縮刷版98年3月中旬号


【3月20日】 (承前)行ったあたりで日付が変わって知らないうちにもう20日だ。何だか1日損した気分(でも15日はたっぷりと堪能したけど、飛行機の中とはいえ)の中を、最初の大がかりな戦争に挑んでどうにかこうにか勝利する。おおこれで心おきなく「北へ。」に励める、と思ったのも束の間、さらに別の闘いが待っていたよーで、うーぎゅと言いながらとりあえずは何層か地下へと攻め入り成田に到着したんで今はそのままセーブの状態。さてもこれからどーゆー道筋を辿るのか、月内はそこいらかしこらでスケピンの「ワンスー(ゴリコ付き)」持った兄ちゃんが見られることでしょー。

 帰国して吃驚。安室奈美恵さんの母親が義弟に惨殺されていた事件を、新聞受けに溜まっていた「サンケイスポーツ」をなめるよーに読む。大事件があったからきっと地球の反対側で慶事なんで飛んでるだろーなー、と思って18日付けを見ると、ちゃんと「マジックキングダム」での結婚式の記事が共同の配信でメグさん(フォトグラファーの人ね)の撮った写真と一緒にちゃんと掲載されていて、寒い最中を忙しく仕事していた甲斐があったもんだと、すでにおそらくはニューヨークで忙しく駆け回っているだろー姿を想像してはエールを贈る。

 フジテレビが大量えっと10人近くはいたかもしれない大人数を送り込んでいた(現地スタッフも含めて)「どうーなってるの」も聞けばちゃんと放映されたとか。当日の紙面ですら安室の話題が予告を飾っていながらも、午後の「B.T」でも放映されたらしーと聞いてやっぱりそれなりのバリューがあったのかと今さらながらに「ディズニー」神話の高さ(だってこれが「ワンダーエッグ」だったら西村知美じゃないとニュースにならないもん)に納得する。僕も書いて原稿を送ったんだけど、果たしてちゃんと載ったのやら。火曜日の他の新聞も含めてチェック入れます。

 しかしこれほどまでに派手に騒いでもらえるんだったら、そうだな僕だったら「ディズニーのテーマパーク借り切り」って意味では先を越されてしまったけど、あっちは「マジックキングダム」の貸し切り第1号だと規定して、こっちは「アニマルキングダム」第1号の栄誉を勝ち取ろう。象や麒麟や駱駝やライオンや虎や手長猿や恐竜に囲まれながら、作り物の巨大樹の下でコモドドラゴンの縫いぐるみを抱きしめて挙式するんだ。お祝いにはミッキー&ミニーもいいけど、やっぱりディズニー史上でも悪女の誉れ高い「101匹わんちゃん」の「クルエラ・デ・ビル」と「白雪姫」の継母を2人脇侍に先頭を「ノートルダムの鐘」のカジモドが露払いして、シンバら「ライオンキング」の面々が取り囲む中を「ダンボ」の背中に載って練り歩くんだ、紛い物のジャングルを。希望者は今ん所1人ですが流石に1人じゃ挙式は無理なんで、アイディアは盗んでもらっても構いません。ただし挙式には僕も読んでね、フォレスト・カフェでお馴染み(なのか)な蛙の縫いぐるみ着て参列しますから。

 どうにか東京に戻ってすっかりディズニーに洗脳された頭を「神風怪盗ジャンヌ」で一気に和風に戻す。でかい目に短いスカートにどこの国だか解らない舞台での金髪大活躍はやっぱり日本人の口に合いますわ。始まってそろそろ2カ月くらいが立った「ジャンヌ」はだんだんとお約束パターンの上にメリハリも出てきたみたいで、こっちが慣れたかあっちも慣れたか絵もパカパカな色遣いもどうにか見ていられる気分になって来ていて、親子の断絶がテーマとして流れるドラマの上で親子の失われない情愛を絡めたエピソードを繰り広げる事で奥深さを出そうとしている、ように見えたけどそうなんでしょうかどうでしょう。「おジャ魔女どれみ」と比べてどっちがと言えるあたりにまで、これなら近づいていけるかな。

 本屋を散策して「フルメタル・パニック」の新刊とか「フォトン」のノベライズの3巻とか「不ぎーポップ」だけが目当ての「電撃HP」とかを購入。あの平井和正大先生の「月光魔術團」がどーして電撃で文庫なるですかやっぱりアスペクトは大変ですかホワイ? とか考えつつどうにも「J文学」にしか見えない表紙の岡田斗司夫さんは「テレビブロス」連載のコラムをまとめた「オタクの迷い道」(文藝春秋、1143円)を買う。中身は連載だから読んだのもあれば読んでないものあるけれど、脚注が加えてあって古いネタなら最近の事情(「エヴァ」とかね)、新しいものでも書いた時の裏話的なエピソードか加えてあって楽しめます。まるで「インディビジュアル・プロテクション」な表紙もよく見ればバックがロケットだったりパイルダーだったり。カバーの裏側の折り返し部分にある豊乳な美女と胸(か腹)をすり合わせる岡田さんが羨ましいですハイ。


【3月19日】 最終日は早朝の出立で眠い中を荷造り。「アニマルキングダム」で買った尻尾も伸ばせば全長で1メートルにはなろーかとゆーコモドオオトカゲの縫いぐるみがスーツケースには入らないため、「グレゴリー」のバッグに首と前足だけ出した形で放り込む。背中からドラゴンが後ろを歩く人の顔を小首を傾げてのぞく、嫌な人には結構嫌なシチュエーションが完成したと天の邪鬼にも嬉しがる。こんなん嬉しがってるから、この歳までオーランド市はおろか東京すらもディズニーランドには行きそびれてしまうんだよな。早く岡田斗司夫さんアニメそのあままに「おたくランド」を東京湾上に作ってくれぃ。

 ヒューストン経由のはずの便がニューアーク経由に変わっていたり、チケットの出し方がヘンで席がなかったりボーディングパスをもらえなかったりなトラブルがあったものの、適当な国らしく適当にやり過ごしてどーにかニューアーク発成田行きの便に登場できる。早速始めたは「チョコボの不思議なダンジョン」で、どうにかたどり着いた地下30階ででかい竜みたいな奴と何度戦っても頭突き1発で粉砕されてゲショゲショ。その旅にリセットをかけてサイスタートからテレポートで地上へと戻りアイティムを失うヘマを避け、再度潜ってレベルを挙げて協力な珠系のアイティム集めに奔走する。動きは相当に良いし見た目も全然綺麗ってのが「ゲームボーイ」よりも高性能のCPUを積んでる利点、なのかな。電池も行ってる間は1回も変えてないのにちゃんと動くし消えないし。

 正々堂々とどつき合う、なんて闘いはせずに通路から首だけだして敵をおびきよせ、向こうにはステータスバーが出ないけどこっちには出ているタイミングを見つけ、それがマックスまで達したところで近寄って行って蹴りを加える卑怯な攻撃に終始して、こちらのポイントを減らさずレベルだけを上げていくのって正解なやり方なんでしょーか。それでもどうにかこうにか珠を集め本をかきあつめ本を読む速度も上げて快復のための「ハイパーポーション」もたくさん仕入れて何度目かの地下30階におりて(続く)


【3月18日】 最終日はこの日がオープンとなる「アジアゾーン」のオープニング式典を見るために「ウォルト・ディズニー・ワールド」では最も新しいテーマパークでようするにサファリパークな「アニマルキングダム」へ。7時には着いたにも関わらず場内は既にして大量の人、人、人で平日なのにこれだけの親子連れで賑わうアメリカの教育システムって、社会システムってどうーなってるの? とひとりごちる。おそらくは1週間だかの大休暇をガバととって来た人たちがワンサを集中した結果での現象なんだと思うけど、実は行ったことの1度もない「東京ディズニーランド」がどーゆー状況なのか知らないんで、どこの国でもディズニーランドには親子連れが集まるのかどーかはちょっと知らない。

 しかし見た目は自然でも実はコンクリートな岩だったり、いかにも木なのに表面には様々な動物がレリーフで刻まれていたりと、自然を愛でると良いながらも部分部分ではしっかりと人工の手がかかったエンターテインメントになっている、そのまぜこぜ感が全然嫌味になっていないあたりに、金のかけかた人の使い方の半端じゃないディズニーならではの凄みを覚える。ベンチなんて原色なワニやらカメの背もたれが付いてるし、ショップなんてだいたいが紫に黄色に赤のペイントだもん。なのに「タイガーバームガーデン」な中華とか、インドインドネシアバリってあたりのエスニックのテイストが前面に出ているかとゆーと、全然違ってやっぱりディズニーな色だったりするから不思議とゆーか上手いとゆーか。極彩色を華麗に自然にシンプルに見せる、その秘密を誰か「ディズニー、色のマジック」って本にして書いてくれないかしら。

 さてもオープンした「アジアゾーン」はアジアとは良いながらも日本や韓国や中国はなく、だいたいが東南アジアやインドあたりのイメージをまぜこぜにして作ってある。犬山にある「リトルワールド」的厳密さ、あるいは同じ「ディズニー・ワールド」の「エプコットセンター」にあるそれぞれの国のパビリオンが見せているある程度の厳密さとはちょっと違う、それなりなアジアをそれなりに見せてそれなりに楽しんでもらう「エンターテインメント」ならではの配慮がされている。実はちゃんと仕事で担当の人にインタビューして聞いたのが、そうしたあたりで何でも植物だって現地の物を持って来たって枯れてしまうだろーから、育たないものは似た種類ので代用して見せているとか。目的があって手段を選ぶの方法は堅苦しくならない為の要素なのかも。

 恐竜のライドに乗ってから再び「エプコットセンター」へと移動して今度は「テストトラック」のディレクターをやっているGMの人にインタビュー。つまりはあれは一種のショーケースなんだと言い切る期待どおりの解答に、はるばる行ってただ遊んでいた訳じゃないってことを記事で証明できる、良いインタビューだったと勝手に納得する。家族連れっていなにもGMの車の購買層に「安全ってこうやって作ってるんだよ」と見せ、楽しませ、最後には巨大なショールームまで作って車をズラリと並べて見せる、これは日本のメーカーではとても出来ない芸当かも。「F1」に出て買ったからて、お父さんもはそんな早い車よりも安全で快適で広い車を選ぶものだから、ね。

 相手がそこまで言うならと乗った「テストトラック」は正式オープン初日にして早1時間以上の行列が出来る人気振り。「アジアゾーン」でも11時のオープンに合わせて人が山と並んでいたのを見ると、あちらの人のエンターテインメントにかける貪欲さってのは日本のオタクな人々がコミケに並ぶ根性に、勝るってことはないにしてもそう劣ったもんじゃないと感じる。熱い最中を待ってて文句の1つも出ず、きゃあきゃあと行って猛スピードで回る「テストトラック」のライドを楽しみ、次のアトラクションへと足を向けるんだから、もうタフというより他はない。久々の加速Gで背骨を痛めてしまい次のアトラクションに回る気力の無くなった、しがない30男とは根性の座り方がやっり違う。伊達に体、大きくないなあ。

 この日は外国語では英語はちょっと不自由な僕のために通訳の人が来てくれたけど、午前の「アジアゾーン」に来た現地在住のスティーブ・ヘロンさんは14年も横田と三沢にいたとゆー軍人の子息で母親は日本人だといってもアメリカンスクールに通って家でも英語だったとゆ家庭に育ちながら、なぜか日本語が完璧に操れて漢字まですらすらと書けてしまうとか。何故と聞くと日本語を覚えたのが実は「アニメ」だとのことで、具体的には「ガッチャマン」あたりを良く見ていたとか。最近の作品では米国公開が何時になったら始まるんだろーかの「もののけ姫」を2度3度を見て筋もちゃんと理解してる。「新世紀エヴァンゲリオンはまだ見ていないんですよー」と言っていたから今度(何時だ)行く時があったらビデオを持って言ってあげよーか。日本人でオタクな人でオーランド市、ってーか「ウォルト・ディズニー・ワールド」辺りで取材の用事がある人は、IPIって事務所のスティーブに頼んでみると濃い会話を楽しめまーす。


【3月17日】 2日目もやっぱり基本的には夕方の「エプコットセンター」内に出来るゼネラル・モーターズが大枚(金額不明)はたいて作った自動車の安全試験の模様をアトラクションにしてしまったとゆー前代未聞なその名も「テストトラック」のオープン記念式典まで仕事なし。のところを熱心なエンターテインメント担当記者は熱心にもエンターテインメントとキャラクタービジネスの神髄をしゃぶり尽くす目的で朝から精力的に活動をはじめる。偉いねえ、鏡だねえ、それが例えば単にパーク内をウロウロとしてときどきアトラクションにのってキャラクターグッズ売場をのぞいて慣れない英語での買い物のドギマギしてるだけだったとしても。

 まずは朝1番に昨晩結婚式を挙げた仙台市のカップルをホテルに訪ねる。何でも奥さんの方がガチガチに固められたヘアスプレーを取るのに手間取っていてちょっと押しの会見になってしまい、洗われた旦那の方が25歳ながらも集まったニッポンの報道陣を前にてきぱきと段取りを取ってしゃきしゃきと話す、流石は人類発の快挙を成し遂げただけの人だと納得する。30歳過ぎても未だに空想世界にうつつを抜かすどっかの兄ちゃんとは違うわな、同じ空想世界に耽溺してそこで結婚式を挙げた人たちでも、気遣いとかを含めて人間としての心得だけはちゃんと出来ているもんな。

 インタビューはおおよそ30分。挙式費用は本当だったらすっげーかかるところをマスコミも入れての最初ってことで旅行代理店も若干な宣伝効果めいた事を期待したらしく、ディスカウント価格で100万円は安くあがったとか。それでもだいたい350万円から380万円は必要で、これに別に確かえっと衣装とか交通費とかってのもかかるのかな、合計で500万円はかかっていると考えたらいいんでしょー。でも日本で100人だかを披露宴に集めてホテルで盛大にステレオタイプな式を挙げても同じくらいは必要だから、自分たちの為に自分たちがやりたい形でやったこっちのカップルの方が子供的には正解かも。親的にはやっぱり納得いかないところがあるんだろーけど。名古屋あたりじゃー無理だよな、結婚式ってありゃ親の見栄だもんな。

 終わってからご飯を食べて再びな「マジックキングダム」へと移動して、映画「トイ・ストーリー」でお馴染みになったオモチャの宇宙飛行士「バズ・ライトイヤー」なんかに乗ってレーザービームで敵を撃って遊ぶ。けど照準が甘いのか腕前が下手なのか1つもあたらず何と0点。ところがニューヨークから来ていた共同通信社の契約フォトグラファーなニューヨーク在住の女性の人は1人で数万点も稼いでいて、さすがは照準を狙ったら話さないフォトグラファーだと感心する。それともアメリカなゲームはアメリカな血(人種とは無関係、まあ一種のスピリッツって奴)が流れていないと無理なのか。「トゥーム・レイダース」だってあのキャラに浸れるのはやっぱりアメリカな血が必要だろーし。「北へ。」とはちょっと違い過ぎるもんなあ。

 とりあえず会場を出て今度は「ダウンタウン・ディズニー」へと移動。ここん家にはショッピング街の「マーケットプレイス」やらショーの街の「プレジャー・アイランド」やらシアターが並んでいる「ウエストサイド」があって、本当は夜がメッカなテーマパークだけどそこは仕事熱心に(まだ言うかこの口は)炎天下の中を右から左へと1キロはありそーな長いパーク内をデラデラと歩き倒す。でも流石にまだ歳なんで買い物に浸り込むことはせず、とりあえずマーケット・プレイスからプレジャー・アイランドを経てウエストサイドへと向かい、ディズニーが誇る最新技術を駆使して建てたとかゆー最新のアーケードゲーム機がズラリと並べられてる4階建のインドアなゲーセン「ディズニークエスト」に25ドル支払って入る。そこで見た物は。

 「ストリートファイターvsマーベルキャラクターズ」「鉄拳3」「ソウルキャリバー」「タイムクライシス」「ディトナUSA」といった日本のアーケード機ばかり。入場さえすれば後はフリーなんで誰もが適当に行列を作ってプレイしたいマシンに取り組んでいる。「タイムクライシス」は流石に銃の国アメリカだけあって人気、一方で絵柄がやっぱりダメなのかそれとも古いのか「ストリートファイター」は割とスンナリとプレイできた。さらに凄いのが別室にズラリとならんだアーケード初期の名機たち。「インベーダーゲーム」を筆頭に「ディグダグ」「ギャラガ」「ドンキーコング」といったメジャーなものから、名前を忘れちゃったけど斜めスクロールで飛行機が飛んでくるミサイルとか壁とかを避けながら進んでいくセガのゲームまで、実働状態で置いてあってお兄さん久々に「インベーダーゲーム」を心ゆくまで堪能しました。もちろん1面クリアは1回だけしか出来なかったけど。

 もちろんそんなんばっかじゃなくって「プリント倶楽部」とか、じゃない顔を取り込んで自由にフォトショプる(エフェクトをかける)機械とか、大型の画面を前に2足だか4足だかのマシンを操縦する感覚で溶岩地帯を進んで行って飛ぶ飛行機歩くロボットを撃ち倒していく大型のマシンとかも置いて有り、知らず適当に入った割には数時間をまあそれなりに楽しく過ごすことができた。どこにもネズミがいないのがディズニーとしては珍しいかも。そういえばディズニーキャラを使ったアーケードマシンとかって(プライズは別)あんまり見たいけど、これって理由があるのかな。今度誰かに聞いてみよー。

 とりあえず出て隣りにある「ヴァージンメガストア」で向かうはやっぱり「ANIME」の棚ですね。オーランド市でのフロリダモールでもやっぱりのぞいた「ANIME」の棚に比べると、質良ともに充実ぶりは半端じゃないく、例えば新しいところでは「シャドウスキル」とか「大運動会」(多分OVA版)とか「新・天地無用」とかが日本に比べれば多分お安い値段で並んでいて、時期だけ1年ズレる覚悟だったらアメリカの方が楽しめるんちゃうやろか、ってな気分になる。まあ種類があるといってもときどき「幻夢戦記レダ」とかってな初期の作品も新品なビデオで売られてたりするからね。

 DVDの方も秋葉原で見た「イリア」とかもあったし「幻魔大戦」もあってちょっと仰天。たいていがコードで日本じゃ見られないけど、オールになっていた「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」がが30ドル以下で出てたんでとりあえず研究資料としてゲット。英語日本語セリフ及び両字幕ってなバージョンが入ったお得な逸品だけど、どーして日本じゃ出ないのか、でもって英語のラムちゃんって、メガネってどんな声なのか、ああ早く見てぇ。ブチ壊れたDVDとLDコンパチを早いとこ直さなくっちゃ。どうにも壊れやすいと噂の初期型コンパチなんで責任はもしかしてパイオニアにあるかもしれないと、強引にねじ込み最新型をゲットできないものだろーか。

 ビデオで見かけたので素晴らしかったのは「ウテナ」の4巻セットボックス。美麗な箱入りで背中は4本並べると生徒会長とウテナの多分あれは最初の頃のパーティーでのシーンかな、肩の開いたドレスのウテナを冬芽が後ろから抱くシーンが浮かび上がるって寸法で、各巻100分ってことは4話として16話分で箱になってるのは何故ってな疑問は置いても、10000円って値段も含めて何だかお買い得のよーな気がした。あっとそれから日本のビデオはだいたいが日本語のセリフのまんまで英語字幕が入るって米国の「ANIME」ファンが望んでいるとゆー体裁。しかし棚の前に1時間くらい(そんなにいたのか)いたけど着たのはガキが1人だけだったってのが、いかにも人気と思われている「ANIME」なんて実はさ、てな事を証明してくれているみたい。とはいえここはネズミの王国だしテーマパークなんで、やっぱり市街地の方も見ておく必要があったのかも。

 そうこうしているうちに夜になったんで、いったん帰ったホテルから再びサーカスの「シルク・ド・ソレイユ」(フジテレビジョンなんかが原宿でやってたアレね)を見るために戻っていた「ウエストサイド」を経て「テストトラック」のパーティーに「エプコットセンター」へ。到着するとそこはいかにもアメリカーンなパーティー会場で、ナマの楽隊が出て歌を唄うは超絶スーパーモデル級な姉ちゃんたちが闊歩するわの大騒ぎ。相変わらず外国でも英語はちょっと苦手な(英語以外は、なんて聞くなよ)自分でも、ワゴンの前で指させば出てくる料理は有り難く適当に拾って食べる。

 やがて人も集まった所でまるで「ポリスアカデミー」で披露されてる日本だとケント・フリックが真似したマイクを使った擬音のパフォーマンスがあるいは「ポリスアカデミー」の人だったかもしれない黒人コメディアンによって演じられ、続いてディズニー・アトラクションズとGMの偉い人たちが挨拶をして序幕をしてって日本的なテープカットの時に毎回使い回しのファンファーレが鳴るよーな堅苦しさとは無縁のセレモニーが行われ、流石はエンターテインメントの王国のエンターテインメントなセレモニーと感心する、と書いておけばいかにも仕事の為に冷静に観察していたと思われそーだけど実際は一緒にお祭り騒ぎをしてました。そうすることが義務だし自然なんだもん、あの国じゃ。

 残念なことに大混雑だったため「テストトラック」には乗らずに場内をウロウロしてからホテルへ。10ドルだかを払ってプラスチックのマグカップ(矛盾有り)を購入した人は何でも飲み放題になるとゆー、これまたアメリカーンなサービスを受けて珈琲(カフェイン抜き)をガブ飲みして、一緒に着ていた女性誌やら業界紙の女性記者女性編集者女性フォトグラファーたちとナニする訳でもなくせこせこと「ワンダースワン」で「チョコボ」やる。うちに眠気が襲って来たんで20階を過ぎたあたりまで降りたあたりで諦めて寝る。明日も朝の5時起きだあ。誰もがエンターテインメントなネズミの王国も、仕事で行くと、辛いなあ(ちょっと顰蹙)。


【3月16日】 開けて1日目の「ウォルト・ディズニー・ワールド」では、午後の7時過ぎから始まる仕事にそなえて会場となる「マジックキングダム」を下見に出かける。会場ってのは世界で初めて、ってゆーかこの際大きく言ってしまえば人類史上初となる「ウォルト・ディズニー・ワールド」内の1パークをすべて借り切って結婚式を挙げるってゆー、今回のプレスツアーでも最大級の目玉なイベントが行われるってこと。付け加えれば「マジックキングダム」ってのは「東京ディズニーランド」とアトラクションも作りもほとんどいっしょに、「ディズニーランド」って言えばだいたいがこれのことを射してます。シンデレラ城とかどーたらマウンテンとかがある所、ね。

 フロリダの「ディズニー・ワールド」では、実は過去に挙式を行う会場ってのが別に設けられていて、すでに山ほどの日本人がそこで結婚式を挙げているとか。さすがに全園を借り切っての式ってのは、オープンの最中はとても行えないから当然閉園後の誰もいない園内ってことになる。できるものなら例えば浦安のディズニーランドに閉園後こっそりとしのびこんで勝手に式を挙げちゃって逃げるってことすれば、大枠として「ディズニーランド借り切って式を挙げたよ」って言えないこもないかな。

 ただしこっちは正規なだけあって、スタッフのサポート体制が全然違う。まず閉園してからもちゃんとシンデレラ城の電気をおとさない。なぜなら式の大半がお城をバックにしての式次第となっている訳でこれが消えてちゃ絵にならない。でもって途中から会場を写してしろの中でのダンスにケーキカットってイベントがあるから、お城はやっぱり残しておかなくっちゃいけない。あと激励に出てくるシンデレラ姫にプリンスチャーミングも大気していなくっちゃいけないし、最後に登場予定のミッキー&ミニーも他の国のディズニーランドへと飛ぶ前に残ってお世話をしなくちゃいけないから、ちゃんと残ってそれも着替えて待っている。

 それほどまでにすればかかる費用も当然のことながらウン100万円。さぞやお代人な人が式を挙げるんだろーなーと思った25歳男性教師がいたら言おう。新郎はそーゆー人だ。仙台かどこかで教師をしている兄ちゃんと、その奥さんになる22歳だかの女性(当然だわな)が今回の主人公で、普通だったら仙台玉姫伝(なんてあるの)で親戚一堂家族友人をどさっと招いて挙げるところを、今回はたった2人ではるばるフロリダまで来て、おまけにマスコミも十数人は引き連れての挙式。当然親の心配親の残念ぶりもあっただろうけど、それを押し切ってパワーを見せつけたのが、実は無口そうな印象を見えた奥さんで、何でも高校の時に冗談で友達に「わたし結婚式はディズニーランドを借り切って挙げるの」とか何とか言っていた、その夢をまさに実現させてしまったとは、その執念には畏敬をとっても覚えます。ご主人、後大変だよ。

 何しろ夕方まで時間があり過ぎるんで、昼間はとりあえずシンデレラ城を下見、ってゆーか遠くから確認して残りの時間は何故に人がこれほどまでもディズニーのアトラクションに惹かれるのかを確認するために、アトラクションをいろいろと試してみる。もちろん仕事の上で必要だから乗ったまでで、決して平日の晴天も明るいディズニーのリゾートで「スプラッシュマウンテン」に「エイリアンとの遭遇」とかに乗って遊んでた訳じゃないからね。信じられないだろうけど、僕だって辛いのよ、心苦しいのよ。ホント。

 で楽しかったねえ「スプラッシュマウンテン」は筏が上ったり落ちたりする東京でもなじみのアトラクションで、暗いとんねるの中を移動している時も、上がって落ちる瞬間も、人形に音楽が盛り上げてくれて決して飽きさせない、そんな演出がとにかく1つのアトラクションの隅々まで行き渡っていて、これぞディズニーの長く愛され続ける理由なんだと理解する。それは「エイリアンとの遭遇」でもおんなじで、筒ん中からエイリアンが出てきて真っ暗になった場内を徘徊しているよーに感じさせる、音響とか水しぶきとかの演出は、そこに至るまでの”世界”への導入がうまく果たされているから単なる演出じゃんってな醒めた視線を許さずに、ズッポリとはまりこませてくれる。裏側を透かして見せることで話題を作ったりウケを狙うニッポンの例えば渦巻き? な所にはまだまだ勉強が必要かも。なんせ「ニッポンのディズニーをめざす」なんて昔大法螺吹いた会社だから。

 さて夜だ。世界で銀河で宇宙せ最初の「ディズニーランド」を借り切っての結婚式のスタートだ。冒頭からエントランスにストレッチのリムジンで乗り付ける、中より洗われたのは大隅ケンヤを小さく丸くしたよーなまあそれなりに見られないことない兄ちゃんと、いかにもニッポンの花嫁さんてな雰囲気の姉ちゃんがウェディングドレスとタキシード(当然白だ)で登場し、まずは駅の上のバルコニーから電飾がバリバリと走り回るパレードを見学する。でもって電車に乗ってトゥーンタウンへと向かい、そこからはオープンカーでシンデレラ城の下へと向かって花火を見学、しばらくの休憩の後にお城の下にある芝生の丘に特設ステージを作っての結婚式がスタートする。

 シンデレラ姫とプリンスチャーミングの登場に2組のいかにも日本人といかにもお伽の国の住人がシンデレラ城内でダンスを踊りケーキをカットしてからやっぱりなミッキー&ミニーの真打ち登場。堅かった花嫁さんの顔がここへ来て一気にほころぶとは、やっぱり花嫁さん心底からの「ディズニーファン」ってことが解りますね。ってーかこれもやっぱりそこへと至るプロセスでの、完全なる世界への導入が果たされているから、たかだか縫いぐるみのネズミに過ぎないミッキー&ミニーの登場が、あれほどまでに感動と歓喜を招くんでしょー。って言ってる自分もすっかりネズミの王国に知らないうちにはめられているのかも。かんいかん「マックス・マウス」読んでネズミ帝国の陰謀を再認識しなくっちゃ。

 まるで冬のよーな寒さの中をこの日だけはちゃんとドレスアップして来いってな主催者の要望で、取り囲んでいる報道陣も男はジャケットにネクタイ、女性はワンピースにドレスと着飾っていて、男はともかく女性陣はちょっぴり寒さがキツそーでした。腕のシースルーなイブニングドレスを来て寒さの中を取材にかけずり回っていた元気姉ちゃんは扶桑社から参加の「LUCi」編集部員、小田切美樹さんに拍手。この時の模様はのちのちちゃんと雑誌に出るでしょーから「SPA!」な貴兄もたまには僚誌(なの?)「LUCi」を読もう。いつまでも読めるとは思えなかったりしやったりするしぃ(ウソ)。


【3月15日】 小説と言いながらもほとんどが著者の様々な思考の過程を綴った文章が並んでいる不思議な小説集「<私>という演算」(保坂和志、新書館、1800円)を読む。まだ赤ん坊だった頃に撮られたらしい、猫と一緒に写っている写真を見ながら自分がそんな状況におかれた事を想像し、記憶になかったり止まらなかったりする時間を、記録が補完して記憶へと変換している実状を踏まえて自分以外の人々が暮らしているこの世界の広さを、表層へと浮かび上がらせている感じがして面白い。

 なぜか保坂さん例の「新世紀エヴァンゲリオン」第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」での、すべてが夢だったんだ的シチュエーションを見て、結局シンジの夢は破れはするもののそういった一切をチャラにして14歳に戻れる状況を、ただ羨ましく思っている文章があって、40歳って年齢はそんなに重たいものなのかと、まだしばらく先だけどやがて近づくその年齢になった時の自分の立場や責任を想起して、重さを感じているのか未だ浮ついた気分でいるのか、存在そのものが消えているのかといろいろ思っては、自分のポジションのようなものを暗中で模索してみる。

  別の「小説」でも、小津安二郎の「秋刀魚の味」を途中から見て感じた、映画が個々の断片の集まりによって物語を作っているという事実に気付き、同じく断片の寄せ集めが世界を形作っている的想像を巡らせている。いろいろな場面での著者の思考の集合から、世界はもちろん自分のためだけにあるんじゃないって事が浮かび上がって来るけれど、そんな世界に置かれた自分という存在を、断片の寄せ集めの1片に過ぎないものと客観視することにより、いったい自分って何なんだろうと考えさせられる点に、小説の奇妙な味を感じる。大人だって確認したいんだよね、「ぼくはここにいてもいいんだ」って。

 ついでに読んだぞ「神風怪盗ジャンヌ」(種村有菜、習性社、390円)の第1巻と第2巻。アニメになるとあーも話が冗長で脇役もヘッポコなのに、漫画だと人数や出番が少ないためか喋らないためか脇としての域を出ないでしっかりと物語に味を加え、主役と準主役たちの華麗だったりドジだったりする活躍の裏で激しく演じられる感情のドラマを、ちゃんと感じさせてくれるからまあ読める。

 主人公の「まろん」の抱える良心の不和、10歳の頃から1人で家に捨てておかれた寂しさ、といった悩みも本だと冒頭からちゃんと描かれていて、別の「おジャ魔女どれみ」の3人娘の1人も母親がいない設定となって物語りの中でエピソードとして描かれる、そんな状況が子供向けの作品の中で当たり前に提示されるくらいに、世の中も変わって来てるんだとの思いを強くする。

 漫画では都の父ちゃんでジャンヌの行き先々に出張る千葉繁さん演じる刑事も、本編だとなぜか小さな身長でバタバタと走り回る狂言役でしかなく、大きくしてかつ千葉さんを声に持って来た以上は今後の例えば「メガネ」なみの暴走を、期待したいたいけど未だキャラ映えが全然しない状況では、たんなる1サブに終わってしまうと見るのが普通かも。

 扉絵の解説とかアニメ化に至るエピソードとかも、手書きの文字で雑誌掲載時にたぶん広告だったスペースにやたらと出てきて、ファンには有り難い情報源になっている。けど漫画が広告スペースに制約されてページが小さくなったりする状況って、いつ頃からどの雑誌がはじめたことなんだろー。ファンには単行本化ん時にいろいろ読めたりするから面白いけど、時には物語の展開すら左右しかねない「資本の論理」を漫画家さんの人は果たして歓迎してるんだろーか。描かなきゃなんないコマ数が減って良い? うーんそれはそれであるのかな。

 とかやっているうちに出発の時間。土曜日夕方までちょっとネズミの王国へと行かなくっちゃならないんで珍しく更新止まります。パソコン持っていくけどウィンドウズでのFTPのやりかた知らないからねえ。テキストに落としてアサヒネットのパソコン通信側から送るって手もない訳じゃないけれど、面倒だしほら夜ややっぱりイロイロありそーだから(期待だけ100%)日記なんて書いている暇なんてありゃしない(期待ばかりが120%)。

 とか言ってて実はひっそりと本とか読んだり、持っていく「ワンダースワン」で「チョコボの不思議なダンジョン」を1人、周囲が夜の歓喜にあふれかえる中を壁を見ながらペカペカやっているに違いなかったりするんだい。流石にお伽の国だから真夜中のブルンブルンな(何がだ)ペイテレビなんかは置いていないんだろーなー。嗚呼フロリダの夜が更けていく。

 でもって成田空港へ。コンチネンタル航空のニューアーク行きの便は「B−777」でエコノミークラスながらまあそれなりにゆるりとは座っていけるスペースがあって、だいたいが12時間近いフライトを半分は眠り半分は映画にゲームに食事といった具合に適度なバランスをとって過ごす。映画はエコノミーながら1人1人の座席のヘッドレスト部分に液晶テレビが埋め込まれていて、3年くらい前に同じエコノミーのあれはジャンボか何かでわたったミネアポリスの時と比べて、サービスが格段に上がっているよーな気がした、っても前は腕丸太ん棒なスチュワーデスの配膳で噂のノースウエスト立ったから、食事ってゆーよりまるで配給って雰囲気だったからなー。

 さて映画はとりあえずディズニーに向かうってことで「アント」を、違ったこれはピクサーじゃないドリームワークスだからと却下して映画館では見逃していた「ムーラン」を日本語版で鑑賞。えー「木蘭」ってこんなに単純な話だったっけ、もっと長い時間を経過してなお見破られなかったってな話じゃなかったっけと、米国人の考えるシナリオにいささかのいちゃもんをつけたくもなったけど、アジアな眼差しをはなれて客観的に見ればそれなりに少女の恋と自立の物語、としてまあ楽しめないこともないことも。ないかあるかどっちやねん。まあ顔立ちはいささかポカホンタスだけど(意味不明)、表情しぐさにあてられた声の印象ではにかむ恥ずかしがる怒る泣く、といった感情が表にちゃんと見えていて、そこんとこだけさすがディズニーとの感を抱く。女ん時と男のフリしてる声を演じてた声優さんもよかったし、って当誰だったんだろう?

 ムーランを助ける龍はどう聞いても「アラジン」のジーニー、ってことは多分バズーカ山寺さんですね、パパチャリーノ・ナナダン様ともいうか。ホラ拭きで自分をでっかく見せたい龍のどこか後ろめたい部分を隠しながらの派手な演技ってのは、もうこの人しかいないってことなのかも。続けて見たジャッキー・チェンとクリスタッカーの主演が話題な「ラッシュアワー」もタッカーは山寺さんだったかな? とにかく声幅の広い人なんで何だってやって出来ちゃうみたい。  でもいくらなんでもジャッキー・チェン、あの程度の娘を友達で弟子だからって助けにいくなよ、ってのが正直偽らざる感想。いくら子供好きでも(それがジョンベネな意味を含んでいても)あの顔立ちに加えてスパッツなんかはいてえやがるおしゃまぶりでは、食指はピクリとも動きません。アメリカの空港に降り立つと、家族連れの中にちびっこい金髪の子供たちがわんさといて、それはもうトランクに詰めて直そうしたいくらいの衝動にかられたのと比べると、やっぱり肝心の鍵の部分での手抜きはおじさん許せま せん。案外あれが可愛いとでも思われているのかアジア人について米国では。だから工藤夕貴も売れるんだと、言われれば納得するしかない。

 とか言っているうちに大空港でのお乗り継ぎを無事にこなして2年ぶりのフロリダはオーランド市へ。寒いでやんの長袖がないといられないでやんの。常夏南国なんてうそつきだぜ。とりあえずはディズニーのホテルにチェックインして適当に文章書き、ってこれの文章のことだけど、今んところまだ出発した時と同じ日付が15日だったりするのが、世界の広さと地球の丸さを深くふかーく感じさせてくれますね。明日から本格的なネズミ退治が始まるんで今日はこれまで、バッハッハーイ(ちょっと違う)。


【3月14日】 (承前)日付が変わってホワイトデーが到来。もらった(見栄じゃないぞ)チョコの返却じゃない返礼をしなくちゃいけないけれどまだ物がないからフロリダで買って来る何かを送るんで該当者は期待して待っててね、って読んでる人は皆無だったりするから単に無粋な奴あと思われるんだ。どーりで未だに独し……ウォッホン自虐はやめよーちゃんと送るつもりでいるから多分ワニの形をしたチョコレートあたりを。ネズミ関係は高いからパスね。しかしこれだけ男女が混在している「DASACON」なのにあっちとかそっちで返礼が行われている風情もないのはやっぱり「SF」なイベントだからなのか。それともどっかの布団部屋とかでちゃんとヤって(字にするといやらしいけど意味もやっぱりイヤらしい)たのか。謎だけどどっちにしたって無関係だから気にはするけどしないフリ。

 ひたすらに続くオークションは「SFマガジン」とか「SFの本」とかが出切って何とかお開きに。挟んで合間には出席者のホームページにちなんだ質問が出て○か×かで応えていく「SF」じゃないけど「SFサイト」なクイズ大会があってそれなりにそれなりな人が買って折り紙で作られたレイをかけられガサゴソ感を堪能してた。先っぽに付くおやつは嬉しかったみたいで皆さん引きちぎっては口にしてたけど、周囲には食べきれないほどのお菓子が山と積まれていたから「SFサイトエリート」のみが食にありつけるってな選民思想が行き届いておらず、その意味では有難みはあまりなかったかも。

 後に発表されたレイの多寡で決める「DASACON大賞」の商品も「暗黒星雲賞」と比べるのは何だけどやっぱりもらっても嬉しくなさそーな役立たず品で、それを人気投票も含めて2枚ももらった大森望さんは、いかなる場合でも全力を出し切るやっぱり「SFエリート」なんだと、そんな意を再びにして堅く感じた1夜だった。しかし大森さんなんだか「FF8」が自宅から1歩の外出も許さなかったのか、それとも別の事情があるのか今月発売の「アニメージュ」の京極夏彦さんとの対談コーナーに掲載された写真でもちょっと感じた「丸」感が、直接見てもやっぱりだったのが大変勉強になりました。

 イベントも終わって真夜中から明け方にかけてはひたすら雑談な時間が続き、寒さに震えながらも適当な相槌をうつフリをして実は聞いてない通称”背後霊”の術と、あちらこちらに出来る話の輪の中間地点くらいに位置取りしてどっちの話にも参加していそーなフリをする通称”自縛霊”の術を駆使して長い夜を乗り切る。アニメソングのイントロ当ては「リカちゃん」と「ウテナ」と「ナデシコ」と「オーフェン」と「さくら」と「ネオランガ」が解ってしまう自分の若さがちょっと罪。ウソです。「ガウル」とか「lain」とか「DTエイトロン」とか「ミト」とかが出てもやっぱり解ったけど、出題者もそこまでは流石に回答者不在を恐れてか入れておらずちょっと残念。でも今春はにっくき(単に家だと見られないってだけの憎悪)「WOWOW」での放映番組が増えるから、イントロ解らな度もいや増すんだろーなー。せめて地上波だけは全チェックだ。

 実践を兼ねて、ってのはウソで単にビデオ録画を忘れていたから場内にあった100円テレビを勝手に付けて皆さんが有意義な会話でコミュニケーションに勤しむ間も、コンタクトすらあきらめひたすらに朝っぱらからテレビにかじり付く。家では「ポポロクロイス物語」の裏番になる「ゴゴーファイブ」を見てスカートの短さに釣り合わないアクションの少なさにちょっと激怒。あと噂のみやむーが今回は出演しておらずその視聴者のハートにクラッシャブルなフェイスを朝っぱらから拝めずちょっと残念がる。でも来週は山とご出演かつ大活躍の模様みたいなんで「ポポロ」を見つつもちゃんと録画し後生に残そー。で、みやむーやっぱり「白」なの(って見せやせんだろーけれど)?

 ロビーナちゃんの多かった出番に歓喜しつつすべての人がそのスタートを待ち望んでいたことがノストラダムスによって預言されていた、と書いて欲しい人といっしょにめいめいが勝手な会話に励むなかを頑張って「おジャ魔女どれみ」を視聴する。大法螺を吹くクラスメートとの最初はちょっとした対立から友情へと進む何とも感動的な展開に、眠気の回った脳味噌を洗われ欠伸の余韻じゃ多分ない涙にむせる。ええはなしやなあ。脚本は大和屋暁さんて人だったけど、有名な人なのかなー、ちょっと調べて後でみよー。大和屋竺さんと関係があったりするのかなー。絵だとホラ吹きな女の子・横川のへにょっとなった口の奇妙な可愛さが心にズキドキッ。んでもって養護の白衣の先生の顔も声もグッドな様に次週以降もしっかりな登場を願って念波を東映アニメ方面に送る。出せ出せ出せ出せ。

 SF度の低さがたたって是非欲しかった記念品はかっさらわれて終幕。あれば取り出して薄いフリスビーとかコースターとかオブラートとかポキール代わりに使えたものをと実際にもらった人がポキールしてくれる事をちょっぴり願って宿泊場所から退場。途中「ルノアール」でお茶した時にホントはSFな人だったのかそれとも視察だったのか一般にはミステリーな人と思われているのに参加していた福井健太さんが読んでいた新聞の広告に、「日本語版」と銘打たれたどー見ても「ファービー」にしか見えない縫いぐるみが9800円もの値段で通販されているのがあって「なんじゃこりゃ」と驚く。トミーだって日本語版を発表するのは来週なのにこの素早さはいったい何だ?

 と思って再度よく見ると名前が何となんと何と「パパラ」となっていて「ファービー」とは似てまったく違う商品であることが判明する。顔つきと目は確かにそっくりで嘴や目、耳の動きもおそらくはちゃんとホンモノのよーに動くんだろーと思うけど、よくよく見ると胴体の長い毛に隠れてしっかりと手が生えていて、実は足はあっても手のない「ファービー」とは似て非なる商品であることがここでも判明する。足もちょっと大きいしね。さても肝心の昨日や日本語能力がどーなっているかは調べてみないと解らないけど、値段もそれから「ファービー」じゃないとゆー決定的な違いも踏まえると、今後あちこちで話題を振りまきそーな気がする。しかし大人の世界ってやっぱりとってもフクザツだぁー。


【3月13日】 新聞で多田かおるさん死去のニュース。脳内出血だかで38歳の死去は若すぎるといって余りあるほどの衝撃で、現役もバリバリ第1線の漫画家さんの死去では先のみず谷なおきさんやその前のねこぢるさんをも上回るインパクトかもしれない。「愛してナイト」に「いたずらなkiss」に「デボラがライバル」と個人的には1冊も読んだことがないにも関わらずドラマや映画に成ったから名前くらいは知っているメジャーさ。記事では直接の要因はあってもそこに至るプロセスは一切省かれているから、仕事中だったのか何らかの事故に遭われたが故の死去なのか解らない。いずれにしても新作が出なければ語り継がれる可能性が低いのが、この栄枯盛衰激しい漫画の業界。哀しいけれどもいずれは消えてしまう運命を少しでも先延ばしにするために、これを機会とするには不謹慎とは重々承知で少し作品をまとめ読んでみよーかな。佐藤藍子&SPEEDをくれた(教えて、って意味)事への敬意も含めて。

 仕事でちょっとだけ本読み。何でも屋っぽい活動が「マルチタレント」の称号を与えたその分ちょっぴりインパクトが薄まっていた観のあるいとうせいこうさんが、密かに(でもないけど)インターネットのホームページ上で勝手に連載していた、ガーデニングとは言うもおこがましいのか遠慮しているのかむしろ優越感すら持っているのか、新たに立ち上げた園芸ジャンル「ベランダー」に勤しむ日々を綴った本「ボタニカル・ライフ」(紀伊国屋書店)をツラツラと読む。

 ベランダのない1階段のビルが林立する暗い前庭ではおよそ無理なハーブだの観葉植物だのを育てる生活は、いくらご本人が優雅さとは対極の雑多な作業的位置付けをしたって傍目にはやっぱり優雅に映る。ベランダへと物を持ち込める余裕のある生活が、正直言って羨ましいよな鉢植えを置くスペースがあったら密閉容器に山ほど本を詰め込んで濡れないギリギリの場所に多分山積みをしたいからな。貧乏人には嗚呼、趣味にすら貧乏っぽさがつきまとうのだよ。

 週明けのフロリダ行きに備えるために会社に行って山ほどの原稿を書いて叩き込む。珍しく届いていたネットワークゲームのサイトが「東京ゲームショウ’99春」に出展するって話を大袈裟に書いてお茶を濁したり、マテルが久々に日本に投入するビュンビュンと8の字型のコースを突っ走るミニカーの話とかいろいろ書く。残念なことにゲームショウも同じ日程で開かれる東京おもちゃショーも最終日に掛け持ちでのぞけるのがやっとで、限定グッズの早めにプレスで来場しての特権を駆使した買いあさりも、コンパニオンのじっくり下から煽り撮りも、おもちゃショーでの今年も来るかは解らないけど釣りのデモンストレーションの美人なお姉さんの写真撮影もバンダイが投入するであろー「逆Aガンダム」関連製品の様子も、ゆっくりとは見ていられないのがちょっと悔しい。

 トミーによる「日本語版ファービー」の披露もあるし珍しいオモチャの発表会や見たい映画の試写やアニメ番組の放映や、ほかにもいろいろ日本にいたらやりたい事(仕事じゃないけど)が山とあるんで考えるだに悔しさが更に募るけど、まーその代わりに世界で最も有名なネズミとかアヒルとか熊とか犬とかいろいろな奴らを間近でじっくり見て来てやるから、ゲーマーズの「デ・ジ・キャラット屋」で限定グッズを買えない悔しさだけは残るとしても(残るのか?)、とりあえずは面堂ばりの強がりで「フンだっ!」と威張っておこー。

 「ロッテリア」で奇妙な「カツ丼バーガー」をかき込みながらエリザベス・ギルバートって人の短編集「巡礼者」(新潮社、2000円)をペラペラ。アメリカ全土の各地で起こる市井の人々が繰り広げる些細なドラマを、広い集めて畳み織りあげた輝くタペストリーのような内容にちょっとだけ目を潤ませる。人間ってどこに暮らしてるどんな人でもやっぱり辛いことや楽しいことや哀しいことや嬉しいことを抱き感じるものだよね。目頭ジンジン級では巻末に近い所におさめられてる「華麗なる奇術師」が心のツボをズキッ。目に浮かぶ拙い手つきで兎をぶら下げる娘を見る親の視線ってなシチュエーションには、ありがちだけどやっぱりホッとさせられる。人の気持ちが離れる瞬間がさくりと切り取られた「あのばかな子たちを捕まえろ」も秀逸。アマゾン・コムで読者書評が10点満点連発だったってのも、ホントに実によく解る。

 でもって夜になったんで本郷の旅館へと移動。世界に冠たるイベント(になる予定、があるかどーかは知ったこっちゃない)「DASACON(ださこん)」は、すでに受付がほぼ終了して、大広間のあちらこちらに「SF」な人たちが集い群れて開幕の時間を待っている。入り口にある立て看板に大きく「ダサコン御一行様」とか書かれてあったのが恥ずかしいやら恥ずかしいやら恥ずかしいやらでしっかり写真に撮っておく、けどアナログなんでどっかのページに見たいとは行って探せば誰かのデジカメ写真が出る、でしょー。とかやって館内でしばし時間を潰した後で、関係者による挨拶が行われて世にも画期的なイベントが、だいたいそうだな数えてないけど30人は楽にいたっけ40人はいたかもしれない初にしては大勢の人を集めてスタートした。本当にやっちまったぜ、若いって素晴らしい。

 でも別段米国からゲストが来てのシンポジウムをやる訳じゃなく、ライブも踊りも一切ないまま山之口洋さんと涼元悠一さんの「日本ファンタジーノベル大賞」受賞者組を迎えて、「メフィスト賞」受賞の浅暮三文さんの司会で創作の秘密なんかを語るイベントがスタート。次回作なんかへの期待が集まるなかで山之口さんはヨーロッパの詩人さんだかの評伝っぽい物語、涼元さんは恋愛物だったかネット物だったかの作品を書きたいってな旨を話して、これが唯一とゆー「DASACON」のゲストイベントが終わる。

 宴会からクイズ大会を経てやがて大量に持ち込まれた本のオークションへと場は突入。どこから集めて来たのか不思議な古い本やら古い雑誌がドダンとテーブルの上に山積みにされて、10円100円300円ってな激安い値段でどんどんと競り落とされていく。そりゃもー銀背だろーとサンリオだろーとおかまい無しの大バーゲンで、読みたい人やら集めたい人にはそれなりに役に立った嬉しいオークションだったかもしれない。個人的には古い本を買っても読む時間がなく新刊で読みたい本が山とある状況を最優先しているから、よほどの本じゃない限り(それすらも実は自分でもはっきりしない)競り落とすなんてことはせず、漫然と若いのに勉強熱心な人々が落としていく様を眺めている。

 山尾悠子さんの作品が掲載された雑誌やインタビューが掲載された増刊や詩集になると値段が途端につり上がるのは、最近のネット的な1点集中型の傾向が現れた結果なのかも。これとて昔定価で新刊が売られていた様を目にしていると、高額で買おーって気がおきないのは、単なる天の邪鬼さが物欲研究欲を上回っている浅ましさ故。まあ素直になったら金子の吹き飛ぶ早さは並じゃなくなるだろーから、財布が不安な今は良かったのかもしれない。「SFセミナー」でも我慢できることを願う、って自分に願ってどうするや。とか考えたり来ている人の一部ととりあえずコンタクト(コミュニケーションなんてヒューマンなレベルじゃとてもない)をとってみたりしている内に(続く)


【3月12日】 侍シリーズの「座頭市 勝新太郎」が売られているのを池袋パルコのフィギュアショップで見たのは昨日の事だけど、それはさておき今朝は珍しく武蔵野線に乗って新松戸から常磐線で松戸の駅へ。もちろんピアザ松戸の地下1階にあるショップで1万円は越えるジャンボマシンダーを買うために、じゃない松戸駅前にある千葉県の旅券事務所の出張所に行って今日が上がりのパスポートをもらうため。10年の旅券ってのが出来て表紙の色が赤だったってことを実は初めて知るあたりが、海外旅行なれしていない事を如実に現し恥ずかしい。5年とちょっと前に中国を大名旅行するんで取ったパスポートが去年に切れてしまったから、フロリダに出張が決まって慌てて書類を集めて千葉県庁よりも会社に近い松戸で再発行を申請した次第。

 前の青い表紙の5年しかもたなかった奴には、日中記者交流ん時に中国大使館からもらった報道ビザとか、サウスダコタでモーモーパソコンを撃ちに、じゃないマウントラシュモア登山に行った時に米国大使館からもらった報道ビザも押してあって、いかにもジャーナリスト海外をバリバリ飛び回ってまーす、ってな味わいが出ていたけれど、新品は中身も当然真っ白でド素人っぽく(素人だけど)ってやっぱりなんだか恥ずかしい。あと前のが5年で顔写真に大きな違いが出たのを見ると、10年も果たして写真が保つのかとそっちがとてつもなく心配。でもまあ減ることはあっても増えることはないから(アレがだよ)、そうたいして違いは出ないんだろーね。言っててちょっと哀しい。ハラハラと落ちます涙とアレが。

 残念ながら駅前ビルの地下1階のショップは午前の11時からってことで超合金もジャンボマシンダーも諦めて、駅前にある大きな本屋の6階だかで漫画の本を漁る。あるかなー、と思ったぶんか社の単行本がここん家では実に完璧に揃っていて、ってゆーか漫画の本ではきっと松戸で1番くらいに揃えた本屋さんらしくって、3巻までもらった吉川うたたさんの「すっくと狐」の第4巻から第9巻までを一気にそろえて東京までの電車で読み継ぐ。玄狐の次第に明らかになっていく正体と、実花が玄狐に本心を言って次第に仲むつまじくなっていく展開を交えながら、折々に強敵を絡めて展開していくこれは和風ホラーでも傑作の部類に入る本じゃないかとゆー気がして来る。

 あれだけどしゃどしゃ人が妖怪に殺されても、割と平然と日々が進む町ってのもまあ奇妙だけどこれは漫画だから仕方がないか。お話もどんどんと奥深くなっていって敵の設定実花の将来含めて壁っぽいものも出て来ているけど、そこは漫画らしく歳なんてとらずにモラトリアムのまんまで闘い続ける愛し続ける暴れ続ける「終わらない非日常」を、重ねてますますの奥深く幅広い展開にして頂きたいと節に願う。ふーんそうか早生まれで丙午の実花ってことはつまりは巳年の自分と同じ学年ってことになるからえっ、もうそんな歳なのって吃驚したけど、これもやっぱり漫画だから学生のまんまで許してあげよー、ついでに自分も学生気分に戻らせてもらおー。暗かったなあ、俺の学生時代って。いかん思い出しちゃったよ、昼休みは図書館で昼寝し授業の合間は机に突っ伏して時間が過ぎるのを待っていたあの暗黒な日々を。

 実は読んでなかったの「腐ったアルミニウム」(ジェームズ・ホームズ、DHC、1800円)、ってのは半分はウソだが(ってことは半分はホントか)しかし35歳になった主人公がジーパンを履いている時のキツさに愕然としたり、2重になった顎を鏡に写してそれでも自分なんだと嘆いてみたりするあたりに、そうなりつつある今の自分が投影されて読んでてとっても胃がイタい。キリキリ。潰れそうな会社で脱税の嫌疑までかけられた主人公が知らずドタバタに巻き込まれて行く話しらしーけど、帯で言うほど爆笑できないのはやっぱりあまりに主人公い近すぎるからなのか。とはいえ潰れるくらいにまで会社を経営して故障するくらいにまでボルボに乗れる身分はやっぱり羨ましい。せめてジーンズだけでも良い奴を履きたいやな、キツいのは承知で、さ。

 ジーンズを買おうかディパックを買おうかと悩んだ挙げ句に神戸在住の田中哲弥さん(作家)が前に自分を誉めて上げたいとばかりに「グレゴリー」を買った話に触発されて、新宿三越に行って新品の「グレゴリー」のバッグをあれやこれやと調べて結局小さな普通の「ディパック」はやめて、大きな33リットルも入る「ワン・アンド・デイ」(だったかな)とかいったバッグを買う。聞くと最近じゃー町中でも、そぎゃん巨大なリュックを下げて歩く学生にサラリマンが増えているとか。背丈が大きいと格好も良いんだけどこちとら今日日の高校生の平均を下回っている低身長。おまけに欲を出したか勘違いしたか、赤なんて色を買ってしまったんで背中に下げてるとまるで赤い甲羅のリクガメかなんかがヨタヨタと歩いているよーにしか見えない。

 んでも流石に背負うんじゃなく身に纏うんだってなコンセプトが行き届いているせいなのか、片方だけを肩にかけただけでも吸い付く感じが全然違う。ジッパーの取っても巨大で開けやすく噛みにくく、憎いねこいつはってな仕掛けがシンプルだけど随所に見られる。大きだけあって漫画6冊に小説1冊、ファイルを5冊にカメラにフィルムに手帖にペンにノートパソコンにほか資料なんかを詰め込んでも、膨らまず余裕で中をパソコンが動き回る。仕切りとかあったら欲しいけど、金も借金が嵩んでいるからカスタマイズはしばらくお預け。水を飲むボトルとチューブは、どーしよーかな。


【3月11日】 なんだか急に「グレゴリー」のディパックへの欲求が高まっているのは使っているインチキなディパックがヨレヨレのズタズタになっているからで、ならばと探して銀座松坂屋別館をのぞいたら33リットルの大きめの奴で2万を越えていやがっていて吃驚し、色目も気に入ったのがなかったのでまた今度ととりあえずは物欲を封印して銀座にあるタカラの事務所で近況など。喜んで良いんだろー「スーパードール リカちゃん」はとりあえず1年は放送が続くみたいで視聴率も9%くらいはあって、誰もが気にしている「イズミちゃん」もちゃんと我が家に居るよーな「スーパードールナイツ」として、それも動くキャラクターとして遠からず登場する事になるらしー。何時になるかは知らないけどね。

 しかし勇気あるねー東映、夏はこの「リカちゃん」に「ビーストウォーズ メタルス」に「ミクロマン」のタカラ玩具御三家のアニメ化作品3本立てを、300館を越える大展開をしてちょっとマズった前回の轍は踏まずに館数を絞り、それでも結構大々的に上映することになるみたい。ほかにも多分幾つか大きいお友達が好きそーなアニメ作品なんかもあるだろーから、「スターウォーズ」の煽りでドカンと沈黙するかそれとも未だ衰えずなヒロスエ人気でかっぱぐかな「鉄道員(ぽっぽや)」以外は、やっぱりアニメで夏を乗り切ることになるんだろー。春もほら「逮捕しちゃうぞ」が1番人気になりそーだし。某「噂の眞相」に寄れば「踊る東宝、沈む松竹」の狭間で「悩む東映」らしーけど、こーなったらもういっそアニメな東映を前面に出して年がら年中新旧を問わずアニメをかけまくった方が傷口広げなくって良いかもね。「北京原人2」とか作るくらいなら(って作りゃしないと思う、けど)。

 そんな「噂の眞相」は何故か大沢在昌さんが大々的にフィーチャーされててミステリーな人にも面白い号かも。要するに事務所を作って宮部みゆきさんに京極夏彦さんをメンバーにして自分の力をアピールしているとか、日本推理作家協会を壟断していてその所業に本格な人とくに八ケ岳とか京都とかの人々が面白く思ってないとかいったゴシップが中心で、僕は知らないから解らないけど状況を知っている人にはあるいは「眉唾だー」かそれとも「うんうん」といった感想を、抱きつつも笑って読める内容になっている。しかし本当に内紛なんて起こっているのでしょうか笠井潔さんの別荘で気勢をあげたんでしょうか理事長ポストを狙う大沢さんが反主流派懐柔工作の第1歩として京極さんを事務所に取り込んだんでしょうか謎謎謎な記事に情報通な人の反論が待ち遠しい。あと巻末の読者の場に伊藤剛さんの投稿も載ってますんで関係者無関係者は見ましょ。

 例の韓国で発刊された「スポーツ トゥデイ」が届いていたので早速中身を改める。うーんすべてハングルなんでまったく読めない。中国語だったら簡体字でも少しは意味が解るんだけどハングルはほら、あれが何らかの音を現す文字だったりすんでまずは読み方、んでもって意味を知らないとまったく読めないあたりが難しい。肝心の吉川うたたさんは「すっくと狐」は折り込みになっていた漫画ばかりを集めたページに縮小されて6ページ分を掲載。第1話じゃなく第1巻に入っている「人面樹」からってのが謎だけど、セリフも書き文字もちゃんとハングルに直っているのが面白い。表紙を含めた6ページ目にある「ガターン」って書き文字も、ポスターに書かれた「歯の健康週間」って文字もちゃんとハングルになってるし。

 一緒に送られて来た「すっくと狐」の日本語版を読んだところで、これが特別に第1号として韓国に紹介された理由はやっぱり解らなかったけど、作品としてはマジで結構面白かったりするし、あるいは妖怪ってものが日本も韓国もそれほど要素に差がなく、かつ絵柄の少女漫画っぽさが韓国ではあまり見受けられないテイストだったのだと考えると、これがイの1番に紹介される意味も案外あるのかもしれない。それにしても主人公の女の子の実花は活発で勝ち気で可愛く、お話は残酷だけど爽やかでときどき笑えたりしてちゃんと落ちも付くまとまり方を見せてくれる。これほどの作品を9巻も単行本が出るまで気付かなかった不明を恥じつつ、残りの6巻と来月に出る10巻をとにかくゲットしよーと明日の神保町あたりへの出陣をキッと心に誓ってみる。でも売ってるのかな、ぶんか社の漫画本なんて。

 見開いた新聞のページにはこの「すっくと狐」以外にも何本か漫画が掲載されていて、アメリカっぽいノリの作品や韓国だろーなと思わせる2コマ漫画もあって文字は読めないけれど雰囲気でそれなりに楽しめる。解らないのがゾロみたいな黒マスクと平たい帽子のイラストが付けられた漫画で、登場する女子高生がミニスカ&ルーズソックとまるで「ワタシ日本ノ女子コウ生デース」な格好なのに、その作者を自分は全然知らない。知らなくっても吉川うたたさんすら知らない身なんで当然なのかもしれないけれど、とりあえずは「すっくと狐」が日本の漫画としては最初の正式な紹介と唄われた以上は、ゾロな漫画は韓国の作品と考えねばならず、加えてどうもこの漫画、左びらきの日本と違って右びらきっぽい雰囲気があって、コマも左上か右下へと流れて、フキダシ内の文字も横書きになっている。そこいらあたりを勘案すすればやっぱり韓国の漫画なのかも。とすると韓国にもミニスカルーソーメッシュガングロ(そこまでは描いてないけど)な女子高生がいるのかと、考えるとちょっと楽しい。

 ををををを。と驚いたのはまるであの劇団みたいだと言われたあのアニメを、あろーことかあの劇団自身が予定していた公演を脇に置いて上演することになったって聞いたから。主演はやっぱりスパッツをはくのかガヤなモブでは全員が薔薇を持って回るのかスポーツカーは走るのか絶対運命は黙示録なのか云々と、想像してはあまりのハマりぶりに期待も膨らむ。ミュージカルでは明るく健全な雰囲気の作品に仕上がってたんだろーけど、こちとら暗黒面がまる出しになる小演劇。エロスとタナトスでいっぱいの淫靡な舞台に仕上がることを望みつつ、5月末の公演を心して待とー。夏のアニメへのつながりも考えると、終わってしまった感のあるワールドがこれを契機に再び爆裂して世界を革命してくれるかも。ああ楽しみだたのしみだ。


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