれる。主張の大意は最近の個人情報記入欄から「職業」が消えて「勤務先」「所属部署」が増えているのに対して、就職なんかしてない作家はいったいどー書けばいーんじゃいって怒りつつ、職能が問われている時代に会社名なんて書かせるなんておかしいと結ぶもの。なるほどこれは確かに右的な意味も含まず正論で、会社名よりもやってる仕事で評価すべきだしして欲しいってのは5流のマスコミに属して電話しても媒体の説明から入らなくっちゃならない身としては、まさに社会に励行していただきたいと豊田さんに同意する。

 個人的に興味を持ったのは当の豊田さんの肩書きが「作家」となっていたことで、つまりは「SF作家」としていなかったあたりにどーゆー心境なりの変化があったのかと考える。何せ「あたなもSF作家になれる、わけではない」って本を書いて自らがいかにしてSF作家となったかを綴った御仁。それが「SF作家」と名乗らず単なる「作家」と書くのはおかしいじゃん、とかもしかしてSF作家って名乗るといじめられるの、ってな邪推やら心配が生まれてしまう。

 思い出せば去年の「SFセミナー」で「日本SF全集」をつくろーってな企画があって、中で豊田さんの扱いが微妙になっていたっけか。つまりは第1世代の豊田さんをしてSF作家と名乗らせない勢力が台頭しつつあって、そのスパイが産経に潜り込んでゲラにはちゃんとあった「SF作家」にケズリを入れたとか。それはないとは思うけど寂しい気分は否めないので、「日本SF作家クラブ」の会員名簿に所属している人々には、あなた方は選ばれた人なんだからアカデミズムであろーと勲章をもらう時であろーと、どーどーと「SF作家」を名乗ってやって頂きたいですねー。

 それにしても久々に青山智樹さんのページで公開された梅原克文さんとの往復書簡私は主張はともかく枝葉末節で突っ込まれかねない要素が満載でゲショゲショ。以下引用『現在の「日本SF作家クラブ」の経営方針を高く評価します。しかし、私は、彼らとは絶対に合流しません。その理由は、鏡明、高橋良平、大森望、森下一仁、川又千秋、山岸真などなどの「面従腹背」の連中がいるせいです』とあるけれど、会員名簿を見ると大森さんも山岸さんも名前がない。

 あるいは98年9月の名簿作成時以後に入会したのかもしれないけれど、そうでないとしたらこれはもう「『SFマガジン』憎し&『本の雑誌』憎し=『SFマガジン』に書いている人憎し&『本の雑誌』に書いている人憎し」でしかないよーな気がする。けど大森さんって「二重螺旋の悪魔」や「ソリトンの悪魔」の売れ行きに結構貢献してなかったっけ? 自分はそれで読んでみよーかって気になったと記憶してるけど違ったかなー。まあたとえ違っていても枝葉末節でいささかも「面従腹背な奴ら」との主張は揺るがない、って梅原さんは主張するんだろー。どーでもチャカポコであることよ。

 そんなチャカポコしたSF業界でも話題は幾つかあるよーで、今日26日から「ニフティ」の上で大原まり子さんや岬兄悟さんや山藍紫姫子さんや菅谷充さんやひかわ玲子さんの作品をダウンロード販売する「ほん・まるしぇ」ってコーナーがオープンしたとか。触れ込みだと一般の出版社では刊行にもーちょっとでこぎ着けられない日記だとかエッセイだとかコラムだとかをPDFのデータで販売するってことらしく、聞くとつまりは大原さんが自分のページでやってる「ものかき日記」のPDF販売を、ニフティのページ上でも行ってしまうよーなものらしー。岬さんもきっとデータは同じものを使うんだろー。

 山藍さん鈴木輝一郎さんも日記があるし売るのはその辺になるのかな。リストを読むとほかに妹尾ゆふ子さんやら水樹和佳子(いつから子がついたの?)さんやらSFっぽいの好き? な人には見て買って楽しめそーなコーナーになるみたい。後はお金払ってまで見たいかってところなんだけど、これを機に自分のページでタダで公開している日記をPDFで売って稼ごうなんてプロの作家さんたちが思い始めないことを、そーゆーページを巡回して作家さんおおかしな日常と真摯な創作態度に触れてファンになりリアルな本を買おうかって気になっている自分的に強く思う。だから解ったね。


【4月25日】 前夜とたいして変わらない人たちに某築地魚市場新聞にてアニメ担当っぽい仕事をしている年下だけど年収はきっと僕の倍なお兄さん&カラオケ番長を加えた面子で、とてつもなく大きな出汁巻き玉子ととてつもなく太いタラバガニととてつもなく大盛りなサラダをカパカパやってから帰宅し間にあったぜワールドユースサッカーの決勝「日本VSスペイン」を見る。見るも無惨に点を積み重ねられていく様に成り上がり日本と、無敵艦隊の伝統を誇る攻撃力にイベリア半島では世界をその版図に収めんと欲したイスラムの侵攻をも防いだ鉄壁の防御力を誇るスペインとの力の違いをまざまざと見せつけられる。

 日本がPK取ったっぽいシーンがあってあれが入っていればどーなったかとも思うけど、それでも振って突っ込んで回して飛び出すスペインの波状攻撃の前には、GK南の2点は確実に防いだその守備力を持ってしても3点は取られて当然。4対0が3対1になっても負けは負けなんで素直にここは相手を讃えつつここまで来た日本の力を賞賛し、2002年日韓共催ワールドカップへの期待と欲しよー。さあ次は五輪予選だJリーグじゃーグランパスも上がって来たぞヨーロッパのチャンピオンリーグは貧乏なんで衛星入ってないんで見られないんで無視。JFLもスタートでさて新生横浜はどーだったかな? 誘惑わくわくなサッカーシーズンに仕事も遊びも手が止まる。

 しまった「がんばれロビーナ」見忘れた。一生の悔いとして仕事も遊びもせずに1日をぼわーんと過ごす。買ってきた「十兵衛ちゃん ラブリー眼帯の秘密」のオープニングを聞いてあのイントロにしてこの歌とゆー奇妙だけれど不思議とマッチしているアレンジの妙に感嘆しつつ、「カードキャプターさくら」の新オープニングのお披露目会が石丸電器であったなーと思いつつ聞いたANZAの歌の広瀬香美ぶりはあっても前ほどのカワイサがまだ見えない、のも道理で1度も絵つきのオープニングを見てないってこともあって判断留保のまま、今度は中司雅美さん唄う「To Heart」のオープニング「Feeling Heart」を泣きながら聴く。3つん中では個人的に1番好き。番組が知名度の割にはローカルなんでヒットの可能性は薄いけど、PS版も同じテーマってことでそっちからのヒットも期待しよー、ってPS版売れたの?

 どえりゃー昔に東京(千葉だっちゅーの)へと出てきた時に持ってきたハンガーラックがかけられた洋服の重みによって崩壊したので新しいのを買いに近くの西武百貨店8階にある無印良品までハンガーラックを買いに良く。せっかくだからとコンバット越前ばりに「ポケピィ」持参で9階のテラス部分にある羊の群をパチパチパチ。雨にうたれよーと台風に飛ばされよーと翌日にはすっくと立ち並んで前を向く羊人形の、その無表情ぶりがいつみてもおかしくいつか庭つきの家が買えたら同じ羊をどっかの人形屋さんに注文してズラリと並べたいなーと夢に描く。庭を横切る羊の人形。柵を作ればあるいは真夜中にドスンドスンと音をたてて人形のクセして羊が柵を越えている様子を見られるかもしれないけれど、見ているとそのうち眠ってしまうから誰もその奇妙な現象を覚えていないのであった。かくして伝説は語り継がれる。


【4月24日】 酒飲んで帰って寝るかと思ってもほら、金曜日の夜は何故か午前2時までは眠れなくなってしまってるんだよね。これまで3話放映してそのいずれをも見ているこの春スタートの新作アニメ&特撮では唯一の「千年王国三銃士ヴァニーナイツ」を第4話もリアルタイムで見てしまったこの不思議を、おそらくは我が内に宿るアレストホルンの成せる技ととりあえずは理解する。だったら我が内に宿るアレストホルンの面倒を見にヴァニーちゃんたちがやって来てくれても悪くはないけど残念なことに6畳1間の小さな我が家、プリンプリンでボンボーンな女性が3人も同居されたら部屋が狭くてしょうがないから今は結構と言ってテレビのアレストホルンを宿す彼に相手を任せる。

 変身中の面だけが脱げる初のシーンも直接の戦闘シーンがなく本当に「白」は栗林みえちゃんのものなのかを確認できず。ただし名前忘れた最年長のヴァニーナイツのお姉さんが変身をせずにスーツ姿でバトルってくれたり跪いてくれたりで、その白い脚の間にこっちは「白」じゃく「黒」だったけどしっかりと奥の院をのぞかせてくれて真夜中の眠い頭が充血でいっぺんで醒める。個人的には最年少の最近沢渡朔さんが写真集を出した永井流奈ちゃんの変身前のナマもおがまさせて頂きたいんだけど、先もまだ長いしその日が来るのを今は楽しみにしつつ1週間を終えた金曜日をフライデイナイト・フィーバー(死語)なんてしゃれ込まず、帰って午前の2時までをテレビ前に正座して、放映をリアルタイムに見ることにしよー。何故になエンディングの林原めぐみもそろそろ頭に入って来たしなー。

 目覚めて東京都現代美術館へ草間彌生さんの展覧会を見に行こーと思って確かめたら29日からだったんであきらめてとりあえずは日本橋へ。丸善の帽子売場で夏用の帽子が出てないかと探して去年も買ったし昔からときどき買ってる「クリスティー」って会社の帽子に良い柄のがあったんで購入する。最近は帽子流行りで結構あちらのお店こちらのお店に品物が出ているけれど、ほら日本人の原人系な頭なんでたいていの帽子が小さすぎて僕の頭にハマらないんですねー。決して英国人の頭が大きい訳じゃないけれど、顧客にオヤジ原人の多い丸善だけあってサイズがMからLからXLまで揃えているので有り難い。もとより「クリスティー」は英国でも老舗なおやようございすの帽子屋さんだけに作りもしっかりしていて、型くずれも解(ほつ)れもなく被ってて安心。流行のハットが欲しいって人でフトコロに余裕のある人はのぞいてみてはいかが。

 とりあえず最近背負ってる「グレゴリー」のディパックにあわせて赤い帽子を購入。ぐるりとタータンチェックの帯が入ってて裏返すと丁度反対の全体がチェックで帯が赤い帽子になる、たぶんリバーシブルの仕様が可能な帽子みたい。去年買ったのは全体がネイビーでツバの裏だけ赤ってこれもなかなかエスプリの聞いた帽子だったけど、これにあわせて3つのバリエーションが出来たんで今年は夏のイベントでも帽子だけでは見分けがつかなくなるから探そーと思っている人は眼をこらしてください。ってヒゲに丁髷でおまけにハゲなんてそーザラにはいないから帽子をとれば1発なんだけどね。

 渋谷へ。「ワンダフルライフ」を見よーと思ったら時間を間違えて上映ぎりぎりに到着してすでに立ち見の札に断念。シネマライズから歩いて数秒の場所にある「パルコパート3」でちょうど残り15分でスタートするところだった「バンディッツ」を見ることにする。中身はよー知らんけれど一種の監獄ロックみたいなものだったっけ? ってな情報だけで上映開始を待っていると始まった予告編の「シックス・ストリングス・サムライ」で眼がグルグル。ラスベガスを目指してさまようスーツにロイド眼鏡でエレキギターを背負った青年が登場。砂漠の途中で襲いかかってくる敵を相手にネックに仕込まれた刀を抜き出しばったばったと切り倒し、また行列になってかかって来る相手の戦闘をジャンプしてライダーキックするその映像に、これは特撮ヒーローものかそれともタツノコヒーローものかと眼を見張る。

 地味な主役の演じる派手なアクション派手な殺陣にとにかく仰天。レイトショーで上映中とかで再来場を心に期してスタートした「バンディッツ」を見る。刑務所の女囚が結成したバンドに欠けていたドラマーに新入りが加わってサウンドが固まりいい感じナウ。そのまま監獄のヒーローとなって更正していくお涙ぐっすんな展開かと思ったら、警察のパーティーで演奏をしてくれと言われて出かけた先で全員が脱走。これじゃー演奏なんて出来ないだろーと思ったら、そこは「黒い森」の広がるドイツ、逃げて隠れてときどき現れテレビ局を呼び出してハンドマイクで歌を歌いレコード会社になぐり込みをかけクラブで演奏して喝采を浴びて知らず発売されてしまったCDがベストセラーになってしまう。

 逃げて逃げて捕まっても逃げて、クライマックスは3人の女性が集まった観客の前で高い建物の上から派手な演奏をキメて明日へ向かって逃亡する、そのストーリーのベタさには眉を顰める人がいるかもしれないけれど、そこは映画の世界フィクションの王国、建物の上でドンドコドとドラムを叩いてアピールする姉ちゃん3人のシーンとかに盛り上がれたから良いのである。外国人で歌詞が外国語だから格好良く見えるってのがあったかもしれないけれど、実際演奏する囚人だった彼女たちがホントに格好良く映されていて、最近はR&Bってな方向での活躍が目立つけれどこれに反してとんと見なくなったガールズロックも、やっぱりまんざら隅におけないなーと、思いこの映画がきっかけとなって再びなツッパらかったガールズロックの復活もあるかもと、期待もちょっとはしてみたりして。

 昨日の今日で村上隆さんの展覧会を見て村上さんと氷川竜介さんのトークショーを見学。氷川さん持参の金田伊功エフェクト総集編ビデオを2人で見ながら氷川さんがちょっと解説を入れ村上さんが「すっげー」「美しー」と叫ぶ声を聞く、集まったアートな人にはおそらく全然解らなかっただろー一方で、アニメな人には「どーだい」ってな優越感をちょっぴり与える渋谷って場所にも現代美術ってテーマにもはそぐわない異例のトークショーになった。以前から村上さんがオタクをイジって楽しんでいるその態度はケシカランとオタクな人が眉を顰めていたけれど、村上さんに限って言えばかつてアニメーターにもなりたいと志したこともある人だけに、知識ではアニメな人にも引けをとらなず、加えて真面目に金田エフェクトに歓喜感嘆する態度は、見ていてとっても清々しい。頑張ってるなーってことをその態度からオタクもきっと認めるだろー、と思う。

 けれども例えば集まったアートな人が村上さんから学ぶのが「金田すげえ」とゆー態度だけだったとしたら、アニメ作品の全体を構成’する他の要素、つまりはストーリーであったりキャラクターであったり声優であったりといった部分をけっ飛ばしてただ単にその「絵」のみ、「効果」のみをパクってアートな作品を作り、とゆーか作品をアートとして喧伝してそれがアートな文脈でのみ受け入れられていくとゆー、どこか本質とは違う現象が起きないかってところをちょっと心配する。それでもアニメな人はアニメが好きだとアニメを見続けるだろーから、アートが何をしよーと無関係なのかもしれないけれど、アートが半可通にアニメを採り入れる様は、アートにも少しは興味のあるアニメな人間として、どーしても気持ち悪く思えてしまう。きょうのこの日のイベントがさて未来にどんな現象をおこし得るのか。心配期待を入り混ぜてしばらく様子を見ていこー。


【4月23日】 日曜日の深夜に千葉テレビで放映されたのを撮りっ放していたアニメ版「To Heart」をよーやっと見てその出来の良さに涙するうるうるる。PC版もPS版もどっちもゲームはやったことがないんでキャラの属性なんかはよく知らないけど、セリフが小さいらしー来栖川芹香先輩はアニメ版もめっちゃセリフが小さくって確かにちゃんと喋ってはいるんだけど普通の音では絶対に聞き取れず、時間差ですでに放映された地域からは「ヘッドホンを用意せよ」との指令も飛んでいた。ちゃんと声優さん(岩男潤子さんだったっけ)がアテていてセリフをちゃんと喋ってはいるのにも関わらずの演出はアニメでも前代未聞と、その奥深い世界観にちょっと惹かれる。

 絵の丁寧さは第1話から変わらず来栖川先輩の膝でゴロニャンしている猫の描写の確かさにはホント舌を巻く。通り過ぎる車にも街の建造物にも手抜きがないのはこれぞ美術の大ヴェテラン小林七郎御大の技ってとこか。主題歌のノリにもハマりかけた感じで少女隊フリークの名残から「十兵衛ちゃん」の主題歌と、ジャケットのちょっぴりナヤましげな流し目線にクラっと来た「カードキャプターさくら」の新オープニング(唄うはANZA、日曜は石丸でイベントだがや)に続いて今春スタートの番組で3枚目に買っちゃいそーな予感。それにしてもこれほどまでに質の良さげな番組が全国ローカルでの放映ってのはホワイ? よほどキー局の人に見る目がなかったか波料をはらえないくらいに大変な環境で作られているのかどーなんだか。DVDでのリリースを希望するぞ。

 適当に仕事。手元にあるリリースを例えば三船敏郎フィギュアがまもなく発売されるってな話とかソニー・コンピュータエンタテインメントがアメリカでラムダブラなコネクティックス社を相手取って起こしてたプレステエミュの販売差し止め仮処分が認められたってな話とかをダラダラと仕上げる。ついでに1週休んだ新作ソフトの紹介コーナーで「逮捕しちゃうぞ」の劇場版に続いて「天地無用! in LOVE2 遥かなる想い」の紹介文を書いて放り込んむ。新作ソフトの紹介じゃー先月末から「バンビ」に今月に入って「紅の豚」に「逮捕」「天地」とアニメばっかり。控えているのも「ウテナ」の舞台とまるでアニメ雑誌のよーなセレクションだなー。これでいいのか工業新聞が。

 まー言い訳すれば某新聞社が「環境と安全絡みの記事やらイベントやらをやるんだー」ってな具合に意味を取り違えて使っているいるとしか思えない「ワンソース・マルチユース」の正しい例として映像に舞台に玩具にパッケージにと展開できるアニメを紹介する意味は大きい。業界的には今が下へと突っ込んだピークみたいで2、3年前の盛り上がりが嘘のよーに沈滞ムードが漂っているけど、ソニー・コンピュータのエラい人が「無から有を産み出す」とその重要性将来性を強く語ったエンターテインメントのコアとして、まだまだ市場を拡大させる余地は十分にあるでしょー。そんなアニメが産業の中核にならんとする日に備えて着々を布石を打ってるんだと、まー言って言えないこともないけど本音は単に個人的な趣味ですから、そーかアニメはこれからか、なんて無理してお金を突っ込んで損したからといって企業の人はお前嘘ついたなって怒らないで下さいね。お布施みたいなもんですによって。

 誰も来ないんで勝手に会社を後にして渋谷へ。「さくらや」でチェキ用のってーか「ポケピィ」用のフィルムを2つだけ購入してしばらく渋谷をフラついた後、パルコで始まった村上隆さんの展覧会のオープニングパーティーをのぞく。それはもー今をトキメく人だけあって様々な業界にまたがる人たちがワッサと詰めかけ大盛況、とても作品をゆっくりと見るゆとりもなかったけれど、合間を縫って小山登美夫さんから「シルクスクリーンの『DOB』くんいーでしょ」と聞き「セットで15万くらいっすか」と言ったら「30万」と言われてゲショゲショ。でもボーナス叩けば買えない値段じゃないあたりにアートっぽいの、好きってな小洒落た人の収集心をソソってたくさんの注文を集める可能性があるかもね。

 地下1階のギャラリーでやってた関連の展覧会で「BOME」さんの「ナコルル」だかが70万円したのに比べると、まだ払えそーな値段だし。ミスターの「アルプスプス」も良かったけどこれは売約済み。「プロジェクトKO2」の第2弾として先の「ワンダーフェスティバル」で売り出したフィギュアは今回あさのまさひこさんの手で改修されて出ていたけれど、あのくっきりしっかり入っていたワレメに前貼りがされていて個人的にはちょっぴり残念。メタルっぽい部分への筋堀っぷりやら付属品の細かさっぷりで好みの改修もされていたからそれはそれでオッケーか。マネの「日傘の女」じゃないけど後世にバージョン違いとしてその間の心理的社会的技術的変化が議論されちゃったりして面白いかも。

 パーティーは有名無名の人がとにかく山ほどいて無名の下に属する身としては適当にフラフラとして「ポケピィ」でペチペチと写真を撮って遊んでいるのが関の山。見ると「チェキ」じゃなく同じ「ポケピィ」で写真を撮ってるアートっぽい人がいてなるほどこーゆー人にも知れ渡るくらいになっているのかタカラさん良かったねと一応は最初の紹介者として嬉しく想う。関係ないとは想うけど。会場ではこれまでギャラリーでの展覧会では姿を見なかったデジタローグの江並直美さんがいたので挨拶、「氷河期ですから」と某日経産業が特集した「CD−ROM業界は氷河期だ」記事への嫌味とも権勢ともつかないコメントに燃える内心の炎を感じる。こっわー。

 聞くとアメリカのDCF? とかってなイベントで金賞と銀賞をデジタローグの作品が受賞してしまったそーで、そのあたりを強調する言葉に「これでも冬の時代かい? いいもん作ってりゃーちゃんと認められるんだぜぃ」ってな自身がこめられているよーでなるほどなるほど。明後日あたりからスタートの一般から広く募った「デジタルが制作過程に使われてさえいればオッケー」な作品を集めた「フロッケ」にも、これまでにない傾向の作品が集まったそーで最先端かつ最下層から最上層までを網羅する”マルメディア”を見たい人は、原宿の裏手にあるデジタローグギャラリーに行って見て買ってみよー。

 「トウキョウ・トラッシュ」の山口裕美さんっぽい人も見かけたよーな気がしたけれど江並さんくらいキョーレツじゃないと人の顔を覚えられない身故あるいは間違いかもしれない。村上さはもー何度も見ているから解るしそばにいたあさのまさひこさんも向こうはこっちを知らなくってもこっちはとっても良く知っているから遠まきにして(前貼り前貼り前貼り)と念波をおくって虐める。もちろん届きはしないけど。藤津亮太さんと氷川竜介さんがいたのでそのまま表へ。入り口付近で氷川さんに挨拶をした小洒落たお兄さんがいてその後で藤津さんと名刺交換をしていたんでおっさんなカメラマンのフリをして後ろからのぞくといろいろとあちらこちらで名前を見る大塚ギチさんだった。村上隆さんのイベントにはホントにいろんな人が来ているなー。

 大塚さんとはそこで入れ違いになって、勿論無名の最下層な当方は大塚さんとは言葉も名刺も視線も交わさず後ろ姿を見送って、まま外へと出て氷川さん藤津さんと晩御飯をば。「逆Aは勝ち馬なんで乗れ」と言われてそーゆーものかと考える。まるで安永航一郎さんの漫画にでも出てきそーな変態っぽい格好をした少年がアニメの(って第2話のあの格好だけど)どこが勝ちなのかは未だ判然としないけれど、エキスパートの言うことだし乗ってしばらくは様子を見るか。


【4月22日】 午前0時に床へと入り午前3時のちょっと前に起き出して貧乏で衛星がない身を嘆きながらも民放とは言え早朝なんでCMの入らないフジテレビでワールドユースサッカーの日本対ウルグアイを見る。コントウルグアイパラグアイ。なんてものはありませんが実はどこにあるのかよく知らないウルグアイのチビッコな癖してボールを持ってポンポンと駆け回る姿に日本ヤバいかも、と思ったのも束の間センタリングをどんぴしゃりで高原が決めてまず先制。直後にフリーキックで崩されたところを決められてままズルズルと気落ちしてやられてしまうのかと心配したら、意外やしっかりと守備をし攻撃もして点をそれも前半のうちにとってしまったのには驚いた。

 これが後半まで同点でもつれ込んでいたらきっと、運動量が落ちたところを相手に粛々と決められたんじゃなかろーか。事実後半は蹴るボールパスするボールのほとんどがウルグアイにカットされゲットされて中盤からポンポンと自陣深くまで攻め込まれるケースが増えて見ている側としたらもーハラハラのしっぱなし。途中で出た稲本がアッサリ引っ込められてしまったあたりに調子の悪さと修正のきかなさを見た思いがしたけれど、向こうがあせりからななのか攻撃がおおざっぱで単調で助かった感じ。

 なるほど確かにウルグアイの選手は皆うまく、何度もゴール前へと運ばれるんだけど決定的に衝撃的なシュートがそれほどなく、そのうちにロスタイムへと入り5分は長かったけどなんとか終わって世界大会では初の決勝へと駒を進めることになった。まー次は怒涛の責めが破壊力抜群のスペインと小野抜きで戦わなくっちゃいけないから勝てとは流石に言えないけれど、それでも適当に見られる試合にだけはして頂きたいと、日曜早朝の早起きに今から心をワクワクさせてる僕でした。選手にキスして回ったトルシェってやっぱりゲ(以下抹消)?

book  そこから3時間ばかり寝て起きて東京ビッグサイトで始まった「東京国際ブックフェア99」に向かう。幕張メッセで開かれていた時からだからもーかれこれ5年くらい連続して通っていることになるのかな、毎年楽しみでしょーがないのがオープニングセレモニーで何故ってーとこの「ブックフェア」のテープカット、参加している海外出版社の属している国の大使館あたりの人がゾロゾロと出席して稀にみる大人数でのテープカットになるのです。

 メッセ時代は横1列に20人くらいが並んでしょの紹介だけで5分くらいかかった記憶があるけれど、年々大きくなっていく「東京国際ブックフェア」だけに、今回はチラシを見ると実に53人もの関係者がテープカットに出席。あまりの大人数に1列でははるか彼方まで列が伸びてしまうことへと配慮して、なんとまあ異様な個人的にも前代未聞の2列でのテープカットになってしまった。これを例えば130カ国・地域が参加するスポーツの高いとかでやったらさて、紹介だけで1時間はかかるだろーなと想像。さらに地球外生命体が参加するよーになった暁には列で100列参加1万人・種族の宇宙規模でのテープカットが1年以上をかけて実施されるに違いない。ういあーのっとあろーん。

 白泉社のブースで配っていた粗品がいったい何かが今でも気になるけれど忙しいので興味のあるところだけを数社散策、角川では何故か「機動戦艦ナデシコ」の劇場版に登場した16歳ルリちゃんのクリアポスターやらクリアファイルやらが即売されてて「ブックフェアちゃうねん」と心で突っ込みを入れながらも財布を取り出し残金の少なさに歯がみする。なんのこっちゃ。大日本印刷のブースで新潮社も出ていると教えられて行くとボイジャーとの共同出展でいつものよーに輝く萩野正昭さんがブースの先頭に立っての「T−Time」やら「エキスパンドブック」やらの大宣伝。新しいサービスも幾つかみせてもらったうちで「平井和正さんだよ」と言われたコンテンツを見て仰天、ををこれは「月光魔術團」ではないですか。

 画面にはあの泉谷あゆみさん描くメイのミニスカートからのぞく脚やらライオンみたいなヘアやらが映し出されて文章もどこか見覚えのある内容。でもこれって確かアスペクトから出てたんじゃなかったっけと訝しんでいると、ちょうど間にあってブースにかけつけた「ルナテック」ってゆー会社の本城剛史さんって人を紹介してもらい、やあやあといって名刺を出したらこっちの正体ちゃんとバレてた。つまりは裏の人だってことが。

 それも道理で本城さん前にアスキーにいてアスペクトからじゃんじゃんと刊行された平井和正さんのシリーズの仕掛人だったらしく、そのアスキーがあんなことになってこんなことになってそんなことになってしまった煽りで本が出せなくなったのを契機に、独立してネットで平井さんの本を配信していくことにしたんだそーな。ついでに「月光」の版権もアスペクトから電撃へと写してペーパーメディアでの刊行も再開する予定。流行のハルキ文庫じゃないのは平井さんと角川春樹さんの因縁故ってことですか。

 あとネットでは「月光」だけじゃなくって「ウルフガイ」やら「幻魔大戦」やらも続々配信していくとかで、イラスト入りの美麗なページを「T−Time」があればネット上でお手軽に安く見られるとあって平井ファンにはたまらない季節が遠からず訪れそー。で肝心の平井ファンがどれだけいるかで商売も変わってくるだろーから「ペイできるの」と本城さんに聞くと「大丈夫ですよ」との返事が。実際書籍の時でもそれなりにハケてたそーで世の中SFがどーとか言われる割には根強いファンがいる作家は意外としっかり稼いでおられるのかと思った次第。決して平井摩梨さんの稼ぎで食べてる訳じゃありません。

 角川書店が東芝とその名も「トスカドメイン」って名前の番組供給会社、デジタルコンテンツ制作会社を作るって話を聞いてこちらを「おたく兄ちゃん」とだけ認識している角川歴彦社長と挨拶をかわして新会社の社長になる角川書店ソフト事業部長の阿部忠道取締役と名刺を交換して帰って記事を10分で40行書いて突っ込んでから恵比寿へと向かう。もともとが親会社にあたるコンサート制作会社のハンズと合併したCD−ROMで有名なオラシオンが、新たにハンズオン・エンタテインメントとなって発足した後では初となるオラシオンブランドから発売されるCD−ROMタイトルの展示会に出る。

 元気いっぱい菊地哲榮社長の挨拶やら何やらがあって目玉はどーやら「GLAY」の全楽曲を網羅しインタビューも収録したプレイステーション対応ソフト、CD−ROM、DVDの案内らしかったけど、極個人的には「サファリ東京」のプロモーションで登壇した出演者ご本人つまりは森高千里さんに直面できたことが今年最大のラッキーでしたねもー2メートルの距離でのかぶり付きだもん最高だよ。

 なおも極個人的に言わせて戴ければ「ミーハー」なり「17歳」なりなダンシン森高時代の格好で是非ぜひ登壇して頂きたかったところだけど、もう歳だし、ってのは関係なくアーティストとしての成長を経た今となっては無理だと認め、それでもニッコリと笑ったあのお顔に見えただけでも幸せだったと納得しよー。細かったなー。なおその森高と壇上で握手までしたニクい男が1人、その名もアップルコンピュータ社長原田永幸にファンよ地団駄を踏み怒りオペラシティーへと毒の念波を送り賜え。僕ももちろん祈るさ丑三つ時に神社から。


【4月21日】 とりあえずはスッゲーって言うか。アメリカのコロラド州はデンバーにある高校で高校生2人が銃を乱射して10数人が殺されたとか。一昨年あたりから同じよーな事件が相次いでいて「スクールシューティング」なんて固有名詞も登場し、ちょっと前にはケンタッキーで起こった事件に遺族が「犯人はゲームに感化された」とばかりにゲーム会社を訴えたこともあって、ちょっと個人的な関心を持っていたらこの始末。折しも日本じゃーベストセラーにはまだなってないけど中学生が銃を撃ちまくり殺し合う高見広春さんの「バトル・ロワイアル」(太田出版、1480円)が非難不評発売中(?)で、シチュエーションこそ違え銃と学生のアブナイ関係を無理矢理関係づけてなおいっそうの非難不評のベストセラー街道を突き進む可能性も出てきたかも。

 日本じゃー流石にないけどむしろ発散している学生よりは鬱屈した中高年のサラリーマンに爆発しちゃうケースが増えているよーで、最近だと社長の部屋で腹を切って果てた通称(僕が勝手にそー呼んでるだけ)「ブリヂストン・アタック」があったばかりで放っておけば似たよーな事件がおそらくは山と起きそうな経済情勢。たとえ今は起こしてなくてもいずれきっかけさえあれば起こしたいを思っている予備群が、山は山でもチョモランマくらいの高い山になってあちらの会社こちらの新聞社に存在している可能性が大。割腹では先を越されてしまったし派手さでは大企業のエリートサラリーマンが起こすであろー事件にかなうわけもないから、ここはせめて耳をそぎ手足をひねるってな残虐さで押すか、それとも窓から裸にむいて逆さに吊すってなコミカルさで行くいかないんだろーなーと、肉のさばき方を「今日の料理」で勉強し縛り方を団鬼六さんの著書で確認する毎日です、って誰がだ?

 どーして突然出演しなくなったのか訝しく思った菅沼栄一郎さんの真相が「週刊文春」で判明、つまりは不倫していた事が報道されたっていう事情を組んでの降板らしかったけれど、前に管直人さんが不倫を叩かれた時に「別に政党の金で行ったんじゃなければプライベートで関係ないよ」ってな事を吠えていた菅沼さん、ならば自分の事だって「プライベート」だと言って堂々としていればかえって言行一致と讃えられはしないまでもスジが通っていたものを、降板したってことはつまり何かしらの問題があったと見られても仕方がない。まあサラリーマンなんで責められるとしたら業務上横領的な金の使い方があったとか、ホテルのチェックインに偽名を使った「私文書偽造」の疑いがあったとかってところでしょうか。

 どっちにしたて個人の事情であってそれが「ジャーナリスト」としての仕事に影響を与えることはない、んじゃないかとは思うけど、こと菅沼さんがジャーナリストとしてやって来た仕事が如何にもニッポン的番記者風「おれはえらいんだ」調の土台に立った誰でも出来そうなことにしか見えない以上は、敢えて汚名を被ってでもテレビに出続けペンを持ち続けて頂きたいとは思えない。「情を通じて」外務省の機密文書を女性職員に持ち出させたと非難された毎日新聞の記者よりも、っても毎日の記者は文書を書かずに政治家に渡して国会で質問させたという失策を最後に侵して自滅したけど、菅沼さんは評価が下がるような気がするね。だったらお前はどうなんだって言われるとゲショゲショ、ただし会社の金で女性を送るとか屋上のテニスコートで一緒にテニスをするなってことは絶対にしてません。だってオレそんな甲斐性自慢じゃないけど(自慢になるか)微塵もないもん。

 むしろ菅沼さんの1件なんて小さい小さいってのが新聞業界を蝕みつつある拝金主義。これはあくまでも空想上の出来事と断りと入れた上で考えてみればそうだねー、企業からお金をもらってその企業の戦略なり商品なりを褒め称える内容の、広告ではなく記事を編集紙面で展開し、その事例を訝しんだ企業に対してだったらおたくも真似をすれば良いんじゃないかと言ってのけ、おまけに大々的に取りあげている企業が世間にあんまり顔向けできない要素を持った事業を展開していて、記事がそうした企業を支える力になり、結果として不幸な人を増やしてしまう、なんてことは流石に資本主義社会に儲けよ増やせよと叫ぶ新聞経営者だって、一応は「言論の自由」を標榜し、建て前は重んじる業界への体面ってものがあって、激しい非難を浴びて酷ければ致命傷になりかねない考えてやらないだろうけど、ちょっとお願いと言われた会社の記事なら優先して掲載し、扱いをちょっとだけ大きくしてあげる、くらいのことはやるかもね。いろいろ気むずかしい業界なんで、儲かから、モテるからと希望する学生も立ち止まってちょっと考えてみよーね。

 読んだぞ村上春樹さんの書き下ろし長編「スプートニクの恋人」(講談社、1600円)を。小説だとそうだな「ねじまき鳥クロニクル」の付け足しのよーな第3部以来の小説ってことになるのかな、相変わらずパスタを茹でたり落とし穴への関心を伺わせたりとムラカミ的なシチュエーションなりガジェットなりが頻出していて、それが嬉しい人には嬉しく、それが鬱陶しい人には鬱陶しい小説に仕上がっている。「ディジー・ガレスピーみたいなセルロイドの黒縁の眼鏡」とか「おばあさんが針に糸を通せないみたいに」といった感じのそれがカッコ良いんだよってばかりに使われるあんまりカッコ良く思えない比喩は相変わらずの頻出で、加えて「くだらない冗談を燃料にして走る車が発明されたら、あなたはずいぶん遠くまで行けるわよね」とか「もしそれが性欲じゃないと言うのなら、わたしの血管を流れているのはトマト・ジュースよ」といった粋だよってばかりに使われる陳腐なセリフも相変わらずの続出で、最初のうちは村上さんの言葉を借りれば「やれやれ」ってな気分になる。

 それでも慣れてさえいれば、いつもながら自主性にかけた青年が好きだった女性の疾走とかってな事件をきっかけに自立し自己を見つめ直してあれやこれやと考える、村上さんの提示するドラマにどっぷりと浸って自分の不甲斐なさを主人公へと転化してジクジクと心をつつかれながらも、どうにか自分をカッコ良いと思って生きている主人公に自分を重ねて満足できる、かも。珍しく何とか幸せっぽいエンディングになっていそーでそれがなおのこと読者の大半を占めるであろー甲斐性のない男と、あるいは大半を占めることになるかもしれない自分探しに懸命な女性の共感を読んで、爆発的なベストセラーになる可能性も少なからずありそーな。ゴロリと年代の回ってカジュアルからブランドへと嗜好を変えつつある10代20代の若い層も取り込めればなおいっそうの爆発だってあるかも。しかしあれだけオウムに取材した結果がこれほど反映されてないヒラヒラとした小説を書けるものだと今がただ呆然。どこかに入れ込まれているのかな、もー1度読んで確かめてみあるか。


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