縮刷版2007年11月下旬号


【11月30日】 相も変わらず場当たりな付け焼き刃が横行する一方で細かすぎる出費のチェックが蔓延り現場が汲々としている様にもはやいったいどうしたものかと逡巡しつつならばと手にした「totoBIG」は浦和レッドダイヤモンズと横浜FCの試合の多くがちゃんと浦和レッズの勝ちになって先週までだったらそれも当然とくじの可能性に希望も抱けたんだけれども水曜日の天皇杯での体たらくを見てそしてこれが最後の試合になるかもしれないサムライ久保竜彦の存在なんかも勘案するとあるいは横浜FCの勝ちなんて目も見えてくじへの信頼感がぐっと下がって遠のく6億円に来年のなおいっそうの泥沼に腰まで引きずり込まれて共倒れなんてビジョンも浮かんで厄年も終わってどうしてそんなとため息。師走、乗り切れるかなあ。

 やっとこさ読んだ万城目学さん「ホルモー六景」(角川書店)はなるほど基本として「鴨川ホルモー」(産業編集センター)を吹き込んでいないと分からない描写も結構あるんでこれで直木賞はちょっと無理かと理解。それは「別冊文藝春秋」に連載が始まる「プリンセス・トヨトミ」だったっけ、京都奈良と来て大阪へと舞台を移した新作が終わって単行本化されるだろう再来年の1月でのノミネートに期待するしかなさそー。んで「ホルモー六景色」は本編では京大メインだったのが他の学校の時期もちょいズレてたりするホルモー参加者へと話を振ってさまざまな側面からあの得体の知れないゲームに参加する羽目となった人たちの非日常がもたらす笑いと哀愁に溢れたエピソードを綴ってる。あと本編でもサブだった人たちの話とか。凡ちゃんね。

 その凡ちゃんは意外にというかやはりというかアルバイト先で見せたテキパキぶりがホルモーでのあのテキパキぶりにつながっていたのかと分かるエピソードが入っていてなるほど感。京都産業大学の二人静の鴨川べりバトルが何というか凄まじいというかもの悲しいというか鉄壁の関係にあった2人の女性の片方に男が出来て起こる戦いは、あのグゲゴキといった鬼語を好きになった男性の前で吐かなきゃいけなくなった女性の哀しみが痛いけれどもそこで黙ってやりすごそうとしたって全滅させられたら「ホルモー」が待っているからやっぱり同じか。行かなきゃ良いのにそれもできないいじらしさ。泣けます。相手方のマッドサイエンティストな女の子がマッドな発明を繰り出しては途中でポンコツ化して川流れしていくパターンなんかも汲んであってこれは笑える。この2人って本編だとどんな感じに絡んでたっけ、読み返してみたくなったなあ「鴨川ホルモー」。

 泣けるって意味では長持を媒介に文章をやりとりする女の子の話なんかが泣けるけれどもこれだとむしろすぐにメソメソする女の子のキャラクター造型がなかなかに愉快。どうしてこんな心理描写が出来るんだ。あと意外性では舞台を東京・丸の内に移したエピソードかなあ、京都は500代だけど江戸は開府からだと400年でそれ以前は湿地に野原だからそれから始まったとしても京都ほど歴史はなさそー。加門七海さんが言うところの大江戸魔法陣で天海僧正あたりが風水にのっとった街を作ってから始まったのかな、そだと350年とかそんなもんか。もしかすると江戸じゃなくって東京になって京が移ってから新たに始めたりしたのかな。

 京都での例から四神相応として当てはめるならお茶の水女子大が東で一橋が西だから北は早稲田あるいは立教で南は青山学院か慶応か。東大が入ってないけど京都だと同志社が入っていなかったりするから、現行での遂行には学校の知名度とか成績とかは関係のない基準があったりするんだろー。でも歴史から東大はやっぱり欲しいなあ。京都だと伝統がある同志社が入ってなくって、それが持ってる四神の中心にある黄龍を復活させるかどうとかって話も入っているから、東京でも黄龍に相応するところを東大にするって手もあるなあ。でも位置関係で言えば玄武立教で黄龍早稲田か。愛知だったらどこが入るんだ、ほとんど静岡な我が母校はよくて青龍か。でも遠すぎて除外。技術科学大学と時習館高校と短大が名を変えた創造大学でちまちま吉田城ホルモーやってます。

 耳かじられたって顔に爪を立てられたってあのボンデージな格好がすぐ隣にいてくれるだけで嬉しい楽しい喜ばしいんじゃないのか美里と叫びたかった「もやしもん」。でもこれでどうにかなってもはや隠し立て不要と長谷川遥が酒を解禁した暁に訪れる大波乱を思うとしまったしくじったと思い自重してくれているうちが健康的にも良いのかも。武藤葵と及川葉月の間に起こった何かは漫画と同様に別に描かれてなかったからこちらは想像に任せよう。いや漫画だと確か全部覚えているとか及川行ってたなあ、覚えててあの同様はつまりは……熱出てきた。次はシュールストレミング開封の回か何かか、だとすると武藤葵が酷い目にあって能登がくっささにまみれるというまた目に愉快な回。残り話数の少なさを見ると沖縄はすっとばして日吉ゴスロリ少女編へと突入か? どっちにしたってフランスへは行きそうもないか。

 サンタ夕子先生可愛すぎ。あれで子供がいてそして30歳だなんて反則。なるほど副長だって傾く訳だよほかに若い瑛花や豊満な七恵だっていたってあの発散される空気には誰もかないませんって。これに対抗するには「コードギアス 反逆のルルーシュ」でマリアンヌが水着姿で登場してくれるしかなさそー。あの話ってそーゆーオトナの女性がいないんだ、コーネリアは歳はそこそこだけれどいつまで経ってもちゃんちゃだし。会長はただのオヤジだし。ってな感じに「スカイガールズ」のお祭りエピソードでは夕子先生が見せてくれた艶姿と、見た目はそれなりなんだけれども当人に気恥ずかしさがあって堅かった瑛花とがとりあえずの双璧で、花憐はまあおっとりりとしていて眺める分には良かったけれども音羽はあんまりいつもと変わらないなあ、いつもからお祭り娘なんで。そして登場の弟くん。何をしていた。どうなった。エリーゼがヴェポラップ状態でそれはそれながらも気になる次回もちゃんと見よう。


【11月29日】 生きていたのか「am3」。って別にそんなに世間的に知られるよーな派手な事業をぶちあげてた訳じゃないけれど、その昔に任天堂の「ゲームボーイアドバンスSP」なんかでアニメーションを見られるよーにするサービスを始めるってんで記者発表会へと出向いた記憶があって、その時も「GBA」にアダプターをとりつけてそこにスマートメディアを差し込む方式がとられてたんだけれど、今回も構図はやっぱり同じで、マイクロSDカードを差し込むアダプターを別に用意していてそれを「DS」につなげてSDカードに入っているコンテンツを「DS」で再生する仕組みになっている。つまりはそれぞれに世代がアップしただけってこと。

 じゃあ何が「生きていたのか」ってことではつまりは「GBA」でアニメを見るカルチャーがまるでまったく育たなかったってことで、見渡して会見で言われていたよーな専用のキオスクからアニメコンテンツをスマートメディアに落としてそれを「GBA」で再生していた人なんて、まるでいなかったことからも明かだったりするんだけれども今回は日本でのインストールベースが2000万台を越えた「DS」を使い、値段も安くなった上に容量もあがったマイクロSDを使って高品質のコンテンツを提供できるって辺りが前回のフォーマットとは若干ながらも違って来ているって言えそー。

 前回の仕組みだってアイディアそのものはそれほど酷いってものじゃなかったけれどもいかんせん、コンテンツのクオリティが悩ましかった。アニメが見られるっても見たいアニメ作品があんまりなかった上に(「名探偵コナン」とかだったっけ)映像もカクカク系。今時の携帯電話上でだってあり得ないくらい荒い映像をわざわざお金を払ってまで買いたいって思う人がそんなにいなかった。いっそだったら文字だけのコンテンツにすれば良かったんだろーけどそーゆー話って当時はあんまり出なかったしなあ。なのでそんな感じでいつの間にか記憶の埒外へと後退していたところが今回の”大復活”。場所も品川のホテルにあるクラブにいっぱいの人を招いて行った発表会は、大日本印刷の協力も高らかに唄われ智得てコンテンツ面とか技術面での確かさを担保している。

 ってゆーか知らないうちにam3って大日本印刷の子会社になっていたりして、PDAから携帯電話からコンテンツ配信を手早く始めて手広くやってる凸版印刷に比べてやや出遅れていた感じもある大日本印刷が、国内で2000万台ってゆー化け物みたいなインストールをあげた「DS」をプラットフォームにコンテンツを配信することによって大逆転を狙った、ってことにもなりそー。技術力に資金力に広告宣伝力もついた上で最適なメディアを得てそして最高のプラットフォームを得ていよいよ本格展開か、ってことも一方では言えるけれどもでもなあ、あの爪の先ほどの「マイクロSD」をハンドリングしてパソコンに差し込みコンテンツをネットからダウンロードしてきた上で取り外し「DS」のカートリッジによくにたアダプターに差し込みDSに入れて閲覧する、ってこの手間をユーザーが果たしてどこまで受け入れるのかがちょっと見えない。

 写真だったら小さくたってそこそこ見られる携帯で結構だし、小説だって「DS」で読むくらいだったら携帯にダウンロードしてチラチラ読んでる方が全然楽。おまけにタダだしね。ようするに端末を持ち歩きたくなく手間をかけたくない人たちの跋扈が日本の携帯文化を生み出し支え発展させている訳で、ここに知識を養ったりコミュニケーションをとったりする道具としての「DS」を、コンテンツ閲覧のためのプラットフォームとしてパソコン利用のダウンロードって手間を介在させてでも使うかどーか。使わない方が気分的には多そうだけれどそれを越える魅力あるコンテンツをとてつもなく安価で提供できれば話は変わって競う。そのあたり、過去の数々の失敗例なんかを勘案しつつどうビジネスモデルとして汲み上げて来るかに、注目しつつ成り行きを観察して行こう。5年後くらいに別のプラットフォームで別のメディアを使い同じビジネスモデルを立ち上げたらそれはそれで立派と讃えさせて頂きます。

 だから愛媛FCには注意が必要だって日曜日の東京ヴェルディ1969との試合でのパス回しぶり速攻ぶりを見て感じていたけどそれを聞かなかったか聴けなかったかディフェンスに詰め寄らないままフリーで打たせて2点を奪われ浦和レッドダイヤモンズが愛媛に破れて天皇杯戦線から脱落。その印象が別に残っていた訳じゃなくってたまたま夜に出向く宴会場で目立つよー、赤いコートを羽織っていたってこともあってふらりと通りがかった銀座の「アップルストア」で赤い寄付金付きの「iPodナノ」の第3世代を購入。買ってあった「バンブーブレード」のオープニングとエンディングが入ったCDもパソコンにおとしそれも含めて転送してそしてイの一番に「バンブーブレード」のオープニングとエンディングを聞いて唄う。「あんこいりパスタライス」。

 最初はダイヤルがちょい小さいかと思ったけれどもすぐに慣れ、画面の大きさに感動してあとは電池がどこまで持つかで評価もグンと上がりそう。イヤホンもオーディオテクニカのアルミ削りだしをビックカメラのポイントで補充し体制は万全。だけれども「レイトン教授と悪魔の箱」を始めてしまったんで「iPod」を聞いてる暇もなさそー。そのまま初代「ナノ」と同様にお蔵入りのまま電池だけ摩耗していくんだ。せめて来日までの「ポリス」の楽曲を入れてマスターしておくか。まあだいたいは知っているんだけれど日本語で「ドゥ・ドゥ・ドゥ・デ・ダ・ダ・ダ」を唄われた日にゃあちょっとついていけないんで。「銭やったもんだった」。チケットの支払いも来月にはやって来るもんなあ。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のファンDVDとダイジェストDVDも出るしなあ。「totoBIG」当たらないかなあ。とりあえず買ったし。

 んで赤いコートを着て赤いビルケンシュトックを履いてコンラッドをうろうろ。していてもこっちは名前を知りつつ相手は当方の顔などご存じではない人たちの側を行ったり来たりしながら「集英社スーパーダッシュ文庫」と「コバルト文庫」の新人賞授賞式を見物する。古川日出男さんには今回も近寄れなかった。でも丸の内の「OAZO」である朗読会には近寄る予定なんでそこで近寄って観察だ。新井素子さんは遠くに見えて思うもの、近くば寄ったら目も青葉。コバルトの人はもう全然わからない。スーパーダッシュ系ならかろうじて分かる人もそれなりに。その辺りでいろいろ話して思う。ラブ・アンド・ピース。ラブ・アンド・ピース。みなさん頑張ってください僕は本を紹介することしかできないので。


【11月28日】 イラストだけでもグッと来たけどアニメーションになって動きがつくとなおいっそう、中に人が入っているんだ感が強く出てそこに柔らかさとか暖かささとかすべすべさなんかを覚えてしまうものだと思った「げんしけん2」の荻上のコスプレ姿のどアップシーン。後ろから2つの丸みを見せた場面も悪くはなかったけれどもここはやっぱり前からで、それも最初ではなく2回目に出てきて笹原のかける声だかに身をぎゅっとかがめる場面での下っ腹に力をこめた動きが出たところが気分的にはとっても心を誘われた。柔らかそうですべすべそうでちょっぴりチクチク? はしてるのかな、してるだろーなー大学生だし。しかしコスプレするとあんなにキュートなのに普段着の荻上はちょっとなあ。魂はやはり解放されるべきだよなあ。やりたいなあ「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゼロのコスプレ。仮面だから誰だか分からないから恥ずかしくないし。

 そして「ナイトウィザード」は豪快に土星へとかけつけるとそこを襲ってくる奴らが誰もが宇宙に巣のまま。全員がつまりは超人ロック級のエスパーってことなのか。土星なんて地球が5個は入るとかゆーくらいに太い輪を小さい船でうろついたところで太平洋を1ミリだって進んでいない感じにしかならないのに、ちゃんと目的に近づきそしてたどり着いてしまうあたりのスケール感が何かちょっぴりSFしているっていうか、スペオペしているっていうか、ワイドスクリーンバロッックしているていうか、とにかく滅茶苦茶で2回転半くらいした感じの楽しさを味わえた。宝玉が全部集まったのにうまく行かないその不可思議。エリスにはどーやら秘密があるみたいでそいつが次あたりからいよいよ明らかになるのかな。なったところで感動を招く類の驚きはなさそーだけれど逆に破天荒さで楽しませてもらえると期待しつつ見ていこう。見たらすぐに消すけど。

 あれからそろそろ9カ月。シーズンの開幕を前にした「ちばぎんカップ」を見に柏の日立台サッカー場へと向かう電車の中とか立ち寄った「かつや」でせっせと出題されるナゾを解いていたのも記憶にそんなに古くなかったりするけれど、シーズンが終わってまさか柏レイソルがあんなに上位へと行きジェフユナイテッド市原・千葉はまあそれなりで、そしてイビチャ・オシム監督が大変なことになるとは思いもよらなかった。それだけの大変な時間を間に挟んで登場した「レイトン教授」シリーズの第2弾「レイトン教授と悪魔の箱」の完成披露発表会を見物に品川まで出向いて待っていたら登場した大泉洋さんに司会の人が「ルーク」と呼びかけ場内は一瞬シーン。大泉さんもさすがに目を白黒させていたけれど、その後も出される質問にやや戸惑い気味だったのは隣に大沢たかおさんを立たせて緊張していたからなのか、舞台度胸はあってもアドリブに弱いタイプなのか。アドリブ弱くてバラエティは出来ないからきっとそれも含めた演技とここは理解しておこー。

 ちなみに本当のルーク少年の堀北真希さんは相変わらずの美しさですっくと立って目にまぶしい。あのたどたどしくも初々しかった「ぼくだって先生のでしでつからね」ってセリフが第2作ではどーなっているのかが目下の心配事。かといって始めると他に何も手に付かなくなるのは分かっているんでカートリッジを未だに「ニンテンドーDS」に差し込めずにいたりする。ROMの容量が2倍になっているってことはそれだけ問題が増えているのか、美麗なアニメーションをもっとたくさん見られるのか。大沢さんが声をあてている吸血鬼らしき人物の華麗な動きと悪辣さを秘めた艶っぽいセリフ回しもきっとたっぷり楽しめるんだろーと期待。

 しかし1も合わせて155万本とはすごいシリーズになったよなあ、「青山スパイラルホール」での最初の発表会なんてテレビカメラも確か入らず地味だったもんなあ。当時はほとんど誰も知らない、これからパブリッシャーになってやるんだってゆー意気込みだけしかなかった会社だけに仕方がないことだったけど、それが今じゃあテレビはずらりでメディアも大量。なにより売れてる本数が凄まじい。任天堂以外でミリオンなんて久しぶり? それもこれも社長の人の手腕とあとは多湖輝さんって叡智の起用。一大ブームを起こしながらもやや印象として薄くなっていた「頭の体操」を引っ張り出して「DS」に組み合わせて見せた着想の勝利ってことになるんだろー。隘路に来ていたゲーム業界が未来を掴む上で絶対に参考にしつつ分析しなきゃいけない事例って言えるかも。となれば多湖さんと同時期にノベルズ系で大爆発していたあれを「DS」に乗せるしかないか。「ノストラダムスの大予言」。詩を解釈しながら世界に迫る危機を退けていくってゲーム全部解かなきゃ地球が滅びるとか言って。

 品川を中座して電車で向かった都立大学から目的地へと向かう途中に神の領域へと迷い込む。居並ぶ家のどれも巨大なこと。車が4台は軽く入ってそーなガレージがついていたり、窓の向こうに村上隆さんの小さなDOBくんのバルーンや奈良美智さんのキャラの立体物を並べていたりするよーな家が連なるそこは人間の住む場所ではもはやない。神様たちが住んでいるオリュンポスであり高天原に違いなく、つかまり天罰を喰らうのもかなわないと足早に通り過ぎて目的地へと到着。そこもそれなりにすごい家だったけれどもスタジオとして使われていて中で年末のガンダム関連特番の収録が行われていて、そこに来ていたガンダム作家と今や誰もが読んで不思議がらない福井晴敏さんからあれやこれや話を聞く。

 そうか売れるにはメディアミックスだからと映画を頑張ったけれども公開されたら汐が退くよーに埋もれてしまう辺りの空しさに気づいたか。「ガンダム」だったらエバーグリーンのアイテムとして何十年も読み継がれ増刷され続けるからなあ。「ガンダムUC」を書く商業作家としての動機は理解。でもやっぱり当人のガンダム好きがあってのあの緻密でリアルでメッセージ性もある内容。自分も売りたいと思い真似したって富野さんとか納得はさせられないだろーなー。でもそこにすがりたい作家と売りたい出版者が漫画で先に成功を収めた「ガンダムエース」のフォーマットを、小説にも持ち込んで「機動戦士ガンダムノベルズ」なんて作り始めたりするのかも。新たなライトノベルレーベルってことで。さらには携帯電話向けに女子高生とか好みそうな「ガンダム」ネタのケータイ小説が続々出てきて配信されるんだ。ありそーなだけに気分は複雑。

【11月27日】 あんこいりパスタライス。とすでに世界ではデファクトになっていたりする歌が発売になっていたんで「ゲーマーズ」あたりの店頭で買い求めたら手ぬぐいが着いてきた。これを頭に巻いて面をかぶれってことか。これを頭に巻いた剣士が新春の武道館での稽古初めにずらりと勢揃いしたらちょっと楽しいかも。そんな「バンブーブレード」のCDはオープニングとエンディングがカップリングになっているとゆー、近頃もって珍しくもリーズナブルな仕様で有り難い。「コードギアス 反逆のルルーシュ」なんて前半後半で主題歌エンディングと4枚くらい出ているもんなあ、つかそれが今や普通なんだもんなあ。手ぬぐいとは別にシールももらえたけれどもこれはタイトルが描いてあるだけだからどーでもいいや。覚えて聞いてカラオケで歌おう。5人揃って唄わないとダメかなあ。

 でもってアニメの方は戦いがあんまりなくって停滞気味。虎次郎とおばさんとのバトルは見ていて楽しいものじゃなかったし。ファンシーショップの店長の声が大原さやかさんと知って驚く深夜の脳髄。レイラ・ハミルトンさんもこんなにおやつれになって。とても木曜日の深夜にお臍を出して闊歩している長谷川遥さんだとは思えない。とか言ってたら次の番組の「スケッチブック」で姉貴相手に苦悶している弟までもが大原さんか。あらゆるアニメに川澄綾子さんの轍じゃないけどあらゆるっぽいアニメに大原さんって時代でもあるのか。2人が揃って出ている番組ってあったっけ。ああ「怪物王女」がそうだった。おお「灼眼のシャナ2」もそーだよ。やっぱりあらゆる場所に後藤邑子が。能登麻美子が。

 つらつらっと新発売のDVDを仕入れる。「DARKER THAN BLACK」と「天元突破グレンラガン」と「バッカーノ!」。って見ると全部がアニプレックスの作品じゃないか、いつからこんなに楽しい作品を作るよーになっていたんだアニプレックス、「はれときどきぶた」以来じゃないか、ってそりゃあ昔過ぎ。まだSPE・ビジュアルワークスて言ってた時代だよ。ほかだと買ってないけど割にヒットしている「おおきく振りぶって」とか「地球へ…」とかも確かアニプレックスだったよーな。しばらく見ないうちに「鋼の錬金術師」の夢よ今一度的な大当たり狙いじゃなくって、規模は小さいけれどもちゃんとそれなりな作品作りが出来るよーになっていたのか。この勢いでちゃんと作っていって欲しいけど、後に続く作品があんまりないよなあ。力尽きたかためてる最終か。様子見。

 そうか岡田武史さんかあ、日本人で実績もあって経験もあってってなると他にあんまり考えられないもんなあ、でもだからといって手放しで喜んで良いかというと割に勝負となるとリアリストだったりする所もあるから2年後3年後に花開く何かってものを感じさせてくれるかがちょっと微妙。あの巨体とそして過去の実績から今はどうでも2年後3年後に何かって期待を無言ながらも感じさせてくれていたオシムさんとの、そこがやっぱり差なんだろーなー。でも仕方がない、それが道行きならば岡田さんにはしっかりと3次予選を勝ち最終予選も勝った上で、本大会で決勝トーナメントへと進める可能性を持ったチームを作って頂く成り無理なら誰かに作ってもらうなりして頂きたいもの。希望を言えば予選突破を果たした後の本大会はそこで勝てるチームを作れるエキスパートを引っ張ってきたいなあ。オシムさんが復帰していれば言うことないんだけれど。

 巧いし面白いし楽しいし完璧。もはや中堅といっても良いくらいの実力ぶりを見せてくれててこれなら直木賞間違いなし、って思ったらすでに取っていたんだよ三浦しをんさん。知ってたけど。でももう1回あげたって良いくらいに「仏果を得ず」(双葉社、1500円)は素晴らしい。いっそ山本周五郎賞を差し上げてしまっても良いんじゃなかろーか、って今更もらって喜ぶかどーかは分からないけど。テーマは文楽。ちょっと前からそーした方面のリポートなんかを書いていたのはこれの取材のためなのか、好きが高じてこうした小説になったのか。いずれにしてもこちらはフィクションの小説として文楽の世界に飛び込んだ青年が恋に悩み芸に悩みながらもちょっとづつ成長していく話が文楽の事情と搦めて書かれてあって勉強になるしストーリー自体も山あり谷あり笑いあり涙ありと楽しめる。

 研修所出身だけれど熱心で30を過ぎてそれなりに形がついてきた笹本健大夫に師匠の銀大夫があたらしい三味線を着けようとするもののこの三味線がなかなかの頑固者で変わり者。最初はまるで関心を持とうとしなかったものの師匠の言いつけもあって健大夫と組み、それでもいやいやだった感じだったのが健大夫の真剣に芸に取り組もうとする姿勢に触れてしばらくはいっしょに組んでみようかという気になって来る。けれどもそこに事件。健大夫が出向いて義太夫を唸っている小学校に通う生徒の女の子の母親に健大夫がひとめ惚れ。そしてつきあい始めた所に娘が先生である健大夫を好きだと言いだし母と娘の間に引き裂かれるよーになって芸にも影響が出始める。さあどうする。

 ってところで語られる「仮名手本忠臣蔵」での勘兵衛の心理だのといった文楽の演目に描かれるさまざまな恋と生き様に絡んだ文楽の知識。それが現代に生きる健大夫の気持ちを動かし、逆に日々の恋愛沙汰が文楽で義太夫を唸る健大夫の力にもなっていく。心配事も起こるけれども男だからと責任を背負って頑張った果てに張り裂け潰れてしまうような展開にはならず、そうやってひとり責任を被ろうとする男の不遜さが浮かび上がって反省とともに肩の荷がすうーっと下りて気楽になれる。とにかく学べてさらに楽しめる画期的な小説。まるで文楽の世界が落語の世界のように陽気でけれども厳しくて、それでいながらやっぱり楽しい世界に見えて来るけど本当にこんな感じに和気藹々としているんだろーか。これを読んで進んでみたいと思う人とかいそーだよなー、10数年後にやたらと若手の才能が文楽に溢れたらこの本のおかげってことになるんだろーなー。


【11月26日】 風船ガムは久々にふくらませようとすると結構難しいと夏に「バブリシャス」のイベントでもらった風船ガムをふくらませていて気が付いた。3つくらいを口に入れると顎も結構疲れるのだ、ってことはまるで説明はされなかった「みなみけ」だけれど流石は初代番長だけあって春香は風船ガムを2重にふくらませられる特技を持っていた。こいつは驚き。どこで修行をしたんだろう。番長だから当然なのか。番長はすごいなあ。んでもって保坂先輩は相変わらずの羞恥プレー。だけれど本人だけがそれを恥とは感じていないところが春香以上の大物っぷり。傍目にはただの阿呆にしか見えないなけれど。鱈だっけ、かかえて素肌にくっつけて冷たくないんだろーか。

 見返して「レンタルマギカ」。もうてこ入れの温泉パートか。ソロモンの魔神を温泉堀に使うとはなかなかに剛毅だアディリシアさん。一方の穂波もケルト魔術を駆使して温泉の霊脈をさぐろうと山野をかけめぐってはアディリシアとの衝突を繰り返すものだらか、もうあたりいちめん呪波汚染が広まってしまったんだけれどコミカルな回にシリアスな影崎は無用とばかりに協会の介入はなく、最後まで愉快な恋のバトルを楽しめた。それに気づかない伊庭いつきの唐変木ぶり。だらしなくって弱々しいその声や姿はとてもじゃないけど「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュ・ランペルージと同一とは思えない。衝立の倒れた温泉で全身を打ってうつぶせにプールに浮かんでいるその姿。ルルーシュだったらありえないよなあ。しかしどーしてうつぶせなんだろー。逃げようとしたからか。見上げてたんなら仰向けでも良いのに。いや仰向けあとツンと立つあれに穂波とアディリシアが暴走するから拙いか。猫ちゃんたちは大丈夫だったのかなあ。

 たまにはミステリの勉強でもしよーと「ミステリマガジン」のリニューアルを記念した座談会を見物。最前列の隅にすわって池上冬樹さんと北上次郎さんと羽田美智子さんじゃない羽田詩津子さんと新保博久さんが繰り広げる「新・世界ミステリ大全集」のラインアップをどーするか話を聞こうとしたら話があんだんとそれてマイクル・コナリーの解説が書きたい書きたいと言ってた北上さんがある日気づくと4巻だかの解説をすでに書いていたとゆー話や、何かの解説を書いた羽田さんの名前が詩津子じゃなくって美智子になっていたとゆー話なんかが繰り広げられて妙に愉快。全集の話は08年1月号から順繰りに掲載されていくからそれを読めば分かるってものあから、こーゆー脱線の果てのゴシップでも別に気にならない。ってゆーか名前を出されてもミステリの作家なんてまるで分からない。「ミステリマガジン」を買ったのだって1生で2回目くらいだし。

 それはやっぱりほら、「ミステリマガジン」ってどことなく高尚な感じがあって日本のミステリを特に選びもしないで適当に読んでいる人間には敷居が高かったんだよね。でも数年前から日本人作家のインタビューなんかを増やしてそして、満を持してのリニューアル後は日本人作家をレビューする人が3人に増えて登場する作家も多くなって、そこに海外のミステリ情報だとか作品の翻訳だとかも混じって買っても読むところないじゃん感が大きく減殺されている。レイアウトもどことなく「SFマガジン」に近いものがあって、これなら違和感なく手に取れそーだけれど乗っている連載も翻訳されている作品もやっぱり今ひとつ縁遠いんで、今後とてつもない作家の作品が掲載されるとかって時を見計らいつつ今は様子を見ることにしよー。どう考えたって「SFマガジン」にライトノベルが掲載されたよーに「ミステリマガジン」にもライトノベルの作家が載って表紙が緒方剛志さんとか黒星紅白さんとかいとうのいじさんになるってことはあり得なさそうだし。西島大介さんならありそーかな。

 参加者の4人がそれぞれに今年の3冊を上げていた中では池上冬樹さんが阿部和重さんの文庫化された「シンセミア」を挙げていたのが印象的。そうかあれはミステリだったのか。あとは桜庭一樹さん「私の男」とか。北上さんは「ウォッチメーカー」を挙げてて新保さんは「治療塔」で羽田さんは「双生児」とあと「ロング・グッドバイ」。翻訳家として村上春樹さんの翻訳スタンスが気になっていたみたいで、「ミステリが読みたい2008」で村上さんが寄せていた「完璧な翻訳というものはない。そこにはただ誠実な近接がるだけだ」という言葉をひいて異国の言葉を日本語にする大変さを示してくれていた。そういう多田さんの翻訳作品を実は読んだという記憶がない。だいたいが海外ミステリなんて読まないもんなあ、せめて「ロング・グッドバイ」は読んでおこうか。前の翻訳とも合わせつつ。

 その「ミステリが読みたい2008」でおそらくは壇上にいた誰1人として読んだことのないだろー“ミステリ”を紹介していた人間だと気づかれないまま4人から「ミステリマガジン」にサインを頂きさっさと会場を後にする。だってニート探偵のアリスのどこが良いのと言われてパジャマ姿でドクターペッパーをがぶ飲みしつつ麺も具もはいっていないスープだけのラーメンをふうふう良いながら食べるところだと言ったら怒られそーだし。天野遠子のどこがすごいんだと言われて本をむしゃむしゃ食べてしまうところだと言ったら哀れまれそーだし。まあそーゆーキャラクターの立ちっぷりをこそが特徴だって言いたかった訳なんだけれど、世間的にはきっとページとして存在しないものだと思われているんだろーなー。「SFマガジン」でもまあ似たよーな立場だけれどもそれでも隙間から爪の先ほどであっても頭を覗かせる一助としてこれからもいろいろと紹介していくのでみなさまよしなに。辺見えむの名は北上さんとかに届いたかな。

 大変だ代表監督が退任だ、ってそりゃあオシムさんだって無理だろうってゆー話とはまるで違った大変さ。女子代表の監督をしていた大橋浩司さんがワールドカップに出場し、そして北京五輪の出場を決めてとりあえず仕事を果たしたと退任を申し出て受理された模様。本来だったらそのまま北京でも指揮を取るはずだったんだけれど基本的に同じメンバーで同じよーな采配をしても同じよーな結果にしかならないとしたら、監督としてもモチベーションが下がるだろーからここは別の人に託しつつ、いったいどーなるかってのを見るのも悪くはないのかも。別にメダルをとらなくたって困る競技でもないし、サッカーって。

 でもだからといってアテネ五輪で指揮した上田栄治さんが復帰するってのは難しそうだし、女性で始めてS級のライセンスを獲得した本田美登里さんにいきなり頼むってものちょっと冒険。今はそーした監督の経験値を上げさせる作業よりも、海外との差が歴然とあったフィジカルの部分を再び鍛え直す方が先決、ってことでだったらジェフユナイテッド市原・千葉レディースを率いて2部で2位になって入れ替え戦出場を成し遂げた里内猛監督なんかがちょっと良いかもって最近思った。名前に聞き覚えがあるのも道理でジーコ監督の下で代表チームのフィジカルを担当していた人。S級のライセンスを持ちながらも女子のそれも2部のチームを担当して、1年で体力抜群のチームを作り上げた。その実績が実力なら抜群の代表に持ち込まれれば果たしてどんなチームが出来上がるのか。しっかりとトレーニングできる期間なんかを与えつつ、鍛えて鍛え上げたチームがちょっと見てみたい。ピークがずれた、なんてことはもうないよね絶対に。


【11月25日】 悪魔が復活をかけてバトルロイヤル、ってまた「Fate」系かよって感じて当然ではあったけれどもアズモデウスにルキフェルにレヴィヤタンにベルゼビュートといた具合に、伝承の中で語られてきた7つの大罪をモチーフに持つ7体悪魔が天使に敗れて人類のそれも女の子に転生しては、まだ中学生の男の子から1年後に指輪をもらえれば勝ちってゆーゲームを繰り広げてバトルする設定の、根底にリアルさとシリアスさを持ちつつ上っ面を楽しく愉快なキャラクターやらシチュエーションで塗ってみせた、そのバランスがなかなかに絶妙で、やれやれって思いを抑えて楽しませてくれた伊藤イツキさんの「緋色のルシフェラーゼ1」(富士見ファンタジア文庫)。

 主役は“愛欲”を司るアズモデウスで転生したのは眼鏡と三つ編みの地味な女子高生。それが隣家の幼なじみでやや年下ながらも好意を抱いていた紺太って少年が手に「ソロモンの指輪」を持って悪魔たちによるバトルロイヤルの中心になってしまったことから、自らその愛を求めて参加しつつ愛よりもむしろ力を取り戻したいと寄って来る悪魔たちと闘う羽目に1週間ほど前からなってしまった。見渡すと紺太の家に住み込んでいたお手伝いさんが実はベルゼビュートだたり紺太のクラスメイトがレイヴィアタンだったりしたけれども、2人とも別に紺太の命を狙うってんじゃなくって1年後の期限を待てずに指輪を奪おうと目論む早計な悪魔を相手に闘っては紺太を守っていた。

 んでも紺太の情愛を求めるアズモデウスこといずもにとってはやはり敵、ってことでベルゼビュートとは闘いとりあえず撃退しレヴィアタンは別の悪魔との闘いで怪我をして休んでいたところに現れたのがルキフェルで、紺太をさらって監禁して1年後に指輪をもらおうと目論む彼女を相手にアズモデウスは闘うもののいつもとはちょっと違って敵には誰か主人がいる模様。それは誰? ってところで浮かび上がってきたのが天使たちの存在で、ソロモンの指輪で復活を目論む悪魔を阻止するべく陰謀をめぐらせ、人間の中に眠る悪魔の力を蘇らせては手下にする力でもって傘下を増やしていずもや紺太やベルゼビュートの繭子さんに襲いかかる。

 ってまあ読めばそんなもんかな感じだけれどもいきなりすでに闘いが始まっていて覚醒の戸惑いなんぞを吹っ飛ばしていたりする潔さと、麗しいみかけの割にはなかなかにエグい闘いぶりで読ませてくれる点が特徴か。地上は悪魔の転生者ばかりならどーしてソロモンの指輪で復活させられるんだ? ってふと思ったけれども覚醒してなければ人間で悪魔じゃないから別に良いのか。なれ合いの裏でめぐらされる天使の陰謀に新たな悪魔の参入がもたらす闘いの力学の変容に期待。

 剣といったら日本刀みたく熱した鉄の棒とトンカチでトンテンカンテンと叩いて伸ばしていく製法ばかりが頭に入っている日本人なら最初に出てくる剣を鋳型で大量生産するって描写にあれれこの作者分かってるの? と疑問を抱かされるけれども実はそこが大きなフック。そーやって作られている鋳造の剣が主流になっている西洋風の国の中に、鍛えられて切れ味するどい鍛造の刀を使う少年が現れておこる驚異のビジョンって奴が繰り広げられるにあたってそうか分かってて書いていたんだと唸らされた三浦勇雄さん「聖剣の刀鍛冶」(MF文庫J)。

 元貴族の家系で父祖を継ぎ自衛騎士団に入ったセシリーだったが、家名を高めた剣はすでにボロボロで、街に突然現れた悪魔のような力を振るう暴漢によってへし折られてしまって呆然としていたところに現れたのが少女を連れた少年で、抜いてふるった剣は相手の手斧がすぱりと切れてしまう凄まじい切れ味で、見て気になったセシリーは少年と別れて街で仕事をしていた少女から聞き出し少年が営んでいる鍛冶屋をたずねて同じ剣を作って欲しいと頼んですげなく断られる。そこは猪突猛進なセシリーだけあって毎日のように通いご飯もいっしょに食べたりしてひたすらに頼むものの分割払いは受け付けないと強情な少年。そうこうするうちに街で魔剣が披露されることになってそれを狙う一団の警備にセシリーがかり出されることになる。

 鋳造の剣に対して鍛造の刀があってその技術をひそかに持つ少年の正体とか、人間が心臓に刻まれた文字を自ら唱えることによって悪魔化する設定とかいろいろ謎めいた部分があってそれらがどう物語に絡み、セシリーに試練となって立ちふさがってそしてセシリーがそれをどうこなして成長していくのかって辺りを楽しめそう。悪魔のよーな超常的な存在が自らを剣の形にかえて人にその力を使わせるってあたりは、鋳造に鍛造といったリアリティを持った刀や剣にまつわる話からあまりに乖離しすぎていて、職人魂的な部分の興を削ぐ気もしないでもないけれども、まあそればっかりじゃあ地味になるから仕方がないか。とりあえず次があるなら読んで判断。

 んで起き出して夕べ近所の「VELOCHE」で2時間弱でほとんど仕上げた「ザ・スニーカー」向けの原稿を、神保町の「タリーズ」でざっと仕上げて添える小さい原稿の草稿を15分くらいで作ってから三省堂書店神田本店の1階にある「チケットぴあ」で味の素スタジアムで行われる「東京ヴェルディ1969vs愛媛FC」の試合のチケットを確保。現地で買うと混んでそーだと思っての仕儀だったけれどもあとで正解だったと気づく。中をざっと見て「ミステリマガジン」のリニューアル記念座談会は整理券とかなかったっぽいんで明日行ければかけつけ入ろうと決めつつ、ふるりと回って東京堂書店で福井晴敏さんの「ガンダムUC」の出ている2巻までを買い飛田給へと向かいそして家へと帰る間にざっと読んだらなるほどやっぱり少年をどう最新型のガンダムに乗せつつ彼に闘う動機を与えるか、ってあたりでの工夫とおよびファーストの呪縛めいたものが伺えた。離れられないんだなあ、人は地球の重力以上にファーストのあのフォーマットから。「コードギアス 反逆のルルーシュ」じゃあ20年経ってもここまでのフォーマットにはなり得ないよなあ。

 そして試合は船越選手がずどんと決めて1点リードしつつもゆるりとしたプレーからヘッドで同点に追いつかれ、すぐにリードし直すかとおもったのに入らず後半へ。そこでやっぱり船越選手がヘッドで決めて1点をリードできたもののその後はサイドで選手をフリーにしてはクロスを入れられたりサイドチェンジを決められヴェルディにとって危ない場面が頻出。それでもどうにか守りきって得失点差が多大なことから2位以上をほぼ決めて、J1への昇格を確実なものにしたけれども愛媛にあそこまで苦戦するようではなかなかJ1では厳しいかもって思わせらせる。華麗なパスワークも微妙にかみあってなくって、むしろ愛媛の方が相手ゴール前で10回以上もパスを成功させる圧巻の攻めを見せていたもんなあ。まそんなことは百も承知とチームは強化に臨むんだろうけれど、戦術=フッキで乗り切った監督自身のもう1歩進んだ発想と、何より選手たち自身の意識の高揚なんかも求められそう。ともあれ帰ってくる名門と戦えることを喜ぼう。


【11月24日】 10話だか11話くらいしかないのに2話も「春祭」に使うのか「もやしもん」。エピソード的にはたぶんあんまり興味深いものじゃなくって敢えてあげれば長谷川環の艶姿がちょっぴり見られるくらいだけれどもアクションがあって恋愛もあってと絵的にはもりだくさん。だからアニメーション版でもしっかりと描き切ろうとしているんだろー、樹教授の怪しさも漫画より際だたせられるし。それにしても改めて聞くと嘉村令裡っぽい感じが声音に出ているなあ武藤葵。同じ役者だから当然だろーけれども過去のどちらかといえば弱々しげだったりするキャラと違って自分がしっかりとあって主張もするキャラクター。でもってそれなりに大人。「ウィッチブレイド」の天羽雅音からこっちすっかりそーゆー役もこなせるよーになっていたんだと改めて能登麻美子さんの出世ぶりに喝采。でもどこまでいっても「かわいいよ」はつきまとうのであった。

 読み残していた「日本ファンタジーノベル大賞」の大賞をとっていた方の弘也英明さん「厭犬伝」(新潮社、1200円)をずさっと読む。なるほど。和風の世界観で木彫りの人形「仏」を闘わせる話って聞いていたけど戦争には兵隊の代わりにかり出されて武器になり、神事めいたことには何かのよりしろだか生け贄だか偶像だかに使われるくらいに貴重で大事な「仏」が、賭場ともゲームセンターともとれそうな場所で闘いのコマとして浮浪者然とした風体の怪しい野郎から、田舎の集会場みたいなところに集まる寂れた村の住人たちにまで使われているというのがやや不思議。兵器なり神具ならそれなりに規制もされていて不思議じゃないのに。あとそうした「仏」を動かす時に必要な、思念を受信して増幅して伝える依姫ってのが特別な存在ではなく、格闘が開かれる場所ならどこにでもいたりするのも不思議と言ったら不思議。

 一族の命運を左右するくらいに貴重過ぎる「仏」を作らせたら、それがあっさり摘発されて奪われるってしまうってのも危機管理において抜けた話だし、そうやってとられた恨みを即座に返すでもなくかといって諦める訳でもなく、盗んだ奴を公衆の面前で死に至らしめようとするあたりも行動原理として何か奇妙。なおかつ正々堂々と見せかけ裏であれこれ画策している卑怯ぶりもどこかみっともない。とまあそんな感じに読んでいてあれやこれや気になる部分が出てしまったのは、受賞の席で根っこに90年代の場末のゲームセンターにあった殺伐とした雰囲気を描きたいって話していたのを聞いてしまっからなのかも。

 そーした着想から格闘ゲームならぬ格闘競技を創出し、そしてそれが成り立つ世界を作ろうとはしてみたものの、全体像を見渡し齟齬をなくし整合性をとりつつ世界を作るって段階が、今ひとつ至らなかったって思えてしまったことがつまりは違和感の根にあって、それを知らずに読めばスタイリッシュな話って読めただろー。つまりはまあそれくらいには面白い作品ってことで。大賞にもまあ納得。とはいえ幼い頃に断種の意味もあって虚勢された主人公が虚勢されたことで起こる何かってのがあんまり描かれていないのが気になった。世話になってる実質的には叔父にあたる男の娘も一瞬の登場で絡んで来なかったし。伏線めいたことが多い割には回収仕切れていないっていうか、いろいろ勿体ないところもある作品。これがライトノベルだったら描き直して結末もいじって、続編とかが可能な体裁になったんだろーなー。それも読んでみたかったけれども仕方がないんで次に、期待。

 せっかくだからとメディアワークス生誕15周年を記念する「電撃祭」を「幕張メッセ」まで見物に行ったら入り口前にすごい行列。でもってそれは1階部分に入れなかった人たちだそーでそれだけの人数が並んでいるんじゃあ普通に行ったら入るまでにどれだけかかるか分かったもんじゃなかったけれどもとりあえず、前に招待券をもらっていたんでそれで開場と同時に入場。プレスの受付もあったけれども事前の登録が必要とかでそっちでの入場は出来なかったけれども、あるいは風体の怪しさに偽記者と警戒されたのかも。MA−1にウォッチキャップにスリムジーンズの新聞記者、なんて普通はいないもんなあ。まあ良いや。自業自得って奴だ。

 ともあれ入場すると下では停止線上のロープをたわませるくらいの圧力で人が並んでて、号砲はならなかったけれどもゴーの合図とともにややダッシュ。ぶつかれば倒されるのは必至だったけれども警戒して誰も前に立ってなかったから事故はとりあえず避けられた。そういえば上で招待の受付を待っていたらどことなく「キノの旅」の人によく似た人がやって来たけど下の開幕ダッシュに巻き込まれる危険を避けてかすぐには入れてもらえなかった模様。まさか電撃的にベリーにインポータントなピープルだって受付が知らないはずもないから、その身を慮ってのことだろー。今日はサイン会とかあったのかな。

 入るととりあえず「よつばと」のブースが目に入ったんで行くと等身大のダンボーが。でもって12月から売り出されるリボルテックの「ダンボー」もあって、ソフビの風花も並んでいて前に出たよつばと会わせて立体化計画の3品が同時に手に入れられる貴重なブースになっていた。なおかつ「ダンボー」との記念撮影も自由。着られたらさらに嬉しかったんだけどみうらちゃんが入ってやっとのダンボーに巨大なお腹のおやじが入れるはずもないんで断念。やるなら自作のダンボーで。そのダンボーはメディアワークスのブースにも1体いて開場には都合2体がいた勘定。ここにアマゾン仕様のダンボーも駆けつけてくれたら面白かったのに。たくさんの段ボールがある倉庫が建っている市川塩浜からなら京葉線で1本なんだし。でもあれで電車に乗るのは苦痛かな。苦痛ていうか乗れるのか。乗れるんじゃないかな。誰か実験してみせて。

 ずらずらと見てマグネット式のダーツを日本地図の上に宛てるとそこの各県のマスコットになっているらしー美少女キャラが描かれたトレーディングカードがもらえるってゲームがあったんで3回ほどチャレンジ。1回2本で5本を見事に当てて大阪広島福岡新潟静岡を確保しはずれカードの「メイドのお説教部屋」も確保。ぜんぶで確か10枚くらいあって残りを頑張れたコンプリートも出来たかもしれないけれど、外れた場所にある沖縄とか北海道は当てるのが面倒そうだったし、混んで来たんで適当に切り上げ他へと回る。たぶん1番楽しめたイベントかも。アニメイトの銀玉鉄砲による射的は景品がちょっと今ひとつだったし。しかし何だろーなーこの「マリッジロワイヤル」ってキャラは。昔「ゲーマーズ」には各店舗ごとにキャラがあってそれに会わせて声優もオーディションで選ばれて、中から今をときめく人とか登場して来たこともあったから、それを真似てのご当地アイドルって奴を作る算段か。

 1時間ほど見回ってから帰ろうと外に出たら最初に並んでいた人たちに加えてさらなる行列が出来ていて、まるでぴくりとも動いていない状況にきっと入場までには相当かかるかもって同情を送る。走る人たちを防ぐために入場を段階的にして絞っていいたからなあ。あれなら限定品の販売所に並ぶ人と、ただ開場を見て一般ブースで買い物とかしたい人の列を分けた方が親切だったかも。一般ブースじゃあ1時間経ってもまるでお客が来ないって手持ちぶさたのところもあったみたいだし。入場列を分けるのは確か「次世代ワールドホビーフェア」なんかでもやってたっけ。5年後の「電撃20年祭」では是非に検討を。そんなこんなで出て戻って船橋で昼ご飯。ずっと見送っていた「漁だし亭」に入って魚介類からとられたスープが特徴のラーメンを食べる。味は濃いのにすっきりしているのが特徴か。麺はちじれてスープと良く合う。タケノコはちょっと辛かった? でも割に良い味。つけ麺はまた違う太い麺が出るみたいだし、塩ラーメンも未挑戦なんで時間を見つけてまた来よう。それにしてすぐ近所にある「無限大」と言い、増えたよなあラーメン屋が船橋に。暇を出されたら食べ歩き大会とかやってみよーかな。


【11月23日】 朝起きて録画してあった「スカイガールズ」を見たらグラブロがビットでやられてた、って違う? でもまあそんな感じ。あのビットはいったいどーやって操作しているんだろう、脳波とかじゃあなかったら電子制御か、遠くから小さい標的を狙うんじゃなくって近くから囲んで一斉射撃だからそでも可能か、問題はどうやって稼働し飛行しているかだけど、原理が分からないなあ。アイーシャが動かしてるんだったらすぐに分かったけれど。だって見た目がまるっきりララァだし。喋ると男っぽいのは難だけど。

 んでもってグラブロもどきのワームは巨大なだけじゃなくって切り離されるとそこから復活していく面倒なタイプ。だから一斉に駆逐しないといけないんだけれどソニックダイバー隊とビッグバイパー&攻龍の2チームだけでは無理な自体に全員顔面蒼白。そこに現れる帰投していたビッグパイパー隊の部下2人。良いところ持っていっちゃって。でもこれでコミュニケーションもとれて向かうはワームの巣。巨大化して強力になっていく敵にいったいどーやって立ち向かうのか。ラス前あたりでこんなに絵とか綺麗にしちゃって最後まで体力保つのかなあ。提供バックはやっぱり七恵さんかあ。大きいもんなあ。背がじゃなく。

学校が不良のたまり場になっちゃったあああ。な訳ない。ロックは今や健康健全な趣味なのです  んで「ターザン」を見て広告に掲載されてた製品のスタイルや色目の良さと機能性に弾かれて「ラクーア」にある「コロンビア」のショップで早速買った「ヘッジホガーブーツ」とやらを掃いて出陣。底が分厚く下がハンティングブーツみたくラバーか何かでコーティングしてあって上は布になってて中に毛が生えているから足をいれるととってもポカポカ。ただしつま先部分が反りづらいせいもあって歩くのはなかなかに大変で、ちょうどスキーブーツを履いて歩く感じになって脹ら脛にちょっぴり負担がかかって来たんで上の部分を折り曲げ短靴っぽくして履いたらまあ何とか歩きづらさも解消された。ちなみに色は黄色。ほらやっぱりジェフユナイテッド市原・千葉の色だから。

 駅から電車を乗り継ぎ向かうは三浦半島三崎口。そうあの神奈川県立三崎高校の跡をつかって繰り広げられる「ロックの学園」の見物で、企画してプロデュースして教頭にも就任しているクリエイティブディレクターの箭内道彦さんいちょっと前にインタビューしたこともあって一体どんな感じになっているかをその目でしかと見ないと損、だと思って休日だけれど自腹を切って、というかもはや交通費の精算がとてつもなく面倒になってて加えて経費節減の欲求も高まっていることもあって最初っから自腹で、なんていうよりそもそもここんところ5年くらい交通費を精算したことなんてないんだけれどそれはそれとして京急を乗り継ぎドンドンと進む三浦半島。海岸を過ぎて到着した三崎口は駅の回りになんにもなくって、ここからどう行けば学校にたどり着けるのかと思案する。

 見渡すと城ヶ島とか油壺とかに観光に来ただけとは思えないロケンロールな女の子たちがつらつらと歩いていく。あと目の前にバス停の案内もあったんで靴が靴だからとバスに乗って2停留所目でおりたらそこには「ロックの学園」が広がっていた。まあ普通の学校だったんだけど、看板がちゃんと「ロックの学園」になっていたり屋上からは校長であるところの忌野清志郎さんの名セリフ「愛し合ってるかい?」が欠かれた垂れ幕が下がってそこが歴とした「ロックの学園」であることを知らしめている、大根畑やマグロに向かって。いやしかし本当に大根畑が多かったよなあ、どうして三崎口で大根なんだろう? 土壌が良いのか季候が良いのかマグロ大根を食べるとおいしいからなのか。マグロ大根? ブリ大根とは違うのか?

 入って早速中をぶらぶら。ローランドの電子ドラムのレッスン場があって並んだドラムに座った人が向かいの先生の声に合わせてスネアを叩きバスを踏んでる姿にやってみたいと思ったけれどもこんがらがりそうなので断念。隣の部屋ではフェンダーのストラトキャスターをかきならす親父さんの下で子供がまとわりついて退屈そうにしていた姿がつまりは親父の眠っていたロック魂を解放させるって趣旨の発露? でも娘はそこにもセットしてあったローランドの電子ドラムを結構巧みに叩いてた。音楽一家か。別の中学生っぽい子供はギブソンのGSをかかえたらストラップが抜けて床に叩きつけてしまって真っ青。かとおもったら案外に平気。値段とかきっと知らないんだろうなあ。つか高いんだろうなあ。係りの人が逆に真っ青。

フェンダーもギブソンもいらないその体さえあればギターは生まれるそれがエアギター!  3階へと上がってそこでは校長室へとゴー。残念にも出張中となっていた校長先生のパネルがかかり等身大のPOPもあって記念撮影とかできた見たい、肩とか組んでも良かったのかな。さらにめぐってウドー音楽事務所が過去に招聘したアーティストのポスターが並ぶ部屋ではクラプトンにレッド・ツェッペリンにオノ・ヨーコにボズ・スキャッグスにエアロスミスにキッスにほか著名なアーティストが並ぶ並ぶ。懐かしさにパパ感涙。でもって息子は誰が誰やら。娘だったらSMAPよりも嵐よりも無感動かも。そーゆー人はだから来ないか。中学生はクラプトンにエアロスミスくらいなら分かってたっぽい。長生きだからなあ、アーティスト寿命的に。廊下には懐かしいマイケル・マクドナルドやTOTOやジョン・レノン「ダブルファンタジー」のLPレコードが。そうかこの辺りはまだレコードだったんだなあ「ベストヒットUSA」で見たジャケットだよなあ。何もかも皆懐かしい。

 ふらりと「ザ・コレクターズ」のボーカルの加藤ひさしさんが繰り広げる授業を聞きに言ったら行動は超満員。加藤さんの人気なのかそれともゲストのスネオヘアー人気なのか。何しろスネオヘアーは実家で探してきたとかゆー中学時代の詰め襟を引っ張り出して着用とのこと。メーカーはあの「ベンクーガー」、って知ってる人も今時分ではいないだろーなー。詰め襟自体が減っているもんなあ、我が母校もそーいや変わってた記憶が。そして始まった歴史の需要を横目にかけつけたのがエアギターの大会で、後半戦へと突入して登場したおねえさんがやたらと派手でいったい誰? って思ったら玩具のエアギターを取り出し作ってる会社の広報だって行ってよくよく見たらタカラトミーの広報の人だった。やあ、こんなところで。

 つまりは会社から商品のPRもかねて挑戦しろってことで始めたらしーけれども、夏にあったエアギターの全国大会では何と8位に入る実力ぶり。始まったパフォーマンスもアクションにフィンガーテクニックとも完璧で、その後に登場したこちらもタカラトミーで商品企画を担当した人が見せた速弾きとはまた違った熱を発散していて、それが幸いしてか審査でも何と2位に入る好成績を遺してみせた。なあるほど人には様々な才能があるんだなあ。それもこれも会社がやれって背中を押してくれたから、か。来年こそは是非にフィンランドでの世界大会にのぞんでダイノジさんを押しのけ首位を飾って頂きたいもの。優勝した日本大会でもチャンピオンだった人とかもいるだけに、上はまだまだ高いぞお。タカラトミーの製品を買って練習だ。ってそれ使うとエアギターじゃなくなるじゃん。僕も挑戦してみようかなあ。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゼロの格好で出たら……誰も知らないか。知らないよなあ。

 会場には審査員としてNHKアナウンサーの松本和也さんが来ていて何でも今年の紅白歌合戦の総合司会に抜擢されたそーでつまりは目下のNHKナンバーワンアナウンサーってことになるんだろうけど当人的にはロックなんで紅白なんてやって良いんでしょうか気分。かつてはラウドネスのコピーバンドでボーカルをやっていたこともあるそーで、ハードロックとヘビメタの番組なんかも司会していたくらいだから紅白でもきっとメタル鋲付きの革ジャン姿で登場してやシャウトしてくれることだろー。陳腐な赤白の司会陣など吹き飛ばせ。そうそうエアギターのコンテストにはゴージャスって名のお笑い芸人も出てきてピカピカしたピチピチの衣装に後背を背負って登場しては派手なパフォーマンスと寒いギャグを見せてくれた。あのギャグがなければ1番だって可能だったかもしれないけれど寒さに点数が下がって3位。早く売れてもっと売れてセンター街奥のコンビニでのバイトから離れられると良いね、ってもしかしてあのコンビニかなあ、吉本の劇場すぐ側じゃん。


【11月22日】 そして目覚めたらイングランドが「EURO2008」の予選で敗退して本大会出場を逃していて爆笑。ベッカム様を呼んでもなお敗北したことで非難も集まりそーだけれど、だいたいが彼を最初のうちはあんまり呼ばなくってせっぱ詰まった状況へと追い込んだのはマクラーレン監督だったりする訳で、あんまりベッカム選手に非難が起こらない一方でマクラーレン監督がとっとと解任されたあたり、そーした状況を協会も選手もファンもみんな認識しているってことの現れだったりするんだろー。ベッカム無き大会にきっと未だにベッカムしか知らないスポーツメディアは頭を抱えているんじゃなかろーか。そんなメディアがいるの? って言われると実はとってもたくさんいるのです。

 でもベッカムやルーニーやクラウチやランパードが見られなくたって困らないのはルルーシュ・ランペルージが見られない「コードギアス 反逆のルルーシュ」とは違っている点。タレントはイングランドだけじゃなく、セスク・ファブガレスもクリスチアーノ・ロナウドもアリエン・ロッベンもフランク・リベリーもニコ・クラニチャールもミヒャエル・バラックも「EURO2008」では見られるし、何よりジェンナーロ・ガットゥーゾも見られるんだからこんなに楽しくてわくわくとする「EURO」もなかなかないんじゃなかろーか。

 さらに若い選手だって出てくる可能性は大。それをたっぷりと見るために何とか衛星放送の環境を整えたいんだけれどそれをやってしまうと他に手がつかなくなるかならあ。押井守さんだって「EURO2008」までに映画を仕上げないときっと公開が送れるぞ。それにしてもいったいどーするんだろーイングランド。エリクソン監督にまた戻ってもらう訳にはいかないし。ファーガソンの下にいるカルロス・ケイロスを引っ張るかそれともアーセナルからベンゲルを引っ張るか。それくらいしないとすぐに始まる2010年の予選もきっとおぼつかないぞ。いやそれは日本も同様なんだけど。

 しかし厳しいなあ欧州は。ずっと出ていた「EURO」に出られず94年のワールドカップに出られなかったのを最後にずっとワールドカップも「EURO」も出続けていたのが突然途切れるこの悲しみ。でもそれが始終起こり得る過酷な環境。96年のアトランタ五輪に出場を果たして以来、フランスと日韓とドイツのワールドカップに出てシドニーとアテネと北京の五輪に出場を果たす日本だけれどたかだか10年ちょっとのキャリアでしかなく、それがひっくり返されたところでイングランドの悲しみにはとうてい及ばない。とはいえやっぱり出られないのは悲しい訳でそれを含めてサッカーなんだってことをいつかは、思い知らされる日を想起しつつけれどもそうはならないようにとイングランドを他山の石に、続く南アフリカの出場権も獲得してやって下さいな。そのためには復活のオシム。立ち上がれオシム。

 えっとうんと記憶が定かじゃないけれど中学生だったか高校生になっていたかといった時期にテレビで見た「ボレロ」のダンスがあまりに衝撃的で、それでもういっぺんにモーリス・ベジャールという振り付け師の虜となってジョルジュ・ドンというダンサーに興味を持ってモダンバレエに関心を抱くようになってその頃からテレビ放送が始まった「ローザンヌ国際バレエコンクール」を見るよーになって辛口おばさんと辛口アナウンサーの掛け合いを楽しむよーになってからかれこれ30年ほどか。

 途中にジョルジュ・ドンが死去してしまう悲しみを味わいながらもシルヴィ・ギエムが最後というふれこみで東京で踊った「ボレロ」を生で見て嗚呼これが「ボレロ」だと感動しつつもやっぱりジョルジュ・ドンで見たかったよなあ、彼を得てベジャールは挑発される女性をイメージしていた「ボレロ」に性を越えた神の誕生を見たに違いない、なんて考えつつもいつかまた見たいなあ「ボレロ」、ついでにベジャールのあの彫像みたいなカリスマ性たっぷりの顔も見てみたいもんだと思っていたらベジャール死去の報、そうかもう80歳になっていたのか、それじゃあ亡くなったって不思議はないけどあの面構えは最初に見知った時からまるで変わっておらず、そんな歳だとは気づかずまだしばらくは存命であり続けてくれると感じてた。ローザンヌの審査とかでもそーいや顔、見なくなってたなあ。ともあれ合掌。彼のおかげで人によっては苦手意識も出るかもしれない萩尾望都さんのバレエ漫画をとてもとっても楽しく読めたよ。あと山岸涼子さんの作品も。

 2週間ほど後に期限が迫っていたあたりに多方面をあたりつつ逡巡しつつも容れられずお鉢が回ってくることになったんだろーかと想像しつつもそれならばと本屋ですでに読んではいても当然のよーに部屋のどこかに埋もれて出てこない文庫を買い直したりしつつ仕上げて送った原稿が恥ずかしながらもちゃんと載ってて個人的にはまず安心、読者的にはこれどうかもなあって疑心もありそーな「ミステリが読みたい2008年版」こと「早ミス」が届いたのでぱらぱらと読む。

 当然のよーに外国部門はすべて未読、ああ「ロング・グッドバイ」だけは手に取ったけれども読んでないんで未見も同然か。村上春樹さんが短いけれどもちゃんと寄稿してくれている所にチャンドラーって世界のミステリファンの宝に挑む矜持と責任を感じているんだってことが感じられる。いや単に「ロング・グッドバイ」が早川から出ているからなのかもしれないけれど。対して日本部門は「赤朽葉家の伝説」に「サクリファイス」に「インシテミル」と3冊も読んではいても、なるほど自分らしい選択だったりしてやっぱりここにいて良いんですか的気分がわき上がる。けどそれも含めて自分なんだから仕方がないと、ここは開き直ってミステリな人たちに杉井光さんと大迫純一さんと友桐夏さんと野村美月さんを勧めるのであった。あと辺見えむさん。話より何より正体が謎。


【11月21日】 大野さんの声までのだめっぽくなってた「げんしけん2」は、斑目たちの卒業式に絡んでのエピソードに挟まって「くじびきアンバランス」のOVAとかがが流れる展開に、桃井はるこさんきっての名曲であるところの「くじアン」主題歌がかかって何だから前作の「げんしけん」っぽさが漂う。妙におたく受けをねらわず淡々とおたくな日常を描いていたのが見ていて痛さ辛さを感じなかったんだよなあ、前作は。でも「げんしけん2」はオープニングからしておまえらこういうのが好きだろうオーラが出ていてちょっぴり嫌気。今回はそれでも本編だけなら日常性が濃くなっていたから安心しつつしんみりしつつ見ることが出来た。温泉旅行編はまだかなあ。

 んでもって「ナイトウィザード」はどうでも良い展開。でも眼鏡娘で皆口裕子さんが声を担当しているキャラをゲストとゆーよりほとんどザコキャラで出す太っ腹ぶりがちょっとすごい。アンジェロッタの鉄面皮ぶりもなくてちょっと寂しかったけれども宝玉が残り1個となって敵めいた存在も力強さを増している感じなんで、次くらいにはちょっと困ったアンジェロッタが見られるか。しかしほかに「ドラゴノーツ」だの「CLANNAD」だの「灼眼のシャナ2」だの気になる展開とそれなりの絵を持った作品があるのに、放送と同時が翌日すぐに見るのが「ナイトウィザード」と「バンブーブレード」と「スケッチブック」と「もやしもん」と「ハヤテのごとく」とそうそう「レンタルマギカ」と「みなみけ」くらいってのは人間としてどっか軸がブレてるかも。あとは「スカイガールズ」か。やっぱりぶれてる。「コードギアス 反逆のルルーシュ」や「DARKER THAN BLACK」ほど積極的にリアルタイム試聴をしたいアニメが今ひとつないんだよなあ。「電脳コイル」? ごめんなさいまだ第1話しか見てないのです。「機動戦士ガンダム00」は2話まで。いかんなあ。連休にちょっと頑張るか。

 お菓子の家が出来たってんで食べに行く。いやまだ食べられないのが残念だけれどクリスマスまでの展示期間が終わったらきっと食べさせてくれるだろーからその時を楽しみにして待とう。でも大丈夫なのかな。作ったシェフの人は自分が食べると言い切っているらしーからきっと大丈夫なんだろー。ってことで「ナムコナンジャタウン」に横幅も高さも2・7メートルとかあるお菓子の家が登場。クリスマスイベントのシンボルみたいな存在で、聞くと表面のタイルみたいのはクッキー製でそこにシュークリームで飾りがつけられていてなかなかに甘やか。ふわふわっとしたメレンゲで線とかひいてあって指ですくえばすくいとれそーだけれど、それをやると怖い魔法使いに捕まってしまうから堪えて見物するだけに留め置く。暖炉をのぞかせたたき込めば勝てるのか。

 シェフの人によれば2週間くらいかけて作ったそーで、小さい飾り付けみたいなものは作ったことがあっても、これだけ大きなものは初めてだとかできっとその2週間は泊まり込んでせっせとクッキーを焼いたんだろー。なるほどクリスマスの展示が終わったら全部食べるって言うくらいに愛着もわくはずだ。果たしてそこまで保つの? ってのが当然に浮かぶ疑問だけれど、何でも防腐剤代わりに防腐効果のあるシナモンが練り込んであるそーで、食べるとシナモンの味が広がりそうだけれど量も普通のお菓子以上に練り込んでありそーだから、ツンとした感じとかがするのかも。シナモンティーによく合います。いや重ね過ぎか。あと酸化しやすいバターをいっさい使ってないから味にも特徴がありそー。シェフの人が処分のために食べる横でカケラをもらって食べてみたいな。クリスマスにケーキも食べられずプレゼントももらえなかった悲しい男共にご奉仕とか、してくれたら駆けつけます、って今から諦めてどーするよ。

 電池寿命が極端に悪くなっていた初代京ポンに見切りをつけて3代目京ポンに切り替える。緑色。黄色がないんでサブカラーの緑にしたんであって決してヴェルディ色ではない。ベレーザ色ではあるのかな。電話帳を引っ張り出してなかったんで残っているデータから1つ1つを手移ししていかなくちゃあいけなさそーだけれども、考えてみればプライベートで電話をかけることなんてまずないし、プライベートで誘いの電話がかかってくることも3年に1度くらいしかない無精者。なので別に電話帳を移さなくっても生活にはまるで支障がなかったりするところに、かれこれ20余年を社会人として過ごしながらもクリスマスに誰かとケーキをつついたり、七面鳥でボウリングをしたりといった経験が皆無って理由も伺える。やりてえなあ、ペットボトルのピンに七面鳥の丸焼きをぶつけるボウリング。

 そしてやって来た決戦の舞台に乗り込むと、すでにして満員な感じにアウェー側のゴール裏の上段へと上って開いている席をとりあえず確保。ほどなくして周辺も埋まり脇の階段にまで人がしゃがみこむ満員ぶりに、北京五輪を目指す代表チームもここでよーやく認知を得たかと言うとそうではなくってやっぱりこれが決戦だからってのが最大にして唯一の理由。そこで圧倒的な強さを見せればこれまで見てこなかった奴らもしまったと悔いるんだろーけど、相変わらずに中盤でボールがおさまらずさばいても誰も感じて取りにはいかず、サイドで勝負をかけても中央に人が足りずなおかつサイドに預けたら預けっぱなしのプレーも見られて、前へと向かわず得点の匂いも感じさせない、どうにもはがゆい試合展開で吹きすさぶ寒風が身に余計に突き刺さる。

 水野がスルーパスとか出しても誰も走り込んでおらず、本田がサイドで持っても前に走り込まず孤立して戻しかわしてあげたクロスは壁にはねかえされる繰り返し。それでもゴール前で後半あたりは惜しいシュートが何本も生まれたけれども、相手ゴールキーパーがアウェー戦と同様にすごい反応を見せてシュートをことごとく止めるものだからなかなか先取点を奪えない。むしろ前半にキーパーをかわされ撃たれたシュートがあってそれをゴール前に踏ん張っていた選手がどうにか跳ね返して事なきを得たくらいでもし、それが決まっていたら1点をビハインドの状況でどたばたとしてそのまま試合を終えて北京行きを断たれた可能性もあったかも。止めた選手は偉い、超偉い。

 梶山本田拓といった中盤を欠き家長もいないといった具合にタレントが不足していた感もあるけどいたってこれまでもグダグダな試合をやっていた訳だから結局はチームコンセプトがこーゆーものだったったんだろー。それを作り出した監督がだから責任を負うべきでこれを是とするならば続投だし、否とするならばまだ10カ月近くはある五輪までの間に誰かを起用し建て直しを計ってメダルを狙いにいくか、あるいは完全に育成の場としてとらえA代表を誰が指揮するか分からないけどその意向に添ったチーム作りをしていった方が、さらに待ち受ける2010年のために有意義なんじゃなかろーか。オーバーエイジを入れるならそれこそ南アフリカで闘うチームのサブチームを作るくらいの意気込みで。フォワードに高原直泰選手でボランチに鈴木啓太選手でディフェンスに闘莉王選手、とか。


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