縮刷版2008年1月下旬号


【1月31日】 明けて山瀬選手への絶賛が並ぶスポーツ新聞にあって何故か川淵三郎キャプテンの憤りが妙に真っ当に思えてしまう今日この頃。判断の遅さについてはシーズンもまだ明けず試合勘を取り戻す過程にあるから仕方がないとしても、ちょこまかと見せるヒールパスとかの多くが外れまくっていたりする様に、形よりもまずは心意気って奴を見せてくれなきゃ、観客動員は更に経るばかりじゃないかって気が浮かぶ。

 だいたいがチリ戦よりも明らかに温かかったのに人数は2万7000人弱っていったいどういう訳だ。誰も知らない選手を使うから集まらないんだとオシムの選考をあじゃらこじゃら言ってた過去もあったけど、高原直泰選手って看板も出来て中澤祐二選手って誰でも知ってる選手が入って監督も岡ちゃん岡田武史監督で、会場は都心のど真ん中にある国立競技場でこれではもはや興行としては末期的。2010円ってサービス価格のゴール裏すらアウェー側は埋まってないんだからもう如何ともしがたい。

 「FIFAクラブワールドカップ」って世界から集まった最高峰たちの真剣勝負を見たりした後じゃあ、寄せ集めの代表の親善試合に行く気もそれほどしないって気分も分からないでもないけれど、来週にいよいよ本番のワールドカップ予選を控えて否が応でも気分を盛り上げなきゃいけないところでこの沈滞ぶりは、やっぱり不思議な気がする。いったいどこで何を負見間違えてしまったんだろー。オシムの1年半がつまらなかったから? でも最後のエジプト戦だって4万1000人が入ったし、田舎のエコパでの試合でだって2万8000人とこれより観客がやって来ていたんだよなあ。

 何かしらあった期待って奴が一連の監督選考のプロセスで削がれ、トドメにチリ戦のぼんやりとした密集だけの展開なきサッカーが来て、もう先は見込めないって気持ちを抱いてしまった人も割といたりするのかも。これじゃあ中村俊輔選手が戻ってきたってそんなに集まらないかもなあ。いやいやスコットランドに渡った水野晃樹選手が大活躍して凱旋でもしてくれたならあるいは。うーんでも五輪代表だってそんなに集まらなかったし。オシム復帰、これが特効薬としても良さげだけれど……冬場に外に立たせるのはちょと。悩ましさの中で2月6日はやって来る。どれくらい集まるかなあ。

 でもっていよいよ優秀賞へと入った「第8回えんため大賞」受賞作読了週間は小野正道さん「カオス・カオズ・ディケイオス」(エンターブレイン、600円)に手を出して冒頭からラストまでこれまた一気読み。なにがしかの操作を受けて超人化した主人公が殺戮の興奮に取り憑かれながら撃ちまくり殺しまくるその様に、ダークな感触を味わいながらもそんなダークさが平和を乱すのではなくより悪辣な組織へと向けられている状況に、人間の抱く欲望って奴の再現のなさに絶望感が湧いて出る。日常生活じゃあ可愛い美少女と同棲していたりと平和に見えるのに、どーして「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュすら上回る悪鬼羅刹の如き振る舞いを、主人公の天草芙弓はするんだろう?

 その答えを知るプロセスが物語りのメーンで、これに芙弓が拾い上げた青年のレイが実は芙弓が所属する組織にいる若い面々と同じ境遇にあって自分をこうした組織に挑むストーリーが重なって展開していく。どこまでも純粋に不幸から仲間を救いたいと頑張るレイとは違って、立ちふさがる者には容赦のない芙弓の対比が神と悪魔の、相容れないけれども互いの存在を着ることのできない関係として浮かび上がって来る。エンディングに明かとなるレイの秘密とそして芙弓の秘密、そしてさらには芙弓の長くはない将来といったものが加わって描かれる次巻は果たしてどんな展開が待っているのか。あんまり判然としない芙弓の仲間の3人娘についてももっと知りたいところだし、是非に続きをそれも早く送り出して欲しいとお願い。

 栄子ちゃんが欲しい栄子ちゃんが欲しい栄子ちゃんが欲しい栄子ちゃんが欲しい栄子ちゃんを描いて欲しいとここで描くよりはがきを出せっての。「ヤングキングアワーズ」でもういったい何年連載しているか記憶も定かじゃないけれど、150回ってことは年に12回で軽く12年以上で休載なんかも混ぜたら13年は連載されているだろー伊藤明弘さんの「ジオブリーダーズ」の超長期連載を記念したプレゼントがいよいよスタート。2008年3月号の綴じ込み付録になってる描き降ろしの神楽総合警備メンバー(田波抜き)プラス毒にも薬にもならない成沢の毒にだって薬にだてなりそーな艶姿が描かれたイラストが、カラー出力でもってコピーされてサインも入れられ手元に届くってんだからこいつは応募するより他にない。もちろん希望は蘭東栄子ちゃんだ。

 社長みたいに水着じゃないし成沢みたいに上から胸元がのぞける感じでもないけれど、メンバーでもっともすらりとした肢体のとりわけ足をにょっきりとミニスカートからのぞかせながら、実は魂胆があるかもしれないけれどもそれをかくしてにっこりと微笑んでいる表情の何と可憐なことよ。組まれた腕の上にこぼれ落ちそうな胸元の量感もなかなかで、手に入れば額に入れて飾って100年の家宝にすることはもう絶対。どこぞに売りに行くなんて真似はしないししている奴がいたらはり倒してでも奪って我が家の鬼門に飾って厄を撃退して頂くことだろー。だから「原稿用紙に好きなキャラを描いてもらう権利」でも当然のよーに行使は栄ちゃん。ジェットスキーでタンカーに迫った時の水着姿も忘れがたいけどテレビ等で化け猫相手に奮戦したジーンズ姿も悪くない、もちろんオフィスでのタイトスカート姿も。どんな栄ちゃんを描いてもらおうかなあ、やっぱり浴衣姿かなあ、もちろん無粋なあれを履いてないバージョンで。

 そんな「ジオブリーダーズ」は立てこもったというより立てこもらされた神楽総合警備の面々がいよいよ迫る敵を相手に大ばくちに売って出る模様でまやを動かしハッキングして田波が滅茶苦茶な要求を伝えてそして入江に連絡。そこから始まる相手の攻撃の中にきっと隙を見つけて脱出を図るか何かするんだろー。囲んだ中にはたぶん島から出てきた化け猫仲間がわんさかだけれどここんところずーっと出ていない黒猫一派の動向が不明なのが気にかかる。ここいらで出てこないといい加減、忘れ去れてしまうんであのジャン・ギャバンのよーな姿を是非にまた1度披露して頂きたいもの、ってかそれより先に高見ちゃんをずいぶんと忘れてる。どーしてるんだろ今頃。


【1月30日】 でもってやっぱり優秀賞ではなく「東放学園特別賞」の受賞作を読んでしまってこれもまたなかなかだった「第8回えんため大賞」の受賞作品登場月間。わりにあんまり後に続く人材が輩出されていないっぽいカテゴリーなんだけれども、今回の直月秋政さん「雅先生の地球侵略日記」(エンターブレイン、560円)は銀河帝国だか何だかのあんまり出来の良くない王子様が一念発起、した割には憧れるオタク文化の巣窟・地球ってよりは日本を奪取すべく艦隊を派遣することになってそこに王子からは2歳年下ながらも家庭教師を勤めるくらいに頭の良かった女性ワルザードがお目付役的についていくことに。

 何しろ銀河の覇者だからすぐさま侵略も終わるかと思ったら意外というかさすがというか日本には赤やらピンクといった色のヒーローたちがいてなかなか侵略を受け付けない。どうしたものかと思う一方で地球のことを知らなくてはと変装して日本に降り立ち雅と名前を変えて教師となって赴任した学校に行ったら驚いた。戦った当の5人組が生徒としてそこにいた。以来数年。重ねた戦闘は248戦に及びそして敗れた回数も248回に。だったら数で押すなり日本を避ければ良いものそこは王子から博士から筋金入りのオタク野郎で一気呵成に攻めるなんてことはせず、だらだらと続く戦闘の中でワルザードこと雅先生の頭痛ばかりが続くのえあった。

 とまあ聞けばありそうな設定ながらも語り口が楽しくキャラクターたちも愉快でするりするりと読んでいけるなかなかの良作。とりわけ雅ちゃんが実家に頑張ってますから安心してねって手紙を書き送りながらも見方に苦労し生徒に苦労し同僚の養護教員にして実は戦隊側の副指令と同病合い哀れむっというか哀れまれる日々にしなびながらも負けず立ち上がる様が描かれたイラストのちょこねんとした感じとも重なって心そそられます。でも勝たせてあげない。戦隊たちの理不尽なまでのスケールアップぶりもさることながら彼女たち彼らを束ねる司令官の強さたるや「炎の転校生」に出てきた伊吹一番に匹敵するかも。きっと裸で笑いながら巨大戦艦を素手で粉砕してるんだ。ともあれ負けも250くらいまで重ねて次はいったいどんなバトルを仕掛けるか、ってあたりも含めて続きを期待。

 「このミス大賞」の発表会があるってんで電車を乗り継ぎ髭男爵邸へといったら山田ルイ53世とひぐち君がワイングラスをかちゃんとさせながら「ルネーッサンス!」と叫んで迎えてくれた、そんな分けないけれどそうだったらちょっぴり楽しかったかも、でも会場となった「小笠原伯爵邸」は、「コードギアス 反逆のルルーシュ」で生徒会が使っている部屋みたく優雅な建物で、スペインがベースでちょっぴりイスラムも入ったラテンな雰囲気のところだからロココな髭男爵ではちょっとマッチングが悪いかも、ってかあの図体ではそんなに広くはない会場で邪魔になって仕方がないかも。何しろとりたててすごい受賞者がいるって訳でもないのにテレビカメラが5台も入っていったい何の騒ぎだと驚嘆。見るとプログラムに過去の「このミス大賞」受賞作「チームバチスタの栄光」の映画化に関する発表もあるみたいでこれに合わせて来るゲストを抑えておきたいって意図があったみたい。

 んじゃあ誰が来るんだ阿部ちゃんかそれとも竹内結子かと期待した来場の書店員さんたちも思ったかもしれないけれども来場したのは吉川晃二さん。ってこれも「モニカ」をリアルタイムで見たっていうか「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」との併映で否応なく見せられて東京湾へと確かバタフライか何かで泳いで来て陸に上がるその鮮烈なデビュー姿(記憶違いの可能性大)を目に焼き付けられたラ・ビアン・ローズな吉川が目の前に立っているってだけで「うる星2」世代としては懐かしさとシンパシーが頭に浮かぶ。まあ当人としては「うる星2」にハマりまくって映画館に通うよーなマニアックな方々に、なぜか深く浸透してしまったことにあんまり喜びは感じてないんだろうけれど、こと仕事に関しては不真面目さを認めないクールでハードな性格は、好きな物に激しい熱意を示して地球侵略なんてことすら思いつくオタクと底でつながっているかもしれないんでここは嫌わないで頂きたい。

 んで吉川さん、映画じゃあ天才的な心臓外科医を演じているそーだけれどその指導に当たったのがバチスタ手術を日本で初めて行った須磨久善先生で発表会場にも来て吉川さんよりも高級そうな靴だと吉川さんに誉められながらも逆に吉川さんが2カ月余りで拾得した、手術場面での執刀や縫合の腕前をとても素晴らしいと誉め返す。日本の第一人者が太鼓判を押したってことで原作者の海堂尊さんはこれで映画について医療従事者の声は封印し、だから評論家の声も封印してもはや誰も誹るものはいないって自信を見せていたけど果たして竹内さんの演技はどうなんだ? 阿部寛さんはきっと大丈夫だろうからそれだけが気がかりなんで始まったら見に行こう。吉川が片手バク転をしながら手術する姿が見られると期待。

 んでサッカー日本代表の対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦はスクリーンに映し出されたイビチャ・オシムの鋭さが増した眼光にまずたじろぐ。これまでだったらちょいと笑顔のひとつでも見せてくれただろうに、手はあげて挨拶はしたもののあんまり笑ってなかった顔立ちに、前半の攻めているよであんまり有効性に乏しい試合運びになにか感じるところがあったのか。まあ前のチリ戦に比べれば右サイドで内田篤人選手が頑張って何度も前に出て手を振るところにしっかりとサイドチェンジのパスが送られ前回よりも右を有効に使えていたし左も頑張ってはいたんだけれども如何せん、トップ下に入った大久保嘉人選手が目立たない。

 自分で切れ込む訳でもパスを出す訳でもなくそもそもボールがなかなか来ない状況に下がって奪取し出してお役ご免な感じが続いてチリ戦で見せた機動力をあんまり発揮できなかった。巻誠一郎選手が怪我で下がって山瀬選手が入って前に出ても高原直泰選手とのコンビがどうにも絡まず怖さが見えない。というか高原選手は2試合通じて決定的、って場面をほとんど見せてくれなかったなあ。巻誠選手の怪我も気になるところだけれどこれならいよいよ到来のタイ戦では、巻をトップに下を山瀬で左大久保右遠藤、憲剛啓太のボランチにしていつもの4バックという布陣で臨むのが良さそうな気も。やっぱり見に行くべきかなあ、でも遠いし寒いんだよなあ、埼玉。


【1月29日】 みやみやよりもブラックがいたか剣道大会。閉じこめられたところを助けて走らせその途中で転ばせる作戦の不可抗力をねらった完全犯罪ぶりには感心したけどでも、その放つ黒いオーラですぐに真犯人だとバレてしまったから意味がない。そんな敵を正義の心で倒そうと珠ちゃんが放った突きを見て立った虎次郎先生の考えは。以下次回で「バンブーブレード」ちょっと楽しみ。見返した「ヤッターマン」はボロボロになったドロンジョのアップになったお尻が「コードギアス 反逆のルルーシュ」のC.C.以上に丸かった。だんげなわ丸かった。意味不明。すらんげにって丸かった。やっぱり意味不明。

 そう見えているのが自分だけってことはおかしいのは自分の目なのかそれともみんなが騙されているのか。そこんとこをどう捉えるかによって印象もちょっと代わってきそうな「第9回ファミ通えんため大賞」特別賞受賞の彩峰優さん「サージャント・グリズリー」(エンターブレイン、580円)は転校してきたのがなぜか顔に熊のぬいぐるみを被って迷彩服を着た「グリズリー・軍曹」と名乗った人物、いや人なのかも判然としないんだけれどクラスメートの先生も誰もがその子を絶世の美少女だと認識している。だからちょっぴり言動に妙なところがあっても慕いなぜか男子更衣室で着替えを始めた軍曹に盛大に鼻血を吹き出し悶絶する。

 けれども主人公の玖流玖準だけはやっぱり熊のぬいぐるみに見えてしまう。友達になったと言ってアパートに帰ってきたグリズリー・軍曹が朝起きて下着姿になっていてもそれは男の体に女性の下着を着けただけの妙な恰好だと見て驚き、周囲の騒動を不思議に思う。軍曹を狙ってくる頭がサーモンだったりブルドッグだったりする奴らもそう見えるし、商店街で出会った妹のグリズリー少佐も母親のグリズリー大佐もやっぱり熊。そんな熊たちがいったい何をしているのか。それはどうやら準を狙う存在があってそれから準を守ろうとしていたらしい。

 だからどうして準には軍曹たちが熊に見えるのか、ってあたりの説明はないけどこれがもしも歴戦の強者で軍事には強いけどその他のことには唐変木な美少女が転校して来て妙な言動を振りまきつつ護衛の任務を頑張る話だったら過去にいくらか類例もある。グリズリーにして醸し出される美少女とかラブコメといったノイズを廃して、周囲の喧噪と主人公の心の醒め具合とを対比させることでひとつには意外性のおかしさと、もうひとつにはダイレクトな心の交歓を描こうとした、って考えるのは考え過ぎか、やっぱり見た目読み具合の面白さを優先したか。授賞式は知らないうちに終わっていたんで誰が描いたかはは知らないけれどもこれは結構な書き手になりそう。しかし優秀賞とかほかにあるのに特別賞から読んでしまう自分のマイナースピリッツにはほとほと感心。

 とりあえずすっこんでろいうか、あるいはぎゃくに表に出ろっていうか、とにかくそこが適所ではないってことぐらいは誰だって直感できるものをこのおっさんは公式サイトって場所でもっていいわけにもならないいいわけをつぶやきビジョンにもなってないビジョンを垂れ流す。何だよ「社長の談話室」って。経営計画でも努力目標でもない談話にいったい何の価値があるんだよ。だいたい社長はチームの経営者ではあってもチーム作りの責任を担うのはGMであって、そのGMが喋らないことを上がペラペラ喋ったら下はやりにくくって仕方がない。自分の声で伝えたい? だったら出てこいサポーターの前に。

 なるほど一連の騒動の渦中にGMがいなかったってことはある。ならば社長が責任を負うのは当然の流れなのかもしれないけれど、だったらそのGMをこれからが自分の色を出す時期だって時に辞めさせた理由を話せっての。続投の決まっていた監督を辞めさた理由を語れっての。そんなごたごたからカレンダーの表紙になってる主力5人がぞろぞろと辞めていってしまった理由は何なのかを説明しろっての。ファンが本当に知りたい事情なんてカケラも離さずかといって具体的な目標を掲げそれに向けてどういう手段を講じているかもまるでなし。そんな駄法螺を並べても火に油を注ぐだけってことがどうして分からないんだろうなあ。分かっていたらとっくに何とかしているか。こんなおっさんを仰ぎ談話室なんて下らなさすぎるページを作らされる「ジェフユナイテッド市原・千葉」の今シーズンに、黙祷。

 とか言っていてもシーズンはやって来る訳で、セルジオ越後さんに中心メンバーがぞろりと抜けたことを「ベストメンバー規定が守られてないじゃんスポンサーやサポーターに失礼じゃんリーグは警告しなきゃダメじゃんこれで警告できないんだったらチームがそれぞれの事情と考え方でやってるメンバー編成にリーグは口を挟むべきじゃないじゃないかな」的なことを言われてこればっかりはなるほどと納得しつつもやっぱり抜けたものは仕方がないとここで去年を振り払い、ざっと見た08年のメンバーは何か意外と充実していたりするのかも。

 キーパーは遠藤コロコロバスターの立石智紀選手がいるしファッショナブル櫛野亮選手も復帰で一気の分厚さ。でもってサイドに坂元將貴選手が復帰し去年採った池田昇平選手は残りあとは市原充喜選手が定着してジャンボ田中惇也が覚醒すれば高さも速度ももったディフェンスラインが出来上がる、かもしれない。中盤はマラドーナ工藤浩平選手が覚醒を終え米倉常貴選手が大先輩の羽生直剛選手の背番号を引き継ぎいよいよ覚醒。苔口卓也選手が加わり高卒で益山司選手が入って谷沢達也選手も来たりと新鋭経験者を含めてまあまあの名前が揃ってる。

 フォワードはほぼ代わらず新居辰基選手の怪我の間に青木孝太選手が3年目の大爆発、となればもう完璧じゃん完璧。それが皮算用であってもこれだけの新戦力を揃えてのぞむシーズンの見えない可能性って奴に今からちょっぴり胸も高鳴る。分かっていて何もできない落胆よりも分からないまま臨んで見せられる意外性のスペクタクルの方が人間、面白がれるってものだ。あとはクゼ監督の人脈地脈をいかしてとてつもないスーパースターが来てくれればってことだけれども、クロアチアにそんな選手はいたかなあ、シューケル、ボバン級のビッグネームは無理としてもせめて代表クラスをひとり。お金はたっぷりあるんだから。もうないって? それこそ経営者の責任だから談話できっちり説明しろや。


【1月28日】 青山あたりってことは千駄ヶ谷から割とご近所で「日本SF評論賞」の授賞式とやらが行われていたことなんて露ほども知らずまるで漏れ伝わりもせず関心の及んでいなかった中、土曜日の「国立霞ヶ丘競技場」で寒風に吹かれながら見ていた寒さにあふれたサッカー日本代表とチリ代表の親善試合についての論評が「エル・ゴラッソ」の2008年1月28日号に載ってたんで見たけどうーん、巻誠一郎選手を6・5点とつけてくれた点には感謝もするし実際に最前線で頑張り高原直泰選手の決定的なシュートへと至るパスを出したり後方の支援がない中でひとりトップで張っていたりもしたから高採点も至極当然。逆に高原選手がたいしたことも出来ずに5・5点止まりってことも納得できる。

 でも羽生直剛選手が5・0ってのはちょっと、なあ。いやまあ結果として引き分けた試合だからそれくらいで良いって意見もあるんだろうけどそれなら全員が5点で結構。問題はコメントで「途中出場し波に乗れない時間帯が長く続いた」って言っているけど後半も10分過ぎくらいに入ってすぐさま左に右に顔を出してはチェックに行きパスをもらって起点になる動きで中盤を活性化。そして5分遅れて入ってきた大久保嘉人選手とすぐさまマッチングして決定的な斜め横へのパスを大久保選手に出してアシスト確実って活躍をしてたじゃん。見ていてすぐにその貢献度って奴がはかれたよ。勝ってたらMVPだって上げてよかった。でも得点を奪った選手に行ってしまうだろうけれど。4回のチャンスをドジった大久保選手はだったら逆MVPで次からのMVPを1回没収にしなくちゃね。

 「リズムをつかんでからは飛び出す動きで貢献した」のは確かだけれど「それまでに費やした時間が長すぎた」ってんなら前半を無策に過ごした中村剛選手も決定機を決められなかった高原選手ももっと非難されて良い。いったい羽生選手のどこを見てたんだって言いたくなるけれどもまあほら、小さいんできっと記者の人の目には留まらなかったんだろう。気が付くといて別の場所にもいてさらに別の場所にも現れるエルメスのビット、あるいはファンネルとあだ名される羽生選手のニュータイプ的な動きはオールドタイプのサッカー記者にはきっと目にもとまらず感じることすら不可能なんだろー。そんな貴重な飛び道具を離してはたして大丈夫なのかジェフユナイテッド市原・千葉。とりあえず「ちばぎんカップ」のチケットを抑えたんでまずはこの目でしかと見る。いたらどーしよー羽生たん。分裂した?

 15年ぶりの長編って煽りには納得だけれど「バベルの薫り」を超えるってのはどうかなあ、なんて思いつつ手にした野阿梓さん「伯林星列」(徳間書店、2200円)だったけどまず思ったのはこれってSF? ってところで確かに1936年の2月26日に起こった俗に言う「二・二六事件」が、本当だったら事件の理論的な首謀者として処刑された北一輝の慎重に慎重を重ねた念入りな指導もあって成功してしまった世界が舞台にはなっているけどお話の方はそこから進んで7カ月後って所までで、日本のクーデター成功が後の世界に大きく関わり歴史も勢力図も大きく変えたって感じはまるでなし。だからディックとかスピンラッド、あるいはただしブリタニアが米国も支配して何百年とか経った世界が舞台の「コードギアス 反逆のルルーシュ」みたく一種の歴史改変物として読もうとすると肩すかしを食らう。

 ただし改変された歴史が感じさせてくれる可能性については学べそうなのがこの小説。どちらかといえば「二・二六事件」を起こした皇道派とは敵対していた統制派の石原莞爾が、追われずその命脈を保ち、且つ北一輝に乞われて政権の中枢に関わって、敵対関係にあった中国との講話を成し遂げたことによって極東が安定し、そして石原の予言どおりに訪れる米国との決戦すなわち「世界最終戦争」のビジョンを示していたりする。欧州を席巻していたナチスドイツのユダヤ迫害やスターリンによるソビエト独裁が、実は何者かの謀略によって行われていただろう歴史の暗部も示してそして、経済でもって世界を牛耳ろうとする米国という存在の大きさ重さを浮かび上がらせようとしているあたりなるほど、「9・11」を経て描かれた現代ならではの小説だってことを感じさせる。恐竜のように凶暴でそしてどん欲な米国の台頭。そこに立ち向かうための方法論を過去に立ち返って世界情勢の中から見せようとしたってことになるのかも。

 でもそんな地政学的なビジョンよりも、目立つのは日本の貴族の嫡男がミュンヘンで事故に巻き込まれた際に、叔父の手によって意図的に性奴隷の身分へと落とされ仕込まれあんなことやこんなことをしたりされたりする場面だったりするからかなわないというか嬉というか。つまりはそんな身分故に愛玩として送り込まれて自在に各陣営を動き回れる少年を一種の狂言回しあるいは無意識の観察者と位置づけ、ドイツやソ連やユダヤや日本の立場や事情や考え方を提示しようって意図を持っての設定なんだろうけれども、でもやっぱり迫ってくるのはあんなことをされたりしたりする場面だったりするのが人間の本性の哀しさか。「バベルの薫り」でも一番覚えているのはそんな場面だったもんなあ、もうめくらなくたってページが開くほどに読み返したもんなあ。

 小説として見ると「バベルの薫り」ほどの希有壮大なビジョン、歴史や体制に切り込む言論はあんまり見えず展開のドラマチックさではちょっと劣るって印象だけれど、でも“イフ”から始まる何かってやつから現在僕たちが、さらに世界が置かれたこのこの状況を考えさせ、改めさせようと啓発している小説って考えるのなら壮大なビジョンやドラマがなくっても断片の提示で十分に目的は果たせそう。とはいえしかしやっぱり読んでみたいよなあ「二・二六事件」で皇道派が勝利して後に北一輝が仕切り石原莞爾が駆け回った日本の、世界の姿を。そして欧州にひとり取り残されながら性奴隷の身を楽しむ少年、伊集院操青があのドイツの混乱をどう乗り越え、世界にどんな足跡を刻むのかを。続編とかあるのかなあ。なさそうだなあ。あっても15年後かあ、でもきっと待つんだろーなあ。SFファンとして。業界人にはなれそうもないけど。

 何か前半が砂の嵐になっていた「みなみけおかわり」は後半に国立競技場よりも寒い風景が出てきていったいあの少年はどうしてあんなに奥手なのだ、でもって夏奈はどうしてあんなにいつも傍若無人なのかと人間の性格における不公平って奴に思いをはせる。断れない性格ってあるんだよなあ、断れないから予防線を張って近寄らないようにしていたらいつのまにか世間からつまはじきにされて蚊帳の外、ってそれ自分じゃん。あんなに暗く寒そうな終わりがけから朝ご飯おくれとなってテンポの良いエンディングって流れにもなかなかな無理さがあるけどそれが「おかわり」クオリティ。夏奈や千秋の取り巻き連中の唐変木ぶりも絵のリアルさが増した分、痛さが上がって身にびんびん来る。これでなかなかの傑作だったりするのかも。「ヤッターマン」は冒頭からのドロンジョさまがとってもグラマラス。良い絵だなあ。この絵があれば他がどーだって関係ねえ。


【1月27日】 んでまあ天気も良かったたんで寒かったけど電車を乗り継ぎ横浜へと向かい「横浜美術館」で「ゴス展」を見ようと向かう途中で道尾秀介さんの「ラットマン」(光文社、1600円)なんかをぱぱっと読んだけど冒頭と結尾のエレベータートークが本編とどーつながるのかが未だに判然としない。何か観念的な例え話か何かってこと? 本編はいたってリアルでシリアスでバンドに憧れ続けて中年になってしまった兄ちゃんたちが爛れながらそれでもバンドは続けてたんだけれどそこに起こる元ドラマーで今は出入りのスタジオで働いている女性が事故死。その犯人をめぐる心理戦の影にかつて起こった少女の事故死が浮かんで人が抱く感情の凄まじさって奴が浮かんで来る。

 夢を引きずって生きてはいてもいい加減壁にぶつかりまくって呆然としているよーな世代には読んでいてなかなかに痛い感じがするけれども、どっかのずっこけた3人組が中年になってもうこれ以上はないってくらいに落剥しているのと比べればまだ、会社勤めとかフリーターでも食べは出来る環境にいながらそれなりなバンド活動を続けて未だにライブハウスにも出続けているんだからましなほう。そーした中年の挫折めいた話ってよりはむしろやっぱり「ラットマン」ってタイトルの元にもなっているよーに、周囲に流されるとねずみであっても人間に見えてしまう状況の持つ怖さって奴をヒシヒシと感じさせてくれる。やり直しのきかなさを知れば聞くは一時の恥でしかないんだってことも改めて強く感じるんじゃなかろーか。でも出来ないんだよなあ、それが。

 んでもって「ゴス展」はゴシックなファッションの方々でごった返しているかと思ったらそーした人は2人くらいであとは普通のアート好き。展示してある作品も最初の部屋が骸骨を木で掘ったりする人で次の部屋はポートレートや浮世絵のキャラクターに刺青を描いたりする人でそれからようやく暴走族とか撮ってた人が撮影したゴスな人たちのパネル写真があったけれどもモチーフは新しくってもアイディアは過去に様々な人の部屋を訪ねて撮影していった作品なんかと割と似ていて、対象の目新しさはあるんだけれどもその先に見えるアート的な可能性って奴はちょっと判断が難しい。でもまあモチーフを考え出してねばり強く交渉して収めていくって行為も立派にアート。それならそれでこれもまたアートなんだろうなあ。

 目立ったのはやっぱりピューピルって人のパネル展示で男性なんだけれども女性化していく2年って奴の変化をふくらむ胸とか去勢された股間とかさらに切除された股間なんかを間にはさみながらも顔に傷を付けたり肉をはったりして誇張した写真も並べて代わりたい願望と、吹き出る懊悩なんかをそこに焼き付けて見せてくれていた。それのどこが「ゴス」? ってのはゴスに詳しくないから何とも言えないけれどもロリータ的なふりひらがつかない「ゴス」って奴が持つパンキッシュで倒錯的で攻撃的な思想を衣装とか髪型とかって外部の装いによってじゃなくって己が肉体をつかい表現して見せたって意味でこれも立派過ぎる「ゴス」ってことになるのかも。オリジナルデザインのTシャツとか欲しかったけれど荷物になるんで遠慮。時間があったらまた行って今度はゴスロリとかがわんさか詰めかけている様を目に見よう。

 とって返して恵比寿でラーメンを食べてから新宿へと回り「Face」ってところでブロッコリーが行った「ぷちこ声優オーディション」を取材として見物。その前にルーンエンジュエル隊の会見もあって平野綾さんが登壇して来てスタイリッシュな感じのところを見せてくれた。これでこなたなんだから嫌になる。アニメの2期とか発表はなかったけれどもいろいろ動いているみたいなんでいつか再びナノナノなのだーな素っ頓狂声を聴けると信じよう。つかその声も今度は「デ・ジ・キャラット」としてさらに一般化することが決まっているんで先になるのはそっちかな、ってか正直言って発表されるまであんまり気づきませんでした、あるっちゃーある声だもんなー、語尾を「にょ」じゃなく「なのだー」にしてくれたら1発で気づいたんだけど。

 そして始まったオーディションは下は13歳から上は24歳までの9人が出てきて自己紹介からセリフの演技をぷちこだけじゃなくって印象として正反対のうさだまで一緒に演じるハードスケジュール。その後に歌を唄ってアピールするってゆー繰り返しなんだけれども1番目の人からもう巧いうまい。セリフは完璧だし唄も外してないし、これでいったい誰を選べば良いんだ選んだとしたらどこか決め手になったんだってことが絶対に知りたくなる。印象的には3番目に出てきた15歳の人が、歌の代わりに「でじこ」の漫画を撮りだしそのセリフをしっかりキャラごとに演じ分けつつ演じきってみせてこのままどっかの劇団に行っても、十分に勤まるんじゃないかってところを見せてくれた。15歳でも14歳でもぷちこはもとよりうさだの大人びて張り上げる声を演じるんだから末恐ろしい。でもどっちも選ばれなかったけど。若さにはまだ可能性があるって判断されたのかな。まあいつか遠からず出てくる子だろうね。

 でもってあの沢城みゆきさんを若干14歳で声優界に送り出すきっかけとなった「ぷちこ」の声に決まったのは坂元菜緒さんって人でなかなか楚々とした美少女で喋りも落ち着いていたし歌もしっかりしていて下馬評もまあそれなりに高かったんだけれども質疑応答の時に審査委員から「東大ですか!」って驚かれていたのを聞いてこっちまで驚いた。演技に興味があって調べていたらオーディションを見つけて受けてみました、ってことらしーけどしかしよく来てくれたとまずは喝采。この就職熱帯期に選び放題なはずなのに敢えて選ぶ艱難辛苦を讃えるより他に態度を知りません。

 男優じゃあ天本英世さんの昔から矢崎滋さんに香川照之さんと東大出身か中退の人が過去にも何人もいるけれど、女優だと大学院から回った三坂千絵子さんくらいしか知らず声優にいたってはこれが記憶でも初めてくらい。でもってご尊顔も抜群とあってはきっと明日のスポーツ紙の芸能欄のトップを飾って不思議はない、って気もしないでもないけれど世間って奴のそーゆー世界を見る目ってのはまだまだ冷たいかそれ以前に見てないもんなあ、今回もおそらくはスルーか。でも役が役だけにこれから活躍の場面も増えるだけにきっと遠からず名をなして来るだろー。そんな歴史の1場面に立ち会えたことを良しとしよー。うさだの子は元気な子だったけどぷちこの子より確か年下。老け声なんだな(違うって)。

 もしも「コードギアス 反逆のルルーシュ」で声優オーディションとかやってくれたらかけつけ演じるんだけれどもルルーシュとロイド伯爵の両方をやって暮れっていわれたらちょっと困ってしまうなあ、とくにロイドはあの飛田展男さんの「あはあ」な演技が知れ渡っているだけに真似するべきかそれとも独自の演技を作るべきかを迷ってしまう。「ぷちこ」も同様でのあの静かで可愛らしげなんだけれども根底に毒を含んだセリフ回しをまんま真似したって沢城さんは超えられhない。かといって大人声にする訳にもいかないぷちこを演じる上で従前を取り入れながらも強さを入れたり姉を慕う優しさを混ぜるなりしてみなさん、きっといろいろ考えて演じたんだろー。それを耳にしてとりわけ坂元さんの中にこれだと感じるものがあって、きっと選考委員の人も決めたに違いない。その成果が消えるのは4月からのラジオになるのかな。でもやっぱり映像で見たいよなあ。復活を。テレビアニメの大復活を希う。


【1月26日】 そして登場した妹は、兄貴以上に目が離れていたけれども可愛らしさはなかなかなもので、これから一体どうお話に絡んでいくのか楽しみだった春原芽衣を見つつ、音楽室に入った渚を外で待つ演劇部ご一行のうち杏だけが、ぺたんとしゃがんで白いニーソックスの足をにょこっと見せてくれているポーズに見入りつつ、アニメーション版「CLANNAD」の録画を消化してからこっちは見えそうで見えないなんて賢しい真似など最初っから無視して全開見せまくりな「ロザリオとバンパイア」を再生。

 初回から続いた男子に絡む女の子キャラの紹介も一段落したのか、新たな女の子キャラは出てこず吸血鬼にサキュバスに魔女っ娘の3方より引っ張られるとゆー、うらやましいのか悩ましいのか判然としないシチュエーションを、いったん固めてさてはて次は一体どうなるのか。どうにもならないんだけれど何故か見てしまうんだよなあ。「狼と香辛料」は気合い入れないと見ないのに。これが煩悩という奴か。歳も歳だしなあ。引きずられるよなあ。

 それにしては御歳42歳とライトノベルだったらまずあり得ない中年おっさんが主人公になった中央公論社の「C・NOVELS」最新刊「不死身のフジミさん」(900円)は、両親も祖父母もすでになく結婚した妻は3年後にようやく行こうとした新婚旅行で手違いから別々の便になってしまった際にそっちだけが墜落炎上して死亡。以来20年近くを独り身で過ごしてきた建設会社に勤務する富士見功という男が、何故か突然に振ってきた会社の仕事で地方へと赴かされて命じられたすべての住宅の建築年数を調べてこいという、まるでリストラ目的のような仕事を何の疑問も抱かずこなそうとしていたところに災難が降りかかる。

 訪ねた家から手に武器と火炎瓶を守った男が出てきては、そこは私有地だからと富士見さんを襲ってカローラを焼き富士見さんにも殴りかかる。哀れ死亡の富士見さん……となるはずだったのが目覚めると体に傷はなく、起きあがると自分を襲った男が驚き再び襲いかかってきた。あわてて逃げ出したものの宿に帰るとそこに狐顔の男と女が訪ねてきて、富士見さんに「300年ぶりだな」といって迫り約束を果たさせようとする。もちろん身に覚えなんてないし、そもそも300年前には生まれてすらいない富士見さんに向かい男はお前こそが悪鬼を狩る存在だと告げ街に巣くう異神だか非神だかを退治するよう命令する。

 どういうことだと訝る間もなく、居残った女性に連れて行かれて途中で記憶を失って、目覚めた時にはひとつの事件が片づきそして富士見功は本当に自分が普通とは違う存在なんだということを知る。でも普段はただの冴えない中年男。どうしてそんな事態になってしまったのかと悩み戸惑い恐れおののく姿のみっともなさが、面倒なことには関わらずに静かに適当に世の中を過ごしていたいってほぼ同世代、っていうかもろ同年齢の身に妙な共感を抱かせる。と同時にこの平静とした日常から抜け出て運命という奴に身を委ねてみたいっていう、とうの昔に捨てて良いはずなのに引きずっている願望を刺激されてお尻のあたりをちょちょっとせっつく。

 どうやら仕事は無事片づいたみたいだけれども、伏見稲荷のネットワークは広くそして深く張り巡らされているよーで、富士見さんにはどーやら次の舞台が与えられてそこでも適当にしたいのにさせてもらえない運命が待ち受けている模様。直前にいた街で昼間はアルバイトをしながら神社を守ろうとしていた稟子さんに匹敵するだけのヒロインも、きっと出てきてくれると信じよう。リーフのジグザグノベルズだったっけ、消えてしまったライトノベルのシリーズで1番人気だった諸口正己さんが、過去を振り切り満を持しての再スタート。他にない中年男のヒーローと、怖そうに見えて実はきつねうどんやきつねそばが大好物という狐たちの退魔ストーリーを3巻の予定で繰り広げてくれるとかで、次はいったいどんな敵が出てきてそこで、富士見さんがどんなへたれっぷりを見せてくれるのかを期待して待とう。

 ある日突然に超常的な運命がふりかかって来る、ってのは若い時ならなおさら感じる主題でだからこそ滝本竜彦さんの「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」みたいな戦う美少女戦士に出会い手助けする話も受けるんだろーけれどもこの作品の、とりわけ現在公開中の劇場版で重要なのはチェーンソー男と戦っているのは絵理ちゃんであって山本はその姿を見守っているだけ。心の支えにはなっても力としての支えにはなっておらず従って彼には最後まで自分が何かを成し遂げたという満足感は与えられない。

 チェーンソー男は消えたけれどもそれは別に山本が投げたナイフが胸を貫いたからじゃない。家族を失い死にたい気分が形となって現れたチェーンソー男を克服しようとしてなかなかできなくてそれでも得た山本の支援で成し遂げて満足した絵理ちゃんのドラマが終わってそして、未だ何も成し遂げてはいない山本の戦いがさあ始まるんだという余韻を感じることが、この映画の場合はとっても大切なことになっているってことを確か監督の人に聞いたんだけれど、違ってたっけ。何か劇場は空いてるみたいだけれども賛否両論の中で賛意は徹底して賛意となっているところを見るとやっぱり、感じる何かがあるってことなんだろー。時間を見計らってまた行こう。買った「俺さまーズ」のTシャツを着て。

 とはいえしかしやっぱり初物には目がない江戸っ子(嘘)なんで、ふらりと家を出た足が原宿へと向かってそこにある「サッカーショップKAMO」で新しく発売になったサッカー日本代表のユニフォームをチェック。背番号の形とか前のと違ってたりネーミングのアルファベットの形も違っていたりするんで果たしてマーキングは大丈夫なのかと見たら吊しのサンプルにしっかり「10 NAKAMURA」があってやっぱりアディダス、契約しているプレーヤーのはしっかり用意しているんだと感心しつつもそれなら頼むしかないと、おろしたてのお金をはたいてオーセンティックのLサイズに「10 NAKAMURA」のマーキングをしてもらう。

 今回は選ばれていないし最終予選に選ばれるとも限らず、本当になるかは分からないけれども他に代わる選手も見あたらない状況ではそうなる可能性はやっぱり高いし、だいたいが2002年の日韓大会の時に買って着ていたのは、代表に落選して宙ぶらりんになって安売りされてたオーセンティックの「10 NAKAMURA」モデル。それからアテネ五輪仕様とそしてドイツ大会仕様をいずれも「10 NAKAMURA」で創ってきたんだからここはやっぱりそうするのが義務ってもんだよなあ。選手として好きかどうかってことよりも、それがいちばん収まる形なんだから仕方がない。ってことでまずは1つを確保したんであとはやっぱりジェフ千葉から唯一の代表になってしまった巻誠一郎選手のを、今回はさておきおそらくは次のモデルでのぞむ南アフリカ大会の時に創るとしよう。その時にだから残っていてくれ巻、代表に、そしてジェフ千葉に。

 そして「国立霞ヶ丘競技場」は氷点下かと思わせる寒さの中で絶対零度かと思わせるような試合に妙な苛立ちが。センターバックを水本裕貴選手ではなく阿部勇樹選手にして慣れた2人で組ませたのは良いとして、中盤の底に鈴木啓太選手を置き前に遠藤保人選手と中村憲剛選手と山岸智選手を置いたものの左で山岸選手が後ろの駒野友一選手と連携しつつ前へと出る一方で、右に張り出す選手がいないもんだから右サイドからの攻撃がまるでない。後ろで内田篤人選手は出るタイミングを計っているんだけれど組むべき中村憲剛選手が中へと入って右によらず、前にも走り込まないものだからぽっかりとスペースが空いて勿体ないって思わせる場面が前半も後半も何度もあった。あそこに水野晃樹選手がいたらと何度思ったことだろー。

 見かねて内田選手を加地亮選手に代えるかと思ったんだけれど岡田武史監督が代えたのは左の山岸選手でどうして? って思ったけれども代わって入った羽生直剛選手が右とか左とか無関係に顔を出しては後ろや周囲とのつなぎの動きをし始めて、まるでなかった流動性がどうにか出始めた様からなるほど、左右のバランスをとるより全体の活性化の方をまず促そうって意図があったのかもと推測する。右にいたと思ったらすぐに左に顔を出す羽生選手。ワープでも使っているに違いない。

 その羽生選手と、あんまり迫力がなかった高原直泰選手に代わって入った大久保嘉人選手が連携して見せたチャンスとかは惜しかった。前線でつぶれつつボールを出す役を務めた巻誠一郎選手の頑張りもスタジアムでは目に付いたけれどもテレビじゃあきっとそういう地味な活躍ってのは映ってないんだよなあ、でもってヘッドを外したとかいった所だけがクローズアップされる。ちょっと可愛そう。むしろ何度となくシュートを放った大久保選手の方が目立つんだろう。それがすべて外れたとしても。

 後半の半ばには内田選手もやがで加地選手へとかわって右サイドが活性化したけど時遅くチャンスをそんなに多く作れないままホイッスル。両者無得点。うーん残念。これなら右サイドを加持選手で右のウイングに羽生選手で左を山岸選手で中央に遠藤選手で巻選手のワントップにボランチを鈴木と阿部でセンターバックを中澤水本にしておいた方があるいは良かったんじゃないかとややジェフ千葉よりのひいき目で思ったけれどもまあ、とりあえずは負けなかったことを喜ぼう。キックの精度がしかし川口能活選手、あんまり良くなかったなあ、あれなら放り込むより最後尾からビルドアップしていった方が良いよなあ。

 しかし派手だねアディダスは選手入場の時に2代前のフロントに薄く3本線が入った巨大ユニフォームとそれから前回のいわゆる刀をモチーフにした巨大ユニフォームを並べて掲げさせてあれれいったい新しいのは間に合わなかったと思わせて、刀の波紋つきのがはがれていったその下から今回の放射線巨大ユニフォームを出現させる演出ぶり。ゴール裏の応援団との話し合いもしっかりととれてのお披露目なんだろーけれど、あんまり演出が過ぎるとどうにも商売に相乗りしているようでいざって時に何も言えないんじゃないかって心配も浮かぶ。代表選手は全員がアディダスを履けとかいう話になった時とか。

 アクセントになってる黄色は見慣れればそう違和感も浮かばない、ってか黄色に青の組み合わせは配分こそ逆ながらも我らがジェフ千葉と同じ。代表メンバーにジェフ千葉出身者の多いことにきっとアディダスも気を利かせてくれたんだろー。何だ良い奴だん。帰りがけに見た周辺の偽ユニフォーム売りの商品にも早速襟元が黄色になった奴が現れたのには驚いた。先日の今日でよくもまあ製造できたよなあ。熱意に超えられぬ壁はなし。


【1月25日】 ってか何か岡ちゃん岡田武史さんだと「Number」もあんまり見栄えがしないよなあ、あの哲学者然としつつも古武士の如き剛胆さも感じさせるイビチャ・オシムさんの顔だからこそ遠目にも感じる迫力があった訳だし読んでもいろいろな深さがあった。岡ちゃんでは解説解釈の類はいろいろあってもそれはあくまでサッカーという現場に止まる話に過ぎないけれど、オシムさんの場合は人を使う上でのアイディアなり組織を作り上げる上でのメソッドなり、固定観念に凝り固まった者たちを相手に新しい道を切り開く方法なりってものを教えてくれた。

 それがサッカーだけにしか興味のない面々にはいろいろ腹立たしくってブラジルから来たご意見番なんか特に厳しい態度をとり続けていたっけか。オレンジ色の憎々しげなタブロイドの場合はまあ非難のための非難とうか媚本郷なスタンスだったんでさらに論外。いずれにしたって今さら再びオシムさんを表紙にする訳にもいかないんでこのまま走ってはきっと価値はしても頑なな世界って奴を見せられながら漫然と2010年を迎えるんだろー。

 しかし監督の特質をグラフにして示したお杉さんの企画でオシムさんの勝負勘が5段階の2になっているのには笑った。ジェフユナイテッド市原・千葉じゃあ前半で選手交代だって平気でやって点差をひっくり返すマジックを何度も見せてくれた人間を捕まえて2か。きっと建設途上の日本代表で様子を見るために選手を使い続けた試験的な采配だけを見てたんだろうなあ。実績が3ってもはそれが意図的ではあれビッグクラブを指揮せず代表監督にも就かなかった生涯を見れば仕方がないか。でもこれで3ならワールドカップに何度もチームを導き日本代表ではベスト16まで進んだフィリップ・トゥルシェがそこにいたら4か4・5にしなきゃいけないだろうなあ、まあ付けないだろうけど、お杉さんだけに。

 んまあ良く書けてはいてこれが5年くらいのキャリアを持つベテランなら手堅くまとめたって所になるんだろーけどまだ19歳の新鋭がデビュー作とするにはちょっと手堅すぎる気もしないでもない片桐敬磨さん「ガラクタ・パーツ」(集英社スーパーダッシュ文庫、648円)はちょっとばかり強靱な足腰を守っている少年がプラモデル好きの趣味をこなしながらも頼まれれば運び屋みたいな仕事もして稼いでいたところに事件が勃発。立ち寄った銀行に現れた強盗に襲われそうになっていた少女を助けてアパートへと連れて帰ったら強盗お一味から狙われ少女は少女で少年が所属する会社の本部を襲ったんじゃないかって嫌疑をかけられる。

 どちらも身に覚えのない話ながらも迫る魔手。あまつさえ少女についてはやっぱりどうにもそうじゃないかって可能性が浮かんできて組織にさらわれ少年は追われることになる。それでも少女に一目惚れしてしまった少年は敵であろうとかばい敵が迫ってくれば蹴散らして進む。そして浮かび上がる少年の本当の能力と、少女との関係が2人を幸せ探しの道へと誘う。

 ってな感じで印象としてはやっぱりよくまとまっていてサクサクと読んでいけるけど、設定の突拍子の無さで売るデビュー作品の多いレーベルだけにやっぱりちょっぴり物足りない気もしないでもない。鉄球振り回したりする美少女だもんなあ、かなわないよなあ。まあそれでも安心の1冊なんでこれをきっかけに鍛え発想もふくらませて驚きの作品を送り出していただければ幸い。そしてSDならではの内容の奇天烈さで満天下を驚かせつつセールスでも逆に驚かせる矛盾って奴を、見せてやって下さいな。それが若さの特権って奴だから。

 日本代表の新しいユニフォームが発表になって見てうーんこれはどうしたものかと悩んだけれども2002年の代表からずっと買ってきているからにはやっぱり買ってしまうんだろーな、「10 NAKAMURA」で。でもまだ名前とか背番号のマーキングが分かってないんで買うのはその辺りがはっきりしてからにしよー。まずは3次予選か。んでもそれじゃあ「10 NAKAMURA」にはならないか。ちょっと困った。いっそだったら「10 SAWA」で今回から別注になった女子代表なでしこジャパンのユニフォームにするって手もあるなあ。本当は酒井與恵選手のを買ってあげたかったんだけど名字が皮ってしまって「6 KATO」じゃあ何だか平凡だし。やっぱり困った。

 届いた「.ANIME」限定の「アイドルマスター XENOGLOSSIA」のDVDは第7巻で双海亜美真美の水着姿でまあ土台が土台なだけに薄くて平たいけれどもそれはそれでなかなかに。これで天海春香からデコちゃん水瀬伊織と来て居眠り巨乳の萩原雪歩と眼鏡博士の秋月律子、すべすべまんじゅうがにの菊地真を経てペンギン高槻大好き高槻やよいまで来た少女シリーズも打ち止めとなって最終2巻は満を持してジョゼフ真月、ではなく三浦あずさに如月千早が登場の予定でこれでだいたいの女性キャラは抑えたかな、いやいやリファが抜けているけど双海亜美真美ほどにもでこぼこしてなさそうなで別にいいか、だからやっぱりジョゼフ真月のを。「コードギアス 反逆のルルーシュ」の第2期は是非に「.ANIME」で限定パッケージをやって欲しいなあ、オール女性キャラでそれも下着、とか。ありはすべてC.C.でそれも後ろ姿とか。


【1月24日】 出会いはとてつもなく強烈で、動きまくって走りまくって喋りまくる前代未聞のOVA「フォトン」に登場しては幼い男の子を激励抜きで叱咤し続ける女の子のアウンが、確かアニメの中って唄っていた「あったしはアウン、ガキ大将」って歌を聞いてこれはいったいどういうタイプの声優なんだと当時あちこち調べたけれど、今ほどネットなんて発達していない時代に情報はなく、とんでもない新人が出てきたもんだと驚いたけれど驚きはそこに止まらなかった。エンディングになてかかった「PINCH!」って歌の歌声がまた凄まじくって、いったいこの先どうなってしまうんだろうとシリーズの展開ともども将来に期待を不安を抱かせた。

 それからえっと11年? 「週刊新潮」が掲載していた「声優界のスーパーアイドル『堀江由衣』って誰?」って記事にいったい今ごろ何やっているんだろう、ほっちゃんなんて「ラブひな」の頃からスーパーアイドルだったじゃんって気もしたけれども一般メディアのとりわけ高齢者が手にする雑誌でそーゆーこっち側の常識は通用しない模様。何しろ枕から「一昔前までの声優といえば、洋画の吹き替えやアニメの声など、いってみれば裏方的な存在だった。『声優というと、新劇俳優のアルバイトで、特に注目を浴びることはありませんでしたね』。こう言うのは、評論家の唐沢俊一氏である」って感じに重鎮の唐沢さんを引っ張ってきてヤマトブームの頃から紐解かせるから不思議というか興味深いというか。

 「声優界に注目が集まるようになったのは70年代。『宇宙戦艦ヤマト』の主人公・古代進の恋人・森雪役の声優、麻上洋子が当時人気が出ました」なんてもはや記憶の彼方、「ドカベン」での神谷明人気あたりまで遡らないと声優人気には長い歴史があるんだってことを読者に分かってもらえない雰囲気で、そこまでしてほっちゃんを取り上げるからには何か含みでもあるのかって不安もよぎる。もっとも「『声優の人気によってアニメの視聴率やゲームの売れ行きが決まるようになりました。もちろんストーリーの面白さや絵の綺麗さもありますが、売れるか売れないかは、8割は声優のキャスティングで決まるとも言われています』(唐沢氏)」っていささか大げさ過ぎるきらいもあるけれど、一面では正しいところもあったりする状況を示しながら、そんな中でしっかり活躍しているんだって結んでいて、ファンもこれなら満足できそう。

 とはいえしかし「『彼女のどこがいいのかといえばルックスに尽きる』というのは声優ファンの男性である。『10年前、ほっちゃん(堀江由衣の愛称)を初めて見た時は、こんな可愛い子が声優をやっているのか、と衝撃を受けました』」っていうけどほっちゃんてそういうタイプの人だったっけ、田村ゆかりさんとか櫻井智さんとか見目で鳴る声優さんって結構いたなかでほっちゃんにはあんまりそーゆー印象は抱かなかったよなあ、んでもまあ好みは人それぞれだしこっちだって決して良い好みをしている訳じゃないんで特に異論はありません。問題はだからどうしてこの時期にこうまで説明を重ねつつ取り上げたってことだよなあ。将来にさらに大きなニュースで取り上げるための布石? まあきっと誰かが思いついたんだろうってことで。「PINCH!」ってロングバージョンはないのかなあ。

 「祖母力」とはおばあちゃんの力のことでコンピュータおばあちゃんとががいばあちゃんと「ARIA」のグランマが揃い踏みして難事件に挑む物語、な訳がない祖母井秀隆さんの著書「祖母力」(光文社)はジェフユナイテッド市原・千葉にイビチャ・オシム監督を招聘して千葉を格段の強豪へと育ててもらったゼネラルマネージャーがその経緯を語り、過去にドイツへと留学して10年を過ごしながらいろいろなものを吸収した時代を語り、そしてイビチャ・オシムが日本代表へと引き抜かれていった経緯を半ば当事者としてつぶさに語る。オシム好きなら当然にして読まなくちゃいけないし、そうでなくても日本のサッカー界がJリーグ発足から15年くらい経ったとはいえ、いまだに旧態依然とした派閥によって壟断され、そして独立したプロスポーツのチームとしてえはなく企業の宣伝子会社的な位置づけで運営されている実体が浮かび上がって来てスポーツの行く先に少しでも関心がある人なら読んで絶対に損はしない。

 あのオシムの病気が起こったときに祖母井さんが日本にいて協会の仕事に関わりオシムの面倒を見ていたらあるいは容態も早く治って前線に無事に復帰していたかもしれないと思うと、どうして拒絶したのかって気にもなるけれども読むと過去にジェフってチームで行った旧い体制への対応が、協会にすくう派閥から敵視されさまざまな中傷を受けたことが書いてあって、そんな仕打ちを受けてはさすがに頼まれたって協力したくはならないだろうと納得。とはいえそんな伏魔殿に送り込んだらどうにかなってしまうと考え心を広く守ってサポートしてくれていたらという気も起こって悩ましい。果たして岡田ジャパンはチリを相手に未来を感じさせてくれるのか。結果しだいだけどいろいろな感情が祖母井さんにも浮かびそう。

 とにかく旧体制との戦いに敢然と挑み成果を得つつも、旧体制につぶされ不本意さに押しつぶされそうになる人生の繰り返しだった祖母井さん。ドイツから帰ってきて大阪体育大学のコーチになったものの、時代錯誤の練習を課す1軍の監督と早速仲違いして追い出され、2軍を率いさせられそれだったら自分たちは2軍で日本リーグを目指すんだと奮起し、鍛え上げて2部への参入を決めたものの1軍の横やりかなにかで辞退させられたエピソードは、聞くもすさまじく無様な日本の旧体制って奴を感じさせる。よく腐らなかったよなあ。でもこれだから今を腐らずに未来を信じて生きてけるんだろーなー。

 そんな祖母井さんがGMを勤めるフランスのグルノーブルは親会社のインデックスが本業の大変さに手放そうなんてしているって話が伝わってきてちょっと大変そう。でも祖母井さんのことだから親会社がどこになろうと信念を貫き仕事をして行くんだろー。フランスがダメになっても日本にいくらだって職場はありそーだから、千葉以外は。無理だよなあ今更千葉が向かいれるのって。気になったのは祖母井さんの徹底しての代理人嫌いで選手のためにならなずチームのためにもならないって感じで激しく非難しているんだけれど、代理人ってそんな人ばかりなんだろーか、オシムは確かに代理人を使わなかったけれども百戦錬磨で判断力も卓越しているオシムだからこそ。選手として法律に疎く交渉にも長けていないなら代理人は使って構わないと思うけど。そーゆー存在なら認め法外な金を要求してくるアヤシゲなのはダメってことなのか。うーん。聞いてみたい。

 DVDは「DARKER THAN BLACK」を買い「バッカーノ!」の4巻を買い「電脳コイル」を買いそして「コードギアス 反逆のルルーシュ」の何だっけファンディスクみたいなのを買ってあと買い残しは何あろう「天元突破グレンラガン」と「こどものじかん」かあ、「バンブーブレード」のリリースも始まったけれど今はちょっと手が出せないし「一騎当千」のDVDボックスも欲しいけれどもそこまでかける余裕がない。「超時空要塞マクロス」のボックスは……買ってもあのクオリティなんだよなあ、でも買っておかないとまたなくなってしまうかもしれないなあ、テレビでの放映を頑張って撮りきるか。


【1月23日】 馬車で金貨で銀貨で馬車でフードで裸な尻尾は見えず。超早送りで「狼と香辛料」を舐めつつ「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュ声に似て非なるロレンスの声をチラ聞きしたあとに、「フルメタルパニック」を見てテッサのドジっ娘ぶりにほくそ笑む。あれで天才戦略家。なのに人命は気にする優しい人。戦争って、お仕事って残酷だ。

 んでもって宗介は千鳥かなめのベランダでパンツを握りしめてミリタリー談義。当然見つかりすっ飛ばされるんだけど、その際に宗介のバットで脳天を叩き割り一般人の2人もまとめてベランダの外へと叩き出すとは千鳥かなめ、あれでテッサ以上に冷酷非道な戦略かなのか単に後先考えないで逆上しやすいだけなのか。まあ後者だな。ってことで次は沖縄ハイジャック旅行。宗介の本領が見られます。なるほどしかしこれが今シーズンで1番くらいに面白いアニメかなあ。「バッカーノ」は見られないんで。

 夢。幸福になる夢。不幸になる夢。いろいろな夢があってそれを人はかなって欲しいと願うし、かなってほそくないと厭う。たかが夢。脳内に浮かぶ記憶の断片。かなうもかなわないもないだろう。そう言ってしまえば身も蓋もないけれど、だからといって人類が夢を見るようになってから今日まで、夢が気にされなくなったことは1瞬としてないし、科学が発達して医学も進歩して夢のメカニズムが説き明かされるようになった今日でも、吉夢はかなってほしいと願い、凶夢は消えてなくなってほしいと厭う。人間は夢を捨てられない。

 だから仕事も成り立つ。夢を買い、夢を見立て、夢を売る仕事が。桑原美波さんというまだ21歳の新鋭による「夢霊」(講談社、1500円)はそんな夢を売り買いする「夢霊師」の青年・晴一と、彼の乳姉で今は都で夢を見立てる夢会わせを生業にしている女性・小雨を描いた連作形式の長編小説。まだ2人が田舎で共に暮らしていた時に、晴一が見た碁盤に乗って月を喰らう夢を小雨は晴一がいつか都で成り上がることを示した吉夢だから、決して奪われないよう誰にも喋るなと諭し晴一も言いつけは守って喋らずにいた。

 けれども小雨は程なくして都へと上がり晴一は夢で見た天下取りを果たしつつ小雨にも会えたらと都にあがっては、鰯売りの仕事をしながら他人より夢を買ってそして夢を欲しがる別の誰かに売っていた。そこに舞い込んで来たのがいなくなった猫を見つける夢。失せ物が出てくる吉夢だと見立て、とある屋敷の女中よりその夢を買った晴一は、自分のものとして動きそしてようやく小雨へとたどり着く。だが一方で、夢を売った女中の屋敷では失せ物が出てこずその際に疑われた晴一と仲の良かった男が、窃盗の罪を見つけられて断罪される。

 奪えば誰かが喜び、そして誰かが泣く。夢は果たして幸福をもたらすものなのか。夢にまつわるエピソードの果てに浮かび上がってくるのは、見る夢よりも抱く夢の強さであり尊さだ。なるほど頭に浮かぶ夢は他人を幸せにもするし、不幸にもする。でもそれは夢が働きかけているからなのか。そうありたいと願い見た夢が己を知らず動かし周囲を巻き込みそうさせているからではないのか。なるほど後生大事に夢を抱えて来た晴一は、手痛い裏切りを受けて大いに落ち込む。けれどもそこから立ち直って大いなる成功を掴む。その原動力は夢だったけれども、夢が無為の男を祭り上げたのでは決してない。

 夢枕獏「陰陽師」とは似てまるでベクトルが違った京都が舞台の物語。超常的な能力者たちが力を駆使して見せるさまざまな驚異を描いてつなぐ、伝奇とも見てとれないことはないけれど、本質的にはむしろそうした見る夢というより抱く夢がもたらす幸福を説き、常に前向きで希望を失わずに生きる尊さを教えようとする青春小説に近いかも。室町初期の京都に生きる市井の人々の暮らしぶりも活写されていて、今とかわらない毎日をさまざまな思いを描いて暮らしてきた昔の人々がぐっと身近に感じられるようになる。

 筆者の年齢からしてライトノベルという形で書くという選択肢もあるいはあったのかもしれないけれど、それだとキャラクターの関係性が単純化されてしまって、小雨と晴一の間に漂う微妙な感情が描ききれなかったかもしれないし、能力バトルの要素が薄いとそっちを強化されてしまったかもしれないだけに、一般小説の形で出て正解だったのかも。年明け早々よりなかなかな作品にお目にかかれて今年は良いことがあるかもなあ。でも見る夢はろくでもないんだよなあ。

 仕事の待ち時間にロッテリアへと入って「絶品チーズバーガー」って名前だけ見るととてつもなく美味しそうで写真の見た目もなかなかな商品を頼んで出てきたのを見たら「なんじゃあ、こりゃあ!」。いや確かにハンバーグはパテというよりちゃんとしたハンバーグになっていて、そこにチーズがたっぷりかかって味は絶品で間違いなかったんだけれども、期待していたよりはサイズがこぶりで一口でだって食べてしまえそうなサイズ。、これで1つ360円はないかもなあ。でもほかに薄っぺらいパテよりは歯ごたえもあって味も良いんで次に行くことがあったら頼むかも。でも多分行かないなあ、マックポークに珈琲で200円の方で十分だもんなあ、JRがやってるベックスの「Gバーガー」ってどーなんだろ。値段はほとんど倍だけど。

 これでもう千葉枠だなんて言葉は誰からも出てこないぞ、だってジェフユナイテッド市原・千葉から選ばれているのは巻誠一郎選手ひとりだけ。巻選手はジーコジャパンのラストにだって入ってワールドカップに行った選手だから別にオシム監督が代表に行って選び引っ張ったって訳じゃない。堂々の力量勝ちってところで文句なんて出るはずもない。散々贔屓だの何だのって言われたけれども、最終的には巻選手だけが残ったってことなんだろう……って言うのもやっぱり負け惜しみかなあ、羽生直剛選手も水本裕貴選手も山岸智選手もちゃんとしっかり残っているし。

 さらに1年を遡れば阿部勇樹選手も残って元ジェフ勢は5人が当選。水野晃樹選手は月末の移籍もあるからここで選ぶってのを避けたのかな。入っていれば6人で依然として相当な確率だった訳で、それだけの知名度を持つ選手を叩き出したフロントはやっぱり凄まじいとしか言いようがないなあ。しかし散々言われながらもよくぞ残った羽生に山岸に巻。岡田監督だって選ぶだけの選手だったってことがこれで証明されたと断じたい。あとはちゃんと試合に出るかか。


【1月22日】 まあだいたい予想どおりというか想定の範囲内というか、マンガ好きの書店員さんやラジオのアナウンサーさんが手弁当で立ち上げた「マンガ大賞2008」ノミネート作品は昨今の状況からこうなるんじゃないかって見ていたよーによしながふみさんとかよしながふみさんとかよしながふみさんとかが順当にランクイン。他に「よつばと」「とめはね」あたりが入ってたりしてある程度の層なんかが出しそうなリストに収まっているって感じ。やや外れていたのは「夏目友人帳」で確かに良い話なんだけれども今のこの時期に入ってくるとはちょっと思わなかった。そんなに話題になってた訳じゃないし。でもちょっと嬉しい。

 いろいろあってどうやら終わりって話も伝わる漫画版の「皇国の守護者」が果たして張って良いのか悩ましいけれども、デジマの「コミックガンボ」で連載されてたヨコシマンさんの「パート怪人悪キューレ」を推してた人間の言うことでもないんでここは沈黙。まあノミネート作品を読みたくたって読めないから外されたって仕方がないよなあ。僕の他に誰か推してた人がいるかにとりあえず関心。早くどっかで再刊されて欲しいもんなあ。あと「もやしもん」が良いならアニメ化されてカルトな人気を得た「ブラックラグーン」だって良いんじゃなかったのかって思ったけれども一般性のある「ノイタミナ」枠とUHF局ネットの真夜中枠じゃあ到達度も違うから仕方がない。「ハチワンダイバー」が入ってなかったのが意外だなあ。吉田秋生さんが入るんだったら萩尾望都さんだって入って欲しかったなあ。

 「彼女のカレラ」が入らなかったのもまあ仕方がないか、連載が「週刊プレイボーイ」で題材がポルシェじゃあ漫画のファンに届いているとはちょっと思えないもんなあ。でも1月に出た巻で8巻まで来ちゃったから今年中にあと数巻は出て資格を失っちゃうなよなあ、残念。説明すると「サイレントメビウス」で「蒸気探偵団」といったSF物が有名過ぎるくらいに有名な麻宮騎亜さんが、現代物をそれも車のポルシェを題材に描いてたってことでファンを驚かせた作品なんだけれど、父親から譲られたポルシェに乗り始めたナイスバディの女性編集者が、それまで疎かった車とのつき合いを重ねるなかで自動車のことを知り、ポルシェを媒介にしていろいろな人と出会っていくってストーリーが、車って良いなあって感じさせてくれる。登場するのはスーパーカーやスペシャリティカーに限られるけど、語られる知識は豊富で確か。エンスー的にも満足できる漫画なんだけれどもだからこそやっぱりノミネートには遠かった。ここに1人で拍手を置くって讃えましょう。

 んでもって最新刊の第8巻ではモータージャーナリストとして売り出し中の美人3姉妹、通称「サキュバス3姉妹」から原稿を取るには車で勝負して勝つしかないってことになってポルシェ乗りの麗華が訓練し改造を経てランボルギーニ・ディアブロとの勝負に望むってところから、見舞われた悲劇に麗華が落ち込みポルシェを捨てる気分まで抱いた果てにたどり着いた何いともえいない冴えないモータースで、実に温厚でそして優雅な心を持って修理やレストアに勤しむ男と出会ってちょっとは気持ちを取り直すって所までが入ってる。全部連載で世でいたけど改めて見ても麗華ってデカいよなあ、愛華のレーシングスーツじゃあ胸とかはみ出て当然だよなあ。埋めたいそこに顔を、全身を。

 エンディングに顎が落ちた「君が主で執事が俺で」のアニメーション。チラリとかいった問題を超えてスタッフロールのバックに流れる絵の女の子たちが着ている衣装がはがれ脱げていって現れるのはモロなそれ。色も形も様々なれど目にも麗しい様にこれはDVDを買ってノンクレジットのエンディングを高品位のテレビで見なければ気持ちも収まらないって決意を抱く。人間って単純だなあ。しかしそんな中にあって森羅様はしっかり黒いストッキングを身につけていたのは何だろう、そーゆーのにそそられる面々の意外と多いってことか、モロよりも黒字に透けてみえる白こそが麗しいのだと感じ主張する面々の。うん確かになかなか良いよね。そんなエンディングに引きずられたけど本編はさらに意味不明な姉妹喧嘩の発生と終結。でもって登場するアンダーウエアのオンパレード。南斗星さんが丸くて可愛らしかった。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のC.C.の丸みにはかなわないけど。

 そりゃあ映像を見れば絶対に能登が唄っているんだって思うよなあ、マイクスタンドの前で立っていたのは能登だしなあ、でも曲を作った今井千尋さんによると唄っているのは能登でも山本でもない渡辺すなわち浅利陽介さんだとか。なるほど死んでしまった能登が残した歌詞に曲を付け歌を乗せた「根性なし」の歌を能登が歌っているはずがなく、山本に一所懸命聞かせようとした渡辺の作曲であり歌だってのが至極当然。でもそれをまんまやったって映像的にはちんちくりんのフロントになり微妙感が漂うんで、誰よりも格好良かった能登をトップにしたってのはある意味正解なのかも。でもどう見ても能登が唄っているよーにしか見えないんだよなあ、今井さんの勘違いってこともあるのかな? いやいや流石にそれはないか、でもまあ映画の中でのことなんで思ったことを思ったままに信じてあれは能登の叫びと聞いておこう。


【1月21日】 発売された「エル・ゴラッソ」で取り上げられている日本代表の合宿の記事で、コメントを寄せている水本裕貴選手のカッコ内の所属が「G大阪」になっていて感じる曰わく言い難い寂寥感はきっとこれからシーズンが始まって、「フクダ電子アリーナ」にガンバ大阪や京都サンガを迎え撃ったり等々力へと川崎フロンターレ、飛田給へとFC東京を見に行った時に更に大きなものとして、わき上がって来るんだろーなー、残った選手たちも含めて。

 それを怒りと変えて力にして、ぶつけ粉砕し返り討ちにできてこそのプロサッカー選手たちなんだろーけど最大最悪の誤謬をやらかして省みず己を安全地帯において説得だの慰留だのをして拒絶されて残念としか言えないトップが上に未だいる環境ではなかなかに、根性見せろといっても難しいものがありそー。例え人気が終わっても次だってきっと……。でもここまで下がった期待が逆に裏切られて青木米倉の成長に楽山の覚醒坂本の奮起巻の大爆発となって連戦連勝、とまではいかなくても3勝1敗1引き分けくらいのペースで行ってくれればもう大喜び。あとはだから監督のプロフェッショナルな力量と経営のプロフェッショナルな判断に賭けて間もなく始まる今シーズンを見守ろう。とりあえずは帰ってきた「フクアリ」での「ちばぎんカップ」に、勝利を。

 髪の毛を焦がすくらいに炎が吹き上がるようライターを改造したり、腹にあてた手のひらをじっと見て「なんじゃこりゃあ!」と叫んだ人。読め。読んで格好良さに惚れ直し、今の不在を嘆くのだ。空前絶後の俳優として銀幕にテレビに輝きを放ちながらも平成元年、ガンで死去した松田優作の生涯を振り返ったノンフィクション「越境者 松田優作」(新潮社)。書き手はこれ以上はないという松田美智子、つまりは最初の妻。金子信雄の俳優学校で出会いいっしょに首になり、優作は文学座に入り妻は支えてそしてつかんだ栄光の座。けれども演じることにかけては誰よりも熱心で、そのためにはあらゆるものを犠牲にできる優作だけに理解がないと殴られ、身重であっても怒鳴られる暮らしが続き、娘が誕生してしばらくは父親として優しい姿を見せてくれたものの、あの出世作「探偵物語」で出会った美由紀に惚れた優作は美智子を置いて家を出る。

 別れても性は変えるなと美智子に言った言葉は優しさなのかそれとも我が儘なのか。傍目には理解不能なその行動も美智子から見れば己の生き様に妥協しない優作の強さとも見て取れる。だから「ブラックレイン」でガンを承知で撮影にのぞみ、悪化させてもハリウッド映画を選びそして死んでいったという、芸に殉死したかのような見解を美智子は否定する。医師や関係者への取材を通して優作が自分の病魔をそれほどまでに深刻なものとは意識しておらず、直してまだまだ芸に生きる気持ちでいたことを浮かび上がらせる。もしそれが実現していたら。今なおスクリーンを飛び回る優作の姿が見られたのか。分からないけど一方で、失ってこそ残る記憶というものもあるだけに悩ましい。

 桃井かおりに水谷豊といった名優達から村川透、丸山省一ら監督として、脚本家としてつきあったクリエーターまで登場する人々の回想からも明らかになる優作の俳優魂の凄さを今、いったい誰が受け継いでいるのか。日本映画隆昌と言われるながらも優作ほどの圧倒的な存在感を放つスターなど不在というこの現実を、見つめていかなければ商売としてはともかく作品としての映画は、ドラマはやっぱりどうしようもなくなってしまわないか。そんなことにも考え及ぶノンフィクション。読めばやっぱりライターを改造しヴェスパを転がし珈琲を吹き出し横に並んで食事してそして叫びぶだろう。「なんじゃこりゃあ」。

 加藤與恵とはあたしのことかと五味與恵が良い。というか酒井與恵さんとして長く長くサッカー女子日本代表の中心的な選手として活躍して来ていただけに、ご結婚によって名字が代わるとどうにもやっぱりピンとこない。加藤與恵、美空ひばりさんの本名か。ってそれは加藤和枝。まあどうせ仲間内ではずっと昔からのゴミちゃんで通るしコールもサカイがカトウでも同じ3文字、変化させなくても済むのが有り難い。あと注目はフロリダ州立大学に所属していてちょっと前に全米大学生女子サッカー界でナンバーワンに輝いた山口麻美選手が満を持しての代表合流ってのが当方的にも世間的にも注目か。ママさんボランチに奥様ボランチに磯崎浩美選手転じて池田浩美となって奥様キャプテンと、なかなかにホットな話題に加えて洋行帰りの美少女選手の登場とあっては取り上げるメディアもいっぱい増えそー。このまま強さでも一気に走って夏の北京でメダルダッシュと行ってくれい。

 やっぱり目玉は生きた羽生直剛選手の展示だろうかとふと思ってしまった 「エイリアン展 ― モシモシ、応答ネガイマス。」だけどさすがにナマモノは無理らしくギーガーの映画「エイリアン」の何かがやって来たり可能性としてのエイリアンを探求するといった展示が行われるらしー。映画はあくまでも入り口であって展示の面では本格的に考えて来るところが「日本科学未来館」らしーと言えば言えるかな。そういえばもうずいぶんと行ってない気もするなあ、確か「プレイステーション」に関する展示があった2004年の5月くらいが最後かなあ、内覧会があったら行こうかなあ、もしもここで「コードギアス 反逆のルルーシュ」展が開かれるとしたらネタややっぱりギアスかなあ、ランスロットかなあ、ピザかなあ、ってどこが科学だ。C.C.の尻の丸さは科学だが。いや数学か。

 んで白川晶さん「くみちょ! 2」(集英社スーパーダッシュ文庫)。ヤクザの娘とは言え刑務所専門のアイドルとはいえそこそこ以上の美少女がスカートをめくって縞パンを見せてくれたオタクじゃなくなって普通は転ぶよ、それを小学生の組長のお相手に借金のかたとしてあてがわれながらも才覚で乗り切って来ている主人公の少年は「姿が可愛いのと、中身が可愛いのとは違うだろ? 俺は中身だ、だんぜん中身」とつれないご返事で女の子を泣きそうにさせてその姿に可愛らしさを覚えるってんだからもう憎々しいったらありゃしない。おまけにヒマな時に見てと貸した携帯のカメラで縞ぱんを写して返してくるんだからこの娘、相当以上のタマに違いないし娘をマネジメントする女性も同様に自分のを写して寄越すんだからやっぱり同様。そんな凄い相手を向こうに果たして少年はナギ……じゃない小学生の組長を守れるか。ちょっぴり株の取引も入って「狼と香辛料」風に頭も良くなれそーな第2巻。さらに加わるハーレムナイトのその先は。次巻が楽しみ。


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