縮刷版2007年8月中旬号


【8月20日】 田村ひよりが腐を全開にしていなくってちょっと残念だった「らき☆すた」は、こなたにかがみにつかさのご一行がみゆきさん家に行けばゆたかもひよりやパティらを伴ってみなみちゃん家へとお出かけしたら同じ通りを挟んでご対面。しかしどちらもでっかい家だよなあ。どこにあって何をしている人たちなんだろう? んでもって花火見物に行ってゆたかがダウンしてみなみの膝でお休み。見たひよりが何かを妄想するかと思ったけれど爆発はしなかった。いつかみたいな「コードギアス 反逆のルルーシュ」のギアス発動みたいなパロディも今回はまるでなくって落ち着いたもの。まあ前週に暴走させ過ぎたって反省もあるのかな。

 それにしてもそんなに気になるのかみなみは自分の平べったさが。あれだけの背丈にあれだけの美貌なら平べったいのも個性でとっても良いのに。あの口調でスタイル良いのってあんまり似合わないなあ。ああでも「あずまんが大王」の榊さんは寡黙だけどスタイル抜群だったから決して合わない訳でもないのか。髪型の差かあやっぱり。

 絵にはだから力があって、見る人たちを異なる世界へと誘い感動を与える。あまりに強い力がある絵は、額縁の中だけじゃなく外にも絵の中の世界を見せて見る人の心から、そして体にまで影響を与える。巧い下手じゃあたぶんなくって絵にかける思い、それが力となって様々な影響を及ぼすんだけど、行き過ぎてしまった力は困ったことになってしまう。たとえば怪獣画伯のまー君の絵のように。

 「イメイザー」。それは絵に力を、それもとてつもない力を込めることが出来る人たちで、まー君は子供の頃から描いた絵が飛び出すくらいに凄い「イメイザー」の力を現していたけどあまりに凄いものだから、描いた人食い怪獣のクッキーモンスターまで飛び出してしまう始末。それでもまー君が食わせる人の絵を描いてあげられたうちは良かったけれども、追われて逃げ出してしまったためその辺の人を食い始めてしまう。

 場面変わってこちはら日本で暮らす物憂げな少女・真深。今ひとつ引っ込み思案の弟の面倒を見てと母親から頼まれ、近所にあって何故か無料で絵画を教える教室へと通い始めたそこにいたのが砂夜という明るい少女。直後に真深の通う学校へと転校してきた砂夜と真深が仲良くなったところに起こった弟のクラスの全員が消えてしまうという事件。理由は何、って探すうちにどうやら絵が、というより絵に力を与える「イメイザー」の存在が見えてくる。同時に砂夜って少女の不思議さも浮かび上がって、そして話は砂夜がいっしょに暮らしている絵画教室の先生が欧州で経験した話を経て、砂夜と怪獣画伯とクッキーモンスターの話へと進んでいく。

 灰原とうさんの「イメイザーの美術」(ガガガ文庫、590円)は絵に力を与える「イメイザー」をキーワードにした3つのエピソードが関連しあって進む連作集。幕間に挟まれるまー君のエピソードも大きな役目を持っていて、全体としてひとつの物語を描き出す。鍵となるのは絵が持つ力で、母親や弟との関係にとまどう少女には理解と慈愛をもたらし存在に悩むモンスターには永遠の安寧を与える。ちょっぴりの悲しみもあるけれも生あるものが精一杯に行きようとする気持ちが心に響く。太郎、って人のイラストも可愛らしくってとっても目立つんだけれど、太郎って誰だ?

 何でもベースには「電撃帝王」に掲載された同名の漫画があるそーだけれど漫画を辞めて一念発起、小説として応募したところすでに発表されたことがあるってことで規約違反にとられたとかで、そーゆーものかと思いながらもでもこれだけの作品なら、でもってメディアも違うんだから別に良いんじゃねえのって気もしないでもない。まあ別に賞を取ってる取ってないがその後に大きく物を言う世界でもないし、書かれてあるものが面白いから今後も気をつけて活躍を見ていこう。同じ「ガガガ文庫」でこっちは「期待賞」を獲得していた三日月さんって人の「さちの世界は死んでも廻る」は冒頭付近で理不尽な死があって保留中。好き嫌いで言えば嫌いなシチュエーションだけれども解決される筋があると信じて後日再開しよう。

 えっと元ネタはゲームなのか水澤なおさん「緋色の欠片 ヒイロノカケラ 壱の章」(ビーズログ文庫)は、何か魔を封じる力を受け継ぐ少女が田舎に還って化け物に襲われたところを助けられたらそれが自分を守護する5人のイケメンの1人でやがて残る4人も現れ少女を守って戦い始めるんだけれど攻め込んできた外国人4人集がめちゃくちゃに強くて危機一髪、ってゆーストーリーがなるほどゲーム的。でも守るものが「鬼切丸」なんていかにも和風な存在なのに、これをどーしてロゴスなんて異国の人たちが異国まる出しな格好でもって日本のど田舎まで来て狙うのかがよく分からない。フィーアなんてまるで半裸だしアリアはフリヒラなロリータだし。そんなに目立ってどうするんだ。まあパターンにのってるんで読んでて楽しいから別に良いか。カズキヨネさんの茶系で淡さを出したトーンのイラストはなかなか好き。


【8月19日】 あら青い獣の中の人っていうか外の人は退場なのか「大江戸ロケット」。あのアニメーションの中では屈指の色っぽさを持っていた人だけにちょっと痛い。おそらさんだって脱げば凄いんだろーけど脱いだらほら、獣になってしまうんでそれはそれでヌードで巨乳ではあってもやっぱり人間的な感情がストレートな好感の発露を妨げてしまってなかなか素直に見られないんだよね。だからやっぱり戻って来て欲しいなあ。分かってて人を危めた赤井だって無事なんだし生きる上で必然とおそらもみとめた血吸いくらいで退場はないと信じて復活を祈ろう。無理かなあ、黒衣衆の眼も何だか消えちゃったみたいだし。

 んで目覚めて「天元突破グレンラガン」はヨーコが先生やっていた。似合わねえ。つかあれだけガキん頃から鉄砲担いで飛び回っていたヨーコに先生なんて務まるのか。まあ自身が一種の歴史になっててそれを講じる仕事なんだから誰が語るよりも適任っちゃー適任なのかもしれないけれども、そればっかりが子供の教育でもないかならあ。あと教えたのは何あろー、チョークを高速で投げる技? まあそんな暮らしも長くは続かず緊急事態に加えてはぐれ顔面の強盗騒ぎもあって見事復活のヨーコあん。前と衣装も替わってないところを見ると7年とか前からずっとご愛用ってことなのか。解れてないのか。サイズは大丈夫なのか。まあ元がばっつんばっつんだったからそれ以上はないと理解。

 そしてついにヴィラルがグレンラガンにご搭乗。シモンと組んでとてつもなくすっげえところを見せてくれると期待させつつ以下次週。でも何だから誰かにやばそうな雰囲気。ロシウはそれともシモンなのか。まあ何が起こっても主人公が全とっかえになっても不思議がないのが「グレンラガン」クオリティ、ってことでとりあえずはどーやって月を止めるのかにご注目。石森章太郎さんによる漫画版「幻魔大戦」だって確か最終話は迫る月を迎え撃とうと立ち上がったエスパーたちの姿で、それ以後の具体的な活躍は永久に分からないままになってしまっている訳で、それを果たしてガンメン乗りたちがどんな手段で見せてくれるのか。期待しない訳にはいきません。やっぱりあれか、アーク・グレンが変形合体してどっかんと支えて投げ飛ばす、って寸法か。

 身長制限と戦ったかどーかは分からないまま「ハヤテのごとく」を横目で見てから起き出して「コミックマーケット」へと到着したのが午後1時過ぎで、タッキーが売り子をやってたDKさんの同人誌売り場に行って劇場映画「神様のパズル」が角川春樹の原点的作品にされてしまっている件についてちょっぴり会話。ってゆーか青春映画なくせに監督は三池崇史さんってのはどーゆーことだと訝ることしきり。春樹御大については喋ることがメディアを突破して広い範囲へと伝わる効用なんかもあるから無碍に否定は出来ないんだけれど吹きまくったラッパが調子っはずれに終わった時に来る作品に対するリアクションが、原作にも及んで「小松左京賞」にヨラカヌ影響を与えやしないかって心配もあるだけに悩ましい。まあ谷村美月さんとか出ているんで見には行こう、確か「時をかける少女」で果穂ちゃんの声やってた人だよな、つか元は女優だからこっちが本業か。つかSF学園小説だったのか「神様のパズル」って。

 あとふらっと回って「直言兄弟(兄)」の漫画本とか氷川竜介さんの30周年本とかをチェック。途中でちらりと横目で見た場所にたっていたスリムな人の声が岡田斗司夫さんにそっくりだったのに驚く、じゃない岡田さんがむちゃくちゃにスリムになっていたことに改めて驚く。聞いてはいたけどまさかここまでとは。もうめちゃくちゃに普通の体型。腹もへっこんでいてこれでスーツとか着せたら誰がだれだか分からなくなってしまいそー。服とか買い直すのって大変じゃないかったかなあ。しかし見事なまでのダイエット。それを道具もビリーも絶食もアブダクションもなしに成し遂げてしまったんだから驚くとゆーか、秘訣を知りたい人が大勢いたって不思議じゃない。売れるだろーなー新刊。レコーディングダイエット。僕も読んで減らそう10キロ。

 ずわっと見て30分。最後にニッポン放送の吉田尚記アナのところに寄ったら「ヲタク落語」の新譜に堂々「直木賞作家 三浦しをん氏絶賛!」の文字が。「腹筋がちぎれそうだ。これがヲタク落語というものなのか!」とのコメントも。腐女子でボーイズラブとバクチクが大好きだと、晴れの直木賞の受賞会見で集まった文化の薫り高い偉そうな記者さんたちの前で披露しては集まったご大層な記者共を唖然とさせていただけのことはある。よくぞ聞かせた来ぞ吉田アナ。聞くと何か会場にも来ていたそーで汗の香りも漂う会場でボーイズどもがラブしている空気を嗅いできっとうきうきとしていたに違いない。「サイゾー」でもそーいやバクチク話をマーチティー・フリードマン相手に披瀝していたっけか。時代があーゆー趣向を求める中でこーゆー趣味のブランド作家はますます需要も高まりそー。波に乗ったな。あとはどこまで運ばれていくかだ。

 波も行き過ぎるとうっとうしいのか東館(ひがし・やかた)の会場がぎっしりと人で埋まっている様を一望できる屋外の通路からの写真撮影が何か禁止になっていたのを発見。もうずっと前からなのかは未確認だけれど、テーブルがわんさかと並んでその間を埋め尽くして人がいっぱいいる風景が一度にとれるベストポイントなだけに、入り込んであれこれ伺う写真誌とか週刊誌とかテレビとか新聞とかいろいろいて大変だったんで禁止にしたってことなのか。個人がほら、幾ら取ったって実害はない訳だし。それが人を数メートル間隔で立たせて禁止を強くアピールしてるってことはよほど腹に据えかねる事態があったってことなんだろー。何だろー、その昔に両開きだった「週刊アスキー」に同種の写真が掲載されたことが今になって問題化? そんな訳ありません。

 ささっと会場を後にして向かった「西が丘サッカー場」で女子サッカーの「なでしこリーグ」ディビジョン1で戦う選手たちの代表が東西に別れて戦う「mocなでしこオールスター」を見物。去年の国立競技場からやや都落ちな感もあるけどあっちじゃあJ2の東京ヴェルディが試合をしてるんで仕方がない。でも集まって3600人の観客がメインスタンドとバックスタンドをほぼ満席にして観戦している風景は見ていてなかなかに感動物。数年前じゃあこんなイベントなんてなくって夏でもたとえば日曜日の午後1時なんて炎天下で360人も集まればいっぱい来たなあって印象の中で試合をしていた訳で、それがテレビカメラまで入って大勢の観客に見守られながら試合を出来るよーになった。ひとえに選手の頑張りもあるけれど、こーしたチャンスを作ったモックの奮闘にも改めて感謝。結婚式はモックを利用させて頂こう、って永久にそんな機会はないけれど。ある訳ねえ。

 んで試合は一進一退ってゆーかなかなかの好試合。取れば取り返す感じに進んで最終的には3対3のドローで終わる。決して手を抜いたって訳じゃあなくってセットプレーが見事に決まったり遠目のクロスがそのまま入ったりといった確実性と意外性がうまくマッチして見ていて楽しいゲームになっていた。うまさじゃあやっぱりベレーザに浦和レッドダイヤモンズレディースを擁する東軍が高いポゼッションを保とうとしていたけれどもいざ攻めるとなると周囲に西軍が寄ってきては前へと行かせずシュートを打たせない堅守ぶり。逆にサイドからの崩しなんかは西軍の方が見せてくれててTASAKIペルーレが首位を走る意味って奴を改めて示してくれた。東軍は前半は左サイドがあんまり機能しなかったけれども後半には立て直してサイド攻撃も活性化。安藤梢選手も本来のポジションに入って楽しそうだったけれども首尾の巧い西軍が相手だとドリブル突破も容易じゃなさそー。そこで大外を走るサイドバックに預けるなり預けるふりをするなりできればさらに活躍も目立てたかも。代表の布陣で試して欲しい位置だったよなあ。

 でもやっぱり1番目立っていたのは後半から入ったベレーザのGK、小野寺志保姉御か。正面からのは確実に止めミドルははじき遠目のループにも触れてボールをゴールの上へとはじき出す。見ていただけで2点は確実に防いでて、これだったらMVPは小野寺選手に与えても悪くないって気もしたけれども守備の選手がとれるもんじゃないから仕方がない。でもそのプレーぶりは山郷のぞみ選手すらサブに回されているなでしこジャパンであってもまだまだ十分に通用しそう。その経験と今なお衰えないプレーを是非に北京で。花道として。無理ならせめて今年も優勝、そしてカップ戦と選手権も加えた3冠で飾ってあげたいなあ。いやまだ引退する訳じゃあなさそーだけど。


【8月18日】 あれだけ黒(ヘイ)の単独行動を諫め脅していたくせに自分のこととなると任務が失敗するのもお構いなしに突っ走る辺りが所詮は連絡員でしかないってことなのか黄(ホワン)。そんな「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」は若返る対価として老化する契約者の能力の意味と無意味さについて考えさせられ猫の手前の記憶を握られているとはいえ組織にべったりな飼い猫っぷりに笑い銀(イン)ちゃんがまた出てないって憤りアンバーのにまっとした笑顔をまた見たいんだけれど次は何時って指折り数えたりしつつエンディング。やっぱりアンバーは出そうもない。銀(イン)もやっぱり見られない。おっさんはもう良いよ。でも岬ちゃんは活躍するみたいだし、そっちに期待。ところで彼女って、幾つ?

 眠り目覚めて「キャラホビ2007」会場へ。世界最大規模の同人イベントが同じ湾岸でひらかれているって日にイベントなんて打って大丈夫? って心配もしたんだけれども「ワンフェス」のカタログにゃあお盆に何故か「ワンフェス」がひらかれたのは東京湾の花火大会と世界最大規模の同人イベントが重なったら日程的にまずいと都がなにかお節介をして日付を一週間あとにずらした関係で重なってしまったとかどうとか。じゃあもしかして今年も「キャラホビ」が「ワンフェス」と重なる予定だったのかな、それとも「ワンフェス」は次週を予定していたのかな。

来年はハルヒ立ちねぷたを是非に、皆が下に回って見上げるぞ  分からないけれども世間に隠れてひっそりと、でも好き者だけがそれなりに集まっていた時代と比べて世間が注目をして一般人まで来場してふくれあがってしまったオタク系イベントには避けられない運命だったのかも。でもなあ、今更な「痛車」をまんまな用語で取り上げてみたり、それこそ「キャプテン翼」やら「聖闘士星夜」やらな80年代から面々と続く腐女子的なムーブメントを「コミックマーケット」における今年ならではのキーワードだって感じに選び記事に仕立て上げたりと、一般メディアも何かいろいろ面倒そう。見た目とか、語感が事情を知らない上の親父世代にいかにもオタク的だって受けそうだってことから選ばれている節がありありで、何とも微妙な居心地。別に今年が特に何か際だったってことなんてないのに。あるいは中国韓国台湾あたりからの来場が数字に出るくらいに増えていたりするのかな、統計取りようないもんなあ。

 そんな「コミケ」を背中に駆けつけた「キャラホビ2007」でまずはやっぱり11メートルの「ガンダムねぷた」を参拝、いやあでかいよやっぱりこいつは。「幕張メッセ」の天井が高い分それほど遠目には大きく見えないけれども近寄ったりすると見上げる感じで入り口のある2階から見ると下で眺める人たちが芥子粒のよう、ってのは大げさだけれど違いがよく分かる。こいつが練り歩いた五所川原のねぷた祭り、壮観だっただろーなー、次はだったらドムを3台分並べて練り歩かせてやって欲しいなあ。あるいは「合衆国ニッポン!」をやってる「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゼロの立ちネプタとか。安定感悪そう。

 その「コードギアス」関連はメガハウスで出してた大判のキャラクターカードが早い時間で完売。ルルににC.C.にオレンジにプリンにヴィレッタとゆーか千種にカレンがいたんだっけ、記憶が曖昧だけれどカレンとか千種は胸元が目立っててなかなかな絵柄でプリンことロイドも眼鏡を外した美形っぷりを見せてて男性女性のどちらのファンも満足させられる絵柄だったってことも人気の裏にありそー。ただ超絶人気だったのはそれくらいでセイカノートが出してたインターネット限定の「コードギアス」が表紙となったノートの即売も、アニメイトが出してたゼロの仮面を被ってまるで似てないアーサーか、こちらは似ているけれどちょっと小さいチーズくんを抱えて記念撮影できるコーナーにも女性が貯まっている感じはなかった。未だ人気は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」あたり。時間帯が真夜中だったてことで知れ渡っていないのかなあ、それとも転んでも「ガンダム」ってことか。だとすると「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」の方が先に火が着くかなあ、その後だと「コードギアス」も苦戦するかなあ、やっぱり「SEED」に操を立てる女性ファンが圧倒的で、「OO」も「ギアス」も共倒れって寸法かなあ。まあ注目。

 巨大なのは「ガンダム」だけじゃなくって「ボトムズ」にもあって倉田光吾郎さんがトテカントンと鉄板を溶接して作り上げた等身大すなわち4メートル弱のスコープドッグが実に久々に一般公開。鉄製だけに経年変化で錆が浮かんで実に鉄のロボットっぽい雰囲気になっていた。この色合いはプラモデルじゃあ絶対に出せません。割とそばまで近寄れるんで倒れてきたら2トンにのしかかられて命も危険って不安も浮かぶけど、後ろに回ると頑丈な支えがあってそーした心配はなさそー。ここれがギゴットと歩いて横をガンダムネプタが練り歩いて、さらに例のランドウォーカーも乱入してくれば愉快なお祭りになったかも。もちろん2トンのスコープドッグが歩くはずもないけれど。というよりどーやって運び込んだかが知りたい。どーやって出すのかも。やっぱり歩くのか実は。

 プラモデル関係はパーフェクトグレードの大河原邦男さんカラーリングによる「ガンダム」が早々に売り切れ続いてシャア専用リックドム、なんて本編にゃあ欠片も出てこない奴も消える人気ぶり。メタルな色調になってたシャア専用ズゴックの方が絶対に格好良いのにそっちはまだ昼過ぎでは残ってた。あとメタルカラーのランスロットも。欲しかったけれど並んで買うのも疲れそうだったんで見送り散策。「鉄子の旅」を宣伝していた東映ビデオのコーナーにいたコンパニオンの人がスリムで綺麗だった。徳間書店が作りすぎたのか未だ残ってた富野Tシャツを1000円で投げ売りしてた。森永製菓のガンダムウェハースは今年はまだ余ってた。1万円はやっぱり高いよね。電撃屋に大行列が出来ていたけど何をみんなが買おうとしていたのかは分からない。何だろー? そんなこんなで昼過ぎに退散。超満員って感じじゃなかったのはやっぱりコミケ当日だからか。来年は7月に開こうよ。「東京キャラクターショー」もなくなったことだしさ。

 宅配便の毛生え薬が届くのを待たなくちゃいけなくなって自宅待機で「フクダ電子アリーナ」はパス。試合はいつもと反対にリードされたところを追いつき逆転して「ジェフユナイテッド市原・千葉」が勝利したみたいで観客にはさぞや良い夜となったことだろー、暑さも和らいだし。数日前に酷暑ビジネスとかって大騒ぎしていたメディアが間抜けみたいだ。その後に発表になった日本代表からジェフ千葉の選手が消えたけれども水野水本は五輪優先で選ばれなかっただけだし羽生もケガで今回は辞退気味。あとぶっこ抜かれて連携がとれなくなってるチームに配慮して選ばずここまで試す機会のなかった面々を試してみましょうって配慮が働いただけだと黄色いフィルターが訴える。だから9月の欧州遠征には巻誠一郎選手も羽生直剛選手も水野水本も山岸智選手まで復活! といけば愉快だけれどそれやられるとまたチームの連携が。というかせっかく首位に立って浦和レッドダイヤモンズ、あんなに抜かれて大丈夫なんだろーか。まさかジェフが上に上がるために上位チームを疲弊させるねらいが? いやいやワシントンが加われば後ろがどうでも浦和にゃあ勝てないからそれはないか。来週は柏との千葉ダービー。行くぞだから雨だけは降るな。

 せっかくだからと録画し残していた「DARKER THAN BLACK」を何話かまとめ見る。次回予告に出ていた耳のとがったチャイナな男はそうか岬の高校時代の同級生でチャイナマフィアかなにかのボスを父に持つ女性のボディーガードだったか。死んではいなかったって伏線がここで取り戻せた。今はどこの組織で働いているんだ? あと後のエピソードで時間を止めたアンバーが横を通り抜けた後のシーンでも見られたことだけど、チャイナドレスに合わせて眼鏡をはずした岬が目を細めて相手を見ようとする動きがたくさんあってなかなかリアル。そうかそんなに眼が悪いんだ。眼鏡は伊達じゃあなかったんだ。あと黒(ヘイ)がゲートの中へと入り込むエピソードもようやく視聴、インドな眼鏡の女性研究者が初々しかったねえ。さらにすでに見たアンバーとの再会を再確認してようやく今の状況へとたどり着く。なるほどこいつはなかなかによく構成されている。2話を1エピソードとしつつ伏線を張り解消しつつつないで全体像を浮かび上がらせる。巧いなあ。だからこそDVDも2話1セットにした方が良かった気が。3話から5話じゃあ中途半端じゃん。何考えているんだか。値段がその分安くなるのかな。それでもやっぱり半端は駄目だ、ってこれ誰のセリフだったっけ。


【8月17日】 津波は大変で津波を恐れる気持ちは十分に分かるけど、でも真夜中の千葉テレビのアニメーションを見ながら津波の襲来を恐れおののいている人の果たしてどれくらいいるのだろう? 本当に津波を恐れている人ならとっくにNHKとかにチャネルを切り替え固唾を飲んで成り行きを見守っているに違いないから、別に千葉テレビでもって津波警報を出し続ける意味がどれだけあるんだろう? そう訝り悩みもだえた「スカイガールズファン」のおよそ3万人くらい? そんなにいれば凄い視聴率になるか。いやしかしたとえ「スカイガールズ」ファンでも津波は怖いなあと感じる人がいたんだとしたら本編の合間は入れてCMとかの間は消してしまう理由が分からない。ずっと入れ続けてこその警報であって間が抜けては無意味じゃないかと小さく憤って見せた熱帯夜の明け方。

 いや別に良いんだそーゆーテロップ自体が時代と時間の証拠になって後々見返した時に時代背景なんかを理解しやすくなったりするものなんだけれどただ1点、問題があったとしたら前週にとてつもなくでっかいことが判明した七恵ちゃんがもう隠しておくこともないと胸に抱えていた書類を置いて歩くようになっていたにもかかわらず、その名場面のちょうどどんぴしゃりな位置に津波注意報を知らせる日本地図が被ってしまって横にはみ出て前に突き出たそれを視認できなかったことだったりする。幸いというかあるいは津波の来る時を予想でもしていたのか、エンディング後のアバンでそのシーンの七恵ちゃんをノンテロップでもって写し出してくれてなるほどこりゃあでっかいってことを確認させてくれたんだけれど、だったらなおのこと映像として動く七恵ちゃんのその様を目に見て網膜に焼き付けたかった。揺れていたのかどうなのか、とか。やっぱりDVDを買うしかないのか。

 まあ本編の方でも少数であってもそこに助けを求めている人がいればスカイガールズは飛んでいって救助しますってゆーお話だったんで、銚子とか九十九里とかに住んで「スカイガールズ」を楽しみにしつつも津波におびえていた人たちのことを慮って今回のことはいっさいの不問に付す所存。むしろ英断と讃えよう。だからといって次週のいよいよ到来の温泉エピソードに津波と地震と台風速報を重ねて入れるよーなことがあってはさすがにまずいんで、今はただただ台風は来るな地震は起こるな津波は押し寄せるなと天の神地の神海の神風の神に祈り奉って平時での放映が行われることをこいねがおう。とか行ってると安倍首相が突然辞めたりスペースシャトルが落っこちたりして放映予定が変わったりして撮り逃すんだそーなんだ。油断禁物。

 これは違う。断じて違う。朝日新聞に「甲子園観戦、新顔はワンセグ携帯『選手の顔はっきり』」なんて記事が載ってて何でも甲子園に携帯電話を持ち込みワンセグで中継なんかを見ている人がいるってことを妙に前向きに紹介していたけれども、せっかく目の前で一所懸命にスポーツを行っている人たちがいるのに、携帯電話でテレビを見ているのってどこか失礼な気がしてならない。見ているのは同じ光景だから構わない、って意見もあるかもしれないけれど、テレビカメラによって切り取られた甲子園は甲子園球場で繰り広げられているものとはやっぱり違うよーな気がする。

 だって野球はクローズアップされた選手が1人でやっているものじゃない。投げる投手がいて打つ打者がいて守る野手がいてそして審判がいて応援する観客がいてグラウンドがあって空があって太陽があってそれらを含めて体感している観客である自分がいて、スポーツとゆーものが成立している。バッターだけ、あるいはピッチャーだけを抜き出して見たってそれでスポーツを見たってことにはならない。少なくとも現場にいる以上は投げるピッチャーの挙動を見守り、バッターの特徴を読んで守る外野や内野の位置取りを確認し、そしてコーチャーの動きや監督のサインに目を配り、打つバッターの挙動の裏にある心理を読みながら成り行きを見守って欲しいもの。それが出来る現場にいながらちっちゃい画面に見入るなんて勿体ないにも程がある。

 サッカーの試合なんかでも携帯テレビとか持ち込み見ている奴がいるけど隅々まで見られてこそのサッカー場で、どこからどんなパスが出てそして周囲がどんな動きをするのかを見ていたら、部分をくりぬいて紹介するテレビなんてとても見ていられないはず。なのにテレビを見つつ音声をスピーカーからがんならして見ている奴とかいるから始末に負えない。セルジオ越後さんのぼやきと松木安太郎さんの絶叫がなけりゃあサッカーを見ている気にならないのかなあ。そーゆー刷り込まれ方をしている人もいるんだろーなー。テレビでしかスポーツを見ない層にスタジアムですべてを味わう訓練なんて無理だもんなあ。でもそれをやらないとスポーツだけじゃあ視聴率がとれないって芸能人の応援をくっつけつたない日本代表の試合ばかりが流されますますスポーツ本来の楽しみ方から遠ざかっていく。それを助長しかねない記事はやっぱり認められない。

 スポーツに限らず、たとえば紅白歌合戦でステージで歌手が歌っているのに、NHKの中継だったら顔が大きく見られるからと観客席でワンセグを見ていたらそれは無礼と非難されるんじゃなかろーか。いかな朝日新聞だって無礼先番と書くだろー。なのに甲子園だとそーゆー挙も何か新しいことだと前向きに捉えられる。甲子園で行われる行為はそれともすべてが正義ってことなのか。だったら学ランだって別に構いはしないじゃないか、あれが海軍の制服ってんなら女の子のセーラー服は水兵さんの衣装そのもの。日の丸のはちまきしめた女の子がセーラー服姿でブラスバンドを演奏していても非難されるのか、んでもってそんな非難をど阿呆と朝日に切って諭す勇気があるのか。妙な二枚舌が感じられて気持ち悪いったりゃありゃしない。

 それとも何だろー、ワンセグの利用については宣伝ありがとうって感じにNTTドコモとauあたりから背中でも押してもらっているんだろーか。天下の朝日ともあろうものがそーした宣伝に一枚噛むなんてことはないって信じたいけれども、妙に浮ついた紹介の仕方を見るにつけそー思われたって仕方がない。むしろだから朝日には神聖なる甲子園のスタンドにワンセグなど持ち込むことは言語道断と切って捨てて頂きたかった。まあやらないだろーけど。まあ某安倍ちゃんがやることなすことすべてが是、って感じに讃える人材の豊富なメディアもあったりするんで国をどっかとんでもない方向に持って行きかねないそーした牽強付会に比べれば、ワンセグ甲子園なんて可愛いものか。いずれにしたってメディアの矜持の凋落ぶり、すさまじいの一言です。1ヶ月半先にスタートする新体制で起こり得るトラブルとかのシミュレーションのまるで出来てなかったりするメディアもあるくらいだし。

 コスプレ、ってもキャラクターに扮するばかりがコスプレじゃないってことは、メイドコスとかナースコスとか巫女コスとかがあったりする以上、まあ分からないでもないけれど、ムーブメントの中心はアニメにゲームに漫画のキャラクターに扮するコスプレだったりする以上、そーしたジャンルをはずしてコスプレに関する団体活動なんてできやしないと思うんだけれどコミックマーケットがひらかれている目と鼻の先にある「有明ワシントンホテル」で開催された「日本コスチューム協会準備委員会」の発足発表会に来ていた偉い人はクリアストーンってパーティー用コスチュームを作っている会社の偉い人を筆頭に、そーした方面の人ばかりでいわゆる「コスパ」とか「ムービック」といった版権物を扱う会社の姿は見られなかった。カルチャーが違う、って言えば言えるんだろーけれどもでもコスプレだからコスパみたいなものか? って立ち寄って現れたのがクリスマスのサンタみたいな格好をしたゆうこりんではちょっと迷う。

 それとも版権物に扮する以上は何らかのお墨付きが必要になって来る訳で、それを極力避けて行こうとすればやっぱりメイドっぽいものとかナースっぽいものとかハルヒっぽいものだけになってしまうのか。会場の入り口で即売されてたコスチュームからハルヒっぽいカラーリングの制服と黄色いリボンのアクセサリーとオレンジ色の腕章がセットになったコスチュームが途中で後ろに下げられた辺りに協会の立ち位置に関する秘密がありそー。でも「秋桜人」ってコスプレーヤー向けSNSにはキャラコス好きがいっぱいいるし、会場に来ていた人も明らかにキャラクターのコスチュームを着て宣伝までしていた人もいた。そーしたコスプレーヤーの意識と設立運営側の意識の齟齬が今後顕在化して来ないかどーか、んでもって結果どんな事態になるのかをちょっと注目して見ていこう。つかゆうこりん、自分がどんなコスチュームを着ているかくらい理解してから名誉会長になろーよ。

 せっかく近くまで行ったんで「コミックマーケット」も西館(にし・やかた)の企業ブースだけをざらっと見物、途中でコスプレ広場の側を通ったけれども「コードギアス 反逆のルルーシュ」関連がいたかどーかまでは未確認、C.C.とか居たら遭いたかったよんでもってお尻がちゃんとC.C.なのかを確認したかったよ。企業ブースでは「月刊サンデーGX」んところで「ほしじぇね」を購入、仮面編集者の星紅さんが編集長になったお祝い号、ってことはそうか「ヨルムンガンド」の第2巻サイン会の場で見かけた編集長の人こそがやっぱり星紅様だったのかと改めて理解して納得、美人でした。仮面は付けてなかったけれど。その「ほしじぇね」では相変わらずに剛毅で艶っぽいところを見せてくれている星紅様。少年誌で初の女性編集長になるにはやっぱりこれくらいの人物じゃないといけないってことなんだろうなあ。その足下に跪いて秘訣をお聞きしたいもの。インタビュー行くか。


【8月16日】 飼い猫なのか飼い犬なのか飼い牛なのかは判断に迷うところではるけれど、飼われていると自称し飼い主は千早だと談じた萩原雪歩の筋金がはいったトゥリアビータの闘志っぷりが明らかになった「アイドルマスター XENOGLOSSIA」。乗ってたネーブラから降ろされた恨みからモンデンキントを裏切りトゥリアビータに走った菊池真なんかはクールに見えて所詮は情が大事な一般人。雪歩の親友みたいにしていた春香をあっさり裏切り踏みつぶす酷薄さにはとうてい及ばない。あれで机上の計算だったらモンデンキントでもピカイチだった雪歩がアイドル乗りの腕も上げたらかなうアイドルマスターなんて居るんだろーか。潜在性の高い春香に期待なんだけれど今はどうにもグダグダだし。裏切りを信じられずに逃避を続ける春香が誰によるどんなきっかけによって目覚め、切り替えトゥリアビータと雪歩に立ち向かっていくのか。誰かが浮かばないだけに何かってことになるのかな。インベルがやっぱり春香が良いとトゥリアビータの基地を粉砕して出戻って来る、ってその時点でお話終わりじゃん。

 んでもってテンペスターズとともに帰ってきた双海真美の大飯ぐらいっぷりが発覚。7年間も眠っていてその間記憶は消えた5歳の当時のままでパッと見つけた亜美が亜美だと分からず、成長の幅があんまりなかったあずさをあずさと認識して話しかけたんだけれどでもなあ、あれで20歳ってことは真美が消えた時はまだ13歳。中学に入ったばかりの少女が成人式に行ってだれこいつって言われるのなんてしょっちゅうな訳で、まだ5歳が12歳になった方が違いもあんまりないよーな気がするけれどもまあ、いきなり亜美に似てても幼児ではなく児童になってりゃ誰こいつって思って仕方がないってことか。んで7年ぶりのお食事は子供が大好きなエビフライとかいろいろ。眠ってる間に成長はしてもお腹は空っぽだったってことか。んじゃあ栄養はどこから取り入れてたんだ。まさかテンペスターズの肝を剥がして喰らってた? いやまあそれはなかったとしても7年ぶりに動かす胃袋によくもあんなに入ったもんだ。子供の胃ってすごいなあ。最近胃弱気味なんで欲しいなあ。

 何しろ「ヨドバシakiba」ん中にある「ザ・海峡」ってお店のランチメニューで用意されていた「唐揚げ定食」が胃に痛い。それ1つでビッグチキンバーガーの種になりそーなくらい巨大な唐揚げを4枚も盛ってあって食べても食べてもまた1つ、また1つと鳥が出て来て口をいっぱいに膨らませる。加えて小皿が3品ついてみそ汁までついて税抜き880円。1000冊1枚で満腹を超える量を堪能できるのは欠食児童にはありがたいかもしれないけれど、この暑さに水を飲みすぎて胃を疲れさせた大人にはキツいかもなあ。お昼時なのにあんまり人がいなかったのもヘビーさを敬遠してのこと? でも他に普通の魚とかハンバーグの定食もあったし。早すぎただけか。幸いとゆーか完全な胃弱にはなっておらず、それから唐揚げ自体がからっと揚がってたこともあって1つ食べきり2つ3つと胃にたたき込み最後の4つも完全に平らげ完食。ご飯もみそ汁も小皿も含めて味が良いってのはやっぱり重要なのだなあ。健康なうちにまた行こう。

 でもって「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」はロシアとインドの戦いが視聴をすっ飛ばしている間に終わっててパワーを増したロシアが孔雀の尾羽みたな目玉をぎらぎらと輝かせてはスサノオへと迫る。危うし慎吾、危うし真名。たたき込まれた安寧の世界は中華なウェンイーさんツァウイェンさんが慎吾の兄と兄嫁になってて父はプラクティカルベースの副指令、母は指令で妹にうっちぃがいるとゆー豪華ファミリー。そしてあれは妻なんだろーか、真名さんがいみんなで食事を作り平らげ食後にはてうっちぃが慎吾に一ゲームを一緒にやろうと迫ってくる。良い家庭。夜なんかツァウイェンさんがお風呂に入っているところを狙い脱衣所へと忍び込んでは脱ぎ散らかされたものを集めようとしてウェンイーさんに首根っこを押さえられる、楽しくも愉快な日々なんてのが想定できるけれども残念ながら所詮は夢。そして始まった戦いの中で夢を夢だと自覚できる強さを持った慎吾が剣を振るってロシアのユーノワ8を撃破する。

 日本が勝っちゃったことに驚く偉いさんの表情にきっと密約なんかがあるんだろーと想像できるけど対象はやっぱりアメリカか。ベネズエラにインドにエジプトとエジプトが倒したギリシアを従えたロシアを取り込み中央国もとっくに取り込んで日本はユーラシア大陸と南米をゲット。対してアメリカはドイツをとって他はいったいどーだったっけ、イタリアか。あと残っているのはあとどこなんだろうって記憶も定かじゃないけれども、蠢く陰謀の上を行って進む戦いの行く末がまるで見えなくなって来ただけに、ワイセストワールドウォーが決着を迎えた果てに起こるだろー何かとともに想像する楽しさを覚えながら残る1ヶ月と半分くらいの期間を楽しめそう。

 それにしても「アイドルマスター XENOGLOSSIA」といい「キスダム」といいオリジナルで良いアニメが出そろっているなあバンダイビジュアル。問題はそのすべてをDVDで買ってあげられないことか。限定版水着ジャケットで「アイマス」が100歩くらいリードしているだけに、っていゆーか実際に買ってしまっているだけに「キスダム」は押せば「失格」とつぶやくフィギュア、「ギガンティック」は本編とまるで違うキャラクターのボックスだけじゃなくって中華嫁のフィギュアあたりを是非に着けてやって下さいな。「コードギアス 反逆のルルーシュ」もあと2ヶ月でとりあえずが終わるんでラインアップに入れようかな「ギガンティック」。「らき☆すた」ちょっと迷い中だし。ってそういや「天元突破グレンラガン」に「DARKER THAN BLACK」の兄婦レックス陣営も買い始めてたんだ。やっぱり無理かなあ。しかしでも。とか言っているうちに買ってる可能性大。

 いやあ「小公女」。あるいは「笑う大天使」。庶民の中で庶民派ばりばりの暮らしをしていた女の子が父母の死去後に自分が良いところの出だと知らされ引き取られてはみたものの、いきなりの上流階級とあって右も左も作法も礼儀も分からないままとまどうってゆー話は枚挙に暇がない。そこで「笑う大天使」では猫を被ってお嬢様然として通ってそして中でやっぱり猫を被った女の子たちと仲間になってひと騒動を引き起こすけど渡海奈穂さんの「ソフィアの宝石」(ビーズログ文庫)に出てくるソフィアは貴族の親戚に引き取られたって言動にいささかもおびえるところなし。さすがに学校ではやや大人しくはしているけれども友人となった少女にはいつもどおりに接して信頼を得る。

 そもそもが貴族の娘だった母親が石工の父親と駆け落ちして出来た娘。母や早くに病で逝き、父は仕事先で事故か何かに巻き込まれてはそのまま息を引き取った。娘も捕まりそうになったところを母の兄弟だという貴族の男がやって来てソフィアを引き取ることに。けれども跳ねっ返りな態度を変えないソフィアに貴族の息子や娘たち、つまりは従兄弟たちは憤り目を背ける。まあそれでも中には関心を抱く好奇心のカタマリもいるよーで、どうにかこうにかやって来ていたところに事件が勃発。ソフィアが親しくしていた少女がかどわかされ、そして国を揺るがしそうな事態が見えて来て次巻へとつながっていく。加えてソフィア自身にもなにやら秘密がありそーで、それをめぐったやりとりなんかも今後の展開の中で起こりそう。果たしてソフィアとは何なのか。でもって事件は起こるのか。そんな渦中にあって相変わらず乱暴でがさつな態度を貫き通すソフィアの気っ風のよさだけは、失われずに居て欲しいもの。偉いさんたちをこき下ろすその言葉の痛快さたるや。いつかどこかで使いたいけど使える勇気、あるかなあ。機会だったら遠からずあるかもね。偉そうに言ったところで所詮はマイナー、とか何とか。


【8月15日】 よーやくやっと「コードギアス 反逆のルルーシュ」のドラマCD第4巻を聞いたら玉城が車からけり出されていやがった。かわいそうな奴。それはそれとして車に乗りあわせたC.C.のツッコミにいちいち同様するカレンが愉快。最後にゃ事故るし。大丈夫だったんだろーか車。あと正体ばれとか。スザクの家にルルーシュとナナリーが居候していた時代のエピソードはナナリーがゲンブの後妻に収まるのどーのって話が立ち消えになっていたけれど、そこで持ち出された交換条件って奴がちょっと分からなかった。ルルーシュはいったい何を約束したんだ。つか声の区別が付かなかったけれど約束したのはスザクの方か。体で払う? ナナリーの身につけているものを代わりに渡す? うーんいずれにしてもあんまり気色の良いもんじゃない。それより何よりゲンブは死んじゃってる訳で対価も永遠に闇の中。代わりに支払えとスザクが言い出したとしたらやっぱりルルーシュが体を投げ出すのか。それもそれで収まり良すぎてつまらない話だなあ。

 「エスピオナージ」って言われれば続くのは「悲しいさだめ」って言葉だったりするアリス世代もきっとたくさんいるかもしれないけれどもこれからは「エスピオナージ」は麻生幾さん、ってことになるのかどうなのか。でも幻冬舎から出た小説「エスピオナージ」(1900円)は警視庁公安部の外事課に詰めるスパイハンターたちの日々の業務が実にリアルで克明に描かれていてこんなにまでして彼ら彼女たちは日本の安全を守っているのかって驚かされることしきり。というかどうやったらここまで緻密なディテールを積み重ねられるんだろー。

 バンカケとかいった用語とか、追尾の時に仲間同士で使う符丁なんかは調べたり聞いたりして分かってもそれをどういうシチュエーションで使うのか、でもって中にいる人たちの仕事に対する考え方や意見がぶつかりあった時の心理なんて、その立場に立たないとなかなか分からないだろー。なのにちゃんとそれがリアルなものとして感じられる。まさかそーゆー仕事に就いてたの? って気すら起こる。ってか就いてたんだろーか、「ZERO」だって中国相手のスパイハンターの活躍が確か書かれて結構リアルだと評判になってたし。

 描かれる事件は突端としてロシアのスパイに日本の中小企業の偉いさんが強力していたのがバレてスパイが摘発されたことだけれど、それが逆により大物の手がかりを失ってしまいかねない事態となってメンバー一同大慌て。ならばと監視を強めていくうちに、どう見ても普通の主婦にしか見えない女性が監視中に浮かび上がり、気になって調べていく内に彼女が、そして彼女の夫が過去に3年くらいの空白を保っていたことが分かってくる。どうしたんだろう、とさかのぼって見えてきた2人の悲惨な過去とそして現在の暮らしぶりとのギャップから、そこに何があったんだとゆー想像が働き調査が向かい、やがて警察がかつて出会ったことのない大きな事件が浮かび上がってくる。

 いわゆるスパイ小説なんかだと割に頻繁に出てきそうな話で、それこそ黒いコートを着たスパイたちが路上で拳銃とか撃ち合ったりするシーンが出てきたりもするけれど、実際の世界ではこーゆー場面なんて滅多どころかまったくないし、大使館とかジャーナリストを詐称して入り混む合法的なスパイではない存在なんてのも滅多なことでは挙がらない。だからこそ感じる「エスピオナージ」ならではのリアリティ。華やかではないけれども地道な日々の積み重ねによって、表からの追跡に裏からの監視作業の連続でスパイを追い込んでいく物語が強く立ち上がる。

 そんな環境で働いている人たちがよくも保つよなあってのが読後の感想。それだけ仕事に命をかけているんだってことなんだろーけれど、傍目にはスパイってのがリーガル、イリーガルを問わずいったいどんな情報を探り出しては海外に送り、それが日本って国のどんなレベルにどんな影響を与えているのかってゆーことがあんまり見えず、スパイハンターたちのあまりに大きなモチベーションの根っこがちょっぴり訝られる。国民の人命財産が脅かされた、って1つの理由はわかりやすいけれど、そうではない日々の諜報活動の根っこにある愛国心のより所に、説得力のあるものを見せてくれれば気持ちにももっと響いて来たよーな気がしてならない。

 まあそれもこの泰平の世に安閑としている世代ならではの所感で、知らないところで国の財産は着々と蚕食されては将来への不安が増大しているのかもしれない。スパイ小説なんかだとそれが核兵器だの土地財産だのってわかりやすくされてしまっているけどリアルなディテールの物語ではそれが見えにくいだけなんだろー。いずれにしても平和に見えても国と国がある以上はそこにエスピオナージは必須ってことで、悲しいさだめに翻弄されながらも生きる奴らの凄みって奴をこれからも麻生さんには見せやって頂きたい。ともあれ読み始めたら止まらない、んでもって読み終えると街を歩くときでも周囲に気を配らずにはいられない、傑作エンターテインメント小説。これが直木賞とか取ったら日本のゆるい気分もぎゅっと引き締まるかな。でも選考委員にはディテールが細かすぎてダイナミズムがないだのって言われかねないなあ。

 牽強付会をお家芸にしつつ針小棒大に書き殴ってはひんしゅくを買ってる身が何をって話になりかねないけど、ものすごく久々に未だ続いているらしい「オーマイニュース」を見て載っていたコラムの着火マンぶりが妙に気になって首捻る。かの烏賀用弘道さんがいつの間にやらスタートしていたコラム「Jポップは2世だらけ〜烏賀陽弘道コラム」の最新版なんだけど、いきなり安倍総理とユニクロ創業者の柳井正と宇多田ヒカルさんを並べて共通項がありますって言って何だと思って読んだらみんな2世の世襲っって話になってた。でもなあ。宇多田さんが「オートマティック」でデビューした当時ってそのあまりにソウルフルなセンスに驚嘆してこいつ誰だってことが話題になっはいたけれど、彼女が「夢は夜ひらく」の藤圭子さんの娘だって知ってた人なんてそんなにいなかったんじゃなかろうか。直後にちょろっと広まった時だって騒いだのは親父受けするスポーツ新聞とか週刊誌くらいで、音楽好きは変わらずすごい曲と歌声を見せる宇多田を支持していて、藤圭子なんでいったい誰よって感じにまるで眼中から排除してた。そいつは今も変わらない。

 柳井正さんだってなるほど父親の洋品店を“世襲”したかもしれないけれど、暴れすぎて社員が辞めてしまったところから立て直し、地方の洋品店を全国規模のカジュアル衣料品のチェーン店へと育て上げた上に衣料を統一してブランドとしての「ユニクロ」をほんの10年くらいで確立させた。言うなれば一世一代の大勝負。それを祖父に父親の威光をバックに父親の地盤看板を受け継いで当選を重ねるて来ているだけの政治家なんかと一緒にしちゃあまずいだろう。宇多田さんのすごさも柳井さんの頑張りもまるで認めてないてことになる。そんな記述も見られないし。

 その後に列挙されてる世襲なミュージシャンの列挙も何かピントがはずれてる。「ドラゴンアッシュ」の降谷健志さんが金田一耕助で僕らが知ってる古谷一行の子であることを誇って音楽に利用したことあったっけ? それが「ドラゴンアッシュ」が売れる上で何かの役に立ったっけ? 「RIZE」の竹中空人だって誇ってない、つか「RIZE」なんてそもそも父親の七光りとやらが話題になるほど一般的には知られてない。初期のハードにぎんぎんやってた「RIZE」は格好良かったけれど、その時にはあくまですごさが抜きんでてた。家族の話なんてまるで聞こえてこなかった。それは「トライセラトップス」だって同様。イラストレーターで映画監督の和田誠が父親で何か良いことあったっけ? 和田勉さんの子供かもって誤解されてた時代の方がまだ“話題”にはなったけど、それだって売れ行きにはまるで関係ない。

 「『話題』があるからマスコミにも取り上げてもらいやすい。つまり、音楽的能力以前に、その出自だけですでにスタートラインに差がついてしまう。ある意味『選挙区の世襲』に似た『人気の世襲』だ。これはアンフェアではないのか」って書く、そのこと事態に間違いはなくって、七光り十四光で話題になるミュージシャンもいるにはいる。問題はここに挙げたミュージシャンたちの誰が、親の人気を世襲したのかを見せてくれていないところ。「ドラゴンアッシュ」や「RIZE」や「トライセラトップス」や宇多田ヒカルさんがスタートラインを底上げしてもらった? ちょい売れし始めた後の話題づくりにはなっていても、ホップの段階ではたぶんなかった。政治家みたく弔い合戦だのと言い出す恥ずかしい真似なんで誰もしてなかった。

 だいたいが彼ら彼女たちが作り上げてきた音楽についての所感がまるでない。七光りがなけりゃあ、メディアの後押しがなけりゃあ売れなかった人たちだってゆー指摘もない。音楽そのものへの敬意が見えず出自だけを問うコラムは読んでいてどうにもしっくりこない。音楽を愛し浸食される業界の様子に憤る正義感の持ち主なればこそ、音楽そのものの評価から筆を起こして至らない二世がはびこる問題に鉄槌を下して欲しかった。それとも音楽は二の次で政治家の世襲ぶりを非難するコラムだったのかな。四季とか投書とかいった身辺雑記に筆を起こして政治や国家の至らなさを引っ張り出して両断する「天声人語」の得意技を、もしかして会得しているのかなあ、出自から。って最近は「産経抄」がそーした牽強付会っぷりを最大限に発揮しまくって、何でも天下国家の話に保っていって落とそうとして落ちないていたらくを見せているから、あんまり他のことは言えないんだけれど。石井英夫さんって凄かったよなあ。やっぱり。


【8月14日】 六本木にある「ABC」をぶらりと見ていて妙に気になる銀色を表紙の写真集を手に取り開いたらヌードがいっぱい。でもちょっと違う。憂いというか確信というか沈思というかともかく様々な感情を押し込めつつカメラを見つめる男性女性の顔があってそしてクローズアップされた女性の腕に細かく走る何かの線。見るとところどころ赤く開いた線もあってそれが自らを傷つける行為によるものだと分かる。リストカット。というより手首から肘の部分まで隙間なしに走る細かい線はもはやリストという範囲には当てはまらい。1つ2つの傷を手首に刻んで自分を確かめようとする範囲を超えて、もはや行為そのものが意味を飛ばして目的化しているような戦慄を覚え、何がいったいそうさせたのかという推察を惹起させられる。

 撮ったのは岡田敦さんという人で、「I am」(赤々舎というタイトルが示すように、自分という存在への懐疑をはらすべく傷つけ痛みを覚えて自分を内向きに確認する、といった範囲をもはや飛び越え激しい葛藤に身を掻きむしった様を外に開くことによって自分の存在を確認せずにはいられない、激しくて深い心の様がそれらの姿からうかがえる。おそらくは身をさらすことに恐怖を覚えていただろうモデルたちをどうしてカメラの前に立たせることができたのか。それは長い時間をかけて培われた信頼、あるいはそこまでの相互交流はなくてもお互いを他社として排除し反発しあう感情を除して前向きに立たせるまでの理解があったのだろう。

 それこそくっきりと性器まで写し出された写真たちにいいたずらな好奇心を抱きたくなるのも最初は仕方がないけれど、ここに至る過程で積み上げられたモデルの側の様々な感情とそして撮影者の撮るべきか、撮らざるべきかといった懊悩を超えて外に見せるべきだという結論にたどりついた心のプロセスを想起して、境地へいたる道を心に刻むことが必要なのだろう。一方的な共感や同情などはきっと求めていない。敢えて身をさらした気概、そしてさらさせた写真家の写真として現れた結果から何かを見いだすべきなのだろう。

 帯になぜか彫刻家の舟越桂さんが推薦を寄せていて「“キズを持つ彼ら”をわかろうとした人がいた……。というよりもその写真家の心にタイして、この若者たちが示した理解と安らぎが、“寄り添えた時間”の証しと記録として現れたのだと思う」と言っている。至言。人を模した人形を作り続けた果てに、人の内的な葛藤を自らの中で想起し消化しつつ人形に形象として表すようになったあげく、ゆがんだり傾いたり何かが生えたりと初期のシンプルさから大きく変わって異形の人形たちを作るようになった舟越さんにとって、外部に激しい傷となって現れた人々の心の様に何か、感じるところがあったのだろう。

 写真を見てこれからの舟越さんの作品に、何が起こるのかが興味深い。と同時に写真集を見た人たちも、ここに凝縮された時間をひもときながら社会のあらゆる場所に生まれている、反目し内省し続けたあげくのコミュニケーション的断絶を、破りつなぎ合わせていくための方法を、探っていくことで何かが生まれ、始まり変化へとつながる道を見つけられば素晴らしい。でもやっぱり見入ってしまうなあ、その肉体には。官能なんて浮かぶのは一瞬で、標本めいた撮られ方が意図的になされたが故に官能が飽食から諦観へと変わっていった五味彬さん「イエローズ」とはまた違った、懊悩と葛藤と理解と昇華が薄いなかにも詰まって深く考えさせられる写真集。ヌードにもいろいろあるんだなあ。森山大道さんの封印解除らしいヌード写真集も読んでみよう。

 丸の内にある「丸善」で「コミックガンボ」でももらおうとしたらお盆で休刊らしく「ゲームセンターあらし」がトレーダーになった表紙の先週号がまだいっぱいてちょっと残念。「ステージガールズ」はどうなったんだ? んなところに流れた館内放送であの「アルプスの少女ハイジ」のキャラクターを描いたアニメーターの小田部羊一さんの展覧会が開かれているってことを思い出してギャラリーに入って見渡すと何と! 小田部さんが描いた直筆のハイジの絵が30点ほど並べられて売られていたのに驚いた。16万8000円。値段だけ見れば高く思えるかもしれないけれどもリトグラフでもシルクスクリーンでもない版画がそれくらいの値段で売られていたりする昨今に、宮崎駿さんや高畑勲さんと並ぶ名アニメーターでありながらも途中で任天堂へと入り「スーパーマリオ」のイラストなんかを監修したりアニメの「ポケットモンスター」の監修に携わってなかなか絵を見る機会も減っていた小田部さんの肉筆原画が、それも世界にファンがいる「ハイジ」が描かれた絵がそんな値段で手に入れられるのは僥倖以外のなにものでもない。

 影響を受けてハイジっぽい美少女絵を偏執的に描き続けるミスターの絵だって同じサイズなら何十万とかで売られる昨今にオリジンにして至高のクオリティを持った原画がこの値段。安い安い安すぎる、って言ってもやっぱりすぐには出ない金額なだけに赤い丸のシールが貼られていない、まだ売れていない作品なんかを見ながら頭のなかで預金残高なんかを計算しては悩みもだえる。クララが立った絵、ハイジがユキちゃんを抱えている絵、ハイジが上着を脱いで走りだそうとしている絵、ハイジが花畑でペーターと戯れる絵、欲しいよみんな欲しいよお。そういう人向けに版画もあったけれどもやっぱりなあ、原画が良いよなあ。17日まで開催中なんでちょっと考えよう。これで「コードギアス 反逆のルルーシュ」のC.C.が描かれた木村貴宏さんによるイラスト原画だったら即買いなのに。

 ちなみに会期中は昼過ぎから夕刻まで小田部さんも来場しておられるとかで、夕方に立ち寄ったら入れ替わりだったけどすれ違えた。ちょっぴり感動。展覧会にはハイジのロケハンにスイスに行った際のスナップも飾られていて中に若い宮崎駿さん高畑勲さんと小田部さんも写ってた。宮さん若過ぎ。30歳くらい? あとハイジのキャラクター原案もあってアニメになってころころとしたハイジとはちょっと違った、やや大人びて可愛らしいハイジが描かれていてこれがまんま動いたらいったいどんなアニメになったんだろーと想像するのがちょっと楽しい。杉山加寿子さんの声も色っぽさが出たかな。原画はだからテレビのハイジに小田部さんのイメージにあるハイジがちょっと交じった感じ。アニメのキャラクターグッズとはまた違った雰囲気を楽しめるのが嬉しい、って考えるとまた欲しくなった。うーんうーん。宝くじ当たらないかなあ。


【8月13日】 玲音も成長したもんだねえ、ってこたぁすでにして「アイドルマスターXENOGLOSSIA」の如月千早でもって証明してくれてはいるけれども、シリアスな役柄の玲音から千早だったら分かる成長でもさすがに「らき☆すた」の田村ひよりとなるとまるでイメージが違ってて脳内での一致をなかなか見ない。なにしろオタクだ。つまりは腐女子だ。同人誌を描き学校でもイラストを描きその差異にこだわりシャーペンの慣れにこだわり利き腕は絶対に守りときどき心情を吐露してゆらゆらとするその言動をどこまでも純粋だった玲音と比べることなんでできやしないし、まっすぐさ故にゆがんでしまった千早ともやっぱり比べられない。

 いやしかしオタク性って点では玲音とひよりは共通しているのかな。もしもアニメの「lain」に代わってひよりが出てたらパパの買ってくれたマシンでひたすら絵を描き色を塗ってネットゲームにはまり「らき☆すた」以上の腐れっぷりになっていたかもしれないなあ。それにしてもよーやく本格的に登場して後半Bパートをほとんど使って腐れっぷりの大アピールとは田村ひより、愛されてれるなあ原作者にも監督にも。それにしてもいつまで続ける気なんだろーあの珍奇なエンディングを。見たくねえって気分からDVDを買うのをためらっている人も結構いるんじゃなかろーか。1本「嫁津波」……じゃなかった「三十路岬」の回は真夜中の「歌う天気予報」っぽくって悪くはなかったし「ワンフェス」でも歌っている姿を遠目に見て頑張ってるって感じは得たけどそれでもやっぱり、ねえ。でも本編にキャラが増えて面白くなっているから迷うところではあるなあ。2巻目までは手を出すか。

 振り返って「ワンフェス」では「エヴァ」関連の展示もしっかりあって商品にもまあしっかりと行列は出来ていたけれど、並べば買えそうって感じの長さはすなわち熱さとは反比例していてその他大勢から抜けているって感じを醸し出してはいない。むしろコナミの「武装神姫」とか「スカイガールズ」関係の展示の方が人も絶えず商品も人気のあるものは早々に品切れになっていたりと現役感にあふれてた。ほとんどすべてが「エヴァ」一色、って雰囲気を醸し出していたのはいつくらいの「ワンフェス」だったんだろう。まあ当時は何かがはやるとそればっか、って感じになっているように見受けられたのが今は流行に傾向はあっても(「Fate」とか割と見た)それだけって作品はなくめいめいが好きな者を作り見せているってゆー、ある意味では健康的な空気になって来ている。

 これはすなわち割に特殊だったが故に先鋭的で先端的な作品に気持ちが集まった模型な世界が今は普遍的になったが故に誰かが好きなら作っちゃう、自分が好きだから作っちゃおう、って感じに拡散して浸透していたりする現れってことなのかな。あと放送されるアニメが圧倒的に増えてて選択の幅が広がっているってこともある。これで劇場版の新作が驚嘆の映像で大勢を驚かせて今再びのブームを巻き起こす可能性なんてないって断言できはしないけれども、あれもありこれもあり「コードギアス 反逆のルルーシュ」もあって他にいっぱいの話題作もある状況を鑑みるなら、傾向なんてものはなしに実に多様なキャラクターなりメカが見られる見物人には楽しいイベントとして推移していくことになりそー。これ作れば売れる、ってものがないのは造形作家さんにとってどうなんだろう? でもそこでこそ魂も存分に見せつけられるってことで。早く「悪キューレ」とか出ないかな。

 やっぱり胸、ということでオッケー? 「ゼロの使い魔」にて悪人の胆振だしに乗り出したアンリエッタ女王様。独り身にてうろつくのも危ないと才人に護衛を頼んでそして平民に見えるように身繕い、これがまた何というか素晴らしすぎた。ルイズが着替えた後のシャツを着たのは良いけれども平べったさではサイトにだって負けてないルイズのシャツではアンリエッタ様が着てはボタンが閉まらない。上をはずしてそれでも収まらずのぞく盛り上がりの間に出来た谷間に才人の手を引き入れ、恋人同士を装うアンリエッタの何というか手慣れた感じにいったいいくつなんだと調べたらまだ17歳。それでいてあの色っぽさ。はっきり言ってたまりません。そりゃ幽霊になっても出てくるよ、どっかの王子様だって。さらに踏み込まれた場面ではシャツを脱ぎ才人に胸を押しつけ唇を重ねる大盤振る舞い。女王ってのはなるほど権力知性く加えて色香でも他に負けない存在なのだあ。というか才人逝ね。

 六本木で夜にイベントがあったんでちょい早めに出て「かつや」で粗挽きのメンチカツをかき込んでから「六本木ヒルズ」にある「森美術館」でル・コルビュジエの展覧会をちょちょっと見物。ただでさえ観光スポットの展望台とセットになっている上にお盆で地方なんかからの観光客も溢れて入場券を買うまでの間も行列が出来ていたりして、そんでもってせっかく展望台まで上がったんだからと展覧会もついでに見物していく“美術観光”の場になっていて、印象派でもなけりゃあシュール・レアリスムでもない建築とそれからメジャーではない絵画とあとは椅子くらいしか展示しておらず、普通だったらお客なんて入りそうもないコルビュジエに珍しく人だかりが出来ていた。きっと同じことを東京都現代美術館でやっても男鹿和雄展の10分の1も人、入らなかっただろーなー。

 個人的には気になる建築家ではあったコルビュジエは柱で高床っぽくしたり打ちっ放しのコンクリートを使ったりガラスを壁面に多用したりとモダンな建築物をいっぱい造って見せた人で日本だと国立西洋美術館なんかがコルビジェの基本設計らしーけど展示してあった他の作品にくらべると背が低いせいもあってあんまりコルビュジエらしくない。でもフランスから世界遺産の指定があったみたいなんでそれなりに重要な建築なんだろー。あと何か3メートル66センチだかを基本めいた単位にした家を造っているらしくって人が生きるに足る高さから求められた家はなるほどコンパクトだけれどそれでいて狭さは感じさせない絶妙の線。まあデカいアングロ・サクソンとかが入ったら暴れ出しそうではあるけれども日本人ならこれで十分、快適に過ごせそうな感じがあってこれを元に今の日本でも家とか作ればオサレで住みたがる人もいそーな印象。まあ狭いけど。

 ギャラリーに再現されてて入場までにちょい時間のかかった、どっかの海岸に作った木造の家なんてのは4メートル弱四方の部屋の半分がベッドルームっぽくなっていて、しつらえられた狭いベッドの頭にあたる壁の中にトイレが置いてあってそりゃあないよと笑う。頭に便器で人って寝られるんだろーか。夏とかちょっと大変そう。半分は書斎っぽくなっていたけど同時に洗面台もあってキッチンだか何かにも使ってくれってことなのかも。風呂は見あたらなかった。まあ田舎のバンガローみたいな建物だからしばらく滞在してそれなりに過ごせれば良いって思想のもとに設計されているんだろー。これで展示中でも実際に人が住んでみせてその生活感ともども披露すればコルビュジエの確かさも証明されたのにとちょっと残念。まあ中で住人がネットとかゲームとかやって時間をつぶしていたら興ざめなんで、ここは誰もいない中で往事をしのぶとしよー。

 そこから何やらゴージャスきわまりないレストハウスで開かれた、モックが支援する「なでしこリーグ」の選手と女性との交流会を見物。1億円とかゆーティアラをつけて登場した酒井與恵さんは落としちゃまずいと思ったのか歩き方がユニフォーム姿で歩いている時より妙にぎこちなかったけれどもこれもまあ仕方がない。一緒に澤穂希選手も登場して引退した川上直子さんも交えてのトークがあったり芸能人とか女性向けブログを展開している会社の人とか入れ替わり登場してあれやこれやと質問をぶつけたけれど、印象に残ったのはやっぱり苦しい時期を乗り越え先駆者として引っ張り今もプロとして先鞭をつけつつある立場を自覚し頑張ろうとしていること、か。

 北京五輪の予選があった昨日の今日で、出場した酒井選手も澤選手もきっと疲れてもいたんだろーけど登壇しておしゃべりにつきあいファンと交流する姿から、明日の女子サッカーの興隆が生まれ女性たちが生んだ子供がサッカー好きとなって、男女を問わず日本の選手層を厚くし日本全体のサッカーの質的向上へとつながっていくんだろー。その瞬間を見た、って言うと大げさか? いやいや千里の道も1歩を踏み出そうとする意志から。蒔かれた種が実るまでには他のスポンサーの参加とかいろいろあるんだろーけれど、とりあえず1社でも頑張りこーして女子サッカーの育成に勤めている姿を見ると、何かの形で応援せずにはいられない。だから行こうなでしこリーグへ。とりあえずは週末のオールスターに。どれだけ入るかなあ、西が丘に。目指せ満員。


【8月12日】 やっとこさ見た「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」には名前だけアンバーが出ていたけれども当人は未だ見えずちょっと残念。でもまさかな場所でのその名の登場に残る話数で相当なラスボスぶりを発揮してくれると期待。ただでさえ「コードギアス 反逆のルルーシュ」成分が不足している中で見かけだけでもC.C.に似ているアンバーの動き暴れ戯れる様は心に安らぎをもたらしてくれる。これでもーちょっと体型もC.C.に近かったらなあ。つまりはお尻が……今ひとつ目立ってないんだよなあ、アンバー。かといって銀(イン)にスタイルを求めるのも酷だし。というよりいつかの未亡人をのぞけば胸もお尻も目立ってないキャラばっかりだよなあ、この番組は。

 つまりはC.C.はお尻なのだと分かっているかどーかが重要なんだってことを見せつけられた「ワンダーフェスティバル2007夏」。特段に買い物をする気はなかったけれども義務だと前々日に仕入れたカタログを持って昼過ぎに入場して、とりあえず場内を「コードギアス」関係を探してうろうろ。まだ決して多くはなくてルルーシュは見つけて1体から2体でカレンは3体くらい? あとはコーネリア様が1体あったくらいの中でC.C.の人気は比較的に高くって、あっちのブースやこっちのブースで出展されてはまあそれなりに完売の好調さを見せていた。残っていたのは全身像が1つと膝から上の像が1つ。全身像はお尻の部分に後方へと回した手がかかっていて見えないのが残念というか分かってないっていうか、とにかく見て感動する部分が1つ奪われてしまっていて残念。

 膝から上の像は胸もしっかりあって突起も見えた上にお尻も丸い丸い。隣に立っていたカレンもちゃんと丸くなってて女性のプロポーションを造型する意義と意気って奴をちゃんと分かっているモデラーさんだと感銘を受ける。でも買わない。作れないんです。時間がないのとテクニックがないのとで。でも今になってちょっと後悔。そんな中でどっかのディーラーさんのC.C.はくいっと曲げられた腰の下でヒップがクンッと突き出されていて丸みが強調されていてもう感動的。これだよこれこそがC.C.なんだって叫びだしたくなったけれども周囲の目が気になったんで黙ってた。もちろん完売。買う方もちゃんと分かってるねえ。これにあとチーズくんがついていれば完璧だったんだけどなあ。まあ良い再販があると信じて次の「ワンフェス」に期待をつなげよー。来年2月ならおそらくは再開を前に人気も盛り上がっている所。より特徴が切り出されたC.C.やミレイやカレンやユフィもきっと増えていることだろー。“合衆国ニッポン”を決めてるのゼロとかもきっと。

 そんでもってうろうろしていたらタカラトミーのブースで「装甲騎兵ボトムズ」の秋に出るOVA「ペールゼン・ファイル」に関連したトークショーが冬のワンフェスに続いて開かれるってんでちょっと待って見物。冬と同様にやまけんさん司会で監督の高橋良輔さんとそれからキリコ役の郷田ほづみさんが登場して喋る内容だけれど今回はすでにできあがった映像がある点がちょっと違う。いろいろと評判も好悪あったりする3DCG化されたATについて良輔さん、「古いものの良さもあるけど新しい技術を入れたかった」と話して理由を説明。実際に動く映像を見た郷田さんも「質感が違って見えて、実写みたいにクリアだった」と話して3DCG化されてる良さを訴えていた。

 まあこればっかりは見てみないことには分からないけど、ロボットとゆーよりは格闘するキャラクターと同じ存在感を持つ「ガンダム」だったら、やっぱり2Dだからこその柔らかさと自在さを見せてくれないと違和感を覚えるのとは違って、巨大で硬質な兵器ってイメージがより強い「ボトムズ」のATは、3DCG化によって鋼鉄の質感と動きの重厚さをより強調させた方が良いのかもって気もしないでもない。昔と違ってCGでだって重さをちゃんと表現できるみたいだし。最後にメッセージとして高橋良輔監督は「夏の暑さに負けない熱を持った12本を作り上げる」って宣言。こりゃあ期待するより他にない。そして郷田さん。すでに1話を見て2話のアフレコを終えて「続きが見たい!」と言うからには相当に面白いものに仕上がっているに違いない。まあ本放送だってろくすっぽみていない僕ではあるけど「ガサラキ」を作り「コードギアス」の谷口吾朗監督に影響を与えている高橋監督のオリジンにして最新の作品を、見て熱を燃やしそしていつかの「コードギアス」再会までの糧としよー。

 イベント終了後は後近所を見て回ってホールの隅で出展主が一休みしていたビルドアップのブースで「アキバちゃん」の映像をしばし鑑賞。立体の人形を動かし撮って加工した映像でもって繰り広げられるのは女の子たちのこゆるい日常。球体関節の人形が柔軟体操をしながら関節が固いの柔らかいのって言い合っている光景はそれをリアルと見ればエロティックだし、、関節が自在に動かせるフィギュアが演じていると見れば固いも柔らかいもないだろうってツッコミが口をつくほど、さまざまなフックを持っている。声の人たちも清水愛さんに柚木涼香さんといった感じにゴージャス。そんな2人が登場するショーもあったみたいだけれど他に用事もあったんで後ろしかない髪を引かれながらも会場を後にする。DVDは出たら買おう。レプリカフィギュアも全高40センチくらいの奴がそろって出るよーだけれど幾らくらいになるんだろー。買って柔軟体操とかさせてやりたいものであります。

 バスで浜松町へと出向き「CoCo壱番屋」で最近気に入っているマグロかつにウィンナーをトッピングしてライス400グラムの大盛りカレーをかき込みそれから「カフェ・ド・クリエ」で一仕事して、そして地下鉄大江戸線で国立競技場へと出向いてサッカー女子日本代表の北京五輪予選対タイ戦を見物。すでに五輪出場を決めてしまって消化試合になってしまって来場者の入りも心配されたけれども、普段の「なでしこリーグ」よりは確実に多いだろー人数が来てスタンドのメーン中央付近はなかなかな入り。バックもそれなりで数千人は確実に集められるコンテンツとして「なでしこジャパン」は認知されて来ているって感じを受ける。これでもしも五輪出場がかかる試合だったらさらに入ったんだろーけど、かといってこれまでの試合で手を抜くわけにもいかなかったから仕方がない。

 消化試合だからってそもそも手を抜く気配を見せない「なでしこジャパン」は開始早々にするりと抜けだし大野忍選手がややミドルを放ってまず1点。それからしばらく点が奪えない時間が続いたけれどもトップでディフェンスと競り合った永里憂希選手がキーパーの読みをかわして流し込み2点目を奪ってさらに前半終了間際にもう1点、クロスから柳田美幸選手がたたき込んで3点リードとなりさらにさらにロスタイムにキーパーが飛び出した所をクロスに飛び込んで沢穂希選手がヘッドでたたき込み、4点リードで前半を折り返す。ここぞって時はちゃんと動くなあ。そのまま後半も無事に逃げ切り「なでしこジャパン」はアジア最強ってところを見せてはくれたけど、控えたワールドカップで相手も競合となるとちょっとのミスが失点につながりかねないんで、緩さを覚えたんだったら引き締め残る1ヶ月くらいを鍛錬して今度こそ上位進出を狙って欲しいもの。とりあえずテストマッチ相手のカナダとブラジルに連勝だ。

 座して死を待つよりは、選択して集中する方がまだましだって意見もあってなるほど肯定すべき部分も多いけれども、そこで何を選択するかがもっとも重要なのは自明の理。仮にとある情報産業があったとして、紙媒体がメーンだったものの論調が独特で普遍性にやや欠け販売網にも弱さがあって、販売部数が伸びなかったことから地域での販売を減らしそこに注いでいたリソースを引き上げる一方で、独自性を持っていた部分をより強化してオピニオンとか長文の読み物を増やし厚くして、都心部での支持を伸ばそうとしたんだったらなるほど選択と集中って意味もうなずける。

 けれどもこれが紙媒体ではなくネット媒体をより強化する方向を選び、なおかつネット媒体向けにスペースの無限さを活かそうと情報量に厚みを持たせ画像なんかも充実させる方向ではなく、いち早い情報の発信を増やす方向で進んだとしたら一体何が起こるのか、って妄想がふと浮かぶ。すでに世の中にはネットによる速報を行うことに特化したメディアがいくつもあって、情報が発信されたらそれをかき集めてその場で数字なりサマリーを即座に吹き込む人員をわんさとそろえ、それこそ短距離走のスタート前みたくクラウチング姿勢で情報が発信される瞬間を待っている。得た入力するまでの時間も短ければその情報をネットなりを通して発信するまでの時間もわずか。各拠点に配置された専用の端末にそれらの情報が逐次瞬時に送られる来る。

 これに対抗するのはもはや不可能。同じだけの人材をそろえ同じだけのシステムを構築してこそ成せる技だと分かっているから、古来より紙媒体を主として提供してきた大手のメディアは下手に追随せずに、論調を充実させる方向を選んでそれなりに存在感を得ている。いわゆる棲み分けって奴だ。ましてや大手に比べて戦力に差を付けられ集中と選択を選ばざるを得なくなった媒体が、足りない人材を駆使してネットに向けて逐次に情報を発信することなんて出来るはずがない。仮にやれたとしても他に時間で遅れ、正確さで劣る情報がネットから発信されては読者を混乱に陥れ、引いては媒体の信頼性を損なうことになりかねない。

 速報に徹するならそれで活路はあるかもしれないけれども、従来からの詳報も残すとあってはなおのこと混乱に拍車がかかりそう。速報用と詳報用に人員を分けて配置するなんてリソース的に不可能だから当然、その場で情報を入れろと時間に追われなおかつ後刻により詳細な情報を入れろと言わることになって現場は疲弊し、本来だったら手厚くするべきオピニオンなり解説といった部分への労力を割けず結果、そーした重要なコンテンツも劣化を招いてかくして紙媒体も共倒れ、って事態に至りかねない。速報系媒体は経済金融が中心、しかるにこちらは政治社会文化も速報するって主張もあるかもしれないけれども、そうした速報が経済金融に比べ求められているのか、ぶっちゃけ金になるかというと儲けに何らつながらない情報なだけに、金を払ってほしがる人はごくごく1部にとどまりそう。結局は虻蜂取らずで終わりそして待つは奈落の底の底。

 なんてことぐらいは普通に世の中を見ている人なら瞬時に思いつくことなんで、高学歴を誇り名経営者と讃えられるよーな頭の良い人たちが、そろいもそろってそーした状況へと突き進むなんてことは常識的に考えてあり得ない。そもそもがあくまでふっと浮かんだ架空で空想で妄想なシチュエーションであって、こんな事態がどこかに起こって何かが右からやって来て、それを受け流せずにともに流され消え去ってしまうってことなど絶対にないから安心して空を見上げ、今日も明日も未来永劫天井なんて落ちてこないと心安らかにして毎日を過ごすことにしよー。しかしどーしてこんな仮定の話を思い浮かんでしまうんだろー。きっと心が弱っているからに違いない。これが厄年ならではの弱気って奴か。厄年なんて迷信さ。災厄なんて絶対にないさ。ないと良いな。ああやっぱり弱気だ。


【8月11日】 対して「月刊アニメージュ」の2007年9月号では「コードギアス 反逆のルルーシュ」の特集に描かれたC.C.もそれほど形の良さを披露はしてくれてないけど体育座りっぽい格好を前からとらえた画はそれはそれでなかなかな悩ましさ。スレンダーな姿態にも柔らかそうな場所があるんだと分かってルルーシュならずともむしゃぶりつきたくなる、ってルルーシュあんまりそーゆー所は見せないなあ、何でだろ、見かけは若そうでも近寄るとそれなりに肌に年輪が刻まれているのか。食べ過ぎたピザがニンニクたっぷりで近寄ると異臭が凄いのか。うーん勿体ない。そのちょい前に載ってる「DARKER THAN BLACK」にはアンバーがいっぱい登場。見れば見るほどそっくりだなあ。髪の色とか形とか。親戚なのか。魔女っぽいしどっちも。

 ここでもか、ここでも胸とお尻の究極バトルか「スカイガールズ」は、誰かが乾燥機に忘れたブラを音羽がひろってその巨大さにびっくり仰天。いったい基地の誰が使っているものかと逡巡しつつ可憐と相談していたところに理知的な眼鏡が似合う小柄の七恵が登場。いつも書類で胸元を隠している彼女を音羽はまさか持ち主とは思わず逆に自分と同類だと確信して話しかける横で可憐が持ち前の数値化力を発揮して書類の両脇にはみでた胸の質量を計りウエストの細さから隆起部分の角度を推計してトータルのボリュームを導き出して結論。七恵は巨大だ。まさしく忘れブラの持ち主だ。そして我が同類と七恵の肩を掻き抱く音羽に彼女は自分たちとは違う世界の住人なのだと呼びかける、内心で。そりゃあ自分はちっちゃいですよーって大っぴらには言えないよなあ、恥ずかしくって。それを堂々と言えてなおかつ勘違いまでしてしまえる音羽最強。故に最後の大どんでんがえして起こる自己嫌悪もすさまじかったに違いない。顔死んでたし。

 そんな話が繰り広げられる一方で欧州ではよみがえったワームが暴れて基地を1つぶっつぶし、可愛い少女が脱出しつつ振り返って炎上する基地に向かって絶叫する。あっちは大変。こっちも大変だけれど大変の質が違う。でもシミュレーションに突如入ってきたワームとの戦闘が来るべき戦いを誰彼となく予感させる。そしていよいよ結成される「スカイガールズ」。ナノスキンの衣装に実を付けお尻の丸みもくっきりとさせた少女たちによる戦いが繰り広げられることになってそれはそれで良い物を見せてくれそーだけれど、でも七恵の巨大ぶりを見せつけられたあとで果たして音羽の、可憐の、瑛花のタイトなボディラインに目を向け続けていられるか。うーん迷うなあ。あっちはあっちでドッカンで、こっちはこっちでプックリだ。やっぱり迷うなあ。いっそだったら七恵に載ってもらおう飛行外骨格。重心が植えすぎて前につんのめってしまって巧く飛べません? 音羽が呆然とし可憐が赤面し瑛花が眉間にしわ寄せうなる姿が見えます。

 眠い中を起き出して池袋へと駆けつけ「ガンダムEXPO東京2007」を見物。内覧会なら金曜日にもあったけれどオープンとなる11日の開会式にはアムロとシャアが同席するから見逃せない。んで登壇したアムロ・レイこと古谷徹さんはまず先だって富士急ハイランドにある等身大(でも寝ている)ガンダムを見物してよじのぼって「5倍のエネルギーゲインがある」とかぶつぶつ喋る第1話を再現してみせつつ「アムロとひとつになった気がした」って感想を吐露。過去に大きなガンダムはあったけれどもコックピットに入って大きさを体感できる奴はなかったから28年目にしてよーやくって気持ちになっても当然か。んでもって去年初めてガンプラを作った話も振り返りつつ「関係者の努力と情熱がファンの夢をひとつひとつ形にしていったのだと思います」って自分だけじゃなくって周りで一所懸命グッズを作り映像を作ってきた人たちを讃えるコメントを発し最後にやっぱり「ガンダムEXPOいきまーす」と締める。何が求められているかをちゃんと分かってます。

 それを見たシャア・アズナブルこと池田秀一さんも「さらにできるようになったな、ガンダムEXPO」ってここだけは通る美声で喋ってくれて精神に強烈なインパクト。録音しておきたかったとICレコーダーを持っていかなかったことを激しく悔やむ。そして中に入ってあれこれと見物。入ってすぐの所にある最初のガンダムとジオングよりも、通路を少し進んだ角にあるストライクだかフリーダムだか何かのガンダムの方に若い層とかわんさかと集まっていたのは何だろー、2000年に入ってから初めて「ガンダム」を見始めた人たちにとってオリジンはファーストではなく「SEED」であり「SEED DESTINY」だってことになるんだろーか。ちょっと前に東浩紀さんの方のイベントだったっけ、もうしばらくたつとガンダムが男子の好きなアニメじゃなくって女子が大好きなアニメってことになってそれで振り返って男子が大喜びしていた時代があったと知って驚く人が続出、って話が出たけどそう遠くない未来に本当のことになりそーだなあ。デュランダル議長は分かるけれど横で「いきまーす」って言ってるあれは誰? って感じに。

 ずばっと見たけど例の3000万円する純プラチナ製ガンダムが国内で一般に初お披露目となった割には人があんまり貯まってないのがちょっと不思議。まあ遠くてよく見えない上に色が銀色でこれじゃあいったい何だか分からないって敬遠されたんだろー。それより間近で見られる150センチのガンダムとか、木彫りのガンダムの方が子供にはわかりやすく嬉しいってことで。めぼしいところではあと「キャラホビ2007」で販売される限定品の紹介があってメタルカラーに塗られたシャア専用ズゴックとかシャア専用リックドムとか格好良かったけれども元少年にはやっぱりグレーに塗られた大河原邦男さん描くイラストをベースにしたパーフェクトグレードガンダムに心惹かれる所多し。決してスタイリッシュじゃないんだけれど、トリコロールが原則だったガンダムにあって一風変わった色彩が目に強く響いたよなあ、当時、って何で見たんだっけ? ちょっとあんまり覚えてない。欲しいけど値段が値段だし置く場所もないんで迷うところ。だいいち人が多くてきっと買えないだろーから、ここは心に刻むに止めておこう。でも「コードギアス 反逆のルルーシュ」のランスロットカラーコーティングバージョンは欲しいかも。

 とか言いつつ売店で年末に出る劇場版ガンダムのDVD−BOXを予約すると先着50人にアムロ古谷とシャア池田がサインをいれたポスターがもらえるって聞かされ速攻に予約。だって2人のそろったサインなんてそうそう滅多にもらえないよ、それも劇場版ガンダムって2人が世界に飛躍するきっかけとなった作品に関連したポスターに。これは貴重。個人的に貴重。他人はどうかしらないけれどとても貴重な逸品で、比べるとしたら劇場公開された「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」のポスターに平野文さんと古川登志夫さんがそろってサインをいれてくれたものが個人的には貴重さで肩を並べそう。いや実際に「うる星」ポスターなんてもらったことも見たこともないんで、何に比べることもできない栄誉の逸品になりそー。ちゃんと届くかな年末に。それまでちゃんと生きていられるかな。いやこっちは全然健康だけど周囲がなかなかにおっかなびっくりなんで。せめて届くまでは住んでいたいよ今の家。でも代金引換に払う金がなかったら……。貯金だ。

 というか何というか情報を扱う業種において縮小均衡ってのはたぶんあり得ない。まず需要減をにらみ供給を減らせばそれはすなわちメディアの媒体としての価値の低落を意味して広告とかの縮小を招き需要とは別に収入の減少をもたらす。一方で縮小した体制に見合った組織を整えようとして人員の削減を行えば今度は入ってくる情報が減ってやっぱり媒体の価値低下をもたらし、それが需要のさらなる減少を招き広告などの減少をもたらすという、マイナスのスパイラルが一気に起こって崩壊への道をひた走る。情報産業において縮小は均衡などせず衰退になる。選択と集中であって縮小均衡ではないと言えばなるほどそうかもしれないと思えるけれども、選択と集中は極限までの選択と集中が必要であってそこでトップをとれるくらいでなければ意味がない。中途半端な選択と集中ではすでにあるトップのはるか後塵を拝したまま追いつけず引き離され、新たな需要を掘り起こせず既存の需要を減らしてやっぱりマイナスのスパイラルを突き進むことになるだろう。これはとある場所で実例を見たからよく分かる。いつか来た道を今度は巨体で行うと起こる結果は果たして。見物ではあるけれども対岸の火事とは言えないだけに気分は複雑。まあ良いけどね、老後の話の種になって。


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