縮刷版2017年12月上旬号


【12月10日】 北海道日本ハムファイターズから米大リーグへの移籍を希望していた大谷翔平選手。カリフォルニア・エンゼルス・オブ・アナハイムへの入団で決まったそうでとりあえず、本人にとっては投手もできて打者としてもDHで守備に立たずに出場できるアメリカン・リーグへの移籍は万々歳だったんじゃなかろーか。あとは活躍してくれることをアスリートとして願いつつも日本の看板だった選手が5年で大リーグへと流出してしまうこの現状を、危機感をもってプロ野球とそのファンが見ているかどうかってあたりが気になる。

 もちろんサッカーだってちょっと活躍すればすぐに海外移籍となって日本代表に名前を連ねる選手たちを日本のスタジアムでは見られない状況がもうずっと続いている。とりわけこの10年くらいは激しくもなっていたりするけれど、それでJリーグの観客動員数がグッと下がったということはなく、地域として応援しているチームが試合をすればかけつけ見守りながら次なるスターがそこから生まれるのを期待している節がある。プロ野球もだんだんとそうなりつつあるようで、テレビ中継が減りTBSがラジオ中継を止めるくらいの状況でもスタジアムへと足を運ぶ人たちはむしろ増えている。

 そうしたローカルな人気の集合体としてプロ野球が発展していくことはひとつ、地に足がついたことかもしれないし、稼げる額だってサッカーのそれこそ10倍くらはありそうでプロ野球を目指す若い人たちの数はしっかりと保たれていくだろう。でも決して多くはない12球団が変わらず存在し続けている状況で、他の地域へと野球の波が広がって底上げが図られるようなことはなさそう。いずれ限界が来た先でテレビからの収益もなくなってサッカー並みに落ちていった時、それでも放映権料によって稼いでいる大リーグへの若い世代の流出を防げるか。そんなことをちょっとだけ気にして見ていこう。それにそてもいないよなあ、大谷翔平選手の次のスター。どうしてこうなった。

 松山剛さんの久々っぽい新刊「魔術監獄のマリアンヌ」(電撃文庫)を読了。魔術師が危険視されつつ世間から下に見られている世界にあって、悪いことをして捕らえられ監獄に送り込まれた魔術師の囚人たちを監視する刑務官の仕事に、同じ魔術師でもあるマリアンヌという少女がついている。彼女にはかつて魔術師たちが起こした反乱で両親を奪われた過去があった。その彼女に勅命が下る。それは反乱の首謀者の1人で監獄に長く捕らえられているギルロアを伴い、反乱の指導者だった女性の双子の弟レメディオスを探して捕らえよというものだった。

 公には死んだと発表されていたことも不思議なら、幾度も同じ要請を受けながら動かなかったことも不思議なギルロアだったけれど、やってきたマリアンヌの何かを気に入り契約を受け入れ、鎖で縛られたまま外に出て彼女と旅をする。その過程で発揮される強大すぎるギルロアの魔術師としての力。だったらどうしていつまでも捕らえられ獄につながれたままになっていたのか。そしてどうしてマリアンヌに従うことを決めたのか。いろいろと気になる。一方でマリアンヌにとりギルロアは親の仇。忸怩たる思いで旅をしていく先々で彼女は先の反乱の裏側に近づいていく。

 正義が実は正義ではなく悪が決して悪とは限らない世の理不尽を感じさせる展開。そして強大な魔術の力を持つギルロアという人物のその身におびたある種の悲哀。読み終えて正しさのために何をすべきかを身に問いつつ自分の運命を受け入れ突き詰めることの意味を知るだろう。ギルロアの妙にフェティッシュな性癖にも意味があたっとは! まあ趣味も半分あったかもしれないけれど、それを知ってしゃあないと思うしマリアンヌも思ったかな。かな? まっすぐで優しくて悲しいけれど嬉しさも残る。続くようにはなってないけど、ありえるか復活?

 プリパラの音楽世界とはこれほどまでにも豊かたったのかと、そんなことを今更ながらに思わされた「アイドルタイムプリパラ Winter Live 2017」。赤いめが姉えによる「プリパラパンポーン」という声とともにライブの注意がアナウンスされ、そして幕を開けたライブは、わーすたが歌う「アイドルタイムプリパラ」の主題歌「Just be yourself」から始まって、ゲーム筐体曲のカヴァーがあってそして最新のオープニング「最上級ぱらどっくす」が初披露。5人の踊りと歌唱によって暖まったマクパリメッセの会場に、出演者たちを紹介する映像が流れそしてi☆Risによる「プリパラ」のオープニング曲「Ready Smile!!」が始まって、すでに総立ちとなっている観客の長い長い声援タイムが始まる。

 なにしろここから32曲目までほぼ休息なし、MCタイムもライブ初登場となった男プリメンバーによるWITHが少し時間をとった以外は途切れなく曲が続いて観客をどっぷりとハマった「プリパラ」の世界から逃さなかった。北条コスモと北条そふぃの“姉妹”が並んで2人での「クール・スター」が初披露されたり、東堂シオン役の山北早希と虹色にの役の大地葉による「快打洗心?カッキンBUDDY」がライブ初披露されたりと楽しいパフォーマンスが立て続け。「アイドルタイムプリパラ」でヒロインとなった夢川ゆいがを演じる伊達朱里紗さんが登場して「チクタク・Magicaる・アイドルタイム!」を歌い、大地葉さんの「あっちゃこっちゃゲーム」があって幸田みちる役の山田唯菜さんも出てきて、そして3人によるユニット「MY☆DREAM」がライブに初めて登場して、「Believe My Dream!」を聞かせてくれて、次から次へとアイドルがちが出てくる作品ならではの分厚さってやつを見せてくれた。

 ファララ役として佐藤あずささんが「サンシャイン・ベル」を歌ったあと、会場中が「いいぜ!」のかけ声に包まれたのが男プリによるパフォーマンス。ショウゴ役の山下誠一郎さん、アサヒ役の小林竜之さん、コヨイ役の土田玲央あんの3人が女性ばかりの出演者の中で数少ない男性メンバーとしてまずは持ち歌の「Giraギャラクティック・タイトロープ」を聞かせ、そして「曲あったっけ?」という自問に対してTRFの大ヒット曲「CRAZY GONNA CRAZY」を歌って応えて会場にダンスフロアのような熱気をわかせた。懐かしいなあTRF。まあ兄弟みたいなキンプリでも使われているんでなじんでいるといえばなじんでるし。

 そこからライブはMY☆DREAMとかが出たりガゥルル役の真田アサミさんによる「0−Week−old」があったりして楽しい楽しい。茜屋日海夏さん、澁谷梓希さん、渡部由衣さんに加えて黄木あじみ役の上田麗奈さん、山本希望さんの5人による「オムオムライス」というポップでユニークな曲では会場がふわふわとした雰囲気に包まれた。実際に2つの巨大な黄色のバルーンがふわふわ飛んで楽しかったし。その中ではあじみ役の上田麗奈さんが大活躍で、佐藤さんの「コノウタトマレイヒ」の時はfeat.あじみとして相の手を入れまくり、紫京院ひびき役の斎賀みずきさんがが「純・アモーレ・愛」を歌った後も「紫京院ひびきディナーショー クリスマススペシャルメドレー」でwithあじみとしてコントめいた喋りを重ねて場内を笑いに誘っていた。

 ここからクライマックスへと進んで女性陣18人による歌が終わったあと、男性3人も加えた総勢21人による挨拶と感想が話され、そしてフィナーレは21人による名曲「Make it!」とそして「アイドル:タイム!!」の連続。もう盛り上がりに盛り上がって終えた会場は、3時間弱の中に34曲とたっぷりの楽曲を聴けたファンの満足げな表情でいっぱいに溢れていた。さらには「プリティオールフレンズ」なる企画への期待もあってこれからの「プリパラ」のますますの盛り上がりに興味がわいてきた。どこまでいくか。次はいよいよアリーナかそれとも武道館かさらには東京ドームか。

 お台場にあるテレビ局がテレビ事業で赤字になったということでちょっとした話題になっている。まあ昨今の視聴率の悪さから要だった広告がどんどんと減っていって番組の制作費をスポンサー収入で回収できなかったってことなんだろうけれど、そうした本業の不振をかつてグループ内にあった新聞社が持ってた不動産会社の株を持っていって、そこがたたき出した膨大な利益を連結に組み込むこととでとりあえず黒字になっていたりするから、グループとしての体力はまだまだ大丈夫といったことになるのかも。不動産事業を引っ張り込んだ経営判断も含めて。

 でもやっぱり本業としてのテレビ事業で立て直しのきっかけがまるで見えて来ないところはやっぱり不安というか。ヤバを感じている人も少なくなさそう。その理由としてネットじゃお台場にいるのがいけない繁華街が遠くなって視聴者から感覚が離れてしまったといった話が流れているけれど、同じ都内で行くまでの時間が30分から1時間になったからって、それで街の感覚を吸収できなくなる社員たちの感性の方が問題なんじゃなかろーか。どこにいたって家にいたって通勤電車の中でだって感性は研ぎ澄ませられるしトレンドは吸収できる。それをしなくても大丈夫と思って安閑としてたのが問題じゃないのか。精進することを避けて環境に理由を求めるところにヤバさの神髄も見え隠れ。

 しかしここうしたお台場のテレビ局の本業での赤字というか経営危機は、不動産会社の株をとられてしまったグループ内にある新聞社にはぐっと切実な問題だったりするから困ったもので、売却によって得られた収益でその時はしのげても、今となってはもはや削るところもなくなり、売る株も売り尽くしてしまってあとは給料を下げるか現場が大変になるのを承知で人を減らすしかない。それともコストのかかるカラーページを止めてしまう? それもまた広告の出稿をスポンサーにためらわせてジリ貧への道を歩むだけ。けれどもそれをやらざるを得ないところに末期ぶりも見て取れる。どうなってしまうのか。やれやれ。


【12月9日】 早朝に目を覚ましてバルト9へと駆けつけ「ガールズ&パンツァー最終章」第1話を見る。完璧な傑作。何を言ってもこれから見る人の興を削ぎそうだから予告編なんかから分かっていることだけに触れるとBC自由学園はマリー・アントワネット然とした隊長のマリーがいて、パンがあるのかないのか分からないけれどもマリーはお菓子を食べていて、そして配下に三白眼の安藤にお嬢様風の押田がいて、それぞれにサポート役を兼ねている。あと乗ってる戦車がフランス車ってことで3人ともフランス語が得意なようで、これは映画を見たから分かったけれどもフランス語の歌を唄っていた。これを指導したのロマン・トマというフランス語の先生……じゃないよね?

 確か河森正治さんがいるサテライトに所属していて「バシュカッシュ!」の共同原作とかメカデザインとかやっててNetflixで作られることが決まっている「キャノンバスターズ」で日本側の監督とかメカデザインとか絵コンテを担当しているクリエイターだよね。それがフランス語の先生としてパンフレットによれば声優さんたいはガチ感すごく指導してかなり細かく教えてくれたと話している。声優さんは相手がフランス出身のアニメクリエイターだって分かっていたのかなあ。というか業界からそうしたスキルの持ち主を探してきて使う作品だなあ。ロシア語はずっと前から日本に来ていて声優目指していたタレントのジェーニャさんだし。次に秋田の学校が出てきたら秋田弁の得意なさや姉こと佐咲紗花が指導に立ったりするかもなあ。

 その佐咲紗花さんが今回の「ガールズ&パンツァー最終章」ではオープニングの主題歌「Grand symphony」を歌っていて上映後の舞台挨拶に登壇してくれた。きらきらな衣装で。「ガルパン」で主題歌といえばChouChoさんがまず浮かんでテレビシリーズのオープニングと劇場版のエンディングを歌ってくれていた。今回はエンディングはテレビシリーズとあとOVAの「これが本当のアンツィオ戦です」と同じあんこうチームによる「Enter Enter MISSION!」で懐かしくなったけれどもオープニングはさや姉に変わってはじめからスリリングな節回しでもって緊迫の戦闘て感じを印象づける。

 実際に映画は冒頭からもう……っとこれは言い過ぎだ。ただある意味でテレビシリーズのイントロにも似た緊迫感があってそして状況が語られそしてスリリングでサスペンスフルでエキサイティングな場面が続いてさあ次はどうなるといった期待を抱かせる見れば早く次を見せろといった気になること絶対だし、もう1度最初から見なくちゃといった思いも浮かんで仕方がなくなる。あそこのシーンへと至るまでにいったい何が起こっていたのか。そしてどんなやりとりが重ねられていたのか、等々。見直せばきっといろいろ仕込みがあるんだろう。これはまた観に行かないとってことで9.1chのセンシャラウンドが導入されててなおかつULTIRAという巨大なスクリーンで見られるイオンシネマ幕張新都心の上映を予約する。きっと迫力の砲声を味わえるだろうから。

 今日から「攻殻機動隊 ARISE」のVRが稼動し始めたVR ZONE SHINJUKUの前を通って久々にNakid Loftへと出向いて藤津亮太さんと小川びいさんによるアニメ雑談を聞く。いろいろとヤバいというか深く突っ込んだ話もあってすべては紹介できないけれども大ぐくりな傾向としてスマートフォン向けゲームなんかを作ってきたところがアニメでちょっとでも盛り上がって課金が入れば元がとれるとアニメに資金を投じていたりする傾向が続いていることがあり、アニメーション100年を期にいろいろと歴史が振り返られたりしたってことがありそう。あと劇場アニメーションが元気でとりわけコナンにドラえもんにポケモンにクレしんといったレギュラー陣が面白さを増しつつ観客を得ているとか。

 惰性でいけばすぐに飽きられるところをどうしてと思わないでもないけれど、ポケモンなんかは未だ新しいゲームソフトが出ては新たなファンをしっかり獲得していてそれがアニメ映画にも流れているといった感じだし、ドラえもんとかクレしんは作品として新しさを与えてマンネリ化を防いでいる。コナンは上へと世代があがっても抜けずデートムービーとして見られることもあって収益をここに来て拡大しているといった感じそうした商売の確かさについてはなるほどと思った一方で、去年の「君の名は。」「この世界の片隅に」「映画 聲の形」のような20億円を超えていく(200億円を超えてしまったのもあったけれど)大ヒットのオリジナル性を持った作品がどれだけあったか、ってあたりはあまり触れられなかった。

 湯浅政明イヤーだたっとは言われつつ「夜は短し歩けよ乙女」や「夜明け告げるルーのうた」が果たして何十億円いったのか? 神山健治監督のオリジナル長編「ひるね姫〜知らないワタシの物語〜」は劇場アニメーション隆昌の波に乗れたのか? ポスト「君の名は。」を歌われた「打ち上げ花火、横から見るか? 下から見るか?」はどうして下馬評ほどの数字を獲得できなかったのか? 口コミもあったけれど「この世界の片隅に」ほどのバズり方をどうして「きみの声をとどけたい」はしなかったのか? 等々。何よりポストジブリとして華々しく送り出された「メアリと魔女の花」の停滞はやっぱりジブリアニメ、宮崎アニメでなければアニメーション映画にあらずといった印象を、改めて強く醸し出す結果となった。

 これは何が悪いのか? 観客か? 新しいものを応援しないメディアか? それらのすべてなんだろうなあ。そんなあたりへの言及も欲しかったけれど、個人的には好きな映画を好きで見に行けば良いじゃん派なので理由付けよりも良い映画があれば自分が観に行けば良いだけのこと。そして面白ければ面白かったと言えばいいだけのこと。これからもそうやってアニメーションについて語っていこう。分析的な記事は書けないし、レビューのような相対的な評価の中に位置づけるようなこともできないけれど、僕という人間の感覚が受け止めたアニメーションへの思いをずっと刻み続けていくことは僕にとっては意味がある。もしかしたら何十年か経って誰かの意味になるかもしれないってことで、改めて言おう「ガルパンは良いぞ!」。結局そこかい。

 元文部科学事務次官だからといって今は民間人であってその言説がいくら気に入らないからといって新聞社が名前をあげて罵詈雑言の類をぶつけて良いかと言えば良くないし、普通だったらスルーするものだけれどどこかの新聞社では1面下のコラムという伝統ある場所でもって名前を挙げて元文部科学事務次官への非難を書き連ねて人格すらおとしめようとしている。どこかの自称文芸評論家が朝日新聞から間違いを指摘された時に新聞社という権力が一個人を攻撃するとは何事だといった論調でもって非難した一方で、自分たちでは一個人への非難を平気で繰り出すこの矛盾。それが結果として元事務次官への危険を誘った時にどういう言い訳をするのだろうか。元事務次官といえば公人にも等しいとでも言うのだろうか。言いそうだなあ。とにかく朝日新聞であり北朝鮮であり民進党なり立憲民主党なり沖縄の反基地活動をおとしめられるなら、ロジックとか手段とかはお構いなしの姿勢は変わるどころか濃さを増す。やがて街の噂すら想像をして書き始めないかと心配だけれど、外野が心配してどうなる話でもないんでそれがどういった結果を巻き起こすかを、横目で観察していこう。


【12月8日】 門前仲町にある富岡八幡宮での事件は以前から取りざたされていた宮司の立場をめぐっての骨肉の争いがひとつ理由になっていたようで、ずいぶんと前に金遣いの荒さもあってか宮司の職を解かれた弟に変わって宮司になろうとしたものの、長く神社本庁から返事をもらえず悶々とするなかでエイヤッと神社本庁から抜けてそして晴れて宮司の職についたばかりの姉に対して弟が、妻らしい女性を連れて日本刀をふりかざし運転手もまとめて斬りつけたって構図。なおかつ弟は妻らしい女性も刺して自分も自害といった感じに運転手をおぞいた当事者がみな死んでしまったという悲惨な結末。これで真相の究明はグッと遠のきそう。

 ただの姉弟げんかと行ってしまえばそれまでだけれど、日本刀を持って往来でそれも1人ではなく知人の女性も連れて斬りかかるというのがすこし常軌を逸していて、そこまで恨みが深かったという言い方もできそうだけれどそうなるまでに何か誰かの教唆でもあったのかなんて憶測も浮かんでしまう。神社本庁を抜けて宮司となった姉に対してよからぬ感情を持っている勢力が、排除されて鬱屈していた弟をそうするように仕向けていって、1人では不安だという弟に対して仲間もつけて一気に挙行させつつ一方で、露見するといけないからと口封じに走ったとか、そんな陰謀。まあそこまで世界が濁っているとは思えないから普通に姉弟げんかだと思っておくのか健康には良いのかも。お祭りとか盛んな下町の神社だけにこれからの運営がどうなるかがまずは心配。時間を見計らってのぞいてくるか。

 2016年2月だかのサンリオEXPOで存在を知ってアニメ化も近いと聞かされその映像を見たらこれがもうむちゃくちゃに面白くって、「王様のブランチ」でもショートアニメーションが放送されるようになってヒット間違いないしかと思ったものの今ひとつ、ひろがりがなくって国内ではグッズの販売も粛々といった感じだった「アグレッシブ烈子」が実は海外でじわじわと人気を広げていて、英国のBBCに紹介されたりアメリカ屈指のクオリティ・ペーパーとして知られるニューヨーク・タイムズでどかんと特集されたりして、いったいどういうことだと持ったのがだいたい夏頃。そしてサンディエゴのコミコンで「Aggretsuko」という向こうでのタイトルでブースが設けられて賑わいバンも走って注目を集めていた。

 ブースでは顔にアグレッシブ烈子の表情を重ねるアプリか何かが人気だったみたいで、いろいろな女性がそんな顔を見せてくれていた。ここで気になったのはOLという日本に独特の女性社員的システムが抱える悲喜こもごもが、果たして欧米の自立した女性たちに受け入れられるのか、ってことでお茶くみコピー取りとかいった雑務のために雇われている人はいないだろうし、立場だって男性と対等なんじゃないのと思っていたものの、それでも盛り上がる人気にたぶん世界のどこであっても女性という立場につきものの隔絶とかがあって、それでうっぷんをためている人たちが多くいて、それがアグレッシブ烈子の爆発するデスボイスに共感したってことなのかもしれない。

 そんな好評を受けてかいよいよ再び「アグレッシブ烈子」が短編アニメーションとなってあのNetflixから全世界配信。監督は「わやらか戦車」のころからずっと作品を作り続けているラレコさんで、ショートアニメーションから引きつづき監督としてアグレッシブな烈子の姿を描いてくれることになっている。もう日本での評判とか気にせず世界にうってでては抑圧される女性の象徴となって国連とかの女性問題を集まるような会議の場で、参加者全員がデスボイスによってデスメタルを歌いながら解放を向上をよびかけるなんてことがあったら愉快痛快。一方でカワイイを世界に広めて女性の憧れとなっているハローキティと同じサンリオが、他方でこうした過激なキャラクターを送り出す。やっぱり日本って面白い国だよなあ。

 先輩風を吹かせた男性社員がコンコースを引き連れて歩いている女性社員にパレスチナにユダヤ人が入植して家を奪ってそのまま国を作ったから問題になっているんだよーとか暢気に語っていたのを後ろで聞いていやいやエジプトを脱したモーセがとかネブカドネザルによってバビロンに捕囚されていたころとかローマによって追い出されたとかイエス・キリストを売った門で長く迫害され続けたとかバルフォア宣言にフセイン・マクマホン協定で矛盾した約束がなされたとかいったった歴史上のあれこれとそしてナチスドイツによるホロコーストの後で世界が落ち着き先を許容する中で当然に起こった反発が今に続いているといったことを、語って聞かせようにも知識はないし見知らぬ人にそんなことを言っても危ない人だと思われるだけなので黙っておく。

 とはいえやっぱり気になるアメリカ合衆国によるエルサレムのイスラエルにとっての首都認定。これで刺激された勢力が何かを起こした果てに戦乱が一気に拡大しなければ良いんだけれど。まずは狙われるだろうエルサレムに作られるアメリカ大使館。ユダヤ教徒とキリストと教徒とイスラム教徒が聖地としてあがめる場所でありまた暮らしている人たちにとって分断と隔離と迫害と弾圧の地でもあってそこで一方に与して起こるだろう他方からの反発を懸念して、これまで手を着けてこなかった事態に平気で手を着けてしまうのは勇気ではなく蛮勇に過ぎない。日本でも尖閣諸島を曖昧にして対立を避けていたのが血気盛んな都知事が支持を得ようと都有地にすると言い出し仕方なく国が国有化をしたあげくの対立激化。黙って両者で開発すれば良いものを。それができないで隘路にはまってあげくに自滅する道が日本もアメリカもお好きらしい。いらぬ日米同盟。どうなるんだろうねえ。

 おいおい大丈夫か。「沖縄県民有志でつくる民間団体『沖縄県選挙監視委員会』の小木貴之委員長(38)=沖縄市=は6日、県庁で記者会見し、先の衆院選で公職選挙法が禁止する事前運動などを行ったとして、沖縄1区で当選した共産党の赤嶺政賢衆院議員(69)を公選法違反の罪で那覇地検に告発すると発表した」って記事がとある新聞のサイトに掲載されているけれど、その記事を書いている記者が告発した団体のメンバーに名前を連ねていて、そして何か見かけると市役所に電話をして反応がないと新聞社の名前を身分をかざして記事にするぞとプレッシャーをかけていたみたい。これって大丈夫なのか。というよりこんなことをオープンに話してしまって自分で大丈夫だと思っているのか。上は状況を把握しているのか。把握して自由にやらせているのか。なんかいろいろとグダグダになっているけど、状況が状況だけに立場を活かして次の立ち位置を見つけたいって気にもなるのかもなあ。頑張ろう。


【12月7日】 そういえば「Yahoo!検索大賞2017」に登場した欅坂46のメンバーがそろってドクターマーチンの1460すなわち8EYEを履いていた。制服に合わせるにはゴツ過ぎるけれどもどこかミリタリーな雰囲気も漂わせか欅坂にはそうしたブーツも相応しいのかもしれない。これをまねして女子中高生とかが学校にドクターマーチンを履いていったりするんだろうかと思ったけれど、買うには結構高いからそれはないか。

 ちなみに欅坂46は2年連続の受賞で検索数のアップ率ではかる検索大賞では1年目はいきなり出てもそれがそのまま続いただけではアップがないから連続はとれない。そこをとってしまたくらいに欅坂46の勢いが凄いってことなんだろう。AKB48が存在そのもんが社会に溶け込んで大気となり、乃木坂46はアイドルとしての頂点に近づきつつある中で欅坂はまだまだ上り調子。この勢いなら3年連続もあるか、それとも新ユニットが現れるのか。注目したい、ドクターマーチンを履き続けているかも含めて。

 アラーキデっていうのはイタリア語で落花生って意味らしいから英語だったらピーナッツになるんだけれど、そんな漫画が原作にはなっているとは思えないイタリアのアニメーション「アラーキデ」は少ない予算で作られながらも同人あがりのクリエイターたちによる制作会社の頑張りによって大ヒットして続編の話も浮上したところで、権利元がなぜかその会社にはもう作らせないとなってマネージメントをしている人が困ることになる。そこで頼ったのが新しいスポンサーを見つけるため、タルターリヤという名前の監督に授賞式に出てもらってパリっとした格好を見てもらってスポンサーにアピールするというものだった。

 でもこもりっきりでアニメーションを作り続けていいたタルターリヤ監督にそんな解消があるとも思えず、ならば服を新調して見栄えを良くしようとして動いた先に織部悠がいたという、大河原遁さんによる「王様の仕立屋 〜フィリオ・デイ・ジラソーレ〜」のエピソードが「グランドジャンプ」に載ってどったんばったん大騒ぎ。タルターリヤ監督がいったい誰で、そして「アラーキデ」が動物は出てきてもスヌーピーじゃないネコ科の動物だったりするアニメーションだと想像がついて、やっぱり誰かが弱小制作会社から権利を奪って儲けようとしているんだって認識が世間一般のものなんだといった感じを抱かせる。

 それが正解かは知らないし、もっと別の根深い何かがあるのかもしれないけれど、こうして話題になることでまだまだタルターリヤ監督のモデルとなった彼に出てきて欲しいといった思いが広がって、頑なな誰かさんを動かしてくれれば嬉しいんだけれど。今のままだと何となく新しいコラボレーションが進んでフレンズたちが量産されてはそれに押し流されそうになって、避けていたらいつのまにかどこかに流れていってしまうなんてことはなくなるだろうから。そうなってしまうのが本当に寂しいし悲しいことだから。仲の良さをアピールしていたコンセプトデザイナーの人が、一切の公の場での言及を行わないままフレンズを量産しているのが目下の悩みどころ。それは嬉しいことなのか。残念なことなのか。それだけでもしりたいのだけれど。心底から。

 なるほど今度はサッカーか。さまざまなVRアトラクションを開発して展開しているハシラスが第3回テーマパークEXPOに持ち込んでいたのがその名もずばり「SOCCER VR」。プレーはVRヘッドマウントディスプレイを装着して足下に見えるボールを蹴ってそれをゴールキーパーが守るゴールにたたき込むというもので、1本目がPKで2本目がコーナーキックからのボールをボレーでたたき込む、3本目が離れた場所からフリーキックを決めるといった感じで最初のPKはただ蹴り込むだけ、後の2本はタイミングを合わせて蹴ることでボールがしっかり飛んでいくと行った感じになっている。

 1本でいろいろ試せて面白ことが1つあるけれど、さらにユニークなのはVRヘッドマウントディスプレイで目隠しされた状況でありながら2本目3本目もちゃんと足下にボールがあることで、別に下にゴムがついている訳ではなく、両側から引っ張っているケーブルがボールを元いた位置に戻すといったもの。これがあることで従業員がつきっきりにならなくても1人でVRヘッドマウントディスプレイを装着してプレーに挑める。ロケーションVRで大変なのはオペレーションで1台に何人もつきっきりになると効率が悪い。かといっていないと事故が起こるかもしれないといった問題を、仕組みによって解消しようとした感じ。ロケーションVRを引っ張る会社だけのことはある。あとは蹴った感じとバーチャルのボールの向きとか距離がもっとシンクロしてくれたら気持ちも良くなるんだけれど。改良が進んでいったものを試してみたい。次はどこに出てくるかな。

 第3回テーマパークEXPOでは「HADO」シリーズのカートがとても面白かった。ARを使って現実世界に映像を重ねてみせる仕組みで手からエネルギーを出して相手と戦うゲームを出し、モンスターを倒すゲームを出して来たけれど、今度はカートになってぐるぐるると回りながらARのHoroLens越しに見えるコインを全身でぶつかって下とつぃていくというもの。傍目にはパイロンをぬってカートを走らせているだけにしか見えないけれど、プレーしている人には本当目の前にコインが浮かんで見える。狙ってついついアクセルを踏んでしまうけど、現実の風景も見えているから壁に突っ込んだりパイロンを倒したりってことはなし。そこがARのゲームの面白いところでまもある。周囲にセンサーデバイスを置く必要のなく自由度も高そう。問題はHoloLensが高いことか。安いMRヘッドマウントディスプレイが出てきたらさらに普及するかなあ。

 ずっと新しめのVRベンチャーを応援してきたTokyo VR Startupsってインキュベーションプログラムが名前をTokyo XR Startupsに変えるとか。XRってのがつまりはVRだけじゃなくAR(拡張現実)とかMR(複合現実)なんかも含んだ言葉でつまりは現実を超える体験の総称といったところ。Xが何かの具体的なイニシアルというよりはそこに何でもぶち込めるXといった感じでもある。実際に第3期のTVSでは7つのうちの3つがARだった訳で、VRにこだわってVRしか応募できないと勘違いされたら新しいアイデアが確保できなくなってしまう。今の時期の切り替えは正しいし、あとはそれが総称として定着していくかってところか。誰が使えば広まるんだろう。

 近隣の住人だったら普通に通り魔事件かとも見られただろうけれど、斬りつけられた4人がそろって富岡八幡宮の関係者らしいといった報が伝わるにつれて、富岡八幡宮が最近名前を挙げられた神社本庁からの脱退だなんて話との絡みも浮かんで妙にキナくさくなってくる。それがいったいどういう問題があって、誰によって襲撃されなくちゃいけないのかっていったロジックはまったく浮かばず、憶測以前の陰謀論に過ぎないんだけれど、最近の神社本庁の右向け右な態度に対する反発をいさめる時に動くなら向いた先ってことにもなって、そうした勢力のみょうな台頭なんかも含めていろいろと想像が浮かんでしまう。3人が重体だそうで今は回復を祈るばかり。そして犯人が捕まることも。東西線は毎日使う路線だから。


【12月6日】 もしかしたらあのサングラスにヤンキー口調なのが暴力教会のエダでロックと連んでいるところにやってきたロベルタに灼熱の戦いを挑まれたのか、ってだから「BLACKLAGOON」の第3期じゃないんだってば「だがしかし」なんだってば。ずっと真夏のストーリーでは登場して当然のプール回だったけれどもサヤ師はスクール水着で色気はまるでなく、ほたるはパーカーが邪魔で胸があんまりよく見えなかったのが残念といえば残念か。ボンタンアメが登場したのは父方の故郷が鹿児島県な身には嬉しいところ。祖母がよく兵六餅といっしょに送ってくれたなあ、だから鹿児島ローカルの食べ物と思っていたら以外とキオスクに入って全国どこでも食べられる。それだけ日本の味ってことなのかも。また食べてみようかな。

 またなろう発かとも思いつつ書籍化されるのは一般性があり過ぎる奴か独特過ぎる奴かどちらかで、後者だと山路こいしさんの「椅子を作る人」だなんてアメリカンなサスペンス小説を思わせる作品も出たりするからなかなか捨ててはおけない。宝島社から刊行された大沼田伊勢彦さんの「織田家の長男に産まれました」も冒頭こそ現代人が過去に転生するとかいった理屈不明の無茶があるけれど、そこから先は実在した歴史の上に存在する織田信広という織田信秀すなわち織田信長を父親に持ちつつ正妻ではない女性から生まれたため長男でありながらも嫡男にはならなかった人物を主人公にして、まだ織田信長が吉法師に過ぎなかった時代、織田信秀が親戚も含めて近隣を相手に戦い終わりを豊かにして信長に引き継いだ時代を描いてそうかそういう出来事があったのかと分からせる。

 一応は歴史の成り行きを知っているため後の徳川家康こと竹千代が生まれる前に松平広忠を撃ってしまっては歴史が変わると分かっているし、自分が現代の知識を持ち込んで開墾だとかに道具を使い火薬を凄惨して焙烙玉こと爆弾を作って戦場に持ち込むことはやっても、父親の信秀に逆らって独立を企てたり吉法師を撃って歴史を変えてしまうようなことはしないし、逆らおうとする意思すら見せない。後に自分が三河の地に持った城を落とされ捕まって竹千代と交換に終わりへと戻って来ることも分かっていて、それすらも変えず甘んじて敗れるようなことをやりそうだけれど、まだまだそこに至るまでには時間があるから途中で気が変わって歴史を大きく変えるなんてこともあるのかどうか。

 そもそもが妻に迎えた於台が竹千代の母ながら松平広忠に離縁された後に織田信広に嫁いだといった話はなく、久松俊勝という城主と再婚をして子供を産んでそれが家康に取り立てられていたりもする。そうした歴史へと向かわない可能性なんかもあたりするから先もどうなるか分からない。あと信広はその死がいったんは信長に逆らいつつ許されたものの、伊勢長島の一向一揆を討伐に行って戦死といった感じで華やかさに欠ける。それでも主人公にするなら甘んじて歴史の流れに身を任せるのか、彼の地で得た最愛の妻子のために一念発起と歴史に挑むのか。その場合に歴史はどう変わって織田信長の運命はどうなるのか。いろいろと興味もわいてくるけど、そこまで既に書かれているのかどうなのか。まあ読むなら単行本派なんで続きが出たら追っていこう。

 やっぱり入っていたよ「けものフレンズ」。Yahoo!検索大賞2017ってのが開催されてカルチャーカテゴリーってのが発表されてそのアニメ部門が「けものフレンズ」。まあ当然とは言えるけれど「Fate」シリーズとかゲームの絡みもあって油断がならないので、やっぱりしっかりとれてまずは良かった。発表会にはサーバルちゃんの格好で尾崎由香さんが登場してトロフィーを受け取って「すっごーい! みんなは検索が大好きなフレンズなんだね!」と行ってくれた。そのとおりです。ただしYahoo!では検索したことないけれど。検索エンジンとして使わないものなあ、Yahoo!。

 大賞とお笑い部門は予想通りにブルゾンちえみさんでしっかりWith“B”ことブリリアンも引き連れ発表会にのぞんでくれた。あの2人にも喝采を贈りたい。俳優部門は高橋一生さんで「おんな城主直虎」の中で小野正次を演じて絶大な支持を受けたから当然だろう。ただアップ率で評価される検索大賞だけに「シン・ゴジラ」でも盛り上がっていた名前がさらに上がったということは本当のブレイクがあったんだろう。でもおごらずひょうひょうとしつつ良い声を聞かせてくれる。希有な役者。アップ率で表彰されるから2連覇なんてあり得ない中でアイドル部門は2年連続欅坂46というのも凄いすごい。誰が誰かは分からないけれどもキャプテンとあと何人かで来てくれた。履いていた靴がドクターマーチンの8ホールだたのでこれから女子高生の間で制服の足下がドクターマーチンの8ホールなんてファッションが流行るかな。

 銃で狙ってテロリストを撃ち倒せ。光学迷彩で敵から身を隠せ。そんな感じのVRアクティビティだった「近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊 ARISE Stealth Hounds」は、12月9日にVR ZONE SHINJUKUに登場の予定。アリーナの中を自由に動き回れるフリーローム型のVRだけれど、お台場にある東京ジョイポリスで遊べる「ZERO LATENCY VR」とも違って人と人との対戦が楽しめるのが大きな特徴になっている。その秘密は超精緻な人間のトラッキングで、足とか手とか銃とかVRヘッドセットとかに取り付けたマーカーによってしっかりと人体位置を把握し、どこに誰がるかをしっかり分からせぶつからないように警告なんかが出るようになっている。

 なおかつ銃での戦闘も何となく銃を向けて引き金を引いただけでは当たらず、しっかりと銃口を向けそれこそ照準と照星をあわせて狙いをつけて撃たないと当たらないようになっている。つまりはサバゲー並みの厳密さ。だからこそ隠れながらちょとだけのぞいてトリガーを引くとか銃だけ出してそっちむけて弾をばらまいて制圧するようなプレイもできる。実際にサバゲーなんかをやっている人が試したら、バーチャルながらもリアルなサバゲーとして大いに楽しめるかもしれない。ちなみに僕は3人を倒してそれは全部ヘッドショットだったというからなかなの戦果だったと思うけど、総数では足りずベストプレイヤーにはなれなかった。残念。

 ただ勝利の鍵となるハッキングは2回成功。あとは死んだ回数を減らせれば良かったんだけれど、もしかしたら「攻殻機動隊ならではの光学迷彩を使用していたら弾に当たる率も減らせて死なずに済んだかもしれない。どういうタイミングで使えば良いか分からず闇雲に突っ込んでいったからなあ。それで復活コーナーへと行って復活を待つ時間をとられて敵を大勢倒せなかったのだ。ともあれ本気で遊べるバーチャルサバゲーとも言える「近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊 ARISE Stealth Hounds」は2800円とお高めだけれど、それだけの価値はあるし何より日本で唯一のチーム対戦フリーロームVRなんで新しいもの好きはまずはお試しあれ。


【12月5日】 なんかもう擬人化キャラクターのバラマキと化してきた感のある「けものフレンズ」のコラボレーション展開。動物が主役だなんて真ん中の人のお題目もどこえやらでホワイトサーバルとかいったいどこに行ったら見られるんだ的動物のフレンズまで混ぜてクリスマスシーズンを盛り上げようとしている。商業的に。でも僕たちは擬人化されたフレンズが動物たちと紐付いてこそ思いを乗せることができるのであり、またアニメーション版「けものフレンズ」に描かれたフレンズたちの関係性と繰り広げられた物語からそこにいろいろな思いを抱いてフレンズたちへの共感を育んだのであって、そうしたアニメーション版からまったくもって断絶されたキャラクターだけの商業的なコラボレーションにいつまでもついて行こうという気が起こらなくなっている。

 ファミリーマートでどん兵衛とのコラボレーションがあるみたいだけれど、僕たちはあのギンギツネとキタキツネが出てきてアニメーション版に描かれた関係性を理解しながら繰り広げられる寸劇を楽しみ、その中でどん兵衛という商品がもつふっくら感への印象も強く抱いて商品を買ってみようかという気になった。ただキャラクターが描かれたクリアファイルがもらえるからと、どん兵衛を買うかというと買うかもしれないけれどそうした吊りはアニメーションによって育まれた関係性への共感が途絶えていった先ではもはや続かない。アニメーションはそういう意味で関係性を残しつつ商品への興味を向けさせる絶妙なバランスの上に成り立っていた。だからこそ新しいアニメーションでもってまた少し関係性をのぞかせつつ商品への共感を深めるような施策を採って欲しかった。

 それなのに、「けものフレンズ」に関するコラボレーションからはたつき監督が作り上げたビジュアルであり関係性であり物語性はほぼほぼ排除されている感じ。一方でネット上で繰り広げられる二次創作は漫画にしてもイラストにしても動画にしてもアニメーション版によって描かれた関係性なり物語性なりビジュアルを引き継いで発展させたものになっている。それが受けているにもかかわらず商業的なコラボレーション、すなわり“公式”と呼ばれるものからは排除されて薄められていくたつき監督色。それが何を意味するかって考えるとどうにも悩ましいけれど、言えることはこのままでは「けものフレンズ」は保たないってこと。動物への共感すら残らなくなってしまってただ擬人化キャラクターの山が積み上げられるだけになってしまうだろう。どうすんだ? 誰が責任とるんだ? なんて思ったり推した師走。「忖度御前」はとりあえず美味かった。

 そうか「レターズ/ヴァニシング 書き忘れられた存在」の人なら納得の奥深さだと思った旭蓑雄さん「青春デバッガーと恋する妄想#拡散中」(電撃文庫)は、ARの使用が絶対のアキバ特区にあるショップでバイトしているオタク少年の前に同じクラスの美少女が現れる。とても来そうにない階層なのになぜ。おまけに、解除されないはずのARコスプレが少年の前では解除されて本人だと分かってしまった。いったい何が起こったのか。いろいろ諍いはあったものの、少女は学校では隠れつつアキバ特区で少年が働く店の1階にある喫茶で働き始める。]

 そして起こる事件。バグめいたものが発生しては少女がコスプレできないようになったり、小学生がアキバ特区に入ると勝手に漫画のキャラのコスになってしまったり、ARが本体からズレてしまうようになったいr。そうした事件の裏にある誰かの心が抱えているトラウマのようなものを暴き、少年が解きほぐしていくのがストーリーの主線。同僚の金髪美少女の意外な性癖も知ったりしたその先で、そもそもどうしてバグが起こったのかといった根源へと迫り、少年自身が抱えていた懊悩と、同級生の少女がかみしめていた苦しみがぶつかり合って過去が暴かれバグという問題に直面する。

 オタクの少年と隠れオタクの少女がアキバ特区で出会って自分を解放してボーイ・ミーツ・ガールといった展開にもできそうだけれど、そこに個々の懊悩を入れ、さらに大きな円環としての悩みと苦しみのぶつかり合いと解放を入れて描くところが新しいし奥深い。楽しめるだけでなく、誰もが抱えていそうな悩みを払拭するための道なんかも得られそう。学校などで見ている姿がARをまとえるアキバ特区では解放されるといった変化にも、裏があってテクノロジーによる支えもあってSF好きの完成をくすぐる。「#拡散中」とあるからきっとこのあとも別の事件などが描かれ、それを少年が解き明かしてく展開が書かれると期待して待とう。

 意外と早い時間に決着がついたようで将棋の竜王戦は渡辺明竜王に挑んでいた羽生善治棋聖が4勝2敗でタイトル奪取に成功し、通算7期となって永世竜王の称号も獲得した。すでに名人王将棋聖棋王王位王座で永世位を獲得していて、次は竜王をあと1期とれば永世七冠になると分かってから幾年月、挑んだ竜王戦で渡辺竜王の前に何度か敗れてたどり着けなかった地位を、その渡辺竜王が戴冠している時に挑んで破って手にしたのは大きなことだろう。タイトルでは名人を上回る位に置かれる竜王なだけに、序列で最下位の棋聖位だけになっていた羽生さんにとってはやぱり意味のある戴冠になりそう。棋聖戦を主催している新聞社が経営的にアレなだけにいつ、タイトル戦じゃなくなるかも分からないし。いやホント。

 年齢的に大山康晴十五世名人に二上達也九段に米長邦雄永世棋聖といった人たちに続く高齢での奪取は、今なお羽生さんが将棋界でトップを走り続けている明かしで、そこもすばらしいところ。ただこれで全タイトルの永世戴冠かというと、新しくニコニコによって叡王戦というものが始まっていて、それが序列で確か3位くらいまで来ていているからいずれ永世叡王というのも数のうちに入ってくるだろう。ただ今期は予選で羽生さんは負けてしまっていてタイトルには手が届かない。いずれ奪取してもそこから防衛を続けていくのも大変そうだし、永世八冠というのは永遠に生まれることはないのかな、さすがに藤井聡太四段でも今の状況で七大タイトルを奪取しそれぞれ5期から7期、持ち続けるのは無理だろうから。さてはて。

 アメリカでアニメーションを専門に表彰するアニー賞というのがあって、アカデミー賞の前くらいに発表されるんだけれどその長編アニメーション部門でインディペンデントにあたる部門に日本から片渕須直監督の「この世界の片隅に」とそして神山健治監督「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」がノミネートされていた。過去には宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が受賞したこともあるし(当時はまだインディペンデントには分かれていなかったのかな?)、今敏監督の「千年女優」とか高畑勲監督「かぐや姫の物語」もノミネートはされていたけれどもこうして2本が入って並ぶのは、やっぱりインディペンデント部門ができたからなのかもしれない。どちらかがとれるか、そしてどちらがとるかってあたりがこれからの興味の向かうところ。その勢いがアカデミー賞のアニメーション部門ノミネートまで続けば良いんだけれど。


【12月4日】 ケイのホットパンツがなくなっていた。まあ立ち位置からあそこでヴォイテクに乗った島田愛里寿がケイの前を横切るのは可笑しいので、パッケージ化の時に修正されたんだろうけれども映画館では巨大なスクリーンにドカンと映るそのホットパンツに中身を想像しながらいろいろと考えることができたのだった。残念なTOKYO MXでの「ガールズ&パンツァー劇場版」テレビ放送。劇場で上映される時も今後はBD版が基準になるのかやっぱり今も劇場公開版が出回っているのか。そこがちょっと知りたい。でもイオンシネマ幕張新都心での上映は行けそうもないなあ。まあいつかまたULTRAの9.1chで上映してくれるだろう。そういう映画館だよあそこは。

 放送を見てたぶんいろいろ手直しされているだろうなあと思うのは、小さなテレビ画面でも隅々までくっきりと見えていて、そして表情にあらがないあたりで大学選抜との試合に臨む前の天幕内での会議でケイの視線がどこか斜め上を向きすぎているのが直っているような気がしたけれど気のせいかもしれない。他にもいろいろあるんだろうけれど比べる気力もないので映画は映画館で見るのがベストだし、パッケージはテレビで見るのがちょうどいいといった態度でここは臨むことにしよう。しかしTOKYO MX、西住しほと島田千代との会談からあと、エンディングまでをCMなしで通したのは偉かった。試合決定からラストまでの一連の流れは切れないものなあ、心理的に。これで風呂場が残っていたら……ってそれは贅沢。そこはだから映画館で。あるいはBDで。

 昨日で終わった東京コミコン2017だけれどそのために来日していたスティーブ・ウォズニアックが登場する講演会があるんで見物に行く。あのウォズが喋るだからどれだけでも払うよという人は割と良そうで実際に結構な人数が集まってはウォズが今、何に興味を持っているかに聞き入っていた。あがったのはブロックチェーンでありSNSの可能性。ブロックチェーンはビットコインの浸透なんかに用いられているみたいだけれど理解語り内のでどういった普及がするのか個人的には不明。ただ個人の頑張りを世間に伝える意味があるなら、それがSNSの改善を呼んで個人情報をSNSがただ取りして稼ぐんじゃなく、個人がSNS上で自分の情報を売って稼げる時代が来るってことになりみたい。会社もいらなくなりそう。そんな未来をウォズの言葉から描いてのける作家はいないかなあ。藤井太洋さんとかやってくれないかなあ。

 原作の漫画が好きな人にはもうたまらないだろうなあ、監督を変えて第2期として放送されているアニメーション「血界戦線 & BEYOND」はポップでスリリングでコミカルなところおある漫画の雰囲気がそのままクリーンな映像になって見られる訳で、見知ったエピソードに見知ったアングルがそのまま出てきて動いて色もついて声まで添えられて見られるという至福の体験を味わっている。だったらオリジナルストーリーが半分くらい挟まっていた第1期は何だったんだって話にもなって、そこで繰り広げられた兄と妹の物語がまるで存在しないことになっているのはちょっと寂しいしもったいない。

 原作が好きなら原作を読んでいれば良い、別の媒体にするならそれならではのオリジナリティをという意見もあれば、見たいのは動く漫画だといった意見もあるだけに難しいところ。今のところ原作準拠に傾いている感じだけれど、ここで1本、第1期の監督に起死回生のオリジナルストーリーによる劇場版とか作ってもらって挽回をいって欲しいもの。チェインにたっぷりの見せ場も用意してくれたらなお嬉しいんだけれど。あるいは秋田禎信さんによる小説版の映画化とか。そういった余裕はあるのかなあ。ボンズはボンズで「ひそねとまそたん」の制作に忙しいだろうし、ってそれで汲々とする会社でもないか。しょげてるチェインちょっと可愛かった。

 ある意味では原作どおりとも言えるけれども、キャラクター作りにおいては映画ならではのオリジナリティも見られたしストーリーのはしょり方とエッセンスの取り出し方ではオリジナリティもあるといった感じの実写版「鋼の錬金術師」。あれやこれやと言われながらも興行通信の週末動員ランキングで堂々の1位になっていて、同じ大泉洋さんが出演している「探偵はBARにいる3」を上回った。「鋼の錬金術師」の大泉さんが演じたタッカーは原作とまるで違った表情で仕草で性格だけれど、映画の中では研究に熱心でまじめでもあってそれだけに、自分という人間を貫くために家族だって犠牲にしてしまうところは原作と同じ。そういった意味で実写映画ならではのキャスティングで俳優のファンを面白がらせ、そして原作のファンも納得させる映画になっているって、僕は思うんだけれど人によっては原作とまるで違うキャスティングでストーリーも端折られ深みがないといったとらえ方もしているみたい。どっちが本当か。来週あたりの動員数で本当のヒット具合が分かるかな。

 「映画芸術」という雑誌でやっているベスト&ワーストの投票からアニメーション映画が除外されたという話がベストテンに参加していたライターの人から漏れてきた。主宰の人が批判をしていながらも「この世界の片隅に」が1位になったりしたのがよほど腹に据えかねたのか、「君の名は。」がヒットする状況に腹が立ったのかは知らないけれども同じ表現芸術であり映画館という同じウィンドウに並ぶ媒体がアニメーションだからとか実写だからで分け隔てされる意味ってあるんだろうか。どっちが優れているというならそれは見た人の感想であって、アニメーションを好む人もいれば実写を好む人もいる。その違いでしかない。

 そして映画の世界は圧倒的に実写を支持する人が多いわけで興行を見ればそれは明らか。「君の名は。」ほどの成績を収める作品なんて滅多に出ない。だからどんと構えて待っていれば良いものを、そうやってアニメーションを除外すると言ってしまったところに仕切っている人の狭量さって奴を世間は感じ取ってしまいそう。それとも正当な理由を述べるんだろうか。述べたところでそれは珍妙なものになりそうだろうなあ。特撮は実写なのか。今時のVFXでキャラクターを自在にいじってしまえる映画は実写と言えるのか。「コングレス未来会議」のように役者がすべてCGで表現されるようになった時代に実写って何って話でもある。それを考えた時にアニメーションだけを除外する無意味さって奴も分かるだろうに。分からないかなあ、アニメーションがただ嫌いな頭には。やれやれ。

 ここまで堕ちたかというと、すでにそうだったから驚きは少ないけれど、それでおやっぱりデマばかりが掲載されているサイトを引用元にして、そこの分析とやらを唯一絶対のように添えて記事を作ってしまえる新聞社系のニュースサイトはやっぱりいろいろと悩ましいところがありそう。ファミリーマートが売り出した「忖度弁当」というのがあって、それが売れていないとツイッターでつぶやいた声があって、それをひとつ拾ってやっぱり売れてないんだと記事に書き、ほかにもやっぱり売れていないといったツイートを拾って重ねた上に、NETTOGEEKというサイトの分析を添えてファミリーマートの事業をネガティブに批判する。

 でも、こういう場合って経済記事ならまずは販売元に訪ねて本当はどれくらい売れているのか、それとも売れていないかを訪ねるのがセオリーであって、それがとれないなら関係者のコメントを添えるのが次善の策。でもこのニュースサイトの記事とやらには関係者への当てはなく、それが本当に関係者なのか確認のとれない人間いよるツイートをのみ掲載して売れていないと書き連ねる。なおかつ運営元が怪しげで数々のデマを送り出してきたサイトの分析とやらを添えてみせる。

 普通の新聞社だったら絶対にやらないことだし、やってはいけないことだと教わるような記事の作り方を平気でやってはサイトに掲載してしまう心理っていったいなんだろう。それほどまでにバズりたいんだろうか。バズれば一時のアクセスは稼げてもそれと引換に信用が失われる。その信用を取り戻すのはとても大変。でも目先のアクセスが将来の信用より大事なんだろう。だからやってしまう。そこまで追い込まれているのかなあ。そんなアタマもなしにただ自動的にアクセス数という快楽を追い求めているのかもしれないなあ。やれやれ。


【12月3日】 これはとっても面白い。銅大さんによる「SF飯:宇宙港デルタ3の食糧事情」(ハヤカワ文庫JA)は火星あたりでそれなりの家柄に生まれた若旦那がなぜか大婆さまから勘当を食らって追い出され、宇宙船に乗って遠くへと出向いていったものの根っからのぼんくらだったからか相応しい仕事がなるでないまま、遠く離れた宇宙港へとたどり着く。幸いにして宇宙にはB定食なるものが存在していてパンとスープと野菜が宇宙的に加工されたものを食べていれば健康は保てて餓死も免れるけれど、口のおごった若旦那にはあまり美味しくなかった様子。舐めれば美味しい味のする飴をなめて凌いでいたけれど、それには栄養がなく行き倒れてしまう。

 そこに通りかかったのがかつて若旦那の家に咆吼に来ていたコノミという少女で、祖父が残した定食屋を継いで再開させようとしていたものの自動で調理する装置があまりうまく働かず、苦労してレシピを元に調理の腕前を上げようとしていた。そこに参加することになったのが他にいくあてもない若旦那で、藻を使ってステーキを作る調理の途中に工夫を入れてコノミの祖父がつくっていたのに並ぶようなステーキを作り出す。そしてお弁当なんかも始めたもののこれが初速だけでしぼんでしまった理由を探って、調味料の問題だと気付いて自分でも調味料と作ろうとして材料を取り寄せようとしたら宇宙の都市を滅ぼしてきたヌカミソハザードを起こす疑いをかけられ収容されてしまう。

 そこでも小惑星の上で栽培をして生きながらえていた若旦那のところに現れた牛のような異星人。会話はできないまでも意志を疎通させていったその外側で、兄をとらえられたことで妹が立ち上がっては財力に明かせて戦艦を仕立てて若旦那がいた星系へと乗り込み知り合いのコノミも交えて兄の救出へと乗り出していく、といった展開は、ともすれば「ダンジョン飯」のような仮想の世界で持てる材料を使って調理し、美味しいものを作り出すといったストーリーが浮かぶし実際に、宇宙ならではの限定された材料を使って人類なり異星人に相応しい料理を着くって食べさせるエピソードも繰り出される。そこから異なる存在の生態系なり食習慣を感じとれる。

 一方で地球人類も含めてリフトアップを行い導いてきたオーバーロードの的存在が、さらに発達をして宇宙を去ってしまって残された生命が右往左往しながらも残された遺産なり薫陶を活かして生きているといった設定の中、それでも停滞している状況を打破するべくただの昼行灯に見えた若旦那に白羽の矢があたり、その隠された能力めいたものを引っ張り出して異星人とのコミュニケーションを加速化させ、食習慣も改善させてさらなる発展を促す存在なんかがいるのではと想像させる。行った先々で知り合いに会い便利なロボットを広いそして異星人をもてなすなんて偶然とは思えない。そんな展開を画策している存在、決して大婆さまでもないその誰かが狙うものは何か。知りたいので早く続きを。

 今日も今日とて東京コミコン2017へと出かけていって樋口真嗣さんが総監督を務めるという最新作の発表会を見物する。前に公開されていたティーザーのシルエットからメカとドラゴンが絡むような作品だとは感じていたし、樋口さんのことだから「ガメラ」や「シン・ゴジラ」のような怪獣映画か、「日本沈没」のようなスペクタクル映画、あるいは新境地としての異世界ファンタジーといった予想を抱いていた。最近出た尾野灯さんのファンタジー作品「群青の竜騎士1」のようにドラゴンがいながら戦闘機も飛ぶといった世界観に近いもののような。

 ところが、発表されたのはテレビアニメーションで、タイトルは「ひそねとまそたん」。その中身は何と現実の世界を舞台にドラゴンが戦闘機のコスプレをするという話だった。それも青木俊直さんがキャラクター原案をするほんわかビジュアル。いったい何だ。これはどうした。紹介されたビジュアルを観て思わず笑いが出てしまったのも仕方がないと言えるだろう。コヤマシゲトさんが手掛けたドラゴンも、「おばけちゃん」よりかわいらしい感じがして暴れる怪物といった雰囲気はまるで見えない。

 けれどもストーリーを聞くとちょっとだけ、シリアスな部分も感じられて興味がぐっと膨らんでくる。何でも航空自衛隊の岐阜基地に配属になった新人の女性自衛官、甘粕ひそねが基地にとっては秘密というか国家的な機密ともいえる戦闘機に擬態するドラゴンと知り合い、その搭乗者に選ばれるといったストーリーは、想像するならただドラゴンが外に出るだけなく、国家的な謀略なり世界的な戦いなりが絡んでくるものになりそう。世に膿んだ若い女性の癒やしと快復の物語に収まるとは思えない。そういう要素はあったとしても。

 ただ、青木俊直さん原案のキャラクターで血なまぐさい戦いとかは難しいだろうから、多少はデフォルメされた雰囲気の中でシリアスな設定も含みつつ進んでいくことになるんだろう。そんな世界を紡ぐ脚本家は岡田麿里さんで、前に樋口総監督との仕事が持ち上がりながらもまとまらず、そこでお別れになるかと思ったらいっしょにやりましょうとなって樋口総監督が暖めていた、ドラゴンがコスプレする話を膨らませることになったらしい。ボンズの南雅彦社長も巻き込み企画を進める中、あまちゃんの絵をネットに上げて話題になっていた青木俊直さんに声をかけ、キャラクターを描いてもらうことになったという。

 コヤマシゲトさんは以前からの知り合いで、誘ってこちらはモンスターのコンセプトデザインを依頼。ほかにメインメカニックではあの河森正治さんが絡んだりと結構な布陣。なおかつアフレコではなくプレスコで作るというからいったいどういった声優さんたちが自由な演技をして、それをどういった作画でキャラクターに乗せていくのかがちょっと楽しみになっている。監督は「キズナイーバー」の小林寛さんで、岡田麿里さんといっしょだったからチームとしての結束は高そう。

 発表会で青木さんは自分の絵はアニメーションになりにくいと話していたけれど、片渕須直監督によるmishmash*Aimee IsobeのMV「これから先、何度あなたと。」では青木さんのキャラが動いていたし、映画「きみの声をとどけたい」も青木さんのキャラだからこその前向きさ、賢明さといったものが感じられた。「ひそねとまそたん」でもきっと、どこか疲れを覚えながらも前向きにがんばろうとする女性の姿が青木さんのキャラの上に描かれることになるのでは。そんな気がする。

 樋口さんがアニメーションに挑む決心をしたのも面白かった。過去に携わってはいても自身が中心にはならなかったのが、「シン・ゴジラ」を終えて実写でやり尽くした感も出てしまい、これ以上やっても縮小再生産になるのではといった感じからやってみたいこと、やらなくてはいけないことを考えてアニメーションを選んだという。青木さんの顔でありコヤマさんの顔であり岡田さんの顔も思い浮かべて手掛けた新境地は、だからこそ面白いものになるに違いないといった予感がある。果たしてどんな作品になるのか。今から楽しみ。本当に楽しみ。

 これが新聞社のニュースサイトに新聞記者が書いて載せる記事なのだろうか。本当にそういう身分なのか分からない人間によるツイートを引っ張って、コンビニチェーンのファミリーマートが売り出した「忖度弁当」なるる商品がまるで売れてないとあげつらい、なおかつNETGEEKだなんて他のそれも素性の今ひとつなサイトから適当極まりない分析を引っ張り、全体にネガティブな印象をかもしだそうとしている。ここでファミリーマートの本部に実際の売上を聞いて添えればまだ裏取りもできていると言えるけれど、記事にはそうした問い合わせの形跡はなし。同じようにネットから情報を拾っても、一応は当事者に聞くJ−CASTにも届いていないのはどうなんだろう。お金が足りないと足で稼ぐことが難しくなったとはいえ、それを止めてしまった情報にお金を払う人がどこまでいるか、って考えるといよいよヤバさも極まってきそう。どうなることやら。


【12月2日】 今日も今日とて東京コミコン2017へと出かけていって「SSSS.GRIDMAN」という新作アニメーションの製作発表を見物。いったい何のアニメ化と言えば1993年に放送されていた「電光超人グリッドマン」という円谷プロダクションが制作した特撮ドラマを原作にしたテレビアニメーションなんだけれど、すでに就職をしてなおかつ東京に出てきて間もない時期でテレビなんて見ている時間もあまりなく、そして録画機器もそろっていなかったからテレビで「電光超人グリッドマン」を見たという記憶がまるでないのだった。それがネットワークにジャックインしてハッカー気味の魔王と戦うサイバーパンク的な設定だったということも。

 だから今聞いて、何て先進的だったんだと思わざるを得ないけれど、そう感じている人は大勢いそうで早過ぎた作品のリベンジといった受け止め方がされている模様。2015年だかに日本アニメ(ーター)見本市の中で1度、「グリッドマン」がアニメーション化されて配信されたことがあて、その時も庵野秀明さんを始め特撮ファンとかを大喜びさせていた。当時見ていた世代だって今や30過ぎから40歳あたりだから決して子供ではないけれど、思い出がアニメーションになるなら見てみようって人も多そうだし、そのスタイリッシュなフォルムと現代性を持ったテーマで初見の若い人も引きつけるかもしれない。監督は日本アニメ(ーター)見本市版を手掛けた雨宮哲さんだから感じもだいたいあんな風になるのかな。確認のために12月末から「龍の歯医者」の上映とともに発売されるブルーレイを見て確認しよう。

 当時の翔直人という主人公の中学生を演じていた小尾昌也さんという人も登場したけど25年近くが経っておっさんになった姿で登場されても当時の姿はまるで浮かばないのだった。グリッドマンの声を以前も今度も務めることになった緑川光さんによれば都内で餃子屋さんを運営しているとのこと。暴露されたと言っていたけどそう聞くとどんな味なのか確かめに行ってみたくなる。ってことは今は俳優はやっていないのかな、顔立ちとか結構良いしアクションだってできそうなんだからこれを機会に復帰して、緑川光さんと共演だなんてこともあったりして。その前に「電光超人グリッドマン」のブルーレイボックス発売を記念したイベントへの登場があるか。当時の面影を知っている人は行って見て感じると良いかも、時の流れというものを。

 東京コミコン2017で「SSSS.GRIDMAN」のイベントの入場を待っている間にステージで行われていた「THE REFLECTION」のステージイベントを遠巻きに見ていたら、長濱博史監督からスタン・リーと続編について製作の話し合いが行われていることが明かされた。気力があればスタン・リー本人が登場して第2期エクセルシオール!と叫んだかもしれないけれど当人は来ず。それでも監督の口から話が出るってことはそれなりに進んでいると考えて良いんだろう。話が第1期の続きになるのかそれともここの登場人物たたちの過去なり事情に迫るものかは不明。このテレビシリーズを「アベンジャーズ」として登場したキャラクターに個別のドラマがあるとも話されていただけに、広がっていく可能性もあるのかな。9nineが演じた「ナイスワンダー」の活躍譚になったりして。ステージではそんな9nineによる「SunSunSunrise」が演じられてスピーディなダンスとトレヴァー・ホーンによる楽曲がかっこよかった。また見たいかも。

 そういえばサッカーのワールドカップ2018ロシア大会に出場するチームの組み分けが行われたみたいで日本はコロンビア、セネガル、ポーランドと戦う模様。ロベルト・レヴァンドフスキ選手を擁するポーランドとかはやっぱり相当に強そうだけれどサッカーといって真っ先に挙がる欧州だったらドイツやフランスやイングランドやスペインポルトガル(イタリアは今回不出場)と当たって砕けた方がサッカーマニア的には楽しいなあとも思えたりもして、そうした国に当たるかもと思ってグループリーグを勝ち抜いて当たった北中米カリブ代表あたりにあっさり負けると、いつかの2010年南アフリカ大会におけるパラグアイ戦でのPK負けみたいなガッカリ感を引きずるだけに悩ましい。もちろんポーランドもコロンビアもセネガルも強豪であって日本よりは上で勝てると考える方が無理だから、まずはそうした国がどれだけ凄いかを学んだ上で勝った時の高揚感を得られるよう、個人として準備をしておこう。

 そして見た「焔の錬金術師」は同期で出世頭だった軍人で錬金術師でもあるロイ・マスタング大佐が友人のマース・ヒューズ中佐の死をきっかけに軍の内部で画策されている謀略を察知しホムンクルスの跳梁にも気付いては第5研究所へと乗り込んでいって現れたホムンクルスを自らの焔の力で焼き尽くし、そして部下のリザ・ホークアイも上司を助けて生まれたばかりの人造人間たちを全滅させて世界を混乱から救う、そのかたわらで過去に拙いことをしでかして兄は右腕と左足を失い弟は肉体を失った兄弟が、あっちこっちに行きながら陰謀の入り口をつっついてホムンクルスなり欲望に溺れた将軍なりを呼び出し暴れさせ、そして焔の錬金術師に仕留めさせる狂言回しを演じる。

 つまりは主人公はロイ・マスタングその人であってエドワード・エルリックもアルフォンス・エルリックもウィンリィ・ロックベルもロイの見せ場を用意し活躍を支える脇役に過ぎないんだけれどもなぜかそんなひとりのエドを主人公にした「鋼の錬金術師」というタイトルになっているという、そんな感じ。まあでも兄弟で助け合いつつ絶対に救ってやるんだという兄の弟への思いが描かれ感動するし、錬金術といっても万能ではなく失ったものを取り戻すには等価が必要といった壁があり、さらにそうした制約を吹き飛ばす賢者の石がとんでもない方法で作られ使うに使えない代物だったと分からせるあたりに、エドとアルの存在も意味を持っているんだろう。とか思った。

 原作でそこまでロイに比べて弱かったかというとそうでもないし、冒険によって真相へと近づきつつ国を支配するとてつもない敵を相手に戦うとう困難を成し遂げたからエドが主人公なのは変わりがない。ただ映画では物語事態が端緒についた感じの中でエドとアルよりすでに軍人のロイが活躍してしまったといったところかな。それを除けば総じてしっかりと「鋼の錬金術師」の要素を追いつつ等価交換であり人体錬成の困難であり賢者の石の恐ろしさといったものを感じさせてくれた映画版「鋼の錬金術師」。キャラクターへのなりきりもあった人がいる一方で物語の中でそう感じさせる演技のうまさ、雰囲気作りの巧みさがあって見ていて違和感めいたものは覚えなかった。

 戦いの見せ場もあったし兄弟の葛藤もあったしタッカーの家で起こった悲劇への憤りもしっかりと感じさせられた。その意味では見て普通に楽しめたし損したとも思えなかった。アルとかをフル3DCGで造形したからなのか、ロケでピーカンの下に演技が進むような感じではなく、どことなく暗めの画面が続く感じがしてやっぱりCGを多用する時は仕方がないのかもと思ったけれど、劇場がそういう輝度だっただけかもしれないんで他で見て全体に暗いか普通かは考えたい。役者ではロイ・マスタングを演じたディーン・フジオカさんが最初はたどたどしかったのがだんだんとそう思えてきたし、蓮佛美沙子さんはセーター姿になった時がこんもりしていて素晴らしかった。どことかは聞かない。夏菜さんによるマリア・ロスもかわいかったなあ。ちょっと原作とは雰囲気違うけど可愛いは正義だからこれで良いのだ。山田涼介さんも本田翼さんも良かった。つまりは良い映画。僕はだから見てこれを認めるし、推したいし続きがあれば絶対に見に行く。たとえ松雪泰子さんの谷間は出なくても。それはひとつの心残りではあるけれど。

 長崎県平戸市の市長が朝日新聞は捏造が多いから読みに値しないと市長室での講読を取りやめたとツイートしたら支持者があつまり1000人もフォローが増えたことを、そのまま拾って記事にしてサイトのトップに掲げる新聞社系のニュースサイトがあって仕事ぶりがどうにもアバンギャルドで足で稼ぐより目で稼ぐ方が効率的なのか、稼ぐための足すらもはや存在しなくなっているのか、いろいろ浮かぶ想像に未来への暗雲も立ちこめる。なおかつそんな平戸市長の行為を前向きにとらえる記事を書いて、メディアの自省のなさをいさめているけどその新聞のおそらくは書き手が過去に何をしてきたかはだいたい知れていて、それでもって仮に講読に値しないとどこかの主張が切った場合、いったい何を言うのかと考えると夜寝られなくなってしまう。

 そうなった場合にいったいどれだけのロジックを駆使して勝手な決めつけと主張し言論の自由に挑戦する行為だと唱えるか。マスコミが謙虚であることは当然であっても、それが確定していない主観に過ぎない認識で報道に難癖をつける振る舞いを、同じマスコミとして言論の自由にたいする挑戦であると非難し、ともに立ち上がっていさめるべきだというのが一般的な認識の中で、そうは向かわず自分たちへの可能性は脇において、目の前の朝日新聞に対する批判を助長できればそれでよしっていうスタンスなんだろうなあ。なるほどそれで一時のアクセスは稼げても、信頼というものはどこへ行ってしまうのか、なんて訪ねたところで聞く頭も耳もないから詮無い話。共に戦えない仲間と見做されたメディアが唯一すがる政権と支持者からも見放された先に何が待つ? 考えるとやっぱり夜寝られなくなってしまうのだった。やれやれ。


【12月1日】 なにかの上映会で見たアニメーション作家の古川タクさんによる新作映像が確か「一茶」という映画のエンディングで、まだクレジットも入ってない映像ではあったけれども近々公開といった話もあって期待していたらいつまで経っても公開されない中、配給と宣伝が降りて制作会社がつぶれてしまって宙に浮いた上にロケ地となった長野県で現地のフィルムコミッションが立て替えた分が支払われないまま、日本における映画のロケ誘致を推進していこうといった空気に冷や水をぶっかけている感じ。

 ハリウッドの大作映画が日本を舞台にしようとしても許可がおりないため、香港だとか中国だとかにロケ地を持っていかれてしまうといった話もあって、それは拙いとロケ地として使ってもらえるよう自治体なんかが運動を始めていたりする。でもそうやって来てくれた映画の撮影チームが無理難題を行って現地を困らせ、それでもどうにか撮ってももらおうとがんばったら弁当代を踏み倒されたらもう2度と映画の誘致なんてするものかといった思いになるだろう。

 「サクラクエスト」ってテレビアニメでも田舎にロケ隊が来て予定になかった家を燃やしたいと行って、せっかく来てくれたの嫌われたくないと無理を聞こうとしていた。ロケ隊の側に行ってやっている、撮ってやっているんだといった態度があからさまになればなるほど、現地の痛みもどんどんと増していく。こうやって現実に被害が出てしまうとなおのことロケ地の全国化なんていったことが難しくなる。一方で映画会社の方にも事情があって、予定していた謎の日本機構だなんて法人からの入金がなくなって、映画が作れなくなってしまった。その日本機構ってのが謎だらけで、元衆議院議員という人が関わっているようだけれど、その人は代表ではなく別にいるとスポーツ新聞に話してた。

 ところがTカ月くらいたってその黒幕めいた言われ方をした人は無関係だって訂正記事が出ていた。だったら元衆議院議員という人はいったい誰の依頼を受けて映画会社に仲介したのか。名前を挙げた人は本当に実在しているのか。ってあたりから雲行きが怪しくなってくる。制作会社に使途の不明があったとかいった話も出ているけれど、倒産するくらいに資金繰りが悪化していたなら裏金だとかロンダリングだなんて犯罪に絡んでいた可能性は薄そう。だいたいがあれだけの面子を集めて映画を撮って完成近くまでこぎ着けたんだから、取り込み詐欺的な振る舞いはしてないと言えるだろう。

 だったら本当の黒幕は誰なのか、ってあたりがまるで見えないのが気にかかる。監督も亡くなって編集もできないとなったフィルムを完成に持っていくだけでも大変なのに、公開のめども立ってないのでは編集だとかアフレコといったポストプロダクション産業をやろうとう気も起きないだろう。ってことはやっぱりお蔵入り? それないの役者が出ていて見られないというのも残念だし、古川タクさんの新作アニメーションをスクリーンで見られないのも残念。ここはもともと配給を企図していたKADOKAWAが、権利も整理をした上で自分のところに収入が落ちるような契約を結び直して、自分のところの出資した映画という形で上映へと向かっていけるのか。ちょっと考えたい。

 相対性理論の「ミス・パラレルワールド」に植草航さんがアニメーションをつけて「やさしいマーチ」として発表し、そしてカラスは真っ白の「fake!fake!」に植草航さんがアニメーションのPVをつけて話題になった時のことをちょっと思い出した、WabokuさんによるEveってアーティストのMV「お気に召すまま」。クールでかっこよくって切り替えのセンスとモチーフの選び方が抜群に良い。Wabokuさんは東京工芸大のアニメーション専攻から確か出た人。良い世界観と動きのセンスを持った人だった。「EMIGRE」とか退廃した世界を懸命に生きる少女が理不尽にもまれつつ屹立する姿にジンときた。このMVが評判になれば売れっ子アニメーション作家になっていくかなあ。ちょっと期待。

 午前7時過ぎには家を出て総武線で幕張本郷まで行ってそこからバスで幕張メッセまでたどり着いたらだいたい午前の8時くらい。世界的に話題のイベント、東京コミコン2017の取材なんだからもっといっぱいプレスがいても良いかなあと思ったものの見渡しても数人しかおらず本当にここで良いのかと心配しながら受付で舞っていたらだんだんと増えて来てそれなりの人数になった。やっぱりみんな見たいんだスタン・リーを。ってどうも違って目当ては竹内涼真さんが多かった感じ、話題の俳優だし、そういうものだよなあ、日本のメディアって。でも僕はやっぱり目の前で「エクセルシオール!」が聞きたいと、早くから並んで最前列の席を確保して待つこと3時間、ってその間は東京コミコン2017のプレスプレビューを観察し、円谷プロダクションのステージの入場整理券も確保していかたら時間を持てあますことはなかった。無駄にすることもなかった。その意味では1年で運営も手慣れたって言えるかな。

 さて東京コミコン2017のオープニングステージではアメコミ界の生きる伝説、スタン・リーさんが目の前で「エクセルシオール!」と言ってくれたしアップルをスティーブ・ジョブズとともに設立したスティーブ・ウォズニアックが喋るのを聴けたしとなかなかの充実ぶり。その中身もスタン・リーは挨拶くらいだけだったけどウォズの方はクリエイティブな人が周囲にいるとインスピレーションがわくよ、そして東京コミコンにはスーパーヒーローというアイデアをいぱい生み出してくれるクリエイターたちがいっぱいいるからインスピレーションががんがんわくよといった感じのことを言って、そこに来ることの大切さを説いていた。なるほどだから今年も来てくれたんだなあ、マックワールドのような展示会には来ないくせに。そこがウォズって感じ。

 そんな東京コミコン2017は映画のプロップだとか衣装がガンガン並んで映画好きにはたまらない感じだし、スター・ウォーズ関連なんて映画の公開が近いからかいっぱい品物が並んでどれもこれもと目移り。ファーストオーダーのストームトルーパーが2足歩行するロボットなんてのもあって日本では初お披露目だそうで、とことことと歩いてはさっと銃を構える姿がかわいかった。あとBB−8とかBB−9E、そしてR2−D2といったドロイドをスマートフォンで操作できる玩具なんかもあってこれなんてこたつの上で3つのドロイドを転がしたら楽しいだろうなあと思ったけれど我が家にこたつはないのだった。それどころか平地がない。ロボットなんてどこにもおけない。ちょっと悲しい。

 ジャスティス・リーグとかいたりターミネーターとかいたりエイリアン・クイーンとかいたりと賑やかなフロアに前に見たことのあるマシンがあって色こそ変わっていたけれどエクスマキナが作っていた大河原邦男さんデザインによる変形するクルマだった。代表の人とかいたんで久々ですと挨拶をしてそして動くところを見せてもらって、前よりスムースに立ち上がったり戻ったりしているなあと関心。ナンバーもとれるくらいになってあとは公道も走るのを待つばかりと言ったところだけれど、公道上で変形をさせてそのまま走れるかどうかはちょっと聞いてなかったのだった。同じ東京ロボットというブランドで1人乗りのカートも出しててご老人が乗って動かしているものよりも操作が簡単で何よりデザインがクールで1台、足代わりに欲しくなった。広い幕張メッセだってすいすい行けそう。外を走れれば幕張の街区とか移動が楽になるんだよなあ。免許もいらず歩道も走れるそうなので、そのうちワシャワシャと動き回ってる姿を見られるようになるかも。あとは値段か。10万円切って来たら欲しいなあ。


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