縮刷版2005年5月中旬号


【5月20日】 キリンさんって大きいねえ、なんて語りかけながら竹本がポケットに手を入れ小箱を取り出し「給料の三ヶ月分です」と言ってはぐに手渡す場面がいつ見られるんだろう、なんて妄想したけどそんな場面は訪れず。以前は映画館に行けばからなず見られたダイヤモンドの婚約指輪のCMが、流れなくなって久しいのはその風習に根拠が乏しかったことが蘊蓄本だかトリビア番組だかで明らかにされたか何かしたからなんだろーか。

 いや本当に嘘なのかは知らないけど、ともあれ「ハチミツとクローバー」の第6話は旅行の帰りか何かに動物園に立ち寄り誰もいない動物園で寒さの中を立つキリンになぜかみんなが奮え白い目をする場面の謎に悩みつつ、ベンチに座り真山と話す花本先生の過去話(かこばな)と被る音楽のシンクロ率の高さにコンテを切った人だか編集した人だかの冴えを感じつつ、若くて仏頂面だったころの理花さんのきっと可愛かっただろーことを妄想しつつ背中でうぐうぐやりながら好きだ好きだとつぶやく山田に涙しつつ言われてそれでも明後日な感じの真山に激しく嫉妬する。いつか殴ってやる。絶対に殴ってやる。でもそれやると山田の反撃が。でもスカート姿の踵落としなら。悩ましい。

 源頼朝って言ったらたいていの物語では弟の義経を虐め遠ざけ最後には討ち滅ぼしてしまった嫌な兄、って感じに描かれることが多いけれど若木未生さんの「ゆめのつるぎ 少年源頼朝の巻」(集英社コバルト文庫、438円)は保元の乱と平治の乱で父親の源義朝が世に出つつも終われ野間でかくまってくれたはずの豪族に撃たれる期間、まだ幼かった頼朝が初陣にのぞみつつ朝廷の策謀を垣間見つつ自分を貫こうと頑張る姿をどこからか現れた奇妙な童子を絡めながら描いた物語。40過ぎて策謀をめぐらすおっさんとなった頼朝だって幼くって可愛い自分があったんだなあ。そんな可愛さに流された伊豆だか三浦半島だかで北条政子は惹かれたのかなあ。流されたのって何歳の時だったっけ?

 ある意味開き直っているのが登場する武士やら公家やらのセリフで平清盛なんて息子の重盛を「シゲちゃん」と呼び乱で京都が焼けたとゆー話を「デマ」と言い、喜んでいるかと聞かれて「ビミョー」と答える軽くてそれでいて底知れない野郎として描かれてる。イラストなんて月代が入って脳天まで剃られた上に羊羹のよーな髷が載った信長風。出家はしていないんだったら頭はオールバックかポニーテールか何かの上に烏帽子か水干か何かじゃなかったっけ? テレビの「義経」とか見てないから分からないけどあんまり平安っぽくない気がしないでもない。そんなブレもあって悪くないのがティーンズ向けの文庫って奴で物語を気楽に楽しめるよーにする親切だと思えば気にならない。ような気がしないでもない。ちょっと曖昧。始まった物語が頼朝の陰険さ炸裂まで行くのかそれとも良いところで終わるのか。追って登場の続きを待とう。

 主婦かあ。そんな種族が日本にはまだいたりするのかあ。ってかいたとしても「主婦」だんなんてカテゴリーに入れられることを喜んでくれたりするのかな? むしろそうレッテルを貼られることを嫌がるよーになったからこそ「主婦の友」とか「主婦と生活」といった”主婦雑誌”が売れなくなって中には廃刊休刊へと追い込まれるものも出たんじゃない? それに昔だったら25歳の主婦も55歳の主婦もそれほど違わず日々の家事と旦那や子供の世話に勤しんでいたんだろーけど今時の、仮に便宜的にその言葉で呼ぶとする”主婦”が25歳から55歳まで同じ価値観を持ち、同じライフスタイルを持っているはずがない。

 25歳の主婦は25歳の価値観を持ち55歳の主婦も55歳ならではの考え方を持っている。30歳だって37歳だって42歳だって世代が違えば価値観も違うし求める情報も変わってくる。だからこそ”主婦雑誌”なんてそれこそ”サラリーマン雑誌”と同じくらいに範囲の広い雑誌が成り立たなくなり、”サラリーマン雑誌”がヤングから中堅からちょいワルだかモテだかなオヤジから団塊から、それぞれの世代にマッチするよーセグメント化されていったよーに”主婦雑誌”もそれを1つのカテゴリーとせず、年齢なり趣味なりにセグメント化され特化されるよーになり、そーした特化された情報を求める層だけが手にするよーになった。

 そんな時代にもし仮に、総合誌と呼ばれる「文藝春秋」のよーな雑誌やビジネス誌と目される「週刊ダイヤモンド」のよーな雑誌の特定の1ページくらいを”主婦の皆様に向けたページ”として割かれて果たして”主婦”な皆様は載せられる情報に関心を抱きそれを買い求めに走るだろーか? 走るわけがない。だってそんな情報が欲しいんだったら「ESSE」を買うし「ミセス」でも「クラッシー」でも「アンアン」でも買って自分たちの世代にマッチした情報を集めるさ。

 知恵を絞らなくたって書店へと行き並んでいる雑誌の細分化されてカテゴライズされた様を見れば総合誌ビジネス誌に”主婦向けコーナー”の設置がどれほど間抜けなことかは瞭然なんだろーけれど、どーやら偉い人にはジオングに足があった方が軍隊は買ってくれると思っている人が多いらしー。足がついていますと言えば今度は大きすぎる高すぎると良い最後には自分は”主婦”ではないと言って投げ出すに決まってる。そーゆーものだよ言い訳に走る人間の真理って。それを間に受けて応えよーとすれば見るのは間抜け。だから「週刊新潮」は週刊のテレビ番組表なんて掲載しないし”主婦”のコーナーなんて作らない。「文春」は”淑女のページ”を持っているけど。それちょっと違う。つまるところは前線から遠のくと楽観主義が現実にとって変わって意志決定を左右するって奴の典型でそれが積み重なった挙げ句に訪れるのは敗北かそれとも自決か。答えはそのうち出るでしょう。


【5月19日】 いつが境目だったんだろう? アトランタ五輪で大活躍して時代の寵児を持てはやされつつ奢りつつ、それでもJリーグで活躍を見せていた中でスペインリーグへの移籍話が持ち上がったもののチームの事情からか話が費えた辺りからだったか。モチベーションの低下に加えて怪我もあり、変幻自在のドリブルに冴えがなくなり得点に絡む場面も少なくなってリーグの第一線から姿を消してからおよそ5、6年。その間も現役として国内のチームから韓国のチームから、渡り歩いてプレーを続けていたもののここに来て所属するチームがなくなっていた前園真聖選手が遂に引退を表明した。

 往事のあの人気ぶりと、それに比例する活躍ぶりを知る身としてはいったいどこでどーなってしまったのかがひとつの謎。同じようにアトランタ五輪からフランスのワールドカップへと至る道をトップで歩むことを期待されながらも、五輪合宿の途中で靱帯断裂という激しい怪我に見舞われ五輪どころかリーグトップのプレーヤーとしての地位も失ってしまった小倉隆史選手だったら事情は分かる。いやあんまり分かりたくはないけれど諦めるしかないと思える。けれども前園選手の場合、そうした明確な理由がどうしても思い浮かばない。97年に移籍した当時のヴェルディ川崎でもまあそれなりの存在だったよーに記憶しているけれど、翌年にブラジルのサントスへと行きゴイアスへと移った辺りで評判をとんと聞かなくなり、代表入りという話もまるで起こらなくなった。

 どうしてこんな風になってしまったんだろう? もしも前園選手健在ならば1998年のワールドカップでは中田英寿選手を脇に従えトップに城彰二選手を置いて変幻自在の攻撃ぶりを見せてくれていたかもしれない。あの悲劇がなければ城選手の横にはレフティ・モンスターの小倉選手もいて怒濤の攻撃でもってアジア予選を真っ先に勝ち上がり、フランスの地でも大躍進を見せてくれていたかもしれない。けれども現実は、アトランタの地より戻って第一線で活躍している人たちの列に前園選手の名はなく小倉選手も城選手もJ2の所属。代わって伊東輝悦選手に松田直樹選手に服部年宏選手に遠藤彰弘選手が代表でもチームでも柱となり、当時から目立っていた選手では川口能活選手のみが今もなおトッププレーヤーとして新聞の1面を飾りうる存在感を見せている。

 中田選手? 前園選手が豪快にラーメンをかっ喰らう横で、飛行機から飛び降りたパラシュートが木にひっかかってあたふたしていたなあ。つまりはそういう力関係で周囲もそれを納得するくらいの実力が前園選手にはあったんだけど、それがどこでどうしてしまっったのか。彼に何が起こったか。それを解明することは、磯貝洋光選手やら石塚啓次選手やら山田隆裕選手やら、湯浅健二さんが”才能の墓場”と呼ぶ場所へと入り込んでしまった選手たちが日本の中盤に多く出る状況を未然に防ぎ、より強い代表を作り上げる上で重要なことなんじゃなかろーか。もっとも今は才能があっても代表に呼ばれないため奢り才能を怠惰の脂肪で覆う心配がないんだけど。それはそれで困ったことで。ともあれお疲れさまでした。次はやっぱりメロンパン? それともブティック? でもやっぱりピッチの上での復活なんかを密かに期待、しちゃいます。

 今描くとククルカンちゃんもレヴィみたいに口が悪くなってしまうのだなあ広江礼威さん。11年ぶりに復刊とかゆー「翡翠峡奇譚1」(小学館、533円)は中米メキシコの遺跡から蘇った神様な美少女をめぐって起こるナチスドイツと日本人研究者との争いを描いたバトルアクションなんだけど、楚々として純真で慕ってくれる民のために力を震って戦ったククルカンちゃんが、11年後の広江さんの筆では自分がヒロインなのに平野耕太さんももっちーさんもゲストイラストに自分を描いてくれなかっっと落ち込み、ゲストが好んで描いたナチスドイツに雇われた魔術師のグルマルキンとグーで殴り合い相打ちになって血の海に沈むハードボイルドな性格になっている。いったいこの11年間に何があったんだろー。凍結された恨みか。それとも描き手自身の心境の変化か。殺伐として豪快な「ブラック・ラグーン」を描いていればやっぱりそーなー。ともあれ再刊おめでとう。2巻の刊行も楽しみ……って「未完の初期作品」なのか? いっそ今の絵柄で続きを描いてくれたら嬉しいのに。でもそれだとやっぱり拳でどつきい……。想い出は美しいままで留めておこう。

 見事な完結と読んで讃えよう。桜坂洋さんのデビュー作で出世作で傑作な「よくわかる現代魔法」シリーズの第一部完となる「よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた」(集英社、514円)が満を持していよいよ登場。その冒頭でのやりとりから「現代魔法がでーるーぞー」「こいつはどえらいライトノベル」「のめりこめる!」「のめりこめる!」「のめりこめる!」「のめりこめる!」って唄が頭をよぎりだす。「母ちゃんたちにも内緒だぞ」ってセリフをつぶやいた坂崎嘉穂への突っ込みはこれで良いのかな。まあそれはそれとして前巻の終わりで六本木ヒルズを舞台に退治した現代魔法の姉原美鎖と古典魔法の一ノ瀬弓子クリスティーナの戦いに決着がつき、そして最後のバトルが始まって森下こよみも嘉穂も姉原聡史郎も巻き込んでいく。

 美鎖がどーなっていて弓子がどーなっているかは読んでのお楽しみ。1巻か繰り返し描いてきたジギタリスが残した「魔女のライブラリ」の奪い合いの果てに、とんでもない事態が起こってそれは美鎖が最初から見込んでいたもので、その解決のために”たったひとつの冴えたやりかた”を通そうとしたところに1つじゃない冴えたやりかたが起こり、読み終えて心地よい気分にさせてくれるたところがとっても嬉しい。単なるお騒がせ屋のこよみにはちゃんと役割があって、美鎖が使う魔法を魔法と認めない現実主義者の聡史郎にもしっかり役割があってそれらが果たされ物語が収束した果てに、古いか新しいかではなく正しいか間違っているかでもなく、どちらも包含して共に尊び認め合うことこそが未来を拓くのだってメッセージが浮かび上がってくる。素晴らしい。ひとまず1部完って感じだけどこれほどの人気シリーズになった「現代魔法」がそのままフェードアウトとなることはなさそーなんで、外伝になるか続編になるかは知らないけれど再会の時が来ることを心から期してその時を待とう。


【5月18日】 ってんで「双恋オルタナティブ」に登場の双子は巫女で田舎の祭りで儀式として婚礼をあげる必要があって、相手にその昔慰めてくれた双葉恋太郎を誘ったもののくっついてきた沙羅と双樹に遠慮して婚礼の相手を辞退する。うーん真っ当。沙羅と双樹が「時間がない」と言い出して得体の知れない言動を取り始め、露天風呂で恋太郎に裸で抱きつく羨ましい行動も取ったりしながらもどこかへと向かい旅立つよーな雰囲気を匂わせ次週へと続く。第1話の元気の良さがだんだんと下がって鬱な展開になっていくのは寂しいけれどこれはこれで揺れる心の機微を描いてなかなかなもの。とはいえやはり最後には派手に華やかにハッピーエンドに終わって欲しい。さてどうなるか? ここまで来れば付き合おう最後まで。

 ミスター念力はお怒りだ。任天堂が「E3」に合わせて発表してきた「ゲームボーイアドバンス」のソフトが遊べる超小型の携帯型ゲーム機の名前が外電だとことごとく「ゲームボーイ・マイクロ」になっているけど任天堂のオフィシャルページを見ると「ゲームボーイ・ミクロ」が正解。たとえ外国人が正しい発音でもって「マァァイクゥロォゥ!」って発音したって日本人的にはミクロが正解。「ミクロマン」は「マイクロマン」じゃなく「ミクロイドS」も「マイクロイドエス」じゃない。「ミクロの決死圏」は決して「マイクロの決死圏」ではないし、「ミクロ決死隊」だって「マイクロ決死隊」なんかじゃない。そんなバタナイズされた集団に属した覚えなどないとミスター念力、今頃「マイクロ」と原稿を送った外国の通信社とか、外国に派遣されている特派員の脳に向かって怒りの念力を送っているだろーからそう書いた皆様は頭上から物が落ちてこないかを注意して歩こう。ねんりきー。

 でもって家庭用ゲーム機「レボリューション」は形こそ明らかになったものの内容はまるで分からず。とりわけ肝となるコントローラー部分が写真には写って織らず「ニンテンドーDS」なんかで見せた「新しい遊び」って奴が「レボリューション」ではどーなるのかがまるで分からず判断に迷うすっげえ処理性能のCPUを積んでてすっげえ描画能力のグラフィックスチップを積んでてソフトがダウンロード配信されDVDも見られるってだけだとマイクロソフトの「Xbox360」とかソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション3」とそれほど違わない。それどころかベースとして遊べる過去の資産の部分で「プレステーション3」に負けてしまう可能性もある。今さら「ファミコン」「スーファミ」が遊べたってねえ。それはそれで楽しいんだけど。「メタルスレイダーグローリー」とか遊べるんなら。遊べるの? だったら「たけしの挑戦状」は?

 まあ想像するなら真似される可能性なんかも想定しつつコントローラー部分は見せずに発売をお楽しみにってやったんだと想うけど、今年の末には「Xbox360」が出てDVDも見られるすっげえゲーム機で値段は不明ながらも3万円くらい? そんな程度で投入されて来たとしたら日本はともかくアメリカ人はそっちへとぐっとなびきそう。何やらごでごてと機能がついてシンプルさが失われてしまった観のある「プレステーション3」は値段もそれなりにして来そーで、昔買った「PS2」がそろそろってユーザーがちょい背伸びしして買うマシンとなってしまいそー。よほど付帯のサービスに力が入ってて最新の映画が家でも見られます、リアプロジェクションTVに映しだしてみんなで楽しめますってなことになれば買う人もいるかもしれないけれど、それも狭い日本では期待できそーもない。もしかするとSCEI、とんでもない分水嶺に今、立たされていたりするのかもしれない。

 そんな2つの山をさらに超えてたどり着かなくてはいけなさそーな「レボリューション」の発売をユーザーが果たして待ってくれるのか。待っても良いと想わせるだけの材料は何か出てくるのか。今は5月で「Xbox360」が出るまでに半年はあるんでその間にいろいろと情報を見せて興味を引きつけ「PS3」が出る来春を前にさらに凄い情報ものぞかせ、新しいゲーム機はこっちをどうぞって気にさせよーとするんだろー。それもまたキツいところだけど天下のSCEIが満を持して投入した「プレイステーションポータブル」を相手に互す戦いを「ニンテンドーDS」で見せた任天堂だけに、マーケティングでもプロモーションでもそれなりの勢いがあるものを見せてくれるんだと期待しておこー。でないとただの縦置きDVDプレーヤーだからね。「PS2」よりも分厚い。

 既視感。だけど何とは挙げられない感じ。真梨幸子さんって人の「孤虫症」(講談社、1600円)は夫と娘に隠れて不倫をしていた主婦の相手の男たちが体中にコブをつくって相次ぎ怪死。でもって自分も腹痛とかゆみに悩まされていて精神的にも不安に追いつめられていて、そして娘が友達からからわかわれ逃げ出した先で事故死したって連絡を受けたことで完全に壊れてしまったよーで夫が娘を引き取りにいっているうちに失踪してしまう。

 主婦の妹はロックバンドの中心メンバーと付き合い結婚もしているけれど相手は彼女の目の前でグルーピーと寝る暮らし。そんな生活をしていた彼女のところに姉が失踪し、姪が死んだ話しが義兄から伝えられ、そこで義兄と姉が住んでいたマンションともつながりができて何度か出入りするうちに、周囲で発生していた奇病の話を耳にする。孤虫症。寄生虫の一種だけれど宿主の中で大量繁殖をして宿主を殺してしまうあたりが奇妙な寄生虫。そんあ気色の悪い存在が情報として差し込まれる中で、以前におこった奇怪な事件と今起こっている出来事とがつながりその中に主婦の妹も巻き込まれている。

 大流行する奇病に倒れていく人々、ってんなら「ホットゾーン」あたりが代表例になるのかな。そんな設定の上に主婦が不倫をした挙げ句に失踪する物語、主婦の妹が夫の乱交ぶりに悩む物語、大昔におこった事件が明るみに出る物語と異なる3つの物語がそれぞれに屹立しつつ微妙な関係を持って描かれていて、1本筋が通った物語を読んだとゆー気にさせてはくれない。せめて最初に出てきた主婦に視点が絞られていたら、あるいはその妹の視点だけになっていたら分かりやすかったかもしれないけれど、それはそれとして浮かび上がる我が身の可愛さに溺れ嫉妬に燃える女たちの凄まじさはなかなかの迫力。寄生虫が蔓延する裏にそんな女たちの燃えて狂った振る舞いがあったのだってことを伝える物語として、読んでおけばなるほどそれなりに楽しめそう。メフィスト賞にしては普通な感じ。江戸川乱歩賞だったらどうだったか知りたいところ。


【5月17日】 仲むつまじければそれだけ強いってのは「バロム1」の時代からのお約束。だったはずなのにそーしたお約束を裏返しひっくり返しては彼方へと蹴飛ばし続けている「創聖のアクエリオン」がまたしてもやらかしてくれました。敵の作戦で3人のパイロットが仲違いをされられ本当だったら合体なんてできやしないはずなのに、ここで登場の不動GEN司令曰く「嫉妬はエネルギーだ」ってことで憎しみ合う感情をパワーにかえてシリウスにアポロにシルヴィアの3人は見事アクエリオンとなって敵を討ち果たすのであった。

 途中で筋子こと麗華が心の矢を飛ばして嫉妬に燃え狂うシリウスを諫めようとしたけれど、これも普通だったらそこで我を取り戻すところをまるできかないよーにして、展開に意外性を持たせて驚かせる。それでいてマイナーに逃げるとこなくきっちりと熱血で決めてみせるあたりが河森正治監督のエンターテインメントを志向するよーになった感情の発露って奴か。とはいえお話自体は訓練に試練といったものの繰り返しで大きく進まず毎週同じ事をバリエーションを変えて繰り返しているだけって感じも。ここでシリウスが敵に寝返るなり、眼鏡っ娘の本格的な活躍なりを見せて新鮮味を与えて欲しいもの。見たいぞ眼鏡っ娘の「きもちいいーーーっ」。眼鏡男はどーでもいい。

 三浦しをんさんの「私が語りはじめた彼は」(新潮社、1500円)が候補になってた山本周五郎賞が発表ってことで予測。ファンとして三浦さんの受賞を期待したくはなるものの、過去に数多くの候補経験を持つ伊坂幸太郎さんがこの辺りで受賞して山周賞の先見性の高さをアピールするのに貢献するんじゃないかって思惑もありそーで本命はややそちら。あと荻原浩さんが「本屋大賞」の候補になったりして知名度も上がって来ていることだし、直木賞の奥田英朗さん的な位置で山周賞を取っても不思議はないと想像して有力候補へと入れる。

 3月にインタビューした垣根涼介さんは「君たちに明日はない」(新潮社、1500円)が面白いことは面白いものの過去に刊行された垣根さんの作品とは風合いが違い過ぎることもあって、これで受賞させるより垣根さんらしい話の方が良いんじゃない? って展開になるんじゃないかと想像して外しておき、島本理生さんと三浦さんで山周賞の”綿金”になるかもなんて予想も立てつつ待って夕方に知った結果にやや意外。作品の評価とは別に文学賞の性格として難しいと想ってた垣根さんが荻原さんとダブル受賞で中年世代の読者に売れる作家が揃って中年世代としては嬉しく想いつつもどーして伊坂さんが取れないのか、一時の東野圭吾さん状態に陥りつつあるのかって心配も浮かぶ。

 伊坂さんにてついてはだから7月の直木賞でどんな扱いになるのかにしばし注目。三浦さんは作品としての広がりが感じられた「むかしのはなし」(幻冬舎、1500円)が候補になって受賞を果たせば一気にスーパーメジャーへの道も駆け上がるかも。けどそれだとやっぱり伊坂さんと戦うことになるのか。それはそれで厳しいなあ。三島由紀夫賞は経験で鹿島田真希さんがそろそろって想いもあったし三崎亜紀さんの「となり町戦争」(集英社、1400円)を選考委員の筒井康隆さんがどう論評するかも興味があったけど、ここはやっぱり鹿島田さんへの贈賞ってことでおちついたみたい。順当? あとは筒井さんの「となり町」評を楽しみに選評が載る雑誌を買おう。

 「プレイステーション3」が発表。形がフォルクスワーゲンのゴルフ1がゴルフ3くらいに飛んだ感じってゆーか「PS2」の基本的な形状(小さい箱の上に広い板が乗ってる風)をそのまま維持しつつも角を取り、丸みをつけt”スタイリッシュ”っぽさを出したってだけで初代の「プレイステーション」に見て感じたよーな感慨がまるで浮かばない。「PS2」にしてからが決してプロダクトして美しくないって想っていただけにその延長にしか見えない「PS3」はさらに愛でる気も失せそー。とはいえプロトタイプってことなんで完成までには変えてきてくれることを期待。けどコンパクトフラッシュとSDとメモリースティックが使えるスロットが付いてるってそりゃどこの写真プリント端末だ? 底までユーザーに媚びなきゃゲーム機って生き残れないのかねえ。格好悪っ!


【5月16日】 めがろめがろと「こいこい7」を見てたら眼帯美少女が登場してた。呂蒙子明? いや綾波じゃあちょい当たり前過ぎるんで。お話はなぜか女装する羽目となった哲郎にお嬢様が惚れて繰り広げられる「マリみて」空間。文庫の冒頭とかのモノローグをまるまる引用してあったりで、原点を知っていればまあ笑えるけれど知らないと唐突過ぎるって当たりは1話の「ガンダム」ネタと同様。作り手側の甘えも好い加減にしろって思えて来るけどそんなことを言っても今時のパロディに引用に再構成の全盛な世の中では詮無いなあ。この春最大の話題作だって引用多々あるし。

 まるで「バーチャルボーイ」もどきな任天堂の次世代ゲーム機のニセ情報なんぞを吟味しつつ頂戴した「闘うイラストストーリー・ノベルスマガジン ファウスト Vol,5」をペラペラとめくっていたら1年経った。いやそれくらに分厚くって机の上に立てたら他って1万冊買い集めて「ファウスト」で挑むドミノ倒しの世界記録に挑みたくなる。んでもって「ファウスト」ドミノのせかい記録って何冊だ? 表紙はウエダハジメさんでポップにキュートなんだけどこの表紙を遠目に見てこの号が「上遠野浩平特集」だと気づく人のどれだけいるんだろーか。もちろん表紙は表紙で特集は特殊ってのがポリシーだし、ウエダハジメさんの絵が上遠野さんとリンクしないとも限らないけど読者ってそこまで自在じゃないからなあ。かといって緒方剛志さんも中澤一登さんも引っ張ってこないところが太田克史編集長、トんでますイってます。

 その上遠野さんは西尾維新さん北山猛邦さんを交えた対談とそして「波状言論」に掲載された東浩紀さん佐藤心さんによるインタビューを掲載。さらに佐藤俊樹さん元長柾木さん西島大介さんによる評論でもって上遠野浩とは何物かを論じていてなおかつ、ある不思議なカップルを夫側と妻側からそれぞれの事情を抱えて生きている様を描いて重ね合わせて楽しめる小説されているといった具合に上遠野づくしの内容は、「電撃」の枠組みを越えてブギーポップのシリーズが染み出始めた現れとファンを喜ばせ出版社を不思議がらせそー。それのしても心臓がすぐに止まる内気な少女って「エクセルサーガ」のハイアットちゃんみたい。強さだったらハイアットちゃんの方が上だけど。だって死なないし。

 西尾さん北山さんを交えた座談に掲載されている上遠野さんの写真の人相の悪さが最高。わざとにしてもこーゆー顔を作り載せるのを認める上遠野さんのある意味でほセルフプロデュースがしっかりしている様って奴なのか。「ファウスト Vol.4」はあと「クイック・ジャパン」初代編集長だった赤田祐一さんへのインタビューが珠玉の逸品。どれほどまでに雑誌に心を配って作ってきた勝ってことが語られそれを今必死に雑誌を作って世にあれこれ問おうとしている「ファウスト」が文字にしている状況は、老舗の権威主義的な出版が行き詰まりかけている中で差す一筋の光明なのか。それともこれを堺に消えゆくことへのレクイエムなのか。すべては「ファウスト」の売れ行きにかかっている。

 だったら大丈夫。滝本竜彦さんによる悩み相談コーナーは彼女が出来やがってこのヤロウ、俺も彼女作るぜベイベーってな男の子からの相談に滝本さんが、とゆーかアスカを使って答えていてなかなかに真理を衝いた言葉に泣ける。これを読めば頑張ってみようって気に……なれたら相談なんかせず今頃3人の子供に囲まれ幸せな日々を送ってる。相変わらずダラダラとした日常を滝本さん、送ってます。

 もっともそんな相談事よりも、彼女が出来たらしー滝本さんが今、彼女とどーゆー風に接しているかが描かれそのバイオレンスでワイルドでヒステリックでグラマラスな日々に羨望も募る。けどそーした日々が本当にあったかまでは不明。頓狂で主張するところはしっかりと主張する彼女に振り回されているよーで、実はお互いの内心の奥深い所で通じるものがあって、最後に2人、いっしょに帰っていくシーンにはホッとさせられる。喧嘩しているよーで実は中の良い夫婦、ってのが今し方のトレンドって奴か。


【5月15日】 タレ目で長身でもなくって性格はガサツで昼間からファミレスでビールを浴びるスーパーなモデルっているんだろうか? って謎はさておき「交響詩篇エウレカセブン」はタルホさん大暴れのエピソード。高Gで運動する「ニルヴァーシュ」に酔って吐いてガキどもから小馬鹿にされてひとり落ち込みつつも純愛ポエムを口ずさむレントンに忍び寄る魔女の気配。そのすべてを聞きつけ高笑いしながらいいふらすと月光号の艦内を闊歩する姿は、「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版でミサトさんがジオフロントにあるネルフの基地の廊下を闊歩する姿を真正面だか真後ろだかから捉えて描いた場面を思い出す。

 つまりはやっぱりどーしても比べられてしまうってことだけど放映されてそろそろ10年になる「エヴァ」でミサトさんを見てトキメいた14歳くらいの少年は20歳を過ぎて就職をして忙しさにアニメなんか見られなくなっている世代。逆に今が14歳のまっただなかにいる少年は「エヴァ」全盛の当時は小学校に入るか入らないかって世代で当然ンして「エヴァ」を見て「死海文書が」「綾波が」なんてやってなんかいない。やっていたらそれはそれで末恐ろしいけど。

 18歳くらになってる人だって8歳9歳だから状況は同様。30過ぎてアニメから離れられず見続けている大人が「ミサトそっくり」とか言ってオリジナリティ云々を言っても作り手の方々は気にせず2005年の「タルホ」を造型してはそのガサツでエロい姿でいたいけな少年たちを虜にさせ、お姉さま萌えな属性を刻み込んでは10年の後に叱ってくれる30前後の先輩OL(眼鏡の有無は問わない)が、仕事の合間に魅せるだらしない姿に心奪われ恋いこがれるよーなツバメたちを量産してやって下さいな。今20歳前後の女子はだから10年後もモテモテ。

 半分だけ見た「おねがいマイメロディ」は依然快調なよーで何より。絵から出てきた先輩風の王子様を見てそのエグさに気づかずむしろ目を輝かせる2人が絵の問題を指摘されるのも仕方がない。それにしてもあの「乙女が描く王子様」絵を作画しあまつさえ動かした人は誰なんだろう? それはとてつもなく大変な作業だったに違いない。中学生の頃の乙女心を発掘してから原画の用紙に向かわなくっちゃいけないから。次回はかわいい物嫌いの関西ねえちゃんが主役の軽輩。予告では乙女な格好をしていてそこにどんなドラマがあったのかを期待させます。必見。

秋葉原には御輿が似合う、のか? メイド御輿とかコスプレ御輿とかあればアキバっぽいのになあ  稲城に日テレ・ベレーザを見に行こうと出て見上げた空は黒くて雨の気配。諦めて神保町に出て原稿を仕上げた後、秋葉原へと回って「ヤマギワ」で「プラスマイナスゼロ」の商品を観察。時期が時期だけにマスターピースな加湿器が見あたらずあるいはもしかして品切れとなってこの後ずっと生産されず、そのままマボロシの逸品となってしまう可能性に明日は青山にある専門ショップへと出向いて調べて来ようと決意。けどまたあったっけ、例の店。

 その足で中央通りへと出て真っ盛りな「神田祭り」を見物。古くからある電気店の向こうにガラスのビルがそびえる手前をハッピ姿の男達女達に引かれかつがれた御輿が行く光景の、瞬間に凍結された時間を見てこれがニッポンと感慨に浸る。たとえガラスの巨大なビルが30年経ち薄汚れて来ても、その下を御輿は引かれ通りを練り行くのだ。3年5年の変貌など難だというのだ? オタクが街を作った? 縷々変転の瞬間を主と誇って悦にいるより未来、受け継がれるべき何物かになる道を探るべし。

 某作家の某新作をゲラで読んだら某作家に得意な殺伐として乾いた笑いの世界とはまるで違ったストレートに熱情が沸き立っている物語で驚き。夢の世界がファンタジックで人はそこで冒険やら何やらを繰り広げていて目覚めればただの学生ってゆー、2つの世界でさまざまなことを経験しながら成長していくって聞けばよくある物語だけど、夢の世界でのキャラクターはリセットがきかず死ねばそれまで。もちろん現実世界には無関係だけど夢の世界でしか味わえない幸福を感じていた人にはある意味、現実世界の死よりもつらい意味を持つ。

 そして夢の世界でいったんなったキャラクターは変更がきかず怪物系になれば死ぬまでそのまま。大半が人間系のキャラの中で怪物系は忌み嫌われ狩られる運命にある。そんな差別の問題についても触れつつ夢の世界であってもそこでの経験は仮想ではなく心に刻まれ積み重なっていくんだってゆー主張もあって、夢にただ逃げ込むだけの考え方に釘を刺す。とりあえず1人が改心をし、1人が目覚め1人が絶望を味わいつつも希望を与えられたりしてオチはついているけど、夢の世界が何でそこが「クリア」されると何が起こるのか? っていった部分についてが不明。なくても読めるけどここはやっぱり続きを描き魔王と勇者の戦いの果て、世界がクリアされる様を見せて頂きたいもの。某作家にとってもファンタジックな物語にとっても新しい扉を開くシリーズになるしなって欲しいもの。期待してます某出版社。


【5月14日】 「タカラ」ブランドの消滅が実質的に決定しかかっている状況に、何を成すべきかを考えて真っ先に浮かんだのが、深澤直人デザインによる「プラスマイナスゼロ」の加湿器を買っておくかってこと。火鉢を小さくしたような形状と淡く光沢のあるブルーグリーンの色調は、現時点においてデザイン家電の日本におけるマスターピースと言えるもの。おそらくは将来においてもこれだけのものが出てくるとは思えず、勝っておけば柳宗理デザインによるバタフライチェアーと同様に、あるいはそれ以上の価値を持って取り引きされることだってあるかも。

 「プラスマイナスゼロ」ではあと、あとブラウン管型の液晶テレビって奴もデザイン的に素晴らしいンだけど値段が15万円とかするのが難。買えそうなところではグリップのところにくぼみがついてて買い物袋を引っかけられるよーになった傘とか、握りでのある懐中電灯あたりがお買い求め易くてデザインも上々。だけど深澤さんらしさとゆーとやっぱりリモコンの形が本体とマッチしているDVDプレーヤーかなあ。これもちょっと高いんだ。色と手触りがとてつもなく素晴らしいMDプレーヤで我慢するか。表参道の店に仕入れに行こうっと、潰されないうちに。それともこれはこれで続ける考えなんだろーか。

 深澤さん関連以外ではワコーから出ている「サンクステイル」が是非にも欲しいところ。自動車につける尻尾って商品だけどデザインしているのがあの「ポストペット」「ジェットボード」の八谷和彦さんってのが大きい。今はまだ目立たないけどいずれ大きく世界のアートシーンに名を残す人。その人がデザインを手がけて発売されたマスプロダクツであると同時にコミュニケーションをてーまんしたアート作品ってゆー性格の商品は、村上隆さんが手がけた食玩とかウォーホルが手がけたキャンベル缶、は違うか、だったら北斎の浮世絵に並ぶ値打ち物として100年後の世界に輝くはず。「オートバックス」あたりを探せばあるのかな。これも近い打ちに仕入れて実家の倉庫に封印だ。

 昨日の今日でどんよりと薄ら寒い朝を無理にも叱咤して「デザインフェスタ」へと出向く。これでもー何回目なんだろー。開場も西館では手狭になったのか東館へと移って片側のホールをぶちぬく規模で多分初開催。広くなった空間をそれでもびっしりとアートにファッションにホビーにパフォーマンスといったブースが埋め尽くしていて、そんな間を老若男女が歩き商品を見たり買ったりする光景に「デザインフェスタ」もすっかり春と秋の「東京ビッグサイト」の風物詩になったなあと感慨に浸る。って別になんにもしてないけど。記事にはしたけど読まれてねえし。

 毎度おなじみのTシャツ屋さんの「ちくわぶ」は新作があるにはあったけどエスプリをきかせたシリーズではなくって今回はパス。赤兎馬って三国志をテーマにしたTシャツなんかを販売しているブースで去年の夏に続いて今年は「黄巾賊」って黄色地に黒で染め抜かれたバンダナを購入する。ジェフユナイテッド市原・千葉の応援に持っていって被ろう。ほかあれやこれやと見物してちょっぴり美麗な絵を描くアートな人のポストカードを何種類か購入。武者の鎧を着た西洋風の細面の美少女が描かれた絵は美少女の可憐さと構成の巧みさ、絵の巧さでなかなか目を惹く。「GEISAI」にも出ていたソーダけど記憶にないなあ。他にどんんあ仕事をしているのか調べてみようっと。

 その「GEISAI」を主宰する村上隆さんが「デザインフェスタ」の会場を歩いている姿を発見。「敵情視察?」って勘ぐってしまったけど別にそーした対抗意識で「GEISAI」をやっている訳じゃなくって、「デザインフェスタ」はそれとして価値を認めつつ、一方で「村上隆」ってゆーメディアを通して世間とコネクションを持ち世界にも開いているアーティストを踏み台に、世界に羽ばたいてもらいたいって親心からやってるイベントが多分「GEISAI」。それが目当てでないなら別にどっちに出たって良い訳で、そんな人の中にも優れたキャリアを持つ人を見つけて自分の刺激にしたいって、考えからの来臨とここは解釈しておこー。けどどー思ったんだろー、東館で1つのホールを使ってやってる「GEISAI」の熱と、3つのホールを埋める「デザインフェスタ」の賑わいの差を。

 「VELOCE」でちょい仕事をしてから電車で蘇我を経由して五井へと向かい「市原臨海競技場」で「ジェフユナイテッド市原・千葉vsFC東京」の試合を観戦。寒い。とてつもなく寒い。まるで3月の開幕戦前後のよーな寒さに身も凍えたけれど我慢して観戦しただけの価値のある、熱く激しい試合が見られて中断するJリーグの最後に幸せな気分を味わえた。行ってよかった。とにかく相手もこっちもサイドがよく走るしよく動く。東京は今野選手が左サイドバックに入ってそこを縦に突破し中に切れ込む自在ぶり。右サイドでは石川選手がスピードスターぶりを発揮していて危険極まりないけれど、そこは中央で構えるストヤノフ選手が危ないボールのことごとくをはねかえし、スライディングではじき飛ばして相手にチャンスを与えない。

 ジェフはと言えば右サイドの水野選手に左サイドの坂本選手が走り前をハース選手がよぎって巻選手が中央へと突っ込む波状攻撃。阿部選手は左右に走り回って攻撃に守備に活躍し、その前後で佐藤選手がチャンスを作る中から前半に2得点が生まれ後半も幾度となくチャンスを作ってほとんど完璧な戦いぶりで勝利を得る。最後にFC東京に1点を取られたのは余計だったけど勝ったからまあいいや。ジェフが勝った試合を目の当たりにしたのって何時以来なんだろう? 川崎では負けたし「SFセミナー」明けは同点だったし。ほんと久しぶり、ってゆーか僕が疫病神なだけ? かもね。

可愛い女の子にポカポカ殴られたいならエイミーちゃんの相手に志願せよ、アバラもっていかれたって知らないよ  見ていてハース選手は前戦で攻撃に参加すれば最後列で守備にも関わる献身ぶり。にも関わらずチャンスを伸ばすとオシム監督から指を差されて非難をされる弟子っぷりでちょっと可哀想。でもそれで強くなったって自身があるから言われても怒らず拗ねず、交代させられてもちゃんとオシム監督によって握手を交わすんだろー。良い関係。これがネルシーニョ監督とウェズレイ選手、マルケス選手にもあったなら名古屋グランパスエイトは今頃首位を走っていたのになあ。

 毎試合ごとに起用されるジェフキッズは今回は外国人のエイミーちゃんとダニエルくんの外国人系姉弟のペアが登場。とりわけエイミーちゃんのお下げの金髪が黄色いジェフのユニフォームにマッチしてとっても可愛い。けど下手に手を出しては危険。何故ってエイミーちゃん、空手を習っているそーで開場でも幾つか形を見せてくれた。これがなかなかに決まってる。パワーはそりゃないかもしれないけれど、そのスピードぶりから当たればアバラの1本2本はもっていかれることを覚悟しないといけないかも。どこの道場に通っているんだろう? いってお相手してもらいたいなあ。可愛さに眩んでいるうちに昇天させられたとしても。

 それにしても外国人系もファンになるジェフなのに、スタジアムに集まった人は今日も8000人程度とおそらくはJ1で最低。これだけの面白い試合をこれだけにしか見てもらえないのって一体どーゆー事態なんだろう? 宣伝がいけないのか地元との密着度が足りないのか。蘇我に移転したってこのままじゃあ満杯なんて遠い夢。ましてやオシム監督がいなくなった後に魅せるサッカーを続けられるかも微妙なのに。やっぱりオープニングとハーフタイムに出てくるフラッグ振りのお姉さんたちの衣装をミニにすべきだ。それだけで100には増える。焼け石に水? うーんやっぱりオシム監督に永久に面倒見てもらうしかないよ。


【5月13日】 朝から良いものを見る。アニメ版「ハチミツとクローバー」の第5話はシンミリとした前半のドタバタとちょっぴりしんみりな後半が程良く重なってスイートで酸っぱい気持ちがわき起こる。とくに前半。死んだ父親が好きだった竹本の前にあらわれたのが母親の新しい相手。死んだ父親とは違ってストレートで力強い男でそのストレートぶりが鬱屈した竹本には付き合いにくかったみたいでずっと帰らなかったけど、たまたま帰った実家で母が過労で倒れたと知って、家路を急ぐかと思ったものの側に新しい男性が付き添っているからって聞いて足が鈍る。

 父親とよく見に来た場所で佇んでいたらそこに現れたのがくだんの男性。母親から竹本はそこが好きだと聞かされて駆け付けたってことで竹本も自分の性格が見透かされていることを実感。それが母親に気苦労を与えていることもきっと知ったんだろーけど、だからといって素直になれないところが男の子。帰りの電車に見送りに来た男性の大声での誘いにもどこか微妙な表情で受け答えする前半のエピソードの、子供が親から自立することの難しさと大切さって奴を伝え切る内容はやっぱり凄い。原作にはあるエピソードなのかなあ。そこではあの漂う微妙な関係をどう絵に表現しているんだろうなあ。

 後半は一転して楽しい温泉旅行。海っぺりを走っているからてっきり海岸で山田の水着の踵落としが拝めるかと思ったけれど温泉でそれならなおのこと素晴らしい踵落としが見られるかと思ったけれどとっとと酔っぱらってしまってそーゆーシーンはなし。お風呂にはぐちゃんと一緒に行ったみたいだけどそれもなく変わって花本先生と真山の2人の上半身ヌードしか拝めなくって13日の金曜日感がぶわっと漂う。その後に泣き沈むはぐみが登場。聞くと理由は「美乳」。つまりは山田のそれは美くしいってことでなおのこと拝みたかったと激しく落ち込む。はぐみの「微乳」でもそれはそれで構わんが。来週は泣く山田のエピソード。スネオヘアーのエンディングのラストに一瞬、見せる次回予告の一言はいつもぐっと来るなあ。でもって気持ちをつなげるなあ。なおかつ次週のエピソードを完璧に捉えているなあ。巧い!

 起き出して六本木ヒルズへと行き「スバル360」の発表会。テントウ虫型のフォルムが滑らかでさすがは次世代の国民車……違う「スズキ・フロンテ360」だってそれも違う。けどやっぱり「360」と聞くとそっちが先に浮かぶんだよなー、昔乗ってたし「スバル360」。いっそこれから「スバル」と呼ぶか「Xbox360」のことを。さて登場の次世代「Xbox」こと「Xbox360」は見かけは薄くなく小さくもなく感じ的には「DELL」のパソコンの薄目の奴。「プレイステーション2」の超薄うすな奴を見た目には大きく映るけど、前の「Xbox」に比べて性能が上がって(1億ポリゴンが5億ポリゴンとか)なおかつ小さくなっているって思えばそれはそれで魅力的なのかも。

 ワイヤレスLANでつながりコントローラーもワイヤレスなのは使い勝手良さそう。デザインも日本で行ったらしくエレガントで前のパネルも自在に交換可能だそーでライフスタイルにマッチしたデザインにアレンジ出来そー。ただ使っているのはDVD−ROMって当たりから類推するに次世代とはいっても次元が変わるほどの進歩はなくってCPUの高性能化とメモリーの大容量化でもってエンジンの排気量を上げてスピードの出るクルマに仕立てあげたバージョン1・5って感じ。出てくるソフトも「Xbox」で見た圧倒感をさほど超えているとは思えず、そーした部分をアピールするだけではゲームマニアの気持ちはちょっと掴めなさそー。

 とはいえ年末に確実に出るタイミングは「PS2」の乗り換えユーザーを獲得しそー。未定ながらも「Xbox」のソフトも使えるよーになればそれは米国なんかでは大きなアドバンテージになる。4年近く経って古ぼけてきた「Xbox」の買い換え需要も集めそうで一時だったら「PS2」の上を行くセールスも期待出来そう。あるいはしばらく。それともずっと? 対する「PS3」が使うメディアのブルーレイとHDDVDの規格統合問題でもってどーなるのか見えないこともあって、ひょっとするとマイクロソフト、念願の家庭用ゲーム機シェアトップの座を10年を経ずして掴んでしまうかも。「勝つまでやる」ってマイクロソフトの人が言ってた言葉が本当になるのかなあ。あの体力はやっぱりズルいよなあ。

 こりゃねえだろうと思っておそらくはツマらない会議をぶっ飛ばして逃げようと地下鉄に乗ったら会見があるってんでロイヤルパークホテルへと駆け付ける。かつてバンダイがセガとの合併を解消する会見を行ったホテルで時間もちょうど同じくらいと縁起の悪さはチョモランマ級。加えて13日の金曜日とゆー縁起の悪さも重なって、トミーとタカラの合併の筋の悪さを側面から支援している感じが泣きにしもあらずだけど、そこは登壇した富山勘太郎・トミー社長も佐藤慶太・タカラ会長も嫌な顔は見せずに登壇しては合併によって得られるビジョンを語る。つまりはどちらも柱となる商品を持っていてそれがいっしょになることで強くなれるといったこと。あとインデックスが出資する戦略子会社を通してメディアミックスも展開が容易になるってこと。

 なるほどそういう側面はないわけじゃない。けれどもそれには合併させて柱をより分けた上でその周辺にある今は有象無象な、けれども育てれば育つかもしれない”芽”を削り落とす必要がある。ナムコとバンダイの経営統合がいきなりトップスピードで二人三脚をスタートできるのと比べると、まずは後ろ向きに交代してからの二人三脚になる訳で追いつく以前にいろいろと困ったことも起こりそう。何より13日の金曜日の夜中に晴れがましいはずの合併会見を発表しなくてはならなかった慌ただしさが、省みて社員の反発なりまとまらない部分の調整といったとてつもなく高い壁の存在を伺わせる。

 いみじくも記者発表では富山社長が「熱くなったり醒めたりしながら話し合って決めたこと。今また何かを考えると熱くなるかもしれないんで蒸し返さないでください」と言ったその言葉が、存在する難問の山積み状態なことを証明している。それほど難問を積み残してまでどーして合併を急ぐのか。タカラにとってはトミーのほとんど10分の1とゆー評価の合併に、そして日本名は「タカラトミー」でも海外名は「トミー」と名実ともに吸収合併でしかない合併にゴーサインを出すのか。玩具はトミーの富山社長が管掌してタカラの佐藤会長はどちらかといえばメディアミックスなり周辺事業なりを管掌させられる人事を呑んでまで合併に踏み込むのか。

 会見を聞く限りはタカラが持ちかけトミーも請けた感じのところがあるけれど、財務状況の悪かったタカラがインデックス傘下に入った時点でインデックス側ではトミーとの合併話を聞いてはいなかったとか。つまりはインデックス的には財務状況が悪くてもタカラが持つプロパティを活かし、代表取締役に12日付けで復帰した佐藤会長のリーダーシップも加えて再建が可能と踏んでいたって可能性がある。それが買収後に起こったトミーとの合併話で話が一変。新会社設立のために新たな出費を強いられなおかつトミーとゆー新たなプレーヤーの参加でインデックスの完全主導といかなくなる可能性も生まれている。

 そんな状況を果たしてインデックスは望んでいたのか。それともタカラを手に入れさせ喜ばせた裏でタカラとトミーをくっつけトミーの企業価値を固めようって誰かの思惑が裏に働いていたのか。やっぱりインデックスが折角だからと合併を支援して押し進めたのか。事情は知らないけれど少なくとも難問がまだまだ山積みであることには変わりない。それをどう処理して3月1日とかゆー合併にこぎ着けるのか。それともやっぱりそれぞれの道を歩むって方向性が見えるのか。何よりどんな新しい”夢”を合併する会社が見せてくれるのか。そこんとこに注目。そして結果にも。しかし折角インデックスと一緒になったんだからタカラはブロッコリーを手放さずインデックス傘下のマッドハウスと連携させて「ギャラクシーエンジェル」のアニメをグループ全体で盛り上げて欲しいなあ。どーなるんだろ、ブロッコリー。


【5月13日】 ちょっぴり間をあけて見た「極上生徒会」はのっけから蘭堂りのの付けてる「ぷっちゃん」を縫いぐるみだと指摘し「ぷっちゃん」が喋っている悪口雑言はすべて縫いぐるみを借りて蘭堂りのが言っていることだと喝破。でもってそんな蘭堂りのの振る舞いを非難し「ぷっちゃん」を没収するってゆー、この物語を見始めた誰もが真っ先に疑問と想う事実をあからさまに指摘してしまう展開に、誰もが気づいているけど気づかないふりをし続ける馴れ合い展開を予想していた目に衝撃が走る。いつかはやるとは思っていたけどまさかこんなに早い段階で入れてしまうとは。

 まあここで縫いぐるみを腹話術という奇妙な状況への突っ込みを1度入れて、気づいているのに気づかないふりを舞台でし続ける「しむらうしろ」的な共同幻想空間を解消しつつその上で、いったん死んでいたはずなのに生き返ったって「ぷっちゃん」のことを刺して言わせ、そりゃどーゆーことだと思わせつつ指摘した生徒会長の謎めいた部分も見せて、馴れ合い空間でのぐだぐだコメディにチクッとした棘を刺して先へとつなげた展開に拍手。こっちはただのお遊びアニメで今季は「ハチミツとクローバー」に全力投入だと見えた黒田洋介さん。どっちも本気だ。

 直感から言えば筋が悪い。それはセガとバンダイが統合されるよりも筋道として予想される未来に華やかさがない。突然に巻き起こったトミーとタカラの合併話はバンダイとナムコが統合して、5000億円企業へとステップアップを果たそうとしているのを上に見つつ少子化で子供の数が減って市場がシュリンクしている実状を下に見つつ、ここでいっしょにならないと上についていけなくなるって心配を両社がしたって想像はつくし同情もできる。できるけれどもだからといって同じ業界の、それも同じような製品を作ってきたメーカーが一緒になったってリストラ合併以上の効果がすぐに生まれるとは実は思えなかったりする。

 ナムコとバンダイだったらバンダイのキャラクター展開力に玩具の開発力とナムコのロケーションやらデジタル関連の技術力やらが重なり1+1で2、とまでは行かないまでも2に近い部分を生み出すことは可能。整理して体力を増強していけば伸びるところも生まれてくる。けどタカラとトミーではどうか。なるほどタカラには「リカちゃん」があり「チョロQ」があり「トランスフォーマー」があり、トミーには「トミカ」があり「プラレール」があり「ゾイド」があって合わせればそれなりに一線級のアイテムが1つの会社で揃えられる。けどそこまで。それ以外の部分で実は2つの会社は似たような製品を作ってはしのぎを削ってきた。

 家庭用カラオケはタカラが「e−kara」を出しトミーがも同様の製品を出してがっぷり組み合った。勝利はタカラ。けどトミーがなくなったからといってタカラの「e−kara」が倍売れるかとゆーとそうはならない。トミーの分が上乗せになるとも限らない。それから植玩。タカラが「マ・メール」を出せばトミーも「マメデルモンのたまご」を出すといった具合にコンセプトでまったく同じ製品が市場で真っ向から対決している。これを合併によってどちらか1つに統一したらどうなるか。競い合うことで評判になっていた分が消えるマイナスと1つの製品に製造からPRから力を入れられるプラスを相殺しても、足して2が1・5になることはあっても2・5になることはない。

 そんな足し算引き算をやった結果残る”新会社”は単純に足して1800億、玩具だけならバンダイを抜くとか言った輝かしいものではなく、むしろ販売網を整備し流通網を統合し、生産面をいっしょにしたことで削られる社員と施設への対応にしばらくは気を取られ、且つそーした後ろ向きの作業が士気へと影響を及ぼして沈滞したムードを社内に巻き起こしやしないかって心配になる。合併が決まってバンダイはナムコのアミューズメント施設でバンダイの商品を売れないかって社員がいったとか。トミーとタカラにそんないきなりなコラボレーションは可能か? 「チョロQ」と「トミカ」はそれぞれの会社がやっているからこそ生きる商品。同じ会社でリアル系とデフォルメ系があってどちらも買う気になるのだろーか。なるのかな。自動車マニアってのは得体が知れないんで。

 共にリストラ途上かリストラ完了間もない会社で余裕に乏しいってところもマイナス点。2つが合わさって資金力が増えたらやるのはこれまで2つだった投資を1つにしぼること。でも下手なアニメでも数うち続けないと当たらないのがメディアミックスの常のところで、絞り1発を狙って失敗したらどーするんだろー。バンダイナムコの統合はお互いに余裕を持ってのことだったから持てる余裕がどちらにも回ってプラスの商材を生み出せる。トミーとタカラの場合はそれがちょっと難しい。可能性があるならタカラの親会社になりかかってるインデックスあたりの持ち出しだけどそれをしてリターンを期待出来るのか、インデックスには判断も付かないしリターンしたってしばらく先の話。生き馬の目を抜くネット企業にそんな悠長は許されない。

 あるいは集めまくった企業を整理して費用を捻出するって手なんかを取るのかもしれない。佐藤慶太社長が代表取締役に返り咲いた人事では代わってブロッコリーの木谷高明社長が取締役退任となる見通し。グループには残ってコンテンツ戦略の一翼を担うことになるんだとは思うしそれだけの価値はまだブロッコリーにはあるとは思う(萌え銘柄の筆頭だし)けど、ここ1カ月で急上昇した株価に買った時の5倍になったと思い売ってキャッシュを得ようと考えたってそれはそれで不思議はない。大望の前には些事と切って捨てるのもそれはそれであり。けど使える可能性に目をつぶりキャッシュのためにブロッコリーでも電気自動車でも家電でも、意義はある仕事を切り捨ててそれで果たして夢を生み出すことを是とする企業といえるのか。

 セガとバンダイの合併は首脳が言ったディズニー超えは大げさとしても玩具なりキャラクターとデジタルという、今回のバンダイとナムコの合併と同じ意義を持っていた。比べてトミーとバンダイの合併がどれだけの夢をそこに見出させるか? 会社が生き残るということは社員や経営者にとってとっても大事。会社を生き残らせるということは銀行にとってとてつもなく大事。けれどもそこから生み出されるだろう商品に消費者が希望を見いだせな生き残り策は果たして是とされるべきかそれとも否とされるべきか。進んでいるだろう協議がどんな形での統合へとたどり着き、結果そこからどんなビジョンが生み出されるのか、それはタカラを愛しトミーを愛した人たちに夢を与えるものなのか。そこに注申してこれからの展開を眺めていこう。誰が社長で会長だなんて主導権争いはまっぴらだ。何を作るか。それだけを言ってくれ.

 アジアチャンピオンズリーグは残っていた横浜F・マリノスも1次リーグでの敗退が確定してこれで年末の「FIFAワールドクラブチャンピオンシップ トヨタカップ2005ジャパン」に日本のチームは出場しないことが決定。日本での開催にこれでは盛り上がりよーもないんだけど逆にアジアのトップチームが見られるって考えればそれはそれで期待も持てる。できれば中東の強豪チームが来てその冴えた技を見せて欲しいんだけどあいにくと12月の開催は中東の人にはキツいかも。それはアフリカだって同様か。ともあれ1回目は無理でもせめて2回目、日本で開催される次の大会には是非に日本から出場を果たし勝ち抜き欧州トップ、南米トップのチームと公式戦を戦い勝利して欲しいもの。それがジェフユナイテッド市原・千葉か名古屋グランパスエイトで相手がレアルミランアーセナル当たりなら最高、なんだけど。見たいなあジェフvsアーセナルの知将対決。

 去年だけで下火になるかと思ったら未だに通称としてますます使われまくるよーになってる「なでしこジャパン」の新メンバーが決定。まあいつもながらなメンバーって点ではジーコジャパンと変わらないと言えないこともないけれど、そんな中にも浦和レッズレディースから得点王の安藤梢選手がレギュラー化して加わりそして同じ浦和レッズレディースで魔術的なフリーキックを見せる高橋彩子選手も参加していて、セットプレーからの得点力アップに大きな期待が持てそー。酒井與惠選手に澤穂希選手に大野忍選手と日テレ・ベレーザ陣は安泰。丸山桂里奈選手が見えないのがビジュアル面では残念だけどそれは若さで宇都木瑠美選手がカバーしてくれるってことで。21日ニュージーランド戦は西が丘にゴー。また混みそうだなあ。


【5月11日】 本はタイムマシン、開くと何十年もの時を一気に遡らせてくれる。いやしかしこの2005年になってこのま和歩、計奈恵の名前を見かけるとは。ハヤカワコミック文庫で復刊中の吾妻ひでおさんの「ななこSOS3」(ハヤカワコミック文庫、780円)の中に同人誌界について新聞部員が会話しているシーンに上がった両名。吾妻さんとはロリコン漫画の黎明期に関わり合った人たちでその後の美少女漫画ブームで活躍していたけれど、今はいったいどこで何をしているのやら。あと同じ「ななこSOS3」に「そういえば6年掛かった虚構船団がとうとう出版されたとか……どんなお話なのかしら?」ってセリフもあって懐かしい。そんな時代に連載されていたんだなあ、20年以上前なんだなあ。しかしそのシーンでコマのバックに描かれた二枚目は誰? 今これを見て筒井さんだと分かる人ってどれくらいいるの?

 オマー・シャリフじゃなくってスカールが出てるってんで超久しぶりに「グイン・サーガ」の101巻を購入。「北の豹、南の鷹」(ハヤカワ文庫JA、540円)とゆータイトルから「豹頭のグインは英雄を挫折した過去があったが、中原を疾駆する黒太子スカールの姿を見て再起を期す。赤ん坊の頃に捨てられたグインは、実はスカールと双子の兄弟だった。兄弟対決の末、イシュトバーンを討ち果たしたグインは、実の母親ではないけれどリンダを見て母さんと呼ぶ」とゆー話だと想像したけど読んでないから詳細は不明。でも耳元では水木一郎さんの唄う主題歌がしっかりと流れている。「きたのひょーおぅーーーー、みなみのーたかーーーーー」って。

 ってゆーか冒頭を読もうとしたけどリズムが合わない文章が体に入ってこない。20数巻ぶりなんでこっちが「グイン・サーガ」のリズムを忘れてしまったのか、それとも「グイン・サーガ」のリズムが変わってしまったのか。スカールの顔も最初に登場した加藤直之さんの絵とは顔が違って髯が顎からもみ上げにつながるスタイルになっててあんまりオマー・シャリフっぽくない。ってか前より若くなってるぞ。まあ物語的な時間では初登場ん時とそれほど時間も経ってないんだろーけれど、それだったらノスフェラスで放射性物質だかに触れて酷い病に冒され瀕死だった体調が、どーして直ってグインの前へと現れるまでになったのかが不明。やっぱり読むしかないのかなあ。けどいつから読んでないのか既に覚えていないんだよなあ。ナリスはまだ生きていたよなあ。

 「ハチクロ」だったっけ「エウレカセブン」だったっけ。何かを見ていると流れるCMで「ガーリガリくんガーリガリくんガーリガリくん」ってリフレインが耳に残るアイスキャンデーのCMがあって気になっていたらコナミがその「ガリガリ君」をゲームソフトの「ボクらの太陽」の最新作「新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ」に起用するってリリースが到着。そうかそんなに有名なキャラクターだったんだと驚く。「ホームランバー」よりも有名なのか。ってかこっちであんまり見ないなあ「ホームランバー」。おやっ、「名糖ホームランバー」ってのもあるぞ。本家はどっちなんだ? 教えて日曜研究家

 それはそれとしてコナミのリリースによると赤城乳業の「ガリガリ君」は”夏の定番”で子供達の間では圧倒的な人気を誇る氷菓だとか。けど太陽エネルギーでもって吸血鬼を倒す「ボク太」のジャンゴとお日様厳禁のアイスキャンデーを持つ「ガリガリ君」が一緒にいて果たして大丈夫なんだろーか。まあ「夏のそばにはガリガリ君がいる」って赤城乳業のコンセプトから「ジャンゴのそばにはガリガリ君がいたって良いんじゃない?」ってなっているっぽいんで別に構わないのかも。

 ちなみにゲーム内で「ガリガリ君」がエネルギー源としてくれるアイスキャンデーには「ガリガリ君」と同じ確立で当たりがあって出るともう1本もらえるとか。それってちょっと嬉しいかも。でも食べられないからなあ。当たりデータをROMカセットに溜めてそれをロッピーだかに差し込むなり、赤外線で店頭の端末に送るとデラデラとチケットが発券されてコンビニで「ガリガリ君」が本当にもらえるよーなキャンペーンって、やってやれそーな来もするんだけどどーなんだろー。次回では是非。どっちかってゆーと「ホームランバー」で。

 高橋裕子さんである。素晴らしいのである。誰? ってそれは三宅村立学校にこの春から赴任した教諭さんなのである。夕方のNHK首都圏ニュースに登場していたのであるが若かったのである。そりゃそうだ新任なんだから。これがなかなかにキュートなのである。なおかつ眼鏡っ娘なのである。ちょっぴり太めなのであるが気にするほどのことではない。こんな先生がいたら今だガスのたなびく日もあるらしい三宅島でも戻って高校に通いたくなる青少年が続出し、卒業しても留まって農業に漁業に就いては先生に日々の収穫を送り届けたくなるに違いない。かくして大災害で荒んだ島は蘇り潤うことになるのである。やるなあ東京都教育委員会。過疎地対策はこれで行こう。僻地医療より僻地萌え療。


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