縮刷版2007年4月上旬号


【4月10日】 第2期の制作決定から話が進んでいつごろ放映が始まって時間帯もどれくらいになるのかが決まっていたら楽しいとバンダイビジュアルの決算説明会をのぞいたけれど、残念ながらそのあたりの情報はまるでなし。ただ3巻目まで発売された「コードギアス 反逆のルルーシュ」のDVDが今の時点で累計22万枚売れているって話はあって、放送時間が深く世間的にもまだ目に見えるブームとはなっていない時点でここまでの実績が残っていることから鑑みるに、これからどんどんと情報が出回り評判も高まり関心が強まり見逃していた人が観たいと購入に走った場合、「機動戦士ガンダムSEED」あたりがアベレージにしている10万本って数字もあるいは超えてしまう可能性もありそー。

 2008年2月期の売上高では310億円の総額を見込む中で7%くらいのシェアを「コードギアス」が占めるとか。約22億円だからDVDに閑散するとえっと何万枚くらいになるんだろー? 卸しの掛け率がどれくらいかは知らないけれども4000円なら55万枚だし2000円なら110万枚だし間をとっても70万枚くらいは売れるととりあえずは踏んでいそーで、ここにムーブメントの爆発も加われば結構なシェアを売上高に占めることになりそー。うはうはだよ。ちなみに今春の新番組でも丁寧さで評判の「アイドルマスター」が4%くらいを見込んでいるよーでなかなかの力のいれっぷりにちょっと驚く。あの出来を観ればそう観たくなるのも分かるけど。

 4割近くを占めてた「ガンダム」シリーズが2割に下がっても売上高で前年並みを維持する計画だから、「アイドルマスター」には是が非でも売れて欲しいってところか。けど同じバンダイビジュアルで「キスダム」を作り「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」も作ってとロボットもののバトルを自ら演じちゃっている戦略が、総体としてのアニメDVD市場を押し上げる方に働くのか、それともカニバリの中で1本あたりの売上を減らす結果を招くのか、「コードギアス」1本に食われて全滅に終わるのか、ちょっと先行きを気にしてみたいところ。「パトレイバー」に「ビッグオー」に「エルガイム」といった過去のロボット物もボックスでガンガンと出るからなあ。新作に回るお金が減りそうなんだよなあ。「AIKa」の新作も出るんだよなあ、これがやっぱり最優先だよなあ、っておい。

 日本のアニメを世界に向けて発信するイベントが「東京国際ファニメフェア」なら日本のアートを集めて世界に向けて発信しようと目論んで開かれているみたいなのが「アートフェア東京」ってイベントで、国内の主力画廊がこぞって出展してはお抱えの作家とか秘蔵の逸品なんかを展示している。のみの市じゃないから掘り出し物はないけれど、ある程度評価の定まった作家ではない新進気鋭のアーティストなんかをまだそれなりな価格で購入して、これからの成長を見守るって楽しみがあるってことで午前中から行列が出来るくらいの人が来ていた。でも海外からに、とりわけ日本に地理的に近いアジアあたりからの来場者も見込んでいるならせめて入場の時に書かせる登録票くらいバイリンガル表記にしておけっての。前に並んでいた中国系の人なんてどこに何を記入すれば良いのか迷ってたぞ。当日券は3列でさばいているのにこっちは1列しかなかった前売り券の方が受付時の行列が長くなるって矛盾もあったり。誰が来てどうなるかって想像力が足りてないのかなあ。運営。

 中の方では今風って言えそうな萌えキャラ絵のアート作品があちらこちらにわさわさ。それを現代のイコンとして描きポップアートっぽく見せる人とか、萌えっぽいキャラを既存のアーティスティックな表現に組み合わせる人とかいろいろ。権威と伝統の支配する芸術の世界にポップな要素を持ち込み場違い感を醸し出そうって狙いは分からないでもないけれど、その場違い感がアートなのかといわれると、双方の要素が絡み合い既存の概念を突破し観る人に働きかけているって感じよりは、やっぱり単に場違い感そのものをアート的行為と思わせている節があって評価に悩む。ミスターとかタカノ綾さんのフォロワーばかりって言えないこともない。あるいはウォーホルからの。それってもはや伝統芸だよな。

 そんな中でもミヅマアートギャラリーの山口藍さんはちょっと良かった。和風に萌えっぽいキャラが混じる感じが和の記号化と洋の記号化の混在になっていて不思議な画面を作りだしている。その意味では戦争画みたいなモチーフに女子高生を叩き込む会田誠さんに方法論が似てる。出てくるものはまるで違うけど。14日まで水間アートギャラリーで展覧会が開かれているみたいなんで時間を見計らってのぞいてみよう。あとランジェリーおねえちゃんのリアリズム絵画な松山賢さんの作品が観ていて実に愉快。昔は割にグロテスクな感じもあったけれども最近はスタイルも良くなりランジェリーも可愛くなって目に潤いをあたえてくれる。絵よりは抱き枕にして欲しいって感じ。Nadiffあたりで商品化を是非に。しねーよ。

 スリムでスタイリッシュな女性男性の像を素焼きのテラコッタで造る北川宏人さんも良かった。ワンフェス的キャラクター造型アプローチとは違ったオリジナリティがそのフォルムに見える感じ。バリエーションに限界もありそうだけれどそこから派生して進化していくフォルムを楽しむのも面白そう。小山登美夫ギャラリーではQi Zhilongって中国人アーティストの描いた人民服少女絵がなかなかのビジュアル。中国の今を描いてそのカルチャーギャップを楽しむって絵ではなく、文化大革命からもう30年以上が経って改革開放からだって10余年が経過した中国じゃあ、こんな娘も過去の話ってことでノスタルジックで前衛的なモチーフとして観られ、描かれ、興味を持たれたりしているんだろう。るんだろうなあ。

 異世界へととばされた少女2人が神様になって神様どうしのバトルロイヤルを演じたり、神様が地上へと降りてきて天使も交えて一家で暮らしているくらいだから別に、神様が現世に降臨しては大暴れしてたって不思議はないってことで、日下弘文さんの「000のエレナ」(富士見ファンタジア文庫)は孫悟空に孔雀明王にほか様々な古今東西の神様たちが悪鬼となって地球に進行。そのパワーでもって人類を追いつめているんだけれどそこで負けては人類の名が廃るってことで、組織を作り優れた人材を集めて暴れる神様に対抗しようと頑張ってる。そんな中にあって1人の少年が、どうやら神様たちの中でも強力な主神クラスに対抗できる存在らしき少女を確保しようと隔離された街へと乗り込んだものの、神すら倒せる少女はなぜか住民たちに虐げられていて不憫な暮らしを送っていた。

 悪さをする神魔を倒しても与えられるのは黴びたパン切れ程度。声もかけてもらえず誰にも親切にしてもらえない日々を送りながら、それでも仕事だと神魔を相手にクロノ・レイザーこと真紅の大鎌を振るっていたエレナという少女の姿に少年は心を惹かれ、少女が「聖櫃(アークス)」という人類にとって神魔と戦う切り札になる存在だったら捕まえて来いという命令も無視して突っ走ろうとするが、そこに現れた新たな敵。それは外から現れ災いを成す神魔ではなく内に知らず入り込んでいた神魔たちだった。外からも敵。内からも敵。追われる身となった少年たちに、というより人類に未来はあるのか、あるとしたらエレナはどんな役目を果たすのか。いろいろと興味深い設定を遺しつつ終わった第1巻に続くだろう展開をとりあえずは待とう。しかし何故に神様なんて偉大な存在が地球如き、人類如きを今さら攻めて滅ぼそうとするのかねえ。その辺りへの答えもよろしく。


【4月9日】 生きていたのか岩佐まもるさん。いや別に消えてはいないけれども「ダンスインザウィンド」から始まり「ブルースター・シンフォニー」あたりまで続いた角川スニーカー文庫での活動がぱたっと途絶えてだいたい4年? その後どこで何をしているのか山とあふれるライトノベルの刊行ラッシュに流されチェックを怠っていたんだけれども気が付くと今や日本全土がその成り行きを注目している「コードギアス 反逆のルルーシュ」の小説版を角川スニーカー文庫より5月1日に堂々刊行。その名も「コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE0−ENTRANCE−」では7年前のルルーシュが日本へと送られそこでスザクと出会いやがてブリタニアの進行が始まる辺りまでのアニメーションでは回想に登場するシーンが描かれている、らしい。

 つか書評の連載をずっとやってる関係でしばらく前から届いている「ザ・スニーカー」に一部が掲載されているんで読めば内容も分かるんだけれど、読むと全編が読みたくて5月の発売日が待ち遠しくって身もだえに苦しむことが確実なんで今は我慢。だいたい4月の終わり頃には並ぶだろうから見計らって書店へと赴き「涼宮ハルヒ」みたく品切れ完売となる前に買い込んで読もう。でも読むと今度はアニメが観たくてたまらなくなるからなあ、ここでこう語られていることがアニメのここに繋がっているんだとか確かめたくって。「コードギアス」関連ではビクターエンタテインメントから「コードギアス 反逆のルルーシュ Sound Episode 1」なんてものが出るみたいでジャケットが可愛らしくもエロくってもう買うしかないと今から決意。あんな帰結を迎えたあとにコミカルさも含まれている様子が感じられるドラマCDを平静に聴けるかが不安だけれどそこは芸達者な方々による演技を愉快に楽しみつつ、毎月の発売を味わいながら再会される放送を待つとしよう。

 「らき☆すた」を観て笑い死ぬ。「宇宙鉄人キョーダイン」かよ。それがエンディングかよわはははは。観てたよ毎週楽しく主題歌も唄ってたよ小学5年生だったよそれが30年を経て再登場かよ笑うしかないようひひひひ。それもそれで引っかけなんだろうけれども大勢はまるぜ「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンディングをよりゴージャスにした感じのオープニングの方に引っかかったみたいで流石に京都アニメーションだのやっぱり京都アニメーションだの初戦は京都アニメーションだのといった感じに「ハルヒ」を引き合いに出しつつ本編での表面上の動いてなさを上げてもはや力つきただの何だのと毀誉褒貶も喧しい。でもぐりぐり動きゃあアニメって訳じゃなし。表情にしぐさにテンポにそしてフックの盛り込み方も含めてこいつはとんでもない傑作だ。見始めたらもう目が画面から離せないくらいにセリフとシーンがシンクロして迫ってくる。

 もしも普通にチョココロネとシュークリームとショートケーキとアイスキャンデーとソフトクリームとカレーの食べ方だけでアニメを付くってAパートの大半を釘付けにさせ続けられるのか。目玉焼きにマヨネーズ! 親子丼にマヨネーズ! 納豆にマヨネーズ! 半熟のゆで卵にマヨネーズ! そんな話を女子高生が囲み話しているだけのシーンなのに観ていて目が離れず聞いていて耳が話せない。そして不思議なズレっぷり。女子高生が学校の中でネギタン塩の正しい焼き方について議論するアニメなんて過去にあったか? つか最近の女子高生って奴は焼肉屋に言ってネギタン塩を注文して食うのか。本当にネギタン塩は裏返さずに焼くのか。ネギは後から載せて食えば両面焼けるというのが正解なのか。分からないけれどもいろいろと奥深い示唆を得られるって意味で教養性も高いアニメだ。

 そんなネギタン塩について喋った口が続けて深夜アニメの放送時間がぐちゃぐちゃになるし場合によっては潰れてしまうからってプロ野球のシーズンインを批判している。そんなセリフが出てくる回が統一地方選挙の影響で千葉テレビでは放送時間が早まりテレビ埼玉では放送がなくなったとかどうとかという皮肉っぷり。放送日に選挙があるなって狙ってこの回を最初の放映話数に持って来たんだとしたら制作スタッフのいけずっぷりも素晴らしく凄まじい。とどめが例のエンディング。カラオケのボックスの中で唄ってるって設定だから調子は外れているけれど、耳に強く残る歌詞なだけにかえって激しくせまって来る。思わず唄いたくなったぞ似た感じに調子を外して。まさか毎週「キョーダイン」って訳でもないだろーから次はいったいどんなエンディングが用意されているかにも注目。別に絵はカラオケボックスのドアで変える必要もないから歌だけ差し替えで。何だろうなあ。「超電子バイオマン」なんかが聞きたいなあ。

 芸は身を助ける。そして愛は人生に活力を与える。かつて米競馬の最高峰「ケンタッキーダービー」で2連勝を果たした黒人ジョッキーがいた。ジミー・ウィンクフィールド。強まる黒人差別に職場を追われ国外へと出た彼の名はほぼ1世紀、04年に殿堂入りするまで競馬の歴史から忘れ去られていた。だからといって不遇のうちに世を去ったわけではない。ロシアへと渡った彼はジョッキーとして大活躍して栄華を極め、ロシア革命の戦火も無事にくぐりぬけてフランスでレースに勝ち、調教師として成功してロシアの時に負けない富を得た。

 女性遍歴も華やかだ。最初の妻は黒人女性だったがロシアでは軍人の娘を妻にし続いてロシア人男爵の娘を妻にして子も成した。愛人もいて子供をもうけさらには別の浮気相手から銃で撃たれる“名誉”の負傷も。ナチスドイツにフランスの土地を奪われ米国に戻って下働きに甘んじる日々も送ったが、それでも持てる馬を見極め競走馬として育てる腕前が彼をその日暮らしの労働者の立場にはとどまらせなかった。調教師として雇われた彼は次々と名馬を生み出し、賞金をもたらしその馬に賭けて得た払い戻し金で再び安定した暮らしを取り戻した。

 名誉を奪われ名前を消され歴史の闇へと葬られる黒人たちの苦渋という、人種差別がもたらした悲劇のドラマににとてもじゃないが収まりきらない破天荒なその人生。一芸に秀でることの大切さというものに気づかされるし、才能があれば卑屈にならず、自信をもって女性にアタックし人生を充実させらえるのだと教えられる。雑誌のパーティーに招かれたホテルで云われなき差別を受けても泰然自若と構えられたのも、経た波瀾万丈の人生と絶対の自信がもたらす達観があったればこそ。迷える者はジョー・ドレイブの「黒人ダービー騎手の栄光」(アスペクト)を読んで不満に鬱屈した心を洗い、背筋を伸ばして前を向け。


【4月8日】 えっと何て言えば良いんだろう。もう何を言っても嘘にしか聞こえないけれどもとりあえず実に挑戦的な作品だったと「シャイニング・ティアーズ×ウィンド」のことを記録に留めておこう。学園みたいな場所にいきなり獣人が現れ暴れ出すのを見て腰を抜かすどころか学校が壊されちゃうとおっかける男子生徒と女子生徒は他に類を見ない献身ぶりだし、その獣人を追い掛けて来た猫だか犬だかの耳がひょこっと生えた女の子を見てやっぱり不思議がるどころか一緒になって戦うところに差別も区別も存在しない博愛の精神が隅々まで広がった世界の存在を予見させる。耳を見られたくらいで少年に頬赤らめしなをつくる犬だか猫だかの耳が生えた少女の博愛ぶりにも驚くけれど。

 そんな超心理描写に加えて超の付く展開がテンコ盛り。走る獣人に向かって瞬間で連続して3本の矢をたった1人の女の子が放った様は人間業を超えてるし、加えてその女の子は次の瞬間に更に1本、矢をつがえていたりするからすごいというか、1秒にきっと6連射くらいできる腕前の持ち主なのかも。まさしく超人。んでもって異世界へと召喚された少年と少女がひとつ目の巨人に襲われた際、巨人が振り下ろしてきたきっと数百キロはあるだろー剣を少年がしっかと白刃取りしてしまうのもやっぱり超人だからで、それを説明もしないで見せてそれとなく納得させてしまう超演出の凄さを、ここもやっぱり驚いておくべきなのかも。

 巨人に剣を胸に突き刺されて死ぬ間際の女の子がおそらくは心理描写で後を誰かに託そうとしたシーン、少女が雪の舞い散る中をマフラーをした姿で叫ぶ展開も常人では意味不明。だいたいが少年と少女が召喚されやって来た場所はアフリカのサバンナにも似た暖かそうな気候なんだけどそこはそれ、愛の通った関係が途切れる時ってのはたとえ熱帯雨林の最中でも砂漠の真ん中であっても少女の心に雪が降るんだろー。そうかつまりはあの演出はそんな人間の強い業って奴を示すための演出だったのか。なるほどなあ。少女に覆い被さっている鬼に向かって、手近な鬼をひっつかんで投げる少年はいったいどんな腕力だ。でもってそのまま真っ直ぐ飛んでいった鬼が、少女に覆い被さっている鬼に当たれば当然3人まとめて潰れるはずなのに、なぜか鬼が鬼に当たると2匹だけが少女を避けてふっとんでいくのも実に不思議。きっと不思議な重力が働いている世界なんだろー。世界の謎を見極めるためにはしばらく見続けないといけないのかなあ。辛いけど頑張ろう.

 対して「ラブ★コン」は完璧な面白さで放送された直後にまた見返してしまったくらい。これが老舗・東映アニメーションの底力って奴なのか。170センチの女の子と153センチの男の子が繰り広げるコメディ&ラブって奴でそれが関西を舞台に関西弁で繰り広げられるものだから明るくって実に愉快。両突っ込みな感じでやり合うテンポとそれを描く絵のマッチが素晴らしく、聴いて良いけど見ればなお良いアニメに仕上がっている。これは原作の良さなのかなあ、でも読んで面白い面白さとアニメにした時の面白さは似てやっぱり違うもの、心に刻まれた漫画を読むタイミングとちょっとでもズレるととたんに違和感が広がるもので、その辺り原作を読み込んでいる人がアニメをどう感じたのかがちょっと知り合い。

 とにかくデカくて勝ち気な女性への萌え魂がくすぐられる設定が愉快。でも小さい田中さんもかわいい。津田健次郎さんによる鈴木くんの二枚目なのに木訥として淡々とした喋り方がずっとクルツ社長ってのは「セイントオクトーバー」での演技プランが伝染ったか。キャラクターが喋る関西弁の正確性が云々って関西方面にネイティブな人から言われそうだけれども、時々流れる名古屋弁おドラマが山田昌さん天野鎮男さんの夫婦をのぞけば割に適当なんだけど、聴いているうちに馴れるのと同様「ラブ★コン」だって聴いてりゃまあそんなもんだと思えれ来るんじゃなかろーか。

 TBS枠で関西弁のアニメをやって土6の毎日放送枠で「地球へ…」をやる謎はあるけれど、「ウルトラマンメビウス」だったTBSの土曜日午後5時半の特撮枠がアニメ枠になった勢いで、ともに毎日放送が絡んでいる「コードギアス 反逆のルルーシュ」の第2期と「ガンダム」新作の椅子取りゲームを一気に解消といってくれると個人的には嬉しい限り。つか別に「ガンダム」なんぞ2年後でだって見る奴ぁ見る気もするんだがなあ。逆に「ルルーシュ」はいくら良い時間帯に移動できるっていったって、1年後では関心も萎んでしまうよなあ。DVDのリリースだってその頃には尽きてるし。せめて再放送があればなあ。朝の4時からだって構わないからやって欲しいなあ。それで撮り逃していた話数を入れて放送版もコンプリートする、と。DVDと本編では音楽とかの入り具合が違うように感じるんだけれど、これって気のせい?

 そして2週間ぶりの「フクダ電子アリーナ」は最初こそ陽も差して暖かかったけれどもだんだんと冷え込んできて脚が寒い。でもそんな寒さも吹き飛ばす暑くて熱い試合を見せてくれたんで途中で寒さに負けて帰ろうなんて気がまるで起きなかった。対横浜FC戦争は結果から言えば圧勝! 中央からの仕掛けがあり、サイドチェンジからの突破とそして折り返しのクロスもあって縦横無尽に攻めていた。前半は1点で中央からほぼフリーで撃った佐藤勇人キャプテンのミドルが脇にそれたのを見てここで得点できないと後半に追いつかれて自滅もあるかもなあ、って心配も浮かんだけれども後半に入って守備は破綻せず攻撃も休まず山岸智選手もサボらず前へ前へとプレッシャーをかけてかけまくる。

 1点負けてる横浜FCもそこでベタ引きに守ることなくラインを割と高めに設定して攻めようとするんだけれどトップに張った巻誠一郎選手があっちこっちを走って前線へのフィードを許さず早いカウンターをさせない。逆に後方からちょんと出されるボールのことごとくに競り勝って落としていると、やがて後方からそれを狙って選手たちが出てくるよーになって前へのプレッシャーがさらに強まりそしてまずクロスから巻選手が全身で押し込み待望の追加点。その後もゴールキーパーへのボールを巻選手がつめて撃ちはじかれたところを拾って撃って止められても諦めずにまた拾い撃った羽生直剛選手が決めて3点、さらに山岸選手が絶好調時を示すゴール隅前へと走り込んだところで受けてシュートする動きで得点を奪って4点目。完璧な戦いぶりでリーグ戦初勝利をあげる。元より良い攻撃がポストにはじかれていたところもあっただけに、気持ちも前向きになってこれからどんどんと勝ち続けられるんじゃなかろうか。とりあえず次節の勝利が重要か。どことだ。

 バックスタンドの2階席ホームゴール寄りで見ていたんだけどカラスがぐるぐると回って階段の手すりにとまり物欲しそうな顔をしていたけれど近くじゃなかったんで何もあげられず。そういや「なでしこジャパン」のメキシコ戦の時もポールに烏が止まってて試合に勝てたからきっと勝利に烏は吉兆、なんだろう八咫烏を胸に飾った日本代表も多いことだし。あと試合途中に火災報知器が鳴って非難しろとか言われた誰も動かなかったのは試合に熱中していたからか。

 どうせ誰か間違えて報知器を押したんじゃないのって思っていたけれど、バックスタンドから対面のガラスが入ったいつもアシマ・オシムさんが座って見ている観覧席で、あれはジョルジェビッチの奥さんかアマル・オシム家の誰かかの子供なのかな、佐藤勇人キャプテンの背番号が入ったウェアを着た金髪の幼女にやっぱり勇人選手の番号入りウェアを着た歳ちょい下の男の子とさらに下の男の3人が、試合も見ずに小さいサッカーボールを蹴ってずっと遊んでいたのが双眼鏡から見えていて、とくに女の子の外国人的可愛さに試合と交互に観察していたら、途中で消防がいっぱい詰めかけていた姿が見えたからたぶん遊びすぎてボールか当人が報知器にぶつかったんだろうなあ。あれで試合が中断して勝ちが消滅したら怒りも向かっただろうけど、試合にも勝ったし可愛かったんで許す。

 んで「冬の巨人」。読売巨人軍は今年も低迷という話ではなく古橋秀之さんの新刊で徳間デュアル文庫から出る出ると言われてなかなか出なかったあれがようやく出たってんで買って読んでみたけどうーん何か食い足りない。それは雲に覆われた極寒の地表をげしげしと歩く巨人の背中で暮らしている人類が限界に際して目覚め行動するって話の芯は芯として、いろいろと感じるところがあるんだけれどどうして巨人に乗って人類が移動していなくちゃいけないのか、どうして地表は冬なのか、そしてたどり着いた先に待つのは何なのかって部分の説明をとりあえずほったらかしにしてあって、そこにこそ作者のアイディアの爆発を見たかった身にはだから何だか肩すかしな気分。

 クリストファー・プリーストの「逆転世界」みたいに成り立ちにもアイディアを盛り込みつつその上に暮らす人間たちの感性もシチュエーションに合わせて改変させて、読む人に異形のビジョンを見せるような話だったら傑作として後世に伝えられたかもしれない。暮らしている人たちの意識に長い年月、それこそ数百年って単位を現実とは異なるシチュエーションで暮らしたことによって人類に生まれるだろう心理的物理的変化がそれほどなくって、現実にある極寒の地での暮らしぶりと割に地続きだったりするし。

 それは「天元突破グレンラガン」にも言えることで、地下にそれこそ何十年とか暮らしている人たちには地上への禁忌を擦り込まれていて当然で、そこに産まれた異分子があって排除された果てに上がって未来を拓くってのが王道なのに、「グレンラガン」は割と平常に地上へと憧れる人間が出て来る。シチュエーションの変化が生む影響への思弁こそがキモ、って訳ではなくって「冬の巨人」だったらいずれ尽きる資源、荒れる環境という地球の現実を巨人に仮託して人類の進むべき道を考えさせる意味はあったりするから良いんだけれど、そこより更に1歩を進めた話になっていればもっと読みごたえがあったかも。デュアル文庫で読みごたえがたっぷりでも困るんだけど。だから同じアイディアで大長編を古橋さんにはものにして欲しいよなあ。「シャングリラ」を超えるくらいの分厚さで。


【4月7日】 「ラーゼフォンCD BOX」を聞いて納得、橋本一子さんだよ徹頭徹尾。こんなジャズで現代音楽なオリジナルサウンドトラックを買って聴いた人はたぶん、オープニングの坂本真綾さんの「ヘミソフィア」のフルバージョンが目当てだったんだろうなあ。んで全部聴いてみて全体のトーンのあまりのジャズっぽさに違和感を覚えたんだろうなあ。でとりあえず途中をすっとばしてエンディングの「夢の卵」を聴いておわり。それくらいに前後と中とで違ってる。まあエンディングは一子さんの歌なんで一子さんの歌物を聴いている耳にはそれも一子さんに聞こえるんだけど。

 2枚目3枚目についても同様で、本放送時にほとんど見ていたなかった人間が聴くと、やっぱり橋本一子さん以外のなにものでもない音楽。決して耳障りが良いとは言えない、時に不安感すらかきたてられることもある、そんな橋本さんの音楽を使おうと決めたスタッフの人の凄さに頭が下がる。そうえいば03年5月3日の「SFセミナー」の合宿で出渕裕さんが、ジャズっぽい音楽をやってた一子さんを聴いててあと岡野玲子さんの「コーリング」に付属のCDも聴いてて、それでライブの開場に「ラーゼフォン」をやってとお願いに言ったって話をしてたっけ。そこで会って瞬間に「声優やりませんか」と思ってもいなかったことが口を衝いて出てたとも言っていた。これが瓢箪からママンって奴? 役柄的にはハマってたみたいだけれどその後にアニメの声優をやったって話を聞かない所をみるとやっぱり、相当に英断だったんだろうなあ。また聴きたいなああの喋り。

 折角だからと録画してあった「キスダム」も見た眼鏡っ娘かわいいよ眼鏡っ娘。だけど過激に伝家の宝刀だか何かを抜いて死にかけた主人公をぐっさりひと突き。そこからきっと超人が産まれて地球を襲う魔物だかなにかと戦うって話になるんだろう。第1話なのに詰め込んでエピソードを断片的に重ねて一気に話を進めるってのはどうなんだ。もーちょっと溜めてまずは主人公っぽい兄ちゃんが普通に仕事をしていてだけれどもぶち込まれた一方で眼鏡っ娘のお姉ちゃんが秘宝を見つけるあたりまでにしておけば良かったに。それだと空から化け物が振ってくるスペクタクルが描けず掴めないか。うーんつまりはやっぱり構成の悩ましさってことか。まあとりあえず赤毛の兄ちゃんがどんな感じに変貌するかくらいは見極めよう。エイジって名をなのって宇宙に飛び出さないかに注意だ。

 かつてそれほど手広くはないけれども堅実に飽きないをしている専門問屋があって、様々な仕事の道具を仕事人たちに売ってまあそれなりに支持はあつめていたんだけれども世が不況となると仕事が減って、道具の需要も合わせて減って、専門問屋としての商いに陰りが見えた。そこでいずれ快復するだろう景気を見込んで力を蓄えれば良かったものを、本家から来た新しい店主が今日はこれが流行っているぞ、あしたはこれは流行るぞと一部分を取り上げ特化しはじめたものだから堪らない。付いてた古くからのお得意さまは道具が買えなくなったと離れ、かといってきのう今日始めた商売がうまくいくはずもなくじり貧へと向かいそしていよいよ倒産かと思われた時、本家の大店もこれは拙かったと認めそして専門問屋の建て直しに乗り出した。

 考えられるのは今ふたたびの専門問屋としての品揃えの向上で少しでも残っていたお得意さまを引き留めつつかつてのお得意さまに帰って来てもらい、手広くはなくても手堅い商売を復興させることだけれどもそれではボリュームが見えないと、本家がとったのは専門問屋のコンビニ化。売れ筋の商品を絞って並べつつ日々に目立つポップを立てキャンペーンガールも読んで騒いで少しは盛り返したみたいだけれどこれで決定的に過去のお得意さまは離れてしまった。ならばもはや後戻りはできないという覚悟でコンビニ化の徹底を図ればまだ良かったもののそこは新興コンビニ、全国に手広く商いを広げているチェーン店には及ばずそこそこの日銭は稼げても新規店舗を広げるまでには至らない。そうこうするうちに目新しさもなくなりマンネリ化した品揃えとキャンペーンに客も離れていった時に、コンビニがやったのが仕入先からのマージンで稼ぐこと、だった。

 別に売れなくたって店に並べれば仕入先からマージンが入るし、仕入先も普通の店には卸せないいわくつきの品でも並べてくれる、それを見て誰か知らずに買ってくれれば儲けものって思惑も重なって話は成立。だけど世の中そうそう間抜けばかりじゃなくって並んだ品揃えにこいつは何だと眉をひそめてますます敬遠する人も出て、さらにじり貧の度合いを増していよいよ再びという時に、最初の店長がちょっぴりだけど立て直したってゆー実績を元にご栄転した後に入ったコンビニの店長が考え出したのが、数年前に捨てたはずの専門問屋としての道だったと。がしかし。千切れたお得意さまとのルートをつなぎあわせられる店員はもうおらず向こうも切られたことを心に刻んでこれからの品揃えに半信半疑。そこより買って買い続けて良いのかと逡巡して店によりつかない。

 ならばと実用新案が出たばかりの突飛な品を売りつつ製造元から店に並べるマージンなんかを頂こうとしても、客の来ない店にそんなものを卸す理由はない訳で、かくして数年を無駄にした挙げ句にたどり着いた、今再びのじり貧のスパイラルは遠からず加速されて店は跡形もなく消え去って、店員も路頭に迷うという資本主義の残酷さを現す夢を見たけどこれがいったい何を象徴しているものなのかサッパリ分からない。まるで検討もつかないんだけれどもまあそのうちどこかで似た光景にでくわすってゆーお告げと思い、油断をしないで日々を堅実に暮らしていくことにしよー。厄年も後厄で残りを何とかやり過ごしたいものだけど、世界はこれでなかなかにダイナミズムに溢れているからなあ。

 早売りの「月刊アニメージュ」2007年5月号で真っ先にチェックした「コードギアス 反逆のルルーシュ」の記事では後ろ姿で見返るC.C.のイラストのお尻の丸みにまず目が行ってしまった自分が情けない。とりあえずユフィの命運は踏まえた内容になってて方や騎士として使える主君を、こなた最愛の妹を亡くしたスザクとコーネリアが背中合わせで立ち燃え上がっている絵から想像するにイレブン嫌いだったコーネリアが同じ恨みを抱いたスザクと共闘するって展開もあるのかな。でも妹を守れなかった騎士を許すとはコーネリアに限ってあるとは思えないしなあ。共闘って線からゼロへの共通の恨みが同志愛を芽生えさせそして本当の愛へと向かい歳の離れた夫婦誕生、でもって毎朝コーネリアがスザクを濃厚に抱きしめデレるシーンを妄想しつつ身もだえする「コードギアス」なき夜。1日1ルルーシュ。後がまに座った「DARKER THAN BLACK」も悪くはないけど「ウィッチブレイド」で「ウィッチハンターロビン」で「KARAS」な気分が感じられてどこか既視感にお腹が満たされてしまうんだよなあ。でもしばらくは見続けよう。


【4月6日】 なんだあの踊りは。フラダンス、ではないけど他の何とも例えられない黒ロリと白ロリによる次回予告バックでの両腕をゆらゆらひらひらとさせる踊りが目に焼き付いて離れません。ずっとぐるぐる回っているより印象度高し。だけど赤ロリは相変わらず横で徒手体操をしているだけ。これが自立って奴か。それとも単なる我が儘か。

 ちなみに新エンディングをうたうのも赤ロリちゃん。ちゃんはよせ、って言われても見かけは1番可愛いからなあ。エンディングだとあの帽子、ヒモで結わえられていたんだなって分かるけど、だったらそのヒモはどこに結ばれていたんだろー。白ロリの額のひえピタシートも着脱可能。黒ロリの耳も。だけどあれって変身して初めて現れる奴だよね、別に体にくっつている訳じゃないのか。

 んでやっと「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」を見る。どこかで見たことがあったり読んだことがあったりするシチュエーションなのは「ヒロイック・エイジ」と同様、か。だけど後藤圭二監督作品にしては顎がくびれてもいない独特のキャラクターデザインが見ていてどこか上っ面だけのアットホームの裏に殺伐とした感情が広がっている世界の雰囲気にマッチしていて見ていてぐっと引き込まれる。「かみちゅ!」もデザインしていたらしー薮野浩二さんのデザインで、そーいやあっちも唇、ふくれてたっけ。

 とはいえ可愛らしさへと傾いていた「かみちゅ」と比べると印象はまるで正反対。幅が広い人なのかな。それとも門之園さんの原案を思いっきりいじくったからなのかな。唇があって眼球が立体なキャラクターっていうとプロダクションIGの例えば「人狼」なんが思い出されるけれど、あそこまでデザイン的に文芸していなくってかろうじて萌えに指先がかかっているところが、門之園さん原案でありまたテレビシリーズとしてマニアに見てもらってひっくり返られないギリギリの線か。突っ走りすぎて「ノエイン」みたくなるといくら話がすごくて動きが凄まじくっても評判、とれないもんなあ。ところでエンディングは別のアニメですか。キャラ違い過ぎ。

 ゲームだと思っていたのがリアルな戦闘に結びついていたってのは「エンダーのゲーム」であり最近だと「クジラのソラ」か。奥多摩に秘密基地ってのは「終わりのクロニクル」だよなあ、あれは八王子あたりだけど、んでパイロットの資質に呼応してメカが動くのはご存じ「新世紀エヴァンゲリオン」でありつい最近も「アイドルマスター」で見たばかり。千切れた手を他から奪ってつなぎあわせると元のデザインになってしまうのも「エヴァ」で見た光景だけど生態感が出ていた「エヴァ」ならいざしらず、あれだけメカメカしい「ギガンティック・フォーミュラ」のメカでいったいどーゆー理屈になっているのか、ちょっと知りたい。

 ってゆーかそもそも何なのギガンティックフォーミュラって。誰かが与えてくれたもの? それは人間? それともオーバーロード? オーバーロードが地球の平和につながる世界統一を誰かにさせるべくマシンを貸与したって設定なのかなあ、それもそれでどこかで読んだ記憶があるよなあ。でもいいやそーした既視感をおいて絵がすごく動きも素晴らしくって見せ方も巧い「ギガンティックフォーミュラ」。サンライズだけあって確実性の見込める「アイドルマスター」とは違った意味で、期待をしつつ不安も噛みしめながら最後まで頑張ってつき合おう、極力録画してすぐに見る方向で。そーしないと見ないまんまDVDに焼いてそれっきりって可能性が高いし。「すもももももも」も「妖妖士」もそんなだったりするし「キスダム」もそーなりかけてる、聴くだに評判がアレなんで。

 さらに「ながされて藍蘭島」 も見てこれはとりあえず良いものであると理解、ややチープさの漂う同じスクウェア・エニックス発行漫画誌連載作品の「瀬戸の花嫁」とは格が違うっていうか何というか。家でしてたどりついたそこは女だらけの離れ小島。妙齢の女の子たちがわんさかいてどーして1人たりとも女の子たちの父親がいないの? って疑問もきっと連載に対して寄せられているんだろーけど、そーしたことを難しく考えると楽しめないから今はペンディング。決して女性恐怖症でもない主人公が美少女に囲まれおたおたする様も不思議だし勿体ないけど、ギラギラした目で追われると身も縮むんだとここは理解。強制的に出来上がったハーレムの中で果たしてどんな振る舞いをするのかに注目して見ていこう。

 ああもう今晩は放送がなんだと思うといてもたってもいられず敬遠していた漫画版「コードギアス 反逆のルルーシュ」を買って読む、なるほど展開としては間違いはないんだけれど全体として話がミニマルな感じ。カレンもテロ組織ってよりは単なる学生運動の延長みたいな形で近所で悪さを繰り返しているだけで、それなのに学校とは違う格好をして活動をしているところが妙に愉快。学校にロイドさんが教師としていて、それだけじゃなくスザクが最初から通っていて、更には他の旧日本人が名誉ブリタニア人としていて扱われ方に対して不満を露わにしているのが決定的な違いか。

 アニメーション版だと名誉ブリタニア人はゲットーから出て租界に入っているにはいても、どちらかといえば下働きとは兵卒といったところに甘んじていて、名誉が意味する“対等”さとはまるで無縁だったから。だったら何のための名誉ブリタニア人制度なのかって疑問もあって、漫画版はそれにひとつの答えを出してくれているって言えば言えそう。アニメがあんなことになって漫画版はどんな展開を見せるんだろう。放送に先行するのか放送再会までテレビで放送済みの部分を淡々と描いていくのか。どっちにしたって放送終了から10年経っても完結しないあの漫画とは違い並行しつつ時に違った解釈展開も踏まえながら、完結を迎えてくれることだろー。スザクの方も読まなきゃ。


【4月5日】 土曜日はどーやら雨みたいで国立競技場で開かれるサッカー女子日本代表が確か香港代表だかと戦う北京五輪の予選を果たして見に行くか、悩ましいところだけれど雨に近い天気だったらこっちの奮闘は天王山ともいえる韓国との戦いに見ることにして、ふたき旅館で開かれる「SFファン交流会」の方に顔を出してみようかどうかと思案。していたところに立ち寄った石丸電器でモモーイ桃井はるこさんのライブDVD発売記念イベントが同日午後6時から開催でDVDを買えば行ける整理券がまだ付いてくるみたいで、うーんうーんと悩んだものの手持ち不如意でDVDはしばらくお預けにする。つーかそれって行くってことか。どーするか。どーするのか僕。あの立派過ぎる脚を見たいって気もするんだよなあ。

 モモーイは先延ばしにしたけれどこっちは購入した「ラーゼフォン CD BOX」。何てったってあの橋本一子さんがほとんど手がけた音楽が4枚ものCDに収録された豪華版。長の橋本一子ファンにとってはこれだけのボリュームで浸れるって機会は貴重過ぎるくらいに貴重なだけに買うしかないのだ、5000円って値段もとってもお買い得だ。最近は「Ub−X」ってユニットを組んでて4月18日にはニューアルバム「Vega」も出て6月23日には森下文化センターでコンサートまで開かれることになってて是非に一度はご尊顔を拝しておきたい橋本一子さんでも、幻想性において抜きんでたイメージを持っている「ラーゼフォン」の楽曲集。聞けばきっと微睡みと幽明の境地に誘われているに違いない。

 とか言って実はテレビシリーズとしてはほとんど見ていなかった「ラーゼフォン」。だから音楽についてもCMとかで流れた奴しかあんまり聞いたことがない。それが耳に残るくらいだからきっと本編は浴びせかけられるようにすごい音楽のオンパレードなんだろー。ちなみに劇場版の「多元変奏曲」は見て音楽だけじゃなくって声優さんとして沈鬱にして冷静なお声を確か池袋のシネルーブルだかで聞いたっけ。その役でも美人だったけど当人も写真を見るととっても美人。「YMO」のツアー参加時から数えてえっと30年近くは経っているにも関わらずの容色を、一度はやっぱり間近に見てみたいよなあ。妹さんで「ラーゼフォン」でも歌を唄っている橋本眞由己さんも美人な美人姉妹の美人音楽活動を見られることってあるのかな。2人ともラーゼフォンの扮装で出てきたらちょっと泣いちゃうよな。

 「美少女騎士侯マリアンヌ」の可能性をまるで根も葉もないもだって思えないっていうか思いたくない理由に、これもあちらこちらで評判になってる公式ページに掲載のキャラクター相関図の表記があってルルーシュに撃たれたシュナイゼルには×がついて死亡となっててそれからカレンに輻射波動で電子レンジの生卵みたく焼かれたキューエル卿もやっぱり×で死亡、さらにはC.C.に撃たれたマオもやっぱり死亡となっているにも関わらず、当初から暗殺されたってことが明らかにされていたマリアンヌは未だ死亡の印がついていないことがあるいはって予感を助長している。

 それをいうならユーフェミアだってまだ健在なんだけど先週の今週では手直しする暇がなかったって言えば言える。ただまあどうでも良い男性キャラなど顔に×をつけても誰からも文句は言われないけど麗しいユフィに綺麗なマリアンヌの顔を×印で潰すのもしのびないって配慮から、わざと未だに×印も「死亡」の文字もつけられずにそのままにされているのかもしれない。だからこれを見てやっぱりと思うのも早計だけどしばらく経ってユフィに×がついてもなお、残っているよーならばちょっとは期待も浮かんでくる。成るか「美少女騎士候、閃光のマリアンヌ参上!!」「美少女って歳でもないですわお母様」「ナナリー、それちょっとキツいよ」「マリアンヌは生きておるのだ」って親子水入らずの場面。1日1ルルーシュもネタ切れは近いか。

 これはどこの「舞−乙HiME」+「新世紀エヴァンゲリオン」ですかな「アイドルマスター XENOGLOSSIAはサンライズだけあって絵は完璧だし話も起伏があって面白い。どっかの田舎でアイドルのオーディションに受かった少女が上京しつつも寮にいく途中で道に迷っていたら事件が勃発、そこになぜかシンクロしたロボットがあらわれて少女を導くってところは舞台を新東京市にかえれば「エヴァ」の1話に通じるイントロだし、少女たちが集まり何かの技をもって戦うあたりは「舞−乙HiME」みたい。サンライズだからテイスト的に近いのは後者かな。でも敵としてボートで乗り付けてきたお姉さんはミサトさんっぽかったし。どの少女たちもゲームから派生した2次元絵じゃなくちゃんと3次元の骨が入った姿で造型されている所が流石な作画力って感心を誘います。それだからこそ見て嬉しいでこちん水瀬伊織ちゃんの恥ずかしい格好。

 んで「この青空に約束を」。なんかの美少女ゲームのアニメ化らしいってことで1話で視聴をやめようかって思ったけれど見たら何かこユルい感じが体のリズムにちょっとハマってしばらく視聴継続を決定。いきなり部屋に下着姿の少女が寝ていて彼女が誰だか知らないってゆー突拍子もない展開も展開だけれどそれより高校3年生ってゆー役柄の生徒会長を御歳○○の折笠愛さんが演じているのがまたすごい。というか別に声優に歳は関係ないんだけれどどちらかといえば今は淫靡な色気の含んだお姉さんが役所として多そうな折笠さんをクールで凛とした委員長に充てた英断に乾杯。いつか本領を発揮して主人公の男の子に迫ってくれると期待しつつ見ていこう。

 その主人公の星野航を演じている中村悠一さんはそっか、「おおきく振りかぶって」で冷静沈着なリードで三橋を引っ張る捕手の阿部隆也を演じているのか、ってことは「東京国際アニメフェア」の会見に並んでいたな。CDを買ってついでにネットでDVD−BOXも予約してしまった「ラーゼフォン」で主役の神名綾人を演じた下野紘さんも「おお振り」で天才打者の田嶋悠一郎を演じてて記者発表には確か同席してたんだった。モモカン役を除けば男子ばかりだった会見に着ていた人はあれでなかなかに有名人ばかりだったんだなあ、それにしても男子声優ばかりが出ていてネオロマンス風な展開のとても難しいアニメになりそーな「おおきく振りかぶって」。イベントを開いて皆がユニフォーム姿とか学生服姿で出て来られても地味だもんなあ、いやそれが良いって婦女子もきっといそーだけど、テニプリなんかと同様で。カップリングの解析を急ごう。


【4月4日】 すごいものを見た。あんまりすごくってもう9年近くほったらかしてあったカバーガールを勢いで変更してしまった。マッキントッシュの「LC575」にあれは何だろう、今は亡き「ワードパーフェクト」の付録についていたペイントソフトでマウスを使ってごりごりと似顔絵を描き色を塗ったあと、GIFコンバーターか何かでフォーマットを変え背景と透明にしてからアップしていたカバーガール。でも何年か使ううちにマウスが不自由になりマシンがポンコツになってウィンドウズのノートパソコンへと移行したのを契機に、ずっと変更するのを怠けていたけどそんな怠惰な心に楔を打ち込み左右に開いて溶岩を流し込んで来るくらいの衝撃が、テレビ東京系で新しく始まった「美少女戦麗舞パンシャーヌ 奥様はスーパーヒロイン」にはあったのだよ。ごめんよ岩倉玲音。でもしばらくしたら戻してあげるから。たぶん。

 何がすごいってデザイン設定展開ギャグほとんどがそのまんま「美少女仮面ポワトリン」。企画したのが同じ読売広告社で脚本を書いているのも同じ浦沢義雄さんだからそのまんまになるのも分からないでもないけれど、当時のだらーっとした朝に見てうひひひひとほくそ笑んでは外出に向かったノリをそのまま引き継いで再来を楽しめる人ならいざしらず、これが初見という人にはいったい何だこのユルユルでベタベタな展開と、チープってもんじゃない特撮(特撮ってもんですらない)はってその場でテレビにリモコンを投げつけ、怒りに打ち震えるんじゃなかろーか。

 衣装はコスパでオーダーメード。学生時代もやっていたけど引退して夫も子供も得てからの復帰。そんな素っ頓狂な設定を超えて繰り広げられる場当たりな展開とそこに混じる淡いお色気。夕方に見る番組じゃないし真夜中に見せられても困る番組にどう対処したらいいのかと、震えた身体でその場から動けなくなってしまうだろー。でもでも大丈夫。「ポワトリン」だって「ナイルなトトメス」だって最初はそんな感じだったんだそれが見ているうちにあのワールドに引きずり込まれてしまってたんだ。設定28歳で美少女って歳でもないのに美少女と名乗りそれを突っ込まれてたじたじとするママさんヒロインの、日常に起こる非日常な不条理を日常とシームレスに受け入れ、片づけていくお気楽ぶりを見れば世界はその瞬間から薔薇色に輝く。疲れた脳をとかし張りつめた肩の筋肉をほぐしてくれるリラクゼーション番組として、さあ何も考えずながめ浴びて受け入れよう。

 なんてことをかつて「ポワトリン」やら「トトメス」やら「有言実行三姉妹シュシュトリアン」をカバーガールにとっかえひっかえ描いてた奴に言われたって説得力はないよなあ。しかし10年前はマウスで描いたものを今回はIBMのサブノートに特有のポインティングデバイスこと赤ポッチをくりくりとやって描いたにも関わらず、まるで上達していない具合といい線の揺れ具合といい、ほとんど変わっていないってのは我ながら絵の才能のなさを痛感させられる事態だなあ。かといってタブレットを使って描くほどのものでもないし。というか赤ポッチでも低次元にそれなりのことを描けるんならもうちょっと頻繁にカバーガールを変えるかなあ。とはいえ9年放っておいた「lain」を変えさせるくらいに衝撃度を保った作品が「パンシャーヌ」の後にあるとも思えないから、やっぱりしばらくはパンシャーヌにトップを飾ってもらってそれから元に戻そう。パンシャーヌプティットとか出れば話は別だけど。

 もしも万が一こいつがヒットしたならテレビ東京に作ってもらいたいのが「コミックガンボ」に連載中のヨコシマンさんの「パート怪人悪キューレ」。これまた主婦で夫がいて子供もいる女性が収入の糧にと悪の組織にパートに出て女怪人をやっているって漫画。かくいう夫は正義のヒーローだったりして現場でかちあうこともあるけど力じゃあ奥さんの方が強かったりするから最新号では子供から「うーんとねママみたいに強くて父ちゃんみたいにやさしいヒーロー!」になりたいって言われてしまうから父ちゃんちょっと情けなし。衣装がレオタードに仮面でエプロンってところにゴージャスさはないけれど、バックから見た時の色気はありそう。これも含めて毎号ちゃんと載ってて驚きな上に小説をまんま絵にしているだけにも関わらず迫ってくる迫力がある江川達也さんの「ぼっちゃんBOCCHAN」とか、足立淳さんのシニカル評伝漫画「人間嘘八百」とか、林家木久蔵師匠の評伝漫画とか迫力たっぷりな水着のグラビアとか、まあ読んで毎週読めるんだったら楽しい漫画も増えてきた「ガンボ」なだけにひとつ更なるブレークをねらって、「悪キューレ」のドラマ化なんぞに挑んでみてはいかが。

 そんな流れでいっそ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の第2期にも子持ちの美少女戦士を登場させて一気にブームに火を着けたいもの。子持ち美少女って誰ってそりゃ“閃光の”マリアンヌ様に決まってる。殺害されたって? いろんなところで指摘も上がっていてなるほどって頷いたけれど第1話で死んでたはずのC.C.がすぐさま生き返って再登場している様をその後も含めて見せつけているこのアニメ。死んでいるように見えて死んでいない存在が成立し得る世界観なんだと理解するならあの銃撃の場面でナナリーをかかえ息絶えていたよーに見えるマリアンヌも実は存命で、ブリタニアの宮殿とかに隠れてルルーシュたちを見守っていたのだ。

 だから落ち込むルルーシュを見守っていたC.C.と交信もできていろいろと遠くから世話を焼いていたんだけれども、ここが存亡の時となってブリタニアの宮殿の奥から、あるいはすでに日本に来ていてアシュフォード学園の隠し部屋から現れては身をヴィレッタ・ヌウすらたじたじの四肢もあらわな衣装を身に纏い、「ギアス・マジック・メタモルフォーゼ!」と叫び「天知る地知る子知る我知る。誰もが知ってて知らないふりの美少女騎士侯マリアンヌ参上!!」と叫んで現れるのだ。んでもって「美少女って歳でもないだろう、母さん」とルルーシュに突っ込まれるのだ。嗚呼見たい。是非見たい。

 もはや深夜なんかじゃないけど早朝というにはやや早い、まさに未明って言葉がピッタリな午前4時15分からなんて時間を「エウレカセブン」みたく起きてみられるはずもなく録画してあったのを朝に見た「神曲奏界ポリフォニカ」はうーん、そうかあのイラストもアニメになればこうなるのか、とうかきっと設定はちゃんとしててもフィニッシュまでにああなるんだろう。大人コーティカルテはなっかなかにグラマラスでそちらに目もいくけれど子供コーティカルテは表情にイラストとの差がややあって最初はしばらく戸惑いそー。でも声とか聞いてて違和感ないんで動けばいずれ馴れるだろー。

 それよりお話だ。公園で困っていた子供に余計なことをいって危地へとおいやってしまった反省もあってフォロンが神曲を奏でコーティカルテを送り込んで子供を救ったという展開。お姫様ともあろー御方が公園でぶつぶつ呟きながらボウライに囲まれていたりするんだろうかという謎からそして、お姫様のおばあさんが住んでた離宮が取り壊されるってことをどうしてお姫様が知らされておらず忍び込んでいったのかとか、遠くからメイドさんだかが止めてって叫んでいるのを聞かず爆破のスイッチを押してしまうタイミングの良さ。つか離宮をそもそも何で爆破しなきゃいけないんだろう、中に絵画とかも飾られたまんまの今でも使えそうな離宮を。ふつうは中のものを運び出すよなあ。

 あと精霊が何でどーして音楽で言うことを聞いているのかって説明もあんまりない上に、王様を殺しそうになったくらいに強いコーティカルテが子供の姿でフォロンに付き従っているのかって所も冒頭の、屋根で歌を唄うまだ幼かったフォロンとコーティの出会いのシーンからじゃあ分からない。何より文章では表現できても実際となると音楽の荘厳さをアニメでは出し切れていないところがもの悲しい。事件自体も強力なパワーをほこるコーティを扱わせるにはしょぼいって言えないこともないけれど、まあまだ第1話だし、オープニングには白も青も黒も出ていたっぽかったんでその辺りも取り込みながら、精霊と人間との関係を描きつつ世界を巻き込むような話へと、スケールアップしてってくれると信じて見続けよう、録画で。


【4月3日】 んで「エル・カザド」。うーん「ノワール」「マドラックス」あたりから続く萌え系美少女美女らによるガンアクションが今度は欧州アジアと抜けて中米へと飛んだって感じで劇中に鳴り響くスペイン語だかの音楽がとってもエスニック。でも合っているかというと微妙。こういう濃い音楽に絵がねえ、やっぱり綺麗過ぎるんだよねえ。かといって伊藤明弘さんの「ワイルダネス」でもやっぱりメキシカンな音楽だとちょっと合わないよなあ、女性が可愛らしすぎて。っていうかどうせアニメ化するならこっちに「ワイルダネス」の方が良かった気もするけれど未だメキシコあたりで頑張ってて話が進んでいない漫画じゃあちょっとアニメ化は無理か。とりあえず「ノワール」「マドラックス」あたりとは違ってちょーのーりき、入っているっぽい「エル・カザド」がSFチックにどう動いていくのかくらいは見届けよう。しかしやっぱり不思議が女ガンマンのホットパンツ姿。そんなに暑いかメキシコって。

 某ネット辞書にも卒業生としてなぜか他のとてつもなく有名な人たちに混じって名前が載せられている割にはOBとしてどんな仕事をしているのかを教えてくださいとかいう話のまるで来ない(遠いしね)くらいに世間から隔絶されている人間なんで、中堅どころして新しく入った人たちに対して何か先輩風を吹かしてくださいよって依頼が当然ながらあるはずもなく、従ってのこのこと出かけていっては、だいたい1984年生まれあたりを機軸に20代前半の社員に向かって「人は平等ではないっ!」とか演説して受けを取ることも出来ずに寂しい思いをしている今日この頃。つーか真面目に今時新聞屋になんかなろうって奇特な方々が深夜にアニメーションなんかを見ているはずもなく、言っていったいなんだこの差別主義者はと白い目で見られ迫害されるのがおちなんで、そういう機会に恵まれなかったことを今は素直に喜ぼう。

 だからもちろん替え歌みたく「新聞は平等ではない。1000万部を売る新聞。政府から一目置かれる新聞。買って貰えずキオスクの棚で雨に朽ちる新聞。同じ新聞といっても新聞はみんな違っておるのだ。そう、新聞は差別されるためにある。だからこそ競争が生まれる。だからこそ新聞は競い、争い、そこに進歩が生まれる。戦うのだ。競い、抜き、獲得し、支配しろ。その果てに未来がある。オール・ハイル・目ん玉マーク!!!!」と演説すれば受けるかもなんて思ってはいけないんだろうなあ。かといって当時まだ小学生だっただろう奴らに向かって「逃げちゃだめだ」と言ってポカンとされるのもかなわないし、ましてや「坊やだからさ」云々の「ガンダム語録」と金科玉条の如く持ち出し反応しない奴らをオタクじゃないと虐げるのは大間違い。だってファーストん時生まれてねえんだよ今の大卒新入社員って。

 「鉄腕アトム」と手塚治虫こそが日本のアニメや漫画を代表するコンテンツでありすべての世代が待ち望んでいるんだと、勘違いした世代が権力を持ったことを良いことにリメイクリバイバルをやったもののまるで当たらず散々な目に合っていく様を傍目で見ながら分かっていないオヤジ世代を失笑していたこともあったけれど、そうした勘違いはたぶん僕たちの世代にもあって「ヤマト」「ガンダム」は一般教養だ、みたいな押しつけで作品づくりをしあり商売をしようとすると手痛いしっぺ返しを喰らうんだろう。「エヴァ」ですら注意が必要になっているんだもんなあ。だったら今の20代前半って何がストライク、なんだろう? せめて「サークリット!」「ジャッジメント!」くらいは通じて欲しいよなあ。通じる訳ねえよなあ。「虐殺です!」。言ったらその場で退場だ。

 そんなことを考えながら入った渋谷の「アニメイト」でいきなり「人は平等ではない」って演説が流れてきて驚いた。「コードギアス 反逆のルルーシュ」の録画を流して煽っていたみたいだけれども実にベストなタイミングにきっとやっぱりいつか誰かの前で演説をして恥をかけってこれは天からの思し召しに違いない。聞き込んで抑揚まで身に染みさせよう。ってことで1日1ルルーシュを果たしつつ歩いていたらこっちでも若本声。「ハヤテのごとく」のナレーションでした。どっちも同じ。だけど違う。普遍的であり且つ独特であるところの強力若本の凄みを感じた午後でした。

 平野綾さんったら例の「涼宮ハルヒ」絡みのCDジャケットなんかで見られるそっこぬけに明るい笑顔と黒くて長い髪とちょこんと載った可愛らしい帽子なんかがセットになった顔が頭に強く擦り込まれていたりするんだけれど、2007年度2月期の決算で久々の黒字決算になるかもって業績の上方修正を行ったブロッコリーが5月20日に開催する「ギャラクシーエンジェるーん」のコンサートの発表会がセルリアンタワーなんてゴージャスな場所であったんでのぞいたら登場した平野綾さんがまるで別人になっていた。別人28号白昼の残月大入り満員おめでとう。

 前髪揃えた日本人形タイプから一変して色は茶色となりスタイルも浜崎あゆみさんとか後藤真希さんみたく分けて片方を目をやや覆うくらいに伸ばしていて、着ている服もスリムなボディラインを見せつつ長い手足を出したものでホントにそのまま「モー娘。」にいても不思議じゃないくらいのビジュアルになっていた。目を大きく見せるメイクや笑うと大きく見える唇を小さく可愛らしく見せるメイクなんかの効果もあったのかな。これまでの綾さんだって充分過ぎるくらいだったけれどこれからの綾さんはますますもって近寄りがたく仰ぎ見て拝むアイドルとして僕たちの頭上に君臨してくれそう。そんなビジュアルを今一度、拝みに言ってみるかなあ日本青年館でのコンサート。


【4月2日】 そうかもう今週は「コードギアス 反逆のルルーシュ」がないんだなあと思うと週末までの気力もぐっと下がって月曜日が鬱々になっている人のきっと日本の100万人はいると妄想。いつ放映か分からない24話と25話を待ちながらその間をどうやって生きていけば良いのかと迷いも浮かぶけれどもそこで諦めては24話も25話もさらに始まる第2期も見られない訳で、ここは気持ちを入れ替え腰を据え「スター・ウォーズ」の「ファントム・メナス」登場を待ち「機動戦士Zガンダム」のスタートを待った時の希望を燃やし実現を夢見、決定してからスタートするまでの間を待った時を思い出して耐えるしかない。あるいは「ヘルシング」のOVA版第3巻の発売を度重なる延期を超えて待ち、そして宮崎駿監督の久々の作品となる「崖の上のポニョ」を待つことを思えば大したことはないと良い方向に解釈して待とう再スタートの時を。そして完結の暁を。

 なんてことを“1日1ルルーシュ”的に書いて気分を繋いでいくのも手だけれど、それだけて保つとは思えないだけに夏まで、さらには第2期までの間をつなぐには何が最適かってのを探る意味も含めて、春のアニメーションの新番組をとりあえず片っ端から見ている今日この頃。日曜朝の「天元突破グレンラガン」と「ハヤテのごとく」に続いて夜はちょっとだけ「一騎当千 Dragon Destiny」を見たらもーちゃんが相変わらず寡黙にしてド派手な技を繰り出し目を楽しませてくれた。でも前のシリーズみたくはっちゃけてないのは孫策伯符が出てないからか。もーちゃんも最初のうちは大人びたチャイナドレスだったし。途中からいつものメイド服に戻ってくれれ有り難う。これで足技蹴り技を繰り出す姿こそが呂蒙子明だよなあ、やっぱり。

 続いて冲方丁さんが構成を担当して平井久司さんがキャラクターデザインを担当した「ヒロイック・エイジ」。そのタイトルとそれから宇宙の深遠さを説明する前説が付いたところから「マスター・オブ・エピック ジ・アニメーション・エイジ」の続編の続編で先週までの「ちゃらららちゃららら」ってイントロが続き「ミラクルエピソード」とか何とかって歌が流れ出すんじゃないかと期待したけどそれはなくってやや残念。お話自体も最果ての星に遺され育った少年に人類を救う力が秘められていて危機に瀕している人類を導き宇宙の侵略者と戦うっていう、どこか既視感の漂うもので最初は引いて見ていたけれども得た力を爆発させたヒーローのエイジの爆発っぷりが半端じゃなくって、その辺の一気にスケールを広げて驚かせる手法とあとは丁寧な絵作りに好感、上位の存在を倒さなくてはいけないだろう設定の落としどころなんかにも興味が出たんでしばらくは見続けよう。

 平井さんのキャラは「SEED」とも「ファフナー」とも「オリンシス」とも違ってちょい洋風。あるいは「アクエリオン」的? 可愛らしさから大人びた雰囲気へとシフトしている感じで一般受けが気になるけれども平井アイを持つ目にはきっと愛しの平井キャラといして皆映り諸手をあげての歓待で迎えることになるんだろー。修行せねば。さらに続いて「瀬戸の花嫁」はももーい全開。昔にCDドラマ化された時とはまるで違っているらしいキャストだけれどCDドラマを聞いてなかった人間にはあんまり関係ない。ももーいらしさもやや抑えた演技もそれなりに評価。でもお話は先も見えるっていうか原作があるんでそれへのシンパシーを持たない身には敢えてリアルタイムで追うだけの気力は沸かなさそう。「すもももももも」と同様に録画で済ませてまとめて後でいつか見よう、10年後とか。

 今夜も夜中で「エル・カザド」とかあって「ノワール」の真下耕一さんの作品で美少女ガンマンによるガンアクションとかありそうで期待。それにしても主役級の1人でガヴァメント使いとかゆー女賞金稼ぎのナディのホットパンツでブーツでお腹丸出しって格好が「天元突破グレンラガン」に出てきたライフル使いのヨーコと似通っているのが興味深いところ。さらに言うなら「BLACKLAGOON」に出てくるトゥーハンドのレヴィもカットジーンズだけどお尻を隠すくらいの短いパンツでお腹は丸出し、でもって脚はウェスタンじゃないけどブーツといった感じで何か女性の銃使いって言えばこうだってゆー、フォーマットがいつの間にか出来ていたのかってちょっと驚く。

 今をときめく谷口悟朗監督による「ガン×ソード」に出てきたカルメン99は、ブーツでも膝上まであったりホットパンツに見えて前があったりしてやや雰囲気を違えてあるけどやっぱりお腹は出ているなあ。これだけイメージが似通うってことはどこかに源流があるのかなあ。どこなんだろう。ホットパンツの美少女キャラってのは遡れば「ダーティペア」のユリとケイだけどそれがガンマンのイメージと結びついたってのは誰だろー。やっぱりレヴィか。「マイア☆ミガンズ」ってのもあったよなあ。プレイメイトあたりにもカウボーイ風の衣装を着せたグラビアにありそうな雰囲気。西部劇をショー化した舞台にダンサーとしても出て来てそう。うーん分からない。どっかのアニメ誌が調べてリポートを書いてくれないかなあ。

 古賀選手が移籍してスピラール選手が痛み米山選手も怪我をして何か悪い呪いでもかかっているんじゃないかと思われながらもそこは最後尾に控える楢崎守護神のおかげもあって首位を保っていた名古屋グランパスエイトだったけれど1日の横浜FC戦でその楢崎選手までもが怪我で4週間の休養となってしまって果たしてどうなるかって心配も吹き飛ばすかのよーに1日の試合ではジェフユナイテッド市原・千葉から移籍した櫛野亮選手がまずまずの活躍。千葉じゃあずっとレギュラーだったのに怪我で立石選手に代われるとそのまま05年は終わりナビスコカップ優勝の栄誉は得られず06年も立石選手の怪我があっても同時に櫛野選手も怪我だかで出られず代わって出場した岡本選手が後半はレギュラーとなってナビスコカップの栄誉を獲得した。

 巡り合わせの悪さから2年連続で頂点を極められなかった不幸もあって新天地を求めて名古屋へと行ったら何と。開幕から1カ月を待たずして登場、そして4月いっぱいはおそらくスターティングメンバーとならざるを得ない状況が当来して、楢崎選手には申し訳ないけれどもここで実力を見せてスタメンを奪い活躍してくれれば、五井の臨海時代から見ていた身としてちょっと嬉しい。つか首位を走る名古屋の守護神ともなればそのポテンシャルを知ってるオシムが読んで代表、なんてこともあったりするのかも。川島永嗣選手が新天地として求めた川崎でレギュラーを掴み代表にも入ってきたから厳しいかもしれないけれども歳で言うなら28歳、まだまだこれからって所で君臨する川口良能選手に追い上げる川島選手西川選手の間をつなぐ世代として、呼ばれ定着してスケールを高めそして千葉へと戻り不動の守護神となってくれればこんなに嬉しいことはない。けどでも戻って来れるかなあ、2部とかにいちゃったりする可能性もなきにしもあらずだしなあ。


【4月1日】 池袋から帰ってニュースとか見たら負けてやがんのジェフユナイテッド市原・千葉。開始6分に奪われてそれからはきっちりと守りきるあたりは以前に比べて修正の具合が見えて来ていると言えそうだけど、一方で3点とられても3点奪い返して引き分けていた去年あたりの得点力が復活して来ていないのが気になるというか苛立つというか。戦評を見ると工藤浩平選手のシュートがバーにあたったり巻誠一郎選手が落として佐藤勇人選手が蹴り込んだゴールが巻選手のハンドにとられてノーカウントだったりと開幕から続く不運が尾を引いている模様。そのあたりを次のナビスコカップでまずは払い大量得点をしつつ8日に待ってるフクダ電子アリーナでのリーグ戦初勝利を成し遂げて頂きたいもの。っていうかここ、落とすと本当にヤバくなるからなあ、アマル・オシム監督の首も巻選手の代表入りも。

 池袋でのトークショーで太田克史さんが話そうとしつつ時間の関係もあって仄めかす程度に留めた中国の台頭って問題は何も出版業界に限らずあらゆるエンターテインメントに言えることかもしれないなあとふと思う。なるほど日本はまだまだそれなりに市場が大き くって食える関係で、海外だ何だってあんまり考える気持ちになれないんだろうけれど現実問題少子化があって団塊世代のリタイアがあって購買層は確実に減っている。だからこそ新潮社とかがネットの漫画誌を作り日本だけじゃなく海外でも刊行を目指そうとしていたりする動きもあるんだけれど、そうした日本のコンテンツの優位性に頼った海外進出が果たしていつまで続くのか? って部分でいずれ問題も顕在化して来そうな気がしてる。

 なるほど中国は市場がデカいんでヒットすれば日本の何倍も稼げてしまう。けれども今んところ質が今ひとつなんで日本の優位性が保たれている、ってて構図をたぶん誰もが抱いている。何しろ日本には半世紀以上に及ぶ漫画の歴史があってアニメーションの歴史もあて広がった裾野と歴史の中から世界に類をみない豊富でバラエティに富んだ作品が生まれて来ている。そうした歴史と共通に認識を持つ日本のようには中国におけるクリエイティビティは発揮されていないってことらしい。確かにちょっと前にオンラインゲームを作っている会社の人から聞いた話で、中国で開発をしようと人を集めてもプログラミングとかの能力は高くても、クリエイティブへの欲求がまだ低く先行するものの良い部分を真似て組み合わせることに終始していたとか。自分から何かを作りたいって方向には向かわない。

 だからまだまだ安心だ、って思っていたところに見せつけられた「最小説」。やってるやつはやってるんだって事実を突きつけられてこれは10年かからず相当なものを、もちろん雰囲気においては日本のを土台としながらもオリジナリティを持ったものをガンガンと作り出して来るような気がしてならない。ただでさえ億単位のユーザー数を持つ市場のパワーにクリエイティブのパワーも重なった時にいったい何が起こるのか。今はまだ海賊版を安く仕入れて消費して終わりのかの国が、可能かどうかはまだ悩ましいけど海賊版を辞め正規版を仕入れるようになってそれは高いからむしろオリジナルで良いものを作ろうなんて方向に動いた時、何が大きな変革が起こったりするのかそれとも根っこを断たれて台湾みたいに潰えるのか。

 実際、太田さんが指摘してくれたように映画は日本より中国の方が世界に向けて圧倒的に存在感を示してるし。それと同じことがアニメや漫画やティーンズ向けの小説なんかで起きるのか。アニメなんて100年は大丈夫そうだけど、でもちょっと真剣に考えてみたくなる。中国の市場を見物に行かなきゃいけないかなあ。観光がてらでもなんでも。まあ市場がそれなりにデカくなっている分、少なくとも国内における分は国内で賄える状況は続くんだろうけど、先細りする市場で多様性はだんだんと失われていくんだろうなあ、ゲームのように。かつて世界を席巻したゲームも今は米国じゃあ米国産のゲームが人気で日本製はしょぼしょぼ。んでもって国内市場は一部パブリッシャーが生き残り小さいところはどんどんと淘汰されている。同じことがきっといろんな所で起こるんだろうなあ。そんな状況い絶望せず挑んで突き抜けられれば勝てる、ってことでその戦い方をちょっと注意して見ていこう。

 ユフィのことが思い出されてむせびなきつつ眠り起きて新番組ラッシュの渦に突入。「天元突破グレンラガン」はかのガイナックスが挑むテレビシリーズってことで前評判も高かったけれども本編も流石にハイクオリティかつあっけらかん。ドリルでるんるんくるるんるんが高い価値を持つ地下生活の中に生きる少年が掘り当てた何かが大活躍するってストーリーで押し込められた場所からの飛躍とそして冒険ってテーマが心をくすぐる。気になったのはあれだけ地下におしこめられて何世代も人が生きている割には地上が近いことで突入して来たレヴィかと見まがうばかりに尻も鮮やかなカットジーンズ姿の女の子が地上から来たと言ったり、事態が進んであっと言う間に地上に出たりしているくらいに間近に地上があるのにどーして誰も地上へと出なかったかってこと。

 それはきっとデカい顔したメカの存在なんかにも関わって来ることなんだろーから今後の展開でどう説明されるのかを待とう。説明されなくたって「そういうもんだ」と言われたって納得するけど、それが面白いんだったら良いのだ。中川翔子さんのうたうオープニングはなかなかの格好良さ。Bメロの流れるような旋律が割と好みだけれどサビの部分は上声になるっていてやや残念、そこを張り出せてこそのロックシンガーだぜ。冒頭に出ていたエーテルだかの宇宙を旗ははためかせながら進む戦艦ってのは何だろう。シュールストレミング砲って何か臭そう、ってそんな名前じゃねえ。エンディング短っ。これデフォルト?

 さらに「ハヤテのごとく」。適当っぽい絵に「地球防衛少女まおちゃん」かと思ったのは内緒だ。さすがに釘宮、ああゆう役をやらせると高飛車で世間知らずで優しげなところが溢れ出ていて実に巧い。「ゼロの使い魔」のルイズとはまた違ったお嬢様っぷりを見せてちょうだい。けどやっぱりこいつは若本ブリタニア皇帝によるナレーションが1番の聞き所なんだろうなあ、あの名演説「人は平等ではない」をどこの場面で持ち出したってぴったりはまる状況だし。今時「エヴァ」っぽいシーンを盛り込むくらいなら最新の「コードギアス」を持ち込んで若本声の縦ロール髪したおっさんがハヤテにそう言って叱咤する場面くらい盛り込めっての。CMの赤は3倍とかよりずっと受けるぞ。

 調布で花見。というか味スタで東京ヴェルディとモンテディオ山形の試合を見て帰りに周辺に咲く桜を遠巻きに眺めて、今年の最初で最後の花見を完了する。どことも繋がらず誰とも語らわない独行出没系の中年ライターに実に相応しい花見だなあ。忘年会新年会の類とも無縁だし。せめて潮干狩りくらいは。肝心の試合は山形の方が組織で攻めているけど土屋のディフェンスが固くて破れないって感じ。ヴェルディはフッキが持ちすぎ組織だって攻められないけど、それでもPKとか取り奪った得点を護りきる。でも2クール目に入ればデータも伝わりフッキ頼りも終わるだろー。そーなって得点を積み重ねられなくなった時にどうするか。その辺を考えた選手層の構築に果たしてラモス監督は着手しているのか。怪我で今季ほぼ絶望な森本貴幸選手がカターニアから夏に復帰すれば万事解決かもしれないけれど。平本一樹はどこ行った?


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