縮刷版2004年6月上旬号


【6月10日】 俊輔良い奴じゃん。なんて即座に寝返るダブルスタンダード。だけどでもやっぱり本人を目の当たりにしてその性向の素直っぽいところを見せられると、なるほど応援したくなるってゆーのもよく分かる。「ファミリーマート」が今年も中村俊輔選手が所属する「レジーナ」を読んで日本で試合をさせるってイベントの会見があって出かけてまみえた中村選手、華奢な体躯をスーツで包んで舞台に立って手渡される新しい「レジーナ」のユニフォームを嬉しそうに受け取りみんなの前で着てみせて一言「去年のよりは確実に格好良い」。その立ち居振る舞いの格好を付けるところも気取るところもまるでない所に有名選手にありがちな尊大さとは正反対の、性格の素直さ真面目さが見て取れる。

 テレビなんかだとどことなくぞんざいな口調に聞こえる時もあるけど目の当たりにして聞いた受け答えはぞんざいとゆーよりも木訥。聞かれたことに訥々と、それでもしっかりと考えていることを包み隠さず受け答えするものだから、それが活字になった時には美味しいとおろだけピックアップされて書かれてそれが、あれこれ波紋を呼ぶことになるんだろー。あの熱くはないけど真剣さと憧憬のにじんだ口調で「カカーが」「アイマールが」って目の前で言われれば「うんうん同じサッカー選手としてそうなりたいんだよね」って理解もできる。発言の端々を捉えられ、さじ加減ひとつでどうにでもイジられるキャラクターだったってことがよく分かった。俊輔はだから良い奴ってことでそのコメントに反応することはこれからちょっと控えよー。でもプレーは別だよ。シュート打て。パスを出せ。

 あれはもう一体何年くらい前のことになるんだっけ。インターネットがよーやく世間に広まり始めた1996年、世界の人たちがインターネット上で博覧会をやろうって動きが持ち上がって「インターネット1996ワールドエキスポジション」ってイベントが立ち上がって、日本では慶応大学の村井純さんが代表みたいになっていろんな企業が参加してパビリオンを作って、インターネットっていろいろ面白いんだってことを見せてくれた。後に森総理が音頭を取ってやった「インターネット博覧会」の走りみたいなもの、だったのかな。性格はまったく違って純に民間主導のイベントだったけど、確か。

 そんな企業パビリオンのひとつに大日本印刷が作っていたのがあってオノ・ヨーコさんとか建築家の人とかがそれぞれにオリジナルのコンテンツを出して結構楽しんだ記憶があるけれど、そんな中でも異彩を放っていたのが狂言師のさんが手がけたパビリオン。古来伝わる「仮面」を取り上げその奥深さについてあれこれ思考をめぐらし研究をした成果を「楽劇仮面」って形で披露してくれて、狂言師の人なのに何て多彩な才能の持ち主なんだろーと関心した記憶がある。

 1996年11月25日に銀座の「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」で開かれた「不思議仮面 ライブパフォーマンス」も見に行って当人を始めて見て、仮面を付ける気構えなんかを演じ語って見せてくれて芸に対する構えの真剣さに当時それなりに有名だった野村萬斎さんとはタイプも違うけど、単なる従姉妹じゃなくって1人の伝統芸能の継承者であり新しいことに挑む探求者として、注目していきたいと気持ちに刻んだ。

 それから約8年。日本に伝わる伎楽面を題材にしてシルクロードを遡って仮面のルーツを探り新しいパフォーマンス「新伎楽」を作り出しては都庁の前で演じて名を挙げたりと、大活躍をして最近もシルクロードを逆に辿って作品を上演していく「マスクロードプロジェクト」って長いけど大切な旅路を始めたその矢先、病気によって野村万之丞さん死去の方が流れてしばし呆然となる。今もって萬斎さんの人気と知名度を上回ったとは言いにくいけどやっていることの確かさ、そして意義深さでは萬斎さんに負けずとも劣らず、むしろ萬斎さんが現代との融合なら万之丞さんは過去との連携を図りつつ、それぞれに新しい演劇の形を探っていた双璧の1枚がここに崩れてしまったって言えそーで、今はただただ心から残念で仕方がない。

 野次馬的には万之丞さんの父親で人間国宝の萬さんと、弟で萬斎さんには父親の万作さんとの決裂した仲がこれで近づくかどーかって辺りに関心だけど、そーした関心を超えて2つの家が1つにまとまって、万之丞さんが来年に名乗るはずだった「万蔵」の名を誰に継がせるにしても良いからもり立てていって欲しいもの。万之丞さんがやろーとしていたことを萬斎さんなり誰かが完成へと導いて行ってくれると美しいんだがなあ。でも何十年来の不仲だから無理かなあ。ともあれ合掌。どんな仮面を被って旅立つのだろー? 13日の日枝神社大田楽はあるのかな?


【6月9日】 朝から「ヘルス&フィットネスジャパン2004」へと行って体を鍛え……たかったけど展示会でそれをやると目立ってしまうんで静かにあちらこちらのブースを見て回る。といってもメインはコナミ傘下のコナミスポーツが出してきたフィットネスマシン群。数年前からいろいろ開発はして来てたんだけどここに来て本気(と書いてマジと読む)の度合いを上げて来たみたいで、一挙に11種類だかのマシンを揃えてそれをずらりと展示。前に比べて見た目のデザインもアップしていて同じ展示会に並んでいる、これで鍛えるといかにもマッチョなカート・アングルとかハルク・ホーガンとかになれそーなデザイン性の高い海外製のマシンにもひけをとらない格好良さでその辺にも事業へのマジっぷりが伺える。

 面白いのはそんなデザイン性だけじゃなく、すべてのマシンがネットで繋がっているってことで1人の会員がICタグのキーをもってそれぞれのマシンで運動をするとそのデータがすべてサーバーに蓄積されて、その日その週その月とかにどんな運動をしたかが全部、記録され履歴が残るよーになっている。これまでだとおそらくはカルテみたいなものに鍛えた回数だかを記入してそれをインストラクターが見て判断してたんだろーけど、コナミスポーツのクラブに来ればそーした手間は不必要、ただひたすらに黙々とプレーするだけで自分がどれだけの運動をして、あるいはどれくらいの運動がし足りないかを知ることができる。

 思い出すのはコナミがアミューズメント施設でやってる「eアミューズメント」すなわちゲームセンターに設置のマシンをすべて連携させてセンターサーバーに接続して、遠隔地との対戦を可能にしたりプレーデータを蓄積して別の場所のマシンでプレーしてもそれが利用できるよーにした機能。つまりはそーしたコナミの持つ技術と、コナミスポーツがまだピープルだった時代から蓄積して来た体力測定に関するデータにフィットネスマシンを開発する力を融合させた、新しいタイプのフィットネス市場がそこに生まれたってことで、他にない機能とサービスを実現していくことによって今でさえ業界首位の会社がますますいろいろなことになって行きそー。買収した当時はゲーム会社がなぜにスポーツ? とアナリストとかジャーナリストから散々言われて偉い人たちも相当に気にしていたみたいだけど、こーして実例が出て好例として受け止められるよーになった今では何が狙いだったのか、理解もされて行くのかも。

 まあ理解がされないってゆーより分かりやすい文脈へと落とし込みたがるのがアナリストでありジャーナリストってことで同じよーに任天堂もそーした文脈への落とし込みが真意を広める阻害要因になっていると気にしているよーで、東京で年に1回くらい開かれている「経営方針説明会」で岩田聡社長が直々に登壇しては「任天堂は技術を軽視なんかしていない」「任天堂はネットの可能性も否定してない」「任天堂は子供向けだけやってる訳じゃない」と宣言。まあこれも前々から行ってることで現実、技術についてはチップをIBMとやったり松下電器産業と光ディスクをやったりしてるしネットについてはオンラインゲームこそ積極的ではないもののそれは現段階では接続料とか高すぎてユーザー数がおらず任天堂がやるべき時期には来ていないから。「1500万台、ゲームキューブを売っても批判されるのにオンラインゲームで100万人の会員を集める企業が誉められるのは何故?」って岩田さんの疑問ももっともで、その辺りもーちょっと現実を見ようよ、その上で成功してるかを判断してよってことらしー。

 子供向けって部分ではまあ実際、子供が遊んで楽しめるソフトが多いってことだけどこれは別に大人が楽しんで楽しめるソフトがないってことではなく、「ポケモン」にしたって「メイドインワリオ」にしたって大人が現に遊んでいたりする訳で、世界で最も厳しいユーザーである子供をクリアする使命に燃えていることが子供しか相手にしていないと見て見られるのかも。いくら暴力的で迫力ばかりをスケールアップさせ複雑化も進んだゲームを大人に成功させてもそれは一過性のもの。下手に受けても今度はより高い刺激を求める結果となって最後には壁に当たってしまうことになる。それより常に新しい”遊び”を求める子供すなわち”遊び”に貪欲なユーザーに向けて作りそこで成功していくことが、未来を掴む上で効果的って見方をしているんだろー。

 そんな彼らが出してくる「ニンテンドーDS」はタッチパネルで液晶2枚とゆー鬼面人と驚かす的スペックが先行して話題になったけど触れるとなるほど”異質な体験”をさせてくれるマシン。十字キーもコントローラーもなくそれらを使い慣れている人も慣れていない人も「同じスタートライン」(岩田社長)に立ってゲームとゆー遊びを始められるマシンとも言え、ヘビーユーザーとライトユーザーとの乖離が進んでセグメント化とゆータコツボ化に喘いでいたゲームの世界をこれで1度リセットして、新たな成功体験へのステップを登り始めるその先駆けとして後生の歴史にその名を刻みそー。「バーチャルボーイ」だって歴史に名を残したって? なるほどゲーム機の歴史には名を刻んだマシンだったなあ。ビジネスの歴史には名を刻んだかは不明だけど。「ニンテンドーDS」が歩むのはどっち?

 更に任天堂、いよいよ来年の「E3」で新しい家庭用ゲーム機も発表して来るらしー。その名もコードネーム「レボリューション」は筐体にカストロとチェ・ゲバラの顔が刻まれボタンを押すと「造反有理」と声が出て、それから「インターナショナル」が流れ出してプレーする人の気持ちをひとつにまとめて世界に立ち向かう勇気を与えてくれるマシン、だったら売れないんでそーゆー風にはしないみたい。ただやっぱり”異質な体験”をさせてくれるマシンになるそーで、「ニンテンドーDS」での飛びっぷりから類推するにこれまたとてつもない遊び方を提案して来てくれそー。ちなみに岩田さん曰く「テレビを2台並べて遊ぶマシンではありません」とのこと。タッチパネルでもきっとないんだろー。もしかして両目でのぞくと中で3Dのピンポンやら野球ゲームが出来るってマシンか。それはとっても”異質”な体験だー。すでに経験済みだけど。でもやっぱりホントに気になるなあ。手にグローブ型のオンとローラをはめてプレーするのかな。だからそれもやっぱり経験済みだって。

 とことこと「埼玉スタジアム2002」。ちゃんとゲットできたチケットにプラス回ってきたチケットを比べて良い方の席についたらセンターライン付近で普段だったら嬉しいけれど一方的な試合になりがちな1次予選ではどちらかかのゴール前に集まりがちなポイントをどちらも遠くから眺めるだけで嬉しさ半分、残念な気持ち1分ってところか。でもとっても見やすかったよ。誰がやるのか期待の国歌斉唱はインド側が「筋肉少女帯」で大槻ケンヂが現れるなり「日本を印度にっ!」ってシャウトすると集まった6万人の観客が「しってしまえっ!」と叫ぶ最高のノリでアウェーだったはずのスタジアムがたちまちインドのホームになって選手たちが口々に「オレにカレーを喰わせろ」と言い出した、なんてことはなかった、あたり前だ。「俺にチェリオを飲ませろ」とも唄いません。

我らがフッセー、高らかに「君が代」を詠唱、ついでに「きみばら」も唄ってくれれば……。  実際に唄ったのは誰だか不明。一方で「君が代」は高らか系シンガーの最終兵器の布施明さん登場。目の前で聞いてみたいソングのベスト3に入っている「君は薔薇より美しい」をここは是非に唄って欲しかったけど、それはさすがになくちゃんと、それでもやっぱり布施さんらしいたっぷりとした声量で浪々と「君が代」を唄ってくれた。オマーン戦でのアイドル系ロック歌手の外れっぱなしだった音程がオマーン戦での苦戦につながった反省? 実際にすごい良い試合を我らが日本代表は見せてくれた訳でこれからは主催者は、歌の上手い人を国歌斉唱に連れてくるべきだとこれで理解して頂ければ幸い。MISIAまだぁ?

 やっぱり久保竜彦は出鱈目だった。だってあの体制からどーしてあんなシュートが打てる? サントスから入ったクロスを飛び上がって止めるまでは良い。けど普通はそこで落としてトラップしてからシュートだろ? 久保選手は違う。飛んできたボールを飛び上がった格好で曲げた足の先にあててそのまま押し込むとゆーもの。飛び上がったままの不安定な格好でどーしてあんなにどんピシャリにゴールの中へとボールを向かわせられるのか、そのあたりに久保選手のヒト種ならぬドラゴン種としての秘密が隠れているのかも。2点目でもクロスを頭で折り返して福西選手のゴールを呼び込む活躍ぶり。そのポジションで出来る最善のことをする選手ってやっぱり凄い。この凄さが2年前の今頃でもピークだったらなあ。今日も途中で引っ込んだよーに怪我がやっぱり気になるなあ。

 中村俊輔選手は離れた場所からの放り込みにフリーキックにコーナーキックの精度に冴え。サッカーがもしもアメリカンフットボールみたいなルールだったらFC&CKのある度に呼ばれ蹴っては引っ込むキッカーなりバレーボールのリベロなり、間際のスリーポイントシューターって扱いをされてしまうだろー。それくらい試合の中でのつなぎ役突破役としては目立っていなかった。むしろ走り回ってどこかしこに顔を出していた小野選手の方が動きの良でも質でも目立っていた感じ。指示を出したりする態度も迫力で、今くらいのコンディションが続けば中田英寿選手が戻って来ても並び立つピッチ上の監督として、中盤の底から指令を発し中田選手ですら顎で使って日本の攻めを分厚くスピーディーなものにしてくれそー。あとは中村俊輔選手の蹴るボールにスピードが付くことと、サントス選手がスキルのない相手に見せるブチ抜きをしまい込んでシンプルなプレーに開眼することが、超厳しさを増す最終予選で勝ち抜きワールドカップの本戦でもベスト16に残る上で不可欠だろー。これもなかなかに難しいノルマだけど、「フジサンケイビジネスアイ」を記者が25部拡張するよりちょっと易しいくらいの。

 それにしても面白過ぎな中村俊輔選手。今日の活躍ぶりを見ればまあ復調も進んでいるだろーと思えないこともないけれど、まだ1次予選で相手がインドってことを考えるとその真価を推し量るのはちょっと難しい。むしろセリエAで残留を争うチームでレギュラーを取れなかった選手ってゆー認識に立ってまず理解するのが最善なのに、「週刊サッカーマガジン」2004年6月22日号掲載のインタビューで自分をACミランのカカー選手やバレンシアのパブロ・アイマール選手らとなぞらえているから何ともはや。「前は消えてたファンタジスタ系が戻りつつあるじゃない。今回のチャンピオンズリーグを見て手も想ったけどポルトのデコとか、デポルのバレロンとか。カカーやアイマール、ロナウジーニョなんかもそう。そういうのが、すごくうれしい。そういうプレー、オレもしたいから。そういう選手の活躍見てると、やっぱり自分のやってること、間違いじゃないって思えるから」。

 ええええ確かにアイマールやカカーは正しい。けどカカーはユヴェントスやローマを相手にしてもカカーだし、アイマールはレアル・マドリッドが相手でもバルセロナが相手でもファンタジスタなプレーを出来る。中村選手はセリエAの残留を争うチームに入ってもカカーやアイマールみたいなプレーが出来ていたのか。カカーやアイマールのやっていることに間違いはなく、それにサッカー選手として憧れることにも問題はないけどそれを自分のこととして、間違っていないと言うにはちょっと活躍が足りないよーな気がする。これが日本のポッと出の若い選手だったら「アイマール好きですカカー大好きです憧れてますプレー真似したいです間違ってませんよね」って言っても良いけれど、自分の今の実力の度合いを測れて当然のベテランに夢物語を語られてもちょっと困ってしまう。来シーズンもきっと残るだろーレッジーナでカカーみたくアイマールみたくトップ下ファンタジスタ系プレーをするのか、させてもらえるのか。そしてリアルにファンタジスタの称号を勝ち取るのか。発した言葉の行方を今年は見守ろう。


【6月8日】 けどやっぱり米国女子代表は強くってとりわけ後半に右と左の両サイドが代わってからの攻めといったら、前後に自在にパスを回すわ囲まれると見たら反対側に大きく振るわで群がる零戦撃ち上がる高射砲をものともせずに悠然と、成層圏を行くギガントのよーな強靱さでこれにさらにスピードが加わりパワーも乗った暁には、150センチ台の日本代表なんて粉砕され蹂躙されてしまうんじゃなかろーか。だからポゼッションをしっかりとして相手にボールを取られないよー手早く回し走り込んでは受ける動きを繰り返す必要があるんだけど(丸山佳里奈選手のよーなドリブルが出来れば別)なぜか出すパスのことごとくが弱くって、味方に届かず相手にかっさらわれて反撃攻撃を受ける繰り返し。

 それでも2人3人と囲んでどーにか攻めを遅らせることには成功したけどあの暑いアテネでそれが全試合、出せるとも限らないだけに悩ましい。パスの強さを2カ月で驚異的に高める練習とかってあるのかな。あっても今度は強いパスをトラップミスせず受ける練習も必要だし。強さってのは一朝一夕では出来上がらないってことでアテネ五輪出場が決まって人気も出始めたこれからの4年間を女子サッカー界には、選手層を分厚くし体力も向上させ技術も磨いて歴然とある世界の壁に挑むチャンスにして欲しいもの。デカい選手より足首の強い選手。日本サッカー協会はバレーボール選手じゃなくってバレリーナからスカウトしてみてはいかが? 足首超強いぜ。

 やったぜ大介、明日はミリオンセラーだ。なんてことには即にはならないけれどでも、新聞の終わりの面の半分くらいを大々的に使って取り上げられている以上は未来はきっと明るいと、信じてみても良いのかな。「日経流通新聞」こと「MJ」の2004年6月8日号。「ブームの予感」ってコーナーで西島大介さんの「凹村戦争」が、これまでの本にない売られ方をされたってことで紹介されてて読むとなるほど、傍目にはヒットした理由がそーゆー風に受け止められているのかと参考になる。

 「人脈が威力」って見出しにあるよーに西島さんがマルチな才能を発揮させながら培ってきた人脈がヒットに結びついたって捉え方で「ここまで売れた理由は、この作品の最終ページにある『謝辞』に羅列されている面々にもあるようだ」って書いて「ニュータイム」の矢の編集長や「ファウスト」の太田編集長、それから東浩紀といった「各分野に影響力の大きい人たちの名前」がプロモーションやアドバイスにつながったって流している。僕的にはここに挙がった名前は全部、西島さんに従来から関連づけられたものでどちらかと言えば”内輪”でそこでの盛り上がりが即、ブームに繋がるとは思えなかったんだけど一般的にはアニメのミステリーに哲学が盛り立てるアーティスト、って風に見えてそーした多彩な交流が幅広いジャンルでの話題となり書評となって現れたってことになるんだろー。実際にそーなった訳だし。

 「漫画、文芸、SF、ミステリーとそれぞれのジャンルでは、売るための法則はすでに出来上がっている」って記事にはあってそーなんだろーか、文芸だって作品によって売り方はまるで違ってくるし漫画だってひとくくりにできないくらいに多彩なものがあって売り方に法則なんてないって思いもするけど、「コンセプトをわかりやすく要約してマスに訴えたり、1つの分野に特化しマニアを押さえたりというやり方が普通だった」ってのは同感で、それを崩してマルチに展開して成功したって事例で「凹村戦争」はまさしく「新しいマーケティングを予感させ」た作品だったて言えそー。そんな作品を「1つの分野に特化してマニアを押さえ」ているはずの「SFマガジン」編集長が作ったって所にも時代の変化が見えるのか。関係ないけど著者の西島さんより写真の大きな塩澤快浩SFマガジン編集長、格好良いですファンレターとか来るかもです。

 「映画館へ行こう!」キャンペーンだなんて大きなお世話、と言えば言いたくなるくらいに好きな映画があれば映画館に行って見ているけれど1人が年に1・4回くらいしかいかない日本に対してアメリカでは年に6回は1人がいく計算になっていると聞いて、ケーブルテレビが発達してパッケージソフトが格段に安くなっていても映画を映画館で見る”習慣”がしっかりと根付いているんだって気付き翻って日本ではどーしてこんなに誰も映画を見に行かなくなったのか、って考えその辺を解消してくれる策が出てくるんだったら映画業界が製作も輸入も配給も興行も含めて立ち上げたキャンペーン「映画館へ行こう!」も意味があるかもとの認識を抱く。

 けどなあ、とりあえず出てきたのは片方が50歳以上のカップルは半額だってことだけで、これからどんどんと映画を見て映画館に通う習慣を付けて欲しい若い層へのアピールに欠けているのが気になるってゆーか寸足らずってゆーか。稼ぎ所をイジっては興行も配給も儲からないって理由は判らないでもないけれど、目先じゃなくって長い目で見ての振興策をやらないととりあえずは劇場の改装効果とか、作り手の頑張りとかでもっている今の状況も長くは続かないよーな気がする。おまけになあ、委員長が去年の大ヒット作がまるでなかった東映の岡田裕介社長だもんなあ。良い映画を作ることでも貢献してない会社のトップに「映画館へ来てよ」って言われて行くほど世の中甘くはないんだよなあ。けど人柄の良さは認めるところでそんな頑張りが過去にないまとまりを業界に与えて興行配給も巻き込んでのキャンペーン実現に至ったのだとしたら、それはやっぱり評価してあげたい。次の策に期待。


【6月7日】 「花右京メイド隊La Verite」が無茶苦茶作画気合い入りまくりで出てくるマリエルもコノエさんも早苗ちゃんもいくよちゃんまでもが超絶美少女になっててこれだけでもDVDを買って眺めていたくなる。お話もマリエルの秘密が明かされそれが何とも実に社会問題的な内容になってて、スタイルだけでメイド物だの家政婦物だのと慕われ奉仕されるヨロコビに男が浸っている物語の根底にあるとてつもなく抑圧的な部分をさらけ出す。前の短いバージョンの「花右京メイド隊」は飛び飛びにしか見て無くて奉仕のグランドスケールな部分に目を惹かれたけれどやっぱりあっちでもこーゆーシリアスな展開になってたんだろーか。冒頭のお色気の少なさに首を傾げた人も多かったみたいだし僕もそーだったけど回が進んでここに来てドラマの部分で面白くなって来た。2話でややダウン(絵は相変わらず良いけど)の「サムライチャンプルー」を超えて春アニメのベスト1を獲得できるか? 「レジェンズ」はまあ別格ね。

 沖田雅さん「先輩とぼく2」(メディアワークス、530円)をペラリペラリ。美人だけど性格に難ありな先輩と小柄で優しい少年の脳味噌が入れ替わってsまった前回がそのドタバタぶりとあとラスト部分でのちょっぴりシリアスなドラマで目を見張らせてくれたのに対してすでに入れ替わりが前提となってる2巻は先輩のイカれたキャラが少年の体の中で小悪魔的に発揮されるのに対して美少女になってしまった少年がおろおろとするストーリー。もっともそれだと単なる腐れ縁的日常が繰り返されるだけってことで新たに少年の幼なじみで少年に恋心を抱いて戻ってきたら入れ替わって美少女になっててひっくり返る少女を加えて波乱に波乱を重ねてる。

 入れ替わりに納得できなくてもとりあえずは納得するしかないと今度は少女になった少年にちょっかいを出すとそれを邪魔する先輩。加えて前世の因縁にまつわる割りに心涙ぐませるドラマとか、少年の祖父で圧倒的なパワーを持った老人と先輩との息詰まる攻防戦とかを加えてエピソードの連なりによって最後まで一気に読ませてくれる。前巻で揃ったキャラクターの説明が乏しくあいつはえっと誰だったっけと思い出すのに難渋したけど思い出さなくたってヘンな奴だと思って読んで支障はなかったんでまあ良いってことで。事態の原因となった宇宙人とのコンタクトが少しあるけどこれから先に再び絡んで来ることはあるのかな。あるとしたら最終巻あたりか。でもやっぱりそのままで行ってしまうんだろーな。面白いし、その方が。

 ごりゃごりゃと仕事をしているとサミーが東映とシネマコンプレックスを作るって会見があるってんで帝国ホテルまで。東京商工会議所からだと二重橋前から地下鉄で日比谷まで千代田線で1駅分あるけど歩いたってせいぜい8分とか10分とかそんなもの。乗ってお金を払って会社に経費を請求しても別に構わないんだけどその分を歩いて節約してそれをいろいろな場所で積み重ね、面倒だからともーちょっと遠い場所へと出向いた時の甲虫比も請求せず、電車やバスで移動できる距離なら一切タクシーを使わなかった場合に1カ月に節約できるお金は正直1万円とか2万円とかじゃー利かない気がする。

 それを例えば部数に閑散するれば末端で5部6部、会社に入る分だと10部分くらいは売った勘定になるんだけどそーゆー見えない所での行動よりも、目先にどれだけ部数を積み上げたかが重要ってんだから頭に来るやら哀しいやら。つまるところ電車で行ける距離をタクシーに乗って営業に回ってたった1部を半年分拡張した方が、タクシーに乗らずにすまして数万円を半年で節約するより評価されるってことで世の中、大いなる矛盾が横たわってデカい面をしていやがる感じ。世知辛いなあ切ないなあ。

 さてサミーの方はといえばつい先日、セガといよいよ事業統合を果たす会見をして総合エンターテインメント企業へのステップを登りはじめたばかり。これに加えてのて映画興行への参入で、セガが手掛けていたアミューズメント施設の複合化みたいな事業に映画館ってゆー娯楽の王様的なアイテムがプラスアルファになることで、グループとしての総合エンターテインメント企業としての基盤が固いものになって来た。パチンコ・パチスロからゲームから映画館までやってる企業は他にない、かと言えばそーではなくって確かアルゼが映画の松竹に出資していたとゆー記憶があるけど、上手くリンクしているって感じじゃないだけに具体性を持ったサミーと東映との共同事業の方が良いシナジーを出せそー。

 いっそスクウェアみたく映像事業にまで出ていけば一気通貫してのコンテンツ事業も可能になるけど、作ってもヒットしなければ莫大な損が出るのが映画の世界でそこに敢えて踏み込むよりはアミューズメント施設との相乗効果が得られるシネコンの段階で留まっているのが正しいのかも。あるいはナムコが日活を買ったよーにサミーが東映を買ってしまうって手もあるけれど、ヒット作が乏しいとはいえこれで老舗の映画会社。会見でも岡田裕介社長が「まだ大丈夫」って言っていたから東映は東映として映画を作り続けてそれを、サミーとの共同事業会社が流していく形になるんだろー。でもって時々セガが出資したりトムスが作った作品を流すと。「シェンムー・ザ・ムービー」? 流れたらある意味貴重かも。

 場所が千葉市の蘇我ってゆーから家からだとちょい遠いけど千葉にジェフユナイテッド市原の試合を見に行く時とかに寄って時間をつぶせそう。来年のオープンってことは蘇我にできる新しいスタジアムとも近いってこになるし。いっそジェフ市原改めジェフ千葉のご用シネコンとしてジェフの試合がある日なんかにスタジアムに入りきれない人を集めてパブリックビューイングとかを劇場でしてくれれば、超快適な環境で試合を大画面で見られて嬉しいんだけど問題はあれだ、パブリックビューイングをしなければならないくらいにスタジアムから人が溢れる可能性がきわめて少ないってことで、オシム監督がいる今年と子オシムに委譲されるだろー来年から数年の間に優勝を争えるチームになってスタジアムから溢れるくらいに人が集まるチームへと、進化を遂げて頂きたいところ。とか言ってると阿部勇樹選手がどっかにぶっこ抜かれてしまうんだ。

 「あらかわごーる あ、らかーわごーる ららーらららーらららーららー」って思わずコールが出てしまったサッカー「日本女子代表vsアメリカ女子代表」のテレビ中継。録画で見たけど前半から何本も良い場面を作った挙げ句に左サイドの宮本ともみ選手が一閃、中央へと長いパスを入れるとそこに走り込んでいた荒川恵理子選手がこぼさず絶妙のトラップからキーパーを抜くシュートを放て見事に先制点を決めてくれた。オフサイドぎりぎりの飛び出しと落ち着いたシュートぶりは日本のフォワード陣に是非に見習って欲しいところ。13番のエースストライカーだときっと横パス、出してたな。

 米国が手を抜いたかってゆーとそーでもなくって、スーパースターのミハ・ハム選手をちゃんと先発で使ってそれなりな布陣で臨んで来た訳で、そんな米国を相手に互角以上の戦いぶりを見せてくれた我らが日本女子代表チーム、4月25日の対北朝鮮戦の好調が今も続いていることを伺わせる。安藤梢選手のボレーも大谷未央選手のシュートもホント惜しかった。あれが決まっていたら初の対米勝利もあったかも。我らが酒井與恵選手も地味に守備から攻撃から活躍していてこれで先発獲得は確実か。パスが弱くて横取りされる場面が多々あるのが気になるところでこの辺りを改善して、不用意に奪われなくなればアテネ五輪でもそれなりな位置へと上がって来てくれるでしょー。見に行きてーなー。行っちゃおーかなー。


【6月6日】 すげえよイングランド。明け方に「イングランド代表vsアイスランド代表」のサッカーの試合を見ているとまたたく間に点が積み重ねられていってこんなチームを相手によくも1点でしのげたものだと日本代表の守備のそれなりな堅さを今さらながら思い知る。あとは攻撃か。1点だけならアイスランドも取ったんだし。それにしても流石は代表に起用されるだけの実力派だったオーウェン&ルーニーのフォワード陣。1点目だったと記憶しているけれどランパードがミドルを放った瞬間に背番号9番のルーニーと背番号10番のオーウェンがしっかりゴールキーパーの前に詰めて、こぼれたなら叩き込めるだけの場面にしてしまっている。ポストみたくパスはしてもそこで終わりな日本独特のディフェンシブフォワードとはやっりポジションが違うってことなのか。こーゆーフォワードが出てくるまでに日本はあと何年待つべきなのか。大久保嘉人はちょっと近いか。ルーニーに。喧嘩上等だし。

 ドロナワみたく活動を始めてみても一朝一夕でバババっと新聞がひとりでに売れていくはずもないのは過去、幾度となくキャンペーンを展開しても減りこそすれ増えることなんでなかった事実が証明していて、たとえそれが3月で題字を変えてテイストも産業専門紙か経済紙へと転換を図っておまけにスヌーピーとか「めざまし君時計」とかをつけても、得られる情報のリターンとの兼ね合いを勘案して、これならばと思い手に取って頂けるだけの材料がまだまだ出そろっていないのか、食指を動かしては頂けない模様。

 だいたいが32ページまるごと経済紙だなんって言ったって、それを維持し支えるだけの人員もノウハウも隣りの世界最大級経済専門新聞社に及ぶはずがなく、且つそれぞれがわずかながら持っているスキルを存分に発揮できる場所に適材適所で配置するってゆー発想に気を振り向ける余裕もない。一方で旧態依然という形容が美徳に見えるくらいに律儀に全国津々浦々から企業の話題を拾い報じている工業専門紙があって、両極に挟まれ特徴を出そうとすると、目先の話題(スチュワーデスのユニフォームが代わったとか浴衣美人がお中元を売るとか地下鉄の壁面に広告が出たとかオリンピックとか)を1面で巨大に紹介しては見た人の目を惹き付けつつも白黒させることへと流れてしまう。かくして出来上がったおじさんの思いつきオーバードライブな紙面を下げて売りに回って果たして納得して頂けるのかが目下の大きな悩みとなっている。

 あまつさえボーナスは本紙より平均で14万円もディスカウント。さらには労働時間は密度で倍、書く分量は3倍とあってこれでやる気を出せとゆー方がなかなかに難しいんだけどそこはそれ、1枚でも多く10枚が最低ラインで25枚ならバッチリとなる拡張カードをあげては企業を回ってカードを上げて来るしか道はないのかな。ないんだろーな。それがサラリーマンって奴だ。ジャーナリスト? それ食べたことない。

民主党の岡田幹事長が来たら狂気乱舞なカエルの園  そんなこんなで日曜も仕事、っても半分は好奇心みたいなものでお台場の「アクアシティ」に6日からオープンとなるバンダイが2年くらい前から仕掛けてきたカエルのキャラクター「フロッグスタイル」のイベントを取材に行くと、周囲は手に「コカ・コーラ」の旗を持った人がいっぱいで、お台場のどっかをスタートして走る「アテネ五輪」の聖火ランナーのリレーを雨の中でも見物に来る人の多さにやっぱり五輪は日本人にとって心のイベントなんだってことを感じ取る。単に有名人が走るのを見たかっただけなのかもしれないけれど。「アクアシティ」周辺は誰が走ったんだろ?

 そんな集団を横目に入った「フロッグスタイルカーニバル2004」の会場はグッズ売り場にこれまでの「フロッグスタイル」を飾るコーナーに「フロッグスタイル」に描く模様を募集したものを張り出すコーナーにアンケートを書き入れるコーナーとカエル尽くし。もっとも世間がどれくらい「フロッグスタイル」を知っているかとゆーと会社で周りに聞いても誰1人として知らず情報の最前線に位置して日々新しい情報を貪欲に仕入れビューティフルな紙面へと反映させているらしー人たちに低い認知度に、これはたいした客は集まらず雨ってこともあって昼まで閑散として良い写真も撮れないだろーと思い込んでいたら甘かった。もーパルスイートくらいに甘かった。砂糖の300倍だったっけ。

 午前11時のオープンと同時になだれ込んで来た人が向かうはグッズが並んだ小さなブース。それこそ4畳半もあるかってくらいの狭いところに一斉に人がなだれ込んだものだから入った人は身動きがとれず出るにも出られずって状態となって慌てて整列を始めたものの時既に遅し。それでも少しづつ列を整備してどーにか落ち着きを取り戻したもののそこで止まるどころか後から後から来店客が訪れ行列の後ろへと付いていき、昼前には通路を伸びて「アクアシティ」の端まで100メートル近く伸びてしまって最後尾では2時間待ちは確実って状況に。かくも凄まじい賑わいに新聞社の人間にも知らないブームが世の中にはあってそれを新聞社以外の全世界の人が知っているんだってこともあるんだと強く痛感させられる。そんな卑下はともかく僕もうっすらとはブームと知ってはいてもここまでの人気とは知らず正直驚いた。いやまったく驚いた。

 中心となっているのは20歳台の女性みたいだけど集まった人には小学生くらいの女の子もいれば30台40台の年輩の人もいて、あとどう見ても「フロッグスタイル」のイメージには重ならないどちらかといえば同じ「ガシャポン」でも「機動戦士ガンダム」とか「美少女戦士セーラームーン」とか「新世紀エヴァンゲリオン」といったジャンルに向かいそーな格好の人もいて限定グッズや「フロッグスタイル」のキーチェーンの買う列から弾き飛ばされたことに激しく憤っていたよーで、人の趣味は外見かけによらないものだってことを改めて感じる。あの品物にかける情熱は単なるバイヤーさんではないだろー。ないはずだ。ないと思うけどでも僕には分かりません。

 思い立って「朝日新聞」の日曜版。いっぱいの求人情報。河出書房新社が募集していて「歴史分野、趣味実用書分野に豊富なキャリア」って条件があって一応は史学科出身なんで経験はないけど可能かもとか妄想したけど年齢35歳位までの方ってあたりでハネられそー。横の幻冬舎も30歳までって制限があってお呼びでない。メーテレと最近は言うらしー名古屋テレビで名古屋に凱旋って期待も浮かんだけどこっちは1975年生まれとはるかに過ぎ去った条件に涙を呑む。ゴルフダイジェストも電気新聞も35歳まで。メディアワークスは28歳までとこんなに面白そーな求人がいっぱいあってもすべてが条件から外れている我が身ではやはり”脱北”は無理ってことで諦めここは「フジサンケイビジネスアイ住田会長讃えます隊ビジネスアイ拡張隊」としての責務を真っ当しよー。拡張するぞ拡張するぞ拡張するぞ力一杯拡張するぞ拡張するぞ拡張するぞ拡張するぞ。

 帰って「鉄腕バーディー5」(ゆうきまさみ、小学館、505円)。薄い胸好きはやっぱりカペラ・ティティスに興味を示すべきなんだろーか。でも怒らせると怖そーだし。けどいちおう触覚出ている萌えキャラだし。悩みは深い。「ホーリーブラウニー3」(六道神士、少年画報社、495円)。エロはそこそこで残酷系の話題もたっぷり。「ピルグリム」で車椅子に乗せられ操られているおっさんの出自にあんまり説明がなく唐突感に悩む。けど話の綺麗さではこれが1番か。生きる意味を問う哲学的なテーマを含んでるって意味では「ぱにまゆ〜私ダケに判ル〜」もなかなかな奥深さ。うつろな眼をして「王妃様王妃様」と讃えながらマスゲームをする少女たちにかの国の人民よりも先に我が社の役員幹部の顔が浮かぶ僕はだから「フジサンケイビジネスアイ住田会長讃えます隊ビジネスアイ拡張隊」、だってばさ。鏡を見ると彼女たちと同じ眼をしているかも。


【6月5日】 マジに洒落にならない状況。1人公称25部とかゆー拡張部数の割り当てのそれが妥当かどーかメディアのモラル的にどーかを問うより先に1部でも良いから拡張カードを集めて来い、来ずば貴様の居場所には明日から花瓶かチワワが座っているぞ卒業写真も集合写真の右上の丸い囲みに追いやるぞ級(=例えはイメージです)のプレッシャーがこの数日間に急激に膨張して気持ちはビッグバン。つつけば明日にも疾走する光の奔流へと飲み込まれ、時空の彼方へとスタンピートする「イデオン」状態に陥りかねないくらい、凄まじい空気が周りを包み込んでいる。

 なおかつ日常業務はしなくて良いから公休をとってそれを使って拡張に回れだなんて、売り物である新聞のクオリティーの維持向上とは真反対の行為をそれも、新聞作りに携わるトップ級の人が奨励している、といった絶対に嘘だと確信している風説がまことしやかに流布するくらいで、これは過去にないどころか有史以来の事態に直面していることを強く実感。するものの毎日300行400行から多いと500行の記事(これがどれくらい多いかは記者なら分かる)を朝から晩の遅くまでかかって叩き込み合間に取材も行い、土日ともなればイベントへと出向いて連載のネタを仕込む(「デザインフェスタ」とか「GEISAI」とか)くらいで真っ当な休みなんぞ取れない事態が続いている訳で平日に公休なんぞ取れるはずもなく、ならば最後の手段とここに現状をつまびらかにしてみなさまのご厚情にすがろうと自然剃髪した頭を深く下げる次第。興味関心のおありの方は是非に。唄えというなら唄います。

 気を落ち着けよーと日本香堂で菊川怜さんを取材した帰りに寄った山野楽器でワゴンにはいって2枚15%オフだったリマスター盤の山下達郎さん「FOR YOU」と「RIDE ON TIME」のうちの「FOR YOU」を聴く。名盤。”夏だ海だタツローだ”とまことしやかに喧伝されて、テレビCMにもサンバを踊る女の子の映像のバックに「LOVE LAND,ISLAND」が採用されてある意味絶好調だった頃に何度も聞き込んだ関係で耳になじんでいることもあるけれど、一方で最近のアルバムと比べて声の張りも響きも良く適度な太さもあって、出ているにも関わらずどこか喉奧でセーブしているよーなニュアンスが感じられてしまう最近の作品にはない爽快さがあって落ち込み迷い込んだ気持ちの憂さを晴らしてくれる。アレンジもコーラスも絶妙。好きなアルバムのベストを1枚って言われたら挙げるのはやっぱりこれになりそー。ちなみに2位は飯島真理さん「ROSE」だ(ちょっと嘘)。この頃の達郎さんにもう戻ってはくれないのかなあ。コンサートではちゃんと今も張り上げているのかなあ。

ごろんごろんと太めの男女、合間を闊歩するは細めの女性、美とは何だろう?  そうそう「マックグラン」が東京で今のところ唯一食べられる「マクドナルド恵比寿ガーデンプレイス店」のある「恵比寿ガーデンプレイス」では豊満彫刻の第一人者のボテロが手掛けた作品があちらこちらにゴロンゴロンと置かれてあってなかなかに壮観。ただでさえ小洒落た雰囲気でシロガネーゼみたいなどこから子供を出したんだろーってくらいにスリムな母親と僕の上から下までを足したものより高いに違いない普段着を身につけた子供たちとが歩いていたり、巨大な犬を3匹4匹連れたり小さな犬を手に抱いたりした方々が闊歩している庭に、そんな人たちのシアワセを祝福するかのごとくに豊穣感あふれるボテロの彫刻が置かれていると、これはもーピッタリとしか言い様がない。

 最初の頃はこれでもちょっぴりお上りさん的空気を漂わせていた人の数が多くて雰囲気に熱っぽさが漂っていたけれど、10年を経過して近隣に住む人たち日常的に利用する人たちの数が増え街として雰囲気が醸成されて、ボテロの彫刻もそこに違和感なく溶け込むよーになったってことなんだろー。1日座っていても別に空気に圧迫されないし。これが出来てまだ1年の「六本木ヒルズ」だとお上りさん的雰囲気に満ち満ちていて、置かれているパブリックアート群も六本木だか芝浦だかのディスコの装飾的な奇をてらい場を違和感で満たすオブジェ的な空気を拭いきれなかったりしてそこに佇んでいるとどこか気ぜわしい、落ち着きのない感情にとらわれてしまう。

 ましてやこれに加えて「ロクロク星人」って空気を和ませるのとは逆に目を集めて刺激を与えるアニメ的キャラクターがそこかしこに溢れて、「ディズニーランド」のよーな非日常を感じさせてしまう。10年を「ディズニーランド」的にイベントの連続でリピーターとやらを引きもーとしているなら別だけど、一方でそこに住む人がいる街としての発展も狙っている節があるだけに、そのあたりの収斂がどー図られるのかにちょっと関心。あるいは世代が変わって気ぜわしさの連続お祭りの日々でもそれを普通に生きられる人がそこに集い暮らすよーになるのかな。僕は「恵比寿ガーデンプレイス」が良いな。住めないけど。

 ジョス・ストーンって聞いたことがあるよーなないよーな美女の表紙に船橋駅前で売られていた「ビッグイシュー日本語版」の第9号を買う。ホームレスの自立を目的として創刊された雑誌ってことは知っていたけどそれはそれとして中身の方は価格対比でやや薄いって気はするもののまあこんなものかと納得。「ガングレイブ」で格好良いエンディングテーマを唄っていた「スクービードゥー」が紹介されていたのにも好感で、こーしたカユ目の所に手の向かう(届くかはギリギリ)誌面なら次も買ってみても良いかも。9号については「ストリートカルチャー」ってコラムで今回は「コミケ」が取り上げられていて「コミケ、垣間見るその情熱の世界」ってタイトルで文章が綴られているけれど大阪が本拠の雑誌ってことで行った先はインデックス大阪のイベントでいわゆる「コミケ」とはちょい違う模様。「コミックシティ」が何かかな。まあすでに同人誌即売会の一般名詞として普及し始めているから良いのかな。

 もっとも割に小洒落て来た東京に対比して大阪は時間がゆっくりなのかそれとも見た六斎絵り子さんって人の感性に由縁があるのか「パロディもの」と言われた時にネタに上がるのが「ドラゴンボール」でやおいはゴクウとベジータの恋愛物語でまあ何とも。あるんだろーけどそれが目につくくらいに大阪はドラゴンボールのやおいが流行っているのか。あとこれも六斎絵り子さんが描いた4コマ漫画があって絵が藤子不二雄さん描く小池さんみたいな人とちょっと太った人とがペアで「コミケ」とやらに向かうって内容でその格好が太った人ではトレーナーの襟元からチェックシャツの襟が出ているいかにもな着こなしで、見た目90年代初頭のコミケをサブカルが見て抱く印象を21世紀になって再び見せられた感じ。2人が出会った売り子がラムちゃんの顔して「見ってってくださいだっちゃ!」だからなあ、「だっちゃ」なんて使う売り子が大阪にはまだいるのか。それとも「ビッグイシュー」を買いそーな30代を狙ってのギャグなのかな。「よく題材にされるものとしては、現在アニメ放映中のナルト、犬夜叉」って添えてはあるからやっぱり届く層への分かりやすさを狙ったってことなんだろー。そんな漫画やコラムや他の記事(わたしはいかにして「ビッグイシュー」売りになったかドキュメントとか)に興味のある人は買って読んであげましょー。200円。


【6月4日】 書店でも滅多にお目にかかれないことから関東地区ではマボロシのサッカー誌と勝手に名付けた「月刊ゴール」の2004年6月号はいつかのバレンシアに続いて渋さ爆発なポルトガルサッカーの大特集。もちろんフィーチャーされているのは「チャンピオンズリーグ」を制覇したFCポルトでCLでも大活躍したデコ選手が颯爽と走る姿がポルトのイメージカラーの青をバックに映し出されていて格好良いことこの上ない。見かけなくって買えなかった先月号がASモナコの背番号8番の選手の首をタイトルロゴで隠して斜めに切れた赤と白の胴体部分をでっかく見せる掟破りの表紙も格好よかったし、この雑誌のデザイナーちょっとタダ者ではなさそー。

 特集はポルトをメインにポルトガルサッカーの紹介で「EURO2004」を前に代表チームのことも紹介はされているけれど他の雑誌がメインでバンバンと取り上げるところを見開き2ページに抑えているところは他誌との差別化って意味でもベスト。おまけにフィーゴ選手でもルイ・コスタ選手でもクリスチアーノ・ロナウド選手でもなくパウレタ選手を1人、抜いて紹介しているところも渋いとゆーか堅いとゆーか。けど実際、名だたる黄金世代やら未来の黄金世代やらをバックに1トップを張ってるってことはつまりそれだけ凄い選手だってことで某「ナンバー」とか、某「Yah!」とかも異様に生え際の黒いフィーゴ選手とかじゃなくパウレタ選手を、もっと紹介してくれれば僕の作った(1桁背番号なんで安い!)レプリカジャージも着ていて視線を集められるのに。でも無理かなあ、地味だし。

 そんな「GOAL」はポルトガル特集もさることながら女子サッカーがこれまた結構な分量で紹介されていて好感。いよいよ来週13日から開幕するLリーグに関して試合日程まで含めて取り上げている上にLリーグ事務局長の鈴木保さんへのインタビューとそしてあの、感動のアテネ五輪アジア予選「日本代表vs北朝鮮代表」へと続く日本女子代表の奇蹟をポルトガル代表と同じ見開き2ページで紹介していてこれが、かつて隆盛を誇り世界の有名選手が集まって”世界選抜”すら組めた時代から辿りシドニー五輪行きを逃して以降の苦境、そして去年あたりからの盛り上がりをしっかりフォローしていてあの魂の国立で感激してこれから女子サッカーを見ようとする人に、過去を教えてくれる好内容になっている。知ったかぶりのために読んでスタジアムで連れてきた彼女彼氏に教えてあげるタネ本にもなるんでそーしたい人は探して読もう。東京だとでも青山ブックセンターくらいでしか見ないんだよね。

 そうそうもう1つ。コラムをずっと連載しているミュージシャンの林哲司さんも女子サッカーについて触れていてこれまでは男子のファンが草サッカーを愉しむ上で女子サッカーの攻め方なんかが参考になると思っていたけど、例の対北朝鮮戦を見て「むしろ自分たちの手の届きそうな指針として捉えていたこの考えが、思い上がった全くの絵空事だと改めて知った」と自省の弁を述べている。「そのスキルやスピード、判断力、さらには組織だった試合の組み立てなど、十分に男子のプロサッカーに迫るものがあったと言っても過言ではない」って言葉もあの、凄まじくも素晴らしかった試合を見れば存分に納得できる。

 「本当にたまにしか女子サッカーを目にすることはなかったけれど」って言葉はつまりでも女子サッカーを見ていたってことで、そんな所に林さんのサッカーへのファン度が想定できるけど、そんなファンでも見逃していたことがこの何カ月かに浮かび上がって来たってことで、女子サッカーのこれからのますますの進化に強い期待が持てる。「『(テレビ)で偶然やっていたから見た』ではなく、『絶対観たい』と言わしめるようになった予選の戦いぶりだった」とゆー言葉にも納得。そんな試合がいよいよ来週始まる。行かねば。まずはやっぱり平塚競技場の「日テレ・ベレーザvs大原学園JaSRA」かな。酒井與恵ファンとしては。

 昨日は田中麗奈さま様さまなら今日は菊川怜ちゃんってことで米UPSが日本でヤマト運輸との合弁を解消して本格的にスタートさせた日本法人をいっぱいPRしよーと実施したキャンペーンに、1日ドライバーとして招かれた菊川怜さんを取材に行く。「東京国際フォーラム」で衆人環視の中を現れた菊川さんはUPSのドライバーしか着ることの出来ないとゆー茶色のユニフォームで登場。ツナギじゃなくって下はキュロットスカートで、にょっきりとのぞいた脚が細くてそそられる。

 けどそれより凄かったのがUPSジャパンの社長の通訳として登場した女性で顔立ちも菊川さんに負けず劣らずって美女なら体系も胸がスイカかメロンかっていったところで、それを体にピタリと張り付くニットで包んでいるものだからもー目が菊川さんそっちのけで釘付けになる。歩けば揺れるその双房を果たして集まっていたカメラマンの人たちがどこまでキャッチしてたかは知らないし、菊川さんメインの取材で横にレンズを振るなんて職業魂の欠けたカメラマンの人がいたとも思えないけど、そんな職業倫理を超えてハートに迫ってくるすばらしさにあるいは、捉えてこれはと売り込みに走る人とかいたりするのかな。来週発行の週刊誌を注意して見よう。

 そんなこんなでトークショーを終えて今度は菊川さんがお荷物を配達する場面を取材するってことで八重洲にある会社へと移動することになったけどテレビクルーとか荷物が多い関係で用意されたバスでの移動となって乗り込みすぐ到着、かと思ったらこれが大間違い。「東京国際フォーラム」の線路側にある道を出ても右折できない関係で直進して東京駅の丸の内側を走り永代通りへと出て日本橋方面へと向かおうとするとこれが金曜日で渋滞で進まず、やがて到着した中央通りを銀座方面へと向かい東京駅の正面にあたる通りで曲がり東京駅前で有楽町方面へとまた曲がってさっきいた「東京国際フォーラム」を間近に見る場所へと、移動するのに数10分を使うとゆー貴重にして異様な体験をさせられる。歩けば5分もかからなかったのに。親切がいっぱい。無駄もいっぱい。

 そんな事情を知ってか知らずか変わらず笑顔で颯爽と登場してお荷物を配達して颯爽と返る菊川さん。そのまま次の配達場所へと向かったのを追いかけ渋滞を抜けて今度は銀座にある日本香堂へとたどり着いてそこでは配達の車から荷物を取り出す菊川さんを間近に見て、その後でインタビューに応える菊川さんを観察してとりあえずの仕事を終える。「アルバイトしたことがない」って言った菊川さんにやや嫉妬。ってもほ卒業の前くらいからそれなりな芸能活動をしていたからアルバイトなんて必要なかったのかも。

 それにしてもアオキインターナショナルでは男物のスーツを着、UPSではドライバーのユニフォームを着るパフォーマンスですっかりコスプレ女優のイメージがついた観のある菊川さん。この勢いで村上隆さんのコスプレアートにも参加したら面白いけど佐藤江梨子さんみたく「Ko2ちゃん」やっても似合うか微妙なんでやるならお仕事系のコスプレに限定か。でもちょっと見てみたい気もしないでもなかったり。「ナースKo2ちゃん」菊川バージョン。

 「サムライチャンプルー」は久々な感じで第2話。お腹の虫を抑える女の子のふくれた顔がキュートだったけどお話自体は得体の知れない冴えない見かけながらも剣を抜くと凄い刺客が出てきて波乱の予感、がしたと思ったらあっさり片づき肩すかし。醜い醜いと嫌われ続けた巨体の男がただ1人、やさしくしてくれた少女になついてその命を守るなんて展開はエッジ立ちまくりの「サムライチャンプルー」には似合わないよーに思うけど、キャラの雰囲気も音楽も絵柄もエッジ立ちまくりだからこそストーリーはシンプルに王道にベタにまっとうに行くって手もあったりするのかも。謎の女は誰なの?


【6月3日】 田中麗奈さま様さまには一目惚れでありましてあの名作「がんばっていきまっしょい」での自然体の演技に自然体の太い眉毛の顔に、自然体のブルマー姿が目に飛び込み焼き付いてしまった瞬間から一生を彼女に捧げよーと心に決めたもののあまりにあの顔あの姿態が頭に残ってあれを田中麗奈さま様さまのディファクトと思い込んでしまった関係でその後に例えば「ひまわり」だったっけ何だったっけ、いろんな映画に出演しては大活躍をしていたらしーんだけどその1本たりとも見に行くことがなくテレビのCMでの活躍もあんまり目にせずただひたすら、「がんばっていきまっしょい」と叫び続ける田中麗奈さま様さまのみを信奉し続けて来た男子年齢不詳毛髪無用であった。以上。

 ではないそんな心の神棚に祭り上げて封印していた田中麗奈さま様さまのご尊顔に直接見える貴重にして重要な機会を頂戴して勇んでいった森永乳業の「アロエヨーグルト」を宣伝するインターネットドラマ制作発表会見に、登場した田中麗奈さま様さまの何と神々しいこと美しいこと素晴らしいこと。顔がやや以前に比べてふっくらしたかも感があってそれはテレビCMの続きってストーリーでネットで配信されるショートムービーの中で、横を向いて顎を上げ下げした時に顕著に現れていたりするけれど、胴体や手足については「がんばっていきまっしょい」の頃よりそれほど大きくなった感じはせずむしろ年相応の艶が出て、ぎゅっと握りしめてあげたい気に駆られる。やらないけど。

 何より一時期極端に細くしていた眉毛をまた、昔みたく太目にしていたのが好感で田中麗奈さま様さまといったらやっぱりゲジゲ……じゃない立派な眉毛でなくっちゃいけないとゆーユダヤの法典にも中国の正史にもナスカの平原にも書かれてあった定理をちゃんと、実践していてくれてこれでまだあと50年は戦えるって確信を持つ。会場で見た第1話はテレビCMが本業の人だけあって間合いにちょっぴりゆとりがあり過ぎて12分もいらないんじゃないか、って思えなくもなかったけれどトータルとしては1人2役で性格の違う双子の姉妹を演じ分けている田中麗奈さま様さまの演技力が爆発していて見ていてニヤニヤしながら楽しめる。この後で秋に1本、冬にも1本の計3本が上映される予定だとかでそれぞれがテレビCMと連動している内容で、第1話とはまたちがった雰囲気を演じる田中麗奈さま様さまが今からとっても楽しみ。こんなに面白い役者に育っていたとは。映画をやっぱり見直すか。柴崎友香さんの小説「きょうのできごと」の映画ってまだやってたっけ。

大口あげてかぶりつけ、肉もバンズも噛みちぎれ、華奢でスリムな顎が頑丈になっても巧さにゃかえられない  転戦して恵比寿で「マックグラン」って日本マクドナルドが出す新製品の取材。魚フライをご大層に「ディッパー」とか銘打って手でつまんでソースをすうう食べ方をライフスタイルにするんだなんて言い張って気持ち頑張れよって優しい目をしたくなったけど、それに続いて一時の衰退からやや立ち直りつつある「マクドナルド」のブランドを再活性化し再浮上させる切り札的商品を7日だかからいよいよ全国的に投入するんだそーで、「恵比寿ガーデンホール」を借りて世界的なドラマーの神保彰さんを招いて目の前で神業的なドラムを披露させて後、中村俊介さんって同姓同名の世界的レフティーがいる俳優さんとかDJの小林「ベストヒットUSA」克也さんにタレントなのかお笑い芸人なのか圭修なのか判然としない清水圭さんとかを読んで大々的なイベントを開いて盛り上げよーと必死なところを見せていた。

 いくらキャンペーンを張ってもイベントを打っても肝心のモノがダメならダメでしかないんだけどそこは世界のマクドナルドだけあって、今度出す「グランマック」って製品はある意味では「ディッパー」よりも衝撃的でこれからの爆発にちょっぴりどころか結構な分量で期待をしてみたくなる。そんな「グランマック」って何かと言われればパテの大きな本格的ハンバーガーってところで従来品が40グラムそこそこなのにくらべるとパテは80グラムと倍あって、バンズもグルテンを残してプリプリとした感じを出してなかなか噛みちぎれず食べ応えを歯とか舌に与える工夫があってこいつは僕の目下のお気に入り、114グラムあるパテが評判の「ウェンディーズ」の「クラシック」に挑める製品だって感じを抱く。

 値段は「マックグラン」で315円でダブルが399円。「ウェンディーズ」のクラシックのシングルが273円でチーズ入りが294円でダブルチーズが399円になっているのと比べると、価格帯でも真っ向勝負を挑んでいそー。パテでそれでも34グラムの差がある分、子持ちは「ウェンディーズ」にあるけど店の数だとやっぱり「マクドナルド」は圧倒的。加えてこの新メニューってことでこれから利用する機会が増えて行きそー。でもあの固くてなかなかかみ切れないバンズでダブルは相当に顎が鍛えられるかも。ハンバーガーの普及が日本人を米国人みたく細面にしたって話もあるけどこの「マックグラン」が普及した暁には、日本人の顔は昔みたくエラがはって顎も頑丈な感じになっていったりするのかも。食文化だけでなく人相も作る「マクドナルド」、でした。

 「恵比寿ガーデンホール」の隣りにあるってことでのぞいた「東京都写真美術館」のミュージアムショップで長野陽一さんの写真集「島々」(リトル・モア、2200円)を購入。だって表紙が水着姿の少女の下半身。めくると船着き場で連絡船を待つ少女を下からあおってちょっぴり白の見える写真とか、たぶんスクール水着に白いTシャツを着た少女がしゃがんでウサギと戯れている姿をやっぱり真下からあおった写真とか、黒いソックスのセーラー服の少女の写真とか陸上のトレパントレシャツ姿で息をはあはあとしている少女の写真とかが載っていたら他に海岸の露天風呂でくつろぐすっぽんぽんの爺さんたちとか写っていても買わずにはおかれない。あと尾を引いて空へと向かうロケットの写真とか。そんな島での日々に人たちに自然をくっきり鮮やかなカラーで切り取り集めた写真集はながめるとこの世知辛い都会での暮らしを投げて、島へと渡りたい気にさせてくれる。行くならどこの島が良いかなあ。あどけない美少女もたくさんいるしなあ。

 しかし世知辛さもここに極まれりって感じ。編集の幹部が率先して新聞拡張のノルマを達成せよって記者に発破をかける新聞社ってのが世界のいったいどこに存在するんだろー。宗教団体の機関紙とか政治団体の機関紙とかだったらまだしも記者クラブに席をおくことを認められるかわりに公明正大にして不偏不党な記事を掲載していく義務をおってる新聞が、剣になり得るペンを右手に持ったそのままの姿で左手に拡張カードを持って企業を回っていったいそれが真っ当な新聞と思ってもらえるのかどーなのか。絶対に関係ありませんと言うことは可能だろーけどそれは言う側の論理であって迎える立場の弱い企業にはペンが剣に見えて当然で、そんな剣を突きつけられて企業が今は服従しても永遠の友好をそれで育みたいと思えるはずがない。ってか既にそれをやって会社を潰しかけたんじゃないか。なのにまた同じことの繰り返し。目先のノルマ達成とやらを果たすために未来の実りを早稲として刈り取り畑を痩せさせる大拡張合戦の果てに来る、カタストロフが今から怖ろしい。なんて言いつつノルマはノルマ。なのでここに記事を書いてあげるとか悪口は書かないからじゃなく、僕の書く妙な記事が読んでみたいとゆー人には是非に1部と手のひらを返して伏し願おー。「フジサンケイビジネスアイ」のご用命は当方まで。


【6月2日】 明け方に起きてテレビを着けたらサッカーの試合。でも予定していた「イングランド代表vs日本代表」ではなくってどーやらユニフォームから「ブラジル代表vsポルトガル代表」みたいで、ロナウド選手にロベルト・カルロス選手にフィーゴ選手がなにやらピッチの手前で話し合っていたんだけど突然フィーゴがボールを蹴り始めては相手の股を抜いて「オレー」とか言って自慢をして、それに腹を立てたか受けて立ったかブラジルの選手たちが自在に動き始めてはロベカル選手が股抜きを決めて一言「オレー」。これが気にくわなかったかやっぱり挑戦を受けたととったか双方が、試合開始のセレモニーをそっちのけてピッチ手前からピッチの中からスタジアムの外から動き回ってボールを追い掛けもー大騒ぎ。

 けど圧倒的なテクニックが見られてどーせだったらこのまま続けてくれよと思ったのもつかの間、黒い服のレフリーが果敢なスライディングを選手にかましてボールを外へとはじき飛ばして選手たちに並ぶよーに命令して、かくして始まりかけた「ブラジル代表vsポルトガル代表」のセレモニーに並んだ選手達の顔はすでに疲れ青あざ赤あざだらけ。これで試合が出来るのかと心配したらそこで中継が終わってしまって残念無念と肩を落とす。ってー思えるくらいに遊んでいても彼らの技は目に凄いものを見せてくれている訳で、これを日本人のJリーガーの人がやってもなかなかうまく捌けずトラップも股抜きも華麗には決められず、ドタバタとした雰囲気の映像に仕上がってしまうんだろー。これが歴史の差って奴なのか。ランキングの差って奴なのか。

 とか考えながらしっかり早起きして見た「イングランド代表vs日本代表」は、見れば見る程格好良いベッカム様のつるつるな頭がまるで僕と同じに近いってことはつまり、僕はベッカム様で見れば見る程格好良いって良いのか良い訳ないね。けど前に坊主頭になった時でもベッカム選手には屈託のない爽やかな笑顔にどことなく高貴な雰囲気が漂っていたけれど、この1年をレアル・マドリッドで苦労したからなのかそれとも私生活でもみくちゃにされたからなのか、テストマッチに登場したイングランド代表のデビッド・ベッカム選手は顔に渋みとゆーか苦みが出ていてなんだかちょっぴり苦しそー。試合が後半になって膠着状態に陥った中で日本に同点に追いつかれるとその苦みがさらに増して怒るか泣くかしそーになって、そんな余裕の無い表情にこのまま「EURO2004」に突入しても大丈夫なのかって心配になる。

 日本に取られた点もベッカム選手がアレックス選手のケアをしなかったことに一員があるらしく、そーした我が身の至らなさへの慚愧がベンチへと戻っても着替えに帰らず座ったままで試合を怖い目で最後まで見続けさせたのかも。それでも随所に見せるプレーは華麗でキックは正確で、このまましばらく練習を積めば気持ちも落ち着きキレも戻って無敵な三獅子軍団が戻ってその中でベッカム選手の王様ぶりも際だって来るのかも。それにしても流石はオーウェン。ジェラードのミドルシュートが楢崎選手の手から珍しくこぼれ落ちた所にきっちり詰めていたからなあ。同じミドルを打っても玉田選手の場合、キーパーが弾いたのが横だったし前には誰もつめていなかったとゆー、そんなプレーぶりの差異に強さの絶対的な格差の原因があるんだろー。トラップの正確さにパスの速さって見て分かる差も含めて埋めるのにあと何年かかるやら。全員使うと言って使わなかった代表監督がいる限り永久に無理、なのかな、やっぱり。

 キャラクターをアピールしたい企業が集まる「ライセンシングアジア2002」だかってイベントで初めて見てからもう1年と半年近く? 「東京ビッグサイト」で開かれたイベントでふと立ち寄ったスイスイって会社のブースの中にあれやこれやとあんまり見たことのないキャラクターが並べられててその中に、全身タイツの不思議な男達が妙な言葉を吐きまくっては疲れた僕たちに勇気をやる気とお笑いの気を与えてくれたキャラクター、その名も「タイツくん」がここに来て大ブレイクの雰囲気で、去年の「ライセンシングアジア2003」でも見かけて前年の初出展から1年経ってじわじわと来ていることをブースの人に聞いてはいたけど、扶桑社から「男のたしなみ」(扶桑社、1200円)って本まで出るとあって、これはもー完全なメジャーキャラクターの仲間入りをしたんだと確信を持つ。メッセージ性があって面白くってウケそーだと思ってもそれがすぐさま商品になるほど甘くはないのがキャラクタービジネスの世界って奴で、何百何千と生まれるキャラクターの中から生き残るだけでも大変な中を本にまで至ってしまった「タイツくん」はすなわち既にして勝利者。あとは本から雑誌からメディア展開をどんどんとやって映像展開に漫画展開も行っちゃって果てはグッズ展開へと向かって近年希にみる出世キャラクターとなって欲しいもの。「ギフトショー」で見てからみるみるうちにブレイクした「たれぱんだ」に続く内的青田買いキャラになれるかな。なって欲しいな。

 地下鉄の窓がテレビになる、っても窓に液晶だかを仕込んで映像を映すよーなことじゃなく、窓の外の壁に映像を映すってゆーもので、動く電車から窓の外を見たって映像が後ろに流れていくだけでテレビにはならないだろうってゆー意見はごもっとも。なおかつ窓の外にあるのは実は静止画で、それが200メートルの間に150枚だか張られてあってそれぞれがパラパラ漫画みたく少しづつ進んだ画像になっている関係で、動く地下鉄から順繰りに見ていくとパラパラ漫画と同様に動いて見えるんだとか。さらにもーちょっと複雑な仕掛けがあるらしーけど原理はそんなパラパラ漫画かアニメの元祖とも言えそーなゾイトロープ。ローテクな原理を知恵と工夫で新しい広告手法に仕上げ地下鉄では誰も使おーと思わなかった(暗いしね)トンネルの壁面を媒体した広告が、3日から地下鉄銀座線の「溜池山王」と「赤坂見附」の間で繰り広げられるってんで見物に行く。

 上野駅から回送電車に乗り込み一気に渋谷へ。途中をすっとばす走りに「サクラ大戦」でさくらたちの乗機をつんで基地から現場へとかけていく機関車を思い出す。やがて到着した「溜池山王」から進むこと約20秒。窓の外に例の「燃焼系アミノ式」の2人組み側転のCMが見事に現れ話題性だけじゃない、ちゃんと映像を見せることのできる広告媒体として利用可能だってことを知る。ぼーっとしながら見ていた窓の外にいきなり「燃焼系アミノ式」のCMが現れたらきっと誰だって吃驚、だろーなー。どんなものか見たい人は銀座線に乗って「溜池山王」から「赤坂見附」の途中の渋谷に向かって右側にある窓を注視すること。トンネルの壁の前で電車が通るたびに2人の少年が合体して側転している姿が見える……ことはないけど映像はしっかり見られます。明日以降の地下鉄の乗客のぎょっとする顔が楽しみ。


【6月1日】 どっちもどっちにどーしよーもなさ過ぎってことか。見た目は明快で旧体制に敢然と挑むチャレンジャーで改革を訴える開明派で音楽やスポーツにも造詣が深い文人宰相ってイメージでもって全国的に高い人気を保っている小泉純一郎首相の実は大変な性格を持った人間だってことを暴き記した松田賢弥さん「無情の宰相 小泉純一郎」 (講談社、1680円)によると身重の奥さんを姑小姑との板挟みからあっさり切り捨て、その後に生まれた三男とは決して会おうとはせず軽井沢へと尋ねてきた時も義弟の秘書やら秘書官やらが立ちふさがって追い返し、そのわずか数日後に一応は手元に置いて、といっても多くは弟に預けてその妻に面倒をみてもらっていた長男二男のうちの二男と庭でキャッチボールをする場面を報道陣に公開し、家族と非家族との間には決して踏み越えられない大河と峡谷と山嶺が存在しているんだってことを見せつけることを平気でする、冷酷無情もここに極まった人間だってことになるらしー。

 なぜそーするのかと言えばどーやら結婚もせずにひたすら小泉首相の秘書として首相を支える姉の意向が働いているらしく、本にはそんな姉とのやりとりも拾い出してあって60歳を越えた一国の首相がなぜにそこまで姉のスカートに隠れていると言われかねない事態を、赦し認めているのかが知りたくなる。父親の代から秘書として永田町界隈を出入りして父をささえ小泉家を守ってきた姉に対して、英国留学から帰ってきて立候補した長男とはいえ落下傘みたいな自分が持つ負い目から、今も頭が上がらないってことはあるかもしれないけれど、家族の問題ですら自分ひとりで決められないよーな印象をもたれかねない状況を、それでも許してしまっていることろに一国のリーダーとしての資質への疑義が芽生える。拉致被害者の家族が厳しい言葉で糾弾したことで同情が集まった小泉首相だけどそれすらも計算してのものだった、なんて意見もこれありで、こーした本を読むとそーした作為が働いていた可能性なんかも浮かんでしまって同情なんてしている場合じゃないと思えてくる。はやく何とかしないとこの国、大変なことになるかもね。すでになってる? ごもっとも。

 そんな小泉首相と一時、盟友関係にあった田中眞紀子さんの凄さを書いたのが田中さんとは腹違いの弟にあたる、つまりは田中角栄元首相の長男に当たる田中京さんが父親について始めて真正面から筆を執った「絆」(扶桑社、1470円)はこっちで田中眞紀子さんの田中眞紀子さんらしさが改めて描かれてあってこの人に一時でも外務大臣をやらせていたこの国の至らなさに思いが及ぶ。すでに言われていることだけど田中角栄元総理が脳梗塞で入院した時にリハビリの大切さを訴えたかったものの田中眞紀子さん側がそーした京さんからの接触を絶対に認めず結果、リハビリが十分だったとは思えない状況の中で公の場に現れることなく田中元総理は亡くなってしまった。中国から来た医術のエキスパートすら追い返したらしくそんなエピソードに父への情愛以上の何か、執念みたいなものが田中眞紀子さんにはあったんじゃないか、その執念とは一体どこから涌いてきているものなのかを調べてみたくなる。

 田中角栄元首相が亡くなった後の葬儀に京さんとその娘を親族として参列させず、通夜の焼香は粘ってどーにか認めさせたものの葬祭場での葬儀への出席は認められなかった話にたとえ間に渡りがたい深い溝があったのだとしても、譲るべき時には譲って相手を立ててみせる柔軟さに欠けた人間だったんじゃないかと思えて来る。どーしてそーなってしまったんだろ。甘やかし? 持って生まれた資質? 政治家を親に持つとやっぱりどっかに歪みが出るのかな。そんな歪みを抱えた人たちが山ほどいる今の国会にはつまり期待するのは無理ってことか。本では京さんが当時のCBSソニーで働いていた時代の話も書かれてあってこれがなかなかに面白い。映画「海猿」のテーマとして劇場で予告編といっしょに流れるヒット曲「オープン・アームズ」を唄っていた「ジャーニー」とか「エアロスミス」を日本でアテンドしたって話とかを聴くと、むっくりと頭を持ち上げて来る80年代洋楽シーンへの懐古的感情とリンクして、京さんへの好感が増すから不思議とゆーか現金とゆーか。

 あと子供の頃の話で「ビートルズ」が来日するかどーかと言われていた時代に、京さんの住んでいた神楽坂の家へとやって来た田中元首相が音楽好きの京さんに「ビートルズを聴かせろ」といって京さん、派手なロックンロールを聴かせて良いのかそれで問題のあるアーティストだと思われないかと考え「イエスタデイ」のよーなバラードを中心に聴かせて「なかなかいい」と思わせたって話もなかなか。政府の中にも来日を認めるべきかどーかでもめていた状況下で、結果として「ビートルズ」の来日を実現させた遠因が自分にあるんじゃないかと言っていて、なるほどやっぱり普通の一家ではなくスケールの大きな親子だったんだってことを実感させられる。親が田中角栄だと親子の会話もいろいろ大変だってことで。もし今も存命で孫に「おい電撃文庫ってどうだ」と聴いて孫が「面白いよ」と言ったら全国の小中学校に「電撃文庫」が完備されることもあったのかな。「『わたおに』って知ってるか」と聴かれて「あれは素晴らしい」と答えたら作者は人間国宝に任命されたのかな。なんてことを言って「あるかも」って思われそーなスケールのデカい政治家、今はいなくなってしまったなあ。

 もっともそこは政治家で、これほどではなくても聞けばそれが面白いことなら実行に移して国策にしてしまえるらしくナムコが1955年に「木馬」を横浜の松屋デパート屋上に設置してから50年目を迎えた今日1日にホテルオークラで開かれたパーティーで、登壇した森喜朗前首相が「IT戦略会議」とか「コンテンツ保護法」とかいったものの土台となる国の基本的な方針を策定するに当たって、いっしょに勉強会を開いていたナムコの中村雅哉会長の意見が結構な割合で反映されたことを明かして、首相が知人にいればいろいろ面白い経験も出来るんだなーと羨望する。ここで「フィギュアはモノ作り立国への大事なステップ」「同人誌は表現力を持った人材の育成に不可欠」とか吹き込んでいたら「ワンダーフェスティバル」も「コミケ」も国家的行事として国の施設なりで堂々と行われ、予算もついて莫大な研究費が流れ込んで長者も生まれ、開催日は祝日になっていたりしたかも(しません)。

 それにしても凄まじいばかりに豪華だったパーティーにはイオングループを立ち上げた岡田卓也・イオン名誉会長相談役とか財界系の人に森喜朗さんほか政治系の人がいたのに加えて当然ながら久多良木健さん福嶋康博さん和田洋さん小口久男さんといったゲーム系の偉い人たちにバンダイの今度役員から退く山科誠さんと現社長の高須武男さんといった普段見慣れた面々も来場していて取材で行けば入れ食いだったけど、パーティーそのものの取材が忙しくって誰かを捕まえ懸案事項を聞くなんて活動は出来ず。おめでたい場でそーゆー無粋なことをする気もないから良いんだけど。ってこーゆー考えだから会社で浮きまくってるんだろーなー。偉い人が思いついたことを「早速やらせて戴きます」とバリューの検証もせず丸受けして下に丸投げし丸投げされた下も粛々と従うとゆー、高み目指したい人が大半な会社って組織では至極当然なシステムを断固拒否して騒ぎ立ててる、非サラリーマン的成分のカタマリだから仕方がないんだけど。

 しかしそんな政界財界よりも話題をさらったのが芸能界。とりわけナムコは日活を傘下に入れているってこともあって司会がファンファン岡田真澄さんだった上に会場には早くから宍戸錠さんが来て酒を飲み飲みしつつ歓談している姿を見せてくれていて、変わらぬダンディさにその頬に傷をつけたくなったけど墓の下でおねんねさせられるのも問題なんで遠慮する。そんなファンファン&ジョーが壇上に上がってこれで打ち止めかと思ったところに登場したのが小林旭さん。「待ちなあ」とは言わなかったけど恰幅の良くなった体で変わらぬあの声でもって語り映画の素晴らしさを訴える小林さんにジョーにファンファンとゆー、現在考えられるうちでもっともスタア的な面子を脇に並べて壇上に立てる中村雅哉さんの凄さを改めて噛みしめる。マリーンさんにキスされるよりも羨ましいかも。ともあれ満50年へへと続くこの1年にどんなものをナムコが見せてくれるのか、それがこれからのナムコの50年にどんな影響をもたらすのかをじっくり観察していこー。


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