縮刷版2006年月3中旬号


【3月20日】 テレビでは大きく見えたり太って見えたりする芸人なりアーティストが、実際に対面すると案外に小さかったり痩せていたりすることって割にあるけど、この人の場合はテレビで見たそのまんま。大きくって胸板分厚くて言葉を選べば格好良い。その名も「レイザーラモンHG」さんはタカラインデックスeRラボって会社が10月にも始めるってゆー、インターネット上に自分だけの放送局を簡単に持てるサービスの発表会見に登場しては、相も変わらず「セイセイセイ」って感じに腰を振ってみせてくれたフォー。

 何でも一種のコミュニティサイトを作ってそこに自分の撮った映像なりを置いて配信可能なサービスで、生中継だって簡単に出来て実際にベースとなる韓国企業の技術を使った韓国からの生中継が会見の場で行われていた。そのクオリティは「シーユーシーミー」な時代からネットでよくあるテレビ電話とは大違い。高いクオリティでカクカクじゃなくしっかり動く人間が映し出されてリアルタイムで喋った声を伝えてくれる。会見途中には韓国企業の社長の人が韓国にいる奥さんとテレビを介して会話するデモも。その眼鏡っ娘の奥さんに旦那への羨ましさを覚えつつ、やっぱりしっかりしたクオリティにこれは使い方によっては面白いサービスが出来そうって気にさせられる。

 つまりはテレビをすっ飛ばした個人放送局の立ち上げって奴で、ポッドキャストなんかで既に生まれている音声放送のサービスを映像でもやってしまえるって寸法。ネット上には画像を加工してアップするためのツールなかも置かれていて、家からパソコンを使いネットでもって画像を上げていじくり置いておけば、後は視聴者が好きな時間に見てくれるとゆーオンデマンド放送局を、それも自分だけのオンデマンド放送局を持てるのだ。自分だったらどんな映像を公開するのかなあ。猫を飼っていたらそれを撮ってアップしてみんなに見てもらうかなあ。ネットに猫はほら、デフォルトだし。

 他には自分のクローンみたいな存在を介して放送なんかも出来るみたい。名付けてクローンキャスター。会見だとレイザーラモンHGさんのクローンキャスターが登場してはマウスの操作に合わせて激しく腰を振っていて、実際に出てきた本人との振り比べなんかしてた。インタラクティブな反応を仕込めるそんなクローンキャスターによる、自分だけのオリジナル放送って奴が蔓延り始めた暁には、カリスマブロガーみたいなネット放送の人気キャスターって奴がそこに生まれて来るんだろー。そこで断言。個人キャスターになる女性は8割はきっと眼鏡をかけている。だってほら、ネットで眼鏡っ娘はデフォルトだし。

 目の前で生「フォー!」を見られた感動を味わいつつ立ち読みで「AERA」を拾って気になっていた記事をながめる。見出しで「女性作家は背が高い」ってなってるその記事。大学入試にだって使われる朝日新聞社が出している週刊誌なだけあって、文意からストレートに今いる女性作家の身長を統計学的に優位な数だけ抽出しては平均身長を算出し、それを10年前なり20年前なりのデータと突き合わせ一方で男性作家の平均身長も同様に算出して比較した上で、結論として「女性作家=背が高い」って説を導き出した内容なんだと想像したらこれがまるで違ってた。

 最近に芥川賞を受賞した絲山秋子さんは背が170センチくらいありそうに見える。前に芥川賞を取った人気作家の川上弘美さんは背が176センチある。164センチの姫野カオルコさんが大柄の悩みをエッセイに書き、林真理子さんや笙野頼子さん(身長不明)も大柄故の悩みを何かに綴っている。光野桃さんは大柄な女性は夢見がちになると書いた。「博士の愛した数式」の小川洋子さんは「実際にはスラッとしている」。身長147センチの大塚ひかりさんは背の高い女性作家が多いと感じている。まあそりゃそーだわな。147センチの世界から見れば平均身長158センチの女性の世界はみんな高く見えるものだし。

 そんなごく少数の例から勇敢にも記事は導き出す。「女性作家は背が高い」。えっ? えーっ? そりゃあれでしょう。「背が高い女性作家がいるっぽい」ってことでしょう。ってか背の高そうな女性作家を選んで並べて見せただけでしょう。なのに何故か断定口調に「女性作家は背が高い」になっている。何百人もいる女性作家のごくごく一部を抜き出しそう結論づける。これが「ジャーナリスト宣言」なんぞを華々しくもぶち上げた朝日新聞のやることなのか。とてもじゃないけど理解できない。

 これだったら横に広い作家ばかりを集め「女性作家は横に広い」って記事だって書けるし、舌を筒状に丸められる女性作家を5人集めて「女性作家は舌を筒状に丸められる」とだって書ける。足に水虫のある女性作家を5人集めれば「女性作家は水虫持ちだ」って記事も書けるぞ。腋臭の素晴らしい女性作家を5人集めて「女性作家は腋臭が……」云々。いやあ女性作家も大変だ、たった5人のサンプルがあればそれがすべてだと思われるんだから。「女性国会議員はファッションセンスがおっぺけぺーだ」。うん、これは言える。だってほら、あの人でしょ、あの人でしょ、あの人でしょ、あの人でしょ……。数え上げればキリがない。

 記事はこうも書く。「『小柄だと電車に乗っただけでも窒息しそうになるし、おちおちしていられない感があるんです。気を張っていないと身が危険だとどこかで思ってしまう』。この緊張感が小柄な女性をしっかり者でリアリストにしていくというのは言い過ぎだろうか」。だったら背の小さい子供はみんなリアリストだよ。「目立つからじっとしていたい。しかし、動かなくても『悪目立ち」する。よほど目立ちたがり屋でない限りは、内向的な性格になる。孤独感と内向性が『夢見がちな女性』を作り出していく」。だったらバレーボール選手はみんな夢見がちだよ。

 なるほどそーゆー人もいるしそーでない人もいる。そんな可能性に配慮しつつも、そーゆーことって言えるよねって記事なら別に構わないけどそーじゃないからなー。断言。明言。レッテル張り。背の高い女性に見方している気になっていて、背の低い女性作家、夢見がちな背の低い女性にとっては迷惑きわまりない話になっているんだって、そんな想像力が及んでいないのかなあ、「AERA」には。それとも筆者の人の独善? いやいやそんなことはない。何しろ歴史もあって幅も広く奥もとてつもなく深い「オタク女子」やら「腐女子」を調べ上げまとめ上げた「オタク女子研究 腐女子思想大系」なんて本を書いて、その道のオーソリティーを任じて見せている人の文章だ。きっと深い思索とひらめきによって書かれた記事なんだろー。だから信じるしかない。「女性作家は背が高い」んだと。背が低いのは「女性作家」ではないんだと。


【3月19日】 ダークパワーに体を乗っ取られたデューイ・ノヴァクは自らを巨大なビーム砲へと姿を変え、地球を包み込んで人類に至福をもたらそうとするスカブコーラルの中心核に対して宇宙よりビームを打ち込んで、これを破壊しようと企む。変わり果てた姿に前の優しいデューイに戻って欲しいと、アネモネはタイプゼロを駆りデューイの元へと飛ぶが、既に心を乗っ取られたデューイの側には近寄れない。そこに駆け付けたのがペットのガリバー。空を飛びデューイに体当たりをかましつつ瀕死だったアネモネを包み込んで助け出す。

 一方でゾーンへとたどり着いたレントンとエウレカは、スカブコーラルの意思を一身に背負ったサクヤちゃんに迎えられ、世界の秘密を告げられ核を破壊されて統制を失うとスカブコーラルは人類を限りなく虐殺し、あまつさえ宇宙そのものを破壊してしまうと告げられる。デューイを止めなくてはいけない。それには歌の力が必要とエウレカはタルホにヒルダにギジェットとメーテルと、それからガリバーと一緒にゾーンまで飛ばされて来たアネモネも交えたゲッコー少女防衛隊を結成。レントンの弾くギターに合わせ、ミーシャの作った物理科学用語頻出の難解極まりない歌詞の歌をエウレカの指揮で唄おうとした途端、エウレカは手にしたコンバクドライブを落としてひっくり返る。「重くて動かないの」。

 それを見てサクヤは告げる。「特訓よ」。背中にニルヴァーシュを担ぎ坂道をダッシュで駆け上がり、1万回のカットバックドロップターンを平気でこなせるようになったエウレカを引き連れゲッコー少女防衛隊がゾーンから地表へと戻ると、すでに時はあれから1年が過ぎて宇宙は消滅していた。そして流れる「秘密基地」……では1年かけて見てきた大きなお友達に向ける顔がないと、サクヤは地球の上に手を載せ365回逆回しにして時を1年間巻き戻す。かろうじて与えられた残る時間に果たしてエウレカは、ゲッコー少女防衛隊はデューイの心の鎧を引き剥がし、スカブコーラルとの和解を成し遂げ地球を救うことが出来るのか。「交響詩篇エウレカセブン」も次週はいよいよ最終回。「ドリーム・ソング」は1時間スペシャルだ。

 なんかごっちゃになっているけど微睡みながら見たから仕方がない。そのまましばらくまどろんだ後。起き出し昼食を仕入れてから帰宅してテレビで始まった「ワールドベースボールクラシック」の棚ぼた的準決勝「日本代表vs韓国代表」の試合を最初から見物する。降りしきる雨にあるいは順延の可能性も心配されたけど、それほど降り続かなかったみたいで程なくプレーボール。そして3番に入ったイチローが3番に入ってもしっかりと仕事を見せ、また先発で登板の上原投手がメジャーリーグ志望なだけのことはあるピッチングを見せて韓国打線に得点どころかヒットもほとんど与えない。

 もっとも日本の打線も今ひとつ当たらずヒットが出ないまま0点が続く。やがて球数制限を越えた上原投手に変わった中継ぎ陣が、イ・スンヨプら韓国の猛爆打線につかまり本塁打を浴びて得点されてゲームセットって予感もよぎったその時、松中選手が打ち福留選手が本塁打を打ち里崎選手も打ち宮本選手が打ちイチロー選手も打って多村選手が本塁打で締めて6点を奪う大量リード。1時間近い雨天による中段にも中だるみしないまま後に続いた藪田投手にそれから大家投手が韓国打線をピシャリと押さえてそのまま逃げ切り勝利を掴む。

 東京ドームで目の当たりにした日本ラウンドから数えて3試合目での「WBC」での韓国戦初勝利。そして最も必要だった勝利。そこでの打線爆発は次のキューバ相手でもそれなりに働いてくれそーで、瀬戸際からの準決勝進出、そして優勝って劇的なドラマも現実味を帯びてきた。それもこれもメキシコの本塁打を取り消し彼らのハートに火を付けたボブ・デービッドソン審判のお陰。ありがとうボブ。これでお別れだ。次は先発は松阪投手かあ。でも相手の豪打を防ぐなら軟投の渡辺俊投手の方が良さげ。韓国にだってのらくらと投げぬいたくらいだし。さてどーする王監督。

 アニメ化情報も満載らしーんですっごく久々に「月刊少年サンデーGX」を買って付録のレヴィにバラライカにロベルタにエダにシェンホワの描かれたブックカバーを眺める。らこんなに恐ろしい女たちがいる中をロック、よくもまあ平気に生きて過ごせているものだ。それともやっぱり何か彼には持っているものがあるんだろーか。大きいとか。これだけ登場するとやっぱり双子の片割れのグレーテルが死んでしまったのが返す返すも惜しまれる。第5巻で作者も殺してしまったのを惜しがっているし。

 もちろんグレーテルが本当に少女でヘンゼルが本当に少年だったのかは永遠の謎だけれど、殺す術にかけては2人組ならエダすら上回ったくらいで、なのにエダは未だに生きて手風船ガムを膨らませているのを見ると、作者ならずともグレーテルの退場は勿体なかったって気持ちになる。けどまあ仕方がない。連載の方でも瀕死のシェンホワがなぜかそのまま息を留めそうで、加えて前号を見ていないから分からないけどチェンーンソー振り回すゴスロリ女も増えていたりして、これからこの先まだまだ壮絶な女だらけの一大バトルを繰り広げてくれることになりそー。期待だ。ロベルタの復活も是非に。最強はやっぱりバラライカかなあ。


【3月18日】 巻の日。いや背番号が。だから得点してくれるんじゃないかと願って近所の「ファミリーマート」でチケットを買って蘇我スタジアムへと向かう途中に、船橋市役所の側にある「CoCo壱番屋」でカレーを食べる。「グランドマザーカレー」は前に食べたからパス。普通の野菜カレーにソーセージのトッピング。なるほどココイチな味だ。読んだスポーツ新聞にデービッドソン審判のまたしてもな誤審についての記事。タッチアップの判断はそれでも微妙さの範疇だけど今度は明らかな判断ミス。それでも覆らないところを見るとこれは意図的に米国を勝たせようって遠謀ではなく、単にデービッドソン個人の資質による問題だったんだって思えてくる。

 聞くと何でも準決勝の日本対韓国戦で累審を務める予定だとか。だったらその節穴を韓国相手に発揮して日本を勝たせてやって戴きたい。いや違うデービッドソン審判が見方した米国が結果的に試合に敗れ2次リーグで敗退したところを見ると彼は疫病神。だったら是非に韓国側に立って日本相手にそのデービッドソンぶりを発揮してもらおーじゃないか。問題はデービッドソン審判に日本と韓国の区別が付くかなんだけど。イチローがいる方が日本ですよ。99年にメジャーから降ろされてるんでイチロー知らない可能性も高いんだよなあ。日本はだから背中に日の丸。そして全員眼鏡をかけろ。

 そこから歩いて「船橋ららぽーと」。駐車場からの横断歩道で交通整理をしていた制服姿の女の子の1人が眼鏡っ娘だった。それも文芸部チックな。ちょっと惚れ。明日も働いているかな。見に行こうかな。場内では「東京パン屋ストリート」なんかをちょと見物。殺人的な行列ぶりはもうないみたいだけれど人気の店にはそれなりに人の並んでいるし、場内もそこそこの賑わいで相変わらずのフードテーマパーク人気って奴を実感。あと「ティンバーランド」の見せて例の「火の鳥」とのコラボレーション商品のウェアの方を確認。なるほど本当に裏地に「火の鳥」の漫画がプリントしてあったよ。素材もヘンプ(麻)でテラッとした感じがカタログ以上にアースキーパーっぽい。着れば貴方も地球の守り人。その姿で煙草を吹かしてペットボトルからお茶を飲む。ああ環境。

 南船橋からゴトゴトと電車に乗って蘇我へと到着して「フクダ電子アリーナ」。雨が降るって聞いていたからゴール裏のコーナー付近で屋根にかかる2階に席を取ってそれから「ららぽーと」にある「ゲーマーズ」で買った「ブラックラグーン」の最新第5巻を読む。お嬢はいったいどこまでされてしまったのか? って所に興味を示すと銀さんが刀を持って飛んできそうなんで想像の域に。そのお嬢を助け出す場面でレヴィがスカート姿を気にせずトゥーハンドでもってアクロバティックなガンシューティング。階段を上がれば下からもちろん見えるんだけど冬なんで黒タイツ履いてるんでその下にある白が白く見えないのが残念。けど見たらやっぱりこっちは銃で撃ち殺されてしまうんでやっぱり想像するだけに留める。どんなの履いてんだろ?

 バラライカ相手に大ばくちに売って出てロックの命があっただけでもめっけもの。それとも年増女をたらしこむ術にたけてるのか、それが出来なきゃ商社マンってのはつとまらないのか、うーむ。そして日本を舞台にした「ホテル・モスクワ」の一大デモンストレーションは終わり最後の決着を付ける場面で当然とは言え悲しむべきシーンへと至り涙、勿体なくって、あんなに良い女性が、哀しいなあ。やっぱりあんな世界をしたたかに生きるには死んでることを自覚して生きたいとか思わないことが大事なんだろーか、それもそれで悩ましいなあ。

 帯にアニメ化の情報もあって千葉テレビでも放映される模様で善哉。とにかく大見得切ってトゥーハンドを構えるレヴィの格好良さと、キシリア然として悪辣さと艶めかしさを存分に発揮してくれるバラライカ姉御の凄まじさを絵と動きによって見せてくれることを期待。声はレヴィが豊口めぐみさんなんでそれなりの巧みさを見せてくれるだろー。何よりバラライカ姉御が小山茉美さんでドス利いてそーでこれも期待。ダッチの磯部勉さんも格好良いんだろーなー。ロベルタちんは誰だろー。小清水愛さん辺りか。根拠はなにもないけど。

 さて始まった試合はジェフのボール運びに異変。蹴ってパスを遠そうとしても途中で敵にカットされるケースが多々でボールがつながらず苛立ち感を醸成。フォローの走りも今ひとつぜなぜか足下でボールをもらいそこから別の人の足下へとボールを送るプレーが多分に見られて脚を使って走りボールを持ち続けていたいつかのジェフのイメージから、ずいぶんとかけ離れてしまっている感じ。追い越す動きがなくって足下でパスを回し詰まると無理なパスを出しては取られて反撃される。でもって奪われても遮二無二取り戻しにいかず見てるだけ。だからなるほど得点につながらず、逆に相手に易々とクロスをあげさせピンポイントで合わせられゴールを奪われるシーンが続出してる。

 そんなチームの惨状に、オシム監督もきっと気付いているんだろーけれど、代えられるだけの人間がいない。セットプレーで奪われ過ぎあんだからディフェンスラインを変えたくって仕方がないんだろーけれど、そこんところも人材の薄さ逆方向に利いている。188センチのジャンボなディフェンダー、いつ頃から戦線に加わってくんだろー? それとやっぱりフォワードの人材も足りてない。巻誠一郎選手とハース選手の他が……。だからハース選手が休むと巻選手のワントップになってそれを支えるバックがおらず孤立させてしまう。

 そんな中でもしっかりとファールにされた1点も含めて2回、ゴールネットを揺らして見せるところは流石に代表候補。プレッシャーのかかる中でも自分の役割を忘れずきっちりこなす所は自分がどれだけの選手かを自覚し更に高みを目指したいと、常に前向きだからだろー。この根性が阿部勇樹選手にも乗り移ればなあ。気味は最終ラインでザルになったディフェンスのカバーをしている人じゃない。要田勇一選手はさすがの得点感覚。こぼれた所に詰めてきっちり決めて見せる。先週も得点を匂わせていたけど今週はそれがやっと決まった感じ。ギリギリの所でJ1に踏みとどまれた選手なだけに必死さは巻以上で見ていて気持ちが良い。だからこの必死さが阿部選手にも……。次節こそ。勝利を。


【3月17日】 いきなり舞衣登場の「舞−乙HiME」。いきなりエレメントでお料理してる。炎型の。腕でくるくる回るアレは適度な熱量を持っていて、フライパンの下に置けば立ちどころに中華も可能な火力が起こり、やかんの下に置けば立ちどころに沸騰して美味しいお茶を入れられる。何て便利。だけど普通は使わないよなあ。それとも他にエネルギー源がないのかあの「黒き谷」って所には。

 それにしては食材は抱負。ラーメンだって作れちゃう。スープは煮干しか豚骨か鶏ガラか。いずれにしても調達の面倒くさそうな食材ばかりがちゃんと揃う(チャーシューもメンマもナルトも)訳で住めばあそこもなかなか悪くはないのかも。だったら何で罠なんかを仕掛けているんだろー。もしかして豚骨も豚じゃなくチャーシューも豚肉じゃなく何かアミノ酸を原料に合成しなおしたものなのか、深井零がJAMの基地で喰わされ食えた奴みたく。ぞっ。

 別に出入りが不自由な訳じゃなくって、落っこちてきたナツキとナオはそのあとちゃんと歩き去って行ったから、出ようと思えば出られる場所らしー「黒き谷」。ミユだって出入りしているそーだからことさらに特殊な能力が必要にされてる訳でもないんだけど、それでも舞衣が留まっている理由は単に猫神さま(これも唐突な登場だねえ、そのうち自販機に入って人肌の缶ジュースを手渡すよーになるんだ)の命(みこと)がお腹に宝玉を飲み込んでしまったから? それともやっぱり出たくない理由ってんのがあるんだろー、前に説明されたよーに恋と戦いに引き裂かれたとか何とかって奴が。けどそれを説明するにはあまりにも時間が……。本当に終わるんだろーか、これ。いきなり中途を省いて最終決戦、そして老婆となった舞衣が子供にかつてそんな戦いがあったと語って聞かせる。「ドラゴンクエスト」かよ。

 お風呂のシーンはバストショットでがっかり。まあ仕方がない。普通に会話している舞衣やらナツキやらの間でなぜかナオちゃん寂しそう。減らず口も出ずからかいもせずに黙ったまんまってのは何だろー、かつて舞衣に憧れていたか何かして対面に興奮していたとか。目線が曰くありげ。でもやっぱりそれを説明している時間もなさそーで、発動したハルモニウムの力で巨大化してエアリーズの街を練り歩くニナちゃんとの戦いに果たして乙女たちは勝てるのか、命にこてんぱんにのされて「黒き谷」に留まることになったアリカも抜きで。

 そのアリカはやっぱりちゃんと乙女だった母親の娘だったことが判明、一方でニナもミントブルーム王家の血筋に連なる存在だと判明。だったらマシロはいったい何者? でもほら前に王宮で迷った時、マシロとアリカでハルモニウム、確か発動したよねー。その当たりも興味の置き所だけどやっぱり説明するには時間が……。1年に渡って放映しても未だ世界観も主役も見えない日曜早朝のアニメに与えられた時間の4分の1でもこちらにあれば。あっちはあっちで果たしてどーなるのかが興味津々。やっぱり夢オチかそれとも老婆となったタルホが孫に「そんな戦いがあって」と語って聞かせる場面で終わりか。

 美少女アイドルはトイレに行かないとゆー伝説があるそーだけど美少女ライトノベル作家にもトイレは不要な様子。刊行なった桜庭一樹さんのタイトルもそのまんまな「桜庭一樹日記」(富士見書房、1300円)は巻末に新宿二丁目の居室が上空から見下ろす図によって紹介されているけれど、お風呂場はあって横に脱衣所洗面台があるのにトイレがどこにも見あたらない。ユニットバスじゃないから浴槽のある場所と同じってことはないだろー。それとも玄関を出た場所に共同トイレがあったりするんだろーか。けど場末のオフィスビルじゃあるまいし、風呂が個別にあってトイレが共同ってこともあるはずないだろーからきっとこれは一種のメゾネット、どかから床下に降りる扉があってそこにトイレが設えられているんだろー。それともやっぱり美少女ライトノベル作家にトイレは不要?

 その桜庭日記は帯が中村うさぎさんで「フリルの服に黒帯締めて、桜庭一樹は今日も戦いながら書いている」と武戦派作家である点を実に的確に指摘。「少女という密室、愛というホラー、人間というミステリーを」書いているんだそーだけど、そこに「サンボマスターという奇蹟」が含まれていないところを見ると、サンボマスターによる対スキマスイッチ戦は既に年末の紅白歌合戦へのスキマスイッチ出場で決着し、もはや戦うだけの理由もなくなったってことなのか。

 否、巻末の一問一答で未だ戦いの継続を強く表明しておられる桜庭さん。なるほどそれなら上等だ。映画「ドラえもん」への主題歌の提供とゆー更なる黄金カードも切って急上昇中のスキマスイッチに、山口隆さんと平間至さんとのコラボレーションによる詩と写真の本の出版で果たして追いつけるのかは分からないけど、それでもまだ続けるとゆーならこっちは堂々受けて立つ。どこでだって「全力少年」「奏」「ボクノオト」を唄ってみせる。体力勝負? それは勘弁、厄年だし。毛もないし。

 「トルシェ脳」とか言い出さないだけまだマシかもしれないけれどそれにしても惨い記事。永井洋一さんが「日刊ゲンダイ」の3月18日号でインタビューに答えて部活スポーツで昨今起こっている不祥事に関するコメントを発しているんだけどこれがあまりにも気色悪い。曰く「幼少期から高校時代にかけてパターン化されたプレーを強要され続け、思考力が全く育っていない子供を生んでしまうのです。せっかく体を使って運動しているのに、むしろ逆効果になっている」んだとか。永井さんはこれをあろーことか「ゲーム脳」を引き合いに出して説明している。それへの理解も真っ当じゃないけどここではまあ、キレやすい子供の精神状態ってことだと理解しておこー。

 けど本当に「パターン化されたプレーを強要され続けた」ことが、煙草を吸ったり酒を飲んだりレイプ事件を起こしたりする学生のスポーツ選手を生んでいるんだろーか。記事だと上から言われても聞かない生徒が多くいて、それが事件の多発する原因になっているらしー。なぜ聞かないかは「思考が停止状態になっている」からなんだそーだけど、その後でどーしてそーゆー思考停止状態の子供が出てくるのかって所で説明しているのが、「監督の操り人形になっているから」とゆー理由。「監督が右に行けと言ったら右に行く。そこで『左もあるんじゃないかな』などと考えていたら、監督にはじかれる」「”一人ひとりが決められたことをいかに忠実にこなすか”ということが部活動の一番のテーマになってしまっている」からなんだとゆー。

 でもちょっと待て。これってつまり、監督の言うことを聞かない生徒が増えている要因は、監督の言うことを聞く生徒しか作ってこなかったからってことにならないか? すっげえ矛盾。だけどそれが永井さんの頭の中ではまるでシームレスにつながっているらしー。これでスポーツジャーナリストって言うんだから恐れ入る。なおかつ「スポーツは『良い子』を育てるか」なんて本まで書いているんだから驚きに口がふさがらない。いったいどんな内容なんだろー。読んでみたいけど読むと憤りが増して健康に悪影響が出そうだから遠慮しておこー。

 なるほど「選手の判断による個人技はほとんど認めない」よーな指導方法が善とは言えないけれど、それだって個人技がもたらす弊害との見合いの中で考えるべきこと。ましてやチームスポーツの中で個人技ばかりを認めていたら収集が付かなくなることもある。なぜ戦術が必要か、そして個人技はどーゆー場合に必要なのかを分からせる”教育”こそが求められているんだけど、そーゆー示唆はまるでなし。ただただ個性を認めない監督の指導方法を非難している。

 その文意から伺えるのは、組織を重んじる指導方法を採り続けていたトルシェ監督への怨念にも似た感情だ。これまでもたびたび雑誌なんかでトルシェ監督を引き合いに、国見だとか他の高校サッカーの指導ぷりをあげつらっていただけに、今回のこの記事もそんな流れに沿ったものだって匂いがぷんぷんとしてる。学生のスポーツ選手が引き起こすレイプ事件に飲酒に喫煙なんて、つまりは有名選手だからと特別扱いされたガキの増長と、それを注意できない大人のだらしなさがすべて。そーした部分についてはしっかりと永井さんも指摘しているのに、どーしてやっぱり最後はトルシェ憎し的な論調になってしまうのかなあ。これもやっぱり脳の機能に普通とは違う所が生まれてしまっているからなのかなあ。名付けるなら「ナガイ脳」? それとも中村俊輔選手への情愛がすべての基準となって好悪を判断する「シュンスケ脳」? それだと中村俊輔選手が迷惑か。けどゲームだって引き合いに出されて迷惑なんだからおあいこか。


【3月16日】 超早起きして「赤坂プリンスホテル」へと出向いて入社式に臨む。って別に転職した訳じゃなくって、「セブン&アイ・ホールディングス」ってゆーイトーヨーカ堂やらセブンイレブンやらヨークベニマルやらを傘下に持ってる会社にこの春、入社する新入社員が一同に会しては、まだ学校の卒業式も終わっていないこの時期から勤労に励む姿を拝むイベントを取材に行ったもの。そーいや一昨年も取材に行ったっけ。あの時に入社した1000人くらいの人たちのいったい今は何人が残っているんだろう? 大半が残っているんだろーなー、そこがどっかのビジネス紙とは違うところだ。

 しかし1000人は凄い。日本でも有数の広さを誇る宴会場「五色」がいっぱいいっぱいだ。今回は昨年末にグループ入りさせられたそごうに西武百貨店のミレニアムリテイリングも入社式に参加したから更に混雑ぶりに拍車が掛かった模様。でもってヨーカドーなりベニマルなりがひとかたまりになって突然、立ち上がって気勢を上げつつ気合いを入れる姿を目の当たりにして、洒脱で鳴る百貨店に入ったはずがどーしてこんなと思っている人たちもいるかもしれないけれど、それが世の中の理って奴だ。そっちよりはマシだろーとライブドアに入ったと思ったらUSENなんて会社の傘下に収まってしまって、あたふたしている若い社員なんかも六本木ヒルズのあちらこちらにいそーだし。とか行ってるとこっちにだってそのうちとばっちりが飛んで来たりするんだ。傘下に入るならどこか良い? 1番「ソフトバンク」、2番「楽天」、3番「USEN」。悩むなあ。

 そして登場する鈴木敏文大会長。別に「大」はつかないけれどその周囲を覆って沸きたつ存在感にはやっぱり「大」の冠を付けたくなる。もはや創業家なんて無関係。グループを統べる持ち株会社から「イトーヨーカ堂」の固有名詞を取り払い、自ら立ち上げ育てた「セブンイレブン」を前に出した「セブン&アイ」を前面に押し出すくらいなんだから、比肩しうるは今や半島の北っ側にあったりるす国を率いる人くらいしかいないかも。もちろん独裁とかはしないでちゃんと経営してるんだろーけど、あの歳にして未だ頂点に立ち続けては訓辞もするし挨拶も受ける姿ややっぱり、今の日本からやや消えつつあるカリスマ経営者ってイメージがピッタリ来る。

 打つ手も銀行を作り百貨店も抱き込んで規模だけじゃなく質の充実も推進中。何よりいち早くコンビニエンスストアにあってオンラインショッピングの分野に乗り出したとゆー、その先見性には極めて高いものがある。懸念があるとしたら総本山とも言えるスーパーのイトーヨーカ堂がGMSってゆー業務形態もあって食品以外が伸び悩んでいる状況で、何とかしよーとカリスマバイヤーって呼ばれた人を招いてファッションのプライベートブランドを作って店頭に並べているんだけど、それを買うならユニクロの方が質もデザインも良いかもって思われてしまいかねない品物では、なかなかに市場を獲得してスーパーの衣料部門を活性化させるのは難しい。かといって止めてしまって「ユニクロ」なり「ジーンズメイト」をかを入れる訳にはいかないし。そこに果たして御大は切り込み改善させられるか。最後の仕事ってことになるのかな。けどあと20年は陣頭で指揮を取りそーだな。

 スーツ姿の眼鏡っ娘新入社員が開会を待つ間にリラックス体操をする姿を眺めつつ弁当をもらい帰って弁当を食って撮った写真を送り原稿も書いて送って、それからバンダイが新しく発売するキッズケータイの会見に行く。その名も「たまぴっち」という商品はDDIポケットのPHSで液晶画面の上で「たまごっち」を育てられるとゆー優れもの……はすでに97年に発売済み。買って育てていたけど誰からも電話がなくってどんどんと死んでいったっけ。今も部屋のどこかでデータ抜かれて転がっていると思うけど、まだ動くかなあ。今回はそんな経験も持つバンダイが、子供に持たせて親も安心できるケータイをってことで開発したもの。ウィルコムの「安心だフォン」の仕様を踏まえつつ、子供が持って楽しいバンダイらしさを持った製品に仕上がっていた。

 メールから位置情報なんかを割り出せるよーになっていて、持たされた子供は不用意に親にメールを打つと四谷の塾に行ってるはずが新宿のゲーセンにフケてるってことばバレるんで注意。かといって切りっ放しにしていても、どこで切られたかが分かるよーになっているから不用意に切るのはよそー。そんなガキはいないか。ウィルコムどーしならどれだけかけても定額ってゆーサービスが登場している昨今、これが子供に一斉に普及してくればどれだけ話しても3000円弱ってゆー料金サービスを享受したいって、親がどんどんと子供に与え子供もおやにどんどんとねだるインフレスパイラルが起こり不急に加速がついていったりするのかも。

 広まらなかったらその逆に誰も使わない危険性もあるけど、見た目が玩具じゃなくって本当のPHSっぽいし実際に機能もPHSと比べて遜色ない。加えてキャラクターの画像をダウンロードしたりキャラクター付きのメールをやりとりしたり出来るよーで、「たまぴっち」が所詮は大人のための商品だったのに比べると、本気で本格的な子供向けの商品に仕上がっているから、子供も欲しがるんじゃなかろーか。小学館の「ちゃお」と連携したりもしているし。小学生といったらなナルミヤとは組んでないのはやっぱり見る目に聡いから? 子供向け衣料の流行に乗り遅れてここんとこナルミヤ、苦しいみたいだし。伊達に50年も子供向けの商売はしてないねー、バンダイ。

 会見にはCMに起用された設楽ではなく三浦りさ子さんが登場。もっとふっくらとしているイメージがあったけど、あらわれた三浦さんは脚なんかスラリと細くてまるでモデルのよー。もちろんモデルではあるんだけど現役ファッションモデルと比べても遜色のないその肢体をどーやって2児を得た今も維持しているのか、聞いてみたい人も相当数いるんじゃなかろーか。顔が昔と同じと言えば言えるけど、でもやっぱりちょっぴり刻まれた年輪が。三和銀行だかのイメージキャラクターに起用されてた時代が懐かしいなあ。

 もっとも個人的には三浦りさ子さんよりケータイを持つモデルとして登場したキッズの方に目が釘付け。1人とてつもなく可愛い子がいたけど既に何かで活躍している子なんだろーか。してても不思議のない顔立ち。覚えてこれからいろいろな場面でチェックを入れていこー。ついでに撮った写真をプリントして手帳に挟んで持ち歩こう。んでもって「娘です」と見せて歩くと。うらやましがられるかな。不気味がられるかな。

 これが老いるとゆーことか。それも老獪さとは違う意味での。去年のニッポン放送株問題の決着としてライブドア株を割に大量に購入していたフジテレビが、昨今の情勢を受けて遂にライブドア株をUSENの社長の人に売却すると発表したとか。なるほど今持ち続けても急に株価は回復しないから評価損はたくさん出るし、ダーティなイメージも付いて快復もおぼつかない会社の株を持ち続けるのは、経営判断の上で怖いって意識もあって不思議はない。短期的に見ればここでひとまず区切りをつけて、この1年をなかったことにするのは、選ぶ道として大きく外れたものではない。

 でも、だったらどーして売る先がUSENなんだろー。インターネット関連企業だから? それはある。同じネット企業ならネット企業どーして群れてろよって意識があって、高所から見た判断によって売って差し上げたのかもしれないけれど、ここでちょっと考える。今は大した規模を誇っている訳じゃないけれど、USENが展開しているネットによる映像配信ってビジネスモデルは、いずれ将来確実に、テレビ局のやってるビジネスのライバルになる。制作能力が上がり資金も集まるよーになった暁に、ネットで生まれてネットから配信される番組が、テレビによって流される番組より面白くなる可能性は絶対にある。そんな将来性を今から見込んで布石を着々と打って来ているUSENに、フジテレビはあろーことかライブドアってゆー既にそれなりなユーザー数を持っているポータルサイトを”差し上げて”しまった。それも安く。

 得意先をまるまる付けて店ごと譲り渡してしまったに等しい行為で、言葉を換えれば敵に塩とバターと味噌とワインとチーズとパンとマーガリンを贈ったに等しい。いずれUSENはそーやって頂戴したポータルサイトを使ってユーザーへのリーチ数を増やしつつ、ライブドア傘下にある金融部門の価値も使いながら資金力を益し、前に買ったギャガなり持ち分法からは外れたけれどエイベックスなりとの連携も増やしつつコンテンツを充実させて、ネット上にコンテンツ流通の一大ネットワークを作り上げるだろう。足りないのはニュース報道部門だけど、そんなのも経営難に陥っているどっかの新聞社を買えば良い。通信社だって発達している昨今、そーしたニュースをテレビ局だけが独占できるはずもないし、実際にテレビ局の報道部門なんて知れている。

 唯一テレビ局に残されているのは、電波の権利を使い中波であまねく視聴者に番組を届けられる仕組みを独占することで、広告を集め収益を稼ぐことだろーけどそれも2011年の地上デジタル導入によって変わる。とゆーより変わらざるを得ない。手間のかかるデジタル移行にノれないユーザーがパソコンからネットを通して見られる情報にシフトする。映画や音楽やスポーツといったリアルなコンテンツに気持ちを移してテレビのバラエティもドラマも見なくなる。結果起こるのは地上波のテレビ局の空洞化で、だからこそテレビ局もネットを介してユーザーにリーチする機会を増やそーとして、電通なんかと組んで番組配信のポータルサイトなんかを立ち上げよーと足掻いている。それ自体が利権で得た金で作った有料コンテンツの二度売りみたいなもので悩ましいんだけど。

 けどフジテレビは、使えばそれなりに使えないこともないポータルサイトを二束三文で売ってしまった。株価が下がったってそれは今の時点での話であって、ここで踏ん張りむしろ積極的に関与すると表明することで、株価を上げて損を埋めることだって出来た。努力によっては新たな価値すら生み出せる可能性もあった。おまけに自分の所には相手の価値を高められるコンテンツが山とうなっていた。かつての”戦闘的なメディア集団”を標榜していた若きカリスマに率いられたフジテレビだったら、罰点マークとともに被せられた水の下で苦笑する表情を笑いに変え、評判に変え金にも変えて飲み込み更に拡大していっただろー。そんなアグレッシブさはもはやない。あるいは蹂躙された苦い記憶からいち早く逃れたいって想いでもあったんだろーか。とにかく憎しの感情で満ちあふれていたんだろーか。ここで泥水をいったんは被りつつ、そこから砂金を選び出して磨き増やす道を選択しなかった。

 この判断は果たして正しかったんだろーか。経営トップとしては自分たちが下した判断の帳尻を合わせることが出来て一安心かもしれない。けれども将来に敵となりかねない相手に塩を送る帳尻会わせが果たして正しかったんだろーか。そーなった時に判断を下した人たちが第一線にいる可能性は低いだろー。だから踏み切れたんだとも言える。けどそれは本当に会社のためになったんだろーか。聞くと巨額な評価損を被った責任については皆無だと経営者たちは言っているそーで、粉飾決算を隠していた相手を非難している。それはなるほどそーかもしれないけれど、今回の売却がもたらす影響については違う。自ら下した判断だ。それが将来において災いとなって降りかかってきた時、存命ならばそのキャリアは泥水にまみれて浮上は叶わないと、覚悟しての売却だったとゆーことを強く認識ていおくべきだろー。USENにそこまでテレビ界を相手に戦う意識があるかはちょっと分からないけど。ないかなあ。要領良さそーだもんなー。


【3月15日】 こんな所に「火の鳥」が。銀座にあるHMVへとレコードを探しに行ったついでに横の「ティンバーランド」をのぞくと何やら見慣れた手塚治虫さんの「火の鳥」が幅を利かせてる。見ると「アースキーパーズ」って地球環境を守る活動とタイアップしたアイテムをティンバーランドと手塚プロダクションがコラボレーションして展開中だとかで、靴の横に人の鳥っぽい模様が刺繍された靴とかが並んでる。一昨年くらいに見た歌舞伎をコラボレーションした製品に続く日本オリジナル。ってことは手塚治虫は歌舞伎と並んで日本が世界に誇る文化遺産ってことなのか。そーなのか。うーむ。

 カタログを見ると踏む場所に「火の鳥」って書かれたサンダルもあるし、裏地にコミックが描かれたブルゾンとかもあって「火の鳥」ファンなら歓喜しそー。そーでないとちょっと……。折り返しの部分に羽根が描かれたロールトップブーツはちょっと格好良いかも。素材がヘンプ(麻)って当たりが何ともアースキーパーズ。ちなみに1万円以上を購入するとオリジナルで作られた「火の鳥 アースキーパーズ編」の収録されたDVDが先着5000人にプレゼントされるとかで、アニメファン的には押さえておきたい気分もあるけどそのためにティンバーランドを買うのはなあ。って人には「BIGLOBE」の配信サービスでも見られるからそっちをお勧め。サファイアみたいな頭をした女の子が可愛いねえ。やっぱ僕にとって手塚さんの美少女キャラは心の原点だよ。

 こないだは静岡で今度は熊本。じゃあちょっと行けないなあ「なでしこジャパン」の国際試合。相手が米国とあっては是非に見たいところだったけど仕方がないから諦めよう。でも行ったりして。「世界スポーツ会議」の一環として行われるんだったらここにナショナルチームの女子代表を集めてバスケットボールもバレーボールもホッケーもソフトボールもみんな国際試合をすればアピールになるんだけど。それだったら喜んで見に行くんだけど。ラクロスも是非に。けどラクロスにバレーボールが並ぶと「なでしこ」も霞むなあ。「どこがなでしこだ」って言われて芥子蓮根とか投げつけられたりして。

 静岡に新しく出来たバンダイのガンダム製造工場で組み立てられる巨大なガンダムの顔を長めに行くはずだったのに、ふって湧いた予定どーりにソニー・コンピュータエンタテインメントが「プレイステーション3」の発売延期を発表するって会見が行われたため東京に留まり六本木ヒルズへとゴー。そんなに広くない部屋に机もなく椅子だけをずらりと並べて1000人近くをぶち込んで、我らが久多良木健SCEI社長が約100分に及ぶ長広舌をぶつ会見は、最初は「プレイステーション2」は売れてます、だもんでこれからもサポートして下さいって話で次ぎは「プレイステーションポータブル」も売れてます、けどさらに売るためにGPSとかカメラをつけますって内容でインパクトやや薄。

 ってかそんなことより聞きたいのはただ1点、「PS3」の発売が何時になるかってことでそれが出てきたのは公演が始まり60分近く経った午後4時前。つまりはAACSがまとまってなかったことから量産に移れず台数が積み上げられないんで遅らせますって内容で、そんなことは周知なんだから最初に言ってくれれば付き合わなくても済んだんだけど美味しい料理は最後まで取っておくのが久多良木流。つか最初に言ってプレスがどっと出ていく姿も鬱陶しいんで、後まで引っ張って頃合いを見計らって出したんだろー。なかなかにイケズ。

 とはいえ今さら改めて本人の口から11月上旬だって聞かされたって半ば周知の事実で別に有り難くない。おまけについて来たツールの価格やらPSPのテコ入れ策やらってものも、ここで改めて披露されて驚く程の内容じゃない。そんなこと聞かされるためにスクウェア・エニックスの和田洋一社長やら元セガの中山隼夫さんやら、ゲーム業界のお歴々がずらり雁首ならべて100分近い講演に付き合うのって、時間の無駄でそーゆー連絡だったら手紙でもネットでも電話でも良いじゃんって、思ったけれどまあこれも一種の儀式って奴だから仕方がない。10年でソニー・コンピュータエンタテインメントも偉くなりました。

 それにしても語られる夢にどうもピンと来なかった久多良木さんの独演会。二次元から三次元となり空間が生まれたゲームに今度は時間を加えた”四次元”を作り上げるんだってゆー考えを示し、グーグルマップがどこまで行っても静止画像なのをそこにコンピューターグラフィクスの力で動きも加え過去に遡り未来へと飛べるよーにしちゃいましょうってことを訴えていたけど、それって果たしてゲームの世界に求められているんだろーか、ってのが目下の悩みどころ。なるほどフェッセンデンじゃないけれど、その手に”宇宙”を収めて自在に操るのって心地良い。けどそーしたことが出来るのと、やりたいってのはまた別の話。一時は神の気分になって快楽を覚えても、しょせんは現実とは違う世界で得られた王様の地位に虚ろな気分を味わうだけだろー。

 人間なんて神にはなれない。それよりゲームという神の定めたルールの中で精一杯に足掻き謎を解き明かして進んでいくことで得られる人間としての快楽だ。その実現には宇宙をそのまま収めるよーな巨大なスペックのマシンと全世界を結ぶネットワークなんて必要ない。手のひらの中におさまる小さなゲーム機でも十分。それを実現したソフトが山とうなっている「ニンテンドーDS」はだから売れている。売れまくっている。仮に”宇宙”をその中に再現できても、それはそのままゲームの面白さには繋がらない。そこを果たして踏まえてそれでも、敢えて”四次元”を久多良木さんはアピールしているのか、それとも”四次元”こそが素晴らしいと本気で考えているんだろーか。フェッセンデンは自ら作った宇宙に飲み込まれて消えてしまった。久多良木さんがそうならないことを祈りたいけど、果たして。

 「Fate/stay night」のオープニング「disillusion」を収録したCDを買う。アニメ版の方で川井憲次さんが手がけたアレンジは、「吸血鬼美姫」なんかでも聞かせてくれた幻想感を覚えさせつつ広がりを見せる壮大さがあって耳に残って仕方がない。実はゲーム版で使われている元々の曲がどんなのか知らなくって、ネットの方で聞いてみたらバックが電子音になっていて、曲は同じなんだけどちょっと印象が違ってた。けどその曲があったればこその川井さんのアレンジも光ったってことか。なるほど「Fate」も侮れない。ファンにはやっぱりゲーム版の曲の方が良いのかな。個人的にはやっぱり川井憲次さんバージョンを推すなあ。


【3月14日】 白い日。だけどもらっていないものはお返ししようがないのである。なぜもらえないのかは不明だ。断じて。それはそれとして仕事で「OAZO」へと出向いて松たか子さんを間近に見物。何でもサントリーの「モルツ」の新しいCMに起用されたそーで陣内孝則さんを相手にお酌をしつつ「ググっといっちゃって」って言っちゃってくれていて、間近にあの声あの雰囲気で言われるとなるほど本当に「ググっ」といっちゃいたくなって来る。

 超絶美貌を誇っている訳でもないし、スタイルが抜群に言い訳でもない。けどどこか捨てておけない声。そして演技。歌舞伎役者の祖父に父に兄といった面々を間近に身ながら育った血肉にしみこんでいる役者の立ち居振る舞いって奴が発揮される舞台にドラマに映画の中だと、あのどこか頬が高く鼻は逆に高くない普通の顔が途端に輝き出す。CMでもイメージガールとして微笑んでいるだけじゃなくって、サラリーマンの応援団として”演技”をしていてこれがなかなかに心に響く。そんな資質を見込んでコンテを描きCMと撮ったクリエーター。なかなかの遣り手と見た。

 本業でカメラを構えて撮影している人に混じって写真を撮って記事も書いて、それも軽く5倍の量は書いてこれで給料おんなじ、どころか親会社より年に数十万円も差を付けられている屈辱を改めて噛みしめつつ悲哀に泣きつつ河岸を変えて今度は銀座で開催されたJCBの発表会でミスハワイUSA2006のフラダンスを間近に見る。ミスハワイといっても漫才師ではなく歴としたハワイ州出身の美女で、会見場に入るなりそんな人から首にレイをかけられ屈辱に歪んだ心もちょっとだけ晴れる。ちょっとだけ。

 何でもJCBがハワイへの観光客誘致に一役買うんだそーでハワイでいっぱい使うとプレゼントが当たるとか。でもJCBは持っていないしハワイにも行ったことがないんであんまり関係ないか。ミスハワイのフラダンスは別にダンサーって訳じゃないんだろーけどそれでも地元に生まれ育った血筋って奴か、脚も優雅に腰も艶めかしく手は神々しく動いてなかなかに感動的。神に捧げる踊りだけのことはある。これを間近に見るためにハワイに行くのも悪くはないかもなあ。日本のリタイアメントな奥様方のハワイアンセンター的ムームーを身を纏った姿で繰り広げられるフラだけは勘弁。JCB的にはそんな人たちをハワイに呼び込みたいんだろーけど。

 帰って写真を仕上げ原稿も書いて送ってこれで給料1割減かと再び沈滞。ならば自分で稼ぐしかないと思いつつも稼ぐネタに乏しい昨今、早く8ケタ年収に達したいと虚空に叫びつつ、その日に向けて自己啓発に励もうと職にありながらもライターに翻訳に大活躍して家も家族も手に入れた勝ち組な大森望さんがいかにして人気翻訳家になったのかを綴った「特盛! SF翻訳講座」(研究社、1800円)を買ったらなぜか中身はマッキントッシュの改造方法とホームページの作り方、だった。いや本当はそーじゃなく、ちょうどその頃に割とマックを買い込み使い慣らす参考にと熟読していたこともあって、書かれた内容が妙に印象に強く残りすぎてててっきりほとんどがパソコン絡みの連載だったと思ってた。94年とか95年あたりの一部、だったんだなあ。

 しかし懐かしい。520メガのハードディスクが「大容量」と言われていたりインターネットの接続事業者がリムネットだったりと、10年前のパソコン&インターネット事情が思い出されて仕方がない。これを読んでホームページとやらを閲覧したくて「インターネットマガジン」の創刊号に付録で入ってたCD−ROMからソフトを取って、家のマッキントッシュのLC575をインターネットに接続したんだよなあ。それで1年ばかり閲覧生活を続けた後で今度は自分でページを作り始めて以来、10年にわたって日記を書き続ける羽目になるとは。よく続いたなあ。一銭にもならなきゃまるで有名にもならないままで。

 でもって連載を貪り読んでた「SFマガジン」で、今は何か得体の知れない文字を書き散らしているとは。これもネットに繋げた結果ってことでこの本には脚を向けて寝られない。脚の下に敷いてたりするけど。足の踏み場がないのです。さらに言うなら会社を未だに代わっていないのも我ながら信じられない。別に代わっても良いんだけど、瀬戸際崖っぷちまで来ている状況を身近に接していると、そこからおっこちる様って奴を間近で見聞きしたいじゃないですか、あとでルポとかに転用できるし。まあそれもそろそろ限界に来てるんでそろそろ一念発起、大森さんに倣ってSFの翻訳でも始めてみようかな。その前に英語を勉強しなくちゃいけないけれど。高校時代の英語の成績は2。10段階での。2。

 1話目は完璧。葛西伸哉さんの「あねもえ」……じゃない「だめあね」(ファミ通文庫、560円)は留学先で得体の知れない稼ぎを得たのか帰国して社長になって事業を始めてそれに弟が振り回されるって展開だけど、そんな姐が真っ先に作ったのがメイド寿司屋。衣装もど派手なメイドさんが接客し握ってくれるって触れ込みに集まったメイド好きな男どもの前で華麗な手さばきを見せてた鯔背な美少女寿司職人が実は……って展開はその意外さもあらにその落ちも見事に決まってダメには見えてもこの姉、意外な遣り手じゃんて驚きを与えてくれる。

 けどその次の銭湯に最後のお化け屋敷はアイディアも月並みなら展開も今ひとつ。ダメっぷりばかりが強調されてそれでどーしてそんな事業を営めるほど金があるんだって部分との整合性がとれない。あるいは金はその美貌にあかせてアラブの大富豪から得ているって裏があって、ダメだけど面白いことをしてくれる姉とやらの振る舞いを楽しむのが本筋なのかもしれないけれどそれだと最初の1話が浮いてしまう。ここはやっぱりダメにみえても実は凄い姉の失敗に見えてちゃんと収めてみせる冴えって奴を楽しませて欲しいもの。続刊があるかは分からないけどあればそっちに、期待。さてと「PS3」はどーなるか。


【3月13日】 見たけどまるで印象に残らず昼には内容を忘れていた「交響詩篇エウレカセブン」だったけどとりあえず振り返れば……今更姉さんか。つかいったいこれまでどこでどうしていたんだ。父親がどんな死に様をしたのかをようやく聞いて怒っていたけど、ホランドを追いかけていった姉について一切を聞かずここまで来たってだけでも妙だったのに、この期に及んでゾーンを越えた所に出してきて何をさせよーってんだろー。

 これが並の作品だったら既にして誰かとどこかへ何かをしに向かったって暗に示されていて、それを心に留めていたレントンがここに来てよーやく巡り会えて驚きつつも喜びつつも、それでもその目的を知って愕然とするって展開が読めるけど、一体どーやって来たのか誰と来たのかってヒントもまるでない状況での登場に、その並では終わらないって作り手側の覚悟って奴が見える。先週にガキンチョが振り回していたチャールズの銃もすでに過去の遺物。つまりはやっぱりガキが年甲斐もなく武器なんて持つなよって説教の道具になるよーに「ニルヴァーシュ」に入れておいたってことなのか。安いなあ。チャールズ。まあストーリーに絡んでいるだけ良いか。ノルブなんてすでに過去の彼方たぜ。

 目覚めると「ワールドベースボールクラシック」の2次リーグが始まっていて米国を相手にイチローが先頭打者ホームランを放ち追加点を上げるも3対3の同点となって膠着状態。それでも頑張って3塁まで進んだ西岡選手が岩村選手のレフトフライからタッチアップで1点をリードしこれでもう大丈夫だと洗面所に行き顔を洗って頭をまとめて部屋に戻ると3対3のままだった。えっどーして、あの1点はマボロシだったのと訝りつつも想像を巡らしきっと取り消されたんだろーと推察したけど、その理由がちょっと浮かばない。走塁妨害? あり得ない。じゃあ何? そしてそれがタッチアップが速かったことによるものだと知って愕然とする。

 んな訳ねーじゃん。実に完璧なタイミング。でもって相手のボールは三塁線上を大きく後ろへとそれてクロスプレーにすらならず西岡選手は余裕でホームベースへと到達した。ほんのコンマ数秒、早く離れても逆に遅く離れても余裕のセーフだったプレーをあげつらって、抗議してひっくり返して大リーガーとあろーものが恥ずかしくないんだろーか。それでもルールはルールってゆー矜持? 負けは負けと認める矜持とどっちがより大リーガーらしいかねえ。

 最初はサードで選手が抗議したんだっけ? アレックス・ロドリゲス選手? 塁審におかしいんじゃないかとアピールして、それを否定されると今度はマルチネス監督が出てきて主審に抗議したらひっくり返ってしまったとか。主審が絶対的な権限を持って判定したってことで、後でこの主審は声明も出したそーだけど、その判断を最初はせずに抗議されたらしたって時点で自分が恥ずかしいとは思わないんだろーか。思わないんだろーなー、何せメジャーを首になってマイナー落ちした審判だし。

 まあそれでも同点、勝てば良かったんだろーけど崩されたリズムは取り戻せないのがスポーツってことで残念にも最終回にサヨナラ安打を食らって敗れてしまった。次は比較的与しやすいメキシコが相手でここで勝ち、そして東京ドームでは敗れた韓国相手に雪辱を果たせば準決勝で再び米国と見えることになる。そこで改めて引導を渡してやれば日本の2次リーグでの戦いぶりも決してフロックじゃなかったと証明できるだろー。窮地からの生還こそがスポーツの醍醐味。それを本場と自称しつつも内実には本国メディアからもお粗末きわまりないと罵倒される大リーグの面々に味わわせてやって下さいな。とか行ってるとあっさりメキシコに敗れるんだろーなー。辛いなあ。

 90年頃に東京へと出てきて向かった秋葉原の店頭で、レーザーディスクのデモとして流れていた映像は森高千里さんがほとんどで、その長くも細い足をフレアスカートからにょっきと出してフリフリしている映像に目を奪われ店頭へと脚を留めているういに、商品を買いたい意欲が増進されるって経験を味わった。やがて時代も変わって2000年前後になると店頭のデモは「モーニング娘。」が席巻するよーになっていて、集団でワシワシと唄い踊っている様のとりわけ加護ちゃん辻ちゃんペアに後藤真紀さんとそして飯田カオリンがどんなスタイル表情で踊り唄っているのかが気になって店頭にしばし脚を釘付けにされた。

 かように秋葉原なり家電ショップの店頭デモに使われるアイドル系歌手の映像って奴の威力は強大であり、と同時に時代を彩るトップアイドルの変遷なんかも象徴していたりするんだけど、その流れで言うなら現代のトップはまさしく倖田來未さんてことになるんだろー。「ビッグカメラ」の店頭なんかで放送中のテレビ番組に混じって、最近発売されたベストアルバムに入ってるDVDに収録されている、ぶっといけれど筋肉質な脚をにょっきりとさせた倖田來未さんがステージで脚をふんばり身をくねらせているそのエロ格好良い映像が目に入ると、もうそこから離れることが出来ないのだ。家で見返しじっくり聞くと歌もそれなりだし曲も良い。なるほど売れるはずだよ倖田さん。

 思い返せば2003年3月13日。スクウェアがエニックスと合併する直前に発売した「FF10−2」の発売記念イベントが渋谷の「TSUTAYA渋谷店」で開かれた時にゲストとして登場したのが倖田來未さんだった。挿入されている歌とか唄って結構な迫力だなあって思ったけれど、当時はまだあんまりエロさは見せてくれてなくって当時の写真を見返すとスラックス姿で生脚は写ってないし胸もあんまり。歌もそれほど印象に残っていなかったみたいで、すぐに消えるかもしれなかったところを頑張りライブでも存在感を見せて、遂にレコード大賞にまで輝いてしまった。人間、成せばなるって見本。見習わなければ、特に午後6時以降は物を食べずにダイエットしているって所を。


【3月12日】 日本のスポーツ新聞に期待なんて10年前からしてないけれど、それにしてもやっぱりここまで間抜けを晒して平気な様を見ていると、作っている人たちのとくに若い人たちに、脱力感ってものが蔓延しているんじゃないかって心配になって来る。2006年3月12日付のスポーツ新聞はほとんどが揃いも揃ってオリックス・バファローズに移籍した清原選手がオープン戦ってつまりは練習試合でジャイアンツからたった1本、ヒットを打ったって記事を堂々の1面に配してる。

 だってオープン戦だよ。真剣勝負の場じゃないんだよ。開幕に向けて皆が調整をしている段階で打った1本のヒットってのはそれだけスポーツ的に見て価値があるものなのかい? そりゃ首にされた巨人を見返すってゆードラマ性はあるけれど、所詮は練習試合の1本で相手投手も工藤選手じゃなく鴨志田選手だ。エースじゃない。5本のヒットを浴びて防御率も12・00なんて小学生の100メートル記録みたいな数字の調子最悪な投手から打ったこの日唯一のヒットで1面を飾ってもらって、アスリートとしての清原選手は何にも思わないんだろうか。普通は恥ずかしくって歩けないよ。

 仰木監督への手向け? そんなユルいヒットを贈ってもらって喜ぶ仰木さんかってーの。けどそーした見せかけの、中身もスカスカなヒットに清原選手とゆー名前を乗せて、対巨人とゆードラマを乗せれば何かストーリーが出来上がると思っているんだろー、スポーツ新聞のデスク連中は。米国でワールドベースオールクラシックが、まさに決戦に臨もうとして同じ調整でも真剣さをアップしてきている話題があり、一方でまさに真剣勝負のつばぜり合いが演じられているサッカーのJリーグがあったにも関わらず、それらを差し置いて「清原、ヒット」がニュースだと思いこんでいるデスク連中に、スポーツジャーナリストを志して頑張っている若いスポーツ新の記者たちは一体何を思っているんだろー。

 同じ人間にスポットをあてても生い立ちから練習ぶりから現在の暮らしぶりまで深く切り込み、それを必ずスポーツの結果そのものと絡めて描くスポーツ誌のライターたちの、スポーツにどっぷりと浸った文筆活動に憧れ、いずれスポーツ紙の現場を離れてそちらへと向かう人がこれから続々と出て来るんだろーな。読者だって濃いドラマを求めるなら雑誌を読むし結果だけならネットでじゅうぶん。かくして若い世代を失ったスポーツ紙はますますおっさん世代に向けて色を濃くしてナガシマキヨハラジャイアンツが1面を飾りまくるんだ。かくして団塊世代のためだけのスポーツ紙となり果ていずれ滅びると。

おんなのこはふしぎなおどりをおどった おしりがみえそうだった  いっそ「ガゼッタ」みたくサッカーをメーンに据えてポーツ紙を作る新聞社は出て来ないものかなあ。「エル・ゴラッソ」を格にして他のスポーツを加えていくって手も考えて考えられないことはないけど、それをやると「エルゴラ」の良さも消えるから痛し痒し。あるいはその編集力を他のスポーツをこちらで加えるって手もなくはない。普通のスポーツ新聞社じゃあサッカーに関する真っ当な記事を書ける人が少なさそーだし。なになに「三都主汚名返上FK弾」? だから攻撃がいくら良くても代表で問題にされているのは守備なんだよ。「1対1でも積極的に仕掛けたし、DFの裏に入る動きもあった。この感覚を忘れなければ代表でも成果を出せるはずだ」って堀池巧さんは言うけれど、その成果ってのはいったいどこでプレーさせた時の話なの? 3バックの左に果たして入れるかねえ。教えて堀池さん、その”巧(たくみ)の目”で。

 ぶらり「GEISAI」これで何回目の見物になるんだろー。ウィルコムとか派手なスポンサーを前はつけていたけど今回は会場も西4ホールだけになって最初の頃くらいの規模で、巨大化の激しくなって来ている「デザインフェスタ」よりは見やすく回りやすい感じ。作品については重複している部分もあるけれど、よりアートっぽさも出ていてとくに壁付きブースの展示は見せ方もあったのか、どれもなかなかに格好良い感じが滲んでた。パフォーマンスも会場のそこかしこで行われていてそれなりに盛況。とりあえずはエアギターを弾く太り気味で長髪のおっさんのエアギターぶりを間近にみつつ、隣で踊りを始めた人たちの尻パンツどころか尻割れまでくっきりなローライズの衣装に堪能しつつ会場をうろつき回る。

 まず気に入ったのが「VIKINI」って名前のTシャツ屋さんでとにかくエロくて政治的でアバンギャルドで挑発的。アドルフ・ヒトラーとアンネ・フランクとヒトラー・ユーゲントがそれぞれに描かれた3部作と称して一方でヒトラーを称揚しているよーに見せかけつつ、一方でその行った事態も紹介しつつ反対なのか賛成なのかどっちなのかと考えさせるデザインのシャツもあれば、顔をボンデージなマスクで覆われた裸の女性がしゃがみ込んでる絵の上に、確かナチスドイツが優秀な人を相手に称した「きみは私たちの模範」って言葉を添えたTシャツもあって、街中で着るには勇気もいりそーなシャツが勢揃いして格好良い。

 聞くとエロ本とかポスターとか政治漫画なんかから目立つ絵やらイラストやらを引っ張りメッセージも本なんかから引用し、オリジナルのフォントなんかも加えて作っているとかで1枚1枚が手作りで、色の配分とかが全部違う作品だとか。それで値段は5800円。高いか安いかはともかくデザインセンスの良さは素晴らしく、且つこのメッセージ性も含めて伝わればそれなりな人気を波紋と同時に起こしそー。

 外国人なんかからも受けていたり逆に怒りも買っていたりするそーなんで、これから外国に行く人は是非に1枚、買い求めて着て行ってみては如何。けどでもさすがにヒトラーの顔入りでイスラエルには行けないなあ。折角だからと1番おとなしい1枚を購入。メッセージは「メディアはプッシャーだ! アメリカ政府管理による世界平和を! (キミ、楽しんでる?) 都合の悪い事は隠され黙殺される」。いやあ、メディア企業に勤めている人間にこそ相応しい1枚だ。着ていこう会社に。そして役員室の前を歩いて叫んでやろー。「MEDIA IS PUSHER!」と。

ぺたぺたぺたぺたと塗れば完成の巨大絵画はお値段も巨大?  会場では4月に「パルコギャラリー」で個展も開くタカノ綾さんがライブペインティング中。3月25日発売の「SFマガジン」でも特集されているそーでこれから月末にかけて露出も高まり人気も急上昇しそーなアーティストなんだけど、描いている姿は昔とかわらずのんびりって感じ。絵筆を持ってぺたぺたと鳥をかじって歩く巨大な犬だか猫だかに色を塗っていた。しばらく真後ろから姿を観察。そのうちにどこかのインタビューを受けるみたいで絵筆を置いて消えてしまったんで観察を終えて他の絵を見にこちらも移動する。挨拶しそびれた。まあいいか。

 目に止まったのは淡いタッチで風景を描く関山晃治さんって人の作品。そのトーンだけならやっぱり夜の街を描く大畑伸太郎さんと共通する部分もあるけれど、絵に特徴を持たせるためか選ぶ場所は渋谷だったり秋葉原といった雑踏で、そこに電飾看板を入れたり綾波レイの巨大フィギュアを混ぜたりして目にキャッチーな部分を演出してる。それが受けたのか過去に「GEISAI」でスカウトも受け今回も六本木ヒルズのアートギャラリーだかからスカウトを受けていた。

 大畑さんの描く雑踏に佇む少女ってモチーフも嫌いじゃないし、今回大畑さんが出してた横長に描かれた池袋駅のホームの絵も素晴らしかったけど、でも声はかかっていなかってみたい。選ぶ側の事情ってゆーか関心事ってのが「東京」で「雑踏」で「オタク」って当たりにあって、それに適合するかどーかが選ばれる背景にあるのかなあ。だとするとアートもこれでなかなかに俗っぽい。貴族の肖像画を描いた昔から俗っぽいものなんだろーけど、アートなんて。

 それはそれとして関山さん、家が日進市の梅森だそーで天白区平針から天白川を越えてすぐそばで、そんな親近感もあってカタログを見ていたらやっぱりあったよありました、平針駅から北をのぞんだ田んぼの中にある変電所とそこから伸びる高圧線の鉄塔を描いた作品が。ほかにも田んぼの中に輝くビル街ってモチーフもあったりして、どちらかちえば平凡だけどちょっと気になる場所を絵にして描く方がもともととの資質だったみたい。キャラクターなりオタク的なイコンはあくまでもキャッチ。それはそれで目を引くけれど、他の普通に描かれた作品の方が個人的には好きかも。この線で押していってくれれば大畑さんと並び今を描けるアーティストとして、人気も出そーなんだけど。誰か文芸作品の表紙にどちらか、起用しないかなあ。


【3月11日】 気が付くと将棋の棋王戦で羽生善治さんが森内俊之名人に敗れてた。えっとこのタイトルは何期くらい持っていたんだっけ? 結構な回数を防衛していたよーに記憶しているけれどここんところちょい調子を崩しているのか王将戦でも佐藤康光棋聖に3連勝のあとの3敗でタイに追いつかれていてちょっとヤバそう。負けると棋王の失冠で3冠になた羽生さんがさらに減って2冠となって森内名人佐藤棋聖と2冠づつ分け合いそこに渡辺明竜王が入った群雄割拠の時代へと移りそー。

 もちろんいずれ劣らぬ強者でタイトルを持っていたって不思議はない面々ばかりなんだけど、そんな中でも突出した強さを羽生さんが長く誇っていただけにこーゆー状況の到来には気分的にあんまり慣れていない。谷川浩司さんが一足早く抜けだしてはいたものの、その後から来た塚田泰明さん南芳一さん中村修さん高橋道雄さんといったチ面々がトップに食い込み”塚田スペシャル””地蔵流”なんて言葉とともに大活躍していた時代がまた来るのかなあ。けどでも羽生さんも森内さんも佐藤さんもチャイルドブランドと呼ばれてもう15年以上経つ人ばかりなんだよなあ。大学生の終わりくらいにテレビの「NHK杯」で羽生さんを見た時の衝撃が、不惑を超えて厄年になるまで続いてるってことで。

 つまりはそれだけ長くトップ張ってるってことで藤井猛九段丸山忠久九段郷田真隆九段といった面々が、トップクラスにはおいついてもトップを晴れないくらいに羽生さんたちの世代ってのは突出していた凄さを持っていたってことなんだろーなー。森内名人に挑戦するのも羽生三冠とそれからさらに世代が上の谷川浩司九段。A級順位戦でいっしょに戦っても藤井九段も郷田九段も丸山九段も三浦弘之八段もその間に割って入ることなんで出来ないみたい。とはいえメガネが怖い山崎隆之六段も、渡辺明竜王もよーやくC級1組を抜けて次からB級2組でそこを抜けるのは至難の業。抜けても鬼の棲家のB級1組がさらにあってA級ではあと4年はきっと名人戦に出てくるまでにはかかりそー。

 と、考えると負けたとはいえお互いにタイトルの渡し合いをしている羽生さん佐藤さん森内さんが今のトップ3ってことになるのかな。いやいやB2からB1へとこの期に及んで昇級した森鶏二九段がそこすら抜けてA級へと上がり羽生さん佐藤さん森内さん相手に坊主頭で魔術師ぶりを発揮してくれることだろー。こりゃ勝てんわ郷田も藤井も。見栄えの凄さが話題の橋本崇戴五段はちなみにC級2組と最下位クラス。今は7勝2敗で次の最終局に勝ち、1枚上に同星でいる阿久津主税さんが敗れれば8勝2敗の2人の結果に関係なく昇級? 3月14日の対局がちょっと楽しみ。

 とりあえず締め切り前に原稿を中身はともかく仕上げて送って一段落。リテイクの可能性はとりあえず脇へと捨てて天気も良いなかを蘇我にある「フクダ電子アリーナ」に向かってJリーグ「ジェフユナイテッド市原・千葉vsヴァンフォーレ甲府」の試合を見物する。今期ホーム初登場、って言ってもすでに「ちばぎんカップ」で見てはいるんだけど正式なリーグ戦で敗れ続ければ降格だってあり得る大事な試合なだけにやっぱり入る気合いも違う。「ちばぎんカップ」の時には来ていなかった謎の「オープンカフェ」も来ていたし、場所は違ったけど、歌も唄っていなかったけど。

 レプリカを購入しよーとする長蛇の列に去年とはまるで様変わりした人気ぶりを確認。これもやっぱり巻効果か。その巻誠一郎選手、前半からヘッドで競り合い飛び込みも見せてと活躍するものの、ゴールキーパーの正面に飛んだり相手がうまくセーブして得点には至らず。それでも中央へと走り込んだ時に倒されPKを奪いこれを阿部勇樹選手がきっちり決めて2点目を奪取する起点にはなったんだけど、その後に甲府に2点を返された後の怒濤の攻撃でもやっぱり得点につながらず、残念にも引き分けに終わってしまった。ちゃんと頭に当ててるし枠にだって飛んでいるのになあ。こーゆー日ってあるんだなあ。

 とはいえやっぱり不安な守備陣。1点目は相手にうまく崩され最後は叩き込まれてしまった感じだけど2点目はサイドで1人をフリーにしてしまいクロスを入れられてしまったのがすべての原因。あそこで半歩寄せるだけで違ったコースに飛んだかもしれないクロスだったけど、ほとんどフリーだった関係からバレー選手の頭にどんぴしゃりと飛んでしまい決められてしまった。バレー選手についてはマークがちゃんと付いてたんだけどあの巨体、あの質量にはそんなものは関係ないっていったところか。こーゆープレーが巻選手も出来るよーになればもっと得点も増えるんだけど。ともあれやっぱり凄かったよバレー選手。あと32番で右サイドをやっていた杉山新選手。スピードがあってスタミナもありそーで惜しいクロスを何本も入れていた。ジェフの猛攻をしのいだ守備陣といー、甲府はなかなか今年はやってくれるかも。それはつまりそれだけジェフもヤバいってことか。次は勝て。また行こう。


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