縮刷版98年10月上旬号


【10月10日】 ゲームショウは1日お休みして東京ビッグサイトに行く。もちろん「コミックシティ」に、じゃないプラモデルとラジコンのショーの方で実のところは同人誌即売会なんかが開かれているとは露ほども知らず、駅からテコテコと歩いていく道すがら、やたらと着飾ったり逆に全然着飾ってなかったりする女性が群を作って歩いていたのを見て、最近はラジコンやプラモデルにも女性のファンが付いたのかなー、なんて思ったりしたんだけど残念でした、そこらへんのラジコン野郎フィギュア野郎。

 でもホビーショウにだって結構女性はいたんだよ着飾ってポーズ作って但し身長は30センチくらいしかないけれど、ってそれはただのフィギュアじゃん。ご名答ただし前回のショーの時ほどには会場も狭かったしブースも小さくっ何より人気が一巡したのかフィギュア関係がぐっと減っていたのが印象的。あの山ほどのマクロス関連フィギュアを出していた有井とか復刻なプラモデルを山と出していた今井とかのブースに寄ったけど、前回ほどの活気(つまりは自分的な趣味での活気)があんまり見られなかった。まああんなバルキリーやらミンメイ人形とか作ってたら売れるものも売れないよね、有井サン。

 とりあえず人気なバンダイのブースで冬に発売予定の12000円もしやがるガンダムの実物を見る。先週だかに広報の人が「腕だけしかないんですが」と持って歩いていたのを見た限りでは、大きさはもとよりその仕組み(指が1本1本動くんだぜ)に感嘆した記憶が今もまだ鮮明だけど、実物の迫力たるやその数倍にも及び、全身可動でかつ巨大な立ち姿に取り囲んだガンダムファンにプラモデルファンの息も熱く、去年のエヴァに続いて今年もクリスマスにはでっかい箱を抱えた少年(元を含む)が、プラモデル屋さんからでてくる姿を見られるんじゃなかろーか。早くザクもだせそれも赤いやつを。

 赤いザクといえば何故かバンダイが出すビーダマンに良く似た(とゆーかまんまパクリな)商品が方やガンダムこなたザク。背中のボタンを押すと飛び出すのは胴体てゆーか顔ってゆーかとにかくまん丸なボディで、それが相手にぶつかっると背中のボタンに直接あたれば同じまん丸なボディが飛び出し、また正面から当たっても倒れて背中のボタンが押されてやっぱりボディが弾けとぶ。ビーダマンのよーな遠投は難しいかもしれないけれど、デモにも使われていたよーな卓上のビリヤード台みたいな場所で、ぶつけたり跳ね返りを利用したりして遊ぶとちょっとは面白いかも。角にポケットのある台で遊べばなおのことグッド。出来れば付く玉をガンダムで相手はジオン軍のモビルスーツを模しておけば、9ボールだって何だってお手の物。ガンダム2つにザク2つで4つ玉ってのも楽しめるかも。後はルールづくりとそして「コミックボンボン」あたりの応援、だな。

 童友社って会社のブースと通りかった時に配られていた整理券に、いったい何が始まるのかを周囲を見渡すとおおこれは。テーブルに置かれたプラモデルの自動車の、1つはやたらと車高が低くスタビライザーを打ちやすい(さあ気が付いたね古手のファンならこれで)構造をしていて、もう1つは2つのライトがボンネットの上に突き出た悪く言えばカエルのよーな格好をして後ろに巨大なウイングが生えている。そしてこの2台に共通なのがボンネットの上に刻まれた星、星、星。決してホームランを打った数でも3ポイントシュートを決めた数でもゼロ戦グラマンを撃墜した数でもないその星が示すのは、街道レースでの勝利のポイントだ。

 もう解っただろうそれも1970年代に必至に「少年ジャンプ」を読みコカコーラをかってキャップの裏ブタをめくっていた君ならもう気付いただろう。そう吹雪と早瀬のあの車が今のこの世に甦ったのだよ。加えてハマの黒豹のカウンタックのピーターソンのBMWもミウラもイオタもZ432も、すべてがあの車が輝いていた時代に最も愛されたマンガに登場して活躍した姿のままに、プラモデルとなって再び現れてくれたのだよ。そのマンガの名前は「サーキットの狼」。そしれ作者の名前は池沢さとし。配られていたのはその池沢さんのサイン会の整理券だったのだ。ブロロロローン。

 待つこと数分の後、登場した池沢さんはただのおっさんでしたが(当たり前だもう30年近いキャリアがあるんだから)、車はどんどんと乗り換え今またフェラーリも注文中とゆー状況、かつレースにも頻繁に出かけてそれもドライバーとして運転までしてしまうとゆー活躍ぶりに、熱い時代をしょって立ってきたマンガ家の魂の熱さを見る。20分ほどをして始まったサイン会は用意した色紙に次々とサインをして渡していくお手軽なパターンだったけど、おまけにかつての栄光を知る世代も少なくあっとゆー間に終わってしまったけど、好きだった人には何物にも代え難い宝になるだろーから、欲しい人は言って頂ければ高値で売ります、って俺はファンじゃなかったのか? いやファンだけどでも今さら「サーキットの狼」なんて、ねえ。ちなみにロータスヨーロッパは屋根がよく滑るんだぜ。

 ルリルリ関係でフィギュアあり。あと「CCさくら」のフィギュアとかにも結構な出物がありましたが、個人的には「カウボーイビバップ」の「フェイ・ヴァレンタイン」に早く発売になって欲しいですね。ほかにはちゃんとはいてたユージン製200円ガシャポンの「ガオガイガー」は命ちゃん、ですか。せっかくだからタツノコ系をプレイしてキャシャーンとガッチャマンのケンをゲット。どーしてジュンを出さなねえか。怒りはトミーのかんたろーに今度あったらぶつけておおこう。しかし人気沸騰中なのかタツノコキャラは。別のブースでは「ヤッターマン」の2人とかも踊ってたし、今度はワーナービジョンからビデオも出るし。時代は繰り返す? それとも遡る? 購買層がおっさんばかりってゆーんじゃー、ラジコンプラモの未来も暗いぞどーするメーカーさん。

 なんてことを思いながら秋葉原へと移動し(唐突だねえ)、行き着けのフィギュア関連ショップをのぞくとああこれは。さっき目茶けなした有井の「ヴァルキリー」が何と500円なんて値段で売られていて、涙にかられて思わず1つ所望してしまう。買ったのはミリアの専用ヴァルキリーで、背中にブースターを背負い足には大きなタンクがついている。けど関節曲がんねーよなーこいつは。別に完全変形しろとはいわないけれど、せめれ胸くらいは開いて欲しいし手首ももうちょい自由度があればね。その点同じ500円なんてムチャな値段で売られていたけどセガから出ていたリアルモデルの「サクラ大戦」は「李紅蘭」はおよそ本編とはかけ離れた長くスラリとした足に丸いお尻に胸の膨らみがとってもグッド。なので買って帰って今いっしょに寝ています。嘘だったら。

 こっちは新品だけど「CCサクラ」の完成品塗装済みフィギュアも絶賛発売中で、2980円の値付けに思わず1つ所望してしまったのは箱も大きなオープニングのパトルスーツの方。ふりふりひらひらなスカートの下をどーなっているのか確認するのはジャーナリストとしては当然の行為、であるので購入した箱を下から開けてのぞくとちゃーんとやっぱりはいてまいたよ、白いのを。だけどもったいないので添い寝はせずに、まんま箱にいれて今は神棚に飾ってますがや。通し番号はあるみたいで家のさくらちゃんは5763番ですが先生ん家は何番ですか? 当然買う、わな友枝小制服バージョンもいっしょに。違う?


【10月9日】 「南海奇皇 ネオランガ」のLDを買う。ポニーキャニオン製だからって別にグループ支援なんかじゃないぞ支援してもらいたいのはこっちな位だ、なんて愚痴はさておきドリームキャスト模様の島原3姉妹がジャケットの第1巻は4話入っていてお得、かと思ったらそーだったんですね「ネオランガ」は1話が15分弱で4話入っていても総時間は58分と、実は他の一般的なLDと変わんなかったんですね。

 まー良いとりあえずはジャケットの素っ裸な3姉妹の魅波はお尻で夕姫は12歳にしては立派なバストを堪能しつつ、中身の方を再生するとのっけから登場する「ネオランガ」に何か訳有りな3姉妹&ジョエルの態度。こーゆー導入でよくぞ皆さん本放送についていけたもんだと想像するも、先の予想できないオリジナルな展開は嫌でも付いて行かざるを得ない状況に視聴者を追い込って事もあるだろーから、決して悪いとはいえないし、現にハマってる人も大勢いるから成功だったと言えるんだろーね。そーいや予告編の第5話がひっでー出来になってたんだけど、放送見た人どーでした?

 とりあえずは「ゆうぴー」ファンになったと告げて寝て起きて仕事へ。幕張メッセで開幕した「東京ゲームショウ’98秋」はビジネスデーだけあって来場者も通路が歩けないほど混むってことはなく、またいつもより広めに通路の幅をとってあったよーな気がして結構ゆったりと見ていられた。もっとも明日以降の一般公開日にそーなる保証はまったくなく、むしろ入った第1ホールの正面にコナミで脇にソニー・コンピュータエンタテインメント、その奥にネオランガ模様のバルーンやら看板やらを掲げたセガ・エンタープライゼスがドでかいブースを構えていて、プレイラブルな環境にあるソフトで楽しもーとする人たちで、大混雑しそーな気がしてちょっと心配になった。

 コナミは何故かプレスカードに広告が出ている「幻想水滸伝2」あたりがメインタイトルかな。これプラス「みつめてナイトR 大冒険編」って例の「みつめてナイト」のパラレルワールドを舞台にした本格RPGってなタイトルが裏表になったクリアファイルをもらったけれど、ガイドブックにあるよーに「プレミア必至」となるかは不明。個人的には桃姫様ーんな「かってに桃天使」の方が良かったのにぃー、っても俺実はまだ「桃天使」買ってないんだよね。会場内のブースに「桃姫」のコスプレしてパンフを配ってた女の子がいたけれど、決定的に胸が足りん! あのこぼれ落ちんばかりのバストがあってこそのキャラクターをよくもこんな洗濯板が、とまでは思わなかったけれどちょっとだけ不満は残る。けどしっかり写真は撮ったぞ。ナマ桃姫ってことで家宝にしよー。

 良く解らないのが例の「バージンパワー」が男にはとっても赤面な(でも女性にはウケてる、とか)OVA「聖少女艦隊バージンフリート」をテーマにした、タイトルもまんま同じなタイトルだけど、ビデオと同じ今川泰宏さんが原作・脚本を担当しているとあってなお吃驚。いったいどんなタイトルになるんだろー。移動してセガのブースでは「湯川専務プリクラ」に注目か。タイトルの方はずぇーんぶこないだの発表会で見てたから別にまったく興味はない。むしろ初めて見る人たちの反応に興味があるから、明日以降の一般公開で一般のユーザーがどんな反応を見せるのかにちょっと注目したい。「セガってだっせーよな、やっぱり」なんて言葉が聞けるかそれとも聞けないか。命運は明日決まる。覚悟せよ入リさん。

 ゲームショウでもやっぱりな携帯型ゲーム機戦争勃発! だってSCEのブースの隣りにバンダイがあってサミーを挟んでエス・エヌ・ケイがあるんだよ。SCEが「ポケットステーション」を舞台で華々しくデモンストレーションすればバンダイは「ワンダースワン」を子どもやミニスカートの女性を使ってド派手に宣伝。SNKも「ネオジオポケット」の看板を掲げてアピールしていて、同じ会場で3つの異なるゲーム機を間近に比べる事ができる。コナミも単機能だけど携帯型のゲーム機を並べてるしね。つまりは同じホールにあるブースを動き回り、置いてある機械を見れば1目瞭然なシチュエーションって訳で、そんなブース設定を目の当たりにした各社が、明日以降どんな具合にお互いを気にしながら「如何にして目立つか」って事を実践して来るのか、これはこれで興味がある。実は隠れ1位があることは内心感じていたりするんだけど、ね。

 個人的な印象から言えば1番はバンダイでしょう。だって踊っているミニスカートの女性がブースの上に作られている舞台まで上がっていって踊ってくれるんだよ、それってつまりはそーゆーことなんだよ、これでオチない男なんていないよね。はあ。ちなみにちょっと奥にあるゲーマーズドリームのブースでも、ミニがお立ち台でぶんぶんなので、今日の「FRIDY」を表紙の見出しを見ただけで即座に買った貴方はすかさず直行だ。ああ奥菜恵が松下由樹が桜井淳子が江角マキ子がぁぁぁ。閑話休題さてバンダイでも見物ややっぱり「エヴァ」でしょー「N64」向けに作っている「新世紀エヴァンゲリオン」をプレイしたら3枚組のカードダスがもらえるとか。せからガンダム20周年を記念したのかしないのかな「逆襲のシャア」。「ガンダムゲームに当たりなし」とまでは言わないまでも、およそ最終兵器に近いエピソードだけにファンの期待は小さくないから、裏切られた時の反応も小さいはずは無い。裏切るんじゃねーぞバンダイ。

 他にも山と新作ソフトがあったみたいだけどシンポジウムに新作ソフトの発表会で出たり入ったりが忙しく、ゆっくりとブースを見て回れなかったんであとは後日。発表会ではタイトーのDC参入第1弾が「サイキックフォース2012」に決定、あのアーケードの動きを家庭用に完全移植していち早く出すことだけを目指しているそーだから、出来は期待できそーだけど新機能についてはおよそ未定。ネットワークとかビジュアルメモリとかへの対応もいずれは明かとなるでしょー。あとスクウェアは初の実写取り込みゲーム「アナザーマインド」を発表。ノイローゼな松本じゃなくって松下の方の恵ちゃんが登場したけど実は彼女が何者なのか良く知らない。伊藤かずえさんはすでにして大人の魅力に踏まれたい気分が沸き起こる。山下真司さんにはやっぱりラグビーボールを放られたいね。

 やだまり営業中。っても知らない人はまったく知らない矢田真理さん(字、違うかな)って昔いた会社が叩き売られそーになって辞めて別のシンクタンクに移ったアナリストが、国際的なゲーム団体を招いてのシンポジウムで洋の東西のゲーム会社のトップの人たちを相手に名刺を配り英語を駆使して話しかけていた。そのあくまでも低い勢いの姿はなまじ愛国者的なプライドを誇示して外人には話しかけず(実は英語が話せないだけ)、パーティーでも沈黙を守り続ける(実はただの人見知りな)某工業新聞記者とは対極にある。夕方のパーティーでもやっぱり熱心にあっちの偉い人こっちに凄い人と挨拶を交わしていたみたいで、その姿を未だオーバーハングが崩れ落ちそーな日比谷公園横のガラスの巨塔に棲む人々に、見せて「おまえらもっと頑張れよ」と言ってやりたくなった。ちなみに僕は偉くも凄くもないので挨拶はしてもらえません。ちょっと悲しい。

 「こなみるく」で「勝手に桃天使」のスタンプシートとコースターを買って帰宅。純金の片(0・25グラム)が張り付けてあるテレホンカード大のカードにあの「ときめきメモリアル」のキャラクターを描いた「ときめきメモリアル ゴールドコレクションカード」って商品を、13枚組にしてブックタイプの台紙に挟み込んで2万円の値段で売っていたけれど、とりたててファンじゃないから買わない。ファンなら買うかってゆーと買うんだろーな、2万円だろーと。明日以降の動きにちょっち注目。帰宅の途中で買った「噂の真相」は、記事に最近黒々とした話題が目白押しなNECの記事が出ていたけれど、朝読んだ「サンケイスポーツ」に某工業新聞が「産業広告大賞」ってのをNECに与えたって記事が載っていたのを見ただけに、これはやっぱり何だよなー、って気にかられる。何ってのはちょっと僕には言えませんが、人によっては「英断」とも、あるいは「愚挙」とも呼ぶ事はおよそ想像に難くありません。しかし、やっぱり、何だかなー。


【10月8日】 録画しておいた(あっ、昨日と同じフリだ)「バブルガムクライシス」の第1話を見る。実は前のバージョンってのを見た事がなく、そっちのと比較はちょっと出来ないんだけどピンの作品として見た印象は……まあこんなものでしょうね。女の子の顔は可愛いし胸も大きいし絵としては結構まとまっているように思ったけど(動きもね)、お話のツカミとしては自分的にはちょっち足りんかな、ってな気がした。

 ってゆうか「ナイトセイバーズ」とゆー集団がいて暴走するロボットと戦っていてそれを新人OLが目撃して、って展開はいかにも「ありがち」で、1話見逃すと損をするかもってな気持ちにまださせてくれない。だって「バブルガム」ってそーゆー話じゃん、と言われればそれまでだけど、山ほどのアニメがある中でグギゴガギッと人の関心を惹いて止まなくするには雛形のよーな展開で安心させつつも、そこに罠めいたものを散りばめて見ている僕たちをはめて欲しい。まだ見えないだけで実はどっぷりな落とし穴もあるかもしれないから、ここはあと数週間は見ていくつもり。秋は夜も長いしね。

 起きて紀尾井町あたりをウロウロ。岡山の人とどっかで落ち合ってお話を聞くってことになっていたけど、場所が定まらず「ニューオータニ」のラウンジではどーだ、って思って行くと赤坂見附から道の辻々どころか数メートルおきに警察官と私服の刑事が立っていて、一応は背広を来ていたけれど髭面に丁髷な胡乱な風体の僕を横目でジトッと睨む。そこは愛想笑いをしながらぐるりと回ってアーケードのフロアに入るとこっちは、通路の角々に私服の人が立っていて、どこか良い場所はないかなー、と探して歩く僕をやっぱりジロッと睨んでヤバげな雰囲気。これじゃーインタビューなんてとても無理と、早々に退散して四谷へと向かい、どーにか麹町で落ち合って岡山名物吉備団子の話とか、山口名物萩焼の話とかを聞く、わきゃないわな。赤尾先生によろしくとの事でした最近応援が足りんとの事でした。どっとはらい。

 麹町から有楽町へと回って東京国際フォーラムで開かれたバンダイの新携帯型ゲーム機の発表会へ向かう。PR代理店の人が当日の客入りを心配して心配し過ぎで直前までハラハラしてたけど、当日は広めのBホールにぎっしりとお客さんが入ってまずは成功なイベントになっていた。薄型のモニターを幾つも天上から吊り下げていたセットとか、花道を作って胸がでっかくスカート短くお尻がドン、な女性をいっぱいの女子小学生とか女子中学生とかと一緒に歩かせる演出は、超絶的に長かった某「ドリームキャスト」の発表会よりもツカミではオッケーだったかも。ただし途中で抜けてしまったのでその後例えば寒ーい演出になったかどーか、僕の関知するところではないので悪しからず。

 さてゲーム機だか名前こそ噂されていたものと違って「ワンダースワン」となっていていたけど、スペックは16ビットCPUに大きめのモノクロ液晶で価格は4800円と、雑誌あたりに出ていたものと大差はない。ソフトの方はと言えばバンダイだけじゃなくナムコにタイトーにアスミック・エースにコーエーにコトいコナミにサミーにヒューマンにetc、とサポートする会社もそれなりにあって、発売時には10本のソフト、2000年3月末には100本のソフトがそろい踏みすることになるとか。バンダイだけど企画監修がスクウェアってな「チョコボの不思議なダンジョン」が入っているのが面白い。同じくバンダイの「新世紀エヴァンゲリオン/使徒っち」ってのがいかにもなタイトルだけど「シミュレーションRPG」ってあるからただの育成ゲームにはならないはず、だよな?

 帰って届いていたこっちはソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション」と連動させて遊ぶPDAの「ポケットステーション」とかSNKの「ネオジオポケット」とか任天堂の「ゲームボーイカラー」とかをまとめて「携帯型ゲーム機戦争勃発」的な記事を書いてぶち込む。まあ商社は圧倒的に任天堂となる確率が高いんだけど、意外やバンダイの「ワンダースワン」のスペックにクリエーターがちょっぴり関心を示しているって話もありゃこりゃで、あの故横井軍平さんの”想い”がこもったハードとして、完成度への期待も高く来年3月の発売時にはまあそれなりな話題が期待出来るんじゃないかってな気がする。「ポケットステーション」は3000円だからちょっぴり高めなメモリーカードとして買えば安心てか。ソフトもSCEから結構出るし他からもたくさん出るみたいなんで、まあそれなりな売れ行きは示すかな。僕は買わないけどね。必要ないし。

 でもすでに予約してしまった「ゲームボーイカラー」はソフトも含めて絶対に買う。とゆーより買うべきとの意志を任天堂が浅草橋の東京支店で開いたマスコミ向けの内覧会をのぞいて決意した。だって綺麗なんだもん、カラーって、あんなに小さい画面なのに。例えば今も売っている「ドラゴンクエストモンスターズ」がちゃんとカラーで見えて来る。それより専用に作っているとかゆーコナミの「ときめきメモリアル」の「CB」版ソフトはちゃんと以上のカラーで女の子たちが表現されている。これについてはどんなタイトルになるのか解らないけど、今さら家庭用ゲーム機でプレイするのも時期外しているよーで恥ずかしいな、って想っていた僕を、「これなら手始めに良いかな」、と想わせる。何時発売だー!

 赤外線のポートもついてるし、110グラムの「ワンダースワン」に比べるとちょっぴり重たい気がするけれど、持っていて決して我慢できない重量じゃない。ボタンのレスポンスが家庭用ゲーム機に慣れた目には間延びして辛いけど、外で遊べてこれしか無いんだったら仕方がないとあきらめられる程度の速度はある。「マリオ」なんかは難度もあって結構ハマれそーで、プラス「ポケモン」の金銀珊瑚が発売されれば、なお一層のユーザーを広げて携帯ゲーム機市場のシェアをカッパぐ事は確実だろー。やはりおそるべし、だな任天堂。来年3月までの発売にまんだ間もあることだし、衝撃を認めていっそ「ワンダースワン」もカラー化しません?


【10月7日】 録画しておいた「ジェネレイターガウル」の第1話を見る。ヒロインらしー女の子がいきなり頭にお茶っ葉の缶をのせていて驚くが(違うって)、お話自体はどーやら未来か異世界か外国かどっかから来た救援者が陰謀を戦うってな設定っぽくって、お金がなくってお茶缶載っけた女の子のバイト先で一悶着起こしてやれやれ、ってな展開のベタさにハマれれば結構見ていられるかもしれんと考える。以後は学園ドラマに敵とのバトルが繰り返される展開を予想、それもまー安心できる内容か。2007年になってもほとんど代わってない街並みとかが逆にリアル。しかし昔の熱血なイメージからすると、タツノコプロダクションってずいぶん変わったんだなー。

 ってな印象を持ったのは、ワーナーヴィジョン・ジャパンから届いたプレスリリースを読んだから。何でもタツノコプロと組んで昔懐かしいTVアニメのシリーズをビデオにして発売することになったとか。で第1弾があの「科学忍者隊ガッチャマン」に「タイムボカン」に「新造人間キャシャーン」の3本各2巻。それぞれに笹川ひろし総監督御自らセレクトした抜粋の2話づつが収められていて、価格は2980円とシリーズで通して見られない点をのぞけばまあお買い得。それ以上にグッドなのがジャケットで、今はタツノコの副社長にまでなった久里一平さんが描き下ろしたイラストを使用。「ガッチャマン」の第1巻なんか白鳥のジュンちゃんが白いのをモロに見せてくてちゃっていて、小さいながらも体の中心部を奮い立たせたあの頃の記憶が、むくむくと頭を持ち上げて来てちょっと困った。いや嬉しかった。

 10月25日発売の6本に続いて11月26日にはこれも涙の「破裏拳ポリマー」と「宇宙の騎士テッカマン」とそして「未来警察ウラシマン」が2巻づつ6本リリースされる予定。「ウラシマン」あたりは本当は揃いで見たいんだけどね。初回封入特典ってのがオリジナル携帯ストラップってあるけれど、それぞれのタイトルごとにそれぞれのキャラクターのストラップが付いているんなら、こりゃもう絶対に買いだよな。とくに白鳥のジュン(が付くとは限らない。ミミズクのリュウだってこともあるんだぜ)とマージョさま(淳子ちゃんでも良いけどね)。オリジナルTVシリーズの開始といい旧作のビデオ化といいプライズでの人気沸騰といいムックの続々刊行といータツノコプロがちょっとだけブレイクしそーな予感。これも過去の遺産たるコンテンツがあったればこそで、20年も語り継がれるだけのタイトルを果たして作っているか、作れているかを今の膨大なアニメ垂れ流し状態の中で、テレビ局も製作会社もまちっと考えてやってくれい。10年後にちびちびレインの携帯ストラップを、あなた欲しい?(欲しいかも)。

 「蒸気探偵団」の第1話。山場がないままべらーっと話が進んでいつの間にか終わってしまう印象があって、あんまり夕方の番組って気がしない。鈴々ちゃんは可愛いし、絵もたぶん原作の雰囲気をうまく再現できているんじゃないかと思うけど、バトルシーンにロックってのかなそんな感じのテーマソングを流してみたりと音楽的にあんまり納得いかなかったりして、感情を乗せるのにちょっと時間がかかってる。まあ拠り所たる美少女キャラは鈴々ちゃんがいてくれるだけで、次第にのめり混んでいけるから良いんだけど。その鈴々ちゃんの声を当てているのが田口宏子さんてあんまり知らない人で、gooにかけたら「はれときどきぶた」なんかでみゆきとか、生徒とかを演っていた事が判明。丸注の印を勝手に付ける。もしかしてすでにして有名な人? なのかなあ。

 さてと森博嗣さんは犀川&萌絵シリーズの最新作「有限と微小のパン」(講談社、1200円)を購入。読後の印象は「四季ちゃん可愛いっ!」ですね。もちろん四季ちゃんとは第1作「すべてがFになる」に登場した天才プログラマ(音引きは無いんだね)の真賀田四季。ありゃこりゃやって逃げてたのが3年半の時を経て九州の地に甦り、犀川&萌絵チームに挑戦状をたたきつける、ってのとはちょっと違うけど結果的には彼と彼女たちの絡みを軸に、恋だの愛だの人間ってのは実にフクザツな生き物だわな、ってな話が展開される。事件そのものは別にして、仕掛けの大きさはシリーズの中でも随一かも。思うに最初からずいぶん変わった森作品への印象だけど、変わったのはこちらであって作品そのものの思想は一向に変わっていないのかもしれない。部屋のどこかにあるはずだから、掘り返して読んでみるか「F」から全部。


【10月6日】 日曜日の中村アナのビデオを撮り忘れて悔やみつつ、とり・みきさん家よりのご案内を紹介。何でも「ダ・ヴィンチ」の11月号の特集「マンガVSミステリ」に猫田一金五郎シリーズが2ページカラーで掲載されているとかで、早速見るとあったあった、ナナメな屋敷での事件をあろーことかナナメのコマ割りで表現する未聞なマンガで、人形使いに黒手袋と散りばめられたイジリも美味しく短いながらも楽しめました。ラストにちゃんとオチまでつけるプロはやっぱり凄い。

 あとこれは宣伝すると混んじゃうから困ってしまうんだけど、「石神伝説」の第2巻の発行記念サイン会が新宿ルミネ2の青山ブックセンター・ルミネ2店で開かれるとかで、日時は11月20日の午後5時からだから、去年の平日だったABC行き損ねた身としては金曜日の開催は有り難い。がしかし午前8時からの整理券配布とあるから、こりゃもーこないだの京極さんの朝8時半なんか比じゃないくらいの早起きに務めなくてはならない。やっぱ朝6時かなあ。星雲賞受賞マンガ家にして文春漫画賞受賞作家だもん徹夜組だって出ますよね。作りますよね。ねっ。担当編集者の人たち。

 いよいよもってセガ・エンタープライゼスの巻き返しが始まるかな「ドリームキャスト」のソフトほかいろいろな発表会に高輪のプリンスホテルに行く。まあ将来僕が結婚式に使うことは絶対にありえない飛天の間にズラリと並ぶ椅子椅子椅子の間を引っ張られて無理矢理着席させられたのが列の中程で、これでは写真も撮れなければ途中トイレにも立てやしないとちょっとだけ悩む。がまあ30分くらいで発表は終わってあとは実機のお触り放題タイムに突入すると思って我慢していたのが間違いの元。いつもながらの大川功CSK会長にしてセガ会長のご挨拶(なんか神妙だったぞ今日の大川りん)に始まって、我らが入交昭一郎社長の本体希望小売価格29800円ほかを発表するプレゼンテーションと続き、周辺機器の発表ソフトのラインアップ紹介と流れてサードパーティーからカプコンは岡本吉起常務の「魔界村フォーDC」じゃないゾンビが出るゲームの発表へとなだれ込む、その間およそ1時間は経過したにも関わらず一行に仕舞の雰囲気が見えて来ない。

 重量感のおよそ感じられないゴジラメカゴジラ初代ゴジラにミニラのまるでペーパーモデルのよーな街を蹂躙する様がバカゲーっぽくって楽しい「ゴジラジェネレーション」とか、ムービーシーンはもー天下一品なのに格闘シーンにはいるとアーケード並にしか見えない(それだけでも凄いんだけど)「ヴァーチャファイター3tb」とか、同じくアーケード並だけどネットワークを会した通信回線はちょっと面白いかもな「セガラリー2」とか、戦車が弾を撃った瞬間に立ち上る煙の動きのリアルさに悶絶しつつもその性格上1999年7月までの限定販売ソフトになっちゃうのかなな「JULY」とか、すでに発表済みの「ソニックアドベンチャー」とかペンギンがあんまし可愛くないみたいな「ペンペントライアイスロン」とか色々なソフトの紹介映像が、繰り返しもう嫌というくらいに流されて人々の目にその描画能力の高さ処理能力の速さを植えつける、んだけどすでにして飽きて寝ているプレスもちらほら。夕方の微睡みって気持ち良いんだよね。

 それでもかの鈴木裕さんが登壇しての開発コード「プロジェクト・バークレー」の発表時にはちゃーんと起きてメモを取るあたりは流石セガの立役者、周囲の期待の大きさがハンパじゃないことを改めて見せつけてくれた。ド忘れしたけど99年の春だったかな、発売するのはジャンルとしてはどーやらRPGらしーけど、格闘シーンも「ヴァーチャ」な人だけあってそれなりの仕組みが作られそー。とにかく口をモゴモゴさせながら、でも訥々と語る当たりは無理して格好付けよーとしてスベりまくってた「ソニックアドベンチャー」の中さんとは、ちょっと雰囲気が違ってた。他にハプニング的にはナムコの人が登壇してサポートを表明したことくらいだけど、想像するに表裏一体で「プレイステーション」を作りながらも最近ではスクウェアの影で目立たないナムコの矜持とも取れるだけに、具体的なタイトルが決まるまではもーちょい様子を見ていたい。「鉄拳4」を「DC」で、ってあんったらインパクトはあるんだけど、でもやっぱり「FF」「DQ」ほどじゃーないからね。

 総括すれば29800円とゆー価格は大人的にはオッケーで、通信機能もはじめからついてインターネットの接続も超簡単で来年には「WebTV」も利用できるよーになるとあっては、アピールする層を広げればきっと引っかかって来る人たちがいるだろーね。量産効果が出てくれば、入交さんも言っていたけど10%から15%くらいの価格圧縮の可能性もあるみたいだし、ソフトが充実してミリオンが出るかな、どーかなってな時期になればさらなる需要を呼び込むだろーね。ただし29800円とゆー値段が子ども的にオッケーかは正直言って解らない。拠り所となるのが子ども層における「湯川専務」の絶対的な知名度で、それは往時の高橋名人に並ぶ人気だったりするかもしれないけれど、一般の例えば新聞社のデスクくらすにまで、「湯川専務」の名前と顔と演技とボケが浸透している事実を鑑みれば、すでにして「セガサターン」を上回る認知度を、生まれずして「DC」は得ているのかもしれないと、太っても秋元康な思いを改めて抱く。

 デモの場面では具体的なソフトとして名前は挙げられなかったけど、モニターには何故か一瞬だけ登場した「サクラ大戦」のシーンから想像すると、とーぜんの如く「サクラ大戦3」は「DC」で出るってことになるんだろー。会場にはあの広井王子さんも歩いていたし、そーなればもー売れないといったって僕は「DC」を買いに、11月27日の発売日には販売店なりデジキューブが絡んだコンビニやローソンへと足を向けることになるんだろー。しかし広井さんは見かけても何故か発見できなかったのが、岡本カプコン常務曰く「ゲーム業界で1番黒いスーツが似合う男(2番は俺様だ、チッチッチッ)こと飯野賢治さんだったけど、単に見かけなかっただけかもしれない。ともかく例の「D2」もまとめデモの場面でちゃんと紹介されていたから、9日からのゲームショウでドンデンなんてきっとやらないだろーね。たとえ深夜のテレビ東京のニュースで「PSで人気だった『Dの食卓』の続編も出ます」なんて「PS」に絡んだ報道をされちゃったとしても。

 引き出物に例の渦巻きマークが入った金太郎飴入りのプレスキットをもらって帰社。場内では今や「NINTENDO64」エヴァンジェリストとして活躍な平林久和さんも歩いていたけれど、さて「DC」はいったいどーゆー風に映ったんでしょーか。ともかくもソフトは年内に12タイトルほどは出るみたいで、将棋とマリオともう1つは何だったっけ、くらいしかしばらくソフトがなかった「NINTENDO64」に比べれば、まだまだ幸せなスタートを切れるんじゃないかとゆー気はする。前述のよーに知名度もあるし、予約すれば「湯川専務ストラップ」ももらえるし(これが発表になった瞬間場内は苦笑に包まれた)、ソフトを買えば買うほどスタンプがたまる仕組みも作るみたいなんで、場合によっちゃー国内に限れば「N64」に比較的早い時間に肉薄出来るんじゃないかって気はしてる。最初は20万台から40万台程度の出荷でたぶん即日完売の可能性が吉。以後は追加してソフトがブームになってネットの活用も始まって、年内に100万台の大台に載せられれば、世紀末のセガは救世主伝説を刻むことが出来ないこともなさそーですね。ダメだったら? それはもー神の領域ですの神様に聞いてやって下さいな。しばらくは生きてると思うし。


【10月5日】 同志社大学の出身だった種ともこさん、の解答に反応して頂けた方2名ほど。うち1名は自身”同やん”で隠れ種ともこファンで、前に超有力エンターテインメント業界誌に務めていた時代に(それともフリー化した後?)、職権を濫用して種さん家に取材に行ってしまった事もあったとか。決して美人、とは言えない顔立ちに歌の内容も甘いラブソングとはほど遠い(「10円でごめんね」だもんね)、にも関わらずかくも大勢のファンを持つ種さんの魅力って、やっぱりあの歌声なんだろーなー。ムッチリしたボディも結構好きですけんどね。最近はとんとCD買ってなかったけど、話題になったし面白そーなアニメの主題歌だし、今度のシングルCDは買ってみよーかなー。

 ムッチリと言えばペルージャ中田の試合の一部を見ようと「プロ野球ニュース」を付けて登場した中村アナの赤い服装が体にピッタリで胸の双球がクッキリで、どーでも良い横浜ベイスターズの昭和35年の優勝争いのドキュメントを見ながら間に登場する中村アナにもう目は釘付け、でした。長嶋一茂邪魔だーっ。関根邪魔だーっ。いっつも同じ服装をしてくれるかどーかは解らないけれど、かつてあの宮崎美子の「今の君はぴかぴかに光ってーっ」のCMとか、斉藤慶子のレオタード大股開きCMとかを見たいがために、佐々木信也がいつもニコニコしながら喋る野球の経過を眠い目をこすってぼわーっと眺めていた時以来、超久々に「プロ野球ニュース」への興味が沸いてきた。いったい何10年振り、なんだろー。

 むりゃむりゃと起きて大日本印刷が作ったプレゼンテーション用ホールの見学会に行く。2000万円もするフランク・ステラ製の足拭きマット(違うー)が壁にかかっているのを眺めつつ、エレベーターに乗って2階に上がり渡り廊下を抜けて円筒形したホールへ向かう。入るとまるで190年代とかに夢みられていた21世紀の室内、ってな雰囲気の直線が多用され薄暗い中にぼーっと床全体が光る照明が使われた部屋があり、赤いスカートのコンパニオン(市川さんね)が出迎えてくれた。目の前に並べられたモニターを見ながら、インターネットを使った例の一筆書きイベントとかを一生懸命紹介してくれる市川さんだけど、何故か部屋に置かれた座面が鏡仕上げになっている椅子の側にすっくと立ったとき、聞いていた僕の目線が当然のよーにすーっと下がって、鏡仕上げの座面に向かったことは言うまでもない。理由? 言うまでもないね。

 結果から言えば床からの光量が足りず目的は果たせなかったって事だけど、ここに書いてしまった以上は読者でもある大日本印刷広報室、きっと市川さんへと告げ口して、当日はブルマーで完全武装の仕儀となること確実、な訳はないむしろ椅子の側には近寄らないよー注意するって事になりますか。まさかパンツルックにするなんてこたぁーねーよな? 無念さを心に呑み込んで地下に降りて巨大な背面式のプロジェクターに映し出される大日本印刷の教宣ビデオみたいなもんを観賞、ハイビジョンだけに画面はどこまでもくっきりだったけど、音声は部屋で再生可能なドルビーデジタルじゃなく、四方から聞こえる立体音響を体験できなかったのはちょっと残念、かな。次は5・1チャンネルのDVDの鑑賞会をしましょーね。でもアダルトDVDに5・1チャンネルのなんてあるのかなー。

 弁護士会館で開かれたゲームソフトウエア流通事業者協会の記者会見に行く。前にエニックスとかコナミとかっていったゲームソフトのメーカーから訴えられた流通事業者だけど、大阪で訴えられたアクトとは同じARTSに属する上昇が、今度は逆にエニックスを訴えたから吃驚仰天、はしないけれども今のこの「東京ゲームショウ」を控えて業界の足がウキウキしている時期に、思いっきり冷や麦を、じゃない冷やし飴を、でもない冷や水をぶっかける提訴に、お腹と背中がくっつきかけてる流通事業者の裁判への本気(マジ)度を見た思い。これで週末の「ゲームショウ」のパーティーは、福嶋社長がどう吼えてくれるのか、他の人たちがどんな反応を見せてくれるのか、取材する楽しみが増えた増えた。隠れ種ファンな人が火に油を濯ぐよーな言動をしないか、それが楽しみで仕方がない。待ち遠しいぜ週末。「CCさくら」の歌も聞けるかな。

 「ナンバー」も良いけど実はこっちの方が好きだったりする「スポーツアイ」って雑誌があって、それは例えば新体操で垂直に足をあげた美少女を撮影した写真を表紙とかグラビアとかに掲載してしまう雑誌で、だけに編集スタッフも半分どころか8割9割カメラ小僧ってな連中が、趣味と実益を満足させつつ作っているかと思っていたら、朝日新聞の夕刊に紹介されていた「編集部のひと言」によると、驚くべきことにスタッフは全員が女性なのだとか。スポーツという力とはまったく別の次元に属する、見かけの「美」を追求する「差別的」との謗りも免れ得ないスタイルの雑誌であるにも関わらず、女性が編集で読者も女性がほとんどだったりするこの現実。マイケル・ジョーダンが飛翔している写真だったら別だけど、マッチョな男が柔道だとか体操だとかをモッコリさせながらプレイしている写真を”普通の”男が見るとは思えないのに、女性は綺麗な女の子の写真は見るんだね。1つ勉強になりましたが、それでも僕は興味本位で「スポーツアイ」を追い続ける。「新体操」と「ビーチバレー」の特集を期待するぞ。


【10月4日】 それは10月28日になりそうなのは、「期待しない時代」のタイトルでおまけもついてサービスサービスゥ(死語、なのか)なガリ版印刷(嘘)が出回っていたポール・クルーグマンの例の本@山形浩生訳で、漏れ伝え聞くところによると青焼き(大嘘)が出回ってから1年近くも出版が遅れたのは、例の戦争とは一切の関係がなく、またそこに一切の奸計もないとのこと。何せこの未曾有の不景気ってご時世に、最近では朝日読売日経あたりの巨大資本が、クルーグマンのご高説を掲載し始めていて、あるいは横取り抱え込みなんて事態も予測していただけに、体面を気にして「大統領裸の執務室@柳下毅一郎訳」のような真似はとうてできない(割には発行しているエッチなシーンを必ず抜き訳する下心も見え見えの)新聞が、つまらない翻訳で本とかムックとかを出してしまうなんて事態にならず、まずは善哉と胸をなで下ろす。ここに膨大な訳者後書きハード版があるので関心のある人がゴー! でも慶応英文学の人は見ると卒業に関わる可能性もあるかもしれなかったりするらしいとのことだから、学校ではこっそりと見よーね。

 でっかいテレビにご満悦で朝の5時過ぎまで「lain」とか「EVA」とかのDVDを観賞したり、「ナムコアンソロジー2」のゴルフゲームをプレイして過ごす。大きなアスカは可愛いなあ、ってたかだか21インチしかないんだけどね。前のテレビを使った年月の8年を今から経れば、こっちも1・5倍に出世するのかと考えれば、40過ぎてよーやく33インチあたりの(そんなサイズあったっけ)ワイドテレビを買えるって事になるのかな。世も白み始めたので「ガサラキ」を撮影するためにビデオをセットして睡眠。3時間ほど寝てから「ガショッ!」とビデオのタイマーが動き始めた音に目を醒まし、ままテレビをつけて放映始まった「太陽の牙 ガサラキ」を見る。いや違った「装甲騎兵 ガサラキ」たったっけ? どっちでもいいや高橋良輔監督の最新作は、ロボットは「ガンダム」に代表される美麗なヒーローの象徴ではなく、「ダグラム」や「ボトムズ」と同じく兵器でありまた設定を動かすための道具としての存在に過ぎず、むしろ登場人物たちの背景なりドラマでお話が進められて行きそーな予感を持つ。

 主題歌がヘンな声だなー、っと思っCMを見て仰天、種ともこぉぉぉぉっ? そうあの「10円でごめんね」で有名な(古すぎるぅーっ)京都出身のシンガーソングライター(立命館だったっけ? それとも同志社?)、種ともこさんが主題歌とそしてエンディングの両方を歌っている。オープニングは能楽とゆーか邦楽とゆーかエキゾチックとゆーかエスニックとゆーか、とにかく得体の知れない雰囲気を持った楽曲で歌詞も英語になっていて意味が分からず、その雰囲気で心臓をバクバクとさせつつ超絶的に動くアニメの映像へと、心を手中させる良い手引きとなっている。オープニングで遠望から地面に立っている人間へと近づきつつ回り込む、ってのはやっぱりCGでしょーか詳しい人? 素早くかつ瞬間で切り替えるので質感の違いとかを認識するヒマがないんでちょっと解りませんが。エンディングはもっと唄になっていてその声は昔からのファンも納得の種節ド真ん中。CDが出たら多分買って嘗めるよーに聞くでしょー。

 種さんがデビューしたのって多分僕が大学生あたりだった13、4年も昔の話で最初は何枚かずーっとアルバムを聞いていたけど、最近はとんとご無沙汰だった。ちょっと前に中古屋で「オハヨ」の入ってるライブビデオを買って懐かしんだりしてたけど、今も現役でバリバリやっていると聞いてちょっと安心。やっぱり大学生くらいの時にデビューして、同じ京都出身(こっちは同志社)で結構人気も出て、でも疲れちゃって止めてカミングアウトしてソロでアルバムして、けどやっぱり疲れちゃって今は京都にいながらバンド活動を続けている笹野みちるさんの消息も確認出来たし、京女の(種さんの出身が京都かどーかは知らないけれど)しぶとさには甚だ感心いたします。前週までの音波兵器とは一転しての、さわやかじゃないけど心の表面をちょとザワつかせる種さんの声で、日曜の朝はしばらく楽しめそー。お話は? まあそっちも当然楽しめるでしょー。


【10月3日】 いよいよ始まった全面対決への狼煙に単なるヤジ馬としてオモシロがりつつ、仮に今の日本経済にとっても重要なアドバイスを与えてくれているんじゃないかな、なポール・クルーグマンの論文@山形訳とかがバンバンと世に出て来るよーになれば、今は3000人しかいない山形の文字にピンと来るファンも、一気に3万人どころか30万人へと増えて、一躍”時の人”化する可能性だってあるよなーと、思いそーなった時には是非ともウチの表にも出てね勿論ノーギャラで、と媚び媚びしておく。しかし去年から言われていたメディアワークスでの翻訳出版って、いったいどーなっておるのでしょーか。係争の影響があるとしたらそれは、日本にとってとってもとーっても残念なことです。

 むりょむりょと起き出して木場の東京都現代美術館へ「マンガの時代」を見に行く。そーか国樹由香さんはもー見ていたのかなが仰るとーり、原画は少なくほとんどがコピーをパネルにしたものの展示で、すべてがナマ原稿だった8月の新宿高島屋でのイベントに、その点についてはちょっと見劣りがするよーな気がした。あっちはだって、萩尾望都さんに高橋留美子さんのナマ原稿がたっぷりだったんだからね。けど「マンガの時代」は、何もナマ原稿を1つの作品として見せる展覧会じゃく、マンガがどういう変遷を辿って進化し、どういう表現方法が生まれ、どういう影響を与えたかを分析する展覧会だから、別にナマ原稿である必要はない。むしろキュレーターがマンガをどう分析し理解してアートという文脈の上で定義づけているかの方が、重要な要素になっている。

 で、入ると第1室がいきなり手塚治虫さんに始まって多様化から劇画へと進む猛スピードの展開に、いわゆる「マンガの歴史」を見せよーとする展覧会ではないことを強く理解させられる。後は例えば「ユーモア・ギャグ・ナンセンス」とか「SFとファンタジー」とか「ホラーとオカルトの世界」とか「ヒーロー・ヒロインの系譜」とかってなテーマに即したマンガをピックアップしていく一種の「テーマ展」で、それぞれのセグメントを実に見事に体現するマンガを集めた展示に、よほどこのキュレーター、マンガが好きで詳しいんだってことを理解する。「サイボーグ009」を出す場面で、002と009が成層圏を突き抜けて地表へと燃えながら落ちていく、最も美しく最も悲しい場面を抜き出すセンスに深く感嘆。もうこれだけで僕は展覧会を支持します。

 他にも「格調する身体」ってコーナーで、壁にでっかくそれこそ縦4メートル横4メートルはありそーな巨大な壁に「リングにかけろ」で「ギャラクティカマグナム」が放たれる瞬間を大伸ばしにして描いてしまう、そのセンスがたまらない。2階に上がって窓際の通路に移る場面で等身大の立て看板にした綾波レイを立たせ、その後に赤塚不二夫キャラを並べて「巨人の星」キャラを並べて、最後の突き当たりにふくしま政美の「聖マッスル」が目覚めた場面を立て看板にして置いてしまうセンスが格好良い。再び部屋に入ると志郎正宗の描く密林のよーな電脳世界が大伸ばしになって壁に描かれている、その演出が心憎い。

 数少ないナマ原稿に何故か西原理恵子さんの「まあじゃんほうろうき」を混ぜてしまうのが素晴らしい。某「UNO」の今は無き(某誌で続いていたりするけど)「鳥頭紀行」で描かれていたよーな、ヨダレも染みも切り張りもない実に綺麗な原稿でちょっと驚く。スコッチで紙を張り付けていたあたりに片鱗は伺えたけれどね。マンガとアートの境目を示す展示で現美が誇るリキテンスタインの「ヘア・リボンの女」を並べていたのはご愛敬。もしかしてこれを展示し正当化するため”だけ”に今回の展覧会は企画されたのかって、そんな事は思いはしません感じるだけです悪しからず。とは言え、惜しまれつつ世を去ったタイガー立石さんの実作が並びに展示されている当たりに、やっぱりキュレーターは本気でマンガの意義付けを考えているんだってことが伺われるので、やっぱり結構な展覧会だと反感を評価に転じる。

 最後の部屋は、奈良祥智さんに太郎千恵蔵さんに我らが村上隆さんのそろい踏みとあって、まるで小山登美夫ギャラリーの出張版。中でも奈良さんの作品は、画集ではイラストにしか見えなかったモノが、大きなキャンバスに描かれた様を見てよーやく、アート作品だったって事に気付かされる。太郎さんも同様。写真で見た目はへたくそなマンガを題材にした落書きにしか見えない絵でも、実物は巨大なキャンバスに描かれた油絵で、マンガというモチーフを消化し昇華させた果ての作品だってことが解る。村上さんは例の「DOBくん」の旧作を何点か。某氏が所有している日本画の画報で描かれた波乗り「DOBくん」を再び見られてちょっと嬉しい。ラストの展示されていた、まるで新谷かおるな美少女が登場するテレクラちらしを巨大なポスター大にしていっぱいに並べた西山美なコさんの作品「ときめきエリカのテレポンクラブ」に圧倒される。売店でレプリカ(あるいはモノホン?)を売ってたけれど、怖くて値段は聞けなかった。数万円だったら買っていたかもしれんなー。

 展示してある原稿の、場面を見てストーリーを思い浮かべられる作品もあれば、場面を見てもっと続きが読みたいと思わせる作品もあって、こと名場面のピックアップにかけては相当に評価できる展覧会との感想を抱く。カタログには展示してあるこれらの名場面の全てが載っている訳じゃないから、行った人はカタログ買えば良いなんて安心することなく、じっくりと目に焼き付けリアルタイムに見た人は往時を懐かしみ、初めて接する人はそのパワーに圧倒されて戴きたい。評判になればなるほど混む予感がするから、ゆっくりと間近で原稿とかを見たい人は、とにかく早めに行くのが吉かも。あと売店でメディコムトイの人形とか、立体物の初号機が胸元から飛び出しているTシャツとかを売っているから、流される人はお金をたくさん持って行きましょー。

 清水マリさんと緒方賢一さんのトークがあるとのお知らせに後ろ髪(しか残ってないんだけど)を引かれつつ退散。の前に向かいにあるローソンに入ったのが運の尽きで、ついつい見かけた「ゲームボーイカラー予約受付中。クリアパープルもあるでよ」のポスターに、絆されてロッピーでついつい予約を入れてしまう。手持ちがないので近所にある信用金庫まで走って現金を降ろし、30分とゆー予約手続き可能な時間に戻って万札といっしょに予約標を差し出し手続きを済ませる。スケルトン大好きなさいとうよしこさんは当に予約済み、なんだろーなー。10月21日の発売日に会社に行く途中で木場に寄ることこれで確実。しまった「ドラゴンクエスト」のGB版もいっしょに予約しておくんだった。

 壊れたテレビを遂によーやく買い換える。近所の長崎屋まで出向いて21インチのソニーを購入。「持ち帰ります」と言って「重いよ」と言われ、けれども「大丈夫です」と言い切って26キロもある箱を休み休み運んでよーやく200メートルほど離れたアパートまでたどり着く。手はもー棒です明日は筋肉痛だーっ。巨大なモニターに横長で平面が主流のご時世に、ごくごく普通のモニターでトリニトロンだから平面に近いけど完璧じゃなく、ステレオだけどBSチューナーの付いていないテレビはちょっと格好悪いけど、前がモノラルの14インチだった事を考えると、一気に1・5倍にもなった対角線のインチ数の効果はテキメンで、映し出された木之本桜様さま様ーっなウツクシサに、思わず画面にオデコすりすりしたくなった。汚れるからやらなかったけどね。


【10月2日】 予想どーり午前3時前に「屍鬼」(新潮社)の下巻を読了。ふーんなーんだエンターテインメントじゃん、ってのが率直な感想で別にあんなに分厚いハードカバーなんかで出さなくたって、端折って整理して間引いてエッセンスだけを抜き出せば、ちょっと長めの500枚ほどのヤングアダルトな文庫でだって書けてしまいそーなネタだと思った。あるいは耽美が得意な新書とかで出すとかね。その方がよほどターゲットにしている読者に届くと思うんだけど、いかんせん超特大なハードカバーで1冊が2000円以上もしやがるんでは、そーゆー人たちは最初から読まないし読めない。なんか釈然としないものを感じるなー。

 別に内容がハードカバー2冊組みに相応しくないってんじゃないよ。長さ自体にはやっぱり意味があって、世界を創造し人間関係を構築しリアルさを打ち出すためにはやはり、膨大なまでの描写が必要だってことは解る。ちょっと都会から外れた村の共同体的な雰囲気ってのはやっぱり、逐一説明しかつ共同体に居る側外れた側からの視点で説明することで初めてリアルな趣を持って浮かび上がって来る。でもそれが本筋のテーマとどう関係があるかってゆーと、実はそれほどリンクしていないよーな気がして仕方がない。たぶん本筋となるのは人間と、そして屍鬼と呼ばれる存在との相容れない関係を浮き彫りにすることで人間の傲慢さと異質な存在の恐ろしさを描くこと、だったんじゃないかと思う。その説明として僧侶の静信と医師の敏夫を主人公格にして配置して、最初は脅威に対して横一線だったものが、お互いの心の奥底にある主義の差から次第にずれが生じて、最後は…な展開にしたんじゃないかと思う。

 それならそれを基本線にして、出来るんだったら独身の静信は実は敏夫が、ってな設定も入れて耽美な雰囲気を作り上げ、かつ「屍鬼」とゆーさらに耽美な存在を入れ込むことで男性女性人間怪物が入り乱れての一大絵巻なエンターテインメントになったんじゃなかろーか。そして細かな設定なんかは簡潔な描写で埋めるかあるいは端折ってしまっても良かったものを、やはり緻密な設定が外せないのかドラマの中でそれらを描き切ることに専心し、挙げ句にあげな膨大なページ数の本になってしまった感がある。あるいは超分厚い2巻組で出すことのバリューが、文庫で500ページ800円くらいで5万部くらい出すよりも、宣伝にもなるし一般の関心を集める材料になると、出版社が判断したのかもしれない。あの上巻から下巻に移ったとたんに繰り出される、描写のエンタメ化は鮮やかで、仮に下巻の冒頭が上巻に入っていたら、大勢の人が「なーんだ」と思ってただでさえ少ない部数しか刷ってないだろー下巻の売上を、さらに縮小したかもしれない。

 まあ面白くなければ超分厚い×2な本を夜を徹してなんか読みはしないいってことだけは明言出来るので、耽美が好き萩尾が好きな少女(元を含む)たち少年たち(自称を含む)でも、お小遣いに余裕があれば文庫落ちなんて待たずに読んでやって戴きたい。きっと納得出来ると思うから。なーんて事を思いながら明け方に寝てすぐに起きて会社へと向かう。道中すでに買って持っていたのだよなレイ・ブラッドベリの「バビロン行きの夜行列車」(角川春樹事務所、2600円)をベラベラ。ジーン、とかホロリ、とかってな泣かせは少ないけれど、あらためて短編の名手の面目を躍如する、面白悲しい短編を幾つもいくつも掲載している。値段は超高いけど(っても雑誌がなければこれくらいす付けなきゃやってけんわな)コレクションしておくのはまずくなさそー。「いとしのサリー」は泣くぞ。僕以外。

 栄光の背番号1は我にあり。なんて大袈裟なものじゃないけれど、今回からイヂョーに厳しくなった9日から始まる「東京ゲームショウ’98」のプレス登録は、事前に名前所属取材日を書いて申請した人にだけプレスカードが発行されるって仕組みで、当日は名簿と番号をつきあわせて間違っていると没収される可能性もあるんだとか。前回までは何とか名刺で入れたし、ぐちゃぐちゃ言うなら入り口でひと暴れしつつ、取材で会っているCESAのエラい人たちを呼び出してもらって事務方に脳天直撃稲妻落としでもくらわしてもらうって手もないでもないけれど、そーゆー余計な事で気を遣うのも寿命を縮めていやだから、マジメに申請してマジメにカードをもらってマジメに通うってことにした次第。でも別で特別招待状とかも届いてるんだよなー。よく解らん。

 で何が1番かってゆーとそのプレスカードの番号は実に「0001」番ってこと。ちなみに別に行くもう1人は「0002」番で、表の新聞が栄光の「東京ゲームショウ’98」レースでフロントローを独占したって事になる。メディア的にはジリ貧で先頭が鈴鹿の300Rを抜けて最終コーナーを曲がってスタンド前を通過しよーとしている時に、ようやく第1コーナーへの飛び込みを及び腰でしている程の戦闘力の無さを露呈しているから、せめてゼッケンくらいは1番を取れて良かったなー、って何か喜び方が曲がってるよーな気がする。ともあれ当日に栄光の「0001」番を付けて歩いている丁髷がいたらそれが僕ですから、コンパニオンは歩み寄ってキス下さい。男は逆にオデコすりすりしてあげます、よ。しかし何故にプレスカードにコナミの宣伝があああ。


【10月1日】 突然として「ジターリング・ワールド」とゆータイトルのSFを思いつくが具体的にどんな星になるのかは物理学が苦手なので解らない。でもあの5つのビーズがグリグリと回っている付近には、きっとあんまり済みたくないよーな気がする。あと「ハイパーヨーヨー惑星」ってのも思い浮かぶけどどんな星になるのかはきっと絶対石原藤夫博士でも分析できないだろーなー。ってなバンダイを喜ばしそーなネタふりは止めてとりあえずは「トライガン」の最終回。あーゆー結末にならざるを得ないのは後々への禍根を考えると甚だご都合主義的かつ博愛主義的だけど、少なくとも続編は作られないだろーアニメ版だから許されてしまうのも致し方ない。他に終わり方も思い浮かばないしね。2人が銃を打ち合う場面の演出とゆーかシナリオがなかなかに魅せる。

 とくに2人向かい合ってロシアンルーレットをやり始めた場面なんか、前後の蓮根から弾が抜けて1発だけ入れてってな描写との連絡がバッチグーで、脳漿ぶちまけるのはどっちが先か、なんて緊張感にゾクゾクと震えたけれどあのガン・ホー・ガンズの催眠女すら騙す運動神経の持ち主ヴァッシュだけに、肩だけで済んだみたい、だね。エンジェルズアームをぶつけてお互いに生きていられるのか? ってな疑問はさておいて両手ともエンジェズル・アームになったナイブズを見てダイダロスアタックなマクロスなんかを思い出すあたりは僕の古さの発露だろー。ゲッターロボの両腕ドリルってな2号? を思い出すのはなお古いか。さてもハッピーエンドな展開はLDを買う気をちょっと失せさせてしまったけど、箱も付いてた事だし買って溜めてそれから後の事を考えよー。ヴァッシュの銃とか作って全プレしてくんないかなー。ビクター様ぁー。

 引退な「ゲームWAVE」の吉田の胸がぶにょんぶにょん揺れる様を瞼の裏に見ながら寝て起きて仕事。電車の中でサンケイスポーツに出ていた小松左京は「日本沈没」の再映画化な記事を読んで笑いに腹をよじる。17億円(だったかな)でCGを駆使した「日本沈没」を作るだってー? いや何昔の映画に比べればこの金額は決して少なくはなく、むしろケタ外れに多い方だとは思うけど、しかしハリウッドの特撮映画がどんなポン酢でも100億円とかをかけてリアルな天災とか怪獣とかのパニック映画を作っているのを見ている僕たち日本人が、今さらそんな程度の金額しかかけてないCGIに満足できるのかってのが大いに疑問。アニメだって23億円とか24億円とかを使うご時世に、実写でましては日本を沈めてしまおうってな内容の映画に、この金額は正直言って少なすぎる。

 と、ここで思ったのが製作する松竹って会社がちょっと前に配給したあの映画のことで、ってことはもしかして松竹&大森一樹監督、「日本の出ない日本沈没」を作ろーとしているじゃなかろーか、ってこと。つまり山が噴火し地面がゆらぎビルが倒れて海岸には津波が押し寄せる、そんな場面をCGとかで表現して莫大なお金とつぎ込むんじゃなく、例えばアメリカはサウスダコタの片田舎でテレビを見ている老人とかカウボーイの兄ちゃんが、テレビのCNNが伝える日本沈没の報道に「日本って中国のどの辺にあったっけ」ってな会話をしているよーな場面をつなげていく映画にする可能性があるってことね。

 あるいはインドの片隅でもいーし遠くスリランカの島でもマダカスカルの島でもイースターの島でも(島ばっかやねん)どこでもいーから、日本じゃない場所で日本の沈没を知ってそのあまりのどうでも良さを描くってことになるとか。それなら17億円もかからずに1億とか2億とかってレベルで出来てしまいそーなものだけど、やはり日本の崩壊を嘆く頑固一徹な高松英郎的人物が必要だから、ショーン・コネリーあるいはマーロン・ブダンドあたりを引っぱり出すのにギャラよーけ取られて17億円とかって値段にいってしまうのかもしれない。女優も桃井かおり級が必要だな。さてもいったいどんな映画になるのか、まあ楽しみっちゃっても良いかな。

 しかしつくづく頓狂な批評をしているなー快楽亭ブラック。一昨日だかの「夕刊フジ」に掲載された「新作シネマえん魔帳」であの怪獣が出ない世界でも稀な怪獣映画、「大怪獣東京に現わる」を取りあげているんだけど、言うに事欠いて「怪獣の出ない怪獣映画はやはりつまらない。1シーンでも怪獣が出れば印象が違ったものを」と述べ、「クリープだけをお湯で飲むような味気なさ」と星1つに断じるのを読むに至って、お茶屋に言って無理矢理珈琲を飲もうとしているよーな傲慢さを感じた。怪獣が暴れ回って家々をブチ壊すシーンにカタルシスを覚える人種なら、そーゆー感想も出てくるだろーけど、生憎とこの映画が目指しているのはそーした破壊衝動を怪獣に仮託して溜飲を下げることではない。

 批判の対象になった怪獣出現への政府の対応なんて映画じゃーはなっから描こうともしていないし、人間側のリアクションを「ガメラ」に及ばないと断じる根拠も明確にされていない。これで「企画倒れの失敗作」言われちゃーたまらないよね監督さん。とはいえ表の新聞でいくら誉めちぎったても、「夕刊フジ」の部数の方が圧倒的でかつ影響力の差もチョモランマとマリアナ海溝くらいの差があるからまったくの役立たずに等しい。すでにして浜松じゃー11日で打ち切りとかでやがて間もなく東京でもバタバタと小屋が閉まるはずだろーから、あまりな仕打ちに憤りを感じている人も快楽亭ブラックの批判に納得している人も、1度は小屋に足を運んでその異様さに脳天ぐりゃぐりゃになっちゃってやって戴きたい。でもお金は自分で払ってね。

 対称的に活況なのが六本木シネ・ヴィヴァンで上映中のヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「CUBE」。たまたま寄った試写で配っていた資料によると、初日に1041人を動員して以後も1日1000人ペースで推移して、第1周目でなんとあの今年最大のヒット作にもなりそーな「ムトゥ 踊るマハラジャ」のオープニングの記録を抜いてしまったそーな。「ムトゥ」がロングラン化するなかで現在がどんな状況になっているのかは解らないけれど、少なくともツカミはオッケーそーなこの「CUBE」が、地理的条件で離れている渋谷の人たちを惹きつけた先に見えるのはあるいは「現象」か。幸いにして「大怪獣」に並んで「ムトゥ」も「CUBE」も表の新聞の他愛のない劇評を書いてのっけているから、これでド素人なアニメしか見ない映画ファンでも、面白さチェックでは結構高い精度を面っているのかもしれないなー。「大怪獣」が当たらないのは何故? これから当てればいーさな。

 さて見た試写ってのがスパイク・リー監督のバスケットボール選手を主人公にした「ラストゲーム」。父親のスパルタ教育で高校に入ってからも大活躍して今ここにプロ入りか大学入りかを決めかねているスーパースター候補生のバスケットボール選手がいて、彼にバスケを教えながらも事故で妻を死なせてしまい服役中な父親がいて、その父親に知事の意向を組んだ署長から「息子を某大学に入れることに成功したらム所から出してやっても良い」と働きかけられる。で父親はム所を出て息子に会いに行くんだけど、母親の死の責任は父親にあると思っている息子に拒絶されてしまう。そこからが息子をめぐるフェラーリやロレックスで釣ろうとするエージェントの暗躍に、おっぱいブン投げて待っている進路先予定な大学の白人女性たちといかにもなシーンが展開される。

 マジメそーで妹を育てるのに手一杯な主人公でも女の誘いに載ってしまったり、ム所から出てきて入った部屋の隣りに済んでいる某「フィフスエレメント」出演な女の子・ミラ・ジョヴォビッチと父親との関係等々、これで良いのかこれは必要なのかと思うシーンも幾つかあって、感動的なんだけど荒裏が見えて来そーでだからやっぱり読む必要性(価値じゃない)はあるかも。全体的にはベタベタなストーリーで現役バスケ選手でもある主人公のレイ・アレンが好きでたまらない人とかは、やっぱり見ておいた方が良いでしょー。しかし実は裏切り者だった彼女と痴話喧嘩している場面でふつう、あんな音楽かかるか? 探し出していた宝物が見つかった瞬間にかかるよーな、あるいは軌跡の生還を遂げた男が15年ぶりに(は長いか)妻と会ってスローモーションでかけよりながらスローモーションでキスを交わす場面にでも流れてきそーな、盛り上がり系音学を使うかよ普通。

 徹底的に綺麗な絵とカメラアングルに比べると、筋立てがこんなで気になる場面も多々ありますが、とりあえず映画はやっぱりいろいろ反応はあってしかるべき、でしょー。あるいは何かのパロディーだったのかも。だと僕にはそれはちょっと読み切れませんので、詳しい人は是非とも状況を分析してやって下さいな。見終わった後適当に帰宅。小野不由美さんの「屍鬼」(新潮社)を読み始めて1巻を読み終えて(2時間半、くらいか)止められない止まらないな状態なので、こんなん書いてないでさっさと下巻に映ります。3時頃くらいまでには読み終えられそーな予感。だけど眠いんで明日に回すか。いやいや眠ると吸血鬼が来るかもしれないから今夜は不寝番だー。でもって明日は勝手に休日だー(無理むり)。


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