縮刷版2020年4月上旬号


【4月10日】 イタリアで新型コロナウイルス感染症による医師の方の志望者数が100人に達したそうで、その道のプロフェッショナルであっても医療の現場では完璧にウイルスから身を守る術はなく、知らず感染しては発症してしまう。あるいは初期にまだこれほどまでの感染力とは知らず接触して感染してしまったのかもしれないけれど、そうした事例から防護服なり防護マスクをそろえようとする動きが全世界的に起こっていることもあってか、日本で防護服なり防護マスクが医療の現場で足りなくなる状況が出て来ている。今ですらこの状況なら対数的に感染者が増えていった場合、ベッドが足りなくなると同時に、医療関係者が感染して現場から居なくなる医療崩壊が起こりそう。

 だったらと各所で生産数を伸ばす取り組みをしているようで、イタリアなんかだとフェラガモやアルマーニ、エルメネジルド・ゼニアといった高級ファッションブランドが持てる職人の技術を活かして、防護服だとかいった医療関係の被服の生産の乗り出しているみたい。イギリスではバーバリー、フランスではシャネルやバレンシアガ、イヴ・サンローラン、ブルガリ等々、そしてアメリカではラルフ・ローレン。名だたるブランドがずらりと並んで持てるネットワークと技術を活かし、この事態に立ち向かおうとしている中で日本はといえば、なぜか航空会社のANAがキャビンアテンドを使って防護服を縫ってもらうとか言い出した。

 その申し出は人手のない状況ではきっと有り難いんだけれど、問題はキャビンアテンダントは縫製のプロではないってこと。そしてANAはファッション関係の企業ではないってこと。それこそウイルスも漏らさぬ縫製技術が求められるだろう防護服の製造に、そうした人たちを送り込んでも果たして間に合うのか。そうした考えもなしにキャビンアテンダントは女性が多く女性はお裁縫ができるからといった発想で、頼むなり言い出すなりしたとしたらちょっと今時ではない思考がそこにありそう。やってる感じを出そうとする、どこかの宰相にも似た行為。それが良しとされていたこれまでと違って、大げさではなく人類の存亡が掛かっている事態にこうしたフラワーな発想が生まれてしまうことが、この国をどこに導くのかが今はなかなか不気味だったり。

 ようやくやっと「異種族レビュアーズ」をアマゾンプライムビデオで見始めてそりゃ地上波では無理だろうと理解した。そもそもが配信を中心としたテレビアニメ化だって難しいような題材を、地上波も含めて放送・配信しようと考えた企画者の発想に恐れ入る。そして実際に作り上げては一部の放送局でちゃんと放送を行い、配信も行っているというこの事実。もしかしたらテレビアニメを何か変えたきかっけの作品となるかもしれない。まだ全部は見ていないけれど、キノコの回とか暗喩がまるでそのままでなおかつ太さが増しているのでエロさ10倍って感じ。逆に産卵の回はエロさよりも踏ん張る力が目についた。このあたり、人間のスタンクと同じ感覚かも。そういう意味では人類学なり生物学なりの視点からも楽しめるアニメだった、ってことになる? 大人の「ふしぎのメルモ」とも。そういう視点で突き詰めてみるか、長い休みの間に。

 今日も今日とてカット袋にバーコードを貼ったりカット袋を撮影したり。見知った作品でテレビというかアマゾンプライムビデオでずっと見ていてその第7話で拳銃を奪い取って逆襲するシーンがあったんだけれど拳銃持って自分を引き連れている相手が遠くにいる人物に銃口を向けた瞬間に拳銃を跳ね上げて顔にぶつけ、それで起こった相手が自分に拳銃を向ける場面で、ずっと拳銃を蹴り上げたかと思っていたらどうやら右手で跳ね上げたみたいだった。そりゃそうだよなあ。跳ね上げて向けてきた拳銃を奪い取って逆襲に転じるあの場面。なんで蹴り上げたんだと思ったんだろう。蹴り上げた方が格好いいからと思ったんだろうか。

 7月3日から7月5日まで開催予定だった湘南ひらつか七夕まつりが新型コロナウイルス感染症の拡大防止の意味もあって開催中止となって、7月まで影響が伸び始めていたようだったけど、同じ7月の11日に開催予定だった隅田川花火大会も中止となって、この流れで行くと7月中の大きなイベントは軒並み中止となりそうな予感。阿佐ヶ谷の七夕まつりは8月に入ってからの開催だからちょっと読めないけれど、流れに沿ってやっぱり中止となるのかなあ、それだとアニサマなんかも可能性が高そう。取材拒否とかされたイベントなんで主催者には同情しないけど、出演したいアーティストに見たいファンのためにも開いて欲しいもの。どうなるか。

 ところで隅田川花火大会の中止に際して、コレラで始まった花火大会がコロナで休止となるって言い回しがちょっと蔓延りそうだれど、享保の時代にコレラが大流行してなくなった人を供養しようと、隅田川花火大会が始められたというのは作り話らしくって、元は宣伝目的で始まったものに何か意味を付けようとしてそうした伝承が語られるようになたっとか。調べた人がいてそこで綴られている1732年のコレラ大流行というのがそもそも歴史上の事実ではなく、従って翌年の1973年に花火大会が始まったということもないんだとか。今なら即座にそうやって史料なんかにも当たれるけれど、伝承が言われ始めた明治の頃だと、調べようにも調べられないから言ったもの勝ちだったみたい。とあいえ今はデマでもあっという間に拡散してしまうから、それはそれで問題。否定する言説が同じ範囲で広まるとは限らないし。厄介極まる。


【4月9日】 数日前の沙村広明さんによる「波よ聞いてくれ」に続いて、マンガ大賞のノミネート作をつぶしていくようにまた1作、漫画作品の紹介を書いて送ったのでお仕事に行く。本来はライトノベル系の紹介がメインなんだけれど、最近は漫画もいくつか手がけ始めた。小説よりも漫画の方が記事としては読まれるものなあ。でも小説のとりわけライトノベルもやらないといけないので、作品を探していこう。とりあえず『転生したらスライムだった件』については抑えておきたい。

 そして緊急事態宣言翌日を休んで1日おいて仕事へと向かって降りた三鷹駅の構内にあるすべての店が閉まってた。上にあるプロントもJINSも無印良品もサブウェイも当然に閉店中。電源がとれて食事もできたプロントとサブウェイがやっていないと、そこで原稿とか書いて仕事に向かうことができなくなるのがちょっと痛い。まあ今日みたいに玄関先で仕上げつつつ電車の中で書き上げるといった手を使えば良いのかな。それもいつまで続くやら。

 お仕事では劇場公開されているアニメーションのテレビ部分に関して触ったり眺めたり。実際に見ている作品だとこの場面はこんな原画だったんだと分かっていろいろと面白い。イケメンとか出てくる作品だったからどんな描かれ方をしているかなあとか、途中の作画が微妙だと言われた作品だけあってどうなっているかなあとか、考えたけれどもそこはシロウトなのであまり分からない。

 ただやっぱり急いで作られていた関係か、いろいろとメモがついていて作業の大変さが感じられる。こうした経緯をアニメーターなり制作が経験として理解しておく一方で、やりとりの記録も残しておくことで将来においてこの作品はこういう環境で作られたんだって、分かってもらえるのだろう。分かりたいという人がどれだけいるか分からないけれど。 状況もあってそれなりの時間に退勤してネットを見たら東京での新型コロナウイルス感染症の死者が180人以上に達したとか。以上だからさらに増えているかもしれない。全国の死者も100人を超えてきていよいよ事態も深刻さを増した感じ。これで週末にかけて200人を超えて来週に400人に達したらいよいよアウトブレイク&オーバーシュート。どんな技かと思うような状況がこの東京に現出する。凄い時代に生きている。
B
 「SFマガジン」の発売が1カ月延期となり、「週刊少年ジャンプ」が合併号での発売となって出版業界にも新型コロナウイルスの影響がじわじわと広がっている感じ。そしてあの出せば確実にベストセラーになる「鬼滅の刃」の最新刊も5月1日の発売予定が5月13日にズレ込んだ。発売ともなると大量の本を出荷して配本しなくちゃいけないけれど、そうした物流が途絶えている上に大手の書店が軒並み休業していたりするので、配本先がなかったりするからこれは仕方がない。だったら電子版だけでもと思うけれど、それをやってしまうとやっぱり書店に悪いだろうからここは電子版も5月13日の配信となるのかな。これがニュースになること自体、「鬼滅の刃」の凄まじいばかりの人気ぶりを洗わしていると言えるかも。

 何というかもはや間抜けとしか思えない。「安倍さん『行きたいライブが中止になった、友達との飲み会に行けなくなった、会いたい人に会えなくなった。かつての日常は失われました。しかし、その行動が感染予防に繋がっています。』会見の中で突然私たち目線の発言をされたのでちょっとどきっとしてしまった……ああ、総理も人間なんだな」って文章のツイートが出回って溢れかえっているけれど、やらせているとしたら逆効果だし誰かがやっているとしても安倍総理への嫌悪を生むとしか思えない。

 とはいえそうやって拡散しても当たるのは1つくらいというツイッターの利用頻度の人だと、それが共感となって安倍総理への親近感を高める効果を生む可能性がある。それを狙ってのことだとしたらやっぱり間抜けと誹るのではなく、注意をしていかなくちゃ。一方で、こうした投稿の絨毯爆撃現象を称して「ランサーズ」と言われてしまうのはランサーズにとって気の毒な自体。フリーを求めるプラットフォームであって、会社として何かやらせている訳ではないのに。もはや業務妨害になりかけているというか。2ch時代の「ピットクルー」と似た企業名の流用。「電通」もこれに加わる状況は、やはりネット的大喜利風簡易レッテル楽々貼り付け機能が招いた事態なのかもしれない。やれやれ。

 ようやくやっと「プランダラ」。そうか続くのか。このクオリティで2クールとはまた冒険的だけれど、見ていて頭を使わなくて済むところが実は案外に楽しかったりする。未来から300年前に戻って学園ドタバタが始まるのかと思ったら、そこは軍人の養成学校というから吃驚。集まって来たのはどう見たって普通の学生でヤンキーでギャルだから、とても軍人の学校とは思えないんだけれどどういう生徒の募集をしたなろう。そんな中に混じって離人もいて眼鏡っ娘もいたりして、未来の状況が到来するまでの何かが描かれるんだろう。漫画読んでないからこっちで追おうストーリー。


【4月8日】 「波よ聞いてくれ」のアニメーションをNetflixで観終わる。なるほどこういう構成で来たか。ストレートに漫画版をなぞらず最初に架空実況を持って来てそして導入部へ。それでいったい何をやっているんだと興味を持たせて引きずり込む。あと怒濤の喋りがとにかく凄い。杉山里穂さんってほとんど新人なのによくもまああれだけ喋り倒せるものだと関心。アニメ声って感じじゃなく25才くらいの女性のあっけらかんとして強い声をどこまでも出し切ってくる。凄いなあ。本番もラジオと同様に噛まずリテイクなしの1発録りだったらもっそ凄いかも。

 原稿を送った「SFマガジン」の2020年6月号が、新型コロナウイルス感染症の拡大予防を目的とした企業活動自粛の動きの中、編集部の人たちの安全を守るといった意味合いから在宅ワークへの切り替わりがあったらしく、作業が滞ることもあって25日に予定されていた発売が延期になった。過去に月刊だったものが隔月刊に変わったことはあったけど、発行そのもんが延期になるなんてことは買い始めてから40年近く経つけど記憶にないし、刊行以来おそらく経験もないだろう。それだけ事態が深刻だってことだけど、同じことは他の雑誌にも言えることできっと同じ事例が出るだろうなあと思っていたら、あの「週刊少年ジャンプ」が4月20日に出る予定だった号の発売を1週間延期して、合併号にして発売するって発表した。週明け4月13日に刊行される分はもう作業も終わっているらしくそのまま刊行されるけど、続く号に関しては編集部員に新型コロナウイルスに感染した可能性のある人が出てしまったため、作業が滞っているみたい。

 在宅ワークに切り替え入稿から出稿をオンラインに切り替えつつ最小限の出社で作ろうとしていても、感染者が出るなり感染の可能性が取りざたされるとフェーズがもう一段変わってきて、編集作業そのものが遅滞してしまう。原稿を取りに行くにも打ち合わせをするにも、やっぱり対面があるとするならそれが難しくなる。切り替えようにも一朝一夕では無理となればやっぱり遅らせるしかないんだろう。

「週刊少年ジャンプ」でそうなら、たとえば5月に発売のアニメ雑誌なんかはどうなるんだろう。4月10日に発売される次の号は当然終わっているだろうけど、次の号はこれからが入稿から校了へと向かうんだろう。そこに立ちふさがる新型コロナウイルス感染症に伴う在宅ワークの推奨に、大型連休という2枚の壁。これを乗り越え遅滞なく編集を終えて10日の発売に間に合わせられるのか。なんか考えるだけでも胃が痛くなる。アニメ雑誌ではまるで仕事はしてないんだけれど。

 新聞だって社会面と経済面と政治面だけあればあとはいらないってことになり、文化面やら家庭面の記者は在宅ワークとなって薄い新聞が宅配は取りやめ駅売りだけになってしまう、なんてこともあるんだろうか。企業活動が滞って広告だって入りづらくなっているから、薄くなるのはある意味で歓迎だろうけれどその分収入は減ってしまう。ただでさえこれから東京オリンピックとパラリンピックに向けて、ガンガンと広告を入れていく予定だっただろう新聞社にとって、売れないだけじゃないダメージがこれからズドンと来そう。

 スポーツ新聞も記事のネタがなくて駅売りも売れなくなっていて存亡の危機。そうした中で倒れる新聞社なんて出てくるかもしれないけれど、どこが真っ先になんて想像するだけで怖くなるから想像しない。頑張っては欲しいけれど……。逃げ出して正解だったかどうかは、未だ漂っている自分が言えることではないのでまだちょっと様子見。ミステリマガジンは5月にちゃんと刊行されるかな。それが気がかり。

 在宅のテレワークに切り替えられる人が来なくなっても物理的に物を動かし整理して確認をする作業は在宅では不可能で、それをしないとワークフローが止まってしまうという理由をつけつつ、家にいたら沈んでしまう自分の気質を考えて、引き続き通い続けてくことになるだろうお仕事を今日はお休みして歯医者へ。患者の口に手を突っ込んで唾液まみれの歯を触るという歯科衛生士さんたちの大変なリスクを抱えてのお仕事ぶりに感嘆しつつ、下の歯から始めた歯の根元、歯茎の部分に隠れた歯石をガリガリと削り取る治療を受ける。3回目。

 前々回の通院で自身の下の歯の左側から始めて前回は中央を削りそして今回は右側。結構な付着があるらしく突っ込んだ針だか何かを思いっきり引っ張ったり引っ掻いたりして歯の根元とか表面からあれやこれや削り取っていったみたい。あれだけ引っ張って歯が抜けるかと思うくらいの強さだったけれど、びくともしないところはやっぱり歯茎の丈夫さか。こうした治療が受けられるうちは歯もまだまだ安心といったところか。

 1時間半の治療を終えて次回の予約となってとれたのが2週間先なのは、間に新型コロナウイルス感染症の行方がどうなって、発症者が出るなり完全ロックダウンが起こるなり僕自身が発症するなりして予約どころか開業自体がとんでしまうようなことも考慮してか。それでも開業を続けてくれるだけ有り難いところ。いつも言ってる薄毛専門の美容院も、そろそろ次の予約をとりたいところだけれど、東京都の言い分だとこうした美容院とか理髪店は不要不急でお休みしなくちゃいけないみたいだからなあ。まあ毛は伸びても死にはしないから良いんだけれど。

 JR駅の地下にあるスーパーは閉店時間が早くなって買い物に向かず、果たしてノマドできる場所もあるのかと心配していたら京成のガード下にあるタリーズはしっかり店を開けてていたんで平日とかはそこでいろいろ作業はできそう。ただし土日は先日と同様に夜の7時でしまってしまう可能性もあるから、ここは昼過ぎまで寝転がって沈んでいるより、朝から出歩いて作業をさっさとすすめて夜はしっかり寝るのが良いのかも。去年の今頃はまだそうした習慣がついていたけど、この数ヶ月どうにも午前中に動けなくなっているのだった。改めねば。


【4月7日】 「サザエさん」のアフレコ中止がサザエさん役の加藤みどりさんによるラジオ日経でのトークから明るみに出たのに続いて、「それいけ!アンパンマン」のアフレコも中止になったらしいと報じられて、いよいよアニメーション界でも作画の現場以外のところで新型コロナ感染症による影響が出て来た感じ。何しろ録音ブースという密室に何人もの声優さんたちが入っては、それこそ密着するようにして声を吹き込んでいくアフレコの現場。大声で喋れば当然に唾だって飛ぶし拡散もされる。そんな環境であるにも関わらず、換気どころか外の音とか入らないよう閉め切られているスタジオに、いるのも相当な不安があっただろう。

だからしばらく前に神谷明さんが、何かの作品で年配の声優さんは録音がひとりだけ抜き録りにしてもらえるようになったってツイートしていた。そういう対応も当然ありかとは思っていたけれど、だったら他の若い声優さんたちはブースに詰め込まれて1つマイクに向かって交互に声を張り上げていく状況に置かれて平気かっていうと、若い人でも感染しては発症して重症化するケースが見られるようになっているだけに、不安も募っていただろう。声優の置鮎龍太郎さんも今この時期にどうして大勢が集まって録音するのか分からないってつぶやいていたし。

 だから、収録が中止されるということ事態は昨今の情勢から仕方のないことではある。ただ、再放送などによって埋め合わせが行われた場合、出演している声優さんには再放送からお金が入ることもありそうだけれど、新作なんかの収録が伸びてしまった場合、それに出演が予定されていた声優さんたちは仕事がまるっとなくなってしまう上に、埋め合わせのお金がもらえる訳ではない。1クールで収まりそうもない状況で半年先まで収録が中止されてしまった時に、いったいどれだけの声優さんが収入ゼロに陥ってしまうのか。考えるとちょっと可哀想になって来た。もちろん、そうした収録中止の結果として新作アニメ自体が作られなくなてしまって、放送延期が相次ぐようになった時にアニメーション制作会社が被るダメージなんかも結構ありそう。

 そういったしわ寄せなり影響がトータルでどこまで広がり積み上がるか。想像も付かない。そんな中、自宅に録音ブースを作ってしまって朗読だって録音だってできますよって誘いを掛ける声優の小岩井ことりさん、なかなかの豪傑。プロが見ればきっとすさまじい機材が個人宅なのに揃っているって驚きそう。DTPの機材もあって音楽とかも宅録しえいるみたい。どうしてそんな高価な機材がって質問に「すべてつっこんでいるから」と答えていたのも豪快だった。その結果としてモノ情報誌でデジタル家電のリポートや、ヘッドフォンやイヤフォンの試用リポートをしているからなるほど芸は道を助けるとの典型か。声優という芸が滞っているのをカバーできる芸。人生には2芸3芸が必要か。頑張ろう。

 しばらく前まで元気そうにしていたイギリスのボリス・ジョンソン首相が新型コロナウイルス感染症にかかって発症して、それでも籠もりながら仕事をしていたみたいだけれどそんな最中に公開された写真がなかなかのやつれっぷり。アメリカのドナルド・トランプ大統領と対抗できそうな体格と表情を持っていたのが痩せて険しさがとれていた。咳とか熱とかに苦しめられて夜も寝られていないのかも。そしてついにICU(集中治療室)に収容とか。まだ人工呼吸器の挿入とかには至っておらず、緊急事態に備えてのことだっていわれているけどそうした病状が公表され、準備を整えられているとう情報事態が発信されることが異例。首長の病状って国家の運営に関わることだから、平時だったら隠すよね。でも違う。それだけ大変ってことなんだろう。しばらくは様子見だけれど、大きな変化の兆しだとしたらそれはどこへ向かう? 見守ろう命とお金の続く限り。

 Netflixでずっと見ていた「歌舞伎町シャーロック」も最終回となってモリアーティをめぐるドラマみ決着を見た感じ。モリアーティって名前からしてやっぱりホームズものでは悪役で、いろいろと事件を起こした上にその心にあいてしまった穴についても触れられていたけれど、生来のそうした嗜好であってもふさぐ存在がいれば何とかなったはずという主張が響く。楽観かもしれないけれど見捨ててはいけない視線。同様に穴というより存在事態が空虚だったホームズも自分を写す鏡のような存在を回りに感じて立ち直った。お互いにふれ合っても穴を埋められず自分を写せないホームズとモリアーティではどこまでも堕ちていっただろう。その意味でワトソンはやっぱり素晴らしい相棒だ。前段の区長による謀略と後段のモリアーティによる犯罪と分断気味ではあったけど、毎回楽しませて頂きました。願わくは語られ続けて欲しいもの。終わるとたちまち雲散霧消のアニメ界だけに。

 そして19時7分に会見中の安倍晋三内閣総理大臣から非常事態宣言が布告されてこの国の一部ではあるものの非常事態に突入。非常なので出入り口は非常口を使わなくてはならず電気は非常灯のみとなってそして食べるものも非常食ばかりになるかというとそれはないけれど、不要不急のお出かけなんかが難しくなって百貨店は閉まりカラオケはもちろん閉まってそしてホームセンターまで閉まってしまう。せっかく家にいるんだからと掃除とか日曜大工とか庭いじりとかしたくても道具や資材が変えないんじゃ何の自宅待機だよって人も多そう。こんな時に自粛されていない山梨県とか群馬県から行商人が出たりするんだろうか。まあ冗句はそれくらいにして日本どころか世界がそんな状況になるなんて誰が予想しただろう。企業人としてではなく素浪人としてそんな状況にあってどうなるか。これは貴重な人生経験と思うしかないかなあ。1度きりの。楽しむしかないかなあ。


【4月6日】 映画「PSYCHO−PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR」を劇場で見て、AmazonPrimeVideoで何度も見返して、そして「PSYCHO−PASS 3 サイコパス3」のテレビシリーズも見返して、タツノコプロが手がけた「PSYCHO−PASS サイコパス2」まで遡って見ていって、「PSYCHO−PASS サイコパス」シリーズにおける吉上亮さんの最大の功績だと思ったことがある。それは劇場上映された3部作の中でシナリオを手がけた『PSYCHO−PASS Sinner of the System Case.1「罪と罰」』で、霜月美佳を僕ら好みのキャラにしてくれたことだ。

 2期のままではシビュラを絶対視する宜野座以上に官僚的で強権的なキャラになってしまていたのが、『罪と罰』で張り切り事件を仕切って解決へと導き自分を「正義の味方」とまで言う外向きの性格を見せ、そして3期で課長として新任の監察官に悩まされつつ外務省なんかと折衝し局長とも駆け引きをしてしっかりと公安局刑事課を保たせつつ、自身は顔芸も多彩なちょっぴりヌけた雰囲気を見せて楽しませてくれる。こうなったもの『罪と罰』での軌道修正が大きいと思うのだった。脚本の吉上さん主導だろうか、監督だろうか深見真さんも絡んだのだろうか。ちょっと気になる。

 そういやあ作られていたんだあとNetflixで観た4K手描きアニメーション「Sol Levante」。ディテールは細くてなおかつそれぞれがしっかり動いて圧倒される映像にはなっている。そしてカットアウトという手法によって関節単位で絵を作って動かしつつ間を自動生成で埋めて毎秒24コマのしっかり動く映像を作りあげたことがもたらす可能性も感じられる。その意味では大きなステップをNetflixの支援で手がけられたことはアニメーション制作会社にとってひとつの財産、蓄積されるノウハウになるだろうなあ。あとはそれで何を描くかだ。「Sol Levante」では何が描かれたんだろう。綺麗で細かくはあったんだけど……。

 緊急事態宣言がいよいよ出るらしく明日から果たして世の中がどうなってしまうか皆目見当がつかない。アメリカのニューヨークやイギリスのロンドン、フランスのパリのように完全ロックダウンで事業所も閉鎖となって街を歩く人たちがほとんどいなくなる状況は、日本の場合は起こりえないらしくきっと朝からやっぱり満員電車に乗って大勢が会社に向かい、そしてやっぱり混み合った電車で帰宅する日々が繰り返されるんだろう。これで減便とかされたら余計に混雑が激しくなって感染リスクも高まりそう。事業所の閉鎖が成されて初めて減便も意味があるのにそういう連携はせずに減便してます協力してますといった態度を見せて良しとしてしまうこのスタンスは、ある意味で日本らしいと言えるかも。

 とりあえず飲食店とか食料品店は店を続けるみたいなんで、家を出て喫茶店で原稿を書くとかするのは大丈夫だと思いたい。そしてスーパーで食材を買って帰って食べるとかも可能だろうけれど、娯楽の方は映画館がやっぱり閉まってしまいそうで、これから向こう数ヶ月の間に公開予定だった映画が軒並み公開延期を決めてきた。アニメーション映画だと「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が控えていたけどこれは延期。「名探偵コナン 緋色の弾丸」もやっぱり延期でもしかしたら1年後の東京オリンピックに合わせて公開なんてことになるかもなあ、内容が世界的なスポーツ大会に合わせてのものだったし。

 テアトル東京も閉まるみたいで「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」もこれで途切れてしまうってことだっけ、まだ続映してたっけ。昨年12月の公開でほぼほぼ首都圏では行き渡ってこれから拡大公開だったけれど、地方についてはロックダウンとはならないから公開はされ続けるのかな、続いて欲しいかな。気になるのは「劇場」か、又吉直樹さん原作の小説を映画化したもので松岡茉優さんが出演していてなかなかかわいらしい姿を見せてくれているのだった。映画館が閉まってしまうなら否応なしに延期か。ちょっと気になる。

スポーツについてもこれでおそらく5月末までプロ野球もJリーグも再開はないってことだろう。バスケットボールみたいにこぢんまりとしたアリーナで無観客試合をやって中継することも、さすがに野球とかサッカーだと厳しいかな、カメラだって何台も必要で中継にかかる人数とか考えると、ちょっと対応が難しい。いっそだからNBAみたいにゲームでもって選手が参加して決着をつけるような試みをすればいいのに。せっかくプロ野球チームはコナミのパワプロでeスポーツのリーグを繰り広げたんだから、これを拡大して開くとか。そこに野球選手も参加させるとか。今こそeスポーツの時代なんじゃないかなあ、アリーナで観戦は無理でも実況なら家で視られる訳で。

漫画喫茶も休業になるみたいだけれど、これと隣り合わせのネットカフェとかも休業になったら、ほとんどそこに寝泊まりしている人たちはいったいどこに行けば良いのか。、連泊を重ねてそこで生活をしながら小説家になった人だっていたりするのが現代。昔のドヤ街の簡易宿泊所めいた存在となっているけれど、宿泊所は営業が続けられてもネットカフェはそうでないとなると放り出される人が大勢でそう。そして街をさまよい新型コロナウイルスに感染してしまうという。救済の道とか立っているんだろうか。それこそ新国立競技場のスタンドに寝泊まりとか、座席が木だし、堅いらしいけど。


【4月4日】 起きたら何やら蒼井翔太が話題になっていたので何かと調べたら「ポプテピピック」の須藤孝太郎プロデューサーと青木純監督が新しく手掛けた「ギャルと恐竜」が、実質「ポプテピピック」だったということでネットを騒然とさせていた。さすがにAパートとBバートを同じ映像で声優だけが違うという手段はとらなかったけれど、アニメーションパートのメインエピソードを後半で実写にしてギャルでもない見栄晴さんを主役に着ぐるみの恐竜とやりとりさせるドラマを入れて構成するとはさすがなズらし。そこになぜか「残酷な天使のテーゼ」や「魂のルフラン」の高橋洋子さんが女優として出演していて、なおかつ親戚らしい高橋竜子さんがエンディングをうたっているという畳みかけでもってバズりを誘っている。うまいなあ。

 だったらそうした煽りだけかというと、「ギャルと恐竜」はアニメーションの部分ものんびりとしてほほえましい。「リラックマとカオルさん」のほのぼのさとはちょっと違うけど、恐竜があがりこんでも慌てず淡々と毎日を楽しく生きているギャルの姿になるほどこの喧騒の世の中を淡々と生きるためのヒントめいたものが感じられた。狭いところでも楽しさを感じようとする心。それが大事なのかもしれないなあ。お金がないならそれなりに、ってことだねえ。参考になる。

そうした物語性とは別にやっぱり「ポプテピピック」みたいに変化球をこれでもかとアニメーションにぶち込んでくるところが青木純監督。本編の作画アニメーションとは別にCGアニメーションのパートがあってそこで「ニンジャ・バットマン」にもかかわっていた岩本舜也さんや、「ポプテピピック」でフランス語パートを手掛けたティボ・トレスカさんが参加して、それぞれにほんわかとした恐竜のふるまいを見せてくれている。さらにはゲーム画面的な映像を「ポプテピピック」で手掛けた山下涼さんを起用しての恐竜を探せ的パートを提供。エンディングには「ポプテピピック」でファンキーでソウルフルな人形によるストップモーションアニメーションを手掛けた、当真一茂さんと小野ハナさんによるユニット、UcyuPeopleがこれまた可愛らしいストップモーションアニメーションを提供している。

 これが良い。フェルトの質感で作られたギャルがとにかくかわいいし、恐竜もしっかりと造形されていてアニメとも実写とも違ってそれでいて共通するほんわか感をもった『ギャルと恐竜』の世界をそこに現出させている。動きも巧みだし目線の誘導がとても上手い。東京藝術大学大学院アニメーション専攻の修了制作作品となる「パモン」で当真一茂さんが見せてくれた明るくて楽し気な世界がそこにあった。同じく東京藝大院アニメーション専攻の修了制作作品で、毎日映画コンクールの大藤信郎賞を獲得した「澱みの騒ぎ」のようにダークなモノクロームの世界がどちらかといえば得意そうな小野ハナさんも絵コンテだとかデザインの部分で力を発揮。そうしたユニットの力が結集したエンディングになっている。傑作だ。

 このパワー、この才能を個人的にはオリジナルで見たいんだけれど、ちょっと前に横浜の小金町で開かれた小野ハナさんの個展で、店番をしていてしゃべった当真一茂さんは、インディペンデントでオリジナルを作り続ける難しさってのをいろいろ教えてくれた。こうした商業作品を手掛けつつ、合間にオリジナルもと考えてはいるんだろうけれど、時間もなければお金もない。小野さんはそれでも文化庁の助成を得てオリジナルを作り展覧会で公開していた。当真さんのストップモーションアニメーションは時間もかかるだろうから、やっぱりCMやエンディングが中心になってしまうのかなあ。その中でも作家性は残し得意さを見せつけてくれた。讃えたい。

 118人でも大概だったけれども4月4日の東京都における新しい新型コロナウイルス感染症感染社は何と143人で、前日が土曜日で平日ほどの検査数があったんだろうかとちょっと思った中で、感染者数はさらに大きく増えてしまってこれからのことがちょっと心配になってくる。25人増だから5分の1強といった増え方だけれど1日で見るよりも3日くらいを置いてみて、そして倍になっていくようならこれは本格的な対数曲線によるアウトブレイク。限界も超えて来て病院のオーバーシュートは確実な一方で、病院が次々と新型コロナウイルス感染者を出して外来の受付を止めてしまっていたりして、新型コロナウイルス感染症以外の慢性疾患なり急病なり怪我なりを受け入れられなくなっていきそう。

 今までだったら助けられる命が助けられない事態に直面して、お医者さんは看護師さんら医療に携わる人たちのメンタルなんかにも相当なダメージが起こりそう。大勢が一気になくなる災害も厳しいけれど、目の前で自分たちが命の選択を迫られるような局面ってのは滅多にあるものじゃない。というかあってはいけないことが目下、起こりかけている状況をどうにかするためにも、早急な対応が必要なんだけれど政府は相変わらず鈍いというか、事ここに及んですべてが解決した暁に、収益をダウンさせた旅行業とか飲食業を守り立てましょうなんて政策を打ち出す構えを見せている。

 そんな政策でもってお客さんが増える前に飲食店は今の来店客ゼロの状況でばたばたと潰れ、旅館なんかも宿泊客が激減している中でばたばたと廃業に追い込まれている。つまりは息の根を止められてしまう業界に対して、支援をしたって受けるべき明いてはもう死んでいる。だから殺さないための政策が必要なのにそうした給付だとか支援にはまるで乗り気じゃないのが今の政権だからなあ。お金は貸しますといったところでそれでいつまで乗り切れるのか。長期化させない取り組みが必要であるにも関わらず、一方でアウトブレイクとオーバーシュートが必至な情勢を黙認しているこの矛盾。こんな時、さっさと原発を止めた民主党政権だったどうだろうって考えてしまうよなあ。やっぱり。


【4月4日】 朝日新聞の文化欄にある「ひもとく」という近々の状況なんかについて触れられた本について紹介するコーナーで、カミュの「ペスト」とか「疫病と世界史」「感染症と文明」「復活の日」「日本沈没」なんかにまじって「リウーを待ちながらも」取りあげられたとか。昨今の新型コロナ感染症がのアウトブレイクからパンデミック、そしてロックダウンといった状況があまりにも描かれている内容に似ていると、1週間ほど前にリアルサウンドブックで取りあげ紹介した時にはまだ、知る人ぞ知る漫画だったけど講談社による連載の一部無償化から連載再開なんかがあり、そして嬉しくはない現実の深刻化もあって一気に認知度が高まった感じ。その一助になれたかどうかは分からないけれど、問題は描かれた事態が日本で起こってしまうことで、それを避けるために読まれて欲しい、総理大臣や官邸にも。あと本で読みたい人のための増刷も。

 110人以上という見出しも出回っているけれど、118人だからむしろ120人近くの方が言い得て妙だと思う人も多そうな東京都での4月4日の新型コロナウイルス感染者数。40人くらいだったのが60人くらいになって90人近くになり、そして120人といった感じで対数的と言えるかどうか数学頭が弱いので分からないけれど、数日ごとに1.5倍な感じで増えていったらこの先カーブはぐいっとあがって、すぐに1日1000人超えとなってしまいそう。それはまさしく恐れていたオーバーシュートを引き起こす。

 亡くなられる方の数はまだ全国で77人に止まってはいるけれど、感染者数の増大に比例して増えていくのならその人数もやはりだんだんと増えていくのだろう。それ以前に感染者に割かれる医療的なリソースがどんどんと逼迫していくのは明らかで、それに対して対策が追いついているかどうかといったところで、制度面設備面で課題がやはり多そう。 とりあえず検査して感染が判明したら入院という流れが病院のベッドや治療設備を埋めてしまうという問題があって、軽傷者は無発症者を別の場所に集める必要がある。これについてちょっと前には、2020年の東京オリンピック/パラリンピックのために用意されていた選手村を使うといった手も挙げられていたけれど、それとは別にアパホテルや日本財団がホテルやパラリンピック用のアリーナを提供しても良いって手を挙げてくれた。

 日本財団といえば元は日本船舶振興会で右翼の大物、笹川良一さんが面倒を見ていたことで知られている。「一休さん」を観ていた子供は親孝行で戸締まり用心火の用心を訴える人の良さそうなおじいさんだという印象が植え付けられているけれど、実際はなかなかの人物だそうで、そうした人の流れをくんだ施設なんてと言えるかというと、いやもうこの状況に率先して手を挙げてくれるのは大歓迎といった機になる。そこはさすが国士というか。

 アパホテルに関しても、創業者の人が藤誠志名義で書いていたりする日本の近現代史に関する文章とかが、とてつもなく歴史にチャレンジングだったりして眉をひそめたくなるところがある上に、そうした著作をホテルの机の中とかに入れておいて宿泊客に読んでもらおうとして、中国や韓国からの観光客が泊まるに泊まりづらいホテルとしてあげられてしまった過去がある。今はそれほどまでに目立った置き方はしていないそうだし、オリンピックを前に世界を相手に拳を振り上げるまねはしていなかったとも言えそうだけれど、そうした思想は思想として、この国難に手を挙げて施設を提供してくれるというのはやはり国士の風情があるかもしれない。観光客が激減して施設ががら空きだってのもあるのかもしれないけれど。

 そんなアパホテルだったらやっぱり幕張にある旧幕張プリンスホテルを買収したホテルとかに、2週間くらい隔離されてみたい気もしないでもない。周囲に何もないから出かけるに出かけられない場所でもあるし。ただそうした費用まで面倒を見てくれないとなると後で請求書も莫大なものになりそう。そこは国難だからと譲ってくれればなお歓迎。毎日の夕食がアパカレーでも我慢するから。むしろ歓迎? でも味がしなくなるというしなあ、新型コロナウイルス感染症って。

 全県的に外出自粛の要望なんかも出ている状況で、映画館も閉まっているし元より気力もないのでベッドから起き上がることなく、夕方まで寝転がりながら、アルファポリスで活躍されてた浜松春日さんのリデビュー小説受賞作となる「ラストオーダー1 ひとりぼっちの百年戦争』(講談社ラノベ文庫)を読む。人間に近いロボットのヒューマロイドが開発され、人間社会に浸透しつつある時代、軍用ユーマロイドのリアは基地を出て街へ出る。街では人間の仕事を奪うのではないかといった不安から、ヒューマロイド排斥運動が活発。旧型のヒューマロイドを連れていて、襲われそうになっていた少女を助けようとしたリアは、人間の少年と知り合ってメイド喫茶に連れて行かれる。

 しばしの交流を持ち、少年とも何度か合うようになって、そしてまた行こう思っていたリアだったけれど、そんな人間とヒューマロイドとの恋物語に向かうことなく物語は一気に舞台が代わり、リアは廃墟となり木々が茂る人工島にいて、兵士として拠点防衛を任され戦い続けていた。100年間も。襲来する半生物兵器を撃退する日々の中、仲間はだんだんと失われ、リアひとりだけが残った状況。それでも敵が来て変更命令もないなら撤退はできないと、リアはは単独で戦い続けてきた。ルバング島での小野田少尉を思い出すシチュエーション。上官の命令がなければ離任できないというのも似ている。

 もっとも、人間の方では戦争は終わっていたと認識。大きく文明が後退し地下や建物の中などに集落を作り栽培や採集などをしながら暮らしていた。そんな集落に育ったノーリィとミクリだったが、掟に反したという理由で村を追放されリアと邂逅する。戦争は終わったとノーリィたちは考えている。けれども半生物兵器の襲来はあって人間は狩られている。そもそも戦争はどことどこが戦った? そうした過去がまだ見えず、人間の側の趨勢も敵らしい側の正体も見えない中、リアは戦い続けようとする。リアをどうしたら解放できるのか。人類は何と戦いどこへ向かおうとしているのか。そんな物語と状況の解明が進んだ先に、たったひとりで戦い続けるリアの新しい運命も見えてきそう。ヒューマノイドと人間が改めて理解しあえるかも含め、次に期待。


【4月3日】 予定していたアニメ映画の試写が飛び、引きこもっていられそうだけど、それだと心身が沈むので明日明後日は新型コロナウイルス感染症予防のため、劇場が閉まって観られなくなる「囚われた国家」を、チェーン館として上映しているイオンシネマ 幕張新都心まで観に行く。予告編に登場した、シカゴが舞台というから海ではなくミシガン湖を臨む光景に、巨大なあれは砲塔かそれとも通信装置か何かといったメカニックがそびえ立つビジョン。そこに、日常の風景の中に異色のメカニックを置いて、エイリアン侵略後の地球のビジョンを描いたスウェーデンの画家、シモン・ストーレンハーグを思い出して、これは絶対に見ておかなくてはいけないと思ったのだった。

 知っていたのは、エイリアンが侵略してきて紛争と分断に明け暮れる人類を統治して、一部に秩序を取り戻し表向きは歓迎されつつも、その統治から外れた面々はより貧困に陥って格差が生まれている状況下、エイリアンに反抗しようと企む組織がうごめいていたということくらい。大昔に海外ドラマとして放映されて、マイケル・アイアンサイドの顔がやたらと思い浮かぶ「V」にも似た設定だなあと感じた人もきっと多いかも。「V」はそういえば2009年にもテレビドラマ化されて、取材か何かあってDVDをもらったから掘れば家のどこかにあるかも。見直すか。

 そんな印象を抱いて見た「囚われた国家」では2019年、黒人の一家が侵略によって逼迫するシカゴから脱出しようと車を走らせている最中、エイリアンの尖兵か何かに見つかり両親はその場で蒸発させられたものの、後部座席に乗っていたガブリエルとレイフのドラモンド兄弟は命を助けられる。そして8年後の2027年、兄のレイフは対エイリアンのレジスタンスとして華々しい活躍をし、けれども死んで伝説となっていた。そんな後を追うようにしてレジスタンスが密かに活動をする中、ガブリエルも何らかの役割を負っていたけれども、そんな彼を見張る目があった。

 ウィリアム・マリガン。シカゴ警察の特捜部でエイリアンに対するテロを防ぎレジスタンスを摘発する任に就いていた。どうやらドラモンド兄弟の親とは知人だったらしく、気にかけつつも仕事はきっちりこなしていたマリガンの目をかいくぐるようにして、エイリアンとの会談に臨もうとしていた副市長を狙うテロが画策される。

 ガブリエルを主役にレイフも関わってエイリアンへのレジスタンスを率いる旗頭に見立てた、ある意味でブラックスプロイテーション映画かなあと最初は思ったけれど、主役は白人の俳優でベテランのジョン・グッドマンが演じるマリガンの方らしく、テロリストたちにも白人の俳優女優が多く登場して別に黒人向けの映画として、今なお厳しい環境におかれる人もいて、差別だって受け続けている状況をエイリアンの侵攻になぞらえて描き、反抗のメッセージを送るものとは限らないといった印象を抱く。

 もちろんそうした意図もあるだろうし、黒人に限らずマイノリティから貧困そうまで人種的経済的宗教的な差別なり格差に対して挑みひっくり返そうとする動きもそこに込められているだろう。もっと大きな、地球全体をとりまく危機ということで資源問題であり昨今の話題の中心になっている新型コロナウイルス感染症(COVID−19)もそうした反抗の相手になっているとも言える。

 レジスタンスは常に危険に満ちていて、あらゆる人間が装置によって管理されドローンによって監視されている状況で、普通に銃器を集め爆薬を集め計画を練ってメンバーに伝達し、放棄を促したらすぐに露見してしまう。そこをどうやってかいくぐっているのか、といったあたりが『囚われた国家』の面白いところで、なるほどこうやって組織をマネジメントして計画を動かし実行へと持って行くのかと感嘆させられる。映画でももっともスリリングな部分。観に行った甲斐があった。

 それでもやっぱりエイリアンは強大で、人間の偉いさん1人暗殺したところで報復が待ち受けているだけなんじゃ、なんて思ったりもしたけれど、その先に描かれた展開になるほどそうかと膝を打つ。いやもうこれは傑作。大傑作だ。説明が少なく、だれが何をしていてどうなるかといった部分が分からないまま、展開に流されていくようなところがあって観る側に理解せねばといった集中が求められる関係か、それほど芳しい評判は得てないけれど、追っていくうちに何となく見えてきた構図から、やがて至るテロの場面とその後の展開を味わい、よくやったなあと思い劇場を出られる。そして、全体を把握した上で再見すると、登場人物たちの言動に最初は見えなかった理由が、意志が視られるようになる。そんな映画だ。

 ひな壇にずらりと芸人を並べていろいろとトークに突っ込ませるタイプのバラエティとか増えてしまった関係か、新型コロナウイルス感染症の予防を目的に人数を減らして収録しようにも次善の策がまるで浮かばず、どうしたものかと困っているテレビ局とか多いのかも。そうでなくても朝のワイドショーでコメンテーターが近い距離で並んでいたりする訳だし、ゲストを招く番組だってその距離が2メートルとか開いている訳でもなさそう。間にアクリル板とか挟んでの対談にしたらそれは刑務所の面会だし、スタジオを別々にしてテレビ電話的にしたら対談の意味がなくなってしまう。

それともここは合成にして、別々のスタジオにいながら同じスタジオにいるように見せれば良い? それこそNTTがオリンピックのために培ってきたイマーシブテレプレゼンス技術「kirari」の出番だよなあ。遠い場所で喋っている人を、半透明のスクリーンに目の前で喋っているように映し出すという技術で、音像もしっかりと立体感を持たせて臨場感を高めている。毎年この時期だとニコニコ超会議の中の「超歌舞伎」で使われて来た技術。実証を重ねた今こそオリンピックは延びてしまったけれども社会に実装して何かに使う時のような気がする。

 とはいえ、離れている場所にいる人を集まっている人の前に出現させ、スポーツイベントを中継場所でも臨場感とともに楽しめるようにするといった使い道だったから、さまざまな場所にいる人たちを同じ場所に出現させ、それを同時にコントロールしつつひとつのコンテンツを作り上げた上で、各所に配信するようなことが可能かいなか。出来れば大勢がひとつ板の上に立たなくても、舞台が作れて見せられるのに。バラエティでひな壇芸人を10数カ所に置き、kirariで中継したら足が出ることは必須だから、ちょっとそれは向かないか。

 報道はやはり残さざるを得ないということで、記者とかカメラマンの方々はこれからも現場に行って大勢が集まる会見に出て、密集する密室の中で密接な距離でもって話を聞くことになりそう。官房長官の会見なんで未だに会場が変わってないし座席の配置もいじられてない。河野太郎防衛相はそのあたり、機を見るに敏だからさっそく座席を話して座らせている様子。政権に入るとどうにもタカ派な言動が目立つけど、そこは保守本流で極ライトではないと思うから。どうだろう。

 報道現場にはもうあまり行かないけれど、テレビ局とかのカメラに関わる人の多さはやっぱり現代っぽくない。巨大なカメラをかつぐ人がいて音声がいてケーブルなんかをさばく人もいたり照明を当てる人がいたりとクルーで2人3人4人が動く。肩寄せ合って。これって結構リスクな気がする。小さいところだと記者がハンディカムを持って動いて自分で立てて撮りつつメモもとって記事も書き編集して流す。それでテレビの地デジクオリティ、あるいは4Kクオリティの映像が撮れるかっていうと無理かもしれず、ネット向けとかが中心だから出来ることだと言われそうだけれど、この状況ではやはり背に腹は代えられないというか、質と命は代えられないと割り切る必要もあるのかな。


【4月2日】 マスク2枚を配るだけじゃなくって、医療機関には1500万枚のマスクを配るし、他にもいろいろと対策を講じた上での各家庭へのマスク2枚だから、政府だとか安倍晋三総理大臣に何だその政策はと言って攻めるのは筋違いも甚だしいって声が、朝方に猛烈に上がっていたけれど、医療機関へのマスク配布も企業への助成もあって当たり前の施策であって、それとは別に個々人への支援がどうなるかって話の時に、効果面がサージカルマスクよりも劣り、人によっては気休めにもならないと言われる布マスクを、4人家族だっていそうな1つの世帯に郵送という人が大勢介在する手法でもって配布する意味があるのかどうか、ってところを考えない政策に、やっぱり愕然としてしまう。

 どうせ郵送するんだったら小切手だって何だって送った方が、よほど各家庭にとって嬉しい政策。でもそうした現金支給に躊躇していて今すぐに何か支援が行われるって感じがしないところに、ジワジワと不信感も募っているんじゃなかろーか。そんな市井の声からはずれて、妙に政権に行為を示しているインフルエンサーな人たちが、マスク2枚も拝領できて喜びなさいといったスタンスで発信している状況も、やっぱり奇妙で寒くて恐ろしい。慎重であり過ぎるなんてこともないし、求めて求め過ぎる状況でもない今、諾々と政策に頭を垂れてその足下に跪く人たちが、事ここに緊急事態となった時にどんな態度を見せるのか。そこがちょっと気になってる。

 ニューヨークあたりでロックダウンが行われている現地の状況を体感している住人とか、医療崩壊が起こりかけている現状を体感している医師の方からとんでもないことが起こっているといった声が挙がってそれが動画で伝わってくる。共通するのは2週間前のニューヨークでは誰も新型コロナウイルス感染症なんて不安視してなくて、マスクもしないで出歩きマスクをしているアジアの人を差別して罵倒していたものが、今は誰もがマスクをはめつつ外すら出歩かないようになっているってこと。アメリカ人がマスクをするなんて普段は絶対ないらしく、それが変わっている状況が事態のとんでもなさを示し、それが2週間で変わった事実から日本も2週間くらいでニューヨーク並みにとんでもない事態に陥ると警告する。

 ハグをせず握手もしないしマスクも早くからしている日本はニューヨークだとかロンドンだとかイタリアみたいに一気に感染者が広がるなんてことはない、なんて思い込んでいる節もあるけれども世界中の人たちも、そしてノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授も日本だけが特別だなんて思わない方が良いと警告する。満員電車に乗って通勤するなんて絶対にあり得ないアクションだとか。それなのに平気で今も朝に通って夜に変える繰り返し。このままだと数日から数週間のうちに日本も感染者が一気に広がり死者も増え、そして東京のロックダウンなんてことも起こりえそう。そうなったら東京にある仕事場には行けなくなる。

 何しろ1日の感染者数が東京都で97人と100人に近い規模まで一気に増えた。60数人だった過去最高から1.5倍で、これで翌日とか翌々日に120人くらいになったらいよいよオーバーシュートを覚悟しないといけない。ロックダウンも。もちろん千葉県だってロックダウンが行われないとは限らない。千葉県から東京に通っている人も相当にいるから、そういう人たちが家に留まらず近所を出歩けば、感染も広がってしまう。かといってずっと外に出ないで果たして神経が保てるか。すでに鬱々とした状況でクリニックに通っているから、たいして変わらない気もするけれど、長引けば将来を儚んで気持ちも沈んでいくのかなあ。その前に楽観へと切り替えられると良いけれど。

 なるほど今は「鬼滅の刃」を絡めるとコンテンツとして大いに見られ読まれるんだなあてことを強く実感。しばらく前からリアルサウンドブックに書評を寄稿しているんだけれど、そこで一般にはとてもマイナーな一田和樹さんによる小説「大正地獄浪漫」の紹介を寄せた際に、同じ大正時代が舞台ってことで枕に「鬼滅の刃」を振りつつそれとは正反対の展開で、勧善懲悪にはならないどころか善と悪の区別すらなく、そして鬼も関わってくると書いて、比較して読むと面白いってことを訴えた。それが奏功したのかリアルサウンドブックのランキングで1位まで上がった。

 「鬼滅の刃」について書けばすぐに行き、あとはタレントさんとがアイドルなんかのエッセイだとか写真集の紹介がトップを占めやすいランキングで、知られていない小説が1位になるのは珍しい。それもこれも「鬼滅の刃」のお陰だけれど、小説としてとてつもなく面白いので、そこを切り口にして手にとってくれる人がいれば嬉しいな。電子書籍が出ていればもっと良かったんだけれど。「リウーを待ちながら」も1週間前に紹介したけど、その後にネットで過去の連載の冒頭が再掲載され、そして全部が毎週再連載されることになった。待ちきれない人はキンドルで買って読んでいる模様。取り寄せようにも紙の本が重版未定で入手困難なこともあるけれど、代わりに電子版が手に入るならそれで間に合わせることができる。「大正地獄浪漫」はそれが難しい。だからせめて品切させず配本をして欲しいもの。お願いします星海社さま太田社長さま。


【4月1日】 エイプリルフールだけれど嘘なんかついている気持ちにもなれないし見たらむしろ腹が立つだろう雰囲気の中で、エイプリルフールのサイトが乱立する状況にはならなかったみたい。ジョージアって旧グルジアがベジータのカプセル落下をツイッターで報じていたくらいかなあ。面白いかというと面白くもないけれど、腹も立たないユルさ。毎年それくらいで良いんだよ。ネットが蔓延り始めてそういう競争が激しくなっていたから、ここでいったんリセットされるのも悪くないかも。

 去年の4月1日といえば、リストラクチャリングによるプレッシャーから会社を飛び出て無職という名のフリーになった初日で、それでも家にいたらいけないと早くに出ては渋谷へと向かい、スクランブル交差点のあたりで菅官房長官による「令和」の発表を見ていたっけ。それから1カ月後に元号が変わって新しい時代が来ると誰もが思っていた中で、次にしなくちゃいけないこともしたいことも見つからないまま、気だけ焦って鬱々としてクリニックにも通い始めてそして今なお将来への不安に押しつぶされそうになっているけれど、そんな自分に限らず世界中の人たちが現状に怯え、将来に不安を抱くようになってしまうとはちょっと思わなかった。

 1年間を諸々のご厚情もあってどうにかこうにか生きてはこられたし、幾つか興味深い仕事もこなしたけれども安定した収入を得るには至らず、それどころか収入はさらに減りそうな状況。そうした自分の境遇が不安に拍車をかけるけれど、外食産業がダメージを受け観光産業も大きくダメージを受け、エンターテインメント産業も日々の仕事が枯渇している中で明日食べるものに困り、今日住む場所を失う人も出て来そう。そうした人たちに比べれば自分はまだ、遠い将来への不安に怯えても、5年先まではどうにかやっていけるだけの状況にはあったりするだけに、気の持ちようなのだとここは切り替えるしかなさそう。それができれば簡単だし、最初から気鬱になんかならなかったんだけど……。

 だったら後悔しているかというと、やっぱりしつつも今日に出たとあるオピニオン誌に特定の地域を冠につけて新型コロナウイルスを呼んでいる言葉が堂々と表紙に印刷されていて、その広告が堂々と掲載されていたりするのを見るにつけ、そうした発行と掲載に携わっている場所にいたら、やっぱり心痛に苛まれたかもしれないと思うとちょっとは安心もできるかな、でもやっぱりできないか。1年経てば変わると思ったんだがなあ。それができないからこその惨状か。アンリミテッドどこ行った? いろいろと切ない。

 それにしても不思議というか奇怪というか、安倍政権のやることはやっぱりどこか間が抜けているとしか思えない。マスクが不足しているという話が広まっていて、買いに行っても買えない状況が実際に続いているけれど、そうした状況に対して安倍政権が郵便を使って1つの家庭に2枚ずつ、マスクを配ることにしたとか。おいおい世帯といったって、1人で住んでいるところもあれば8人家族のところだってある。そこに2枚だけマスクが行って何の役に経つ? そもそもが1人2枚でもすぐに使い切ってしまいそうな需要に対して、これで良いと思ってしまえる神経が分からない。だったら配らなきゃ良いかって話じゃない。やるべき時にやるべきことをやらないで、ポーズだけ取って良しとする態度が問題。それが万事に渡っているだけに、もはや唖然と通り過ぎて諦めすら感じないくらいになっている。困ったなあ。本当に困った。

 Netflixでアニメを見るようになって毎日1本くらいのペースで見ていた中で、1月からスタートした作品では「空挺ドラゴンズ」「ドロヘドロ」「ID:INVADED」あたりとともに好きだった「痛いのは嫌なので防御力の極振りしました」が最終回となってひとまず終了。防御力を上げすぎて誰にも攻撃できなくなったメイプルを狙って有力ギルドの最強剣士が躍りかかっていったけれど、瀬戸際まで追い詰めたところでメイプルのとんでもない秘密兵器が発動をして窮地を脱し、そのままギルドの数を減らす方策に出て見事に仲間たちと作った「楓の木」は10位以内を確保した。凄い凄い。

 単体ではほとんど反則だけれど、他が強くなったら勝てないって訳ではなさそうだし、メイプル自身も勝っても誇らずギルドメンバーに限らずみなと仲良くやっていくことが好きそうで、見ていてほんわかとしてくる。これが「オーバーロード」になると殺伐さを通り過ぎて殺戮が快楽に見えるような展開がわんさか。ネット発で異世界なりゲーム世界への転移・転生がテーマになっていても、書きっぷりで随分と印象も変わってくる。というか最近はむしろ絶対強者が善意の持ち主で仲良く統治していくような感じのものが多いかも。「転生したらスライムだった件」とか。比べると「幼女戦記」も「オーバーロード」も殺伐さが違う。ネット小説初期ってのはそういうのが人気で、けれどもだんだんと変わっていったのかな。誰かに聞いてみたい。

 アニメーションの制作が中国とか韓国に依存していて、行き来が途絶えてしまった関係で作れなくなって放送が延期となるケースが幾つか出ていたけれど、国内でテレビドラマの制作が新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐため、収録が行われなくなって放送が延期されるケースが出て来た見たい。「半沢直樹」は遅れるかあるいは1クールずれるのか、ずっと放送されないのか。朝ドラの「エール」や大河ドラマの「麒麟がくる」などは新エピソードの収録が延期となって、今ある分の放送が終わって再開されてなかったらちょっと大変そう。

 バラエティだって生放送どころか収録だって密集するから無理とされるとどんな番組が作れるか。マイク1本立てて好きな時に芸人が来て何かやるだけ、って番組かあ、ってそれほとんどユーチューバー。アニメ収録の現場では、ベテラン勢を抜き撮りする動きも始まっているとか。とはいえ若い人にだって感染の危険性はあるだけに、密室での集団での収録事態を避けるようになった時、アニメもさらに大変なことになるかなあ。すべてのアニメを声無しで字幕だけで放送する? あるかなあ。


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