縮刷版2007年2月下旬号


【2月28日】 「月刊少年ジャンプ」は消えてもこちらは永遠に消えることはない、と信じているその根拠は他では「ヘルシング」も「ジオブリーダーズ」もきっと続かないからで「ジオブリーダーズ」と「ヘルシング」の最後を見届けたい身として永遠の継続を願うしかないからだったりする「ヤングキングアワーズ」の、2月なで普通の月より2日か3日早く出た最新号を買って読んだら2日か3日の速さが仇となったのか「ヘルシング」が載っていなかった。いや表紙にも目次にも名前はないから未掲載は想定の範囲内か。その分を頑張ってDVDのジャケット描きに注ぎ込んで……っていつ発売だよ第3巻。この完結は22世紀半ばくらいになりそーだなー。生きようそこまで吸血鬼や化け猫になってでも。

 ビジュアル賞は「ワールドエンブリオ」で決定。表紙でもほんのちょっぴりだけ見せてくれている眼鏡っ娘が激しいバトルに脚を伸ばして蹴りを入れつつしっかりたっぷり見せてくれてて目が嬉しい。「それでも町は廻っている」は過去へと時間が遡って子供の歩鳥を世話する亀井堂とかいう骨董屋の娘が登場。この娘って現代が舞台の今の話に出てたっけ、読んでいるんだけど忘れっぽいんだ最近、単行本も買ってあるのになあ。「ジオブリーダーズ」は載っているだけで良しとしよー。でも早く帰ってきてくれ栄ちゃん高見ちゃん。社長はどうでも良い。

 そしてクライマックス目前の「トライガンマキシマム」。久々のウルフウッド登場にテレビアニメで声を担当した速水奨さんもきっとお喜びのことでしょー。アニメ化で沸いてからも尽きることなく続けてしっかりと完結させたパワーは「ナウシカ」の映画の後でちゃんと漫画を描ききった、それも予想を上回る重厚さで完結させた宮崎駿さんに並ぶ偉業と讃えたい。折角だからこっちもまたアニメで観たいなあ。「ジオブリーダーズ」も同様に。「ヘルシング」はだからさくさくと作って頂戴でないと後がつかえちゃう。真田ぽーりんとか(なるのか?)。「アニメがお仕事」とか(なってほしいがなったらドロドロしそうな感じも)。

 とりあえず反町は首を洗い始めた方が良いかもしれないサッカーU−22代表の北京五輪2次予選対香港U−22代表は先だってのアメリカとの親善試合で拙かった部分をまるで改めないまま臨んで戦前の予想どおりの窮屈極まりない試合運びに帰結。前に平山カレン李という3人を並べてはみたものの左右に広がり左で待ち受ける本田圭佑選手が前へと出られない上に、中盤の選手がフリーになっている本田選手へとまるでボールを回そうとしないものだから前半のほとんどの時間、何もしないで過ごす羽目になっていたのが、メーンスタンド中央付近からとらえたカメラに如実に映し出されたのではなかろーか。おまけに役割分担もへったくれもない3トップが上がるクロスに並んで飛び込む体たらく。平山選手もポストなのか壁なのか分からない立ちん坊ぶりでたまにつっかけては奪われる役立たずぶりも発揮してくれちゃって観ている人を苛立たせる。1点取った? もっととれてただろう!

 さすがに拙いと思ったのか後半に早めに家長選手を投入して最前線を減らし中盤を熱くしてそして両サイドへも目を配るよーにして何とか攻撃が前へと向かい始める。右でフリーになってる水野晃樹選手にサイドチェンジを贈らなかったりするのは何とも苛立つ光景だったけれどもそんな中で果敢に突っ込みボールを受け取った水野選手が囲まれても奪われず奪われたって奪い返す粘りからゴールライン際で中央に流し込んだところを中央からあれは梶山選手? が楽に蹴り込み2点目。やっぱりコーキは凄いと分かる1場面、オシム監督が観ればもう反町なんぞに預けておけんとフル代表に引っ張り上げたくなる活躍ぶりを見せてくれた。このパフォーマンスならジェフユナイテッド市原・千葉での開幕も安心。水本裕貴選手ともども期待しちゃうぞ活躍に。

 たまにこういう本があるからボーイズラブ系と言えども放ってはおけないのだなあ。蒼竜社ってところから出た木原音瀬さんって人の「WELL」(蒼竜社、857円)は、亮介が目覚めるとそこは屋敷の地下室で、見守っていたのは家政婦の息子ながらも同じ屋敷に暮らしていた同年のしのぶという青年。聞くといっしょに入っていた地下のファストフードが何らかの事態で崩れ落ちて怪我をし、失神した亮介をしのぶが屋敷まで運んだらしい。しかしどうして部屋ではなく地下室に? 怪我をした脚の痛みを押して亮介が地下室の階段を上がるとそこには家も建物もなにもなく、ただひたすらに灰と砂と瓦礫の大地が広がっていた。

 いったい何が起こったのか? ラジオも入らず救援も訪れない状況で確かめる術を持たない2人は、地下室に貯蔵してあったワインでしばらくのあいだ食いつなぐ。けれどもどこからか流れてきた男たちに地下室を追い出され、行く場所がなくなった2人は同じように地下にいて助かった人たちが寄り集まって暮らしている駅の地下街へとたどり着いてそこで共同生活を始める。率いていた田村という男が人道主義者で他人をおしのけてまで生きのびようとは考えない性格だったことが幸いして、駅地下に迎え入れられた亮介としのぶだったが、中には新参者の当来を歓迎しない者もいて、脚が悪くて働けない亮介につらくあたる。

 しのぶだけは亮介に友情を超えた愛情を抱いて守り抜こうと頑張るが、そんなしのぶの愛情を亮介は疎ましく思って思っていた。なぜか生き残った女性がいてもすぐに死んでしまったとゆー設定も重なって、生き残った男たちによるボーイズラブ的な場面へと話は進んでくけれど、亮介はとりたてて少年っぽくはないし、しのぶに至っては長身で無精ひげも生える肉体派。なのにそんなしのぶが亮介恋しやとすがり悶える展開だから美形の青年が可憐な少年と良い仲になるよーな場面から浮かぶ耽美な空気とはまるで違った、性というより生の本能から生まれる獣欲にも似た関係へと至っていく。レーベルから耽美さを期待して読んだ人の目にいったい、どう映るのかにちょっと興味が浮かぶ。それともこんなのもアリなのかなあ、ボーイズラブって世界は。

 同じ世界でちょっとだけ時間の進んだ「HOPE」って中編はさらに過激な展開で、もはやボーイズラブだ何だとゆーよりゴールディングの「蝿の王」にも例えられそーな、純文学的なテーマが繰り広げられて読む人の手を震えさせる。そろそろ食糧が尽きた地下街の連中は、かないそんな状況の中でも日々は過ぎて食糧は減り、救援は来ない状況で生きのびるには食糧が豊富なデパートの地下に移り住むしかないと決意し、そちらを指揮している男に頼んで移住を願うとな相手も人道主義者だったのか移住を受け入れてくれた。これは僥倖と田村も亮介もしのぶも他の面々も砂漠を歩いて移住したものの、期待していた食糧は出ず済む場所も制限される。

 さらに移住してすぐに事故が起こって仲間の1人が死んだのに、デパート地下にいるはずの大勢の住民は誰も出てこずリーダーとサブリーダーの2人だけが駅地下の面々と対峙する。そして判明した畏るべき事実が、生きるということとは何なのか、そして生きるためには何をしても良いのか等々の根元的にして哲学的な命題を突きつけて来る。高潔な田村の精神が逡巡し懊悩する様に人間としての尊厳の素晴らしさを感じないでもないけれど、それで生きのびられるほど破滅した世界は甘くはない。救いの訪れない結末に待ち受ける彼らの未来を思うと身震いもするけれど、それはこの文明化されているように見えて、人の間に格差が生まれ国の間に格差が生まれて弱きは衰え強い者だけが生き残り栄える世界の状況と実は大差ない。ならば生きるために殺し、奪い、喰らうしかないのかそれともやはり人として尊厳を保つべきなのか。深くて激しいメッセージを放つ物語。今年に入って読んだどの本よりもあるいは凄まじさに溢れているって言えそう。SF者も純文学者も読んで損なし。BL者はどうかなあ。


【2月27日】 おおイエモッツ。冬の高校サッカーに登場して久々の日本でのホイッスルに以前とは違う落ち着きを見てこいつは立ち直ったかと期待を抱いたスペシャルレフリーの家本政明さん。さらには2月18日の「ちばぎんカップ」にも登場してはジェフユナイテッド市原・千葉と柏レイソルとゆー同じ千葉県に本拠地を置くチームのダービーをしかりとコントロールして良い試合に仕立て上げ、やっぱり以前とは違うと思わせたことも記憶にあたらしい。

 そして「週刊サッカーダイジェスト」の最新号に満を持してのインタビューが登場。京都からたった1人で東京へとやって来て家族も友人もいない中、スペシャルレフリーとゆー地位にプレッシャーを受けながらも内にすべてを溜めてしまった挙げ句に爆発してしまった去年の惨状を振り返りつつ、今はサッカーを厳正ではなく楽しく吹けるようになったと話してくれている。人にドラマあり。このインタビューを読み今年に入って観た2つの試合の笛を聴くとリーグに入っても家本さん、とても素晴らしいジャッジを見せてくれそうって期待も浮かぶ。とはいえ試合は審判1人じゃ作れない。すべては選手があってのこと。だから選手も試合に対して、公正な気持ちで臨んでやって下さいな。

 オシム番としてメディア状況に乗っかり食おうと思えば食えるんだけどそれを当人は潔しとしておらず、むしろオシム番としての立場を自ら投げ出して一時は一切の取材を断っていた木村元彦さんだけど「蹴る群れ」(講談社、1600円)を読めばなるほどオシム番だなんて世界のサッカー状況におけるごくごく1部を担わせ押し込める愚かさに誰もが気づくだろう。帯に「ベストセラー『オシムの言葉』の原点」と書かれてあるのは評判の良い本に乗っかり売りたいって編集側の意図が透けて見えてありゃりゃこりゃりゃだけれども実際に収録された世界のサッカー関係者へのインタビューを読めば、どうしてイビチャ・オシムって人物に木村さんが関心を抱いたのかがよく分かる。

 それは単にヒーローとしてサッカーをプレーしているだけじゃなく、民族なり家族なり社会なり国家を背負って戦うことの誇らしさと悩ましさを人間として感じ続けているサッカー選手たちが世界には大勢いて、時にはそーした諸事情にサッカー選手としての純粋さを見出され汚されてしまう悔しさを味わっているんだってことに木村さんが多大なる関心を抱いているってこと。そんな中にあってひときわ悩ましさと戦い苦しんだのがイビチャ・オシムであって、木村さんはだから必然としてオシムにたどり着き、結果としてオシムの言葉の代弁者という立場に立たされたに過ぎないのだ。

 読んで凄みを覚えたのが一時横浜FCにいたルディ・バタって選手の評伝で、日本にはあんまり馴染みがなくって近隣にあるユーゴスラヴィアの混乱がより広く伝わった関係もあって余計に埋没していたアルバニアって国の恐怖政治化から逃走し苦闘した様が分かって単に日本い出稼ぎに来ていた外国人じゃなかったんだと教えられる。きっと他の外国人選手にもそれぞれに苦闘と懊悩があるんだろーけれどメディアは戦力として役に立つかどうかしか伝えない。というよりよほどメジャーなチームの助っ人じゃなければ関心すら抱かない。それがアスリートとしての価値のすべてといえば言えるんだけど、一方で世界には様々な国があり、人にはそれぞれにドラマがあるんだってことは紛れもない事実であって、そーしたことへの想像力を失っては人は世界を見失う。

 その意味で、ルディ・バタの評伝も、チェコを舞台にした“プラハの春”に父母が巻き込まれ迫害に愛ながらも息子であった彼の才能が困窮から一家を救い、やがてチェコに本当の春をもたらしたイワン・ハシェックの評伝も、セルビアから分離独立したモンテネグロでサッカー協会の会長に就いてそしてかつてのような連邦維持から一変し、独立の促進へと旗幟を改めたデヤン・サビチェビッチの評伝も世界を見通す道しるべとしての役目を果たす。ワールドカップ日韓大会の活躍で王子と呼ばれ持ち上げられ、日本に登場しながらもコンディション不良から日本を去り、そして引退へと追い込まれたイルハン・マンスズの評伝からだって、背負ったドイツ生まれのトルコ移民という出生の悩ましさが浮かびそしてドイツ内部に今も燻る移民の問題、ネオナチの問題への関心が引き出される。

 目を転じればリンダ・メダレンというノルウェーが生んだ世界屈指の女性サッカープレーヤーが日本において一時代を築いた話を描きつつ、バブル経済の浮沈に女子サッカーが翻弄され関係者が苦い思いを味わった様が綴られたルポルタージュがあって、一時のブームでもってスポーツが持ち上げられることの善し悪しに気づかされる。圧巻はゴールキーパーにスポットをあてた文章の集大成。浦和レッドダイヤモンズでしのぎを削ったライバルの土田尚史と田北雄気の、徹底して争い1ミリでも上に行こうと競い合う様はすさまじいの1言で、この気迫があればきっとドイツでの日本もまた違った空気を纏っていたんじゃないだろうかと悔しさに歯がみする。もっともそんな空気を作らせなかった監督がいたことが最大の問題なんだけど。

 旧ユーゴスラヴィアがオシムを監督に仰ぎストイコビッチにサビチェビッチにプロシネツキらを要してイタリアの地に輝きを放った代表チームでゴールを守ったトミスラヴ・イヴコビッチの随想も、オランダでほとんどを育ちながらも競争の中でレギュラーを掴むにはこれしかなかったと生まれ故郷の南アフリカへと帰り、黒人たちのチームに混じって最後列からたった1人の白人として叱咤し続けるハンス・フォンクの心境も、読めばゴールキーパーというポジションが持つ意味の大きさと、そしてやっぱり政治や国家からサッカー選手を切り離す難しさ、それでも切り離さなくてはいけない大切さを教えられる。オシムの評伝1つであれだけの教訓を得られた訳で、多彩な選手たちから学べることの多さにとにかく圧倒されっぱなしのルポルタージュ。「オシムの言葉」に、あるいは「悪者見参」に」 何かを感じたのならば読んで欲しい1冊。1600円は安いぞ。

 しかしどこに言っても熱烈なファンってのはいるものらしく、カードゲームの「アクエリアンエイジ」を業務用ゲーム機の上で遊べるよーにしたタイトーの製品「アクエリアンエイジ オルタナティブ」が秋葉原にあるゲームセンターに手始めに導入されるってんで午前10時前に行ったらすでに行列が。おそらくは事前の申し込みかなんかで選ばれた人たちなんだろーけどそれでも冬休み期間中とはいえ平日の朝に秋葉原までやってくる熱意には並々ならぬものがある。でもカードを集めて誰か目の前の人と対戦してこそ楽しいトレーディングカードゲームが業務用ゲーム機で相手がいるもののそれはネットワークの向こう側とゆー状況を楽しめるのかが未だ不明。導入されていくなかで10万人とかゆー「アクエリ」のファンのどれくらいがゲーセンへと脚を向けるのかに関心を持って模様眺めと決め込もう。それだけの人数が行けばタイトーも盤石だよね。

 ついでだからと石丸電器で「mihimaruGT」(駄洒落ではない)のライブDVDを購入。紅白歌合戦でも細くて長い脚でもってキックしてくれたhirokoちゃんがホットパンツからにょっきりと伸ばした脚でステージを闊歩する麗しさに惚れ、唄われる「mihimagic」に収録の楽曲の良さに涙しバックで踊るダンサーの腰のくびれっぷりに興奮したりと捨てどころのまるでない完璧なステージ。こいつは是非に生で観たいもんだと思ったけれど、hirokoちゃんのはね回る小さいお尻が可愛らしい「H.P.S.J」って曲とかジャンプがいっぱいな楽曲もあって年寄りには疲れそう。かといって最後尾で沈んでいちゃあ楽しめない。ここは鍛えて若作りをして行くべきか、ライブで我慢をするべきか。暖かくなったら考えよう。でもDVDに付録のライブ早売り権は早めに行使しなくちゃいけないし。悩ましい。


【2月26日】 サッカーをやらなくなってかた途端に存在感を世界のあらゆる場所で薄めつつあるヒデさんこと中田英寿元選手が編集に携わったって前評判ばかりが聞こえて実態はまるで見えていなかった雑誌「MONOCLE」ってのが転がっていたんでペラペラと眺める。印象ナッシング。表紙がまっくろでそこに窓みたく抜かれて写されているのが海上自衛隊の誰からしーんだけどそうは見えずどっか輸送機のパイロットくらいにしか見えず格好良さが伝わらない。あるいは自衛隊員の普通っぷりを伝えたかったのかもしれないけれどそれを鳴り物入りで創刊される雑誌が表紙で使う意味が分からない。

 読めば海上自衛隊が持つ意義とか意味なんかが説明されていたりするのかもしれないけれども英語なんで分からないし、説明されたからってそれが世界にとってどうだっていうんだ? 中国の軍隊に比べたって予算面で実はそんなに違わなかったりするとかどうとか書かれていたってやっぱりそれが世界にとって米軍ほど、イラン軍ほどロシア軍ほど大きな意味を持っているとは思えない。だからこその特集だって? 軍事専門誌ならいざしらずファッションとかアートなんかも含めた総合誌を狙っているっぽい雑誌がやることじゃあにあよなあ。そのアートやファッションだって写真が少なく載っていても小さくって見るところに乏しいんだからたまらない。

 末尾にテープで張り付けられるよーにして収録されている漫画が八坂考訓さんって人の「北甲賀」ってのはどういう経路からの導入なのだろう? っていうか八坂考訓ってぶっちゃけ日本でだってそんなに熱烈には知られていないのに英語でオリジナルの漫画を国際的な雑誌に掲載する意図が見えない。中田ヒデの引き? 漫画好きって彼のお眼鏡にかかったのかもしれないけれど読んでみた当の漫画が浦沢直樹さんの足下のその周辺にだて及んでいるとは思えない。本当にどーゆー経緯での掲載なんだろー。ともあれそんな雑誌が日本円で2200円。買う人なんているのかなあ。それとも読む人が読めばそれなりに凄みと面白みを満載した雑誌なのかなあ。雑誌ウォッチャーな方々には是非に読解してやって下さいな。高いけど。

 連絡が来てカード番号を打ち間違えたかでシーズンシートが取れていなかったんで去年と同じく毎回購入して行くことにしよージェフユナイテッド市原・千葉のフクダ電子アリーナでの初戦は清水エスパルスかあ、いきなり池田昇平マッチ。でも出られるかなジョルジェビッチが良さそうだし水本ストヤノフもいるし。それともジョルジェビッチと佐藤勇キャプテンをボランチあたりで並べるか。ともあれ未だ見えていないジョルジェビッチ選手がどんな顔をしてどんな身体をしているのかを確かめる意味でも3月10日はフクアリにゴー。いやまてその前に国立競技場で「なでしこジャパン」のワールドカップ出場をかけたプレーオフの第1戦に行かなきゃいけねえ。フクアリの試合を午後7時からにしてくれたリーグに感謝。それより以前に始まるJリーグ全体の開幕はうーん、3月4日の国立競技場での東京ヴェルディ1969とザスパ草津の試合かなあ。名波服部が加わったラモスヴェルディの破壊力は果たして。破壊され力? それも心配。

 道で男と女がぶつかって恋が芽生えるのがラブコメだとしたら、ミステリーは道で男と女がぶつかて事件が生まれるものらしい。貫井徳郎さんの「ミハスの落日」(新潮社)は世界の都市を舞台に起こった男女の絡んだ事件をつづった短編集。その表題作「ミハスの落日」はバルセロナの道端でぶつかった男女がかつての幼なじみだと分かってほのかに生まれる恋心。ところが過去に2人の間に起こった事件が楽しかった記憶とともに浮かび上がって2人の間に亀裂を作りそしてそれは何十年もの後へとつながっていく。あの子供の頃に起こった密室事件とはいったい何だったのか。生まれた誤解の永遠に解かれない残酷さに衝動から生まれる青臭い正義感の愚かさを知る。

 そして「カイロの残照」。旅行代理店への就職が決まった青年がルクソールへと研修もかねて旅をした時にぶつかった女性はかつての同級生で青年が心を惹かれていた女性。その縁もあって結婚して今はカイロに家も持ち幸せに暮らしていた男がアメリカから来た女性のガイドを引き受けたことから運命に変化が起こる。女性は夫がヘロインに冒されていると告げて夫の行方を一緒に捜して欲しいと男に言い、高額な報酬に釣られて男は彼女に協力する。それが破滅への第1歩だとも知らずに。ルクソールでの幸運な邂逅が悲劇への序章だったのかもしれない皮肉さにラブコメのご都合ぶりを羨ましく思う。世の中にはうまいことなんでないのだよ。

 ほかに無邪気さの毒をえぐる「サンフランシスコの深い闇」に男の妄執が悲劇を招く「ストックホルムの埋み火」に壊れた男女が肌を寄せ合う「ジャカルタの黎明」等々、男女の邂逅が招き暴く事件の諸相を描く。個人的には逆転の鮮やかさと恐ろしさで「カイロの残照」が好みか。羨ましいのは「ミハスの落日」。母が暴言を浴びせられただけで巨額の財産を得る息子が羨ましい。と思うとぶつかりあって生まれる事件もまんざら悪くないか。いやいや「カイロの残照」を見ればそうとも言えないか。うーん。やっぱりラブコメ世界の交差点でごっつんこが1番嬉しい楽しい有り難い。ミステリーになりたくなければ出がけに生焼けの食パンを口に1枚。それでもうシリアスには成り得ない。貫井さんならシリアスにしてしまうかな。


【2月25日】 むっつりと夜中に起き出して届いたばかりの米米CLUBのライブDVD集から新橋あたりにあったらしい「PIT」でのライブの模様をまず鑑賞、ジェイムズ小野田が相変わらず叫んでた。テッペイちゃんことカールスモーキー石井は28年も昔なのに顔が昨秋、虎ノ門にある共同溝で会見した時に見た顔とほとんど変わってない。すでに当時で30歳近く、なおかつ今は50歳に手が届こうとしているにも関わらずの容色はきっと食べているものに秘密があるに違いない。納豆か。

 あとシュークリームシュのうちに1人がこれでラストステージだったってことで、デビューライブの日本青年館で1番踊りが巧かった丸顔の彼女の最後の雄姿を堪能、「くるわせたいの」の後に延々と4分も続いたジャンプを途中、腰が悪かったからか飛ばず身体の上下だけで押さえてはいたけれどちゃんと踊りきった姿に感涙。終わった途端にカールスモーキー石井もジェイムズ小野田もマジで這い蹲っていたからなあ。復活した今もしも同じことをやったら死人が出たって不思議じゃないかも。いやでもそこは不動のテッペイちゃんだけにやりきってしまうかも。納豆だけに。

 そのまま遡って日本青年館のもこいつは以前にビデオで見てはいたけれど、改めて見て30分ちょっとの長さの中に米米のだいたいが詰まっていたなあと感慨。CDとかテレビじゃあ美顔美声のカールスモーキー石井を前面に立てたムーディーなポップスグループって感じだったけどライブじゃあ常にジェイムズ小野田を中心にしてカールスモーキー石井が周囲を回り讃え煽るって構図が確かあったっけ。そのスタイルがまんま繰り出されている上にビッグ・ホーンズ・ビーが観客席へと飛び込んだりとステージに工夫を持たせ衣装にも独特さを出していたりと、後のよりハコがデカくなって大道具小道具も立派になっていっても芯に残っていたスピリッツがちゃんと現れていた、よーに見えたけれどもその辺は残りの91年頃のステージを収録した「米盛1」を見倒してから判断。だんだんと長くなるだけに夜、眠れなくなっちゃいそう。アニメも見なきゃならんしなあ。ラル・ファク・イル・ファッシーナ、とか。

 どろどろと眠り幾つか奇妙な夢を見て中に会社をクビになる夢もあってもしかして正夢かと驚きつつ慌てもしないで身繕いして一路「東京ビッグサイト」へ。「ワンダーフェスティバル」の会場は午前11時を前にしてまだ行列が続いていたんでしばらく「VELOCHE」でお茶をしてから少なくなって来た行列の後に続いて場内へと入って見ると時間は午前11時30分。企業ブースへとはいかずまずは犬のフィギュアを作って出している、前に「東京コンテンツマーケット」で見た伝陽一郎さんのブースへと行きとりあえずおられた奥様らしき方に挨拶、もしかすると幻の漫画家と呼ばれ崇められているさべあのまさんかもしれないと思いつつも聴けず辞去して企業ブースへとおもむく。

 途中でレヴィとバラライカの素晴らしいフィギュア各9000円を見て心揺さぶられたもののこれだけのものは作れないと瞼に焼き付けるに留めて企業ブースに到着して、どっかが出してた涼宮ハルヒのハンドパペットを3000円で購入、なかなか良い出来で手首にはめると自然にハルヒの言葉が腹話術だか降霊術だかみたく口をついて出てきそうになる。もしも夢が正夢になってどっかの採用面接を受けないといけない事態になったら手にはめて面接に望もう。引っ込み思案で緊張しがちな声が一転して強気で自信満々で傍若無人なものになりそー。それで通るとは思えないけれど。困った。だったらやっぱり昔仕入れた「美鳥の日々」の美鳥フィギュアを手にはめていくか。それはそれで悩ましい反応を招きそう。やっぱり困った。

この美貌で何で自衛隊に入ったんだろう北海道ってそんなに就職口がないんだろうか  戻って伝さんに挨拶しつつ手塗りの犬フィギュアの小さいながらも表情豊かな様を堪能しつつ辞去し周辺を散策、ハルヒ強いなあ、あとはFate関連か。軒並み売り切れ。とりわけめがっさ鶴屋さんのフィギュアが結構な種類あってメーンじゃないけど元気いっぱいなあの性格に引かれる男子の多さをあらためて痛感する。鶴屋さんピンのオリジナルって出来ないよなあ。原作がないしなあ。でもOVAならあるいは。つか再映像化の話なんてあるんだろーか。放送が始まってまもなく1年。原作本も出ない中でそろそろテコ入れしてくれないとあのムーブメントも収束してしまうんじゃないかと心配。ギアスもあるし。

 さらにタカラトミーのブースで女性自衛官のフィギュア発売を記念したトークショーを見物。普通では3等海尉として売られているフィギュアが限定で1等海尉として売られたとかで即完売となったみたいでそんな人気をバックに現れた元自衛官の福島和可菜さん、とが言つつフィギュアとは違って陸上自衛隊にいた人なんだけどフィギュアと同じ1等海尉の格好で登場したらこれが本当に元自衛官かとゆーくらいの美人。たとえ来たからロシアがロシア美人を編成した部隊を送り込んで日本人を籠絡しよーとしたって、彼女1人いれば1個師団くらいなら太刀打ちできそーな美人だったからこれは逃すまいと写真を獲り、そして吹くラッパの音に耳を傾ける。何のラッパだったかは覚えていない。起床? 国旗掲揚? 進軍? いずれにしても今は”元”な訳で我が国は国防の貴重な要を失った。せめて広報役としてフィギュアの宣伝に務め国民の気持ちを自衛隊へと向けさせる務めを果たして頂きたいし実際、人の集まり具合やフィギュアの売れ具合から大いにお国に貢献したって言えそう。これで日本の安心だ。

 やがてタカラトミーのブースで「装甲騎兵ボトムズ」のアニメーション復活なんかを発表するイベントが始まったんで取材かたがた見物、郷田ほづみさんはネズミ男の格好じゃなかったけれど赤星昇一郎さんの子泣きじじいあってのネズミ男なんでピンの時は普通で良いのだ。でも「怪物ランド」が一世を風靡していた25年とか昔とそんなに変わってないのが凄いなあ。こちらもそろそろ50歳とか近いのに。声は相変わらずに艶々していてhしゃげば山寺宏一さんとか江原正士さんみたいな声も出せそうだし絞ればやっぱりキリコ・キュービーだって行けそうな感じ。発表会では終始談笑モードでキリコみたいな声は出してはくれなかったけれども今一度の起用を高橋良輔監督から約束されたからには、7月くらいのリリースだか放送だかに向けて部屋を閉め切り1人で閉じこもって暗い役を己の中に作ってそして、キリコのあの絶望と哀しみを埋めた果てに感動すら消えた声を発してくれるだろー。実写版「鬼太郎」にも出て欲しかったけどあっちは大泉洋さんが頑張ってくれるから、こっちはこっちでキリコを是非に完璧に。


【2月24日】 「ちばぎんカップ」の負けはきっとまだトルコから帰ってきて間もない中での調整不足と巻佐藤羽生山岸水野水本とレギュラークラスを日本代表と五輪代表にひっ括られて出せなかったことによる駒不足、その中でも黒部新居と攻撃力の高い選手も獲りジョルジェビッチってセルビアの代表クラスも加わってそこに代表から戻ってきた選手も混じればこいつはすっげえスペクタクルを見せてくれるに違いない見せてくれるはずだと信じることにしてジェフユナイテッド市原・千葉のシーズンチケットを最終日にして購入、SA席。コーナー付近からバックスタンドセンター付近へと伸びる一体はピッチを斜めに見通す形になってどこのコーナーで何かが起こっていても見やすいのだ日立台とは違うのだ。

 すでにKAPPAのピチピチユニフォームは今シーズンからキャプテンになった佐藤勇人選手のネーム入りで予約してあって開幕までにはきっと多分届くはず。付属していないキャプテンマークは後で「ゲーマーズ」かどっかて「超監督」か「団長」の腕章を買ってきて代用しよう。いっそオリジナルで作るか「超主将」腕章、SOS団マーク入り、強いかも。問題はやっぱり阿部勇樹選手の抜けた穴だけどそれを穴と感じるくらいに大きかた阿部選手の存在感って奴を改めて確かめる意味からも見ておきたいと国立競技場へと行き「ゼロックスカップ 浦和レッドダイヤモンズvsガンバ大阪」の試合を見物、「ナビスコカップ」ん時とは違って冬でプレシーズンで大阪からの遠征ってことでガンバ側のゴール裏なら入れるだろーと思い試合開始1時間半前に言ったらやぱりまだ空いていた。

 けど試合開始の頃にはほとんど埋まって良い感じ。もちろん国立だってホームにしてしまえるレッズの動員力はすごくてゴール裏からバックスタンドの上段を抜けてアウェイのゴール裏隅に作られた緩衝地帯近くまで赤い波。バックスタンドの中段下段もちらりほらりを赤が見える雰囲気はやっぱり相変わらずのレッズホームって感じで大阪から来るチームにとって国立でのカップ戦で相手がレッズはいつもながら申し訳ないって印象。天皇杯ん時はどーだったんだろー。05年のナビスコカップん時はアウェイでもガンバから来たサポーターが国立の半分を埋めて青と黄色にぴったり別れたからタイトルのかかった大一番となるとちゃんと駆けつけるんだろー。まあしょせんはゼロックスはプレシーズンマッチってことですね。

 とはいえ開幕を1週間後に控えた試合は新メンバーのフィット感とかチームの仕上がり具合を見る上では大切なもの。ってことで赤いSAVASのユニフォームに身を包んで日本の試合に初お目見えの阿部選手は……いたっけか? 中盤の底に鈴木啓太選手と並んでボランチを努めていたんだけれどもジェフ時代っぽく誰かをマークして潰し役に徹するでもなくボールを奪ったら前線へと正確なフィードを行う訳でもなくそもそもボールに絡む機会が極端に少なくって中盤付近をあっちへ流れこっちへ動きそっちへ漂いどっちへ向かおうかと迷っているよーに見えて正直言えば役立たず。時折カバーに見せる動きには俊敏さと読みの良さもあって千葉ん時と同じ凄さを感じるけれどもトータルではやっぱり役に立っていなかった。何でだろー?

 それはあれかなあ、要となって跳ね返しはじき返して奪い返す闘莉王選手がいなかったんで最終ラインからもらいビルドアップの起点になれなかったことがあったり、ゾーンで守る守備に1人、マンマークの雰囲気を持って入っていたため二川選手をマークし続けても他の選手がフリーで入ってきてそこにボールを渡されると為す術がなくなってしまったことがあったりしたせいかなあ。まあそーしたイメージの齟齬って奴もきっとシーズンが始まれば埋まるだろーから4対0ってガンバに惨敗したのを反面教師に残る1週間で立て直して来ると信じよう。でないと阿部ちゃん出した千葉の立場がないからね。いやいつでも返して頂いて良いんだけど。

 試合終了後に中野ブロードウェイの「タコシェ」へと出向いて桑島由一さんの一味が作った同人誌の合本を購入、3冊入っていたけど売れてこれだけしか残っていなかったのかそれとも最初からこれくらいの入荷だったのか。午前中の寄った秋葉原の「とらのあな」では見かけず。それとみ見落としていただけなのか。池袋の「あな」にはあるのか。明日午後にでも寄ってみよう。しかしやっぱり謎な本。表紙だけじゃあ何の本だか分からない、エッチだけど。でもまあそーした企みがあってこその自費出版的面白さ。企みに関われたことをとにかく嬉しく思いつつ売れて頂きそして桑島さんのSF誌進出と科学忍者村さんの文芸誌突入を願ってあちらこちらに買ってはバラ巻いて反応を見よう。

 それにしてもこれで何連敗だルルーシュはスザクに。体術で負けナイトメアの格闘戦でも破れて今回は面前と銃をつきつけられ人質にされてしまう体たらく。あの距離だったら腕に覚えのある軍人上がりの誰かが狙撃すれば1発でスザクの命を奪えただろーに、パーティ会場で紛れて後先考えずにテロを敢行しよーとするカレンみたいな人間はいても冷静にその場で判断を下し行動する人間はまだ「黒の騎士団」には見あたらないってことなのか。それにしても唐突にご登場のシュナイゼル殿下はあれだけの巨大な船をいったいどこから持ってきたんだろー。

 いくらジャミングがかけられていたといっても遠目に肉眼で発見できるだろーに。それはブリタニアも同様か。ユーフェミアたちだって気づかないうちのご登場、そして銃爆撃。あの近接での爆撃にどーって生き残ったのか、例えばランスロットの防御力を発動させたんだとしたらそれをさせるためにルルーシュはスザクに対してギアスを使ったのか、等々残された謎が明らかにされる次週が待ち遠しい。残る今クールの4話とかでまず絶対に収まりそーもない話なだけにどこで止めてそして想像される次の半年へとつなぐのかって所にも注目だあ。とりあえず残る話数でヴィレッタの復帰はあるのかそれとも相変わらずの裸セーターでタコさんウインナー作りをし続けるのか。ユーフェミアの声が「はれときどきぶた」の十円安に時々聞こえるんだが。気のせいか。


【2月23日】 「イクステンド」ってどっかで聞いたことあるなと思い返してアニメの「JINKI:エクステンド」ってのがあったっけと思い出す。でも意味は知らない。赤井紅介さんって何だかまっくろくろすけの親戚みたいな名前の人が書いた「ゼロ・イクステンド」(集英社スーパーダッシュ文庫)によればそいつは「超能力者」の意味でお話には超能力者が登場する。それも戦隊で。「超人ロック」の新世界戦隊みたいなもの? いやいやこちらはもうちょっと世界と設定が入り組んでいる。まずイクステンドとやらになれる人間が限られていてそいつは2つあって暮らしている人もそれぞれに同一人物が2人いる並行世界が18年に1度、重なり合った時に生まれたどちらかの世界に1人だけしか生まれなかった者たちで、「WORKS」って組織の引っかけられては何かの為に戦わされる運命を背負う。

 何かってのはそれぞれの並行世界からの侵略で、とりわけ一方の世界で殺人者と恐れられている男は圧倒的なWORKSたちのさらに頂点に立って世界を支配し、もう一方の世界へと攻め込もうと画策しているんだけどそこで問題になるのが並行世界にいる自分。何でも同じ人間がいるとそこにはいけないそーで殺人者は支配下のWORKSたちを送り込んでは並行世界にいるもうひとりの自分を殺害しようとする。こうして狙われる羽目になったのが近木圭一郎という少年。送り込まれてきたWORKS戦隊のうちの空間を切り裂く能力を持ったラウラに唐突に襲われそして戦隊に、さらには殺人者と呼ばれるもうひとつの世界の圭一郎に迫る力を持つ東堂に襲われ絶体絶命のピンチを迎える。

 仲のの良かった同級生でクールな美少女の白拍子亜由美に八塚和彦と戯れていた時間すら否定されて迷い落ち込む圭一郎。向こうの圭一郎にはあってこちらにはなかった力が発動する、なんて可能性にも思いが及ぶけれどもそれよりやっぱり気になるのは、並行世界に1人しかいない人間にだけイクステンドが生まれるはずなのにどーしてあっちの圭一郎にはWORKSたちをひれ伏させる圧倒的な力があるのかって部分か。普遍性があってしかるべきルールに持ち込まれるルールを超越した存在は話を転がす上では面白いし感情移入もしやすいけれど、時に反則めいて興ざめも起こさせる。けどまあ物語は始まったばかりってことで重なり対消滅する1年後というリミットに向け互いの世界のイクステンドたちがどんな戦いを、あるいは友情とやらを繰り広げるのかを謎への答えとともに期待して待とう。出るかどうかは知らないけれど。イラストの宮城さんは「GA文庫」で出ていた「に続いて連続のお仕事。クールな表情でスレンダーなボディのキャラが良い味。

 いろいろといろいろな話があったりする新風舎にあって、事件の実録物とかが復刻されたり日日日さんが登場したりして活動にちょっとばかり期待している「新風舎文庫」が行っている「新風舎文庫大賞」で準大賞を受賞し敢行された松山剛さんって人の「閻魔の弁護人」(新風舎文庫、752円)を読む。閻魔のお裁きを受ける地獄へと落とされた亡者の弁護をする藁掴(わらつかみ)って名の男を主人公にした法廷劇だか逆転裁判物だかと思って読んでいったらさにあらず。天上界の圧力に対して地獄の一部に叛乱が起こって地獄をまずは蹂躙し、天上界をにらんで攻め上がろうとする騒動に巻き込まれ翻弄されつつも、過去を背負った藁掴が蹴散らされ蹂躙される命を救おうと奔走する熱血ストーリーになっている。

 天道人道地獄道に加えて修羅道餓鬼道畜生道とある「六道」をベースに人が犯した罪の責め苦を追う地獄の様子がまずは描かれ、地獄にはいろいろあってそこに集う閻魔や鬼や獄卒といった面々の性格性質が紹介され、天道より攻め降りて来る阿弥陀如来を中心とした仏法に帰依した面々の性質性格が紹介されていたりしてそうか地獄って「幽々白書」みたいに1つじゃないんってことが分かって勉強になる。もちろん仏教なんかの典籍にある地獄や天国の解釈をベースに小説にする上で作者なりの創作を盛り込んであるんだろーけれど、単に天国だ地獄だと分けずにそこにはいろいろあるんだってことを思い出させてくれるって意味で、書き手の関心事に対する熱意とそれを綴りたいってパワーが伺える。

 お話自体も頑張る真面目な少女をめぐって皆が何とかしよう、頑張ろうとする展開とか、人を殺めたのならばやはり責任はとるべきという主張の真っ直ぐさが読んでなかなか良い後味。いかにもな記号を並べてありがちな器に入れてシェイクして、ちょっぴり異色のネタでもってトッピングで目立たせる作品が増えてきた中にあって珍しく情念と主張を持っている本って言えそう。破天荒さはあってもストーリーはいたってシンプル。読み始めれば情報の多用さもあってぐりぐりと読まされてしまう。イラストはなるほど新風舎文庫が普通におかれている棚だと漫画っぽいっていうかアニメっぽいっていうか、目立つことだけは確か。それは前に出た「魔王の憂鬱」でも同様か。2度目ってことは「魔王の憂鬱」が売れなかった訳ではないんだなあ。でもまあそーゆーのに馴れた目にはとくに派手じゃなく地味でもないんでライトノベルの棚でお見かけの際ににはちょっと眺めてみては如何、値段が気にならなければ。高いよねえ。ほう、「閻魔の弁護人」公式ページなんてものもあるのか、頑張るねえ。

 まあ良いけどさ。内幕を関係者のいる前で喋って平気なキャラクターってのもいない訳じゃないし。でもなあ。先に社交辞令でも一緒に仲良くやってますってバンダイ側の最高経営責任者の挨拶があった直後にコーエー側のとっても偉い方が最初はバンダイあんまり乗り気じゃなかったんだよねえってことを、京都の任天堂のとっても偉い人がそう言ってたんだよねってどっかに責任をおっかぶせるような形で言うのは2重の意味で礼からちょっぴりズレているよーな気がしないでもない。まあ鷹揚に構えているのが大人って奴だろーけれど言った当人がさっと居なくなって後にバンダイ関係者ばかりが残ってしまった会場で、バンダイのゲーム部門の偉い人がフォローに回る構図ってのも見ていて微妙に居心地が悪い。会社は大人になっても経営は大人になりきれないままこの荒波を乗り切らなくちゃいけない苦境って奴にあるいはさしかかっているのかも。スクウェア・エニックスはそこを乗り越え今がある、ってことか。バンダイナムコもだ。

 それはともかく「ガンダム無双」は見るからに迫力のありそーなゲームで「プレイステーション3」を持っている身としては是非にもやりたいソフトナンバーワン。さすがに宇宙でムサイを取り囲むよーにそれこそ何千何万って数のザクが群れている様を見ると、そんなにザクがあったら2月で戦争に勝利できるぜだいたいそれだけのザクを作る資源がジオンにあるのかいって疑問が浮かぶけれどもそこは面白さが第1で考証は二の次の「無双」シリーズってことで。だいたいが「ガンダム」に「Z」に「ZZ」に「W」で「G」でさらにはヒゲまで登場して、同じフィールドに立つんだから考証なんて意味ないから。あとはひたすらゲシゲシ進みバシバシ切り刻むのみ。その爽快感さえあれば、でもって「ガンダム」ならば売れないはずはない、とは思うけれども何しろインストール台数でハンディがあるからなあ。200万は吹いた数字でも100万はどうかなあ。言って欲しいけどなあ。帝国ホテルの男子トイレに入って小用をたしていたら隣に立って声をかけられ驚いたソニー・コンピュータエンタテインメントの偉い人の為にも。もうツレだし。


【2月22日】 そしてやっぱり「OAZO」にある丸善のコミック売り場にラックに入れられ並べられている「コミックガンボ」を抜き出しそのまま立ち去る心に痛み。無料なんだから堂々としていれば良いんだけれどでもやっぱり何か持ち出しているよーで、呼び止められやしないかと心がビクつく小心者。勇気が欲しい。でもって真っ先に「パート怪人悪キューレ」を読む。というかほとんどこれだけ目当てにもらっている感じ。ヒーローの旦那の稼ぎが不安で悪の組織の女幹部のパートを始めた妻が子供を連れて組織へと行き託児所に預けておいたら子供が悪の教育を受けて母爆発、って展開。エプロン姿で戦う母かわいい。旦那より強いんじゃないのかなあ。

 あとは御大・村上もとかさんの「岳人列伝」とか村上的重厚さで読ませるなあ。成功ばかりじゃなくって悔恨も描くあたりがベテラン。あとは「人間噂八百」が落合監督を取り上げていてまあ読める。有名人過ぎて有名なエピソードばかりで徳大寺有恒さんとかに比べて読んで驚きが少ないのが残念。次回に期待だ。林家木久蔵さんの評伝は絵が巧いなあ。話はそれなりに。ここで師匠として描かれる三木助は3代目だから木久蔵が漫画でお世話している子供が自殺した4代目の三木助ってことになるのか。「通販の鬼」もまずまず。日高トモキチさんのエッセイ漫画は女の子キャラが可愛い、と思うと読み所も割とあるけど単行本となるとなあ、「悪キューレ」くらいか、やっぱり看板はこいつか、表紙になるのはいつなんだ。

 しばらく前だと食品に入り込む異物でちょっと前だと自治体関係者の飲酒運転で最近だったら賞味期限切れ食品か。1つ不祥事が出るとメディアがよってたかって同じネタを探し合ってほじくり返して騒ぎ立てる一方で、本当に掲載されなきゃいけない大事な話がすっとぶという阿呆な行状は今に始まったことじゃない。中央から同じネタを探し出せって司令が飛ぶ一方で、その方が大きく掲載されるから地方の支局で社会面をねらって出稿してはお褒めにあずかり中央に上がりたい記者が、かけずり回っては頑張りネタ探しをするんだろー。ご苦労さまです。

 けどなあ。こんとこ流行っている社説の盗用話の中から出てきたこれは流石に間が抜けているというか阿呆らしいというか。「新潟日報社 朝日新聞から社説盗用 拉致事件関連で」って記事が毎日新聞に掲載されているけれど、「冒頭『北朝鮮による拉致被害者が、また一人増えた。鳥取県米子市出身の松本京子さんだ』との表現が、同月18日付の朝日新聞社説『被害者認定 また広がった拉致の闇』の冒頭『またひとり、北朝鮮によって拉致されたと見られる日本人が増えた。鳥取県米子市で縫製工場に勤めていた松本京子さんだ』と酷似するなどしていた」って記述にはさすがに気が抜けた。

 どこが酷似? 似てないよ。っていうか100人が書いたらそれぞれ20人づつは書きそうなイントロじゃない、どっちもさ。同じファクトを描こうとしてストレートな文章の前後を並べかえたらこうなるってだけのこと。新しくもないし格好良くもない。よしんばパクったんだとしてもパクられたって騒ぐような高級で複雑なロジックが使われている訳でもないのに。「だから言ったではないか」とかって大昔の桐生悠々が書いたようなインパクトのある出だしをパクったんならまだしも、そこいら辺にあって誰もが書きそうなイントロが並んでパクったパクられたっていったいそれでも言論機関の看板たる社説をめぐってやることか。ああみっともない。

 もっともパクった社説がたくさんあったからってしばらく社説の掲載を止める山梨日日新聞なんてのもあるくらいだから、今や社説なんて天気予報やテレビ欄以下の価値しか新聞社にとっては無いってことなのかも。大事だったらまずは反省の社説を1面で展開しつつ続けて主筆の社長が筆を執るとか、若手でも筆の立つ記者を抜擢して社論を護持するのが言論機関ってものなのに。もはや言論ではなく情報の伝達手段でしかないってことを自覚してしまっているんだろうなあ。だから社説を書く筆も軽くなって引用というかパクりというあ安直な書き出しというか、そんな内容のものが横行するんだろうなあ。社説がなく社論なき情報伝達手段でしかない新聞に、だったら世間は”知る権利”とやらを代表して委託しておくべきなのか。言論の府であるとの自認を世間も理解していたのに自らそれを外してしまうメディアの将来。明るくないかもしれないなあ。

 「ギャラクシーエンジェル2」の案内があったんで秋葉原へと出向いて「ゲーマーズ」を覗いて「デ・ジ・キャラット」のDVDボックスをチェックしたら品切れ模様。CDボックスはあったけれどもセットで買ってこそのボックスってことで看板作品を発売翌日に品切れさせてしまう発売元にして総本山のこれは集まった客の多さを予想するべきなのか、それともリスクを勘案して絞った弱気を指摘するべきなのか。近隣の石丸でもこっちはDVD、CDともボックスは欠品だったからやっぱり入荷が少なかったんだろうなあ。船橋の「ららぽーと」にある「ゲーマーズ」は発売日の21日と22日が確かお休みだったから23日に行けばまだあるかな。ないかもな。

 折角だからと石丸でドラマ版「半分の月がのぼる空」のボックスを仕入れる。本編が3枚で得点が1枚の4枚組でとてもシンプル。アニメーション版の限定版ボックスとそれほど変わらない。1枚しか入っていないパックを何枚も放り込まれるよりはボックスはこーゆータイプの方が有り難い。内容の方はすでにテレビでだいたい見ているんで今さらだけどとりあえずオープニングを聞いてあとは吉野公佳さんのヤンキー魂を再び目の当たりにして喜ぼう。石田未来ちゃんもプニプニとした難病患者を演じてくれてて可愛いし。今やってる「しにがみのバラッド」はうーん、ちょっと微妙かなあ。原作への思い入れがあんまりないし少年の演技がポン酢だし。ライトノベル原作だと「少女には向かない職業」も出ていたっけ。三坂知絵子さんも出ていたあれ。どうしよう。


【2月21日】 見た目の雰囲気とか髪形とか手足のバランスとかからベッキー・コゼットと一部でもなく個人的にだけど大受けの「レ・ミゼラブル 少女コゼット」は、「世界名作劇場」のくせに地上波の日曜午後7時半から見られないとゆー暴虐さもあってなおのこと見たい感が募るけれどもいよいよこの春からBS以外で放映が始まるって聞いて調べたら今度はCSでやっぱり見られない。かといって千葉テレビとかじゃあ水曜午後6時とかの再放送枠で一気にオールディーズ感が募るから避けて頂きたい気も。やっぱり「母と子のフジテレビ」がちゃんと母と子の見られる時間の放送すべきだよ。っていつだ。土曜日午後6時か。その枠も今やお荷物感が。

 ともあれ今や視聴率の低下で絶滅寸前のファミリー層向けアニメをそれでも復活させるんだったら世界にチャネルを持って南米だって欧州だって売れる「アニマックス」ならベストとばかりに引っ張ってきたアニマックスブロードキャスト・ジャパン。かける意欲も満々らしく主題歌を唄っている斉藤由貴さんを招いて囲み取材を敢行するってんで駆けつけ待つことしばらく。そして登場した斉藤さんは手にヨーヨーも竹刀も持っていなかった。当たり前だ。でも見た目は昔と変わらず3児の母となってもあいかわらず目が丸く顔もふっくらで喋りもほにょにょ。その意味では昔っからやや老けてたってことにもなるけどここまで変わらないとあと20年も変わらず仕事に勤しんで頂けそうー。若さが売りでも更けたら終わりな芸能界にあって、こいつは貴重な才能だ。

 そんな斉藤さんだけど「めぞん一刻」の主題歌を唄っていたこともあってかかなりのアニメ好きらしく会見で「私はアニメオタクで『アニメージュ』と『ジ・アニメ』を毎月勝ってました」と発言。「ジ・アニメ」って一体いつの時代の話だ。たしか「ニュータイプ」が創刊されたのが「Zガンダム」あたりの頃で84年か5年だったからそれ以前かそれよりしばらくか。ともあれなかなかの古手ファン。これで「ファンロード」とか買っていたってんあら更に凄いと認めたかも。いや本当は「アウト」ともども買っていたんだけど言うと性癖がバレると思ってセーブしたとか。でも「ジ・アニメ」と言った段階ですでに相当さは露見しているのだ。集まった若い記者たちで知ってる人っているのかなあ。「ジ・アニメ」。

 そんな斉藤さんでも昨今は親子で見られるアニメがないってお嘆きの様子。主題歌は勇ましく内容は過激で言葉遣いは乱暴。ある程度年齢が言ったら別に構わないんだろうけれど、7歳を筆頭にした子供ばかりじゃ流石に見せられないって気持ちも分かるよ「セイントオクトーバー」とか。いや「セイントオクトーバー」なら大丈夫か、せいぜいが庭に生ってる葡萄を握りつぶして果汁を服になすりつけて遊ぶくらいだから。そいつぁ親には迷惑か。家事に勤しんでいる最中に包丁で指を切っちゃうドジっ娘ママには増える家事は荷が重い。やっぱりここは斉藤さん一家が見られる合い目を制作者たちには切望。「めぞん一刻」なんてどうだ。いやあれはあれでドロドロと。

 「セイントオクトーバー」といえばokamaさんがどっかに関わっているらしーけど雰囲気が残っているのはキャラの衣装とか妙な動作あたりかな。okama度の色濃さでは「ひまわりっ!」がキャラの再現度として高く「月面兎兵器ミーナ」がキャラのアイテムの突拍子のなさで濃さを残しているんだけどやっぱりこれぞokamaって色気とそしてグロさに欠ける。その辺ややっぱり自身の作画によって紡がれる漫画で楽しむしかないんだろうってことでしばらくぶりに登場した「クロスロオド」(集英社)の第4巻を購入、メイさま格好良いよ最高だよ。モデルは見られてナンボったってモデルはファッションを見せてこそナンボなはずなのにそうじゃないんだと自ら証明。でもって跪かせる神々しさ。こいつに勝とうなんて1万年速いぜジェニファーお嬢ちゃん。

 メイ抜きで始まった服飾メーカーのトップモデルたちによるバトルロイヤルに乱入して大騒ぎをしてくれるかと思った矢先に現れたジェニファーとファーガスの父親にして天才デザイナーが見せる圧倒ぶり。そして狂乱ぶり。1万年まで迫ったメイすら上回りそうなそのパワーにジェニファーとそしてファーガスがどう立ち向かっていくのかって当たりでこれからまだまだ楽しませてくれそーな「クロスロオド」だけどこんなアニメ界でのokama人気にも関わらずアニメ化とか聞こえて来ないのはキャラの抜けっぷりにファッションの絢爛ぶりにモチーフのグロテスクさがメーカーに二の足を踏ませているのかなあ。サボテンの棘がささったり脂肪が刻まれ剥がれ落ちる描写なんて見せたら斉藤さん家の子供が家の針と糸を持ち出し家庭内をぐっちゃぐちゃにしそうだからなあ。でも見たいよお。OVAでも良いから見せて欲しいよお。メイさまの声は誰が良いだろう? 根谷? 大原?

 履いていたと分かった。ベッキーじゃないレベッカのレヴィ。「月刊サンデーGX」の表紙に登場した戦闘メイド2号とそれからレヴィのうちのレヴィがいつものカットジーンズ姿で足を踏ん張り銃を構えたポーズのジーンズ前で開かれたファスナーの切れ込みにチラリと黒くのぞいている。繁みじゃなくって布地が。なるほどやっぱり履いていたのかそうじゃなけりゃあこすれて肌も荒れるよね。あとは後ろ側がどーなているかではみ出た丸みとともに布地がのぞいていないってことは弛みを引き上げる機能を持ったものではなさそう。ってことはやっぱりTか。ガサツで乱暴なレヴィがT。そいつは見物だけれど流石に表紙には描いてくれないだろうなあ広江礼威さん。だからここは想像のうちにTかもしれないと思いつつ順々に発売されていくDVDの第2期シリーズでの活躍ぶりを楽しもう。しまった第2期は半分が日本でのスカート姿だ。


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