縮刷版2005年4月上旬号


【4月10日】 きっとこれで水本選手は一生「おねしょくん」と呼ばれ続けるんだ。 ジェフユナイテッド市原・千葉と大分トリニータの試合で前半に2失点を喫した責任を取らされる形で水本選手が交代させられたことに関してオシム監督。試合後の会見で「うちは若い選手が多い若いチームなので、あのようなことが起こります。今日は寝ている子どもがおしっこを漏らしたというような感じです」なんて実に的確とゆーか分かりやすく評してる。

 聞けば厳しい言葉だけど、真正面から罵倒したり非難したりはせず、どこかユーモアの中に選手の奮起を促すよーな言葉も交えてこれからの水本選手の成長に気を配ってる。「毎回あのようなことが起こります。だから、今後も続きますし、別に彼に問題があることではないです。彼がもっとミスをする前に交代させたんです。いい意味でですよ。そんな悲惨な状況ではありません」なんてオシム監督に言われてしまっては、頑張るしかないもんなあ。頑張れば次があるってことも分かっているし。

 「チーム全体が水本選手を救ったという一面もありますよね」と聞かれた時には「そういう言い方はしなくてもいいんじゃないですか。19歳の少年一人のためにチームが動いているわけでもありませんし、その逆でもありません」と突き放すよーなことも言っているけど続けて「他の選手も同じようなミスを、するときはしますよ。チームが彼を助けるともいえますが、彼はチームの一員でチームを助けてるわけですから」とフォローして、チームのために何をすべきかって意識を喚起している。悪い時もあるけれど、それは逸れ、1度の失敗がすべてではないってことを長年の監督経験でちゃんと分かっているんだろー。森岡隆三選手や山田暢久選手を呼ばなくなった某監督とは違って。

 その某監督への決してあてこすりではないんだろーけど、ついつい比較したくなる御言葉も。体の小さい選手の多いジェフが相手に体をぶつけられるより先にボールを動かし人も動くプレーに徹しようとしていることを挙げて「それをやるしかないです。そうでないと混乱してしまいます。これは私の考えです」と言いつつ「監督によっては毎週プレースタイルを変えるような監督もいますが。でも、それを悪いとはいっていませんよ。各々の監督に自分の考えがあるわけですから」と締める。

 3バックが4バックだと大事な試合でシステムを変えてしまう某監督に聞かせてやりたい言葉だけど、それを受け止めて某監督、「選手の自主性を重んじ創造性に頼りアレックスの通訳能力に期待するスタイルを貫徹しよう」って決意しないとも限らないからなあ。それってとっても困るなあ。どーしたもんだか。しかしやっぱりオシム監督にはワールドカップ出場決定の暁には代表監督に就いて1年をみっちり鍛えて欲しいもの。あのジェフをここまで戦わせるんだから、きっとすげえチームになると思うんだがなあ。

 シグマのストロボが直ったって電話があったんで渋谷へと出向いて「ビックカメラ」で品物を受け取りパソコン売り場を歩いていると壮年の夫婦が「ゲームのできるパソコンをくれ」と店員に言っている光景に遭遇。「どんなゲームなんですか?」と聞いても判然とせずただ「インターネットでやるゲーム」「ソフトはダウンロードするものらしい」って 言っていたからおそらくは「ラグナロクオンライン」みたいなオンラインゲームのことを差していっているっぽい。けどあるいは「ファイナルファンタジー11」かもしれずそれだどパソコンに相当のスペックが要求されるから店員さんも悩みどころ。その場で電話でもして聞けばすぐに判明したんだろーけど親にそんなそぶりはなかったから、結局どんなゲームだったかは分からない。

試合には出ないけど小林弥生選手は元気にベンチでお昼寝……してる?  それにしてもパソコン選びに本人が来ず親だけが来るってゆーシチュエーションが不明。甘やかされて育ったわがまま娘で「パソコンでゲームしてぇ」って喋ったのを聞いて親ばかなばか親がすっ飛んで来たのか、それとも箱入りの引きこもり娘で部屋の中から「ゲームのできるパソコンを所望」ってメモでも差し出されたのを見て買いに来たのか。欲しがるものを買って与えたいとゆー親の心根は昔も今も変わってないけれど、どんなゲームがしたいのか、それにはどんな道具が必要なのかを親に伝えることをしない娘側と、それを娘から聞こうとしない親側の間にある種のコミュニケーション不全が垣間見え、希薄化する心や言葉のつながりを物によって埋めようとしている現代的な関係が伺えて興味深かった。そんな大げさなことじゃなく、パソコンが何をするものかよく分かってなかっただけなのかもしれないけれど。結局何を買って帰ったのかなあ。「まきがめ」?

 1階にあるゲームセンターで「パンダコパンダ」(略称パンコパ)の縫いぐるみを獲得した足で「西が丘サッカー場」へと向かいいよいよ開幕した女子サッカー「L・リーグ」の第1節「日テレ・ベレーザvs伊賀FCくノ一」の試合を見物。2000人くらいが来場してメインスタンドがほぼ埋まる盛況ぶりに、一昨年あたりのメインスタンドが埋まって2割とかそんなもんで、読売ランドの「ヴェルディグラウンド」での試合だと、せいぜい50人が集まれば関の山だった不遇な時代も時の彼方へと過ぎ去ったなあと、喜びに遠い目になる。それもこれもアウェーのメキシコでドローとなり日本で完勝して2003年のワールドカップ米国大会出場を成し遂げ、また苦手としていた北朝鮮を相手に完璧な試合運びを見せて自力で2大会ぶりにアテネ五輪出場を果たして、日本のスポーツ界に女子サッカーありと自らアピールした選手たちの頑張りによるもの。メディアも少しは力を貸したけど、素材があってこその報道であって9割9分は選手たち監督たち関係者たちの努力と奮闘が掴んだ栄冠だろー。

 ここでメディアの持ち上げに浮かれ浮き足立った挙げ句に突き落とされる心配も浮かぶけど、バブルなんてメディアの持ち上げなんか目じゃない天国から地獄の底へと突き落とされてもがきあがき、そこからはい上がってきた人たちにメディアの足元を見るよーな甘言なんか通用しない。したり顔で近寄って言っても敢えなく拒絶されるか利用されるのがオチだろーからメディアの皆様方もそーした下心からのアプローチではなく、それこそ女子サッカー100年構想を支えるくらいの覚悟でもって、今年も来年もその次の年も女子サッカーにお付き合い願えれば幸い。かくいう当方もトップチームばかりじゃなく2部のチームにも関心を向けなくっちゃ。来週は巻頭でL1がないんで埼玉第3スタジアムで「狭山vs清水第八」を見に行くか。

 試合は攻撃力に優るベレーザが後半に風上に立って果敢に華麗に攻めながらも代表選手の山岸靖代選手らを擁したくノ一のディフェンス陣に阻まれ得点できず。ゴール前でフリーに成った多分近賀ゆかり選手へと沢穂希選手から渡ったショートパスからのシュートもキーパーのナイスな守備に阻まれ得点にならず、終了間際の左サイドを抜けた大野忍選手がためて狙い澄まして入れたクロスに飛び込みジャンピングボレーした沢選手のシュートも浮きこそしなかったものの枠を外れて万事休す。ライバルのTASAKIペルーレが浦和レッドダイヤモンズ・レディースを破り新生東北電力マリーゼも丸山桂里奈選手の活躍で勝利した中で半歩、出遅れてしまう形となってしまった。

 期待の新鋭永里優季選手がいて大野忍選手がいて沢選手が入りサイドを近賀ゆかり選手に移籍の川上直子選手が破る布陣はそれだけでも威力十分なんだけど、固めてくる相手となるとやっぱり崩す動き抜ける動きかわす動きがさらに求められるのかも。そのあたりスピードもテクニックもある荒川恵理子選手の不在、ロングパスに定評の小林弥生選手の不在がやっぱり効いているのかな。両名とも会場には現れ先週に続いて見学はしていたけれど早くやっぱりピッチでその動き回る姿を見たいもの。5月には登場となるのかな。それまではゲットした「パンダコパンダ」を弥生ちゃんと名付けて我慢することにしよー。

 我らが酒井與惠選手がキャプテンマークを巻いていて名実共にチームの中心選手へとなった模様。髪型も去年までのポニーテールに加えて額の上で1房まとめる形になっててあれこれ意識しているみたい、って何を意識しているんだろ。できたのか? ベンチを温めるメンバーに今年から加わった南山千明選手が美人ってゆーよりはそのハンサムぶりでこれから注目を集めそう。涼しげな目と通った鼻筋、しゃきっとした顎のラインを持った容貌ジャニーズにいても不思議はないくらいの若武者ぶりで、西が丘のピッチから近いベンチで間近にその姿を見て、惚れたマニアも多いかも。試合にはまだ出てないからどんなプレーをするのかは不明。ただあの分厚い選手層の中から入ってきたってことは相当な選手と見て良さそー。デビューの日が待ち遠しい。


【4月9日】 企業の人事に呆れた記憶と言えば「ドリームキャスト」が話題になっていた当時、セガが「ドリームキャスト」で部品調達を失敗して供給不足の状況を引きおこしてしまった責任を、CMなんかに出て時の人だった「湯川専務」に押しつけて「湯川常務」に降格するって人事を発表した際に、看板とは言え直接生産にタッチしていない人間にありおしない責任を押しつけるような人事は、パブリックな存在であるべき企業に相応しくないものだし社員の志気にも関わると、言って罵倒したことがあったけど、自虐的なアピールでもってセガをどん底から立ち直らせようとする秋元康さんのプロモーション戦略に沿った、一種のイベントと取ってとれないこともなく、了解はできないものの理解はできる人事だった。

 だが三洋電機が今回行ったトップ人事は、そーした”笑い”の風味にすら乏しい心底呆心底嘆かわしく心底腹立たしく心底薄ら寒い人事と言っても言い足りないほどに、不可思議で不埒で不遜なものに映る。経営再建が急務だという企業であるにも関わらず、創業一族の会長が新社長に抜擢したのは息子の副社長。むろん実力があるなら誰がなろーと構わないけれど、副社長とゆー要職にあった以上はかかる状況へと会社を追い込んだ責任の一端を担っていたたことは自明。そのまま社長へと収まり果たして社員の理解を得られるものなのかといえばやっぱり難しい。これが父親の方針に逆らい飛び出して外で功成り名遂げた人物だったら、迎え入れてトップに据えて不思議はないけれど、今回に関してはそうとは見えないだけに悩ましい。

 なおかつ会長としてかかる事態を招いた2代目は、退くことな代表取締役兼取締役会議長として残留するという。社長のみが詰め腹を切らされる形で取締役相談役とゆー閑職に棚上げされる人事を果たして人心一新の若返りとみて良いか否か? 傍目にはどうやっても経営悪化にタイミングを借りた創業者一族による経営権の強化にしか見えない。おまけにCEO=最高経営責任者にはキャスターの野中ともよさんを据えるとゆーチグハグさ。もちろん経営の経験もなければ開発の経験もない人物であっても会社に利益をもたらす可能性は皆無ではないけれど、少なくともCEOとゆー名目的には中心もど真ん中の役職に据えたりはしない。

 執行能力があるならCOO。経営能力があるならCEOで構わないけどそのどちらも見えない人物がトップに座って果たして世間はその会社を信頼できるか? 社外取締役を務めていたニッポン放送では裁判所が認められないと指摘した大量の新株引き受け権発行とゆー施策を承認し、結果的にニッポン放送が瀬戸際へと追い込まれる要因を作った責任の一端を負う人物。且つ難局に揺れる船を一足早く降りて新しいフィールド、それも未踏のフィールドへと向かう変わり身の速さすばしこさ。そーゆー経歴の人物がトップに座る会社を消費者は歓迎できるのか? 

 日本経済新聞のインタビューなんかを見ると自分で十分といった堂々とした理屈を放っているけれど、上には代表取締役がおり取締役会を牛耳り下には社長がいて創業家の輝きを放っている、その間でいったいどれほどのことができるのか? 平目社員が多かった、なんて言っているけど彼らが平目として見てきた”お上”ってのが消えるどころか自分を上下からサンドイッチしている状態で、いったいどれだけのイニシアティブを発揮できるとゆーのか。お手並み拝見と行きたいところだけれどそんな余裕が今の三洋電機にあるとも思えない。面白がって見るのも構わないけれど、決して嫌いな会社ではないだけに不安も浮かぶ。さてどうなるか。このまますんなりと証人されるのか。注視。そして監視。メディアでの扱いも含めて。

 お台場にある「トイザらス お台場店」に「ゾイド」の専門コーナーが出来るってんで早朝(午前10時半)のオープニングを見物に行く。何年か前にアニメ化されて最初のアニメは重厚なストーリーが面白かったし後の半年だけ放映された奴もキャラクターに特徴があってストーリーもコミカルで楽しめたんだけど、長続きはせず立ち消えとなってしまった残念な記憶があっこれからどうなるんだろーと心配してたらこれがどーして。玩具としての「ゾイド」の人気は衰えるどころかなお右肩上がり。国立科学博物館で開かれている「恐竜博2005」でも人気のアイティムになっててティラノサウルス・レックスの「スー(の模型)」を見るのもそこそこに、朝一番で並んで入って「ゾイド」だけを買って帰る人もいたりとその根強い人気ぶりを見せてくれている。

 それだけに「ゾイドショップ」も開店時には200人を越える行列が出来る盛況ぶり。店内に入るなり復刻版の「ゾイド」を手に山と積み上げ新作も抱えついでに1万円ちょいの「福袋」も首から提げてレジへと向かう豪の者もいたりして、しっかりとした商材を長く送り出し続けることで生まれるファンの支持ってものの強さを思い知らされる。移り変わりの激しい中で新商品ばかりを出すのがメーカーって訳ではないってことで。とりわけこーしたエンターテインメントに関わる商品は。「スター・ウォーズ」だってそーいや間もなく30年、だもんなあ。

 見物を終えた足で「アクアシティ」にある「エディバウアー」でジャケットとパンツを購入。白っぽい上下でセットアップになって着るとちょっとダンディ。でも中身が中身なんでチンドン屋か漫才師。その足で5階にある「ラーメン国技館」をのぞいて太い麺が好きってことで(味噌煮込みうどんの国の人だから)尾道市から来ている尾道らーめん 柿岡やのチャーシュー麺を頼んで食べる。スープは煮干しの味を中心に鶏ガラも混じったサッパリ系。麺は極太ではないけど噛み応えがあって空腹時に嬉しい。チャーシューは薄切りで柔らか。インパクトはないけれど落ち着いた感じの味で何杯でも食べられそー。大変おいしゅうございました。次は1本チャーシューが乗った醤油問屋 一彦じゃんに挑戦しよー。巨大なチャーシューが見える麺屋極一も良いなあ。胃袋が3つあれば。


【4月8日】 あの騒動から2カ月が経って始めのうちは連日連夜、何某かの動きを報道していたメディアも最近ではパッタリと、その動静を伝えなくなって事態はすっかり関心の埒外。ニュースによくある「報道されないことは存在しないこと」になりつつある雰囲気うら漂い始めている今日このごろ。お元気でしょうか。ホリエモンです。

 そんな中でも関わりのあるメディアだけは相も変わらず真正面から搦め手から、揚げ足を取ったりネクタイの裏側をのぞくよーな尾籠な話をさも一大事と報じてはいるけれど、以前だったら後追いしたメディアも今は成り行きを見守るスタンスへと落ち着いたみたいで、まあ勝手におやんなさい、あとはあなたたちの対応次第と突き放しては、双方の出方を見守っている感じ。

 孤高にして果敢なメディアも悩ましいのは同じこと。表向きは完全拒否を貫いているよーに見えても、現実として一部を切り取られてしまい後はそれを取り戻すのか棄てるのか、取り戻すんだったら和睦するのかどうかって状況にあって迂闊には動けない。だってほら、敵だと認めて迫撃砲をどんどん撃ち込んでいた相手がある時を境に見方、とまではいかないまでも敵ではなくなる可能性が未だある訳だからね。

 もしそうなった時に詰め腹を切らされるのは司令官ではなく現場で迫撃砲を撃ち込めと司令した部隊長なり発射した一兵卒。「心配ない死に水はとってやるから」と言われていたとしたって実際に死ぬのは誰だって嫌だ。そう考えれば敵を打つ手も鈍るものだけど幸せなのか不幸なのか、上から言われたことだけは頑張る人の多い素晴らしい組織だけあって、迫撃砲に留まらずミサイルだって平気で打ち込み玉砕覚悟で白兵戦すら挑む最前線。後どうなっても知らないからと傍目に見て微笑ましくなってくる。傍目じゃないんだけど。

 そんな妄想はそれとして、事態が水面下へと潜ってどうなることかまるで見えなくなって来たライブドア問題。いやむしろニッポン放送問題か、仮処分の審査によって非ありと認められたのはそちらだったりするから。んでそのニッポン放送問題についてメディアには、未だ堀江貴文ライブドア社長の振る舞いを非難する意見が渦巻いているけれど、そんなメディアにあって何故か文芸春秋のオピニオン誌「諸君」が至極真っ当な分析を乗せていて驚く。

 毎日新聞からアスキーを経てフリーになった佐々木俊尚さんんてジャーナリストの文章だけど、ライブドアの成り立ちを時系列に沿って分析しては彼らが無分別な買収で大きくなった訳ではなく、ホームページ制作からインターネットデータセンター、無料プロバイダーの運営も含めたネットワークのバックアップといった分野で仕事を行い技術も溜めた上で、ポータルビジネスへとシフトしその上で様々な価値を付加するべく、企業を買収していった経緯が説明されている。決してマネーゲームではなく、買ったらちゃんと使い切るってことも含めて。

 一方では既存メディアの構造的な問題にもズバリと切り込んでいて痛快明快。すなわち免許制で参入が規制された護送船団的な業界にあって、その権益故に高い広告収入を得ているのだという放送会社の実状を指摘。本社と下請けの関係にも切り込み、いくら優れた作品を政策会社が作っても著作権はすべて召し上げられてしまう関係とかにも触れていたりと、テレビ局を内輪に持つ新聞では決して触れられないことにもしっかり踏み込んでいる。そうやって得た著作権も実は勝手に使いきれないのが今のテレビが番組のドラマにバラエティだったりするんだけど。プロダクションの許諾、得て内からね、アニメとかと違って。

 今はまだそれでも状況としての護送船団が崩れず放送局は巨体を護持して進んでいくんだろーけれど、佐々木さんによるとその外観は滅び行く恐竜のよーで、足下には新たに踏まれたほ乳類が蔓延りいずれ恐竜にとって変わって天下を奪い繁栄を謳歌するのは避けられない運命とか。ゲーム機が情報家電となりそれがネットワークにつながり、コンテンツがサーバーからネットを介して家庭へと送り届けられる時代がほらもうすぐそこまで来ているのに、動かないのか動けないのか泰然自若を我が世の晩秋を謳歌する放送メディアに冬の来る日は果たしていつか。気になるけれどその時は新聞は氷河時代に入って全滅だからなあ。困ったなあ。

桜の下に埋まっているとしたら千鳥が淵にはどれくらい埋まっているのだろうって何が?  東京方面へと出てきて15年になるけど実は始めていった花見シーズンの千鳥が淵はなるほど噂どーりに咲き乱れた桜が綺麗。その下を九段下から半蔵門へと抜ける列あれば逆に半蔵門から九段下へと抜ける列もあってそれぞれがぞろぞろと連なり歩く様にただいたずらに酒を飲んでさわぐだけでない、花を愛でる花見本来の行為の清楚さを感じる。けどちょっと人多すぎ。週末はさらに多くなりそーだなあ。屋台はなぜか焼き芋やが3台4台出ていたけれど千鳥が淵で桜で焼き芋って公式には何か曰く因縁があるんだろーか。千鳥が淵に桜を植えたのが青木昆陽だったとか。そんな訳はないか。けど焼き芋をパクつきながら桜をみるのも乙な物。今日はできなかったけどいつかまたいったら買って食いつつ桜の下を歩こう1人で。15年後くらいに。

 ついにこの日がやって来た。スタートしてから20と6年。100巻を数えてなお完結せずまだまだ続く勢いの世界でも屈指の長編ファンタジー「グイン・サーガ」がアニメーション化される日がやって来た。荒牧伸志監督の「APPLESEED」を製作して荒牧監督の次回作ではアジアの英雄ジョン・ウー監督をプロデューサに引っ張り出した企画会社のミコット・エンド・バサラが栗本薫さんの事務所でもある天狼プロダクションとがっちり握手。アニメ制作会社のグループ・タックも引き入れてあの「グイン・サーガ」を劇場用アニメにするとゆー発表が本日、リリースにて行われた。

 果たしてどんな絵になるのか。加藤直之さんに始まり天野嘉孝さんに末弥純さんに丹野忍さんのどの絵をベースに使うのか、それとも使わず新たなキャラクターデザインを起用するのか現時点では何も分からず興味津々。もしかして「パロスの剣」のいがらしゆみこさんを起用してお目々パッチリな絵でもって描く? それとも全世界に通じる絵柄にするべくアメコミ調のマッチョなグインとナイスバディなリンダがあれこれする話しになるのかな。そもそもエピソードはどの辺だ? 個人的にはノスフェラスへ行き帰って来るところまででとりあえずは十分なんだけどそれだけでも3時間×3部とかになりそーだし。ともあれこれからの展開を注意して見守って行こう。早川書房は蚊帳の外?


【4月7日】 偽マスダジゴロウこと「ぷっちゃん」のファンも大勢できただろー「極上生徒会」の録画は見ないで出かけてレコード屋で3月30日に出たばかりのCD「LUPIN THE THIRD THE ORIGINAL NEW MIX2005」(コロムビア)を買う。いわずとしれた「ルパン三世」関連のCDだけど作品的に名高い緑ジャケットのファーストシリーズじゃなくって、ギャグあり笑いあり音頭ありでファーストファンの顰蹙を買いつつも子供には恰好の娯楽として高視聴率を確保、遂に155話まで作られる快挙を成し遂げた赤ジャケット「ルパン三世」のオープニングとエンディングを中心に集めたCDで、聞けば中学生として楽しんでいた時代の気分が思い起こされて泣けてきた。

 大野雄二さんの監修によるリミックスが施されたオープニングは最初の「ルパン三世のテーマ’78」から始まってピートマック・ジュニアの「真っ赤なバラは〜」の歌がついた51話までのバージョンと、52話から103話まで続いたテンポアップしてスリリングな感じに仕上がった「ルパン三世のテーマ’79」、そしてジャズっぽくアレンジされて傑作「さらば愛しきルパンよ」まで使われた「ルパン三世のテーマ’80」の4バージョンが収められてて聞き比べられる。それぞれが音の粒立ち感が高まって押し出してくる迫力があって最高。個人的にはルパンの顔の回り込みがあってそれからベンツSSKのシフトを入れて急発進させる映像とスリリングな音楽がマッチしていた「80」が好きで聞いているうちに映像を見たくなって来た。「赤ジャケDVDボックス」もやっぱり買うしかないかなあ。今ならそれなりに安くなってるみたいだし。

 エンディングについても水木一郎さん唄う「ルパン三世 愛のテーマ」が聞き応えたっぷり。上手いなあ兄貴はやっぱり歌が。歌物ではあと「さらば愛しきルパンよ」のラストに流れて印象的だったて記憶がある「スーパー・ヒーロー<ルパン三世のテーマ>」がトミー・スナイダーの歌で入ってて(ゴダイゴのトミー・スナイダーだよね?)涙もの。トミー・スナイダーはあと1曲、「しゃれた沈黙」ってのも歌っててこれはこのCDは初の収録になるみたい。どーゆーシチュエーションで唄われた歌だったっけ? 歌ものではそして「カリオストロの城」から「炎のたからもの」byボビーも登場。田園地帯を行くフィアット500の姿が瞼に浮かびます。赤ジャケ以降のルパンは音楽、最高だったんだなあ。カリオストロは緑ジャケだったけど。

 しかしなによりこのCDの個人的目玉は「カリオストロの城」で流れたあの名曲「サンバ・テンペラード」がロングバージョンで収録されていること。ルパンがクラリスを助け出して塔からオートジャイロの置いてある場所へと階段を駆け上がっていくシーンで流れたあの曲、といえば誰もがピンと来るはずで、そのフルートの画面を切りさくよーに響く旋律と緊迫の画面が重なって、気持ちをドキドキさせてくれたっけ。これまでも短いバージョンが収録されたCDは出ていたけれどこのCDには3分30秒ものバージョンでメインのメロディも2回、収録されているから尻切れの脱力感に苛まれることなく至福の時間を過ごすことができる。フェードアウトした後はそーかこんな感じに続いていたんだなあ。ともあれ名作。そしてトータルで名盤のこのアルバムを赤ジャケファンなら即買いだ。緑ジャケファンも「カリオストロの城」に敬意を払って買うべし。

 どう見ても凡人。だけどピンチになった時、その内に眠っていた力が浮かび上がって圧倒的な強さでもって全てを蹴散らすってゆー設定はなるほど誰もが憧れるものらしく、マンガにアニメにライトノベルで数えられないくらいに使われているけれど、エンターテインメントにパターンは無限にあるものじゃなく、とりわけ面白いエンターテインメントってのはそんなにパターンがあるものじゃない。例え似た設定であってもそれをどう料理されているかで受け取る側が「またか」と投げるのではなく「これは」と食いつくよーになるし、そんな料理を出来るかどーかでで使うクリエーターの力量ってのも決まってくる。

 ってことで三田誠サンノ「レンタルマギカ」のシリーズを1巻の「魔法遣い、貸します」から2巻「魔法遣いvs錬金術師!」まで一気に読んでなるほどこーゆー工夫もあるものかと理解。少年は幼い頃に何かあったかで片方の眼を眼帯で覆っていて、時々幽霊とか怪物といったものが見えるけれどそれくらい。とりてて強い力がある訳じゃない。そんな少年に一大事。失踪した父親が運営していた会社を継がされることになって行くとそれは魔法遣いを貸し出す「レンタルマギカ」の会社だったのだ。驚き慌てるものの頼られると断れない性格の少年は、猫4匹を扱う陰陽師に子供の巫女さんに、英国の魔法学校を主席で卒業しながらなぜか少年の下で働きたいとやって来た少女・穂波の魔法遣いを社員に社長としての仕事を始めることになる。

 1巻ではそこに穂波の魔法学校時代の知り合いで今は別の魔術集団を率いるアディリシアが絡んできてアディリシアに因縁のある仕事を取り合うことになって、やがて現れた強大な敵に穂波もアディリシアもやぶれそうになった時、少年の中に眠っていた力が動いてこれを討ち果たす。2巻は少年が父親から引き継いだ会社の経営権を持つとゆー父親の同僚だった錬金術師が現れ少年の会社とバトルになって、そこでもやっぱり力が弾けてすべてを解決してしまう。ただし。力が少年の潜在的なものとゆーよりは使えば使うほど少年を苦しめる諸刃の剣だったりする点が目新しく、そーした苦しみをどう解決していくのかに興味が及ぶ。

 少年がそーなったことに責任の一端を感じている穂波と少年との関わりがどーなるのか、そこにアディリシアは果たして割って入るのか、陰陽師として凄腕らしー猫屋敷蓮の正体は何なのか等々、興味の置き所も多々あって巻を重ねながら楽しませてくれそー。眼鏡っ娘でセーラー服な関西弁の魔女の穂波が思ったほど前面へと出て活躍し自己主張しないのが物足りないとゆーか微妙なバランスとゆーか。穂波と少年の腐れ縁的関係を土台にいけばもっと分かりやすい話になるんだろーけどそれだと当たり前過ぎる気もするんで、しばらくは多々いるキャラクターのそれぞれに見せ場を与えながら、少年の成長と苦難にスポットを当てて引っ張っていってくださいな。Pakoさんって人のイラストもグッド。

 バンダイに行ってレースクイーンを見る。違った「スーパーGT」ってツーリングカーレースのカテゴリーに出走している「スープラ」にバンダイが協賛した「BANDAIスープラ」の発表会見に行く。本社前には真っ赤に塗られた「スープラ」があって赤字に白で「BANDAI」と抜かれていてなかなかな鮮やかさ。会見したレーサーの荒聖治さんと横溝直輝さんも「昔遊んだガンプラの会社のマークを付けてレースできるなんて幸せ」って行ってたほどで、このあたり長く「ガンダム」をやって子供の頃から頭を洗脳して来た戦略の成果が現れている。三つ子の魂百までとは良く言ったもんだ。でもどーせだったらトリコロール色にしてボタンを押すと変形するくらいのギミックを、「ガンプラ」世代としては欲しかったんじゃなかろーか。あるいはロボットに変形するとか、ってそれじゃー「トランスフォーマー」だ。タカラも参戦しないかな。金がないから今は無理か。残念。

 バンダイに行ったときの義務として近くのコンビニエンスストアで新しめのガシャポンを遊ぶ。「創聖のアクエリオン」が出てたんで4回回して2回「リーナ・ルーン」が出てあとは「紅麗花」と「アクエリオンマーズ」をゲット。したのは良いけどリーナも麗花も主役とゆーにはやや遠い存在で、何故にここからガシャポン化したのかが分からない。それとも筋がマニアに受けると既に知っての所業か。リーナはロリねらいか。うーんそうかも。次は是非に「合体中」の麗花なんかをお願い。


【4月6日】 「いちご100%」をちらっと見たら人間のセル画を上下させて歩いているところを表現する技法が使われていた。「ネギま」かいっ! それにしても原作は「週刊少年ジャンプ」に掲載されているコミックってことだから、世代的にはそれこそ12歳から15歳の中学生あたりをメインに上は高校生くらいが主なターゲット。そんな層に向けて描かれたマンガをどーして大人しか見ない深夜向けのアニメにするのかが分からない。視聴率だって取れないのに。だからスポンサーだって付かないのに。

 「ワンピース」だって「ボボボーボ・ボーボボ」だって「テニスの王子さま」だって「ヒカルの碁」だって「NARUTO」だって「ブリーチ」だって、「ジャンプ」に掲載されている漫画はだいたいが朝とか夕方の放映。それに耐えられるだけのマスなファンを持っているからこその快挙で、「ジャンプ」の売れ行きが未だ衰えないそれが土台にもなっている。「いちご100%」もそんな漫画の1つってことだから、昼間にやったって視聴者は十分に得られそうだしスポンサーだって付いてきそう。

 なのに深夜。つまりはそれだけ「ジャンプ」のターゲットが広がって、夜に起きている大人も読むよーになった現れなのか、それとも昼間に少年向けのアニメを放映するだけの枠がもうとれないくらいに、アニメバブルの状況が起こっていたりするのか。前者だと狙いはDVD購入だろーけど、買って嬉しがれるクオリティじゃなかったしなあ。それとも初回得点はおろしたての「いちごパンツ」が付くんだろーか。それならばうーむ……。買おうかな。

 考えられるとしたら本当は昼間にやってスポンサーからの収入と関連グッズで儲けたいのも山々だけど、話が話なんで昼間はダメと言われ夜に回したとか何とか。だとしたらその時間帯で放映してDVDが売れてテーマソングもヒットして、十分にリクープできる商材になると作り手も思ったってことで、アニメファンもなんだか舐められたものだと嘆息。モロなパンツで喜ぶほどウブじゃねーんだよ今のアニメファンは。ってことで次回は「アクエリオン」よろしく一気に筋まで行って頂きたい(無理むり)。

 案内を頂いたんで渋谷の「パルコ」に「タイツくん展」を見に行く。かれこれ3年とか4年とかそんなくらい大昔に見かけて以来、ひそかに発展を祈念して来たキャラクターの「タイツくん」が雑誌掲載になり本になり玩具になっていよいよ個展まで開催される人気キャラクターへと大成長。花の都・東京の中心・渋谷でその全貌を披露するとあっては行かない訳にはいかないと、かけつけた渋谷の「パルコギャラリー」で「kami−robo EXPO」を見る。違うじゃん。

 まあ同じ「ライセンシングアジア」ってイベントで展示されて目を掛けられたキャラクター。同じバンダイからキャラクターグッズが出たってのも同じだけどどちらかといえばオモシログッズ的な受け入れられ方をしている「タイツくん」に比べて「kami−robo」は個人の情念から生まれたって物語性とデザイン面のスタイリッシュ性とゆー背中合わせの特徴をプロデューサーの人がうまく混ぜ合わせてサブカル方面とデザイン方面の支持を取り付け、ひとつのプロジェクトへと仕立て上げたてって感じ。

 その分展覧会の規模も大きく展示されているものも「kami−robo」にインスパイアされたポスターだったりセーターだったりスタジャンだったりと、ファッショナブルでスタイリッシュな物が多かったりする。なるほど確かにそーなってみると恰好良いけどジャンパーで値段が11万円超とか、Tシャツで6000円とかされると「kami−robo」的な、すなわちオタク的な情念の成果がサブカル的なアイテムとして”昇華”されてる空気も立ち上って、情念を支持する一派の離脱を招いてデザインやファッションのシーンで瞬間的なブームとして消化されてしまう可能性もありそー。そのあたりをどう差配して長く仕えるコンテンツへと育てていくのか、青木克憲プロデューサーの手腕に注目。

 「パルコ PART−1」へと回って地下2階の「ロゴスギャラリー」で「タイツくん展」。「SPA」連載の「男のたしなみ」なんかに使われた励行カードがパネルになって並んでておまけに売られてて買って壁に貼って毎朝唱えたい会社にはお勧めのアイテム。でも間違えるとセクハラになるから要注意。グッズはライターとバンダイから出たフィギュアとマグネットシールとあと、オリジナルのTシャツと団扇とポストカードなんかが販売中。高橋潤画伯の描いたアート風「タイツくん」の絵なんてものあってなかなかに本格的にアートしていて面白い。

 Tシャツは前身の両脇からピエールとジョナサンが向かい合って喋っている図柄で派手派手しくって良さげ。値段も4000円せず良心的で50枚限定ってのもくすぐられたけど今日は見送り、作者の人が訪れる夕方の時間を見計らってまた行ってサインをもらおうとか考えているけどくれるかな? 13日まで開催中。

 「すき家」か何かだったところがカレーショップのリトルスプーンになってたんで初体験。「Coco壱番屋」がトロミのそれほどないルーを使っているのに対してここん家は玉葱がほどよく解けて肉の繊維もほどけた感じになった割りに粘性の高いルーと家で食べるカレーに近い感じ。味はなかなかでスタンド系のカレーでは「POT&POT」に並ぶくらいに好みかも。値段もトッピングをしなければ安いんでお金がない時はお茶碗2杯分のご飯が入った大盛りを辛口で食べてお腹を埋められそー。今日はハンバーグ乗せだったけどカレーならばやっぱりカツカレーを試さなくては制覇したとは言えないんで「タイツくん展」見るついでにまた行こう。


【4月5日】 寝て起きたら午前2時ですでに放映は終了していた「創聖のアクエリオン」の第1話に関する反響を、ネットでざっと拾って”好評”なことこに気をよくする。莫迦っぽさを皆さんちゃんと受け止めているようで。あと「筋」ってのが妙に話題になってたんで朝起きて改めて第1話を見直して、「合体」するシーンでヘッドに位置するマシンに乗った女性の全身がすっぽんぽんになった絵で、確かに1本、筋が入っているのを発見する。

 パンツはダメでも筋は良いのかそれともあれは筋ではなく肌に見えるレオタードに寄った皺なのかとも想像するけど正直な所は不明。HDDレコーダーの低レートで撮っていたんでコマ送りしてもくっきりと見えないのが難点で、これはやっぱりDVDを買って確認せねばと決意する。女性の筋に相応して男性の棒までくっきり描かれていたらどうしよう? それも一興。第2話まで試写で見ているんで次回の莫迦っぷりは既知。問題はそれ以降の展開で放映の始まる意識的熱血アニメの「ガオガイガー」に負けないためにも、監督一同には天然系莫迦を貫き通して頂きたい。コンセプトデザインのokamaさんの仕事ってどこに現れているんだろう?

いつかホリエモンになる日まで。熊にだって六本木ヒルズに会社を持つ権利が……ねえよ。  六本木ヒルズで仕事があったんでついでに居並ぶ熊を見物。ドイツはベルリン市を代表する動物らしー熊を色とりどりに彫刻して飾る「ユナイテッド・バディベアーズ」って奴で昨日から開幕した「日本におけるドイツ2005/2006」の象徴的なアトラクションとして、六本木ヒルズの「66プラザ」に123体だかのベアが123だかの国とか地域の代表として、ペインティングされて屹立していてなかなかに壮観。一昨年だかに大手町から丸の内、有楽町あたりを牛が占拠したことがあったけどあれは点在していたから、迫力って意味では「バディベアーズ」の方が上って感じ。大きさもこっちの方があるし。

 とにかく多種多様で普通に色を塗ったものもあれば顔に飾りが付けられたものもあり、中には変形されてとても熊には見えないものもあってそれぞれの”お国柄”みたいなものが熊を通して結構見える。フランスのはフランスっぽいし英国のは英国っぽく日本のは白地に日の丸と日本調。中南米とかアフリカのは描かれている絵や文字が独特でいかにもって感じだし、欧州のはやっぱり洗練されてるって感じ。探せばお気に入りの1体がきっとみつかることでしょう。

 その下半身がぼてっとした体型を眺めながらふと思ったのがホリエモン。そう「六本木ヒルズ」といえばホリエモンの根城でもある訳でこれだけの熊が広場を埋め尽くしているその隙間に、カラフルなTシャツに身を包んだホリエモン自身が立って両足を踏ん張り両手を天へと向けて1時間とか立っていたら、「なんてお茶目な人なんだろう」って親近感を高められると思うんだけどどーなんだろー。4月に入ってまるでニュースを聞かなくなって、横は入りして来たソフトバンク・インベストメントとの間でにらみ合いの状態が続いている時期。世間を見方に付けるためにも是非に演じてくださいホリエモンベア。横にミキタニンベアも立っていたらどうしよう。

 そのまま記者会見へと出向いて「FIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン2005」の会見を見物。世界のサッカー界の頂点に立つジョゼフ・S・ブラッター会長が登場してその足下にすがりワールドカップのチケットを下さい決勝戦の奴が良いですと頼みたくなったけど蹴り飛ばされそうだったんで諦める。一応はサッカー選手だったはずだし。大会は欧州と南米のトップだけで実質的な世界一を決めていた「トヨタカップ」を止めて、アジアとアフリカとオセアニアと北中米カリブも入れて名目的にも世界一を決めようって大会を開こうって趣旨のもの。欧州とか有力クラブとかからの反対も多々あっただろーなかをまとめ上げ、実現へとこぎ着けた辺りは流石にスポーツ貴族の世界で長く頂点に君臨し続けている人だけのことはある。面構えも記者とのやりとりも実に手慣れたものだったし。

 「アフリカやアジアと欧州や南米とのギャップはなくなって来ている」とはブラッター会長、有り難い御言葉を発してくれたけど、現実は欧州に富が集まり人も集まって見た目にも内容的にも欧州が飛び抜けていて、南米ですら実力面で後塵を拝するよーな自体になっていたりする訳で、そんな状況で各大陸から選ばれたチームが果たして衆目を納得させる試合を出来るのか、欧州がトップモードを見せてくれるのか、やってみないと分からないとは言え不安も結構あったりする。「トヨタカップ」だったらそれでも”伝統”ってのがあって勝ち得る栄冠もあったけど、真新しいカップをもらって嬉しいと果たして欧州のチームが思ってくれるのかがまだ見えない。

 最終的に得られるタイトルにどれくらいの価値があるかで、参加する欧州と南米のチームも頑張って参加する準決勝を勝ち抜き決勝で従来の「トヨタカップ」同様に激突してくれると信じているけど、下がりきったモチベーションの中で準決勝に敗れ3位決定戦をアジアとアフリカの代表が戦う決勝の前座でやるよーな自体になったら、でもってそれでは出る価値がないとレギュラーが帰ってしまったら、1回目にして大会が崩壊しかねない。

 最高のチームで出場してベストの戦いをすべし、って規定なりがあれば良いかもしれないけれどシーズンまっただ中に極東へと来て準決勝から決勝までの5日間に前後1日2日をあけて日本へと選手を送り込み、真剣勝負をしてくれるのか? 10日から発売されるチケットはきっとすぐに売り切れるだろーけれど、それが夏に行われる親善試合にすら及ばない凡戦のチケットにならないよー、主催者側の配慮と出場チームの真面目さに希望を繋ごう。日本のチームが出られれば良いんだがなあ。ジュビロ磐田も横浜F・マリノスもアジアではからっきし、なんだよなあ。


【4月4日】 女子サッカーで春の日差しの暑さにやられ、帰ってすぐ寝て深夜に目覚めて千葉テレビで「英國戀物語 エマ」を見る。花売りをしている少女が石炭の煤煙にやられ、氷雨に打たれ、馬車に跳ねられジェントルマンのステッキに突かれて悲惨な運命を辿るのかどうなのかが心配になる。とことん英国の社会のリアルをやろーとするならそーゆー悲惨な境遇も、描かれて不思議はないからね。

 もっとも貴族のぼっちゃんが、変わり者とは言え教えてもらった先生の家を突然にたずね、現れたメイドさんに一目惚れ(なのかそれとも過去に出会っていてずっと惚れていてその時もメイドさん目当てで訪ねたのかは不明、原作読んでないんで)してしまう展開があるなら、習慣や光景はリアルでも物語はファンタジーに流れて大丈夫なのかも。来客に紅茶を淹れて取っ手を反対側に置いて回して差し出す仕草、メイド喫茶の疑似メイドたちも覚えましょう。

 続けて「こいこい7」 を見る。パンツ全開なオープニングの動きの良さに感動して始まった本編にハテナ。こんな原作だったっけ? 少年が転校して寮に行ったら女の子ばかりでおまけに空を飛ぶのもいたりしたって話だったよーな気がするけれどそれれって別の話だったのかなあ。中心にいる女の子が働きすぎると止まってしまって充電か何かしないといけないって、見かけによらずシリアスな所もある話だったと記憶してたんだけど。歳かなあ。それともやっぱり話が違う?

 ガンダムもどきにロボットが出てきてガンダムもどきなセリフを吐きながら戦闘するシーンは誰に向かってサービスしよーとしたものかが分からず再びハテナ。監督としてのリスペクト? 脚本家としての自己満足? どっちにしたって見て嬉しいとはガンダムファンなら思わずガンダムファン以外は何が何だかさっぱり不明。それとも何かロボットを出したら「踏み台にした」「足なんて飾りです」はデフォルトで入れるのが決まり事になっているのか。萌え表現がパターン化して視聴者の脊髄反射に奉仕しているよーに、ガンダムネタも定式化してロボットバトルの約束事になってそれを反射的に喜ぶロボットアニメファンが増えているのか。要調査。

 ちなみに千葉テレビでは「エルフェンリート」「エマ」「こいこい7」の三連コンボ。首が飛んだ後に眼鏡メイドが紅茶を淹れて、それあら美少女がパンツ見せながら空を飛ぶ場面を続けざまに見て平気な人っていったいどーゆー神経の持ち主なのか。鏡を見る。こーゆー顔の持ち主か。だって同じアニメじゃん。でもまあ普通は視聴者となりそーな対象がまるで違っていそーなプログラムで、それを同じアニメだからって並べて編成してしまうテレビ局には疑問を覚えるけれど、別に続けて見る必要はなく見たい番組だけを見れば良いだけのことだしHDDに録画して好きな時に観られるんだから並べてもあんまり関係ないのかも。

 えっと確か「家族のため」とか何とか言って契約期間を1年残して帰国したんじゃなかったっけ、大魔人こと佐々木主浩投手。それが帰国して1年ちょっとで離婚、そしてあの榎本加奈子さんとの同居を始めたそーでいったい「家族」とはどっちの家族だったのかと1年前に帰って尋ねてみたくなる。それともこの1年で劇的に不仲が進行したんだろーか。だったら帰国なんてしないでそのまま向こうに居続ければ良かったのに。あるいはやっぱりすでに新しい家族があって、けれどもシアトルに呼び寄せる訳にはいかないから戻ってきたってこと? だとしたら当時佐々木投手の家族思いの行動を”英断”と讃えたメディアなりスポーツライターは揃って弁明に努めるべし。それにしてもエノカナのどこに惚れたのか大魔人。あの巨体で抱きしめたら骨の2、3本はへし折れ体に小骨が刺さりそーな貧弱ぶりなのに。羨ましいなあ。いやファンなんで。エノカナの。薄い胸とかビキニ写真のアバラとか。


【4月3日】 4日連続の「東京国際アニメフェア2005」行き、それも男1人でうろうろってのは春の休日にしては切なすぎるし、それよりも今年から始まった女子サッカー「L・リーグ」と「全日本女子サッカー選手権大会」の優勝者どうしが戦う「なでしこスーパーカップ」ってのが「浦和駒場スタジアム」で開かれるんでそっちを優先。選手権の覇者で、そのプレーぶりを始めて見た3年前から凄いプレーヤーだと応援している酒井與惠選手がいる「日テレ・ベレーザ」が、名前も変わって「浦和レッドダイヤモンズ・レディース」として再出発することになったリーグ覇者の元「埼玉レイナス」と戦うとあってこれは絶対に見逃すわけにはいかない。

 実を言うと「味の素スタジアム」でマリオ・ハース選手とストヤノフ選手も復帰した「ジェフユナイテッド千葉・市原」が、ワシントン選手も入って好調な「東京ヴェルディ1969」と戦う「Jリーグ」の試合もあって魅かれたけれど、アテネ五輪で騒がれる前からの女子サッカーマニアを標榜し始めた身としては、同じ日に両方の試合があるなら女子を優先するのが心意気って奴なのです。あと来週から開幕の「L・リーグ」を前に仕上がり具合を見られるって面もあったし。

 そんな訳ではるばるやって来た「浦和駒場スタジアム」は去年までの「L・リーグ」だと開場前に人が並ぶなんてことはなく、開場後だって開くのはメインスタンドのみでそこにせいぜい300人が入って手拍子しているだけだったのが、「浦和レッズ」って名前がついたこともあって開場の30分前には周囲を取り巻く赤い列。Jリーグでも屈指の動員力を誇る「浦和レッズ」の応援団が”我らがチーム”と思い認めかけつけたよーでレッズ入りの効果が早速現れてチームとしても万々歳といったところかも。最終的な入場者数は約3000人。前売り800円で当日1000円の試合でこれだけ入るのはちょっと珍しい。ってか21世紀では最高かも(天皇杯の前座は事情が違うから除く)。

 もっとも試合の途中とかレッズに不利な判定が出た時とか、PK戦になった時とかに「L・リーグ」では滅多になかったブーイングを飛ばす人が多かったのが気になった所。とりわけ試合が2対2で同点で終わってPK戦に入ってから、ゴール裏へと橋って回った若いティーンっぽいサポーター連中が、率先してブーイングを上げて、それにメインスタンドのおっさん連中も重ねてブーイングをしたのには参った。お金を払って見に来ているからプレーに叱咤のブーイングをしてもそれなりに許される部分はあるかもしれないけれど、同日にJの試合があってヴェルディのサポーターがかけつけられない状況で、数に頼んでブーイングをして動揺させて失敗させて勝って正直、選手も自分たちも嬉しいの? って思えてくる。

 むしろ逆に応援しているはずのレッズの選手たちの方が、申し訳なさに恐縮して萎縮してしまいやしないだろーか。ブーイングに耐えてこそ世界の舞台で戦えるって理屈も成り立つけれど、高校サッカーでブーイングがないよーにアマチュアでしかない女子サッカー選手たちの試合でブーイングをするのはやっぱり忍びない。そーした意識の切り分けを出来るかそれとも男子と同様の応援で行く気なのか。このあたり、リーグが始まっても起こり得る問題だけに運営サイドもサポーターサイドも、何か対策を考えて欲しいもの。まあベレーザとかTASAKIペルーレの選手だったら2003年の「ワールドカップ」出場をかけて10万人のメキシコ人が詰めかけたアウェーで引き分けた経験を持っている代表経験者が多いから平気だろーけど。

レッズサポであろーとイトーヨーカ堂利用者だろーと分け隔てなくサインする荒川恵理子に祝福を。中澤裕二もらってやれ。  さて試合はと言えば前半にスリーバックで臨んだベレーザが攻め立てるものの固められたゴール前を突破できず選手が密集する形になって抜けられず、逆にカウンターをしかけられて得点を奪われる展開に。本来は右サイドを突破していくはずの中地舞選手が川上直子選手の加入のあおりか右サイドへと回ったものの中央から左へと動いたりしてポジションを固められず、サイドから崩すとかいった攻撃がどうにも上手くいかない。そんなことからか前半の40分くらいで引っ込められてしまって代わりに大野忍選手がフォワードに入って永里優季選手とツートップを形勢。ディフェンスもフォーバックにして左サイドを川上選手が上がりやすいよーにすると、攻撃も効き始めて後半にフリーキックで追加されて2対0となっていたゲームを大野選手の2点でお付き振り出しに戻す。そのままPK戦。そして勝利。女子サッカー選手権に続いてのタイトル獲得となった。

 女子サッカー選手権では先発もあったフォワードの山口麻美選手が登録されておらず行方不明で残念至極。屈指の可愛さだったのに。一方の浦和レッズ・レディースもちっちゃいけどすばしっこそーだった伊藤知沙選手が登録を外れてて行方不明。サッカーは顔だけじゃないんだなあ。もっとも今日は出なかったけど下部組織から上がってきた南山千明って選手がボーイッシュに整った顔立ちで活躍すればファンとか付きそー。今年はちょっと追い掛けてみよー。

 澤穂希選手に並んで名前と顔の知られている荒川アフロ恵理子選手は骨折の治療で入れていたプレートを抜く手術のためかベンチ外。小林弥生選手もベンチに入っておらず今日はスタンドからの観戦となったけど、そーした代表クラスを外しても勝てるところに今年のベレーザの強さが見える。それにしてもハーフタイムにその周りをレッズのユニフォームを着たファンが囲んでサインをもらっていたのは何といいますか女子サッカーらしーと良いますか。レッズとヴェルディの試合で駒場のスタンドにヴェルディの選手がいたらといってサインをもらいに行けないJリーグに比べてこの緩さ、この明るさが女子サッカーのひとつの魅力になっている。チームの垣根を超えてサインを欲しい選手が今のヴェルディにどれだけいるかって問題はさておいて。

 レイナス、じゃなかったレッズ・レディースについてはプレスの速さが特徴か。ベレーザがボールを持つと必ず2人の選手がプレスに行って自由に攻撃をさせないし、スピードを活かしたサイドからの崩しも中央からの突破も結構あって常に得点の匂いが漂っている。一昨年あたりのチームではゴール前まで行くのがやっとって感じだったからなあ。こここまで育てた去年までの田口貞則監督のスパルタチックな教育がようやく実を結んだってことか。ゴール付近まで持ち込んでそこで倒されてフリーキックとなれば高橋彩子選手の出番。今日も見事にフリーキックを1本決めてその業師ぶりを堪能させてくれた。山郷のぞみ選手の後に入ったゴールキーパーの小金丸幸恵選手も166センチと高く動きも俊敏で山郷選手に負けない安定感。こっちもこっちで相当な活躍を期待できそー。川上選手の抜けたTASAKIペルーレ、丸山桂里奈選手の入った東京電力TEPCOマリーゼ等々にも注目しつついよいよ来週に始まる「L・リーグ」を今年も楽しもう。タダだしね。


【4月2日】 隣に住んでる幼なじみのお兄ちゃんは格好よくって優しくってわたしの憧れの人。わたしはお兄ちゃんが大好きで、お兄ちゃんもわたしのことが好きなはず。なんて思ってたらライバル出現。お兄ちゃんのバスケ仲間でグラビアアイドルみたいに綺麗な女が現れて、お兄ちゃんの横にべったりくっついて離れない。おまけにお兄ちゃんがちょっと外した時、わたしに向かって「鬱陶しいから消えろ」と言って怖い顔して脅すんだ。見かけは綺麗なのに心の中はドロドロのぐっちゃぐちゃ。そんな女にだまされているお兄ちゃんってば可哀想。お兄ちゃん、恋の妖精を呼び出して助けてあげるから待っててね。

 なんてストレートにスウィートな恋の鞘当てストーリーがごくごく普通に繰り広げられたら、読んでる方も気恥ずかしさから赤面してしまい身もだえしてしまうんだけど、集英社コバルト文庫から出た菊池瞳さんの「妖精がやってきた! ガール・イン・ザ・ボックス」(集英社、495円)は、カレンって名前の少女の願いを聞いて魔法の国から呼び出された妖精がとんでもない奴で、少女の命令に従うでもなくむしろお兄ちゃんを気に入って、少女にもグラビアアイドルみたいな彼女にも、ちょっかいをかけてはハエ叩きで撃墜されるだけの役割しか果たさない点が、読んでてラブラブストーリーの甘さを中和し話にスパイスを与える感じになってて面白い。六道神士さんの「ホーリー・ブラウニー」に出てくる妖精より役立たずってのは珍しい。お助け妖精物&魔法少女物にひとつの新しいバリエーションを与えそー。

 お兄ちゃんが決して恋愛バカじゃなくって付き合ってるグラビアの口の悪さを認識してて、カレンにあれこれやってることも知っててカレンをいたわりつつも、グラビアの口撃に手を出したカレンを叱る分別を持ったキャラクターに描かれているのも好感。グラビアもグラビアで自分のしでかしたことに責任をとって、カレンを誘い彼女の失恋をなぐさめる役目を果たしたりと出てくる奴らに心底からの嫌な奴がいないのも、読み終えてスッキリとした気持ちになれる大きな要因か。カレンの同級生で佐和くんって二枚目がいて建築好きで「明治村に行こう」とカレンを誘う場面に何でまた、って作者の人のプロフィルを調べたら静岡県の人だった。愛知県犬山市はなるほど日帰りできる距離だと納得。続編はあるのかな。あれば明治村行き、描いて欲しいな。あと折角の妖精にもうちょっと活躍を。役立たずなまんまでもそれで面白いんだけどね。

 さらに今日もまた「東京国際アニメフェア2005」へ。ビジネスデーはそれでそれなりに大勢の来場者がいて盛況で日本のアニメがビジネス的にどれくらいのバリューがあるかを知る良い機会になったけど、一方で見る人がいてこそのアニメってことでどれだけの一般客がどんなアニメに興味を持つのかを調べるためにも、一般公開日に行くのはその辺のジャンルを仕事の対象にしている身として当然過ぎる行動なのです。だけど働いてるメディアがどマイナーなんで行っても誰からも喜ばれない尊ばれない声もかけられない。ちょっと寂しい。まあその方が何を見てても後であれこれ言われることがないから良いんだけど。

 東北新社のブースを通りかかったら「月刊アニメージュ」の大野修一編集長が「魔法少女隊アルス」の関係者とトーク中。10日発売の編集はもう終わったのかな? 横で版権関連を担当している人がいたんで聞いたら今年は例年よりも外国からの来場者が多くって、「創聖のアクエリオン」をはじめとした作品の海外向けの商談が2日間で20組くらいあってそれなりに盛況だったとか。成約になったかどーかはまだ未定で2週間後くらいのカンヌでの商談会が山になるよーだけど、事前にどんな作品があるかを確認するにはやっぱり来ておいた方が良いイベントとして、徐々に定着してきているみたい。こと日本のアニメだけを買い付けたい外国のバイヤーにとっては、ライブアクションの映像もまとめて出てくる「MIP」よりもターゲットを絞れる文、「東京国際アニメフェア」の方が使い勝手があるからね。

 2日間で来場した海外からのバイヤーは700組を超えているそーでこれは去年の1・5倍。何だか外国人が多いなあって気がしてたけど数字的にもやっぱり多くなっていた。ここでびっちり契約までも締結できるくらいになれば、更に大きな国際的トレードショーとして成長していけるんだけど、その為には製作委員会が入って売り先がすべて決まっているよーな作品じゃなく、ここで実際に売買できるよーなヒモの付いてない作品が多く出てくるよーになる必要がありそー。国なり都なりがお金を出してスタジオに作品を作らせ海外との仲介も行うよーにしないとそれは難しいんだけど、それをしないと国が積極的にコンテンツ業界の育成に務めている韓国にいずれ、ゲームなんかと同様に追いつき追い越される可能性もありそー。

そんなところにエスカリボルグをはさんでアブないよドクロちゃん。横で見つめる男は誰?(笑)  場内を歩いていたらおかゆまさきさんが「撲殺天使ドクロちゃん」のDVD発売をアピールしよーとブースの前に立ってシールを配ってた。何で頭の低い人だ。隣りではドクロちゃんが手にエスカリボルグを持って働くおかゆさんを叱咤激励。ちょっとでもサボるとエスカリボルグで頭を木っ端微塵にして周囲を18禁状態にしてしまうから、向かいの「ゆめ太カンパニー」に迷惑をかけない為にも働かなくてはいけなかったのかも。それにしても立派だったエスカリボルグ。いつか「ワンダーフェスティバル」に実物が並ぶんじゃないかって期待してるけど未だみかけないトゲ付きバットを宙に掲げたり股間に挟んだりして愛でるドクロちゃんに近寄って頭のわっかを取り上げたかったけどそれをやるとこっちが頭を粉砕されるんで残念にも遠慮して引き上げよーとした途中で寄ったジェネオンにもう1人ドクロちゃんがいた。ドクロちゃんって双子だったんだ。

 ついでに「東京アニメアワード」も見物。ノミネート部門のグランプリにあたる「アニメーション・オブ・ザ・イヤー」は「ハウルの動く城」で異論なし。「ハウル」は監督賞で宮崎駿夫さん、音楽賞で久石譲さんが受賞して声優賞で倍賞千恵子さんが受賞。でもどうせだったら声優は木村拓哉さんにあげたかった気も。でもって来場してくれたら場内めちゃ湧いたのに。ノミネート部門では映画は「イノセンス」と「スチームボーイ」でOVAは「くろみちゃん2」と「トップをねらえ2」。続編が強いのかその他が弱いのか。テレビは「厳窟王」に「ケロロ軍曹」に「ふたりはプリキュア」。まあ妥当。個人的には「妄想代理人」とか「ファンタジックチルドレン」に入ってて欲しかった気も。「舞−HiME」は無理だよね流石に。

 公募部門は細川晋さんの「鬼」って作品が受賞。個人的には一般部門の優秀作品に出ていた「文使」って作品が平安時代を舞台にしていてそこで喋られている言葉が古語なのに興味。あーゆーしゃべり方をしてたのかなあ、やっぱり。海外から参加のガブリエーレ・ズッチェーリって人の「FOR TANGO」ってのがめちゃ恰好良い。けど衝撃度では審査員奨励賞を受賞の里見佳音さん「皮兄弟」ってのがトップか。喋る電車のつり革の物語なんだけど捕まって携帯電話をかけ始めた乗客に電流をくらわせるシーンに爆笑。本物の電車にも搭載すれば良いのにこの機能。

 1作目はキャラクターの異例度と展開の異色度でもって引っ張られてしまった長森浩平さんの「タイピングハイ!」に第2巻が登場。「いじっぱりのウェービー」(角川スニーカー文庫、533円)はウェービーさんことステンシアが単なるお金持ちのお嬢様でなくって親がとんでもない野郎で、その命令でもって人格を上書きされてしまうってところから始まって前巻から主役を務める得体の知れない少年ロムルスが、相変わらずの無責任無関心ぶりを発揮しつつもどこかウェービーさんが気になり、彼女が置かれた状況を打破しよーと猫少女のニアに忍者のシンを連れて冒険に出る展開へと進んでいく。

 前巻でも人工知能と人間の違いみたいなものが描かれていてSFっぽさの片鱗をのぞかせていたけれど、第2巻ではそれがよりくっきりとしたテーマになって浮かび上がって人格を上書きされた人間は前と同じ人間かどうなのか、人格を奪われてしまった抜け殻は人間といえるのかどうなのか、動物の人格を融合させられた人間は人間なのか動物なのか、ってな感じで人間のアイデンティティに関する描写が様々な角度から叩き付けられて自分って何なんだろう? 何をもって人間って言うんだろう? ってなことを考えさせられる。話はどーやらロムルスが本来の自分と取り戻しつつも今の自分を失っていく展開へと向かいそーでそんな中で自分を失う恐怖かあるいは自分を守り続ける意志の強さめいたものが描かれて、自分とゆーものを改めて見つめ直す機会を与えられそー。ますます見放せないシリーズになって来た。


【4月1日】 完璧。「新世紀エヴァンゲリオン」で期待して果たされなかった願望と欲望を満たしてくれるウルトラハッピーエンディングを、9年の時を経てやってくれたってゆーかすべてが丸く収まり誰もが幸せになるエンディングに、「舞−HiME」のDVD購入を途中でうち切ることなくラストまで買い続ける決心をする。こうなるなんじゃないかな、こうなって欲しいなって展開をオーバーなくらいにやってくれちゃっていて、見ながらゲラゲラ大爆笑しつつ感涙に浸ってしまったよ、朝っぱらから盛大に。

 そりゃ異論はいくらでも出せるさ。逆戻りできない悲劇を乗り越えてこそ人は成長していくもので、そんな姿にこの世の困難さを見る少年少女たちに分からせて欲しいって気もするし、ここん所のシリアスで盛り上がっていた情感を、ギャグで台無しにせず引き継いだまんまで綺麗に終われたんじゃないかって思えないこともない。けどこれは「舞−HiME」だ。中盤までは毎週のよーにシリアスとギャグが入れ替わっていた作品だ。その流れを組んだと考えるならラストをすべてギャグで埋め尽くし、唯一のシリアスになるかと思われた場面もやっぱりそうなるかってゆーギャグで切り返されても全然不思議じゃない。

 ラストバトルに向かって空を疾駆する姫たちチャイルドたち。いがみ合い憎しみ合った関係もまるで払拭されて1つの目的に向かって突き進む姿のなんとまあ美しいことか。でもってすべてが片づいた後の、彼女たちの歩んだ道のなんとまあ楽しげなことか。そんな姿を見せられればどうして不幸にならないんだ、不幸のままじゃないんだってことなんて絶対に言えはしない。ほとんどしょっぱなに消えてまるで活躍しなかった姫が、手にトンファー持って疾駆する姿、とっても感動的じゃありませんか.

 実存的な消滅じゃなくって物理的な物故だったはずの人間までもが還って来たとしても、その姿に喜ぶ者がいる以上はやっぱりいっしょに喜び嬉しがるしかないじゃない。ってことはもしかして財団のトップまでもが復帰して、今ふたたびの征服が始まる? なんて予想も立つけどそーゆー方向へと広がらないのが”完璧”なハッピーエンディング。ハッピー故に引きずらず広がらず閉じた世界の中で微温的な雰囲気を味わい噛みしめながら終わらない青春を謳歌する、そんな姿を傍目に見ながら厳しく痛みと憎しみに溢れたこの現実の憂さを瞬間でも忘れられることを喜ぼう。それにしてもラストまで作画、崩れなかったなあ。これがサンライズクオリティって奴か。最後までパンツ見えなかったなあ。これがテレ東コードって奴か。

 今日もきょうとて「東京国際アニメフェア2005」へと出向いてまずはプロダクションI.Gと米国のカートゥーン・ネットワークが共同で手がけるアニメ「IGPX」の発表。「TOONAMI」ってチャンネルをはじめとして日本のアニメを数多く紹介しているカートゥーン・ネットワークのチャネルに資金とI.Gが持つ企画力に制作力を合わせて国際的に通用するアニメを作ろうってゆープロジェクトでその第一弾に選ばれたのが「IGPX」って作品。本郷みつる監督を迎えて秋にもスタートする「近未来電脳スポーツアニメーション」で、車に替わって平均時速400キロで突っ走る人型高速競技メカが戦いながらレースをするってストーリーらしー。

 なるほどカートとかインディとかいったバトルっぽいレースが好きな米国向けのストーリー。見せられたパイロットフィルムのクオリティも高くって3Dのメカが突っ走り2Dのキャラクターが会話する画面はまるで違和感がないけれど、どうにも気落ちに引っかかって来るものがない。キャラクターは普通。メカも普通。バトルシーンもスピード感はあるけどまあ普通。すべてにおいてゴージャスだけど画面から熱さってものがあんまり浮かび上がって来ない。

 セリフはバカで行動は阿呆。演出は過剰でロボットは爆裂な「創聖のアクエリオン」をすでに見た目には、綺麗にまとまっているだけのロボットアニメにしか見えずレース物としても「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」を果たして超えているのか分からない。けどまだ今の所は繰り広げられるストーリーが見えないんでそれが果たしてどんなものか、熱いのは爆裂なのかバカななのかを見極めた上で流石はI.Gとゆーか所詮は日米合作と謗るかを決めよう。

 続いてミコット・エンド・バサラってゆー企画&投資をやってる会社の会見。イワトビペンギンのポリゴン・ピクチュアズとかモーニング娘。の「リリパット王国」を手がけたジーニーズアニメーションスタジオとか、「エコエコアザラク」なんかのCGIを手がけている白組なんかをパートナーにしてCGだったり特撮だったりする作品を作って公開していくって話があってそれから、昨日も会見の行われたジョン・ウー監督を迎えて立ち上げるプロジェクト「ポセイドン・プロジェクト」のお披露目が行われる。

派手なCGのアクションも元を辿れば会議室での演技。映像に注目したならモデルにも注目しようよウー監督。  といってもジョン・ウー監督は別にアニメの監督をする訳じゃなくって、「アップルシード」を手がけてあれこれ評判をとった荒牧伸志監督の最新作にプロデューサーとして絡んで例えば演出面とか、ハリウッドやらアジアといった方面への展開とやらでお手伝いを願うらしー。それにしても決してビッグなバジェットで作られた訳じゃなく公開規模も小さかった「アップルシード」の監督の新作にどーしてジョン・ウー監督が? って疑問も出たけれど、どーゆー伝かは分からないものの作品を見たジョン・ウー監督、あの表現技法にあのストーリーをいたく気に入ったらしくって、彼の作る新作だったら喜んで協力したいってことになったみたい。

 ちなみに米国で発売される「アップルシード」のDVDにも推薦文を書いているとか。目黒にあるスタジオってゆーか普通の会議室にモーションピクチャーの機材を持ち込み三輪明日美さんとかに黒タイツを着せてアクションシーンなんかを撮影していた姿を見ているだけに、決して恵まれた環境ではなくても意志を持ち、精一杯に頑張って作品を作り上げればそれを見て感動してくれる人がいて、続く仕事に発展していくんだってことを改めて教えられる。けどでもいくら「アップルシード」が売れてもモーションをした役者さんには注目が集まらないのはちょっぴり寂しいかも。ジョン・ウー監督の映画に三輪明日美とついでに三輪ひとみが出て猟奇の限りを尽くしたら面白いのになあ。


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