縮刷版2021年5月中旬号


【5月20日】 「役者に優劣はないという意見が見られるが、小劇団においては役者の優劣こそが重要。ベンガルを褒めればベンガルには喜ばれるが、東京乾電池では座長の柄本明の方がベンガルより、より多くの人にとって有用だからだ。綾田俊樹と高田純次と岩松亮の誰が優先度が高いのか、改めて考える必要がある」。さっぱり意味分からないのは元ネタがあるからでとある国会議員が三角関数を教えるくらいなら金融経済を教えなさいとヌかしておいおい金融経済だって三角関数がなければ理解できないことだってあるのにと突っ込まれてアタフタ。

 だったらベンガル語を教えたらベンガル語を喋る2億人とコミュニケーションがとれるからそっちを教えるべきかと言えばやっぱり高校では教えないと言い出してさらに意味不明の度合いを増していた。結局のところ三角関数も教えつつ政治経済の授業で金融リテラシーも教えればそれで良いじゃんって話なのに何かを敵に見立てて攻撃することで自分がは何かの味方のように振る舞えるという立ち位置争いをしないと息が出来ずに沈んでしまうから、やらざるを得ないのだろう。その手口もいい加減見透かされている筈なのに、関西でや未だ強いんだよなあ。どうしてなんだろう。謎めく。

 「鉄は国家なり」と言ったのはドイツの宰相ビスマルクだけれど、こちらの場合はさしづめ「車は国家なり」といったところか。日本自動車工業会の会長を務めているトヨタ自動車の豊田章男社長が2023年開催の「東京モーターショー」を「JAPANオールインダストリーショー」に改称する考えを明らかにしたとか。つまりは全産業を対象にした展示会って意味だけれど、そこで展示されるのはやっぱり自動車が中心になるのは目に見えている。他の産業は他の産業で展示会をちゃんとやっているから。

 それでもトヨタ自動車が号令をかければ部品会社から鉄鋼会社から電装会社から建設会社から商社からいろいろと付き合いで出展しないといけないだろう。それだけ自動車産業は裾野が広いから。そんな付き合いとそして今の勢いを掲げて「モビリティーの枠を超えて日本の全産業が連携し、たくさんの人が集まる全く新しいショーを目指す」だなんて言い出して臆さない心がもはや「車は経済なり」でありさらには「車は国家なり」を自認していたりするんだろう。でも新車が見られずコンパニオンもいない展示会になんて誰もいかないよ。そういうのが好きな人は東京オートサロンに通っているよ。それでも思いつきは実行に移すんだろうなあ。そしてお抱えのオウンドメディアでお抱えのジャーナリストに正当性を訴えさせるんだ。きっと。

 「筋肉は正義。私の好きな言葉です」byアレックス・ルイ・アームストロングfrom「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」。でもあの肉体はさすがに自前じゃなくってVFXのたまものだろうなあ。「カッペイ」の小澤征悦さんは一種の着ぐるみだったけれどそれは流石に避けたか。表情は良く寄せていたよ山本耕史さん。でも活躍は後編の方かなあ。今回についてはストーリーは右に左に行ったり来たりで山場なく見せ場に乏しく意味不明で、カタルシスにかける逆恨みとか捕縛といった理由からのアクションが続いて、もっと盛り上げろと思ったら、ラストはグラトニーの腹の中でエンヴィー相手に度付き合い。これまた本筋からかけ離れたバトルで続くとなってマシュマロを投げたくなった。持ってないけど。

 でもそこは「鋼の錬金術師」が実写として動いているんだという面白さでもって帳消しにしつつ日本人でも結構ハマってる役作りとそして「シン・ウルトラマン」より良く出来ているかもしれないVFXを楽しんでそして次に出てくるだろう筋肉莫迦の姉貴こと栗山千明さんの登場を待ちわびるのだった。キャラクター的にはウィンリィを演じていた本田翼さんののチューブトップと、シンの王子を演じた渡邉圭祐さんの飄々とした感じの漫画そっくり感と、そのおつきの爺さんを演じた筧利夫さんと、スカーの師匠を演じた「シュシュトリアン」のお酉様の時から30年が経ってもまるで変わっていない麿赤兒さんが良かった。2度は見ないで後半を待とう。


【5月19日】 木更津でドーベルマンが前に1度逃げ出して、そしてまた逃げ出したという事件が起こった時に飼い主が、今回は逃げ出したのではなく盗まれたのではないかと言っていたことが気になっていたけれど、今日になってやっぱり盗まれたことが判明。そして盗んだのが、前に逃げ出した時にボランティアで捜索に参加して見つけ出した上に、その後ドーベルマンの飼育状態を批判するようなコメントをSNSで発信していた人だと分かって世の世知辛さに唇を噛む。

 そりゃあ環境として劣悪に見えたかもしれないけれど、だからといって盗んでいいということは絶対にならない。なおかつ盗んだんじゃないかといった疑いがかかっていることをSNSで発信しつつ、飼い主の人が変人だったといったこともあけすけに書いていたりして、罪悪感どころかむしろ愉快な気分でいそうな感じがあって厄介さに拍車がかかった。正義のためには何だって許されるなんて本気で考えていたとしたら、それこそ変人の極み。そういう人に犬を任せて犬は本当に幸せなのか、犬を幸せにしていると思い込んでいる人間が幸せなだけなのではないか。いずれにしても今回の一件で犬から遠ざけられるだろう。その時に何を思うか。正義だからと犬を新たに飼おうとするのか。そこが気になる。

 尻を叩く描写の多発に「シン・ウルトラマン」をセクハラだと言う人が一方にいて、それは違うと反論する人が登場。曰く「それは、『女が女の尻を触る』あるいは『女が男の尻を触る』というシーンである。そういうシーンはあるのに、『男が女の尻を触る』というシーンが存在しないという『構造』だ。これこそが、『中にある構造』である。そして、この構造は一つの意味やメッセージを持つのである」ということで、線引きとしてはセーフなのではと仄めかしている。

 そんなことはない。。女が男の尻を触る」のも相手が嫌がればセクハラだし「女が女」でも「男が男」でも同様。それは踏まえないと構造の非対称性ばかりが問題視されてしまう。女性が少年を手込めにしても強姦になるのと理屈は同じ。そこをどうして見誤るのかというとやっぱり「シン・ウルトラマン」が好きだからなのかもしれない。だったらやっぱり「シン・ウルトラマン」はセクハラなのかどうかはやっぱり難しいところ。一般性の中に紛らせるか否かのラインを見極める必要がある。どう転ぶか。それを騒ぎ立てる層が今はAV新法で忙しそうなんでしばらくは平穏かな。

 「神々の山嶺」という夢枕獏さんの登山ミステリーは、前にも岡田准一さんと阿部寛さんの出演によって実写映画「エヴェレスト 神々の山嶺」になっているけれど、一方でマンガ家の谷口ジローさんによるコミカライズもされていて、それが今回、フランスでアニメーション映画化されてそして7月8日に日本で公開の運びとなった。吹き替えは堀内賢雄さんに大塚明夫さんとベテランが並んでなかなかの重厚さ。それ以上に凄いのが内容のストイックさで、本編では謀略だとか誘拐事件だとかがあるのに、このアニメーション映画ではひたすら山を目指す男たちのストイックなドラマになっている。

 日本でアイドル的な人気の岡田准一さんが出演して尾野真千子さんも入ってと結構なキャスティングが行われ、サスペンスフルな内容になってようやく映画化されたものが、フランスだとあまりにストイックな内容で、それもアニメーション化されるのはどうしてか。谷口ジローさんがフランスで大人気ということもあるものの、それでも原作からサスペンスをそぎ落としてひたすら山を目指す男たちのストイックな話になっていることが、逆に求められる状況にあったからなんだろう。つまりは誰もがストイックなまでに歩き続ける物語を欲していたからということ。理由などどうでもいい。言い訳なんてしたくない。ただ、歩め。どこまでも。どこまでも。そんな純粋な思いに気づかされる映画として、見られ心にこびりついた余計な思いを洗い流して欲しい。大きなスクリーンでまた見たい。


【5月18日】 今日も今日とて新潟へと出向いて企業取材。ちょっと前に太って着られなくなっていたAB6のスキャバルのスーツがまた着られるようになっていたのは僥倖で、このまま体型を維持するなりさらに絞って余裕ができるくらいにするなりしたいものだけれど、夏は食べないと体力がもたないから案配が難しい。スタミナがついてなおかつ太らない食べ物ってなんだろう。うなぎか。通風が出そうだなあ、最近どうも右足の親指の付け根がチリチリとするんだ。

 ふと気がついたら2022年のSF大会で贈賞される第53回星雲賞の参考候補作が発表になっていて、日本の長編に牧野圭祐さんの「月とライカと吸血姫」が入っていて誰が推し入れたかは分からないけれどもセンスはなかなか抜群。加えてライトノベルからは枯野瑛さんの「終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?」も入っていて、いずれかがとればいったい何時以来になるのかそれとも初なのかって感じのライトノベルの星雲賞が誕生する。投票したいけど今度は福島なので行くかどうかか未定。そうこうしているうちに投票期間も終わってしまうから今回はとにかく外から応援したい。頑張れ。

 メディア部門では「Vivy −Flourite Eye’s Song−」とそれから「ゴジラS.P<シンギュラポイント>」が入って真っ向対決といったところ。もちろんそこに本命の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が来てさらに「DUNE」に「アイの歌声を聴かせて」といった超大作から超人気作も入ってどれに投票したらいいのか誰だって迷いそうな参考候補作になっている。ここは裏切って「竜とそばかすの姫」といきたいところだけれどSF味はちょっと薄いから参考候補作に入ってないと投票すらされないだろうなあ。実写映画として「夏への扉―キミのいる未来へ―」も強そうだぞ、ハインラインだけに。

 コミック部門では個人的には「進撃の巨人」なんだけれど日本SF大賞を受賞した「大奥」も結構人気なんで分からない。自由部門も「ウマ娘プロジェクト」があり「実物大νガンダム立像」がありといった具合で関心を誘われるけれど、そこにどうして「PUI PUI モルカー」が入ってないのかがちょっと分からない。メディア部門でもOKならムーブメントとして自由部門でもOKな気がするんだけれどそこにSF味を見出す人が星雲賞の場合は少なかったんだろうか。受賞すれば結構騒がれただけにちょっと残念。いやだからあくまで参考候補作だからここで頑張って有資格者が投票すれば逆転の受賞ってのもあり得るかも。見守りたい。

 山口県で新型コロナウイルス感染症の給付金が4630万円も振り込まれてそれを使ってしまったというニュース。出納記録が公表されていたけれど入金されたその日に100万円とかどかんと出しているのが謎で、逐一チェックなんてしてなかっただろう口座にどうして振り込まれたのを知ったのか、気になっていろいろ読んだらその日のうちに気がついた役場の人が訪ねて返せと言って銀行まで連れて行ったけれど、ごねて返金の手続きをしなかったらしい。その場で口座を差し押さえるなり説得するなりしていれば良かったのに、放逐してしまったのはまさかそこからガンガンと使いまくる人間だとは思っていたかったんだろうなあ。普通いないものなあそういう人間。

 とはいえオンラインカジノに突っ込んだというその説明を信じるなら、どうして負けて出て行く分だけで当たって戻って来る分がなかったのかが分からない。確率論から言うなら当たったり外れたりするのがギャンブルであって、外れっぱなしなんってことはあり得ないんだけれど出納記録を見ると出て行くばかりで戻りがない。それともどこかで戻った分が別の口座に振り込まれているんだろうか。すぐに取り返さなかった謎も含めてそこで何かしらのアングラなやりとりでもあったんじゃないかって穿った見方もしたくなる。すっからかんでは返すに返せないとはいえやっぱり返せとなった時にどういった締め付けが可能なのか、訴えるというけど刑事事件になるのか民事なのか。そういったことも含めて見守りつつ、いつ僕の口座に1億円が振り込まれるかを注意しておこう。


【5月17日】 どこの新聞社か知らないけれども、大塚英志さんのところに取材に行って昨今のロシアによるウクライナ侵攻を満州事変における日本の満州国設立なり日中戦争における中国侵攻なりに例えたら、若い新聞記者がまったくそういう発想がなかったといってひっくり返ったとか。少なくともちゃんとした大学くらい出ているだろう記者ならそうした戦前の日本軍の行動くらい知ってて不思議はないはずで、あるいはそれを侵略とは認めない主義主張の持ち主かとも思ったらまったく知識としてなかったらしい。

 確かに明治以降の近現代史を日本の高校で学ぶ機会はそれほどなく、世界史とかとっていたらまったくもって触れずに過ごすことだってありえるけれど、すくなくとも日本人なら常識としてそれくらい知っていて当然なのに学ぶ機会もなければ学ぶ気力もない人たちが、これから続々と世の中に出てくればそりゃあ核共有だ何だといった危ないことを兵器で言えるようになるよなあ。そこに作家な人が書いた歴史物語が違った観点からの大東亜共栄圏的思想を植え付ければライティーな記者の一丁上がり。それで記事とか書かれたら売れるものも売れなくなるよなあ。やれやれ。

 新聞も大概ならテレビも大変なようでお台場にある目ん玉テレビ局が社長人事を固めたといったニュースが流れてそれが35年とか昔に一世を風靡した番組を手がけた70歳のおじいさんを社長に据えるという話だから愕然としたというか腰が砕けたというか。ちょうどそのテレビ局ではもうちょっと下の年齢の人たちをいらないとばかりに肩を叩いてお土産をつけて追い出したばかり。さあ若返りだとなったところで上に座るのが2世代も上のおじいさんでは流石に辞めた人も残る人も頭がカユくなるだろう。

 もっともそのさらに上にさらに高齢の人がいて差配しているんだから変わってないといえば変わってないだけなのかも。そんな状況で目下どんどんと下がる視聴率の順番がさらにおちて見上げればテレビ東京なんてことになったりするかも。冗談ではなくマジに。そういえばお昼の番組はまるで視聴率がふるわず1%台だなんてそれこそテレビ東京が叩き出しているような数字を連発しているおか。これはまずいと昼ドラめいたものを入れ、そして夜に昼ドラの再放送なんかも入れてヨロメキドラマでかっぱごうという姿勢を見せ始めたところで、社長が変わってさあ内輪受けのバラエティだとなったらさらに離れる人だって出てきそう。ここは他局向けにプロデュースしたチコちゃんに移籍してもらって叱ってやらないと拙いんじゃないかな。それはできない相談か。著作制作NHKだし。さてはて。

 家にいたら寝てしまうんで総武線に飛び乗り中で読書。「魔法科高校の劣等生 メイジアンカンパニー4」ではいよいよアメリカ本土で魔法師選民思想の団体がレリックの掘り起こしを始めてそれを魔法師人権保護団体が抑止しようとしてメイジアンカンパニーに送り込んでいた遠上遼一を動かしたり、果ては司波達也と司波深雪にもご出馬願ってアメリカで起こり始めた言葉が理解できなくなる不思議な現象を収束させる。「バベル」と名付けられたその魔法が蔓延れば人と人とのコミュニケーションが立たれて大変なことになりそう。言語以外のジェスチャーだとか絵文字だとかでも意思の伝達は無理なのか気になるけれど、そうした古代魔法が次々に復活してそれに現代魔法の司波達也たちがどう挑むのか。世界規模で繰り広げられるバトルを楽しめそう。


【5月16日】 山本耕史さんといえば時代劇フィギュアのアルフレックスが「新撰組!」のスピンオフドラマで洋装の土方歳三を演じた山本さんをそのままフィギュアにして売り出していたのを買ったっけ。ちゃんと布で作られた衣装に武器なんかも持った人形で1200体が作られたそうだけれど今はもう売ってないし、アルフレックス自体が存在しないのである種幻となっている。今回のブームで掘り起こされればちょっとしたプレミアムでも付くかと期待もするけれど、それほど需要があるかどうか。むしろメフィラス姿のフィギュアを作って欲しいって声の方が多いかも知れない。

 メフィラスといえばその怪しげな演技が注目されたけれどもウルトラシリーズにはかつて「怪奇大作戦」で岸田森さんがやっぱりどこか胡散臭げな存在感を漂わせていた。その岸田森さんのフィギュアもアルフレックスは作っていて、シャツこそ白いけれど黒い背広でそれを土方歳三の山本さんに着せればメフィラスっぽくできるかもしれない。ただ残念なことに岸田森さんの人形は当時から凄く人気ですぐに売り切れたんだよなあ。まだ池袋のパルコの上だかにあったフィギュアの店でも「キングアラジン」は残っていたけど岸田森さんは売り切れだった。探してでも買っておけば良かったなあ。

 アニメ化に続いてSnowManの目黒蓮さん主演による映画化も発表となって大いに湧いた顎木あくみさんの小説『私の幸せな結婚』は、シリーズ累計300万部を超えるヒット作となって富士見L文庫の看板を『紅霞後宮物語』シリーズと張っている感じ。そういった指標めいた作品が出ると後に続けとばかりにいろいろと出てくるのが出版の習いで、後宮物が幾つか相次ぐ一方で、明治大正風の日本を舞台にしたシンデレラストーリーも書かれては『私の幸せな結婚』に並ぶ看板作品になりつつある。それが道草家守さんの『龍に恋う 贄の乙女の幸福な身の上』だ。

 半年のあいだに10回奉公に入っては10回とも解雇された珠は、親切な実業家に名刺をもらって尋ねて来いと言われながらもそこは我慢し今日の宿を探していた時、通りすがりの男に絡まれ大事にしていた櫛を奪われそうになる。返してと言って揉めていたところに現れたのが一瞬だけ髪が銀色に見えた美形の男。櫛を取り返すだけでなく、何かを操り逃げる男を転ばせ捕らえて官憲に引き渡した。そして繰り出した何かが見えた珠に興味を持って、自分は奉公先を紹介する口入れ屋だと言って珠を事務所へと連れて行く。

 そこは確かに口入れ屋ではあったけれど、人間だけでなくあやかしの職業斡旋もする不思議な店。ある事情から不思議なものが見える力を持った珠をこれ幸いと雇い入れ、次の仕事を斡旋するまでの間ということで自分の仕事を手伝わせる。もっとも珠はこれまでの生活が不憫だったせいか極度に自虐的でおどおどとして自分に自信がない。呆れられながらも少しずつ自分といものを出すようになり、狂骨や家鳴りといったあやかしたちともうまくやっていた珠の回りに不穏なことが起こり始める。あたかも帝都では女中が姿を消す事件が相次いでいた。

 報われなかった人生がひとりの男性と出会うことで上向きになるところは「私の幸せな結婚」とも重なって読む人に夢をもたらし希望を与える。頑張っていればいつか自分にも王子様が……ってそんなにうまくいくものではなくても、頑張ることを否定されない行き方によって自分への自信はもてるようになる。そんな珠をとりまくあやかしたちの健気な行き方にも共感したくなる。瑠璃子という化け猫が変じた美女だけは勝ち気で珠に起こってばかりだけれど、それでも内心は人間に親切なところもあって可愛らしい。なでてあげたいけれどかみつかれそう。女中が行方不明になる事件もどうにか解決し、ようやく居場所を得た珠が帝都で経験する不思議な事件が綴られていくシリーズは最新刊の第4巻まで来てまだ続く。やっぱり人気なのかなあ。ドラマ化されるとしたら誰が演じることになるのかなあ。


【5月15日】 「マンが図書館Z」のようなアーカイブ的な活動については応援したいのだけれど、それ以外の部分で応援できないところが割とあったりしてなかなかに辛い赤松健さんの諸策。ちょっと前に漫画仕立てで我こそが表現の自由戦士だとやって散々に言われながらも沈黙を貫き通し居心地が悪かった上に、今回はアニメーター支援と称してヒットした作品については税金を引き下げ還付してはと行って総スカンを食らっている。

 なるほどアニメーターの窮状について何か考えたいという気持ちは理解できるけど、それがどうしてヒット作の税金を還付することになるんだろう。たとえ製作委員会に税金が戻って来たとして、それを制作会社経由でアニメーターに還付する義務なんてどこにもない。だって労働の対価はすでに原画動画彩色等々の労賃として支払われている訳で、たとえ儲かったからといってその儲けが戻って来るような契約にはない。

 だから、税金を還付したところで製作委員会が出資者の間で分配するだけ。そこに制作会社が入っていたらご褒美としてクリエイターに戻す可能性もないでもないけれど、それだってご褒美の範囲で保証されたものではない。カメラを止めるな!」でヒットして儲かった分を出演者やスタッフに分配したのも特殊なケース。「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が大ヒットして制作会社が出身分を受け取ってアニメーターに戻したのも制作会社のスタンスに過ぎない。その義務化なんてできやしない。

 必要なのはだから全体の底上げで、それを政策として支援することなんだけれどトップ級しか支援しないとなったら誰もが大ヒット間違いなしの作品に群がり表現の幅は狭まって文化はやせ細り、もしかしたら次代の宝となる作品が生まれてこなくなる可能性だってある。漫画だって大ヒット作だけを盛り上げてそれで裾野が広がらないことくらい、分かっているはずなのに自分が言い出すとなると下手な考えを繰り出して休んでいたらと言われてしまうのは何故なんだろう。ブレーンがポン酢なのかそれともご本人が何か焦っているのか。いずれにしてもちょっと落ち着いてもらって世間の反応を噛みしめ、実行できることを訴えて欲しいんだけれど。そうした声へのリアクションがまるでないのも気になるなあ。やれやれ。
B  せっかくだからと池袋のグランドシネマサンシャインで「シン・ウルトラマン」。IMAXレーザーGTの巨大なシアターの最前席で寝そべってみるとウルトラマンの巨大感がいっそう強くなる。浅見弘子の巨大感も。いろいろと言われている昭和のおやじっぽい気合いの入れ方についてはやっぱり言われて気になるものの、一方で子供たちは分かりやすい表現と受けとめつつ頑張れウルトラマンと応援して見ていたりするので「クレヨンしんちゃん」的なエロスだと思えば思えないこともないのかもしれない。だから子供っぽいと大人な評論家からはこき下ろされるんだけれど。子供がここから次のウルトラマンを生み出してくれることを願おう。

 やっぱり最高だった山本耕史さんのメフィラスの演技。そういえば大昔にインタビューしたことがあって引っ張り出して演技論に関わる部分を読み返したらなかなか良いことを言っていたし書いていた。曰く「自分からこの役をやりたいというのは、役者として違うような気がするんです」。みずから役を求めるような態度は見せないそうで「与えられたものを実体にするのが、役者の仕事なんだと思っています」とのこと。そこでどこまでチューニングできたか、それを使う側や見る側がどれだけ評価してくれたかが楽しいんだろう。メフィラスもきっと大喜びの役になったんだろうなあ。

 「新撰組!」での土方歳三役も、そもそも土方歳三ってって感じだったらしく「名前を知っていたくらい。決まってから友だちにどんな人か知っている? と聞いて教えてもらいました」とのこと。そこから「役を愛し、どんどん近づいていこうとするんです」ってアプローチで作り上げた土方は、香取慎吾さんが演じた近藤勇に負けない人気となって単独のドラマも作られた。そうやって演出家を刺激して止まない役者がまたしても見せた今回の演技。だったらこれもやらせてみたいとなっても、同じような演技より「このあいだやったこととは違うものを要求されたほうが、答えたいと思ってしまうんですね」という山本さんだから、まさかこれはといったものをぶつけた方が良いのかも。だとしたらウルトラマン役? ちょっと期待。


【5月14日】 ブーフーウーなのは分かっていたけどいよいよ100万部を割って来てそれでも全国紙を名乗りたがっている新聞の1面コラムが憲法9条を金科玉条のように言う勢力に向かって「ではウクライナに9条があれば、ロシアは攻撃を踏みとどまっただろうか」と書いて揶揄している。でも憲法9条は日本が前のような侵略に手を染めないために身を縛るものであって、攻め込まれないためのバリアーなどではない。だから「ではロシアに9条があれば、ロシアは攻撃を踏みとどまっただろうか」と書いて始めて戦後日本のスタンスとの比較になるのに、分かっていないのか分かっていないふりをしているのか、そう書き続けるのは憲法9条の護持を掲げたい勢力を揶揄 したいだけだからなんだろう。やれやれ。

 家に居るとどこまでも寝てしまいそうだったのでとりあえず、締切が切られた仕事をしようと家を出てからとりあえず、新宿ピカデリーに寄って多分都内最大のスクリーンで上映している映画「バブル」を見る。すでにNetflixでの配信も始まっているし、そもそもが試写でも見てはいるんだけれどその時は武田綾乃さんおノベライズを読んでおらず設定がちんぷんかんぷんでよく分からないまま雰囲気だけに流されたのでもう1度、見ておく必要がった。結果はうん、これは「シン・ウルトラマン」と同じだ。

 ネタバレ全開でいくなら「シン・ウルトラマン」は最後にゾーフィが出てきて地球人は知的生命体だけれど情緒不安定で攻撃的でいつか宇宙に徒をなす存在になるかもしれないから殲滅すると言い出して、殲滅兵器としてのゼットンを送り込んで太陽系ごと焼き尽くそうとする。それを止めようとしたのはゾーフィと同じ光の星から来たウルトラマン。地球人と合体してその心情を理解し自分は地球人を守りたいといってゼットンに挑む。そんなウルトラマンを助けたのが地球人の中で関心を寄せた仲間の1人の浅見弘子で彼女のためにもウルトラマンは頑張るのだった。

 対して「バブル」は地球に降り注いだ泡は実は遠く宇宙の彼方から来た知的生命体で自分たちとコミュニケーションがとれない存在を見つけたら滅ぼす役割を持っていた。そして同じ目的で地球にも降り注いだのだけれどそんな地球人の中にみつけたのが聴覚が常人と違っていたヒビキ。泡の歌を耳にして返事をしたことから地球人にも自分たとと交流できる存在がいると気づいたことで、いよいよ始まろうとしていた殲滅をその泡が止めてとりあえず、東京タワーが爆発して東京だけが壁泡に閉じ込められる形になった。

 それでもいよいよ動き出した赤い泡に挑むウルトラマンならぬウタのピンチを浅見弘子ならぬヒビキが助けてギリギリのところまで持っていく。これはと思い直したゾーフィならぬ赤い泡がウルトラマンならぬウタの願いを聞き入れる形で地球の城下を思いとどまって迎えたエンディング。ウルトラマンはもういないけれども後始末に終われる禍特隊ならぬチームBBが東京の町をバトルクールに興じるのだった。そんな関係。見事に表裏一体のドラマが同じ5月13日に公開されたことに何か意味があるのかな。もしかしたら既に地球は侵略されているのかな。浅草の居酒屋に行って黒シャツ黒スーツ黒ネクタイの男が割り勘で飲んでないかを確認だ。

 見終わって西新宿までよってリコー・ペンタックスのギャラリーでアウトレットでも漁ろうとしたら店が閉まろうとしていた。5月一杯で閉鎖となってどこかに移転するのだとか。ギャラリーもあって結構なスペースだっただけどそれもなくなりペンタックス使いが作品を発表する場もなくなってしまいそう。残念だけれどそれが日本の光学機器メーカーの運命。鳩居堂ビルのコンタックスのショールームもとっくになくなってしまったものなあ。銀座のニコンとキヤノンのショールームだけは続いて欲しいなあ。


【5月13日】 いよいよやって来た「シン・ウルトラマン」の公開日、午前6時には起きて総武線快速から横須賀線へと入って横浜まで行きしばらく休憩。そして桜木町へとたどりついて横浜ブルク11でIMAXでの上映による「シン・ウルトラマン」のチケットを確保する。ついでにグッズを買おうと行列に並んで待つこと20分。入った売店で何を買おうかと物色したけどやっぱりこれは必要だとピンバッジを確保。ドッグタグも気になったけどつける場所なんてないので様子を見る。

 そして始まった「シン・ウルトラマン」は見たいウルトラマンがそこにそこにあったとまず語る第一印象。39話に及んで語られてきたウルトラマンの来訪から怪獣との戦い、外星人との交渉とそしてゼットンという強敵との決戦が2時間弱の中にぎゅっと総集編のように押し込められては現代のシチュエーションとビジュアル、そして技術によって語り直されていた。とりわけルックは着ぐるみではなくCGによって作られたことによって成田亨さんがデザインしたぬめっとしてひょろっとして奇妙な宇宙人がそこに現出。なおかつ動きも重力を感じさせるようなものではなく、反重力めいた能力によってすっと動きひょいっと空を飛ぶ不思議な動きをそこに再現していた。

 それは外星人も同様で、ザラブ星人しかりメフィラス星人といった地球人よりも聡明でしたたかな存在を感じさせつつ戦いではウルトラマンなんかよりもはるかに強い雰囲気を醸し出していた。対して禍威獣は地球の中から現れたということで重力に魂を引かれた存在として重量感をしっかり漂わせつつウルトラマンとの戦いでもそうした重みをちゃんと表現していた。考えられているなあ。そうした設定をしっかりと生かして本編ではそれぞれが独立したエピソードを1本にまとめあげてラストまで持っていった力業は、やっぱり映画的というより総集編的。過去の「ウルトラマン」の総集編をリメイクしたか、あるいは「ウルトラマン」をリメイクした上で総集編に仕立て上げたようなものになっていた。

 役者は斎藤工さんが途中でウルトラマンとなって感情が欠けて情報にも疎いが貪欲な知的好奇心を持っているといった雰囲気をしっかり出していた。西島秀俊さんも禍特対のリーダーとして皆を引っ張る頼もしさを醸し出し、「ドライブ・マイ・カー」のやや神経質な劇作家であり演出家の役とはまるで違う人物になっていた。役者だなあ。そして長澤まさみさん。公安調査庁から移ってきた元気なキャリア公安然としたところを見せていたものの、その仕草にはどこかおじさんぽさもあって色気とはかけ離れていた感じ。自分のお尻を叩いて気合いを入れるのはやり口として分かるけど、傍目にはお尻をいっぱい見せる演出上の都合にしか感じられないのがなあ。今時の風潮の中ではちょっとよろしくないかも。

 それは巨大化してのし歩くシーンも同様か。「ウルトラマン」のフジ隊員だったら制服姿だったので色気めいたものは漂わせていなかったけれど、今度はキャリアスーツでそれも「SPEC」で戸田恵梨香さんが演じた当麻紗綾が来ていたフレッシャーズとはちょっと違ったキャリアスーツ。だからやや短めで故に見えそうになるのを見せようとしているととらえるとやっぱりちょっとセクハラ風味。パンツスーツだったらそれはなかったと言えるかもしれないけれど、お尻は余計に目立つから痛し痒し。好みでいうならうーん、後者かもしれないだけにやっぱりあんまり入れるべきエピソードではなかったかも。今は公開後の喧騒に紛れているけどやがていろいろ取りざたされるかな。

 見終わって腕章が欲しくなったのでグッズ売り場で確保。ドッグタグもあればなお良いけれどYシャツの下につけて自分の身分を証明するものだけに外には見せられないので自己満足に過ぎないよなあ。なのでここでは遠慮。でもそのうち買うかも。夜にいろいろ話したけれど思ったのは山ちゃんって基本的に「マスク」のジム・キャリーで「フィフスエレメント」のクリス・タッカー&ゲイリー・オールドマンで「フォトン」のパパチャリーノ・ナナダンなので、決して威厳があって信頼できる声の持ち主という訳ではなってこと。

 だから、それを外星人の親玉にぴったりと言う人の結構な多さにどうにも意外感がつきまとう。「宇宙戦艦ヤマト2199」のデスラー総統みたく内心のメロウさをニヒルさに包み演じていたような感じだったら分かるのだけれどそうでもなかったし。山ちゃん神話が文字通りの神話になってやしないかなあ。だからといってウルトラマンキングを演じた小泉純一郎が良かったかというとそれはまた別の話。だったら誰が良かったかは考えたい。


【5月12日】 図書館へと行ったら今日も休みだったのでVELOCHEでしばらく原稿書き。大昔に「月刊少年チャンピオン」に連載されていた柳沢きみおさんの「ミニぱと」を読んだら、ギャグ漫画でありながらミニ・クーパーと44マグナムはリアルに描かれていた。ここからしばらく経過した「ブラッディエンジェルズ」でもミニはリアルで44マグナムも登場。エンスージストとガンマニアを誘う準備は大昔から着々と行われていたということか。まあ「ドーベルマン刑事」でスーパーブラックホークやらオートマグといったリアルな拳銃は刑事漫画の定番。手抜きが目立つ部分と思われ注意が払われていたのかもしれない。

 3時間ほどで原稿の下地を仕上げたので水道橋へと行って「ゴールデンカムイ展」を見物。しようとして通りがかったら東京ドームシティにコメダ珈琲店が出来ていた。前はなにかファミリーレストランが入っていたところ。家族でそろってメシを喰う人がコロナもあって東京ドームシティに来なくなって代わりに1人でも長時間居心地良くできる喫茶店が尊ばれているという現れか。というか世界の中心めいた場所にどんどんとコメダ珈琲店が出来ている。名古屋にいたころだって入ったのは1回くらいでそれほど目立っていなかったコメダ珈琲店が30年を経てこれだけの進化を遂げる。逆に新聞業界は一般紙であっても青息吐息のところが出始めている。ビジネスって本当に分からない。

 「ゴールデンカムイ展」は平日チケットでの入場だったけれど中は結構な人の入り。同じ絵を3重に人が囲むということはなく1列でずっと流れていく感じで、いつか見た鳥獣戯画展よりはよほど空いてはいたんだけれどコロナ禍の中でのこの入りは、やっぱりギリギリのキャパシティといったところか。週末を時間指定にしたのも正解だろう。そして見渡すと女性が多い。北海道を舞台に汚いおっさんたちがくんずほぐれつバトルするような犯罪実録的漫画なのにどうしてこれほどまでに女性に人気なのか、ってつまりはおっさんたちのくんずほぐれつが好きな人がおっさんよりも男子よりも女性に多いってことだから、なんだろう。そりゃまあそうか、おっさんがおっさんみてもおっさんだとしか思わないし。

 漫画の原稿ではあるけれども手描きのものがそのままという感じではない。あるいはすでに野田サトル先生が手描きではなくタブレットでの作画に打つっていてもはや手描きのペン入れ原稿なんて存在していないからなのかもしれない。完成原稿はスクリーントーンも貼って吹き出しだけは空けて送信。それを受けた編集がネームをもとにデジタルで写植をして印刷所に転送しているのかもしれない。展示ではそんな吹き出しの上に透明なシートを重ねて写植を貼って見せていた。漫画っぽさは出ていたかな。将来そうしたデジタルの原稿を入れたHDDが漫画家の“遺産”として美術館なんかに寄贈されることになるんだろうか。そういうのを専用に集めるネット上のアーカイブとか出来るんだろうか。個人で持ってたって朽ちるだけだものなあ、紙以上に早く。どうするんだろう。

 物販にも長蛇の列で並んでいるのがやっぱり圧倒的に女子が多い状況におっさんが描かれたグッズを愛でる人の多さを以下略。例のラッコを食べるあたりで登場した“相撲”のシーンを特大パネルにしたら結構な数、出るんじゃないかと思ったけれどそこまぜあざとい商売はさすがに遠慮したみたい。せっかくなので中が見えない缶バッジとコースターを買う。狙いは家永カノだったけれどバッジには元よりないしコースターでも外れ。とはいえ缶バッジではアシリパさんを当てたから雲はまあまあ良い方だったかもしれない。他の誰がきてもおっさんだものなあ。遠からずそうしたバッジをコンプリートして透明なバッグに並べて持ち歩く金カム女子が街を闊歩するようになるのかな。牛山だけを並べた人もいたりするのかな。それはそれで大好きだ。


【5月11日】 朝から訃報。ダチョウ倶楽部の上島竜平さんが亡くなったと聞いて誰も押してないのにと残念に思う。仕事だってたっぷりあっただろうし、将来だって何も不安視することなんてなかったのにどうしてって気になったけれど、どこか虐めを思わせる芸風はそれがギャグでも受け入れがたい風潮がある中で、身に迫るなにかをひしひしと感じていたのかもしれない。熱湯風呂にも入れなければ裸で走ったりもできない上島竜平さんに何が出来たか、個人で原付の旅をできる出川哲朗さんとのそこが違いなんだろう。合掌。

 朝から喧騒。立憲民主党の国会議員がウクライナ方面へと出かけてはなにやら軍装めいた格好で出歩き批判を浴びているという話で、何がいったいと見て見たらなるほど軍装に見えないこともないけれど、胸にブランドタグなんかも見えたので拡大して調べたらバイク乗りが着るジャケットで、そしてバッグ類もブーツ類もバイカー御用達の品々。本人もバイク議連の1人みたいでつまりはバイク乗りがバイク乗りの格好をしてただけなのに、軍装い見えるとインフルエンサーがつぶやいてそれが拡散されて軍装だという認識が定着してしまった。

 ベレー帽とか確かに軍装っぽくて余計だったけれど、それをニット帽に変えたらカジュアルになりすぎるから難しい。あるいはジャケットの愛用者だったチェ・ゲバラを真似してベレー帽を被っていただけなのかもしれず、それはそれでテロリストのコスプレだと言えなくもないからやっぱり被らない方が良かったかもしれない。同じジャケットを使って下にスーツなんかを着てイケオジを演出している人もいっぱいいるからなあ。とはいえそれを日本人がやっても様にならないことこの上ないから、おとなしくダウンジャケットでも着ていたら良かったかもしれない。場所を選んで自分を省みること大事。

 2024年の大河ドラマが紫式部を描く「光る君へ」になったとか。主演は吉高由里子さん。時代としてはあの清少納言も活動していた頃だから、ライバルとして絶対に出演してくるだろう。誰が演じるかが気になるところで、仲間由紀恵さんだったら「花子とアン」の再来として友人同士がライバル関係に転じてぶつかり合うのを楽しめるんだけど、そこまで凝ってはくれないかな。清少納言といえば片渕須直監督の次の作品が清少納言と枕草子をテーマにしたりするので、このまま作画が今年来年と進んで公開が2024年となれば、関連作品として平安ムーブメントを盛り上げそう。そこまで映画が引っ張られるのは辛いけど、面白いものになればそれで良いのだ。

 原稿を書きに図書館へといったら整理日ということで休館していたのでVELOCHEにこもってしばらくパソコンをカタカタ。出てそういえばかつ家で大人のお子様ランチめいたものが始まると聞いていたのでのぞいたら今日からではなく明日からだったと分かり断念。近所のラーメン屋で辛目のラーメンを食べたら午後になってお腹がごろごろちとしてお尻がひりひりとしてきた。こうやって食物は循環して栄養は体に浸透していくのだった。せっかくだからとアウトレットモールまで出かけて何も買わずに引き上げてきてやっぱり原稿書き。どうにか1本書き上がったので寝よう。充実した無職の1日。明日こそはかつ家だ。


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