縮刷版2007年11月中旬号


【11月20日】 アクションがないと途端にユルくなるけどまあ、足の裏の痛みにいきなり黒化するミヤミヤにおののくキリノとサヤが見られたのはなかなかに良かった。いや良かったのはキリノとサヤってよりはミヤミヤの黒っぷりの方かな。そんな「バンブーブレード」は珠ちゃんがバイトに入ってDVDボックスを買おーと頑張っている最中で、次も大きな展開はなさそーだけれど期待が持てるとしたら眼鏡な新入部員の登場か。インテリっぽそーだけれどその実ドジっ娘って設定が聞くほどにそそる。でも剣道は珠ちゃん並に強いとか。いつ頃から出てくるのかなあ。試合を早く見たいなあ。

 んで「スケッチブック」は涼風コンビが制服じゃなくって私服で登場、なかなかにスリムでスレンダー、でもやることは普段と変わらずCDラジカセを直しにやって来てはボケまくりボケたおして呆れた後輩が席を外した間におそらくちゃちゃっと直してそしてお払いなんぞをやって見せては去っていく。良いキャラだ。「すくらっぷ・ブック」で言うなら小宮雅一郎と西尾佳典と戸沢正賢のいたずらトリオって位置づけ? でも彼らにはちゃんと主役のエピソードも用意されてて内面の吐露もあるからなあ、涼風コンビはひっかき回しが今んところは専門っぽいから違うかなあ、などとどーしても「スケッチブック」と「すくらっぷ・ブック」を重ねてしまう昭和野郎の悪い癖。重ねられない平成野郎の侮蔑は重ねられる楽しみの濃さで撃退だ。

 何かよく分からないけど「日本ファンタジーノベル大賞」の授賞式の案内が本業宛てに来てたんで取材とゆーことで現場に潜入。たぶん始めて。それだけに来ている過去の受賞者の山之口洋さんをのぞけば誰ひとりとして知らず、顔も認識しておらず、そこかしこを歩いているらしー中を真っ赤なフリースのピーコートを着た胡乱な格好で泳ぎまくっては受賞者の写真を撮ったり、過去の受賞作品をながめたりして時間を潰す。いったどんな人が来てたんだろー。書評の仕事を「週刊SPA!」だとかれこれ10年、それから「電撃アニメーションマガジン」で始めて以降に「ザ・スニーカー」やら「SFマガジン」でライトノベル系の書評をこれまた10年近く続けていても、しょせんは書評であって他人様の作品に茶々を入れる立場であって、作家の人にも編集者の人にも存在を認識されていないんで授賞式に潜り込んでも誰とも話さないってことが多いんだよなあ。

 授賞式だって本業での取材で入り込む奴だけで書評の仕事で呼ばれるなんてことはほとんどないから、まだまだそーゆー方面では認知が足りないんだとここは認めて精進に励むことにしよー。まあたとえネットで鬱陶しいことを書いてた奴だってくらいの認識はされていても、こっちの風貌が予想を上回って胡乱過ぎるってこともあってなかなか一致しないってこともあるのかも。会場にいて当方を知って手あれこれ言いたかったってファンタジーノベル大賞関係の受賞者の方がおられたとしたらいつかそのうちに、堂々と顔をさらして見えられる機会が与えられる日を目指して頑張りますのでその時までお待ち抱ければこれ幸い。とりあえず応募作でも書こうかなあ。別に日常の青春物でも良いみたいだし。

 それが証拠に優秀賞を受賞した久保寺健彦さんって人の「ブラック・ジャック・キッド」(新潮社)は徹頭徹尾に青春ストーリー。手塚治虫の漫画「ブラック・ジャック」を読んで主人公に憧れ過ぎた少年が、黒い服を好みメスの変わりにドライバーを研いで手裏剣にしたりとあれやこれや真似しては、薄気味悪がる周囲との軋轢に直面し、それでも譲らず貫き通してどうにか理解を得るものの、母親は失踪して父親との暮らしはなかなか微妙で、戸惑い悩みそれでもやっぱり「ブラック・ジャック」であり続けようとする。途中に謎めいた少女が出てきて超常現象っぽいものを見せるけれども、ファンタジーノベル大賞に応募するためにとってつけたような超常さで、あるいは危急の心理が見せた集団幻想とだって解釈可能で、それならばなおのことファンタジー的な要素は消えて行く。

 こーなるとどーしてこれが「日本ファンタジーノベル大賞」なのかが分からない。こういうのを選んでなんでもありというのもありだけれども、こういうのではないものであるからこそ受賞できる賞でもあって、こういうものは他にだって出口があるような気もして悩ましい。さらに言うなら作者の久保寺健彦は幻冬舎で新人賞を受賞したばかりでそちらでも本を刊行中。リアルな現実を描いた作品で「ブラック・ジャック・キッド」とも重なる部分がありそーで、だからこそなおのこと「日本ファンタジーノベル大賞」である必要性が見えなくなるけど、ほかにドラマ関係の賞も取るなどなかなかの有望株であるところの久保寺さんに乗ってみようって考えたのかもしれない。

 お話自体ははとっても良いお話で子供心の偏執的な憧れが、正義となり力となって子供を動かしてはいてもやがて大人になって様々な価値観に触れた時、果たして正義の心を保ち続けられるのかってゆー、成長の悩みみたいなものも感じさせてくれる。だからしつこいけれどもどーして「日本ファンタジーノベル大賞」なんだろう? これでオッケーなら「ゼロ・キッド」あるいは「ルルーシュ・キッド」とかって「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゼロに心底憧れゼロになろうとゼロマスクを被り学校に行ってはマントを翻し「合衆国ニッポン」ポーズを校庭の演台の上で誰もいないグラウンドの上に向けてやっては校舎から侮蔑の嘲笑を浴びても負けない強い少年を描く話もオッケー? でもきっと現れる「ランスロット仮面」に撃退されるんだ。

 大賞の人は「厭犬伝」(新潮社)って中世の日本っぽい舞台で仏像どうしを闘わせるってファンタジーらしさを持った作品だけれど、作者の弘也英明さんによれば90年代のやさぐれたゲームセンターの雰囲気を引きつつそれをそのまま描いたんでは小説にならないからと舞台を変えておそらくはキャラならぬ仏像を持ち出してファンタジー小説に仕立て上げたらしー。作戦勝ち。それだけに冒頭で鈴木光司さんが異種格闘的に何でもありで既存のジャンルなんて無関係のとんでもない小説がやって来て賞を取るのがこの賞だって賞賛しつつ解説していたのが気持ちに引っかかったみたい。

 何しろ受賞の挨拶で、ファンタジーの創造者や評論家が居並ぶ選考委員を横に置いて、ファンタジーなんて所詮は人間が創造して人間の言葉で書く物で、リアルさからは遠く離れてはいけないし、もしも究極の不可能性なんぞを追求したらニーチェやカフカのよーな末路を辿るのがオチ、順列組み合わせを崩すようなことは自分だってやっておらず、選考委員が求めるようなものになっているかは自身がないとかいったことを、堂々巡りのよーに話してなかなか収まりがつかなくって、このまま延々と瞑想し続けた果てにはきっと言葉のバターが出来上がっているに違いないって想いも浮かんだけれども、どうにかまとまってくれたのは当人もいったい何を言いたいんだろうと我に返ったからなんだろー。でも何にしても真剣に物事を考える人こそが長く仕事を続けられるもの。若さ故の過ちであっても頑張って心理を探求しては次なる、そして真なる創造って奴を見せてやって欲しいもの。とりあえず2作目がいつ出るか、ちゃんと出るかに注目かな。


【11月19日】 気が付いたら明け方の3時くらいで「みなみけ」も終わっていて録画でも見ようかとつけたらみうらじゅんが歩いてた。んでもって続く偽鋼連の時間にちょっぴりかかって「みなみけ」が。並んでつなげば見られるけれども面倒になってその場は眠ってまた明日にでも見ることにする。こーゆーのが多いよなあ、前にも1回あったっけ、それで見終わったらすぐ消すよーになったんだ。なるほど毎回楽しいけれどもこれをDVDで買ってまで置いておくべきかはボーダーラインのちょっと下。それを「神曲奏界ポリフォニカ」のDVDを全巻購入している奴が言うかと指摘されそーだけれども、ライトノベル読みとしちゃあ付録のポリ赤だってラノベだから仕方がないのだと言い訳。本当はオープニングが大好きだからと2度言い訳。まあほら、何というか5匹生まれた中で1番みっともない犬を選びたがる心理って奴ですよ。よけいに分かりづらいか。

 どんなにあがいたって親からは逃げられない訳で、若い頃ならまだしもだんだんと歳を取ってくると、それ以上に歳をとってる親に絡んだなにがしかの事態が降りかかってくる可能性が高くなって、それを考えるとあれやこれやと億劫になる。いや本当は億劫になってなんかいけないんだけれども、3代続けて住まないようになって親に降りかかる事態を親の親にふりかかった事態を眺め見て心構えも含めて学んでおくことができなくなっていて、いきなりずどんとやって来るから心も体も準備不足のまま対面して、そして悩んで惑っているうちに不幸な事態へと至ったりする。難しいなあ。

 角田光代さんの「マザコン」という短編集はそんな親のとりわけ母親がらみの出来後となり思い出がなにがしかのモチーフになっている作品ばかりが入っていて、読むほどにああそうなんだいつかこういうシチュエーションに直面しなくちゃいけないんだって読む人の背筋をぴくっとさせる。知り合ったばかりの女性を電車で熱海へと行き寝るでもなしに止まってそこから大島へと行こうかどうしようかと迷っている男の母親が、しばらく前に痴呆症が出て病院に入っていて家にはいなくなっている。男はそんな家に忍び込んでは残されていたものを漁り質屋に二束三文で売り払って金にかえる。支えって訳じゃあなかったんだろうけれども1つの重しになっていた母親の崩壊がやるせなさを与えたんだろー。

 別の話だと潔癖性でラーメン屋に入ってもカウンターにもやし1本落ちていたらそこでは食べられないと怒った母親が、なぜか独り暮らししていたマンションを売り払ってフィリピンに移住すると言い出した。不潔さなら日本なんて眼じゃない場所にどうしてと止めても聞かず移住した母親の様子を見に行くと、小ぎれいなホテル風のマンションから日本食を売っているスーパーに行きどこにも寄らず返って食べては衛星放送で日本のプロ野球を見る生活を送っている。まるで野球になんて興味がなかったのに。つき合いも近所のクラブに集まる日本人ばかり。そんな頑なに異国の醸成を排除し交流どころか食べ物も拒絶するような母親の排他的な姿にどうしようもない苦さを娘は覚えて惑う。手本となって欲しい人間の狭量さに愕然とした、とでも言えば良いんだろうか。

 いい年になっても母親と同居している娘は何万円もする高級下着を買って母親の前で着替えてみせたりする中むつまじさを見せていはいても、かつて母親が娘の結婚相手という男の実家の酒屋に行って縁談を進めていた最中に、相手がやや酒屋のおやじっぽく乱暴な言動を見せたのに怒り、娘を連れ帰ってそれで娘はふと冷静になってしまって結婚を破談にしたことがあって、それは表向きは恨みとかにはなっておらずむしろ人生を考え直させてくれた英明さとでも言いたげなんだけれども、あてつけのように同居しては高級下着に着替えて見せたりするその行動の内奥には、くびきから解き放とうとしなかったと、当人はそう信じている母親の憎悪が根ざしていたりして身震いが浮かぶ。親であり手本であると同時にくびきであり圧力でもある母親という存在を、避けて通れない時間が迫っている世代に向けて突きつける優しい残酷さを持った短編集。そろそろ帰省した方が良いのかなあ。

 どこの世界に強い相手に大群で向かってそこで一騎打ちを挑む間抜けがいるんだろー。相手が一騎当千ならば万の数でもって押しつぶさないといけないところをゲームはルールが交互の攻撃になっているって関係からか、相手が単騎で着ては見方にひと太刀をあびせ、次いで見方が能力を発動させて相手を削りそれから相手が単騎でやって着てはまたひと太刀という、およそ実践ではあり得ないシチュエーションが続いていて悩ましさにもだえる。これが昔ながらの平面的な絵だったならばトランプみたいなゲームなんだと納得もできるんだけれど「Xbox360」って実写と見間違えるようにハイクオリティの映像でもって表現された超リアルなキャラクターたちが、戦場で名乗りもあげずに行ったり来たりの一騎打ちを繰り返している様は何か不思議。ハイレゾだからこそのリアリズムがゲームシステムならではの効率性とぶつかり始めているのかなあ。なんてことを超有名RPGの人が「Xbox360」向けに直木賞作家や人気俳優を起用し作ったRPGのデモを見て思いましたとさ。売れるのかなあ。


【11月18日】 それはだから最高のドリームって奴で、どうにも役立たずで足手まといでしかないと諦めていたら実はってゆー展開を、自分もいつかはそうなるんだってゆー願望も含めて待ち望んでいる人間の多さがそーいったお話が生まれるのを途切れさせない。まあ現実にはおそらくそんなことは9分9厘ないと察してはいてものこりの1厘にかけたいのだ。ってことで渡瀬草一郎さんの新シリーズ「輪環の魔導師 闇語りのアルカイン」(電撃文庫、590円)は魔法の道具を作り出してはそれを使って魔法を発揮することが可能な世界で魔法の道具を作り出すことに長けた祖父を持っていながら、自身はまるで魔法の道具を使いこなせない少年セロが主人公。使えないどころが持つと壊してしまうくらいで周囲では彼には祖父を受け継ぐ才能がないと感じ、自身も自分は無能を諦め薬草を摘んで薬を作る仕事に就こうと頑張っていた。

 そんな少年が住んでいるのが街を治めるオルドバという貴族の館で貴族といっても魔法の道具を作る才能を持っている人間で、姪の少女フィノを幼女に迎えてセロを家来といった扱いにして住まわせていたけど歳の近い男女がいれば起こるのはひとつのこと。フィノはいっしょに暮らすセロのことを悪くは思わずセロもまたフィノに好意を抱いていたけれど、そこはあまりに身分が違うと館の主人はお冠。フィノをセロから引き離してしかるべきところへと嫁がせようと考えていた所に、都からハルムバックという男を筆頭にした騎士の一団がやって来ては、オルドバに何やら約束しつつ何かを探し始めた。セロの所にもやって来て笑顔で少年の祖父が何かを残していないかとたずねたものの心当たりはなし。けれども実はあるはずだとハルムバックはオルドバに見せる顔をはまるで違う悪辣さでセロをを襲う。絶体絶命。

 そこに現れたのが喋る猫。立って歩いて魔法も使うその猫アルカインは偉大な魔法使いの1人の弟子で失踪したらしい師匠を追いつつ師匠が残した謎の魔道具を探して歩いていた。どうやら同じ者を狙っているらしいハルムバックとアルカイン。その間にあってセロは知らず危機に瀕しているフィノやオルドバや街を救おうをして無能も省みず走り出す。そして起こる出来事こそがドリームの成就って奴で、かくして浮かび上がった一大事を無事に過ごしてさてこれから、セロはいったいどこに向かうのか、そしてアルカインは何を求めているのか。国の中枢も侵す陰謀の行方なんかも見据えつつ展開されるだろう物語がとにかく楽しみだけれどそんなセロから見ればやや年上のフィノが姉さん的な立場を発揮しては怒りにまかせて爆発する様の方が恐ろしくって喪興味深い。猫でも少年でも思いに一途な少女には絶対にかなわない。

 んでもって掲載された新聞をかついで「デザインフェスタ vol.26」へと行きアート系な女の子とかをたっぷりと堪能。冬場なんで露出はあんまりないけれども細身の脚をジーンズに通してパンパンにさせたお尻とかを眺めていると、それを承知で人員も減らして紙面も削って情報を集約したら案の定に数字が下がってもちろん承知だから泰然自若と行くかと思っていたらどうも様子が違っていたりしてなかなかに興味深い状況になっていたりするどっかの何かに関するモヤモヤも晴れて来る。いやあ単純。とりあえずざっと見ていてまず気になったのは「古琴」ってところで花鳥風月を手でTシャツに描いて売っててこれがなかなかに雅やか。着ているだけで優雅な気分に浸れそーだけれども冬場にTシャツってのも何なんでとりあえず見るに留める。でも夏場だと汗が染みちゃうしなあ、やっぱり冷暖房の完備した状態で動き回る人が冬場に着るのが良いのかなあ。

 あとウエハラって人が出してたイラストが淫靡で肉感的な少女が描かれていてなかなかのもの。劇画ともエロ漫画とも微妙に違うどちらかといえばアメコミに近い雰囲気もあるんだけれどそうじゃない絵も描けるみたいでなかなかに幅が広そう。ポップでサイケな絵もあったりするしなあ、どっかで既に活躍している人なんだろーか。あと鈴木竜次郎さんて人の絵がなかなかにフェティッシュでハードコアでサイバーな感じがしてちょっと気になった。メカメカしい東郷青児? いやちょっと違うか、あるいはひろき真冬さん的かも。SF方面なんかで使うと雰囲気出そうだけれどイラストというには絵としてまとまり過ぎているから挿し絵にはあんまり向かないかな。でも格好良い。

しゃなりしゃなりのよさこい珍しい  昨日も見かけた「大江戸 獅子陽連」は先頭に立って踊っている女の子が美少女とはまた違った独特の可愛らしさを放っていてその辺りを歩いている姿を遠巻きに見てちょっとだけファンになる。何てゆーんだろー、こーいった感覚って、つまりは美の基準なんてものはひとつじゃないってことなんだなあ、シチュエーションによっても大きく変わるものなんだなあ。なんてことを考えつつ秋葉原へと回って深見真さんお「武林クロスロード」の第2巻を購入。だから冒頭に「未成年の鑑賞に関しては、周囲の大人、保護者の皆様のご配慮をお願いします」って入れるんだったらそーゆーのを出してるレーベルでやりなさいってば。

 お話はそりゃあ圧倒的に面白くって読めば感動が感応と同様に得られるんだけれどどちらかと言えば感応が先走りすぎている上に残酷さも突き抜けていて、いわゆる漫画的なイラストが表紙になって中学生どころか小学生でも手に取るレーベルに似せて作ったかそちらを狙って作ったレーベルで出してあんまりよろしくない。妙にライトノベルへの感心がよく分からない方向から盛り上がっている時だけにあの小学館が、とか言われたりする事態が起こらないことを今な願おう。まあそれを言うなら「コードギアス 反逆のルルーシュ」だって前半を昼間の時間にやれば反発も起こった可能性があるけれど、テレビの視聴よりも本の購入は親とかのコントロールが届きにくいからなあ。だって小学館だよ「ドラえもん」の、とか言うこまっしゃくれたガキなお子さまの声に子を飛び越して叫ぶ親の顔。見たくない見たくない。

 んでもってかけつけた「フクダ電子アリーナ」では間抜けな失点から反撃をして巻誠一郎選手が抜けだしどフリーとなったボールをはるか上にふかしたりする姿にああこれは駄目かもとあきらめていたらPKで同点に追いつき羽生直剛選手の素晴らしいクロスを工藤浩平選手がボレーでたたき込んで逆手。やったと思った1分後に1点を奪われ同点にされてさらに選手交代の隙をつかれて1点を追加されて万事休す。見た目にはボールも回り人も動く攻守交代の激しい楽しいゲームだったけれども勝てる試合を落としたって気分は残って今ひとつ。水本裕貴選手がいたらあるいは起こらなかった失点かもしれないと考えると五輪の試合がちょっと恨めしい。幸いにも1部残留が決まった中で米倉選手とかを試せているのは来年に向けた布石かも。それだったら最初っから出しても良いんだろーけどほら、この期におよんでベストメンバー規定とか有りやがるから試験も出来やしない。ともあれこの状況下でアマル・オシム監督はよく指揮をした。そのプロ意識には脱帽。できrば采配もよりプロフェッショナルに。


【11月17日】 倒れ伏している間を心配しつつも実は「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」の試写を見ていた昨晩だったけれども2回見てもやっぱり面白いなあこの映画。何の前触れもなくとあるシーンに差し挟まれるぐわーんと走るトラックの映像とか家族とのポートレートが絵理ちゃんの見回れた事態を暗示しチェーンソー男の正体を示唆しているって後から見れば見えてきて、なるほどこれが映画的な手法なのかと納得させられる。1度でそれらが目に入ればなお良かったんだけれど注意力散漫なんで。あと「俺さまーズ」の演奏はやっぱり感動するよなあ、格好良いよなあ、誰が作ったんだろう、1月19日の公開時にライブとかやんないかなあ。絵理ちゃんは対抗してナイフ投げだ。

 リアリズムを言えば、長嶋茂雄さんが脳梗塞で倒れてもなおアテネ五輪に出場する野球の日本代表の指揮をとりたいと本人が考えいてたか、あるいは長嶋さんのブランドに頼りたい野球界が考えていたかは分からないものの、監督の地位を他に適任だっただろう人に委ねられずず、監督経験のなかった中畑清ヘッドコーチがそのままアテネで指揮を取る事態となって、結果として銅メダルに終わりはたしてそれで良かったのかどうかが議論されたという、そんな状況を踏まえつつ情実だの資本だのに流されない適切な判断を、時宜に応じて下し広くスポーツの手本になって欲しいサッカー界が聡明な判断を下すべく、すでに動いているだろうと考えたい。2月に東アジア選手権がありそれをステップに3次予選を戦いに向かう今が大事な時。積み上げてきたものを維持するにしてもいじるにしても暫定なり未経験者では、最終予選突破という当面の大目標に向かって責任を持って事に当たれないだろうから。でもファンタズムでも心よりの願いはやっぱり何事もなかったように立ち上がってくれること。ジェフ千葉の監督としてとどまるか否かではそのキャリアの凄みに果たしてここで良いのかと迷い言うのをためらった「シュワーボ、オスタニ!」の言葉を今は心より叫ぶ。

 眠り起きて健康に感謝。しつつ調べつつ不安を引きずりながら「デザインフェスタ」でと向かう。いったい通い始めてもうどれくらいになるんだろう、8年目くらい? つまりは10回以上は行っているけど年を追うごとに出店規模も広まりそれ以上に来場者数も伸びてる感じで5万人越えはアベレージ。これでスターでも出れば2日間で10万人、なんて大台だって乗ってしまいそーな感じすらあるけどそれだと人の多さに入場が大変で入ってもゆっくりと見られないから悩ましい。出店希望者も増えて「東京ビッグサイト」の西館(にし・やかた)全館を利用ってことになっても今ですら全部は見切れないのが更に見切れなくなるかならあ、っても行く場所はそんなに毎年変わらないんだけど、Tシャツの「ちくわぶ」とか。

 んでもって寄った「ちくわぶ」では胸に広々とサッカーのピッチが描かれてあってその上に、オセロみたいに黒と白のベロクロ付き丸シールを貼ってフォーメーションを作れるTシャツを購入。2900円とバーゲン価格なのは本家のサイトが停止中なのと関係があるのかなあ、まあいいやこれを来て4−2−3−1のフォー面ションを下にして上に3−5−2のフラットスリーを作ってお杉先生の前に出てみたいなあ、今だとそれとも4−3−3? これは絶対に行かねばとチケットも買った明日の「ジェフユナイテッド市原・千葉対横浜F・マリノス」の「フクダ電子アリーナ」で試すって手もあるけどマリノスって4−4−2だったっけ、それはボックス型だっけダイヤモンド型だっけ、まあ冬なんでTシャツは寒いんで年があけて来年になってからどっかの試合に着て行こう。

 さらっと見たら短いローライズのジーンズでしゃがんで一所懸命に作品を張り付けている女の子がいて当然ながらに割れ目まで見える半尻状態なのが何というか目に優しいというか。でも流石に近寄っては見られないから遠巻きにしつつ付近にあった「AREACODE」ってブースを鑑賞、うん良い絵だ。ポップな感じのイラストも得意みたいだけれどもやや装飾をつけた画はポップでライトな女の子がいてなかなかにキュート。加藤洋之&後藤啓介さんの雰囲気にどこか重なるところもあってライトノベルってよりはむしろSF系のイラストなんかで見たらマッチするかもと思ったけれども横の方にいたローラーズからのぞく桃が気になってしっかりとは見られず。人間はかくも煩悩に弱い生き物なのだ。

カエルにネコにアンモナイトがレトロなメカ化されたフィギュアが格好良いぜ  吹き抜けのアトリウムで繰り広げられていた花魁風の衣装でしゃなりしゃなりと繰り広げられる不思議なよさこいが特徴的な「大江戸 獅子陽連」とかスリムで長身でそして筋肉もそつなく付いた男たちが飛び跳ねる忍者パフォーマンス集団「SHINOBI TRY」の正義ばりばりなパフォーマンスを見物したりと楽しく過ごしてそれから戻って目新しいのを探していたら鎌田光司って造形作家の人の作品が目に付いた。カエルやらネコやら刺青入りのブタといった動物がモチーフになったフィギュアでそれぞれが近未来的だったりファンタジー的なアレンジが施してあって強い雰囲気。まんま絵本とか映像の世界に飛び出てきたって不思議はないくらいの出来なんだけれど伺うと「デザインフェスタ」に出るのは今回が初めてで、フィギュアの仕事も本業にしたのは3年前から。そりゃすごい。

 経歴なんかを見るとずいぶんと前よりイラストなんかを描いていはいたらしーけど本格的な活動はなるほど05年辺りからになっているから、脱サラしての覚悟の道行きだったんだろー。「ワンダーフェスティバル」では「絶対少年」とかが出ているターと系フィギュアのコーナーなんかにも出ているそーだけれども決して未だメジャーではなく、「デザインフェスタ」を機会に更に市場が広がればって感じらしー。でも3万円とか4万円とかするにも関わらず、すでに完売になっている作品もあったしホームページを見ましたって人がブースにやって来てたからそれなりにメジャーになりつつあるんだろー。いやしかし本当に良い出来。頼まれればゲームに出てくるキャラクターなんかも立体造型してみせるみたいなんでそーした方面で立体化を願う企業は依頼してみるのが吉かも。ここが手がけるディズニーとかジブリとかの世界はちょっと見てみたいかな。

 ふと気が付くとファイナルカット版とかゆーのが始まっていたりした「ブレードランナー」のそろそろそれも含めたDVDボックスが発売になるだろーと調べてアマゾンで予約。もちろんケースがついたアルティメットな奴だけれどアマゾンなだけに最後の段階で来ないとかってこともあるからなあ、「ブレードランナー」を頼む人が1万人より少ないなんてあり得ないからなあ、って考えることがすでにSF野郎の視野狭窄? DVDと言えば同じくらいに「コードギアス 反逆のルルーシュ」のDVDマガジンなんてものもでるんだっけと「ドットアニメ」で調べたら何と本編の再編集版みたいな「コードギアス 反逆のルルーシュ SPECIAL EDITION BLACK REBELLION」なんてものも出ると判明。「ガンダムSEED」みたく4巻に50話を凝縮ってんじゃなく1枚に25話をまとめて振り返るっぽい展開だから既にゲーム版で振り返っている身には関係ないけど春から多分始まるシリーズをいきなり見る人向けにはこれが最適って感じになるんだろー。まあ買うけどね。買うしかないんだけどね。


【11月16日】 えっとあれは全国農業協同組合中央会(JA全中)のご飯をもっと食べようキャンペーンに使われているキャラクターだっけ、頭の骨がぱっくりとはずされそれこそ「ハンニバル」でレクター博士が最後の方でやって見せてた感じになってる犬っぽいキャラクターが出てきて脳味噌丸見えじゃんって驚いた記憶が鮮烈なんだけれどもよくよく見るとそれはご飯茶碗の上にこんもりと山盛りにされたお米でつまりはだからご飯を食べようキャンペーンのキャラクターなんだと理解、その名も「ごはんぢゃワンくん」だと知ればなるほど可愛いと思えないこともな……こともない……のかもしれない。うーんやっぱり悩ましい。

 でもまあ慣れてくればこれはこれで可愛いと見えてくるから不思議なもの、というりはむしろ隣にあの上戸彩さんがいたからまとめて可愛く見えただけかもしれないなあ。朝ご飯の摂取促進を目指して朝に相応しいメニューを公募するイベントがあってそれの特別審査員に起用された上戸彩さんをついでに朝ごはん大使ににも任命しちゃいましょうって発表会があったんで、知らないうちに出来てた「東京国際フォーラム」の1階にある「ごはんミュージアム」へとゴー。待ちわびて登場した上戸さんはショートな髪型もにあうキュートさで顔ちっちゃくて目がおっきくてまるで王子様のよう。笑顔を絶やさずいつもニコニコとしている姿になるほど現場で出会えばファンにならない人はいないと納得する。ヨンさまもこの笑顔で落としたのか、いや別に落ちてないけど、それとも落ちてたとか。

 イベントでは自分で考案したってゆー朝食メニューも披露されてひとつは土鍋で煮られた雑炊で、にんじんなんかのほかにキノコが椎茸にシメジにエリンギなんかが入ってキサトンバッチリ体にヘルシーでさらに鶏肉の団子も入ってなかなかボリュームありそー。セットには煮カボチャのアイスクリーム添えにきな粉がかかったものがあってカボチャ煮にアイスって微妙っぽいけど上戸さん曰わく「めちゃくちゃおいしい」とか。「アイスにサツマイモって合うから」ってコメントもあってでもサツマイモとカボチャは違うんじゃないって言いたくもなったけれどもあの顔でほほえみを浮かべておいしいって言うんだから信じるより他にない。メニューは「ごはんミュージアム」で12月に入ってから饗応されるそーなんで上戸さんのファンは行って試してみてはいかが。価格は1500円。ちなみに上戸さんはご飯のおかずでは納豆が大好き。鰹節を入れたりして食べてるそーでそれが朝食メニューでも良かったけれども上戸ファンでありながら関西人ではいささか挑戦に迷いも出そうだから雑炊で良かったよかった。アイスと納豆添えにしたらどーだったかな。

 勘違いから嫉妬するのは別に構わないけどそれで直前まで好きだった女の子に国家反逆罪の罪を着せて牢屋にたたき込んで命すら奪おうとしてしまう男子は最低過ぎると断言。ヒーローでもある少年が相棒と信じたんだからもーちょっと冷製に沈着な行動をとって欲しかったけれども所詮はその程度の器であって踏み台となって蹴散らされて後は野となれなキャラクターだったんだろー、三上康明さんって人の「空トブ人ビト」(集英社スーパーダッシュ文庫、590円)に登場する豪商の息子ルパーは。舞台はどっかの国で空をエーテルとかって燃料で飛んで郵便を届ける仕事に就いてるハルタって少年が相棒にしていたのがそのルパー。学問の才能はからっきしながらこと飛行機を飛ばす腕だけは図抜けているハルタに一目を居て、自身もそれなりに天才ながらもルパーはハルタを信じてつきあっていた。ところが。

 陸軍大臣の娘でルパーとは良い仲にあるサヤがハルタと出会い友人らしく交流している姿を見てすーっと猜疑心を芽生えさせたルパーは、空からやって来たギガントって商団にハルタやサヤが追われてどうにか追い返した様を意図的なのかそう信じたのか国家に対する反逆ととらえて2人をおとしめようとする。ところが実際には世界の国々に平和を保つ象徴として配られた秘宝を再び集めようと画策する動きに絡んでのもので、ハルタは秘宝らしきものを守ろうとしていて、サヤは単にルパーへのプレゼント選びをハルタにつきあってもらっていただけ。かくして起こったシリアスな事態がやがてハルタの運命を変えてかつて祖父が担っていた国際通信士という謎の仕事へとハルタを導く。

 ずっと昔に「ストーン ヒート クレイジー」ってなかなかに世界観を持った舞台で少年少女が頑張る話を読ませてくれた三上さんらしさは存分にあって世界の設定がなかなかに興味深い。「競売ナンバー49の叫び」じゃないけど情報の交流を一手に握り世界の裏側であれやこれやうごめいているってイメージが郵便配達の仕事にはあって、「空トブ人人」でもそんな通信の仕事の神秘性と重要性って奴を感じさせてくれる。翻って現実の国では郵便を単なる情報の運搬としかとらえず商業主義の中でコストだけをより所にして運営されるよーになってしまってそこからは情報の伝達人というプライドや使命感がだんだんと落剥していっているよーに移る。高いよりは安い方が良いけれど同時に安全でもあり安心できるってことも不可欠な仕事を単にコストだけで割り切って良いのか否か。「空トブ人ビト」なんかで記される国際通信士のお金はもらわず名誉だけで物を運ぶという信念が、見てどうにもうらやましい。モラル失われし世界が向かうは混沌の闇、なのか。

 「ゴードギアス 反逆のルルーシュ」に出てきて何人たりともその意志の前には逆らえないルルーシュのギアスを出来れば向けて「生きろ」と言ってやって頂きたいけれども現実には存在しないギアスに頼ることは不可能。全身を銃で蜂の巣にされながらも生きてナナリーをさらいにアッシュフォード学園までやってこれたマオに施された先進の医療技術をだったらここでも是非に発揮して頂きたいとも思うけれど銃創と脳の病とでは重篤度が違いすぎるし何よりやっぱり「コードギアス 反逆のルルーシュ」はフィクションでしかない。フィクションでもすがりたい気持ちはあっても現実という壁があるのなら、ここはひたすらに叫ぶより他にない。「シュワーボ、オスタニ」「シュワーボ、オスタニ」「シュワーボ、オスタニ」「シュワーボ、オスタニ」。全国から、全世界からそんな叫びあげてをその耳へと届かせれば、どんな状態にあろうとも目を覚まして立ち上がってそして導いてくれるだろう。信じる。だから叫ぶ。「シュワーボ、オスタニ」「シュワーボ、オスタニ」「シュワーボ、オスタニ」。


【11月15日】 阿部ちゃんだよなあやっぱり阿部ちゃんがいたからこそ、ディフェンスだの右サイドだのといった専門職が抜けたポジションを埋めて、リーグでもアジアチャンピオンズリーグでも耐えて勝って来られたんだろうけれどもMVPってのは印象度で決まってしまうところがあるから、最後の試合で得点を奪った永井雄一郎選手へと行ってしまうのも仕方がない。でもそれなら攻撃陣で1番得点も奪っているポンテ選手がシリーズ通してのMVPって気もするし、ディフェンスと攻撃の間をつないで奮闘した鈴木啓太選手こそが真のMVPに相応しいって気もするんだけれど、理由は前述のように攻撃陣ばかりが目立つ仕組みに閃光がなっているんだから仕方がない。

 いくらACミランが活躍したってガットゥーゾ選手がバロンドールを獲ったりすることはないし、レアル・マドリードでもチェルシーでも大活躍のマケレレ選手がバロンドールにまるで近づかないのと同じ。その意味ならカンナバーロ選手はよくやった方だけれどディフェンスはディフェンスでまた目立てるからなあ。これでもしも浦和レッドダイヤモンズがリーグも優勝を決めたとしたらJリーグのMVPこそは鈴木選手に、もしくは長谷部誠選手か阿部勇樹選手に差し上げてやって欲しいよなあ。でもきっとワシントン選手か闘莉王選手に行ってしまうんだろうなあ。どっちにしたってジェフユナイテッド市原・千葉の選手にゃあ関係ないけどね。来年こそは。なになに水野晃樹選手が浦和行き? それだけは。ああそれだけは。だったら代わりに誰か。酒井友之選手……いや良いいけど別に。

 スティングってどれくらいでベースをマスターしたんだっけ、1週間? 3週間? とにかくすっごいスピードでマスターをしてバンドに入ってそして歌でも曲でも才能を見せつけたちまちのうちに「ザ・ポリス」を世界的なメジャーバンドにしたんだっけ、それを考えれば単なる高校生が1週間とか2週間で基本くらいのベース演奏をマスターできても不思議はないか。でもそんな彼が挑むのは超速退きのテクニックでもって経験のあるギタリストだって引かせるくらいの天才少女。それもギターを初めてまだ数ヶ月ってんだから本当の天才だったりする相手だから果たして勝負の行方は分からない。分からないけれども挑まざるを得ないってのが男って奴でそんな男の突っ走る気持ちが杉井光さんって「神様のメモ帳」シリーズが好評な作家の新作「さよならピアノソナタ」(電撃文庫、610円)には溢れている。

 音楽評論家の父親を持った桧川ナオ君は、家に転がるオーディオ機器をバラして直すうちにいっぱしの修理の技術を身につけ今は廃品の処分場で見極めそこから拾ってきた機器からだって必要な部品を取れるくらいになっている。その日も“心からの願いの百貨店”と呼ぶ海辺の廃品置き場へと行くと何やらピアノの音色が。それも音楽評論家の息子として育ってそれなりの耳を持つナオにもなかなかの腕前だと分かる音色で誰が弾いているのかを見ると、同じ歳くらいの少女が一心不乱に弾いていた。誰、とたずねる間もなく少女はナオに気づき演奏を聴かれたことを恥じたのか「変態、痴漢」と罵声を浴びせてナオを責め立てる。帰り道が分からない少女を連れて駅まで行っても怒りは解けずそ場はサヨナラ。ところが学校へと行くと転校生として当の少女がやって来たから驚いた。

 すでに前回の別れ際に、少女が12歳で欧州のコンテストに入賞し、若い天才ピアニストとして評判になりCDも出した蝦沢真冬だと知っていて、そしてクラスの皆もすぐにそうだと気づいて注目の的になったもの真冬は決してうち解けず、ナオがこっそりCDを持ち込んでは大音量で鳴らして音楽に浸っていた空き教室に入り込んでは、手にストラトキャスターを持ってクラシックをとてつもないスピードで弾くようになってしまった。居場所をとられ彼女のピアノではなくギターを弾く態度にも興味があって、ナオは真冬の所に通うものの一向に乗ってこない真冬。ならばと同級生で柔道を辞めてドラムを始めた少女が慕うやっぱり女性で民族音楽研究会なる同好会を作った先輩から手ほどきを受け、ベースでもって真冬の速弾きに挑戦し、勝利を収めて部屋を取り戻そうと目論む。

 天才指揮者の娘として生まれ、天才ピアニスト少女と騒がれながらもその道に迷い、体にも異変を抱えて悩む真冬に比べると、音楽評論だけに没頭する父親に愛想を尽かして母親は出ていってしまったものの父親との仲は悪くなく、その評論の仕事を編集者には内緒で手伝うこともあったりとそれなりに充実した日々をナオは送っている。でも悩んでいる少女がいたらほっとけないのがヒーローって奴なんだろー、ナオは口は悪いけれどもこと音楽に対する知識と情熱には間違いがない先輩に学び、自分の部屋を取り戻したいって理由なんか多分言い訳にしつつ真冬を守り導こうと必死になる。なるほどこれが青春ってやつかと感動に浸れるストーリー。そこに絡む音楽に関する情報や、音楽に挑む情熱といったものが気持ちを熱くしてくれる。若かったら自分もベースを始めたかなあ、でもやっぱりやるならギターかなあ。

 そうだスティングと言えば「ザ・ポリス」が来日するってんで来年に「東京ドーム」で開かれるコンサートのチケットを追加のおまけみたいな募集でとったら2階席の20列目なんてところになった。もうほとんど最後尾。そんな所からじゃあバックスクリーン前に作られるだろーステージなんて芥子粒の更に縮小コピーみたいな大きさにしか見えないんだろーけれど、見て嬉しいビジュアルの方々じゃあなく全体としてのステージがどーなっていて、そこでどんなサウンドが繰り出されるかって方が最重要。鳴り渡る「孤独のメッセージ」に合わせて揺れるアリーナの人並みを最後尾から見られる感動を存分に味わえるって意味で、返って良い席だったんじゃなかろーか、ってことで自分を納得させよー。その場にいられることこそが重要。1生にもはや1度の生ポリスなんだから。

 とか言ってたら追加公演のプレリザーブでプレミアム席が当選だよ。プレミアム席っていったいどの辺りまんでなんだろー、前列20席くらい? それともアリーナの半分くらいがプレミアム席だったりして、可能性はあるよなあ、でもその位でもステージって結構遠いんだ、その昔に今はまだいるのか知らないけれど「タトゥー」を「東京ドーム」へと見に行ってそれなりの席ではあったけれどもあんまり間近って感じはしなかった。まあでもやっぱりほら、あんまり前列に近づきすぎて「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゲームに出てくるキャスタールが「特区日本」の設立時に使ったギアスの有効範囲に入ってしまったよーにスティングのオーラを浴びて髪をショートの金髪に変えてしまうとか、アンディ・サマーズの影響でよーにピョンピョン飛び跳ねるとかいった行動に走るよーになっても後日の生活に支障が出るんでまあそれなりな席だったとしても我慢だ。ああしかしやっぱり本当に来てくれるのかなあ。


【11月14日】 「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゲームは3周目を終わってユフィはコーネリアが説得して見方になりダールトンとギルフォードの両騎士も見方につけてこれで残るはジェレミアくらい? あんちょこによれば眠り光線を発射しているユフィをコーネリアが止めに行く途中でジェレミアに出会えたらまずはそっちから引き込みあとはスザクにユフィを諭してもらえば良いみたいだけれどもそこまでたどり着くためにあと6時間くらいを使うのもなかなか億劫。

 とはいえ未だニーナのガニメデ大暴走にもシャーリーの記憶喪失にもお目にかかってないからそちらを出すためにシャーリーにお仕事をさせるシーンに気をつけもう1周、プレーしてからさらなる遊び方を考えよー。追加シナリオとかあれば面白いんだけどなあ、いきなり恋愛シミュレーションゲームとか、アッシュフォード学園を舞台にルルーシュを操作してシャーリーとニーナとカレンがクラスメートでユフィとミレイがちょい先輩でコーネリアが女教師で千葉が保健体育の先生でラクシャータが保健室の女医さん。ライバルは生徒会長のシュナイゼル。狙うは誰?

 大手町の紀伊国屋書店ではどれくら売れているんだろう。買って出待ちしていればもしかしたらサインくらいもらえるかもしれないと買っていく近所の会社員とかいるんだろーか、隣の背の高いビルに入っている会社の人も含めて。そんな渡邉恒雄さん著の「君命も受けざる所あり」(日本経済新聞社、1600円)は、古くは別冊宝島の「ザ・新聞」で読売のドンとして当時はまだ専務だったか副社長だったか、そんな時代のことについて書かれてあった文章とか、ジャーナリストの魚住昭さんも7年前に同じよーな話を書いた外部からのルポルタージュなんかとは真逆に、当人が自分のことについて書いた自伝ってところが珍しい。

 自伝だから例えば九頭竜ダムに関する話や中曽根元首相との友情に関する話、社会部との確執から社内で紆余曲折の道を歩みワシントンに”飛ばされ”ながらも復活していく話なんかが信義を背景にした理由なんかとともに語られていて、なるほど偉くなっていく人というのは何であっても信念に従いまっすぐに突っ走っていくものだって強く激しく感心する。「ザ・新聞」から20年もドンで有り続けるとは流石に思わなかったけど。そこに出てくる産経新聞の鹿内春雄さんは刊行直後に病死してしまったから。それだけにすごさが際だつなあ。同時に「別冊宝島」の先見性にも。家のどこかにあるから探して読み返してみようっと。

 まあ1枚の紙の裏表みたいなものだから目新しさ、ってところはあんまりなくって物は言いよう感がずいぶんとあるけれど、数点たとえば「売春汚職事件」で結果的に検察内部の勢力争いに絡んではめられリーク情報を元に誤報して逮捕され、読売社会部帝国瓦解の糸口になった立松和博記者が「T記者」として渡邉恒雄さんにくってかかっていたことが書かれてあって、一時代って奴を感じさせる。読売東京社会部きってのエースでもあった本田靖春さんのことは出てこないのは、7歳ほど下で40歳前に辞めている本田さんとはあんまり接触がなかったからなのか。読み返した魚住昭さんの「メディアと権力」にはニューヨーク支局に配属された本田さんがアポロ11号関連でワシントンに赴いた時に渡邉恒雄支局長が「ポンちゃん」と呼んで鰻を食べようと家に招いた話が出てくるから割に顔見知りだったみたいなんだけど。

 その割に西のエース、黒田清さんのことには触れてあってその退社に絡んで渡邉恒雄さんの圧力があったかの如く語られていることに「私が人事に介入できる余地などない」といって無関係だと主張し更に「彼の退社の真相を知ったのは、かなり時間がたってのことだった。ただ私はそれを明らかにする立場にない」と書いている。黒田軍団vsナベツネ、って構図を信じ黒田軍団の残党を対権力の正義とみなす風潮は少なからずあるけどそーゆー構図すら崩れかねない理由なんだろーか、うーん知りたいけれども「フィギュア萌え族」な大谷昭宏さんじゃあ何かポジション的に微妙だし。

 「週刊SPA!」の「本谷有希子のどうなんだそれカルチャー日記」を読んでいたら「らきすた」のジャケット写真が載ってて見ると西尾維新さんの本の密度ネタ度を上げて「正直『らきすた』の『もってけ! セーラーふく』の歌詞(訳の分からなさが秀逸)を完全マスターしようとしている私でさえ(?)前半の、キャラ立ちしまくった登場人物のボケ突っ込みの応酬には独特過ぎて入っていけなくなる部分もあった」なんて書いていた。そうかあれを完コピするつもりか、ついでにだったらダンスも完コピして三島賞なり芥川賞の受賞が決まったその席で、ご披露して頂けたらなお嬉しいんだけど、近く絵馬を門前の店が売り出す鷲宮神社ともども期待していますから。あとは受賞パーティとかに潜り込んだ人には是非に囃してカラオケさせてやって頂きたいものであります。


【11月13日】 そして3周目でもスザクをギアスで仲間にしてみたけれども果たして何か最後に変化があるんだろーか、やっぱりユフィをスザクに討たせるべきなんだろーか、それより前にユフィも仲間になるって展開もあるんだろーか。「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゲーム時間も20時間を超えてそれでもまだまだ先が見えないとはやっぱりなかなかなゲームなのかもしれない、ってのは単なるファンのひいき目か。んで「バンブーブレード」は珠ちゃんが町戸高校の剣道部顧問を相手に小手抜き片手面で1本を奪うも上段に構えた相手に見た母の面影。固まってしまって動けずそれを見て相手顧問も試合を止めて勝負は曖昧のまま次回へと向かってそしていよいよ眼鏡登場か。どんな奴なんだろー。家では黒い方の喋りになってたミヤミヤだけれど姉らしー人の作る料理の更なる黒さにお手伝いを申し出た。やっぱり本質は良い人なんだねミヤミヤ。

 それにしてもプレゼントされたお宝がVHDとは良い迷惑だったかも知れない珠ちゃん。ジャケットこそ某愛が覚えられてた作品っぽいけど出ていた当時だって滅多に見なかった機械が21世紀の現代に残っているはずもないから当然珠ちゃん家では見られない。まあ広いジャケットがむき出しになっててミニポスター代わりくらいにはなっているのが幸いか。発売時期とかの問題もあったんだろーけどCDってものがすでにあって非接触のピックアップで読んで出てくる音の鮮烈さが、同じよーにレーザーで読みとる映像のおそらくは鮮烈さを想起させつつ対して接触式のVHDへの本当は違うんだけれど劣っているんじゃないか的想像へとつながって、使うのを躊躇わせたよーな印象が今だとあるけど本当のところはどーだったかは知らない。でも80年代末頃のスナックとかはカラオケにVHDを使っているところは多かったよなあ。今じゃあLDですら見かけないけど。LDプレーヤーを仕入れておかなくちゃいけないかなあ。

 いきなり2冊も出ていて一気に話が進むかと思った高遠るいさん「シンシア・ザ・ミッション」だったけれども第6巻はブラジルで島原カルロスの父親母親のなれそめがあってその島原カルロスがグレイみたいなETみたいな選手と戦う正統、でもないけどスポーツとしては真っ当な展開が続いてあと紫水ほたるが高校時代の知り合いをアフガンだかで空爆で失った憤りから邪眼を使ってホワイトハウスに乗り込んだけれども返り討ちにあう話で終了、例の天下一武道会はどーなったんだって見たら第7巻ではカルロスがブラジルから来た猫人間を相手にちゃんと戦う続きがあってそこから「シンシア」らしー笑顔で人を殺すよーな(リング上だからそこまではいかないけれど)展開がまっていた。うーんよく分からないけどまあ外伝が1冊間に挟まったよーなもんか。

 とはいえ紫水ほたるが乗り込んだホワイトハウスで腹を縦にかっさばかれ頭を撃たれ、それでも手術で生かされそして散弾銃で脇腹を蜂の巣にされ腕を半分くらい吹き飛ばされても、なおまだ命を長らえさせらるよーな描写もあったりと見た目なグロテスクさはちゃんとあって安心。ブラックジャック先生だって手袋を投げそーな怪我をよく治したもんだとアメリカの医療に感嘆、まあ漫画だし。続いて第7巻では島原カルロスが待望の久我阿頼耶との戦いに。制服じゃなくってゴスい衣装で登場の阿頼耶は短いスカートからにょっきりと黒いストッキングの脚を伸ばしてキックにジャンプを繰り返すからストッキング越しに描かれてあるものがいちいち見えて目には楽しい。直裁的よりもむしろ感応? そんなカルロス島原戦に続いて飛び込んできたケンカ弁護士がまた強い。邪眼も呪術も暗器も使わず肉体のみであそこまで阿頼耶を追いつめるたぁ人類最強のダテじゃない。でも突然現れた手から火を噴く帝王キングカイザー100世にはかなわないか、人類以上っぽいのが始めて出てきたぞ、んでもきっと何か仕込んでいるに違いない、さすがに人間、手から火は噴かないだろーから。第8巻はいつかなあ。

 カナダは金田とは書かないけれどもあるいは「AKIRA」で日本語を覚えたカナダ人は金田と書いてカナダと読むキャラクターからそうかカナダは加奈陀ではなく金田なんだと理解していたりするのかどーなのか。そんな新戦力のケイト相手に正しい日本語を教えようと奮闘しながらも自身の博多弁を指摘されてがっくしとなる麻生夏海が妙に可愛く見えた、かもしれない「スケッチブック」。でもひとりでマペット相手にぶつぶつやってる女子高生がいたら普通は引くかな、それとも惹かれるかな、うーん見てみないと分からないからどこかで誰か見せてくれ。実写ドラマ化とか。しかしケイト、猫の名前も「ぶち」か、斑でもないのに「ぶち」はきっと「渕」で「buchi」で別のアニメとかファンタジーの偉い人から学んでつけたに違いない。でもペルシャ猫だからって英語なのはなあ、ペルシャ語を喋って欲しかったなあ。

 うーんウルトラマン。それもヒーローが登場しないウルトラマンが放送されることを果たしてファンとして喜ぶべきかを悩んでいる人も多そうだけれどこのテレビ特撮苦境の時代に作られ放送されるだけでも有り難いってことか、んでも「BS11」だしなあ、って何だよ「BS11」。調べたら新しく立ち上がったBSデジタルチャンネルで資本はビックカメラで社長が元バンダイの山科誠さんだったりといろいろ成り立ちが楽しそう。編成部長として登壇した二木啓孝さんてあの日刊現代の二木さん? ジャーナリストとして最近だっていろいろルポルタージュとか書いているしテレビにだって多分出演中。それで一方でチャンネルの編成にも関わっているのか、すごい行動力、結構な歳なのに、見習いたいけど才能がない。

 まあ放送チャンネルの社長が山科さんだからってよりは、もとから玩具はバンダイがやってた関係でチャンネルが「BS11」に決まった可能性なんかもあったりするかもしれないテレビシリーズ「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」。内容はバンダイがデータカードダスで展開している「大怪獣バトル」のフォーマットを取り入れて怪獣どうしを戦わせるって展開で、そこに地球からやって来て怪獣惑星に迷い込んでしまった探査船の一行がいて、なぜか怪獣を操る道具を持った青年と出会って怪獣バトルに巻き込まれていくってストーリーになっている、のかな、第1話の試写まで見ていないからちょっと不明。でもまあひたすら「ウルトラファイト」的なものを見せられるよりは人間ドラマの上に怪獣バトルがあった方が分かりやすいっちゃー分かりやすいか。

 ちょっと見の映像はひたすらに怪獣プロレスであのベムスターがパンチを繰り出したりする様に怪獣ってのは恐怖の象徴でいるだけで恐ろしい上に町を踏みつぶしヒーローを蹂躙する姿に戦慄し、けれども最後はそんな怪獣を倒すヒーローに感動して来た人間としてずいぶんとカジュアルになったもんだと悩んだけれども時代はもはや怪獣が現れるシチュエーションに現代の問題を仮託しそこから教訓を得るよーな余裕のある時代ではなくなっているから仕方ない。

 そんなひたすらなバトルの一方で、出演にあたってビリーで仲間たちを鍛え上げ、ご飯も一緒に食べに行き「ラゾーナ川崎」で「大怪獣バトル」まで一緒にプレーしてクルーたちとの結束を強め、その結果会見の席で涙をこみあげさせ、その意気が女性隊員や見た目とっぽい兄ちゃん隊員にまで伝染していた、コニタン小西博之さんの芝居にかける熱情に注目をして見ていくのが良いのかも。んでも「BS11」じゃあ見られないしなあ、いやいや安心、同時にブロードバンドでも無料で配信するから衛星が入らない人はそっちでどうぞ。テレビじゃハイビジョンでパソコンではブロードバンドで携帯にも配信してウィンドウを広げまくって試聴機会を増やしてそれで、玩具やグッズを売って回収する。地上波の夕方からアニメが消えてしまった現在、子供の玩具がメーンの商売はこーゆー仕組みへと移っていくことになるのかも。しかし好漢だったコニタン、大昔に「BBS放送局」で小学生に罵倒されながら冷静に喋っていた先生役が懐かしい。


【11月12日】 ふと気が付くとジェフユナイテッド市原・千葉レディースが「mocなでしこリーグ」のディビジョン2での2位が確定して入れ替え戦へと臨むことになってそれはそれで嬉しいんだけれど試合の日が12月15日だから「トヨタプレゼンツ クラブワールドカップ」の決勝および3位決定戦とモロ被り。前の「TOYOTAカップ」の頃だったら夜に1試合だったんでそっちに行ってから転戦も可能だったけれども3位決定戦があるから多分午後の4時には地の果てにある「日産スタジアム」に入っていなきゃあいけなさそー。入れ替え戦は確か多摩の陸上競技場だから京王永山より橋本へと出てそこからJR横浜戦で小机なり新横浜へと出るってルートは使えるか。あとは入れ替え戦のキックオフの時間だけだなあ。正午からなら嬉しいけれどそれだと選手の体調が。うーんともあれ勝って上がって日テレ・ベレーザ相手に自分的ダービーを繰り広げて欲しいなあ、いや女子はベレーザをずっと応援してたんで。

 んでもって名古屋というか三好の愛知池脇にある愛知大学三好校舎だか名古屋キャンパスでは時東ぁみさんのコンサートが開かれていた模様、ってさすがに野球の「KONAMIカップアジアシリーズ」を袖にして三好まで駆けつける訳にもいかなかったんだけれどももしれがなかったら、10日に大阪へと出てガンバ大阪とジェフユナイテッド市原・千葉との試合を見てからとって返して名古屋の実家に泊まりそして三好へとかけつけたかもしれないなあ、いやマジに。実を言うなら三好に出来た校舎にはまだ1度も行ったことがないのです。入学した時からいつか出来るって話は聞いていたけど結局オープンは88年だかで卒業後。でもって文学部は未だに豊橋の陸軍第15師団の跡地に残っているから遊びに行くのも豊橋でそれももう18年くらいは脚を遠ざけているからしっちがどーなっているかすら不明。当然のよーに同級生たちとも没交渉でただで少ない友人関係がこれでほとんど小数点以下の比率になっていたりするんだけれどまあ自業自得だから仕方がない。ともあれどんな感じだったんだろーぁみにぃin愛大。寒風の服屋外でもやっぱり元気いっぱいだったのかな。東京では次にいつ頃見られるのかな。

 なんだかメンズでは新宿の伊勢丹が一人勝ちだなんて記事がまたぞろ「文藝春秋」なんかにも出ていたけれどオープン成った東京駅の大丸をのぞいてみてなるほど伊勢丹も勝つ訳だってひとり納得。どうしてメンズが7階だの8階だのといった天空にあるんだ、そこまでたどり着くだけでもエスカレーターなら数分はかかるしエレベーターだって待ち合わせをしなきゃあやって来ない。まだ来ないってイライラも募って来ても満杯で乗れずさらにストレスが貯まって、もう2度と来るるもんかって思ってしまう人もそれなりにいるんじゃなかろーか。上に上がらず買い物を終えられるユニクロだとかGAPだとかが繁盛するのも分かるよーな気がするよなあ、まあ値段が安いってことの方が大きいけれどもそれにしてもメンズ売り場っていつからあんなに天空へと追いやられてしまたんだ。

 これは別に大丸だけじゃなくってだいたいのデパートが同様でせいぜいが5階とか6階にメンズを置いている。日本橋三越くらいか、2階って低層階にメンズを揃えていてくれるのは。そりゃあデパートを利用する人のほとんどが女性だってことで下にずらりと女性向けを並べたくなる気持ちは分かるけれどもそれにしてもメンズフロアが遠すぎる。ちょいと開いた昼の時間に行こうったって上がって下がるだけで10分とか使うともう残り時間もわずか。その点、新宿の伊勢丹のメンズ館(めんず・やかた)は1階からすでにメンズが揃って見て回り上も数回上がればそれなりに品物が揃って良い買い物を適度な時間で終えられる。エレベーターを待つストレスも全然ない。こりゃあ楽だよ新宿付近だったらまず行くよ、丸井よりも三越よりも。

 デパート業界が再編とかで注目されている割には大丸の新店舗とか見てもフロアに関する設計なんかは旧態依然で入っているブランドだって代わり映えがしない。でもきっと時代って奴はあーやって性別だとか目的だとかできっちりとフロアを分けてしまうんじゃない方法をあるいは求めていたりするのかもしれない。年輩のご夫婦なり若い彼氏と彼女なりがやって来ては2人でお互いにあれを見てこれを見せられていっしょに衣装が購入できるよーなお店とか、その付近だけでアクセサリーから衣装から靴から何から何までぜんぶ揃ってしまうお店とか。デパート全体が1つのセレクトショップになってしまうってのも愉快ではあるけれどももはやそーしたマーチャンダイジング的な機能を失って、だからといって立て直そうとせずフロアをテナントとして貸してあとはショップ任せブランド任せにしてしまったツケは5年10年じゃあ取り返せないんだろーなー。かろうじて気が付き頑張った伊勢丹メンズの勝利はしばらくは続く、と。まあ行かないけど、苦手なんであのどこか高慢な雰囲気が。

 やっとこさ見た「ハヤテの如く」がなぜか「コードギアス 反逆のルルーシュ」だった、ってのは嘘だけれども映像をつけないで音だけ聞いていたら「ゼロの使い魔」と「コードギアス」の合同番組だって思っちゃった人もいるのかも。でもしかしカブトがベーゴマだったりする様々なキッズアニメをよくもあそこまで引っ張り込んだもの。おかげでそろそろネタもつきかけたところで大人も楽しんだ「コードギアス」をインスパイアして見たのかも。でもこれでさらに狭まったネタを次に埋めるとしたらやっぱり4体のロボットがハヤテと理事長の争いを止めに舞い降りて来たりするって展開か。顔も見えないのに「おいしいよ」って喋ってた子供のセリフがやけに耳に残ったぞ。すぐさま「うまいぞー」ってセリフが被るかと思ったけれどそれはなかった。突っ込みが甘いぞ。

 1人の天才がやっぱり世界を変えていくんだなって思って読んだ上野毛あさみさん原作で黒岩よしひろさん画の「ステージガールズ おかしな二人 1」(デジマ、560円)。あのフリー漫画誌「COMIC GUNBO」に隔週で連載されてるお笑い界をテーマにした漫画なんだけれどものっけから高校生お笑いグランプリで優勝したカメちゃんとシゲさんってコンビが解散しちゃってそして2年後からお話はスタート。もっぱらネタを考えていてツッコミもやってたシゲさんはなぜか激辛料理専門の店で住み込みで働いていて、動きの激しさとボケの天然ぶりが光ってたカメちゃんはガキさんって元アイドルの女の子とコンビは組んで「ドルフィンズ」ってコンビ名で芸人をやりつつもあんまり売れない日々を送ってる。

 そーなったのは理由があって後半の方で明らかにされるんだけれど、未来の決して明るくないにもかかわらず、カメちゃんは呼び出されてはお台場の海を泳がされ激辛料理を食べては激しいリアクションを求められる仕事にも嫌な顔をひとつも見せずに明るく前向きに取り組んでいる。というかどんな難局も持ち前の才覚でもって乗り切って、敵ながらあっぱれってところをかつて敵にしてしまった巨大お笑い事務所の息がかかった面々にも見せつける。もっとも現在も連載されているところではさすがに巨大お笑い事務所だけあって「ドルフィンズ」を引っ張り出した巨大お笑い事務所自身がしかけているコンテストの中であれやこれや陰謀を画策中。もっともそこにはかつて別れた相方のシゲさんも、こちらは大手芸能プロダクションのお嬢様を相方にしてちょっとづず予選を勝ち上がっている最中で、陰謀をどう覆しそして2組がどう激突するのかって楽しむが隔週での掲載を待ち遠しくさせている。

 ネタづくりに関しては天才的なシゲさんも芸能プロダクションの娘のレイナも元アイドルのガキさんもことお笑いに関してはどこかロジックで入っているところがあるんだけれど、そんな周囲のいろいろな思惑なんてまるで関係無しに、ただ面白いことがやりたいし世界を面白がらせたいとひたすらに突っ走るカメちゃんだけがひとり異色。でもそーゆー天然さがあってこそ理詰めで先が読めるよーな空気をぶちこわして、唖然呆然のお笑いって奴を繰り出しては時代を変えて行くんだろー。群雄割拠な今のお笑い芸人にもカメちゃんみたいな天才肌が出てきたら変わるかも。いるのかどーかは知らないけれど。お笑いブームがまたぞろ来てはいてもあんまり注目されてなさそーな「ステージガールズ」だけどドラマ化とかされたらもっと注目されるかな、されて欲しいな、カメちゃんは上野樹里さんでシゲさんは関めぐみさんってのはどーだ、ってそれじゃあ「笑う大天使」か、レイナは谷村美月さんでガキさんは新垣由衣さん、ではちょっとイメージ違うよなあ。まあ良いやどうせ捕らぬ狸の皮算用。でもちょっと期待したいよなあ。


【11月11日】 いちいちいちいちの日。だからどうだと言われてもどうしようもない。何か関連する行事とかあったのかな、下駄の跡みたいだから下駄の日とか。そんな早朝に「コードギアス 反逆のルルーシュ」のゲームの2周目を終わらせ3周目へと突入、やっっぱり得体の知れない皇族から入ってしばらくしてコーネリアが着任して同じよーな展開になったと思ったら意外な展開が待っていてちょっと先が期待できそー。みんなみんな仲間になれば世界はどんどん平和になるってメッセージの現れか。んでもって孤立したブリタニア王を相手に世界が挙げて挑むのか。うーん楽しみ。4周目にはさらに違った展開とかあるのかな。

 そして目覚めて「文学フリマ」へと赴きカスミな人の後ろくらいに並んで開場待ち。誘導がかかって桑島由一さんのブース脇へと行列ができてそのまま6番目くらいで桑島さんと科学忍者村さんの新刊とさらにピンクのロゴが抜かれた黒いTシャツを確保して「文学フリマ」の目的完了。あとはぶらぶらと見回り豊崎由美さんは来ていなかったけれどもチャイナ服の生徒さんだかが誰かが綺麗なブースで41人書評王の島だかを買いまたの名を長島有さんとゆーブルボン小林さんの編集した海猫沢めろんさん原作の漫画が掲載されてる冊子を買いあと文化系なサークルのサブカル系な冊子を買ってその他の購入もほぼ完了。とりあえずブルボン小林さんのサインを頂戴したけどブルボン小林で良かったのかそれとも長島さんの名義の方が良かったのか。どっちにしたってどうともならないよなあ、あとは長島さんがノーベル賞でも取らない限り。

 ばばっと読んだ桑島さんの新刊は冒頭に掲載の顔がのっぺらぼうになって世界が真っ白になってしまう話がなかなかにツボ。もしも自分がそんなユルユルで諍いも少ない世界にやってこれたとしたら果たして戻りたいと思うか否か、その直前で投げ出された先に待っているだろう結果を想像すると心が躍る。答えはおそらく……。あとは割にもてない男性の暗い欲望がじぐじぐと染み出てくるよーな話でどうにもやるせないエンディングにいったい桑島さんに何があったのかと心配になったけれども商業作品の「ポイポイポイ」じゃあちゃんと明るく前向きなエンディングを描いているから別に全身ネガティブって訳でもなさそー。あっちでは前向きでこっちでは後ろ向きでバランスをとっているのかな。差し引きでちっとも進まないのはご愛敬、まあ人間なんて幾つになってもモラトリアムが大好きな生き物だから仕方がないよ。

 近所の「CoCo壱番屋」でチキン煮込みのハンバーグトッピングをかき込み戻ってだれが来ているかを観察したけど文化的イベントでよく見る知り合い系はちょっぴりいたものの超有名人の姿は見えず。敢えて言うならやっぱり現役芥川賞作家が1番くらいに有名なのか。それとも知らないところに誰かいたのか。大塚英志さんの姿すら見られなかった「文学フリマ」は大塚さんおアジの具現化を経てコトバ系の表現場所として定着して来ているってことなのかも。見栄えではスタイルの良いジーンズ姿の女性とかが目の薬。トヨザキ社長んところのチャイナ軍団も悪くはないけどテーブルの向こう側にいて脚がよく見えなかったのが残念。しゃがんでのぞくわけにもいかないしなあ。

 時間もややあったんでベンチに腰掛け有川浩さんの「図書館革命」を一気に読了、なるほどビジュアル的な展開としては“革命”と呼べるくらいの人がうごめき弾丸が飛び交うよーなダイナミズムはなかったけれどもメディア良化法によってがんじがらめにされた世界が大きく転換するそのきっかけが刻まれたって意味ではまさしく“革命”の勃発だったのかもしれない。敦賀で起こった原発襲撃テロ。そのテロリストたちが参考にしたと見なされた小説を書いていた作家がメディア良化委員会に目を付けられ拘束されそうになてちたところを図書館が、検閲の度が過ぎるとのり出し保護したものの敵は襲撃準備を進め見方にも大事の前の小事を地でいく主張が生まれて四方八方より魔手が迫る。

 もっともそこは猪突猛進の笠原郁に純情まっすぐな堂上に深慮遠謀な柴崎にその手下と化した感もある手塚ら図書隊員たち、ってかほとんどは柴崎の頭脳が回って大事の前には一時の制約も受け入れることすら認める「未来企画」のトップに座る手塚の兄を納得させて、作家に迫る危機を一般にも関わりのある事態だと納得させ、且つ世界にもその問題を改めて分からせて一気に趨勢を図書館側に持っていこうと動き出す。はっしと組み合って繰り広げるバトルってよりは謀略と諜報のスパイ物っていった雰囲気もあってなかなかにサスペンスフル。頭がとにかく重要な展開の中にあって体が資本の笠原郁がそのまっすぐで単純な頭脳をめぐらせては事態を好転へと運び、且つその行動力で危地を乗り切るところがなるほどやっぱり本編の主人公だけのことはあるって思わせる。最終的な段階まではいかなかったけれどもそこまでやると事態は国家の歴史にも匹敵する複雑さを持ってしまう。事態に大きな道筋を付け、まさに“革命的”なパラダイムシフトを見せて終わってなかなかにちょうど良い終わり方だったって言えそー。アニメ化じゃあ誰が郁の声をやるのかなあ、田中理恵さん辺りかなあ、川澄綾子さんで万全? 期待して待とう。

 んで東京ドームへと回って「KONAMI CUPアジアシリーズ」の決勝「中日ドラゴンズvsSKワイバーンズ」を観戦、バックネット裏で球の変化もキャッチャーの動きも分かる位置は技術と読みのぶつかり合いを見るには最高の位置。なのに目の前で繰り広げられる凄まじい戦いをまるで見ないで手にしたプレイステーションポータブルとニンテンドーDSを試合が続いた4時間半の間、ずっとプレーし続けていた小学生っぽい4人組がいたのには驚いた。誰か偉いさんのご子息でチケットが回ってきたのか、でもそれだったら面倒な場所にはわざわざしかないし、それとも偉いさんがお仕事している間を観客席で時間でもつぶせとチケットをわたされたのか、だとしても選手が目の前で迫力のプレーをしている真後ろでひたすらゲームに興じるってのは真っ当な人間の考えることじゃない。なにも空気を読めてんじゃなくって起こっていることに敬意を払えって集団の中で生きている人間には不可欠な心理をまるで抱かない人間が育って官僚だとか一流企業の社員だとかになった果てに来る世界のむごたらしさを強く激しく感じた次第。しかし何をそんなに熱心にやっていたんだろー、「モンスターハンターポータブル」っぽくはなかったんだよなあ。

 そんな試合はとにかく白熱でまずは韓国のSKワイバーンズが先制して後を中日ドラゴンズが追うもなかなかだったのがどうにか逆転をしてそして突き放したと思ったら終了も迫った8回にライト方向の3階席すら超えるよーな位置に突き刺さる特大のホームランを打たれて5対5の同点になってさあこのままでは延長戦ってところで9回表に中日が井端選手のタイムリーヒットで1点をリードしてそして守護神岩瀬投手が登場。危なげないとは言えないけれどもそこはしっかりと抑えて1点差で逃げ切り中日にアジアシリーズ初制覇、日本にとっては3年連続のチャンピオンシップをもたらした。プレーオフで勝って喪胴上げはされず日本シリーズで勝ってよーやく胴上げされた落合監督がここでも胴上げされたってことは大会にちゃんとした意義を見出しているってことだろー。

 うれしさってよりは責任感が先に立ってはいただろーけど、でも世界に対してアピールする上でタイトルはとっても大きなもの。ヒルマン監督だって今年の優勝だけじゃなくって去年のアジアシリーズでの勝利がきっとひとつの勲章としてカンザスシティ・ロイヤルズの監督就任に役立っているんじゃないだろーか。あとは日本よりもむしろアジアの国々の野球界にとっては上を目指すって点で大きなモチベーションになっているはず。SKワイバーンズの緻密な継投から勝利をつかむ采配は日本譲りとも言えそうで、交流の成果がアジア全体の底上げへとつながっていけばそれに勝とうと日本の努力も起こってそして、全体の向上が成し遂げられるだろー。情けは人のためではないしアジアシリーズもアジア相手の顔見世興行なんかじゃないってことで。来年こそはいよいよ韓国が優勝することもあるのかな。それくらいに強かったよSKワイバーンズ。チアリーダーの足の細さも上だったし。


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