縮刷版2004年9月下旬号


  【9月30日】 高見ちゃんが高見ちゃんが高見ちゃんが高見ちゃんが。ずぽっ。って書くととってもあれでそれだったりするけど、しばらく前から続く「ヤングキングアワーズ」2004年11月号掲載「ジオブリーダーズ」での高見ちゃんと化け猫との戦いっぷりを知っていれば、ずぽってのがそれでどれな描写じゃなくってナイフが肩口にどかっと突き刺さるよーな悲惨で壮絶な場面を現したものだと分かっていただけるでしょう。ってそっちの方がヤバいじゃん。

 ってか化け猫のパワーで投げられたナイフだったら腕の半分くらいを吹き飛ばしたって不思議はないんだけどそこはまだまだ登場人物に対する優しさってことで今回は、神宮司重工の面々と同様に最悪のピンチをどーにか助けによってしのいでこれからの展開の中でちゃんと、お茶目で可愛くってそれでいて強いこれまでどおりの高見ちゃんを、演じていってくれると信じたいけどでもなあ、極端にシリアスへとシフトして来ているからなあ。やっぱり「魔象の十字路」か。高見ちゃんが八百の立場を担うのか。「救急車、遅いわねえ」とかつぶやきながら。嗚呼。

 いったい何年ぶりの登場になるのか覚えてすらいないアーカード様の大復活。弱腰弱虫な婦人警官もここに来て悲しみよこんにちわから吸血鬼として目覚め圧倒的な存在感を見せるよーになって、前の巨大な二つのスイカをわさわさとさせながらもどこかびくびくとしていた表情が好きだった身には残念ではあるけれど、一方で胸をぐんと張っては高慢にして高飛車な吸血鬼としての表情を見せてくれるよーになってそっちはそっちで嬉しかったりするから人間、女性の好みなんて分からない。女性だったら何でも良いってことなのか。ことなんだけど。ことなんだよね。での縁遠い。何故だ?

 裸エプロンの淫靡さにかなう姿があるかどーかは微妙だけどなかなかどーして、裸ジーンズもこれはこれで実にインモラルな格好だってことを「ヤングキングアワーズ」の「エクセル・サーガ」のエルガーラを見て痛感。ローライズの上端からのぞく下腹部の、腹と足とを分けるY字線の上端部がのちらりとのぞく様にそのY字線のクロスする場所にあるものが想起されてある種のうずきを起こされる。いっぱいあるのか。それともないのか。歳から言えばあって当然なんだろーけど小さくって細いバンドエイドで双球の先端同様に隠せてしまうってんだからあるいは、白くて柔らかい丘がただそこにあっただけなのかも。どっちなんだろー。賭けるなら白だけど。白が良いけど。白だよね。

 傘の柄にバッグとかを引っかけられるくぼみが付いてる傘である種の方向軸を見せられた気がしたタカラとダイヤモンド社とデザイナーの深澤直人さんによるプロジェクト「プラスマイナスゼロ」だったけど、10月1日に表参道あたりにオープンするオンリーショップの内覧会で見せられた、セカンドシリーズに投入する商品のうちのトートバッグを見てなおのこと、デザイン性と実用性と遊び心が程良くミックスされた製品ってものがこの世に実在する素晴らしさを、改めて強く思い知る。サッカーのコーナーフラッグ下のラインが描かれた人工芝マットも面白かったけどこれはどちらかと言えば遊びがメイン。トートバッグは遊び心もあるけど何より実用的だったりするからね。

 なるほど見かけは普通のトートバッグ。横幅が25センチとかそんなもので決して大きくはなくって、小学生がサブバッグとして持ってちょうど良いくらいの大きさだったりするんだけど、よくよく見ると底が学校でよくある上履き、俗称でバレエシューズみたくなっていて、見上げると滑り止めのラインが細かく入ったシューズの底が筒状のトートバッグの最下部に付けられていて、なるほどこーゆー着想もあったのかと大笑いする。長靴の先っぽが指になってるマグリットの絵の逆っぽい。

 なるほど確かにバッグを下に置けば当然ながら汚れるし、立てられるほどの安定感もあまりない。これが靴の底だったら、立てられるし靴なんで汚れた場所でも底をベタ漬けして置かれて案外平気だったりする。デザインに実用性に遊び心のブレンドされた商品の典型例って言えそー。問題はアサヒ靴だかに特注している関係もあって値段が6300円とややお高いことでこれだとちょっと子供がサブバッグに使うのは難しい。

 かといってアート的な吃驚グッズに祭り上げてしまっては意味がないと深澤さんは思っているみたいで頑張って1つ2000円とか3000円当たりまで、下がらないかといろいろ画策しているとか。気軽に買えるよーになったらマジックで線を3本引いて「ぼくアディダス」とか弧状の線を引っ張って「わたしプーマ」といって遊ぶ子供が出てきそー。いっそだったら本当に、スニーカーのメーカーとコラボレーションをしたら面白いのに。それだと高くなってしまうか。それだと高くても買うのかな。ともあれ今後に期待。

 イチロー選手の記録達成がいよいよ近づいてきて大騒ぎするメディアたち。スポーツ新聞や一般紙のスポーツ面はそれで当然だけどスポーツ欄を持たない、どちらかと言えば経済が主体のメディアまでもが大騒ぎを始めている構図がどうにも気持ち悪くって仕方がない。ほかにメインの経済記事を配した脇でひっそりと、サイド的に経済効果とかを紹介するならまだ冷静って言えるんだけどメインで広告価値がどうとか旅行に行く人が多いとか道具に人気が集まっているとか、言ってしまえばサイドでしかない記事を並べて大きくメインに仕立て上げようとするから薄気味悪い。

 何しろ骨となり中心となるスポーツそのもの、イチローそのものが非ビジネス的って意味から排除されているか後ろに下げられているから、読んでいて肝心の記録がどれだけ凄いものなのか、イチローがどれだけ凄い選手なのかが捉えられない。ただひたすらにイチローが”金を生む家鴨”的な記事になってしまって、スポーツそのもの、スポーツ選手自身を軽く見ている感じすら漂ってスポーツへの敬意を抱く人が読むと投げ出したくなる。つましか出てこない刺身の皿を食べさせられて喜ぶか。ショウガが乗ってあとはせいぜい玉子だけの寿司を食べさせられて嬉しいか。莫迦にされたと怒るだろう。

 けどそれがお洒落と思っている年輩層が多いからたまらない。仕方がないので町屋の「流体力学」へと出向いてイチロー選手のユニフォームを見物しつつ「開運! なんでも鑑定団」で有名な前野さんの話しとか聞く。「レプリカなんてパジャマみたいなもの」と言う前野さんの話にうなずきつつ、2001年のルーキーイヤーの最後の1カ月、例の「9・11」を追悼するために首筋の所に星条旗を縫いつけたバージョンの最後の1枚を、これは貴重でイチローの歴史、大リーグの歴史、アメリカの歴史を身に感じられる品だと思って購入する。こんなものを置いているとはさすがに流体力学。スポーツ報道をしないで周辺でお祭りするメディアをきっと苦々しく思っているだろーなー。御免なさい。でも良い品をありがとうございます。また行こう。


【9月29日】 起きようと思って起きられず録画だけしておいた「チャンピオンズリーグ」の事実上の決勝、と言われたって不思議のないはずだったカードの「ローマvsレアル・マドリード」は目覚めて結果を見るとレアルがローマに奪われた2点のリードをラウルの2発を含む4点連取でひっくり返して勝利。これでローマは続くリーグだかトーナメントだかへの進出が厳しくなった模様で夏に日本で遊んだツケが、出たんじゃないかとメディアに思いっ切り叩かれそー。

 とか言うレアル・マドリードも夏場の日本での遊興が祟ってか「チャンピオンズリーグ」の最初はレバークーゼンにボロ負けしてリーガ・エスパニョーラでも出遅れ気味。よほど日本遠征ってのはチームの熟成に悪いのかと思いきや、同じスペインのバレンシアは序盤から快調に飛ばして首位を堅持しているし、バルセロナもロナウジーニョが大活躍しているみたいでしっかり2位をキープ。とりわけバルセロナに関しては、去年の出だしの悪さを思うと天と地ほどの差があって、この2チームについては日本は幸運を招く地だったって言えそー。結局は日本がどうってんじゃなく、チームがどうってことなんだね。

 1927年。ウォルト・ディズニーが創造しては制作に携わり、当時の米国で一世を風靡しながら、映画会社の強い意志でもってすべての権利が映画会社に所属することになったウサギのキャラクターがあったという。映画会社ではウッディ・ウッドペッカーの人に預けてそれなりに盛り上げようとしたものの、やがて静かに表舞台から退場して、長い眠りについていた。一方でディズニーは、愛するキャラクターを奪われた悲しみをバネに列車の中で1つのキャラクターをデザイン。どことなく前のウサギに似ながらも長い耳ではなく丸い耳を持ったネズミがベースになったそのキャラクターは、程なく全米の人気を得、さらには世界中の人気を得るようになって今や世界で最も有名な、そして最も稼ぎ出すキャラクターとなっている。「ミッキーマウス」のことですね。

 ところが2004年。長い眠りについていた幻のキャラクターが蘇った。「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」。一部には「幸せウサギのオズワルド」として語り伝えられているウサギのキャラクターを、ユニバーサル・コンシューマー・プロダクツが蘇らせては商品化を展開することを大決定。まずは先陣を切る形でこの日本から、キャラクター商品を作り投入していくってんで世界中のキャラクターマニアの羨望を、日本人は浴びることになりそー。 29日から「東京ビッグサイト」で開幕した「ライセンシングアジア2004」にしつらえられたユニバーサルのブースには、すでに今夏からタイトーがプライズで展開している「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」のぬいぐるみなんかが展示され、ペンギンとかひとまねこざるとかウッドペッカーに並び追いつきやがて追い越すくらいのキャラクターへと、育つんだって強いオーラを放ってた。

 見た目はなるほど「ミッキーマウス」を生み出したディズニーの手がけたキャラだけあって、目の感じとかが「ミッキーマウス」によく似てるし、胴体から足とか手とかの処理もやっぱり「ミッキーマウス」調。「ライセンシングアジア2004」の会場でビデオ放映されている1900年代初頭にディズニーなんかによって作られたらしーアニメーションに出てくる「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」はモノクロってこともあって更に「ミッキーマウス」に近い雰囲気があるけれど、今回の商品化では濃いめのブルーをベースにした色彩と、アニメより長めになった耳なんかが特徴になってて「ミッキーマウス」とは明らかに違った、可愛いキャラクターとして発売されればちょっとした評判を呼びそー。

 もっともマニア的にはキャラクターより展示会場で流されているアニメの方に興味を見せそー。元祖とも言える「ディズニーアニメ」よりも歴史を持ったアニメーション。ディズニー譲りの動きとストーリーを持って80年近い歴史を感じさせない面白さがあって、アニメの歴史を考える上で見過ごせない1作って言えそーな気がする。聞くとビデオとかDVDにはなっていないそーで、オズワルドとかペットの双子の羊とか、動くキャラクターを見られる少ないチャンスってことでアニメファンは業者向けの「ライセンシングアジア2004」に頑張って潜り込んで、どんなアニメだったのかをその目で確認したくなりそー。トレーラーをダビングしてもられば嬉しいんだけど、駄目だよね、やっぱり。DVDで出ないかな。

 スイスイの「タイツくん」は3年目にして絶好調。ブースには「大人のたしなみ」の励行カードがずらりと並べられていたんだけど、どちらかと言えば男性向けだと思われたキャラクターなのになぜかブースは女性がいっぱいでカードを興味津々に眺めていて、意外なところに市場がありそーだってことが伺えた。大勢が集まりリアルでダイレクトな反応を見せる展示会ならではのリサーチ結果。今は「SPA!」とか男性が中心になってる雑誌にメインで連載されているけど、ゆくゆくは女性誌なんかにもどんどんと進出していくことになりそー。実写映像化も進んでるってことだけど、出演するのはいったい誰になるんだろー。枡野浩一さんと河井克夫さんのネオ双子ユニット「金紙&銀紙」だとイメージぴったり重なるんだけど。「とんねるず」だと「もじもじくん」になっちゃうなあ。

 仕事で「Bunkamuraザ・ミュージアム」で開催中の「グッゲンハイム美術館展」を取材に行く。テレビだと広く世間一般にアピールして、集客につなげたいって思惑もあってか、ルノアールにゴッホにピカソが見られるってコピーをフジテレビが宣伝の中で流しているけど、日本でおなじみ過ぎるそーしたアーティストを並べたことが果たして効果的だったかってゆーと、むしろ今さら感があったよーであんまり集客には結びついていなさそー。だからこそ僕みたいな人間もグループってことで駆り出されれて、記事を書かされる羽目になったんだろーけど。

 知っている人が聞けばこのコピーがどれほど「グッゲンハイム美術館」を言い表すのに相応しくないかが分かるってもの。「グッゲンハイム美術館」と言えば、創設者のソロモンがカンディンスキーにパウル・クレーといった画家の作品を収集し、姪のペギー・グッゲンハイムはサム・フランシスにマーク・ロスコにジャクソン・ポロックといった、20世紀を代表するモダンアートの泰斗たちの作品を集めることで彼ら新進のアーティストを助け、20世紀の美術史を資金面から支えた歴史に残る美術館だったりする。今回の展覧会も出品作品は当然ながらそーした作家が多くって、20世紀のアートシーンを総括する絶好の機会となっている。

 なのでそーゆー喧伝をして、分かりやすく言えば「DOBくん」の村上隆さんにつながるモダンアートにポップアートの歴史を学ぼうと訴えれば、若い人の関心を惹きそれなりな賑わいを見せたかもしれないけれど、展覧会を主催した人仕切った人には日本のメディアに所属している人らしく、権威にすがろうって意識が強くあったのか、ルノワールにゴッホにピカソといったいささか通俗的な名前をピーアールする宣伝に落ち着いてしまった模様で、モダンアートのファンとしてはちょっぴり寂しい気がして仕方がない。もちろん行けばポロックにもカンディンスキーにもウォーホルにもマティスにも、シャガールにもマグリットにも会えるんで、宣伝文句は気にせずモダンアートのファンは足を運んで頂きたい。24日まで期間延長で開催中。1500円は高いなあ。


【9月28日】 だからやっぱりベンチで耐えられなかったんだってば選手たちがカマーチョ汁に。ってことを半ば証明する「週刊サッカーダイジェスト」2004年10月12日号掲載の「スーパーさぶっ!!劇場」。両脇をしとどにぬらしたカマーチョ先生がロナウドに多分ラウルをむぎゅっと抱きしめ悶絶させ、続けてフィーゴにジダンを抱えて昇天させる展開になるほどそれほど凄いものなのかと驚嘆する。

 「レアル・マドリード」を率いて来日した際に開いた最初の記者会見で見たときは、スーツ姿でシャツの脇を見せてくれなかったし冷房も効いていたから分からなかったけど、残暑の残る欧州で狭いベンチに片寄せ合っているとやっぱり得も言われぬ香りが漂い選手達のやる気を別の方向へと向けてしまうんだろー。おかげで開幕したリーガではちょっとばかり出遅れチャンピオンズリーグもレバークーゼンに3対0で破れる恥辱を受け、これはまずいとピッチに鼻栓をして登場した姿にさしものカマーチョ監督も、衝撃を受け身を引く決心をしたんだろー。冬になったら戻ってくるかな。冬でも出るのがカマーチョ汁なんだけど。

 同じ号の「週刊サッカーダイジェスト」には再会された「なでしこリーグ(L・リーグ)」に関する特集も。来場者が増えてるって冒頭に来る話題に添えられた去年までの数字を見ると2002年で1試合あたり302人だったのが2003年は185人と激減していてなるほど、そんな最低の年から見始めた目にはどのスタジアムに行っても関係者と家族しかいない、ある意味で家族的だけど別の意味では末期的な状況が進行してたんだってことが分かる。成田で開かれたジェフとYKKの試合とか、読売ランドでの日テレ・ベレーザの試合とか、ホント人、いなかったもんなあ。

 米国で開催された「ワールドカップ」に出場してこの数字。「アテネ五輪」に出られなかったらいったいどーなっていたのかと数字を見て身震いした関係者とかも多そーだけど、結論から言えば4月の五輪出場を決めた試合で与えた全国的な感動が中断までの試合で平均600人と去年の3倍の人間を招き寄せ、五輪での頑張りも加わって再開後も順調に数字を伸ばしている模様。東西で試合をしてそれから上位・下位に分けてた去年と人気チームの多いL1だけの今年で単純に比較はできないけれど(L2の試合をまだ見てないんで)、まずは注目を集めることが先決だとすればその目的は存分以上に果たされてる。

 盛り上がって来た「なでしこリーグ」の一方で「なでしこジャパン」の方がぽっかりと抜けてしまっているのが気になるところ。上田栄治監督の後任がまだ決まってないし試合の予定も組まれてなくって、あのメンバーを目の当たりにできる機会が当面来ないのが辛いところ。まあ目先はメインの男子フル代表が2006年の「ワールドカップ独大会」出場を決める予選を戦っていて10月は、その第1関門と言えるアウェーでのオマーン戦があってそっちに関心が向かうから良いけれど、ここでよもやでまさかな事態となたら後は女子の2007年の「ワールドカップ」出場に賭けるしかなくなるんで、その時に備えて協会の方々にはそれだけは叶えてくれる人選と、その時に向けた強化試合の開催を是非にお願いしたいもの。バレーボールのNECを退社したメグこと栗原恵選手をポストかキーパーにスカウトしたら面白いのになあ。

 相変わらず着替えを手伝えて何とラッキーでハッピーな人間使い魔の平賀才人だけど、どーも学園近辺で起こる事件をドタバタと解決しながらラブコメチックな腐れ縁が醸成されていくありがちな展開へとは進んではいかない模様のヤマグチノボルさん「ゼロの使い魔2」(MF文庫J、580円)。学園どころか国家間の謀略へとルイズともども巻き込まれては国境を越え適地へと乗り込み命のピンチにも直面するハードにしてシリアスなストーリーに、もーちょっとだけほのぼのとした学園ラブコメを読みたかった身としておやつを取り上げられた気分でもやもや。

 とは言え話がふくらみ大きく動き出してしまった以上は、そこに主役として叩き込まれた平賀才人が周りのシリアスさに合わせて本領を発揮して、ルイズを救いトリステインを救い世界に英雄の名を知らしめるよーな壮大希有なストーリーを、見せてくれるものと期待するしかないのかな。表向きはルイズとの幼なじみ関係を訴え頼み頼まれる親しげな間柄を見せている王女アンリエッタの、可愛らしい外見によらず裏側がぬとぬとしてそーなキャラクターぶりが1番気になった所。いつも冷静なタバサの沈着ぶりにもなおいっそう惹かれたなあ。ともあれ続きをお早めに。


【9月27日】 ロボットが2足歩行であるべきなのは何も、人を作り出した神に我が身をなぞらえ人に近いものを作りたいって意識が根底にあるからだけじゃなく、2足歩行のロボットだったら障害物でも荒れ地でも、同じ2足歩行の人が入り込み乗り越えられる場所なら同様に分け入り踏破できるからで、これがキャタピラのよーな移動手段だったりすると荒れ地は入り込めても障害物は乗り越えられないし、狭い場所曲がりくねった場所にもちょっと入り込めない。

 その意味でまさに狭い場所へと入り込み障害物を踏み越え仕事をするロボットが2足歩行であるのは当然と言えば当然と言える訳でだから、田中久仁彦さんの「一撃殺虫ホイホイさん」(メディアワークス)に登場するゴキブリを始め害虫を駆除して部屋中を動き回るロボットことインターセプタードールが2足歩行の人形型であるのは必然以外の何物でもない。でもってそれが美少女の格好をしていることは部屋にゴキブリを大量に発生させる人種の過半が若い男性である以上は当然で、また女性は古来より女の子の人形で遊んできた経緯があるため美少女であっても抵抗感が少なくこれまた当然だと言って言いきれる。

 そんなこんなで次第に受け入れられるよーになった「ホイホイさん」だけど1つのヒット作の独走を許すほど製薬業界は甘くはなかったよーで別の会社は似た形状なれどタイプのやや異なる「コンバットさん」を投入して巻き返しを図り、やがてそこに第三の勢力も加わってシェア争いのバトルをまさしく文字通りのインターセプタードールどうしのバトルを通じて繰り広げる、とゆー展開。開発を仕切った人がマーケティング先行の方針に職人気質で挑み破れたもののやがて市場のニーズが職人気質を求めていたことが分かり復活するプロセスは、それがインターセプタードールであることを除けば一般企業の商品開発に適用できそー。読めばきっと開発者を大事にしたくなる。たとえイベントでその人(おっさん)がインターセプタードールの扮装をして歩くくらいに先鋭的な熱意を持っていたとしても。

 画は上手いし話もオタク的な性向やらワンフェス的でドルパ的なマインドやらがちゃんと繁栄されていてそっち方面に意識を振り向けている人の琴線をがっちり掴みそう。あと無限に装備をエスカレートさせていくことに熱情を燃やすガンプラ的なマインドの持ち主とかにも。高機動型ホイホイさんなんてほんと、すぐに出てきそうだもんなあ、もちろん現実にホイホイさんがあったらだけど。デンドロなんとかホイホイさんとかサイコホイホイさんとかやっぱり誰か作るんだろーなー。でも「足なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」とはホイホイさんでは言えなさそー。足があってこそ流しの隙間もゴミ袋の陰も踏破し踏査してゴキブリをサーチ&デストロイ出来るんだから。夏場にわんさとゴキブリの増えた我が家に1体、欲しいなあ、作らないかなあ、単に実物大なだけじゃないホイホイさんを、メディアワークスは。

 やりかねんなあ三木谷浩史オーナー。欧州のトップクラスのサッカーチームで数戦をこなしただけで負けが混んだ監督が辞任解任されている状況をそのまま受け継ぎ、新設するらしープロ野球の監督を開幕10戦で8敗くらいした段階で監督を解任するくらいのことは。10戦は流石に短くっても30戦して借金が10くらいになって5位6位あたりをウロウロしているよーだとこれはマジでシーズン序盤で監督解任だなんてことをやって来そー。何せオーナーの熱情でもって選手が構成されたチームをどうにか才覚で率い頑張ってきたハシェック監督を、来年の成長の可能性を考慮しないで退任へと追い込むんだからAクラス入りの果たせないプロ野球の監督が、シーズン最後まで生き残れるはずがない。

 けどそこは新設チームなんで選手も揃っていなければコーチも揃わない状況。試合に臨んでは連戦連敗を繰り返しそーな予感があって、それでも監督を据え置いて成長に期待するんじゃなくって1年目から結果を求めるせっかちさが、ヴィッセル神戸はすでにチームを崩壊へと追いやっているから脇に置いて、プロ野球でもひとつわじわじと浸透しては不幸を招く可能性も出て来そー。それはそれで負け越しが決まっても1年はやり通させる野球の不思議な慣習をうち破って革新的ではあるけれど。

 まだまだ一部ではあるものの大手の企業がエントリーシートから出身大学名を削る動きを見せているのはそれが妙な同窓意識とかいらぬ先入観を招いて、当該の人物を見る目に予断を与えてしまうからだし朝日新聞なんかが略歴から大学名を削っているのもおそらくは同様の理由。あるいはプライバシーを根ほり葉ほり漁っては学閥同窓といった仲間意識に誘いかける下品さに気付き改めようとしたからなんだろー。

 どこのどこの大学を出たって過去から判断できる人物像は、そーした高校なり大学に対してある程度の先入観(レベルとか雰囲気とか)があって成立するものだから。だから上品さお洒落さを追究しよーとしているメディアがあったとして、他と差別化になるからって理由で大学名はもちろん高校の名前までこれからはプロフィールに入れよーとするなんてことが、あるはずもないしあったらそれは革新的というより反動的なことと言われかねない懸念もある。まあ架空の話しをあれこれ考えても仕方がないんだけど想像は往々にして現実を飛び越しているからなあ。


【9月26日】 人大杉。だなあ。「東京ゲームショウ2004」は一般公開日を迎えて朝からわんさの人混み。目立ったのが小中高といった子供たちがちゃんと会場に足を運んでいることで、「ファミコン」で育った世代が上に上がって高校大学へと進んでコアなゲームファンとなってイベントにわんさと詰めかけそれが1つのタコツボとなり、一方で美少女ゲームにはまった世代が次へ次へとキャラクターを消費していく構図にはまってこれまた別のタコツボを形成しては、ゲーム市場をがちっと固めてしまった印象を抱かされてしまっていた状況が、ここに来て変わっているよーな観がある。

 それは「ゲームボーイ」なんかで日々をゲーマーとして過ごした子供たちが、ゲームのある暮らしを普通のものと感じそんな彼ら彼女たちが気軽に楽しめるゲームってのが、ちゃんと供給されているからなのかもしれないけれど、単に彼ら彼女たちが好きなキャラクターが必ずゲームになって登場しているから見に行くだけ、遊ぶだけってことかもしれない。それはそれでゲーム市場のメディアミックスの中での位置づけを現していて興味深い。一方でハードはより高性能なものへと進化していて、それに合わせた高スペックのゲームってのが登場して来て、かつてゲームで育った大人たちを喜ばせている構図もあって、この2つある市場のカタマリがこれからどんな感じに推移していくのかにも興味。「ゲームショウ」の10年後は如何に。

 人大杉。かなあ。佐伯庸介さんの「ストレンジ・ロジック」(電撃文庫、570円)は何やら血に秘密を持った主人公の少年がいてその姉がいて妹がいて友人達がいて、海外から日本に怪物を退治に来たエクソシストみたいな退魔師みたいな一味のキレた奴がいて切れ者がいて、昔そいつらといっしょの組織にいて今は抜けて日本でよろず相談所を開いている美人がいてその助手がいて、何百年も生きては人を喰らう鬼がいてなおかつ美人転校生までいるってこの構図。もう頭ぐるぐるです。

 キャラクターはそれぞれがそれなりに魅力的。とりわけよろず相談所の美人所長の真咲創なんか格好良いだけじゃなく強くってその足下にひれ伏したくなる。けどそれぞれがそれなりにストーリーの中で役割を負ってちゃんと活躍はするとは言え、本筋とゆーべき少年と姉とのフクザツな関係を描く本筋に果たして必要だったのかって言われると迷ってしまう。ジョーカー的な美少女転校生がいるなら外国からの刺客はいらないしいても2人はいならなさそー。よろず相談所の助手もあそこまで目立たせなくても良いよーな気がする。高沢親って何やってたっけ?

 命の種類に軽重があるのも気かかるところかなあ。食人鬼にばつばつと人が喰われ外国からの刺客も無用な人殺しをべりべりやっているのに最後のところでその大元になった”犯人”の命が助けられてしまう。友人を目の前で爆殺されたんだよ。自分の命を投げ出してまで友人は主人公を助けたんだよ。なのにその原因に恨みのひとつもぶつけないなんて可哀想過ぎるよ。まあ愛とか恋とか、友情に勝る人間の感情ってのがあるのは分かるけど、それにしても扱いに差があり過ぎる。

 まあ半ば顔見世興行のオールスターキャストって思えばこれだけ出ていても普通だし、これだけ出ていても話がこんがらがらず最後にしっかりと大団円までもっていける力は認めるべきか。続きがあるとしたら力に目覚めた主人公の少年を狙って海外から続々と送り込まれる「学院」とやらの刺客に真咲創や助手の裂江嶺やらがつるんで立ち向かうって展開になるんだけど、そこで姉の遠見をどう絡めるかが難しそー。何せ彼女は……だからなあ。ともあれ様子見。出来るんなら創が嶺を虐げながらも破天荒な活躍をみせる外伝へと広がって頂ければ有り難いかも。

 SFじゃん石田衣良さん。脳腫瘍で余命幾ばくもない男が痛みの向こうに目覚めるとそこは200年後の日本。インフルエンザを土台にした生物兵器が蔓延して人間は高い塔を作りそこにこもって生きていた。当然ながら貧富によって差があり1層が偉く下に下がるにつれて程度も下がるがそれでも外に暮らす人々よりはましってヒエラルキーが出来上がっていて、目覚めた主人公は1層でもエリートの三十人委員会のメンバーとして、特権階級を中心に世界をリセットしなおすかそれとも下との行き来を活発化して下層の鬱屈する不満を和らげようとするかを思案していた。

 以後、現在と未来を意識が行き来しては現在の今まさに生まれ出ようとしている生物兵器の土台となったウイルスをどうするかで悩み、また未来では塔から裏切り者呼ばわりされても下層でうごめき地上で苦しみ地下で頑張る人々を救うためには何をしたら良いのかを考え行動する。SARSが大流行し世界が文明の違いから対立している現在から見える歪んでしまった未来のビジョンが翻って今何をなすべきかを教え、特権階級にありながらも下層で、地上で虐げられ命を奪われていく幼い少年たち少女たちの姿に悲しむ未来の主人公の心情が、アフガニスタンやイラクやアフリカや日本や世界のそこらじゅうで苦しく子供たちの姿と重なり行動への意欲をかきたてる。

 ブレスレットからホログラフとして現れる猫の頭を持った物知りエージェント「ココ」はガジェットとしても面白いし、物語の中でも高い存在感を見せてくれる。未来の主人公にしたがう殺し屋の格好良さをはじめキャラクターたちの配置も過不足なくって物語のスケールにマッチしていて誰が誰だと読んでいて自然に入ってくる。この当たりはさすが、池袋に救う若者たちを描いてヒットした「池袋ウェストゲートパーク」の作者だけのことはある。

 なにより最悪の結末へとむけて転げ落ちていくよーなクライマックスの中で現在と未来を意識だけで行き来する主人公が、未来を救うためにとろうとした最後の手段が壮絶にして圧巻。でもってエンディングは開放的で爽快。良い小説を読んだなあって気にさせてくれる。意識がつなぐ現在と未来って言ったら神林長平さん「魂の駆動体」なんかを思い浮かべるけれど、自動車ってゆー創造物を通して人間の営為の意義を考える哲学的な面のあった「魂の駆動体」も大好きだけど、風刺があって警句的でそれでいてエンターテインメント性も抜群の「ブルータワー」も最高です。「ハヤカワJコレクション」の”完結”と良い今年は日本SF、豊作だったなあ。


【9月25日】 「トータルリコール」のストーリーがどんなだったか覚えてないのは記憶が衰えているからなのかそれとも例の、婆ちゃんからシュワちゃんが出てくるシーンのインパクトが強すぎたからなのか。きっとどっちもどっちだろーけどただ、うっすらとでも覚えているのは捻り捻られまた捻り返される展開の中、どの世界が本物で、どれが偽物なのかが分からなくなって、見ている間、頭をぐらぐら惑わされていたこと、だったりする。

 その惑いがとりあえずのエンディングを迎えた後も、そのエンディングへの疑問となって映画の記憶を曖昧模糊としたものに、していたよーにも思える。思いっ切り記憶違いかもしれいないけれど。まあそんな感じにいろいろ考えさせてくれるディックワールドをまんま映像にしてくれていた「トータルリコール」にちょっぴり、似た雰囲気を味わったのがもりたけしさん「当たり屋マーティ」(朝日ソノラマ、552円)とゆー話。「トータルリコール」ほど捻り捻られまた捻り返されるって部分がないのがちょっぴり寂しいところだけど、これはこれで違った感慨を味わわせてくれる。

 マーティーが暮らすのは「フェイクシティ」という一種のテーマパークでマーティーはそこで役者をしていて、そこを訪れる観光客を相手にケネディ暗殺だとか禁酒法時代のシカゴだとか、生麦事件の現場といった歴史的な場面を演じては楽しんでもらっている。ケネディのそっくりさんとかスーパースターもにいるけどマーティーは下っ端で、いつか「フェイクシティ」を抜けだし普通の暮らしをするんだと思っていても果たせない。

 そんな彼のどんよりとした日々が突然変わる。「フェイクシティ」をフェイクな街を牛耳るマフィアに脅されマフィアの幹部の身代わり”当たり屋”になったマーティに命の危機が迫った時、彼の停滞していた人生がガラリと変わりハードでエキサイティングな日々が幕を開ける。って聞くとやっぱち「トータルリコール」とを思い出してしまう。あるいは寺沢武一さんの「コブラ」とか。

 けど、ディックによくある現実への懐疑とゆーよりは、偽物が本物だってどっちだって構わない、今ある生を精一杯に生きようって前向きな方向へと進んでいくのが「当たり屋マーティ」の特質。好みではディック的な悪夢の連続だったり「コブラ」的な男版シンデレラ物語だけど、「当たり屋マーティ」もそれはそれで「人生なんてしょせんはフェイク。だったら一生かけて演じきってやる」って気にさせられて楽しめる。もりたけしさんは「ストラトス・フォー」の監督の人。だったらもーちょっとお尻とか、出してくれても良いのにぃ。

期待されつつ前半はいまいちだったマミちゃんもいよいよ開眼か  稲城での試合からアテネ五輪を挟んで2カ月。先週から再開となった日本女子サッカーリーグこと「L・リーグ」すなわり「なでしこリーグ」(ややこしいなあ)が果たしてアテネの感動を取り込みどれだけの観客を集めるか、あるいは2カ月前から離さないでいられるかを注目していたけれど神奈川県大和市の「大和スポーツセンター」で開かれた「日テレ・ベレーザvsスペランツァFC高槻」の試合は、駅から歩いて5分って立地の良さもあってかメインのスタンドをほぼ埋める人出があって、アテネでの「なでしこジャパン」の頑張りがちゃんと、実を結んでいるんだってことを実感する。

 トラックはあるけど高さがあって見やすいスタンドに陣取り待つこと1時間半。練習を経て試合に臨んだ日テレ・ベレーザのスタメンにはなぜか澤穂希選手の名前がなくまたリザーブにもおらず、かといって復帰前のよーにスタジアムへと着て試合の流れを見守っている節もない。いったいどーしたんだろう。アテネで怪我でもしたんだろーか。帰国後にはあれやこれやテレビにも出ていただけにそれが蓄積した疲労を倍加でもさせたかと心配になる。テレビで見たあの活躍を生でも見たいって、「L・リーグ」へと足を運んだ人にはちょっと残念な事態かも。

 とは言えアテネ五輪では澤選手を上回るスーパースターが誕生。その名も「アフロ荒川」」に憧れるチビっ子サッカーファンも大勢いたみたいでピッチに荒川恵理子選手が登場するとスタンドに来ていた子供たちが、色紙を持って近寄りサインをねだる。こんな光景、見たのは「L・リーグ」に通い始めて3シーズン目でほとんど初めて。さすがに試合の前にはサインはできなかったみたいだけど、試合の後とかちゃんとサイン、してあげたのかな。プロ野球じゃないけど選手のファンへのサービスが、積み重なって長の隆盛と繁栄をもたらすのです。僕もあと20歳若ければ。30歳か。いやいやいやいや。

試合はトータルで見ればベレーザが圧倒した感じ。攻めて攻めあぐねた前半は荒川選手の中央からかわし一閃振り抜いた脚から放たれたシュートで取った1点だけだったけど、後半はサイドをえぐりこぼれたところを中盤がさばいてスペランツァのゴールへと迫るワンサイド。スペランツァもわずかに1人か2人の声だしサポーターの後押しも受けて、懐かしの高倉麻子選手と若いツートップ、そして左サイドの相澤舞衣が頑張っていたけれど、ベレーザの守備陣を切り裂き得点するには至らず逆にベレーザ期待の山口麻美選手の突破を浴びて1点追加されて2対0。さらに小林弥生選手のぽんと当てた球がキーパーの上を越えて3点目となりそのままベレーザが逃げ切ってリーグ優勝に必須の勝ち点3をゲットした。

試合が終わったら向かいの店にお好み焼き食べに行かないわたしひっくり返すの得意なんだ、とは言ってない、と思う  我らが酒井與惠選手は小林弥生選手と組む感じで中盤をガッチリ固めて左右にさばき前へと放り込む良い動き。ハーフタイムにはディフェンスの選手たちと守備の仕方について身振り手振りも交えてコーチングしていて小野寺志保さんを守護神に置きながらもすっかり、チームの中心的な存在へとなっている感じ、って前からだけど、連続MVPだし。今年は埼玉レイナスも強くって競り合いになってる感じがあるけど、逃げ切ればやっぱりMVPってことになりそー。なってくれ。

 気がついたのはアテネだと確かアディダスから支給された「パティーク」の菩薩だか如来だかシャカだかアイオリアだかアイオロスだかを履いていたのが今日見たら、前からご愛用のプーマになっていたこと。蹴道だか衆道だかだったっけ。ひょっとしたら勘違いかもしれないけれどでもやっぱり酒井選手にはプーマがよく似合う。何を履いても似合うって言う? ごもっとも。あとベレーザのユニフォームの胸に「日テレ」のロゴと「なんだろう」が入っていたのにちょっと吃驚。中断前までは確か無印だったから、アテネでの活躍に氏家斉一郎会長も大盤振る舞いをしたくなったのかも。売り出さないかなあ。サッカー界で唯一、あの世界の宮崎駿さんデザインによるキャラが入ったユニフォームってことになる訳だし。

 とゆー訳で300万アクセスを突破。カウントを取り始めてから8年ちょっとでの到達は決して早い方ではないけれど、1日たりとて明かさず書き記し、積み重ねてきた砂粒のよーな言葉でも溜まればそれなりのものとなって電網を伝わり、300万の端末へと達して誰かの何かになっているのだと、思うとそれなりの責任感もわいてくる。だからといって別に改めて何かをすることもなくこれからも、アニメーションとかライトノベルとか村上隆さんとか女子サッカーとか、会社の愚痴とか会社の悪口とか会社の間抜けなところとかを、あれやこれや書き記していく所存ですのでお暇と御用でないかたはおつきあい下さい。300万記念に明日は「柏レイソルvcジェフユナイテッド市原」の試合を見に行こう。いつもどうりじゃん。


【9月24日】 ってことで「東京ゲームショウ2004」。何より「プレイステーションポータブル」を見たいって人が多かったみたいで開場するとソニー・コンピュータエンタテインメントのブースは人でぎっしりで、広々と開けられた空間を歩いている、腰につけたホルスターに「PSP」を刺したコンパニオンのお姉さんをつかまえては手に「PSP」を持ち、耳にヘッドホンをつけてゲームを楽しむ人がそこかしこで見受けられた。

 けどなあ。確かにゲームは綺麗でまるで「プレイステーション2」のゲームをプレイしているよーだけど、だったら家でより大画面で「PS2」で遊んだ方がより楽しい。「PSP」だったら旅先でだって楽しめるって言うけれど、小型化される「PS2」ならカバンに入れて自在に持ち歩けたりするから例えば、旅先の旅館へと持っていって仲間内で楽しめる。「PSP」は遊べて1人だけ。それはちょっぴりつまらない。

これを手のひらの乗せられるのはだいだらぼっちだけ? 巨大PSPが迎えてくれるSCEのブース。左端の白髪はまるさん?  電車や飛行機の移動中に楽しめる? まあ楽しめるけど果たしてどれだけ電池が保つのかが現時点ではまるで謎。UMDをぶんぶん回して高性能のチップを働かせて5時間電池が保つとはちょっと考えにくい。パソコンお「バイオ」と同等のバッテリーでも積めば保つかもしれないけれど、いくら小さくたってパソコンはそれなりのサイズがあるから電池も詰める。対して「PSP」にそんなスペースはない。

 仮に5時間、映画1本くらいは楽しめるくらいのバッテリー容量があったとしても、だったら外で本当に、ゲームを遊びたい人がいるのかどうなのか。すでに発売されて久しい任天堂の「ゲームボーイアドバンスSP」ですら決して電車で1割2割の人がプレーしてはいない。1割2割がプレーしているのは携帯電話のゲーム。コンパクトさで勝る「GBASP」がこの状況だとしてより大きく、多分重たい「PSP」を持ち歩いてはゲームを外で楽しむ人が、どれだけいるのかちょっと見えない。

 あるいは外を持ち歩くんじゃなくって部屋から部屋へ、食堂から居間からベッドへと移動しながらでも楽しめるってゆースタイルをこれでうち立てようとしているのかもしれない。テレビの前に座り込んでプレーするのは面倒くさい。寝転がりながら遊べるこっちをメインにしたいって人が多いのかも知れない。電池が減りかかったらすぐチャージ。あるいはAC電源? そーゆースタイルを作るんだったらアリだけどでも、それだと「GBA」とかみたく世界で何億台何千万台を売るハードには育たない。

 かといって「iPod」よろしく音楽を楽しみ、なおかつ映画も観られる端末ってすると狙いが分散して、メーンターゲットにむしろ届きにくくなる。パソコンでDVDが見られる時代に別の端末を持ち歩くのか? UMDで音楽が供給されるのか分からないのに「iPod」から乗り換えるのか? その辺り、使用するビジョンを明快に打ち出せないところに不安が見えるけど、マーケティングにかけては一日の長があるソニーだけに、「PSP」がある暮らしって奴をひとつ、提案して来てくれるのかもしれない。綺麗なブースで触らせるだけの「東京ゲームショウ」では分からなかった「PSP」の未来が、発売の時までに浮かび上がって来ることを期待しよー。それがなるほどなものだったら3万円でだって買い。なければ2万円でだって見送り。

 物販で「ブロッコリー」のブースが小さくなっていた様に変転するエンターテインメント市場の難しさを覚える日々。といっても来月に「東京エンターテインメントマーケット2004」ってのが同じ「幕張メッセ」を開場に控えてて、そっちに精一杯にブースを出展するみたいなことを言っていたから「東京キャラクターショー」並みの、ゴージャスにして面白いグッズも山盛りのブースが出てくることを期待しよー。今回は「キャラショー」でも見た「美鳥フィギュア」くらいしかなかったからなあ、でもってすでに持ってるしなあ。

 並べりゃあ良いってもんじゃねえぞ楽天。プロ野球への参入を発表したけど先行するライブドアの威勢の良さ、すなわち反逆児っぷりを逆手に取るよーに楽天では財界のお歴々を経営諮問委員会だかにずらりと並べて、経営の透明性は維持されるんだよってことをアピールする、のは表向きで実のところは自分には、こんなにもバックがついてますってことをアピールしてみせて、傍目には勝利は確実って感じを醸し出す。

 何しろすごいメンバー。世界ナンバーワン企業のトヨタ自動車の奥田硯会長にウシオ電機の牛尾治郎会長。いずれも財界主要団体のトップもやっていたりたっていた人でプロ野球を運営するオーナー陣ですら一目置かざるを得ない権威の持ち主で、後ろ盾の盤石ぶりには誰もケチがつけられない。そんな権威ばかりを並べていたら重々しくなるところだけど、そこはそれ、ローソンの新浪剛史社長にカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗昭社長に有線ブロードネットワークスの宇野康秀社長といった所をそろえてて、浮かずかといって縛られていない面々を並べて活動的なところも窺わせている。

   けどなあ。既存の権威によってがっちり固められていたからこそプロ野球は、こんな惨状になってしまった訳でそーした権威を討ち倒し、スポーツを選手とファンの手に引き戻そうとして始まった一連の運動が、最後の段階になって新しい権威のもとに収束してしまうってのは寂しすぎる。もしもこれで決まってしまったら、古田敦也選手が一身に非難を浴びながらも選手会の先頭に立ってやって来たことって一体何だったんだろうって気になってしまう。

 横浜フリューゲルスを売ってしまった全日本空輸にアルビレックス新潟のプロフェッショナルバスケットボールリーグ設立を認めないスーパーリーグに所属するトヨタ自動車、アルビレックス新潟の母体でとうの昔にバスケチームを手放した大和証券といった面々を含め、企業の宣伝から離れて文化としてスポーツを育てていこうって意気に燃えた企業がアドバイザリーボードとやらにどれだけいるのか。そんな面々に頼った時点で楽天のスタンスに微妙な影を見てしまう。

 ライブドアがだったらどれほどのものかって言うとこれまた微妙ではあるけれど、大阪近鉄バファローズを買いたいと言いだしスタンドに分け入り旗を振り、また先行して仙台に拠点を置いて設立したいと言った意気は買いたいところ。戦力的には不必要だったイルハン・マンスズ選手をその怪我の度合いも見極めず引き入れては脱落させ、ファンを裏切っただけでなくイルハン選手自身の商品価値も下落させてしまった一連の騒動。今がチーム建設中で来年のために我慢の年であるにも関わらず、Aクラス(何位までのことだ)に入らないと監督の首を切るかもしれないっていった雰囲気を醸し出す楽天の態度に、ビジネスとしてのスポーツ運営の意思はあっても文化としてのスポーツ運営の意欲は感じられない。

 何よりチームが誇りとしファンも愛情を抱くユニフォームの色を、自分の会社のイメージカラーに替えたいと言い出すセンスが分からない。フィオレンティーナを買ったトッズのオーナーが、靴の色だからといってヴァイオラのユニフォームを茶色に変えたらどうなるか。フィレンツェの街を歩いてはいられないだろう。ミランが赤と白にはらなずインテルも青と赤には絶対にならない。ユヴェントスはピンクになるけどこれはアウェーだし創設当初の色でもある。それだけチームカラーを伝統として、財産として大事にしているってことだ。

 ビジネスと考えれば分からないでもないし、たかだか10年弱だか強のチームのカラーがここで変わってあと100年続くのなら文句は言えないけれどでも、そこまで果たして頑張る気力があるのか。もしも人手に渡った時に前のオーナーの会社の色をしたユニフォームなんて次のオーナーが着せたがるとは思えない。まあ本当にユニフォームの色が変わるかどうかは分からないけど、言い出してみせるセンスそのものがやっぱりスポーツへの愛着を図る上でひとつの指標になって来る。野球にはどんなことを言い出すのか。宮城球場の改修費を出す代わりにフェンスを真っ赤に塗るとか、するのかな。ともあれ始まったファイブドアvs楽天の”抗争”をどう処理するかで、プロ野球の次のステップが見えてくる。


【9月23日】 祭日だってのに名古屋で催されているプロ野球の労使交渉をフォローするため出社して適当に時間つぶし。横浜国際に現れた室伏広治が圧倒的なパワーでもって五輪の時すら上回る記録を出し、ついでに最後の投擲ではエリアをはみ出しトラックにまで転がって人に当たりそーになっていた場面も見て、戦争が始まったら真っ先に徴兵して城攻めの時にハンマーをがんがん投げてもらって石垣を崩すのに使おうとか、軍勢に向かって放り込ませて指揮官の脳天を直撃させようと、テレビを見ながら思った大名が結構いたかもとか益体のないことを想像する。ホント益体もない。

 イチローはと言えば昨日の5安打に引き続いて今日も4安打と絶好調。途中の足踏みでちょっと危うくなった大リーグの安打記録にあとたったの10本と迫って、記録達成の可能性がぐっとぎゅっとばっとずぼっと高まって来た。打聖タイ・カッブの安打記録にもあとたったの2本に迫っててこれは抜くことはほぼ確実。荒木飛呂彦さん原作の奇人変人大集合漫画に描かれたタイ・カッブ選手の非常識人ぶりは驚いたけれど、プレーヤーとして最高だったのは紛れもない事実で、そんな選手を越えて行こうとしているイチロー選手の凄さに改めて脱帽する。歴史が作られているんだよなあ。今。

 こっちも歴史には違いないけれど、イチロー選手ほどに野球のプレーそのものに関わる歴史じゃないのは寂しい限り。ストライキまで行われて紛糾していた労働組合プロ野球選手会と日本プロフェッショナル野球組織との労使交渉がよーやく妥結して、来季からの球団参入に向けた努力をNPBが行うことでとりあえず選手側も抜いた刀を収めた模様。衰退しかかった日本のプロ野球が盛り返す転換点として記録される瞬間ではあるけれど、これはあくまでどん底からはい上がるための最初の手が壁にかかった状態に過ぎなくって、はい上がれるのか再び泥沼へと沈むかは、ここからスタートした改革の行方にかかって来る。

 来るんだけどでも新規参入する球団をめぐっては先に仙台にプロ野球チームを作りたいと手を挙げたライブドアと、神戸長野大阪と逡巡した挙げ句に降って湧いたように仙台を拠点と決めた楽天との一騎打ちがあって、とりわけ楽天のどーして突然プロ野球参入を表明して、なおかつあれこれ名前を挙げていたにも関わらず仙台に決めたのかって部分への謎疑問洞察妄想が後に尾を引くことになりそーで、決定までも決定してからもいろいろゴタゴタとしそー。

 なによりもとよりこーした事態に至ったプロ野球運営のあり方に関する改善が、今回の交渉ではまるで決定されなかったことがちょっと残念。まずは合併の阻止、次いで12球団の維持に力点が置かれたって事情は分かるし、ドラフト改革や年俸の見直しについて今後、話し合いが持たれることになったのは評価できる。でもこれこそ話し合いよりなにより来季からでも実行しなくちゃいけない課題。根治的ではなくても対症療法にはなる交流試合の実行もどこかに行ってしまった感じで、このままだと球団経営にすぐにでも行き詰まるところが出てきそう。

 この騒動がまた来年も繰り返されるかと思うとウンザリで、同様にファンもウンザリしてはプロ野球から離れて行く人も出てそー。それこそ10チームなり8チームにより1リーグ制を狙う勢力の思うところってことなのか。翻って海の向こうでは数年前まで縮小のピンチに震えていたミネソタ・ツインズがプレーオフ進出への道をひた走り、イチロー選手はグラウンドの上で記録達成に向けて邁進する。そんな環境に身を置き日々ベースボールを堪能する地元のファンたちの何と笑顔の明るいことか。同じ気分を味わえるまでに日本はあと何年? それとも永遠に不可能? すべてはここからにかかっている。まずは楽天vsライブドアの裁定に注目だ。


【9月22日】 とか言ってたら楽天がフランチャイズを宮城県にして日本プロフェッショナル野球組織(NPB)に加盟申請との方。ガセかと思ったら髯を剃ってツルンとした顔になった三木谷浩史社長がぶら下がりでインタビューされてる写真も回って来て、本気で大マジで仙台に決めたらしーことが伝わってきて驚き呆れ怒り髪天を衝く。天辺に髪はないけど。

 別に迷うのは構わないさ。神戸が最適なのか長野だったら良いのか大阪だったらどうなるのか大阪で新球団じゃなく既球団を買収する道はないのか等々、より最適にして最善なプロ野球運営の環境を探るのは”企業”としては全然正しい。先週が神戸で18日が長野で20日が大阪で、それぞれに強い可能性を匂わせていたのも、相手の反応なんかを見ながら可能性として高いのはどこかを探っただけでビジネスの世界じゃ良くあること。リサーチを明言と受け止め歓迎の意を表した各自治体の首長が、そーしたドライなビジネスに疎かっただけって言えば言える。

 挙げ句仙台に落ち着いたのだってそこが市場もありそーだし設備も整っているってゆービジネス的な判断が働いたから。先行する企業の商圏も脅かさないからすんなりと参入できて先行する企業といらぬ軋轢を招かない。むしろ歓迎されるって踏んでる節もある。けどちょっと待て。今、プロ野球が再編問題に揺れているのはそーした”企業の論理”とやらがスポーツの世界にそぐわなくなって来たからじゃないのか。先行する企業とやらが行ってきたプロ野球運営が行き詰まっていたからではないのか。

 神戸の野球ファンに期待させ大阪の野球ファンに気を揉ませ、長野の野球ファンに光明を見せてそれらを全部チャラにする。でもって「断腸の思い」と未練を見せつつこれからは宜しくと、地元の理解を求めて仙台に降って来られたって、オレたちゃ3番手4番手かよって仙台宮城のプロ野球ファンは思いはしまいか。企業の宣伝の為の野球、企業の事業の為の野球ではもはや行き詰まる。ファンも自治体も一緒になって盛り上げるイベントへと、そして文化へと育てて行かなくちゃいけないって考えがようやく端緒に付き始めた時に、企業論理最優先でなおかつ既存勢力のバックアップも垣間見える環境で、ライブドアが先行している仙台に地元自治体の了解もなく落下傘では、「プロ野球をファンの手にトロ戻せ」ってゆー機運にまるで逆行している。

 そりゃライブドアだって最初は大阪を候補に挙げていたけど、それは大阪近鉄バファローズ買収が果たされるかどうかって可能性とセットになっていたもので、駄目だと解ると後は地下に深く潜行し、その上で宮城県からの誘いを熟考して仙台に絞り決定し、根回しも行ってから発表した。副社長も仙台へと送り込んでは地元の有志やサッカー「ベガルタ仙台」の人とも会談させた。

 そう。仙台にはサッカーJ2の「ベガルタ仙台」があって頑張って来たのだよ。プロ野球なんかに来られると客を取られる可能性が高まるのだよ。だからライブドアが協力を求めてもまずは自助努力を求めたのだよ。けれどもそれは切磋琢磨の果ての共存共栄を目指したもので、永遠の敵対関係を狙ったものではない。これがすでに神戸にJ1チーム「ヴィッセル神戸」を持つ楽天だったらどうなるか。協力なんて出来るはずがない。

 今年は無理でも来年再来年にJ1へと「ベガルタ仙台」が上がった時、仙台で「ベガルタvsヴィッセル」が行われたら楽天は当然ヴィッセルに付く。そんな楽天が持つプロ野球チームどーして日頃から「ベガルタ仙台」ファンが愛しもり立てることが出来るだろー。それとも仙台のプロ野球ファンにサッカーファンは最初からいらないってゆーことか。強い者が勝つってことか。それもまた正しい企業の論理。否定できない。けれども嫌悪は出来る。

 楽天が加盟申請を表明した途端に頑なに新規参入を拒否していた経営側が軟化して来たもも不気味っちゃー不気味。そこに何があるとは限らないけど今のプロ野球のあり方を問題視し、経営側の態度に不満を抱いて先のストライキを支持した野球ファンの目には、経営側の意を汲んだ尖兵として楽天が、映ってしまうリスクは大いにある。

 ファンの嫌悪に不信感といった逆風を解ってなお、今この時期に仙台へとプロ野球チームを作ろうとしているんだとしたら、よほど球団経営に自信があり、ファンの心を掴む確信があるんだろー。だったらいっそ任せてみるか? 任せて様子を伺うか。それだけの自信に確信があるなら、3年で撤退してセリーグの球団と統合、ダイエーロッテの統合もあって10球団となって1リーグへの道をひた走るなんてことはあり得ないだろーから。あり得ないよな。


【9月21日】 神戸市と長野市じゃあ人口も違えば風土も違うし、何より従前よりプロ野球って興行が日常的に行われているいないの違いがある。運営が可能かをシミュレートする時にこの条件差ってのは天と地どころか月と冥王星くらいに離れていそーな感じがするのに楽天、この期に及んで神戸にフランチャイズを置いてみたいと言ったり、長野市に打診していると言ったりしてどこに本腰を入れているのかが見えない。

 あるいは順序が逆で前に打診を受けていたもののあんまり乗り気じゃなかった長野市が、一連のストライキ騒動を受けて注目が集まっていること見て、これはひとつ受け入れを表明して宮城県の浅野史郎知事みたくヒーローになってやろうと欲を出したか、はたまた県知事の”お友達”にいい顔をしようと思って今さらながらに名乗りを挙げたか、なんて可能性も考えたけれど報道を見ると打診したのは18日で、いよいよ史上初のストライキが始まったって歴史的な日だったりするからこれは、純粋に楽天側の事情ってことになる。

 来週にも日本プロフェッショナル野球組織に加盟を申請するかしないか言われていた時に、まだフランチャイズ準フランチャイズの選定なり確約を済ませていなかった訳で、それで来季からの参入をそれで本気に考えているのかどーか、疑わしくなって来たところに今度は大阪近鉄バファローズの買収を打診していたとゆーからもう仰天。このタイミングで近畿日本鉄道が買収を了承するとも思えないのに(したらライブドアを決定事項と門前払いした態度に疑問符がつく)、してみせる所に新球団設立の本気度を測りがたい理由がある。

 そもそも神戸だかにフランチャイズを置くかもって言っている球団が、バファローズを買ってどうしようと言うのか。バファローズ買収が果たせたら神戸は無しか。そりゃ持ってはいけないだろー。オリックスが存続するんだから。つまりは大阪で存続か。神戸も長野もなかったことになるのか。期待はしてなかっただろーけど名前を挙げられ、だったら新しい野球文化を育てていこうと思ったファンは良い面の皮、ってことになるだろー。

 バファローズを長野市へ移転? 可能性としては固いけどただでさえ神戸市と両天秤をかけられ、首長がお友達感覚で受け入れを表面しては自己PRに役立てているっぽい状況を、やれやれと呆れ諦めつつ見ている長野の人に落下傘よろしく振ってきた球団を、心底応援してやろうって気が起こるのか。首長がいくらラッパを吹こうとファンが足を運んでやる気にならなきゃ皮算用も皮算用。そーした根本部分への思慮がいまひとつ見えて来ない楽天のプロ野球参入スタンスに、”机上の空論””ゲーム感覚”といった見解をうち消す熱情を今はなかなか見出しがたい。

 それを思えば副社長の人が仙台市を訪れて、前からプロ野球誘致を呼びかけていた人たちと会談を持ったライブドアの方が、腰は定まっているよーに見える。来季から参入できなければ白紙って言ってた前の会見でのスタンスはやっぱり微妙だけど、1年のブランクがあっては盛り上がった機運がシュリンクするし、1リーグ制移行もあって梯子を外される恐れがあると考えたのなら仕方がない。申請するかどうかって間際にフランチャイズをあれこれ考え、一方で買収も打診してみせる会社よりは、よほどか筋は通ってる。

 楽天は楽天なりにITならではのスピード経営であらゆるパターンをシミュレート済みで、どーなっても迅速に資料を作成しては申請できる体制にあるのかもしれない。最大の効果を狙うって意味で多様なシミュレートは欠かせないって言えば言えるのかもしれない。けど受け入れる市町村があってのプロ野球じゃない。見に行く人があってのプロ野球。ファンの気持ちをくすぐる何かを見せるどこから逆に気持ちを振り回しているよーに映るスタンスを、審査する側が果たして受け入れるのかどーなのか。ファンの気持ちを逆撫でしても経営を大事にするのが今の日本プロ野球組織だから、案外にお仲間と思って受け入れてしまうかもなあ。

 喜べレイヤー。とくにお姫様系。ナムコが10月15日から池袋にある「ナムコ・ナンジャタウン」で始める「ロールケーキ博覧会」は、全国各地やら全世界からロールケーキを集めて並べて食べたり買ったりできるよーにするイベントだけど、何でも髪型を「縦ロール」にして来た人は入場料が無料(安いけどね)になるか、あるいは1日フリーパスが1000円引きになるらしー。地毛を縦ロールにするなら文句無しだし、かつらでもオッケーってゆーから自宅にその手の髪型をストックしている人は是非に被ってついでに着飾って、「ナンジャタウン」にお姫様な空気を醸し出してやってくださいな。僕もバロックな作曲家の扮装で行こうかな。

 軽くて薄くて破れません。いや破れるかどうかは知らないけれど11月3日に発売となる「プレイステーション2」はこれまでの「PS2」の容積で3分の1、重さで半分とゆー軽さ薄さになっていて、それこそ「PS2」の今の筐体に2台は入ってしまいそーな小ささでテレビ周りが狭くなっていた人、あのゴツさはモダンな部屋には似合わないと思っていた人にはちょっとした朗報だったりする。ホントIBMのノートパソコンくらいに薄くて小さくて黒いんだ。

 これで音も静かになればスタイリッシュなDVDプレーヤーとして買っても悪くはなかったんだけど小さくなった分、冷却用のシンクにも制約が出てくるみたいでファンは従来機種と同様に回ることになりそー。初代の喧しさに較べればそれでも静かになっているんだろーけれど、余計な音を少しでも減らして映像の音声に集中したい人にはやっぱり気になるところ。「ドラゴンクエスト8」も出るし「グランツーリスも4」も出るんでひとつ、ゲームでも遊んでみようかって人が新たに買うかこれを機会に買い換えるって人がやっぱり主力の購買層になるんだろー。テレビモニター付きはいつ出るのかな?


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