縮刷版2003年4月下旬号


【4月30日】 負けない。けど勝てもしないその歯痒い様に果たして何を思っているんだろー「名古屋グランパス」ファンとゆー阪本良太さんの「はなひな 明るいおともだち駅描く」(集英社スーパーダッシュ文庫、552円)はどこからともなく現れた、眼鏡っ娘でお下げ髪とゆー素晴らしいビジュアルを持ったハナちゃんヒナちゃんとゆー2人の”少女”を巡って起こる大騒動を描いたポップで萌え萌えながらも根っこにSFっぽさもあったりする、読んで楽しく見て嬉しい作品に仕上がっている。見てってのはイラストのこと、それはもうとびきりに可愛い眼鏡っ娘が描かれていてそのまま電車で読んでいるとどーゆー類の人かと思われてしまいそー。でも読むけど。

 叔父の探偵事務所でアルバイトをしている少年・右京がどこからともなく舞い込んだ依頼を受けて探していたのがお下げ髪の可愛くってせいぜいが中学生くらいにしか見えない女の子。その条件に当てはまるハナちゃんヒナちゃんを見つけて右京は早速声をかけたものの、胡乱な相手と思われ即座に逃げられてしまってさあ大変、追いかけたものの中学生以下に見えて2人ともなかなかの健脚で、追いつけずゼエゼエしていた所に今度は別の追っ手が出現して、ちょっとした争奪戦が繰り広げられる。そこをどーにか切り抜けて、2人をバイト先の探偵事務所へと連れて行って効いた話がこれまた吃驚仰天。実は2人は……ってな展開に遥か銀河の彼方へと頭が向いて宇宙は広いなあと思い知らされる。

 それが何かはまあ読んで頂くとして、そんなハナちゃんヒナちゃんをアルバイトに迎えた探偵事務所にいよいよ元の依頼主でもあった、小さい女の子のお友達にしか興味を抱けない財閥の御曹司の魔手が迫って秋葉原から東京駅からお台場へと抜けるなかなかに躍動感のある追いつ追われつの大バトルがくりひろげられ、そして驚愕のエンディングへと至る。その驚きといったらかつてないくらいの衝撃度。表紙を見てニヤついていた気持ちが絶対零度からさらにマイナスへと冷え込み、人はみかけによらないなあと嘆息する。ある意味とってもインモラルな設定かも。ともあれ名古屋グランパスエイトのファンとゆー作者の作品ってだけで紹介する価値は存分で、ここにその面白さを提示して世の眼鏡っ娘好きの肝胆を大いに冷やしてやろー。ところで本分じゃー「黒縁眼鏡」がどーしてイラストだと銀縁眼鏡あるいはリムレスになってるんだろー。いやこちらもこちらで悪くはないんだけどね。

 忙しくなりそーな予感を胸に岩佐まもるさんの「ブルースター・ロマンス」2冊と「ブルースター・シンフォニー」上下を一気読み。次代を担う巫女を世に現出させるために世界を統べる女神さまが地上へと降りてきて少年に求婚するってゆー「ブルースター・ロマンス」の羨ましくも仰天な展開には驚いたけど、その爆裂した設定が続編の方では背後へと引っ込みむしろ、世界の成り立ちに関わる思いの意味なり強さといったものを描く話になっていて、押し掛け女房的な腐れ縁ドタバタにはならないことへの一抹の寂しさを覚えつつも、世界をどー紡ぐかに挑んだ作者の意欲に関心する。

 さらに「ブルースター」とついて世界観を一部共通にはしていてもまるで気にせず全然別の話として楽しめる「ブルースター・シンフォニー」(角川スニーカー文庫)を読了。復活した魔女的な存在が自分を倒した相手に復讐するべくオーケストラを操り人心を惑わす音楽を奏でさせよーとしていることに、音楽家の意地と誇りをかけて立ち向かおーとする楽団員とか識者とかの頑張りがストーリーの基軸になって、果たして護りきれるのか、世界はどーなっってしまうのかといったワクワクドキドキといった気持ちに引っ張られて上下巻を一気に読まされてしまった。

 音楽が世界を救うなんてまるでデ・カルチャーな設定だけど、音楽とゆー文化が世界を救うってよりは音の集まりである音楽が最善の形になった時に神をも動かすことがあるってな一段スケールがアップした話になっている。ただの空気の振動の寄せ集めに過ぎない音楽が超存在とも言える神にどーして届くのか、そもそも神様って何なんだ、ってな疑問もあってこれをSFっぽく解釈すれば、生きている人間に働きかけた振動が体に進化をもたらすとか、脳に幻想を見せるとかいった話になるんだろーけれど、とりあえず「神」あるいは高次の存在をリアルなものとして認めてしまっている「ブルースター」世界だったりするんで、神様は音楽好きなんだと解釈しておくことにしよー。お神楽とか祝詞みたいな音楽なり言葉が神様にちゃんと届いて恵みをもたらしてくれるのと一緒だ(一緒じゃねー)。

 徐々にだけどシリアスでリアルな雰囲気が浮かびつつあった伊藤明弘さんの「ジオブリーダーズ」だけど、発売された「ヤングキングアワーズ」2003年6月号で「どうした何を驚いている」「自分に弾は当たらんとでも思ってたか」ってゆー言葉が撃たれて瀕死の田波に向かって放たれたことで、見方の弾は敵に当たっても敵の弾は見方には当たらないエンターテインメント的な”お約束”に満ちた世界がここでリセットされて、撃たれもするし撃たれれば死ぬ世界へと切り替わったのかも知れないと背筋に寒いものが走る。菊島社長のラブラブな相手と目され理不尽な仕打ちを受けてるよーに見えてその実いつも安全圏にいるんだと思ってた田波だけど、化け猫による菊島社長の本質に迫る発言が、これまたすべてをリセットしてお気楽だった世界観を180度回した恐ろしげなものへと変貌させる。

 救援を求める高見ちゃんお電話に答える社長の何故に後ろ姿なんだろーと思い、あるいはギャグメーカー的な存在にここしばらく堕していた社長の顔を見せないことによってその存在の不気味さに人を知らず気づかせ、世界をシリアスな方向へと引っ張っていくことを示唆したんだろーかとも妄想する。腹に穴があいて状況的には100%助からない田波が果たしてどーゆー境遇へと向かうのか、ってあたりであるいは、全部夢だったんですー、とかってな展開をもってコメディー路線復活の可能性を伺ったりもできるけれど、残酷すぎる世界を見せられてしまった以上、回帰はかえって世界観の分裂を招きかねない。かといってシリアス路線でいかれると、話終わってしまいそーなのが悩ましいところ。「これが最初の神楽でもないし、最後の神楽でもない」といつか呟いていた菊島社長の言葉どーり、田波の退場をもっていったんの終わりとし、次の世代の「神楽セキュリティー・カンパニー」による「ジオブリーダーズ21」へと続けて再びのラブコメ&バトルアクションを描く、なんてことはないよなー、やっぱり。

 冬の「ワンフェス」に誰か出すのか「セラス・ビクトリア局点防衛用長々距離砲撃戦装備ハルコンネン2仕様」のガレージキットを。「ヤクトミラージュ」のツインタワーほどではないけど両の手に長い銃身の30ミリセミオートカノンを持って弾帯を垂らし背中に弾薬庫だか電源装置だか分からないけど巨大な装置を負って飛来するV1改のミサイルを、百発百中で撃墜するその姿を、是非に6分の1スケールくらいのモデルで見てみたいものだなー。久々のセラス登場で盛り上がりそーな「ヘルシング」。さて次回はどんな活躍を見せてくれることやら。アーカードはまだ来ないのか。


【4月29日】 「戦士の銃」はやっぱり凄いなあと「LASTEXILE」を見て納得、してはいけないんだろーけどでもローテクな世界に突如現れた機械文明の申し子みたいな海星(ひとで)マシンを、手にした銃から放ったたった1発の弾丸で沈黙させてしまったアレックス・ロウを見るにつけ、その佇まいも含めて浮かんだのはやっぱりあの、宇宙の海は俺の海だと唯我独尊な暴言を吐いても不思議と似合ってしまった海賊だったりするんだよねー。次回は逃げてきたクラウスに向かって友よ明日のない星だけどいっしょに戦って守ろう、とか言って誘って来ることに期待、してません。

 それにしても安定した絵にしっかりとしたお話が4話になってもまだ続いている、この当たり前の凄さには感心するばかりで、いつ総集編が挟み込まれたりするんだろーか、止め絵ばかりになってしまうんだろーかと不安にわくわくする感じの得られないことを、残念がる下世話な感情もここになって消滅して、今はただしっかりと毎週、凄い絵に未だかつてない(こともないけど)物語を見せてくれってな渇望が、浮かんで気持ちをせき立てる。気が付くと知らない場所にいたアルがヴァンシップの音を聞いて走り出し、羊のぬいぐるみを抱きかかえて寂しさを補ったりしてみせるシーンとかが醸し出す年頃の少女の雰囲気といー、星7つなんて仕事を受けてしまったクラウスを相手に何度も仕事を撤回させよーと怒ったりアルに、ちょっとした乱暴な仕草を見せたりするラヴィの、我が身可愛さってだけじゃないクラウスの大事を思う気持ちの見え隠れする雰囲気といー、納得づくて見ていられるのが嬉しい。

 ひとり茫洋として無鉄砲に見えるクラウスも、手前の腕前だけはしっかりと理解していて出来る範囲でやってるんだな、ってことが伺えて辟易とさせられないのも良いところ。そんな人間の描き方に、世界設定を含めてストーリーの方が受け皿として応えられるだけのスケールを持っているのかどーか、未だ判然としない世界の構造とかがどーいった段取りで明かされどんな展開へと転がっていくのかを、刮目しつつ毎週の月曜深夜を楽しもー。ビデオで朝になんて見てちゃー気持ちが収まらないよー。ところでアルの頭の触覚って何? 「スカラー波」の発射装置とか、掴んで振り回す時に便利な取っ手とかじゃないとは思うけど。

 タカノ綾さんも作品を出してるってことで、起き出して「パルコミュージアム」で開かれてる展覧会「girls don’t cry」を見物に行く。女性ばかりの展覧会? だったら「東京ガールズブラボー」なんかといっしょかな、って思ったけれど到着して見たギャラリーには奈良美智さんとか会田誠さんって男性の作家も混じっていたから決してガールズをブラボーする展覧会ではないみたい。だったら何だと調べると、どーやら女性をモチーフにした作品を集めた展覧会ってことらしく、出ている作品も女性が描かれていたり映像として撮られているものばかりで、その見目麗しさに堪能しまくれたかってゆーと、そーゆー部分もあったけど、そればっかりじゃない所に単なる下世話な興味だけでは計れない、展覧会としての奥深さがある。

 なるほど女子高生っぽい美少女の手と足が切断されて「バイオレンスジャック」に出てきた人犬みたくされている絵の3連作は女子高生を虐待してみたい気持ちを、ガングロでもなければルーズソックスでもなくザク足ではもちろんありえない、超絶理想化された容姿の女子高生でもって絵にしてくれていて、心の欲望を刺激されるけど同時に心にしまってあった欲望を引っ張り出される感じもあって、正対していていろいろと考えさせられる。なにしろ来ている観客は女性ばかりだから、その中でオンナノコのハズカシイ姿を正視することすら大変。これは芸術だと気持ちでごまかしても周囲は絶対そー見ないなかで、かといって俺はおーゆーのが大好きなんだと笑いながら見る訳にもいかず、針のむしろの上からパイルドライバーで頭を叩かれる感じに全身が痛む。

 同じことは上半身裸の女性が巨大な男のボクサーを相手にロッキーのテーマにのってボクシングをする映像「Power」って作品にも言えて、その揺れまくる様に胸ってあれでなかなか柔らかいものなんだなー、なんて感動するのはそれとして、仕切られた部屋の中に女性が入ってきたら何って顔をしよーかと通り過ぎる足音に耳そばだて心臓をドクドクさせてしまう。一方で女性が会田さんとかこの「Power」を見てどー思うのか、どーゆー捉え方をするのかも知りたいところだけど、どーなんでしょー見た人たち。ちなみにタダ券があったとかいって来たらしー若い母親と小さい息子は展覧会場を「タダだからって来るものじゃないわね」って足早に通り過ぎて行きました。いーじゃんじっくりと見せてあげれば。それとも身近な女性で満足してもらわないと困るのかな。

 タカノ綾さんは新作のペインティングにドローイングが何点か。正確なタイトルは忘れたけれど角度によって色が違ってたビルをバックに少女が歩いて後ろでなぜか大きなダチョウみたいな鳥が立ってる不思議な絵がとってもシュールで、なのにどこか暖かくって良かったなあ。水墨画の秋冬山水図をバックに少女が立ってる変わったモチーフの作品もあったけどどーゆー心境から生まれた作品なんだろー。中国に興味でもあったのかな。ドローイングでは動物と裸の少女を組み合わせたモチーフの作品が何点もあって中でもカバがわらわらと集まっている作品が見て賑やかで気に入った。ドローイングなのにどれも色が鮮やかで、まんま飾っても存分に美しい作品ばかりなのは驚いた。絵の具がいーのか紙が特別なのか。売り物だったら買ったなあ、たとえ1枚1万円くらいしても。

 ほかに小山登美夫ギャラリーの個展で見た、人形を作って写真に撮ってそれをもとに絵を描くとゆー不思議な段取りを採る加藤美佳さんのこれも前に見たことのある「カナリア」が飾ってあって、その不思議なリアルさにゾクゾクさせられる。人形の生硬さと人間の生々しさが入り交じった不思議な感じ。触れると固いのか柔らかいのか、暖かいのか冷たいのか。あと奈良美智さんがピックアップした人たちの中にあったんだっか、「東京都現代美術館」の集合点で見たんだったか忘れたけれど村瀬恭子さんって人のなでつけるよーなタッチで女性像を浮かび上がらせる作品もまとまった数がみられて、イラストっぽい作品が多くなりがちな中にあってしっかりとアートしているタッチにこの人はきっと浮かんで来るなーと感じる。やなぎみわさんは女性の願望を特殊メイクで実現させてから写真に撮る作品の延長に見える「GEISHA」1点で勝負。これもなかなかです。

 女性のアーティストパワーを見せるんだ、ってな感じで村上隆さんが目に付いたアーティストをピックアップして展示する「東京ガールズブラボー」が、村上さんとゆー現代では希にみて知名度のあるアーティストの名前を通して新しいアーティストを世に届けるって役割を持っているのは分かるし事実、その結果出てきたアーティストもいるにはいるけどこれほどまでに村上さんの名前が立ってしまうと、新進の女性アーティストをまとめて送り出す行為そのものが村上さんの半ば”作品化”してしまう感じがあって、村上さんの名前をより高める一方で出てきたアーティストの名前が背景に後退していまう可能性も考えているけれど、そーしたメジャーなキュレーターのいない「girls don’t cry」はただ純粋に、女性の描き手が奈良さん会田さんといったメジャーな名前に混じってはいても並立的に、むしろより前へと飛び出して提示されている感じがあって、見れば記憶に誰が残りそー。何で女性の描き手なのか、何で女性がモチーフなのかといったセグメント化への疑問もあるけど実際、描かれているモチーフが放つ生々しさ、力強さは男性がモチーフではやっぱりちょっと感じが違う。それが後天的に刷り込まれた情報によるものなのか、原初的に人間が抱いているものなのかを、機会があればまた見ていろいろと考えよー。草間彌生御大のポップなイラスト調作品がオブセッションな他の作品とはちょっと違ってて面白い。草間さん、幾つになっても可愛いなー。

中に1体フリューゲルスのマスコットが混じって、ません  渋谷から菊名へと回りJRで小机まで行って「横浜国際競技場」で「横浜F・マリノスvs名古屋グランパスエイト」を見る。手に持ってきたグランパスくんだかグランパコちゃんだかとマリノスくんだかマリノスケくんだかを持ち寄って我らがカーン様にロナウド選手の写真をバックに並べて記念撮影している女性ファンの一段がいて、敵と味方が試合前に仲良くするなんて考えられず女性のファンがそーしたことをするなんてさらに考えられない英国のサッカーファンが見たら、いったい何事だろーと思うかちょっと興味ある。オールド・トラフォードでベッカム人形と戸田人形を並べて写真とか撮ってたらどーなるんだろ。生きては帰れないのかな。カンプ・ノウでフィーゴ人形とロナウド人形を持ってたら命が5つあっても足りないな。

 試合は相変わらずの決定力不足なグランパスエイト。パナディッチが中央に陣取り両脇を大森選手に古賀選手が固める鉄壁の3バックが無得点に抑えても、中盤でボールをつなげずサイドに人が張っても使えずたまに回ってもフォローがなくって攻めきれず、クロスをあげても精度を欠いてシュートにつなげられず、いつまでたってもゴールネットを揺らせない。藤本選手はボールを来るのを待ってるばかりでウェウズレイ選手はドリブルで斬り込もうにも足元にボールがつかず、ヴァスティッチはテクニックがあるけどボールが来ないため取りに下がってしまう関係でテクニックを前線で発揮できず、最後のシュートへと誰も持ち込むことができない。だったら大切なのが中盤の押し上げにフォローなんだけど、酒井友之選手あたりに目立った動きがなく、来るのを待ってそれからボールを楽に流している感じがあって見ていてちょっと歯がゆい。

 案の定真っ先に岡山選手に代えられてしまった訳だけど、どーせ次もレギュラーだって頭がどこかにあって適当にやっても中位くらいは安泰かなって安心感があるから代えられても心改めるなんてことはしないんだろーなー、苛立つなー。生え抜きなり実績者でレギュラー張ってる30代とかがいてまとめ役になれれば、ダラダラした感じもなくなって引き締まって来るんだろーけれど、グランパスエイトはそーゆー選手を排除して来た感があるからなー。それが中盤のヌルさに出てしまっているのかなー。返す返すも山口素弘選手が惜しまれる。早く何とかしないとファーストステージは引き分けコレクター、セカンドステージも勝ったり負けたりのチームになってしまうぞ。酒井は帰して代わりに市原から阿部裕樹選手とかもらって来てはいかが。ベルデニック監督とオシム監督を交換してもらうって手もあるなあ。


【4月28日】 とゆー訳で「ワンダバスタイル」、ってあんたもう見ないって言ったじゃん、とかゆー突っ込みは無視、なぜにゃらば(byカラリオ詩人、でも中身はめっきり)僕はサンダーバード世代でウルトラマン世代で帰ってきたウルトラマンはリアルタイムでアンドロー梅田もガオガイガーもオッケーな「ロケットガール」ファンなのだから。さて宇宙へと出たワンダバギャルなユニットの面々、窒素ボイスで変わり果てた声となってしまってこれでアイドルロードも真っ暗かとあきらめ駆けたところに提示された一発逆転の必殺技。それは月へと行って最初に月から唄うアイドルになって世間をアッと言わせよーとゆーものだった。なるほどアームストロング船長が月軌道でデイジーデイジーを唄っても誰もトキメきゃしないもんなー。

 その話のスッ飛び方のある意味分かり易い気持ちよさに月へと向かう時に地球の自転力(じてん・ちから、そんな語句があるかは知らん)を使ってハンマー投げよろしく月まで吹っ飛ばそうってゆーアイディアの幻実味がすばらしく、でもって月の影に入ったとたんに全身これ太陽電池なキクちゃんが活動を停止してしまうってゆー「うんうんあるある」的な描写で畳み込まれてはおじさん、参った参りましたというより他にない。高所恐怖症で固まってしまう冬出ゆりさんとかフォークギターを2000円で質屋に入れてしまう秋茂あやめさんとか設定なかなかに微細です。絵だけは毎回しっかり描かれているのも安心なところ、だけどそろそろ中間地点で苦しくなって来るのかな、まあ美少女出てりゃあ止まってよーと歪んでよーとオッケーなんだけど。

 大気圏突入シートも出さずに突っ込んでいくキクちゃんとか萌え……じゃない燃えちゃわないのかとも思ったけれど、身につけているブラにパンツがきっとそーゆー役割を果たすんだろーから大丈夫、きっと次週も健気に計算してくれることでしょー。遠心力で月まで連れていかれてしまって次のネタは何って心配もあるけどなあにまだ月に降り立った訳じゃない、でもって降りても脱出がある。無公害ロケットで月まで行って帰るその時まで、九十九科学の挑戦が続くのであった。既に月まで行ってしまった本家「ロケガ」に追いつくのはいつの日か。

 人に災いを成す存在を探し暴き倒して歩く異形の男、ってな設定を聞いてもそれほどトキメかなくなってしまった所に重ねた歳の多さなんかを感じたりもするけれど、これが初めての小説って人がいる以上において繰り返される設定繰り返される世界観も気にしないでおくのが大人の対応って奴で、とりあえずは頭をリセットして読み始めた和田賢一さんって人のデビュー作「Verofess1 ヴァロファス」(富士見書房、560円)は、最初こそ既視感に12ページくらいで読む手を止めたくなったけど、生まれながらに鴉の面が顔に張り付いていたとゆー主人公の異形さ、ヒロインのお嬢ちゃんが経てきた困窮と流浪の経験の痛さ辛さ悲しさ、異形のヒーローが相手にする仇敵の微妙にして曖昧な存在だとゆー設定の不思議さがこれまでの他の話とは若干の差異を感じさせてくれて、峠を越えたあとはそのまま最後まで読み通すことができた。どこにでもいるらしー敵のラスボスのとらえどころなさ過ぎな存在感とか、鴉顔のヴェロファスの生い立ちとかに未解決な部分もあって次巻へとつながりそー。通りすがりでしかないヒロインとヒーローが続編でも繋がるためのフックが必要だと思うけどその辺りどー処理するのかな。

 新しいビルとかの写真を取りに汐留へと出向いた帰り道に銀座の「博品館」をのぞいたら入り口部分がいわゆる”癒し系”な玩具にオン・パレードになっていて、メーカー的な力の入れっぷりとユーザー的な癒しグッズへの求めっぷりがともに現れているよーで、今さらながらにその辺への関心の高さを実感する、と同時に手早くそーしたキャンペーンをやってしまう「博品館」のフットワークの良さに感心する。店頭ではトミーが誇る「てのりピピ」とそれから「マイクロペッツ」が売られてて、中に入るとちょっとした森とせせらぎのジオラマが作られてその上にタカラが先日発売したばかりの動いたり鳴いたりする鳥の模型「小春日和シリーズ」が置かれてて、喧しくも心地よくさえずりを聞かせてくれていた。光センサーを内蔵した「野鳥美術館」と音センサー内蔵の「野鳥図鑑」ってのがあって、このうち「野鳥美術館」の方はフィギュアといっても「チョコQ」の中身とは違ってサイズがほとんど等身大。ボリューム感のある鳥の人形が首を動かし尾を上げ下げして「かくこうかくこう」とか無く様を見るにつけ、気持ちのほころぶ感じを抱くと同時に、前庭に集まってきた鳥を縁側から見る環境の皆無な都会暮らしの人の寂しさみたいなものも感じてしまう。鳥かごに入れてつり下げておく”飼い方”とか出てきそー。文鳥とかも出せばいーのに。

 その「小春日和シリーズ」の周囲を囲んでいたのはトミーの「のほほん族」とかバンダイのジャズオーケストラな玩具とかセガトイズの裸少年グッズとか諸々の癒し系玩具。中でもやっぱり目につくのが太陽の光でもって首をふる「のほのん族」で、丸顔の人形が左右だったり前後だったりと様々な動きでもって何体もユラユラとしている光景は、見るからにのほほーんとしてて気持ちもハッピーになって来る。近所の行列が出来る低価格パーマ屋さん(死後?)のショーウィンドーにも何体もの「のほほん族」が揺れていて、行列に苛立つ人の心をほぐす効果を発揮していた、みたい。聞いた話だと社員が社長に新企画としてプレゼンテーションした時に、自分の体でもってその可愛さを表現したところ、人間がやって見せた動きでいくら笑いをとったってダメ、人間がやっておかしいのと同じ動きが人形でも出せるかって突っ込みが社長の人からあったそーで、苦心の甲斐あって出てきた商品は、見事それ単体で不思議な可愛さを表現して見せ、結果大ヒットを記録した。「社長、怒った。社員、頑張った。のほほん族、動いた」なんてトモロヲのナレーションも耳に浮かぶ良い話。「プロジェクトX」での放映も近い、かなあ。


【4月27日】 カッケエなあと「アストロボーイ・鉄腕アトム」のオープニングだけ見てから「デ・ジ・キャラットにょ」にチャンネルをゲッツ。絵だけ見ればやっぱりショボいけどそこを南央美さんの抜けた十円安的演技とか得体の知れないオスカルがラインハルトな華麗田さんとやらの合いの手とかがカバーして、摩訶不思議な雰囲気の作品へと仕立て上げてくれている。エンディングに出てくるおかっぱな似た顔の2人組もちゃんとセリフ付きで登場していてグッド、だけど声誰だったっけ。うさだのお母さんがあーいった頓狂で吶喊なキャラクターだっとはちょっと意外、でじこママといー庵衣の婆さんといー「デ・ジ・キャラットにょ」に登場のご夫婦な方々は揃って女性が強くで無鉄砲でしっちゃかめっちゃか。既婚の桜井弘明監督のあるいは誰かに何か含むところでもあるんだろーか。

 おじいちゃんおばあちゃんがぬいぐるみを幼稚園に入園させる行動の新規性から似ればファッションドールのイベントに若い女性が集まるって光景はそれほど不思議なものではないんだろーけれど、玩具メーカーから用意された既成のものを百貨店で買って着せ替えていた時代からすれば、ひとつ所に大勢の人たちがオリジナルの人形用の衣装ばかりを持ち寄って売り買いするののやっぱり新規性に富んだ状況だったりするのかも、って訳で浜松町の産業貿易会館で開催された「ドールショー」を見物、毎回思うけど今回もすばらしい職人さんたちが人形たちの素晴らしい衣装を揃えて並べていて、その手先の器用種類の豊富さ買いに来る人の増えるばかりの右肩上がりの様子に、この世界も確実にひとつのマーケットを形成しつつあるなーと実感する。フロアも3階だけじゃなく4階の半分を使って広がりつつあるよーだし。

 「リカちゃん」「ジェニー」に「ノアドローム」系のオリジナルといった系統が主流だったよーに見えた数年前から内容にもやっぱり変化があるよーで、ボークスが出している大型のドール「スーパードルフィー」をベースにした人形の衣装なんかを作って売っていた人とそれから、「ブライス」って頭の大きな紐をひっぱると目の色が変わるドールをベースに使う服とかカツラとかいったものを作って持ち込んでいる人が、確実に増えてるよーに見えた。ってゆーか前に行ったときってあんなに「ブライス」っていたっけか。「パルコ」のCMが端緒になって人気が出て、タカラが再発売して割に普通に手に入るよーにはなっていたけどここまで関心が継続しているとは、想像はできても実感はできていなかったから勉強になる。「リカ」「ジェニー」に加わるタカラの柱になりそー。「BRATZ」は見なかったけど、もー売ってたっけ?。

 池袋へと回って「山形浩生先生講演会」までの時間をぶらぶら。といってもまず行く先が「ゲーマーズ池袋店」ってあたりがウエストゲートパークな人とは違うアキバな野郎って感じで泣けて来る。3階にある「でじこや」の方の客の少なさは考えるに「デ・ジ・キャラットにょ」が知られていないってよりは逆にこんな雑居ビルの3階に「でじこや」があるなんてことが知られてないからで、小学生や幼稚園児にグッズを売りたいんだったらそれこそ「サンリオショップ」みたくちゃんとした入りやすい場所に店を作るべきだと思うんだけど、そーゆー触れ込みだった渋谷のお店を番組始まる前に撤退させてしまう辺りが手足ばらばらってゆーかお家の事情ってゆーか。アトムグッズみたく地下鉄のキオスクで売れとは言わないし言えないけれど、せっかくの立ち上がった商材だからせめて街のコンビニとか、本屋とかでも目にするくらいにして欲しいもの。「博品館」に「原宿キディランド」が手を挙げてくれればサイコーなんだけどなあ。

 回って池袋リブロで「山形浩生大先生講演会」。例の「たかがバロウズ本」の出版を記念してのイベントなんだけど一体どれだけの人が来るかと思って見ていたらそこはニッポンの次代を担う知性派アイドルの人だけあって、若い女性から若い男性からがわんさと詰めかけ会場はなかなかの入りになってて、終わった後のサイン会にも大行列が出来る始末でこーゆー決して文学者でもなければ真性のアイドルでもない、40歳近いお兄さんの後援に何十人からの人が集まるくらい、東京およびその周辺に住む人の数の多さって奴を思い知る。名古屋でこれやったって何人集まったことか。ベースとなる人の数が違い過ぎるからなー。その意味で首都圏に住んでる人とそーでない人の文化濃度の格差って確実にあります。でも野尻抱介さんの丸善栄店でのサイン会には結構来てたからSFな人は名古屋は多いのか。さすがは高千穂遥さんの出身地(あんまり関係ない。

 講演の方は要約すれば「たかがバロウズ」って本のタイトルそのままで、それはつまりは文学的にすっげーとかライフスタイルがカッケエとかいった騒がれ方をして半ば神格化すらされているウィリアム・バロウズって作家もぶっちゃけ言えば自由を求めて彷徨ったってよりは金が最初はあったんで遊民続けて切れかかると小説でも書いてみたってところで、生涯に幾つか訪れた変化も大本は金の切れ目が節目の始まりだったって感じで、ビートゼネレーションのご神体的に崇め奉るほどのもんじゃないってことらしー。そーした意識を下地にもちつつ書いている内容の99・5%はつまらないものだと認識しつつ、それでも残る〇・5%の光る文章内容の面白さを了解することで、難解の王様めいた言われ方としているバロウズをより身にひきつけ楽しめるよーになるってことらしー。

 ホント言うとバロウズっててんで読んだことがなくって評判の「カットアップ」とやらがどれくらい難解なのかすらも知らないんだけど、ひとつひとつの言葉の意味を追っていくんじゃなくって、似たニュアンスの言葉が出てくる頻度とか雰囲気からそのシーンが描いてそーなトーンをつかむんだってな読み方への示唆は、例えていうなら近眼の癖に眼鏡をはずしてぼんやりと周辺をながめつつ、色とか形から何とはなしにそれを何らしーと判断する、そんな読み方をしていくことによって掴めるものがあるのかもって思えて俄然バロウズへの関心が高まって来る。ペヨトル工房がおじゃんになった時にひろった「おかま」とか持ってはいるけど身構え手つかずだったんで、せっかくの示唆を無駄にしないよーちょっと開いてみることにしよー。でも〇・1%しか分からない可能性もあるしなー、迷うなー。莫迦さ故の無理解を人間って奴は決しては認めたくないのだよ。

 見知った顔もいたけどスルーして帰宅してビデオで「スキにさせて!」をチェック、橋本侑里映さんがいっぱい喋ってて明日からの1週間を幸せに過ごせそーな勇気をもらう。加えて今秋はエンディングに出てきたあれは誰なんだろー、名前忘れたけれど巨大(新潮約3メートル38センチ)な女子中学生とミニミーよりはやや大きいって感じのたぶん小学生の2人が並んで喋る、そのラスト寸前でのけぞる小さい方の女の子のスカートの、内奥が白い三角ともども一瞬のぞいたよーな気がして、下がっていた血圧があがり食欲も高進して生きている実感に体を固く屹立させる。ビデオなのがやっぱり辛いところでスチルしてもアレが入って明確には確認できないが返す返すも残念で、流行りのパソコン録画からの切り出しを早くマスターしたいものだと今年の課題リストに加える。目的が不純?  進歩ってなあ不純の追求から生まれるもんだ。

 欲望を満たすことから生まれる文学もあるってことで中笈木六さんの新刊「未亡人戦士☆冴香」(フランス書院、905円)なんかを買ってペラペラ、両性具有がデフォルトなあたりは流石中笈さんてゆーか、今回はそれが複数あって片方なんて強制両性具有化なんて技も使われていて1冊で2度3度5度10度と楽しめます。たわわな6つの実りはじける表紙からしてなかなかな。ミリタリー的な部分が全体の分量の中でどちらかと言えば少ないことと、嵯峨唯弦って少年の陵辱なシーンが描かれていないのが気になったけどこの分量に詰まった使えるシーンの多さからすれば致し方ないことなんだろー。ページを共用している人の伝奇的SF的な活動も読みたいファンの多いだろーけど、まずはこちらで息抜きを。息じゃないのも抜けますが。


【4月26日】 見えたーっ! のか見たいと思う気持ちが心に幻像を映したのか、「ゲーマーズ」で買って帰って見た、「デ・ジ・キャラットにょ」の関連商品としてタカラから発売された「ゴムダンステッピー」に付属していた教則ビデオの1場面、「Priere」のメンバーが高めに張られたゴムを側転でクリアする場面で、履いているショートサイズのパンツの股の端の部分と腿の付け根の隙間から、一瞬チラリと白い布がのぞいたよーな気がしたんだけど果たしてあれは本当にいわゆる白い三角の奴なのか、それともカットされたジーンズの端なのか、画質がビデオなんで今ひとつで確信が持てないのが残念なところではあるけど、何事も前向きにとらえるのが人生を楽しく生きる秘訣ってことで、それはそれだったと思うことにしよー。DVDクオリティのが欲しいよー。ちなみに別のメンバーもスカート姿で足をひょいと上げたところで腿の付け根にヒラリと黒がのぞいてこれもこれでなかなか。影ではないと思いたい。いや影なんかじゃないと信じるんだ。

これだけいてもちゃんと見分けはつくのです、だって親だから  休日で何もする気がおこらない中でも頑張って気力を振り絞って浅草へと出かけて幼稚園の入園式を見物に行く、ってももちろん低年齢層への興味が極まってついに幼児までもがターゲットに入ったって訳ではなくもないけどとりあえずが違って、真っ当に純粋な仕事として入園式の取材に行ったものだけど、教育担当でもない人間が行く入園式がいわゆる世間の常識から真っ当な線に当てはまっている筈がなく、場所はバンダイの本社で入園するのは園児ならぬ「プリモプエル」のお嬢ちゃんお坊ちゃんたち、つまりはバンダイが99年に発売した成長するぬいぐるみの「プリモプエル」をわが子のよーに思って育てている人たちが、その延長線上として幼稚園に入れてあげるってゆーイベントで、午前10時って時間にも関わらず70人もの人たちが、手にめいめいが入園用のお揃いの制服制帽を着せた「プリモプエル」を抱えて来場して、入園式にのぞみクラス別の写真に収まり新しい園児が勢揃いした集合写真なんかも撮ってはわが子の入園をお祝いしてた。

 22日にオープンした「プリモプエル」の専門ショップ「ハートのしっぽ」のオープンの時にも朝から、手に自慢の「プリモプエル」を持って集まった主婦層からご老人層までハイエイジな方々が集まっていて、なるほどこーゆー時代になったものかと感慨に耽ったばかり。昔だったら人形に服を着せてわが子のよーに扱っている人を見かけたら、きっと誰もがフツーではないと思ったんだろーけれど、県知事が巨大なグルミット人形を抱えて議員会館に現れ県庁舎へと登庁し昼時には訪ねてくる県幹部を待たせて人形に食事をさせる時代、ご婦人ご夫婦ご老人が慈しみの対象に育つぬいぐるみを位置づけかいがいしく世話をして服を着せて人前を持ち歩き、幼稚園に入れることなんぜ全然フツーのことなんだろー。もしかするとそのうちに、「スーパードルフィー」にフリヒラな服とか和服とか着せて銀座原宿六本木を、背広姿の紳士が抱えて歩いて眉とかしかめられない時代が……来るといいな。

 ひとつ疑問があるとしたら、「プリモプエル」を子供のよーに擬人化して甲斐甲斐しく世話をしている人たちが半ば、「ごっこ」としてぬいぐるみを慈しみ幼稚園に入れることを楽しんでいるのか、それとも人間の代替として捉えているのかって辺りの分析がまだあんまり出来てはいないんだけど、架空の世界であっても決してそれを架空だとは思わせず、ミッキーの中の人などいないと公式にも非公式にも言い続ける「ディズニーランド」と同様、サービスする側は徹底してひとりの子供として「プリモプエル」に関するサービスを、提供していくことが相手の信頼も得られ長く親しまれるものへと「プリモプエル」も育って行くことになるんだろー。いつぞやの合併騒動で「和製ディズニーを目指す」って言ったバンダイだけに、キャラクターの開発力じゃなく展開力でもなくスピリッツを持っての継続力って部分で改めて和製ディズニーを目指して頂きたいところ。頑張ろう、芽は出始めてるんだから。

 「勝手に会社案内」でバンダイを素晴らしくも楽しく紹介していた「サイゾー」を手に持った女性2人が取材に来ていたけれどもしかして「サイゾー」からの鉄砲玉だったのか、けど僕より真面目にしっかりと取材していたから記事もきっと「勝手に会社案内」の時より以上に「プリモプエル」の本質を捉えたもにになるんだと期待しよー。掲載は来月発売号、かな。すでに失われつつある気力を振り絞って浅草からとって返して家で原稿を打って送稿した辺りで意識を失い、気が付くと午後の4時になっていたんで何もする気が起こらないなかを立ち上がって電車を乗り継ぎ「市原臨海競技場」へと向かう、ってどこが気力ゼロなんだ。

 いや本当は日本代表女子チームの試合が前座で予定されていた味の素スタジアムの方に行きたい気もあったんだけど、ストイコビッチの恩師を招いて調子を上げて来ているジェフユナイテッド市原と、古河出身であるにも関わらず裏切って(裏切った訳じゃないけど)岡ちゃんが監督に就任した、日本リーグ時代の仇敵・日産の流れを汲む横浜F・マリノスとの試合ってことで、これはちょっと見逃すのは惜しいと思ったのが、はるばる市原へと向かった理由。もっとも予想していたよりは船橋から五井の駅は近くって、おまけに駅を降りると正面にシャトルバスが止まっていて、乗ると10分ほどで競技場の真正面に到着するとゆー利便性の良さで、船橋から電車で30分でそこから徒歩15分の「柏スタジアム」と時間ではどっこいどっこい、歩かなくて良い分楽さでは「市原臨海競技場」って感じで、これまで勝手に遠いなあと思いこみ、だったら応援しなくてもいいかなって思っていたジェフがぐぐっと身近になる、名古屋グランパスエイトの次くらいに。

 その親近感は試合が始まるとさらにぐぐっと急上昇。トップのチェ・ヨンスとサンドロと弾頭に後ろから攻め上がりサイドから切り崩すスピード感と厚みにあふれたジェフの攻撃に、今年から攻撃サッカーを標榜し始めたFマリノスもたじたじで、開始1分でとった1点は出会い頭だったとしても、その後の切り込み返したところに飛び込み蹴り込んだ1点と、放り込まれたところに頭で合わせた1点とゆーチェ・ヨンスのハットトリックの凄さもそれとして、そんなチェ・ヨンスを支えた他のメンバーの仕事ぶりのトータルで、ジェフのサッカーの素晴らしさがぞんぶんに発揮された試合だった。ベンゲル監督がやって来たとたんに下位から中堅以上へとのし上がったグランパスエイトの奇蹟をオシム監督が再現しよーとしているのか。スタジアムの意外な近さも分かったし、ちょっと通ってみよーかな。


【4月25日】 持っていないと散々っぱら説明して必要とあらば査察だって受け入れるとまで言っていたにも関わらず嘘を付いてる隠していると言いがかりをつけ攻め入って、それでも見つかりそーもないと気づくと今度は矛先を抑圧的な政治体制へと切り替え自由化を促すためだと進軍を重ねて遂には1国の体制を転覆させてしまって勝ち鬨の声をあげて当然と思う人たちが、核兵器を持っていますと満天下で断言された上に政治体制は超絶無比な全体主義で過去に何万人とも何十万人とも餓死したとか収容所送りにされたと巷間ささやかれている国を、速攻で滅ぼしてこその整合性って奴なんだろーけどさてはてどーゆー展開になるのやら。もちろんだからといって攻めて欲しいってことじゃなく、むしろうまくどーにかいって欲しいと日和つつも平和的な展開を望んではいるんだけど、一方でダブルがトリプルに規範を設けてご都合主義的に世界を翻弄する人たちに恥じて欲しいって気もあるだけに難しい。あっちで爆弾こっちで太陽、通じさせて果たして良いのか? 通じさせるのが正解か?

 ちょっとしたお仕事をしながら横目でビデオ撮りしておいた「TEXHNOLYZE」、すでにして何が何だか分かりません、ってかとりあえずは街を支配する一家にたてついたボクサーが手足を落とされ街を彷徨うストーリーを主軸に、支配構造とか世界構造とかがちょっとづつ説明されて後にいよいよボクサーの復讐への道筋が開け始めるって感じになっているよーに見えるけど、説明的な描写もセリフもいっさいを廃してキャラとか言葉の端々から情報を集め類推していかなくっちゃいけないところが、朝の忙しい頭にはちょっと荷重で手っ取り早く理解できる方法はないものかと来月発売あたりのアニメ誌への期待を膨らませてみたりする。映像のシンプルで暗喩的でスタイリッシュでスプラッタな感じは2話目も維持されていてなかなかの見応え。ただやっぱりもーちょっと萌えっぽさがあると画面に集中できるよーな気もするだけに、狐面の女の子のローアングルとかもーちょっと増やしてくれると嬉しいかも。けど顔はやっぱり怖いなあ。

 仕事を仕上げて送ってから秋葉原へと回ってDVD漁り。毎度お馴染み「ゲーマーズ」の2階へと上がってDVD売場で「灰羽連盟」の最終巻と「ウィッチハンターロビン」の最新巻を買う。「灰羽連盟」は作品にも出てきた「灰羽手帳」が付録について来たけどDVDのトールサイズのパッケージに大きさを合わせた関係でどことなくアニメに出てきたものより大きい気が。こんなもんどこのポケットにだって入りません。手帳のリフィルも千切って出して服とかスープとか買えるよーにはなってなくって残念だけど、代わりにクリアーファイルが挟んであってDVDについてたアーティストによるポストカードと光輪が暗いところで光る蛍光トレカが収納できるよーになっているのは有り難い。これがDVDのボックスにもまんま収まれば言うことなしなんだけどどーだろー、後で嵌め混んでみよー。けどボックスにDVDを嵌めると例の偽輪っかの行き場所が。付録も収納を考えて付けましょう。

 考えた付録って意味では「ウィッチハンターロビン」のアートポストカードはまるで役立たずなところが邪魔にすらならないって意味で考えられているよーな。ほかに「THE ビッグオー」のボックスとかも欲しかったけど流石に一度に払う金がなく断念、ほかに何かないものかと店内を散策しているうちに流れ出した「ゴムダンステッピー」の宣伝映像に釘付けとなって、それが収録されている教則ビデオがセットになった「ステッピー」を購入してしまう、って前から買うぞとは言っていたけれど、予想以上に素晴らしい映像だったのです。

 説明するならテレビの「デ・ジ・キャラットにょ」のエンディングに宣伝臭さたっぷりに挟み込まれた映像の完全版って奴で、まだ小学生くらいの女の子たちが、ホットパンツにミニスカートといった姿で足を跳ね上げゴム飛びをしたり大きく足を振り上げて側転したりする、その姿を見れば例え宣伝臭さがキツいとか、1人2人顔に美意識への挑戦を繰り広げている人がいるとかいった指摘も、野暮の極み無粋の究めと退けたくなる。いや素晴らしい。CDも売っていたけどこっちは後日ある販売イベントの時に買うとして、それまでは家でビデオをじっくりと見て「ステッピー」を飛べるよーになって、もしかするとやってくれるかもしれない実演で「おっさんおっさんおはいんなさい」と呼びかけられたら応えられるだけの技量を身につけておこー。練習相手と練習場所をその前に確保だ。27日の池袋での「山形浩生講演会」の会場とか広いし人もいっぱいいて最高なんだけどなー。

 トレーディングカードの専門店になっていた「ゲーマーズ秋葉原3号店」が気が付くとアウトレットの店になってて吃驚。入るとアイドル系のトレカとか結構なディスカウント価格で売られていたけど買うとなるとなー、さすがに躊躇するよなー、誰これってアイドルとか。吉岡美穂さんの小POP風なトレーディングカード商品が500円とかで売られていてこれはちょっとだけ悩む。けど別に等身大なPOPじゃないんでパスする。「あずまんが大王」の最新版日めくりカレンダーは1000円也。荷物になりそーだったからパスしたけれど近く勝って会社用にしよー。驚いたのはあれは「東京キャラクターショー」あたりでだったっけ、少年画報社が出してたブースで売られていた、「ジオブリーダーズ」に「エクセルサーガ」に「トライガン」に「ヘルシング」の4大コミックのイラストがちょっと厚めの紙に挟まれた商品が山となっていたことで、作りすぎて余っていたのを依頼されて置いたのかそれとも、売ろうと仕入れて余ったのかは知らないけれどもとあれショーで買い逃していた人には朗報かも。僕も確かどれか買ってたんだけどどれ買ったか失念して買ったのも当然ながらどこかに埋もれてしまってるんで、これも機会を作って4つまとめて買っておこー。

 表紙の女の子の可愛さにパッと見惹かれて買ってしまった凛野ミキさんって人の「クラブクライム」(一賽舎、552円)を読んで仰天しつつも陶然、いや凄い漫画があったもんだよ驚いた。のっけから登場するのは箱につめられた猫の死体で、ストーカーらしき存在からそんなものを送りつけられた少年が持て余して父母に相談すると父は「これはご丁寧に」と礼を言い母は良い食材をもらったと早速調理して(猫をだよ)お皿に盛りつける錯綜ぶり。そんなひょうきんな家族に挟まれた少年の大変記かと思いきや、そんな甘い展開にはならずストーカーから身を隠すつもりで少年が転校した先で、猫の死体なんて目じゃないくらいにとんでもない事態へと巻き込まれて行く話になってて、その絵柄とはまるでそぐわないシュールでスプラッタな内容に、手塚治虫さんから数えて幾世代、漫画も愛と平和なんて狭い世界から大きく世界へと羽ばたいたものだと感動する。して良いのか。

 転校した少年が出会った少女がつまりは表紙の美少女ってことになる訳だけど、その性格その行動のどれもがありふれた漫画のヒロインから大きく逸脱していて、見方にしてみたくはなるけれど敵には絶対に回したくない、ってな恐怖に読んでいてうち震える。なるほどよくよく見ると表紙の彼女の可愛い笑顔の斜め上、束ねた髪をとめるゴムにつけられる飾りの2つの玉がどちらもトゲトゲのついた鉄球になっているではありませんか。モーニングスターをぶん回し、時には投げることもある彼女こそが「部活動管理調整部」、通称「殺人鬼研究会」こと「サツケン」の部長でその持ち前のパワーを活かして、部活動に不熱心な学生にちょっとした(ちょっとじゃない)お仕置きをしていたのです。って感じに始まってサツケンへと引きずり込まれて少年が、血と臓物の中にまみれてのたうち回る展開なんだけど、冒頭の血みどろさに比べると話数が進むにつれて月並みな(そうか?)ラブコメになっているのが残念なところ。せっかくのかつてないヒロイン像を平凡なものにするのは勿体ないんで作家の人には是非に本来の「サツケン」としての、歩けば出来る屍の山てき活動を、彼や彼女たちに演じさせて頂きたいもの。飛び散る脳漿に乾杯。


【4月24日】 「経営の鍵は投資バランスと人材の育成にあり!」。ってこんな言葉を成長著しい企業がキャッチにしているなら別に違和感もなく受け入れられるけど、なにかと話題のセガが出してきたリリースに書かれていたからちょっと吃驚、いったい何事かと思ってよく見たら、何のことはない6月に出る新作ソフト「JLEAGUEプロサッカークラブをつくろう!3」は、選手とゆー人材のより綿密な育成とクラブ資金のより効率的な投資が勝利の鍵になってるってゆー案内で、そりゃまー確かにそのとーりだと納得、しつつもやっぱりこれがセガのリリースに書かれていることの持つ、どこか収まりどころの曖昧な感じに微笑する。まさかリリースを書いてる部署が半ばアイロニーを込めて、こーゆーキャッチフレーズをプレスリリースの前面に打ち出して来たりしたのかなー、だとしたらこれでまだまだ人材に潤沢な会社だって言えるかもなー。ちょっと安心。

 ハットトリックかい。恐れ入ったよロナウド選手の超絶的な活躍でもって欧州チャンピオンズリーグはレアル・マドリッドがマンチェスター・ユナイテッドを2試合合計の得点でもって撃破して準決勝へと駒を進めたみたいで、これで今ふたたびの「トヨタカップ」での超絶美麗なテクニックの競演との再開に、ちかづいたと思ったものの本当に「トヨタカップ」って今年も日本で開催されるんだろーか、してほしーなー。途中出場ながら2点をゲットして試合単体で見れば勝利に貢献したマンチェスター・ユナイテッドのベッカム選手の凄さも再認識したけれど、大事な試合での途中出場ってことでファーガソン監督への信頼もさらに一段と揺らいだ可能性が。これでベッカム選手のレアル移籍なんてことが実現したら年末の「トヨタカップ」はさらに凄いことが起こりそー。チケットのゲットも難しくなる訳で、それまでにどーにか豊田家に婿入りして貴賓席で見る立場をゲットしなければと考える。婚期の娘さんはいませんか。歳少々上下してても構いません、そうだな下は16歳から上は48歳辺りまで(さらに拡張可)。

 ゆらゆらと「東京国際ブックフェア2003」。毎年恒例となった50人(ほぼ)による一斉テープカットの不思議な光景を堪能しつつ入った会場ではもっぱら電子出版関連のコーナーを見物、マルチメディアな会社が出ては消え出ては消えた激動の1990年代後半を乗り切り生き残った上に電子出版の中でそれなりな地位を固めるに至ったボイジャーとかが今年もしっかりと店を出している光景に、泡に踊らず誘いに揺れず信念を持ってやり抜くことの大切さを強く感じる。代表の萩野正昭さんがいたんで挨拶しつつ話を聞いて、フォーマットが代わろうと新技術が登場しよーとコアになるのはやっぱり中身、コンテンツだって話を聞いてなるほどと納得、はしつつも頑張って出したものがデジタルの発展の中で急速に古めかしくなっていく哀しみを、1万円以上はしたはずのCD−ROM「新潮文庫の100冊」「新潮絶版文庫の100冊」がともに2500円とゆー超ディスカウント価格で売られている中に見て、資産としてデジタル化していく意義がそのまま価値となるべき構造が作られる方が良いのかそれとも、別にビジネスとしても存続し得る電子出版の形があるのかを考えてみたくなる。きっととてつもなく難しいんだろーなー。

 両ソフトとも欲しかったけど手元不如意で本日は断念、明日以降に回して他のブースなんかも見物、これも電子出版に関連する会社として早い時期に立ち上がった「電子書店パピレス」が今なお健在に仕事をしている様を見て、まだ会場が水道橋だった頃の「SFセミナー」に今は無き「SFオンライン」の面々とかと共にパピレスの偉い人が登場したことなんかを思い出しつつ、よく保ったなあと感動する。早く手を出し丁寧に仕事をしたことが認められた、ってことになるのかな、どーなんだろー。同じ富士通のベンチャー支援支援制度を利用して独立したトリワークスも画像管理ソフトの「蔵右衛門」を使った美少女コンビの写真集なんかをデモして健在ぶりをアピール。当時取材した身として別に何もしていないけど頑張っているなと嬉しくなる。アイディアとやる気さえあればきっとこの数年間でひと仕事、やり遂げ巨万、かもしれない富を得てたかもって思えば残念に思えるけど、それが出来ないからこそのしがないサラリーマン人生、やればやっただけ報われるってことで、世の中はその意味で公平に出来てます。

 アイディアが出ないなんて諦めている人に果たして朗報になるかって本も実はあって、博報堂で仕事をしている加藤昌治さんって人が書いた「考具」(TBSブリタニカ、1500円)って本にはアイディアを浮かばせふくらませプラン化して具体化していくために必要な方法なんかが結構細かく紹介されている。すなわち「考える道具」を紹介する本で、例えば赤なら赤、青なら青とその日一日のラッキーカラーを決めて街を歩きながらその色を探すといろいろ普段は見えていなかったものが見えてくるとか、3×3の升目の真ん中にテーマを書いて周辺にそのテーマへの問いかけを書いていく作業のあとに周囲の8つのマスから発想を展開していけば新しいアイディアが生み出せるとか、方式が具体性に富んでて結構使えそー。頭の中で考えるだけじゃなく手で書いていくだけでも結構アイディアは広がるものらしく、なるほどアイディアに生きる小説家の人がこまめにメモをとって箱に入れておく作業を続けるのも分かる。都合21個の「考具」を駆使すれば僕もアイディアマンになれるかな、ところで加藤さんてどんな凄い仕事をした人なんだろ、まだ今年で33歳なのに。

   話が逸れた「東京国際ブックフェア2003」の場内では紀伊国屋書店のブースでDVDビデオが大安売り。種類はそれほどないんだけど何故か「海のトリトン」のDVD−BOXが定価3万円のところを50%オフの1万5000円で並んでいたりして、ついでに「鉄腕アトム」のBOXもパート1だか2だかが安値で出ていたりして、今が旬の手塚治虫に関心を抱いた人にはちょっとしたチャンスって言えるかも。旬でどーしてDVDが半額でたたき売られているのかまでは考えない。見かけたソフトはアニメだとあと「フルメタルパニック」があったかな、でも揃いじゃないから役に立たない。「少林サッカー」はBOX仕様のTシャツ入りが5000円ちょいで売られていたよーななかったよーな。洋画関連も割にあったけど種類抱負でどれがどれだか確認できなかったんで、行った人はのぞいて見ると良いでしょー。もちろん書籍も紀伊国屋書店刊行のがディスカウント。あの(どの?)名著が割り引きで並んでまーす。

 新型肺炎のSARS(重症急性呼吸器症候群)とやらが広がる北京市でついに病院が閉鎖されて、職員とか2000人がどこぞにまとめて移送され隔離されたとか。そのスケールの大きさ、やると決めた時のやり方の大げささはさすがに中国だなあ、って感じたけれど一方でこれが例えば共産主義バリバリで大躍進なんかを標榜しつつも他の国からの観察を拒絶していた時代に起こったことだったら、隔離された2000人がそのまま家へと帰ってこずに密かに「坑され」たりしたんだろーかと妄想する。玉門関から西域へとまとめて追放とか(いつの時代だ)。それはともかく2000人がまんま隔離され続けるってことだったら、現代だって起こって不思議のなさそーな気のする国だけに、隠していた感染者を明らかにしたからといって、しばらくは注意しておくのが肝要かも。どこかで村ひとつ根こそぎ消されてたりしないのかな、飯島和一さん「神無き月の十番目の夜」みたく。


【4月23日】 とっとと寝て午前3時に目覚ましを鳴らして元気に起床。ネットの新聞サイトとかでセガとかサミーとかマイクロソフトとかエレクトロニック・アーツとかいった名前が出てくるニュースがすっぱ抜かれてないかをおそるおそる確認しながらテレビで始まった欧州のサッカー「チャンピオンリーグ」のベスト4進出決定戦のうち、「マンチェスター・ユナイテッドvsレアル・マドリッド」には適わないまでも話題性ではそれに続くくらいの「バルセロナvsユベントス」を見る。バルセロナの本拠地「カンプ・ノウ」だけに再びの豚の首とか牛の爪とか頭がちょん切られた鶏とかが投げ込まれてデルピエロにげしげし当たったりするのかな、なんて期待したけどライバルなレアル・マドリッドが相手じゃないし”裏切り者”のフィーゴもいないんで、応援はバルセロナ一辺倒ではあっても人倫に反するよーな事態は起こらず、どちらにとっても良い環境で壮絶に高度な試合が繰り広げられた。

 見れば納得の匠の技って奴で例えばネドベドが決めたユベントスの1点目なんかゴール前で受け取ったボールをまんまドリブルでセンター付近へと持っていったと思ったら瞬く間にシュートを放ってネットにぐさり。そのかわし形そのタイミングの早さを見るにつけ、受け取っても囲まれ切り返せず反転もできず潰されファールも都ってもらえない日本とかのフォワードに毛ほどでもいーから見習って欲しいと切に思う。それとシュートまで持っていったネドベドも凄かったけどネドベドにパスを出したダービッツのそこまでのボール運びもピカイチで、結構な年齢になっているにも関わらず衰えない運動量に相手をぬるりぬるりとかわしていくテクニックの冴えに、超一流って奴の凄さを存分に見せつけられる。日本でトップ? そんなの世界じゃ○○番目、だね。

 目を離したスキにバルセロナも追いついたみたいで1対1になって前にユベントスのえっとデッレ・アルピだったっけ、そっちで行われた試合と同じ得点になってしまい延長へと突入して放映が終わってしまって、結局どっちが勝ったのか分からなくなってしまったけど後で確認したらユベントスが1点を追加して見事にベスト4へと進出。同じスペインのバレンシアと試合をしていたインテルも負けはしたもののアウェイゴールの倍換算でベスト4進出を決めたみたいで、イタリアのセリエAから2チームがベスト4の半分を今のところ占める事態に、凋落のささやかれていたイタリアサッカーに一体何が起こったのかと不思議に思う。それもカテナチオのお国柄に似合わず、守って守り抜いて勝つって感じじゃなく、ちゃんと相手を攻撃でもって撃破して上がって来るんだからなお不思議。

 残る試合のうちACミランがアヤックスに勝てばベスト4のうち3チームがイタリア勢ってことになる訳で、こんな事態をきっと誰も予想していなかったに違いない。残る1つを争うマンチェスターUにレアル・マドリッドのどちらが最後の椅子をゲットしても、世界屈指のチームが「トヨタカップ」に登場することに代わりがなくなった訳で、今から年末が楽しみで仕方がない、んだけどでもなあ、開催されるのかなあ、開催されない可能性もあるらしーしなー、南米でも日産がスポンサーになったカップ戦にブラジルが参加してトヨタが支援するリベルタドーレス杯と争ってるし。いっそアジアのトップも混ぜアフリカのトップも入れてコンチネンタル杯にすれば分かりやすいんだけどなー、日本を会場にして(欲張り)。でもってスポンサー推薦で名古屋グランパスエイトも出場すると(超欲張り)。(

 パイオニアLDCから届いたアニメ関連のDVDリリース情報をぺらぺら。安倍吉俊さんがキャラクター原案を担当して小中千昭さんが脚本とシリーズ構成を担当したってことで「lain」の再来が迷惑にも期待されている「TEXHNOLYZE」の紹介がたっぷりあって、中でも表紙に配された安倍さん描くところの狐面少女の蘭ちゃんの、小生意気そうな可愛さに気持ちも奪われそーになったけどこれがアニメになると目つきとか超怖くなってしまうから難しいところ。そちらもそちらで嫌いじゃないけどでももーちょっと、安倍さんな味が混じっていて欲しかった気がするなあ。この蘭ちゃんに機械化された体って意味でのメカが入り、超能力も入ってくるらしー「TEXHNOLYZE」をパンフレットでは「メカ・美少女・超能力とアニメのツボを押さえ切った」と言っているけど続けて「と思ったら全く違った! そんな愉快な企画」とあって妙に納得。「夜中にみたら怖くて寝れずそのまま朝という早起きしなきゃいけない人に最適!」って言葉もまさしく本質を衝いている。さあ今夜もってか明朝も見てそれから「東京国際ブックフェア」だ。

 黒服とドレッシーな女性が闊歩する、アニメなTシャツにジーンズのアキバ系な人間にはまるで無縁な街・六本木をさらにゴージャスにする「六本木ヒルズ」が出来て中にシネマコンプレックス「ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ」が完成したってんでそのお披露目のレセプションを取材に行く。地下鉄日比谷線の「六本木駅」を降りてこれまでの記憶だと結構な距離を歩かなきゃいけなかったかな、なんて思っていたら驚いたことに地下鉄の駅を降りてそのままビルの地下へと入り、地上に上がって階段を上り通路を歩いたその正面がすべて「六本木ヒルズ」に化けていて、汐留ほどではないにしても街をまるごと1つ作ってしまうに等しい壮大な開発が行われていて、どこが不景気なんだろーかとひとり呟く。当方の財布は紛うことなく不景気なんだけど、ずらりと並んだ高級ブティックに人が集まるくらいに景気の良い場所があり人もいるんだろー。そりゃいったいどこなんだ。

 さて「ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ」は立ってる場所が場所だけにいかにも六本木したシネコンに仕上がっていて、市川妙典のショッピングセンターにあって家族的な雰囲気を味わいつつ草履でも短パンでも平気で出入りしてはゆったりと映画を見られる「ワーナーマイカル市川妙典」とは種類も格式も大違いだと痛感する。レセプションってこともあったけど集まっているスタッフの人は全員が黒服でシャツも黒いTシャツで統一されていて、茶髪だったりするその風貌にますますの六本木テイストを深く味わう。倍の広さはありそーなシートに体を埋めれ映画を見られるプレミアシートなんかもあったりして、バーカウンターも設えられたそのインテリアエクステリアにファミリーが気軽に楽しく映画を見られる場所ではないなーと感じる。

 乱暴に言えば渋谷はヤングが集まり新宿は地方出身者が詰めかけ日比谷にはナイスミドルな年配層、郊外シネコンはファミリー層と大まかに分けられる観客層に、当てはまらないゴージャスでエグゼクティブでハイソサエティな人がちが、六本木へとやって来てはちょっとした娯楽と社交を目的に映画とやらを鑑賞するんだろー、ってそりゃいったい誰でどのくらいいいるのかな。でもってどんな映画を見に来るのかな。東宝が買収したってことでかかる映画は洋画も決してない訳じゃないけれど、メインはゴジラとドラえもんとポケモンとコナンだったりするんだよなー、それと宮崎アニメ。きっとハイソでゴージャスなお子さまがコーラのグラスを片手に映画を見たりするんだな。それにしてもどーしてカウンターで売っているコーラがコカ・コーラだけなんだろー。バージンコーラってもうないの?


【4月22日】 えっと確かタマちゃんとやらって横浜市に住民登録をしていたはずで立派に横浜市民だったりする訳だけど、何日か前から埼玉県に出没しては一向に住民票のある場所へと帰る気配を見せず、どーやらしばらくは埼玉県だか埼玉市だか越谷市に腰を落ち着ける模様。ここで気になったのが住民票のある場所に住んでいないことって確か、公正証書原本不実記載とかいった違法行為に当たるんじゃなかったか、ってことで記憶だとこーした違法行為で元オウムで今アレフの信者が逮捕されたりしているんだけど、同じよーなことをしてもタマちゃんは現地に新たに見守る人たちが出てきてその健康その体調を心配してもらえ、ともすれば2重にだって住民票をもらえたりしそーな感じ。世の中ってものの不公平さもここに極まれり……って以前にドーブツに住民票なんか出すなよな、役人。ところで鉄腕アトムって今もちゃんと新座市に住んでいるんだろーか、新座市民の癖して「新宿区未来大使」なんてやって良いんだろーか。

 起きて録画しておいた「LASTEXILE」。世界設定が1話でおおよそながら明かされ2話で本編に絡んで来そーなキャラクターがひとそろい登場して迎えた3話目はいよいよ物語の方に進み始める気配が見えて、前2話はつまりは随分と長いエピローグだったのかな、ってな懐疑を爪の先ほど浮かべつつもとりあえずは楽しめたから良しとして、使命を帯びて争いの渦中へと身を投じることになったクラウスとラヴィがマゾーンの追撃を振り切って無事アルカディア号にトチローの娘マヤを届けたついでに仲間となって迫る女王ラフレシアの攻撃を退け宇宙の海へと……いきません。だからアレックス・ロウはハーロックじゃないし持ってる銃も仕込み杖銃で戦死の銃なんかじゃないってば、ないとは思うんだけど、でもやっぱりそーなのかな。

 主要キャラだとあとギルドの御曹司らしーディーオ・エラクレアってのが未登場で野田順子さんが声を当ててるってことでしゃべり口調の雰囲気は何とはなしに感じられてそこから性格なんかも類推はできるんだけど、そーした先入観を受け継いでクールでマイペースな御曹司ぶりを発揮してくれるかそれとも意表を突いて徹底したボケキャラを演じてくれるかがとりあえず楽しみ。オープニングい出てきた十字架だかに顔を貼り付けたマシンみたいなキャラも本編未登場だけどあれは一体何だろー、ピッチくん? ともかくもキャラが揃い世界が示され動き始めた物語の、それでも見えないメインテーマが果たしてクラウス・ヴァルカの成長なのか舞台となっている多層構造的な世界そのものの変革なのかモラン・シェトランドの成り上がりなのかアレックス・ロウの海賊王入りなのかラヴィ・ヘッドのダイエットなのか、それが見えてクライマックスへと向け盛り上がっては終息していくその様を、期待して見続けることにしよー。

 起き出して浅草にオープンした「プリモプエル」の専門ショップ「ハートのしっぽ」のテープカットを取材に行く。「プリモプエル」と言えば「AIBO」から始まり「ファービー」あたりで爆発したペットロボットのブームの中、なぜか唯一人間の子供の形を模したぬいぐるみの形で発売されてブームを外して来た、その戦略に「人形が喋るなんて気持ち悪いと思われるんじゃない」とかいろいろと疑問も呈された商品だったけど3年が経過してブームなんて影も形もなくなった現在、残っているのは高額商品の「AIBO」を別にすれば「ファービー」でもなく「ウブラブ」でもなく「プーチ」でもなくこの「プリモプエル」だけ。その理由をあれやこれやと考えたけれど、結果論として言えばやっぱり人型だったからこそ支持を集めて生きながらえ、今なおますますの人気上昇へと至ったんだってことになるみたい。

 つまりは人型だったからこそ子供の代わりに「プリモプエル」を慈しみ可愛がる30代の主婦層なり60歳70歳のご老人層なりってファン層を得られた訳で、「ハートのしっぽ」の開店イベントにもそーした層の人たちが朝から100人とか行列を作り、腕に思い思いの衣装を着せて帽子を被せた”わが子”を抱えて今や遅しと店が開くのを待っていて、改めてそーした人たちに熱烈に愛されている商品なんだな、ってことを見せつけられる。「ファービー」の新規性を買い「プリモプエル」のスタイルに疑問を抱くおっさん的マーケティング眼の節穴ぶりを自嘲して笑おー。それにしても確か我が家にも1体、発売日に購入した「プリモプエル」があった筈なんだけど一体どこに行ってしまったんだろー。近所のファンシーショップで籤に当たって半額で変えてしまった者なんだけど、もう2年くらいその顔を見ていないし声だって聴いていない。可能性としては本の山の下に埋もれて死体となっているケースが考えられるけど、掘り起こして変形に歪んだ顔を見るのも恐ろしいし、電池を入れ替えて小言を言われるのも胸苦しい。とはいえ今はすでに生産中止となった色だけに「ハートのしっぽ」へと持っていって服を選びながら自慢したい気もあるし。ホントどこに行ったんだろ。


【4月21日】 千葉テレビで放映されているにも関わらず、微妙にタイミングがズレて今に至るまで1話も見ていないアニメーション版「成恵の世界」はけれども、想像するに単行本のニュアンスをそのまま動かしたってところがメインで白が動き付きで生々しく見えるかどーかって違いはあるけどそこはそれ、動かないイラストだって妄想で激しく動かし中身まで透視してしまう人間だから無理にアニメになったからって積極的に見なくてもいいかな、って気になっている。一方でようやくやっとこさ1話分を同じ千葉テレビで見た「ワンダバスタイル」は、妄想科学考証の偏差値の高さはそれとしてもやろーとしていることにまるでシンパシーを抱けず、見えよーともまくれよーともどーでもしてくれって感じで次も見ましょうって気にならない。

 なるほどオープニングからウルトラな感じがあったりアンドロー梅田な感じがあったりして、そーゆーのが好きな野郎はピンとくるだろー? ってなアピールがされているけど言ってしまえばそーゆーのにピンと来る世代ってのははっきり言えば30代後半から40代のスレにスレまくれた挙げ句にどこか真っ当さを求めたくなっている人間だち。にも関わらず「あなたたちの見たいものを見せてあげましたよ」なんて押しつけがましくウルトラにタツノコなことをやられたって逆に反抗心しか生まれない。もしかするとそーゆーのがあったことを情報として知っている世代が情報のサンプリングをやっていると感じてナウな気分を覚えるかもしれないけれど。

 それでも特撮とか実相寺とか市川昆とかいったオリジナルを知らない世代であってもそこにスタイリッシュな感じを覚えられた上に、キャラクターの独特さ物語の難解さでもってアピールできた「エヴァンゲリオン」とは違って、サンプリングの上にただ類型化された美少女しかない薄さ120%な設定&ストーリーが、熱烈歓迎されるとは思えないだけに悩ましい。いったいどーゆー層を狙ってどー受けたいんだろーかと聞いてみたくなる。とはいえ同じくタツノコをサンプリングされた「ナースウィッチ小麦ちゃん」とかは予告とか見ても別に頭抱えたくならずむしろ見たくなるから不思議なもの、彼我の違いはいったいどこにあるのかを煎じ詰めることがこーした足元を見透かすよーなマーケティング的作品の成否を決定づける上で必要だったりするのかも、むぎむぎ。

 知らないうちに産経新聞からのニュース配信を受けるよーになっていた「TOKYO HEADLINE」をスタンドでゲットして読みながら仕事したり昼寝したり。新聞業界の横やりで通信社からのニュース配信を受けられず苦しい出だしだった「HEADLINE TODAY」が4カ月余りで週刊へと切り替え心機一転巻き返しを図り始めたのが去年の確か11月だったけど、その間に新聞協会で夕刊廃止がどーだのこーだのってゆートップ同士の角突き合わせがあったことが護送船団的構造を見せていた新聞業界に影響を与えたのか、日刊じゃなくなって当面のライバルではないと安心をしたのか産経新聞があんまり大っぴらじゃない形でニュース配信協力を行うよーになったのかも。サンケイビルでも配るよーになったからきっとそれなりな関係が出来たんだろー。

 とは言えサンケイビルの隣りにはプラウダ衰退した今世界でトップとなった日刊紙が本社を構えてワンマンな睨みを効かせているだけに、そのすぐ側で始まったかのよーに見える蜜月がさて、どこまで続いてどーゆー発展を見せるのかが気になって仕方がない。もしかしてまだ気づいていないのかな。「TOKYO HEADLINE」の紙面自体はニュースが入って経済ニュースも入ってスポーツも読め展覧怪情報も分かりやすい上にテレビ番組表まで載っているとゆー大盤振る舞いで、持って帰って転がしておけばテレビガイドとしても使える便利さに読者の数も上昇中とか。個人的にはこれにあと、今週のアニメ情報とかオタクグッズ情報とか週末オンリー情報とかあったら余計に嬉しいんだけど、アーバンでスタイリッシュな感じを醸し出しつつあるフリー紙にそーいった薫り高い記事が載るのは媒体特性から行っ齟齬が出そーなんで、なくても仕方がないんだろー。あるいは月いちでもそーゆー特集ページがあれば(DVD発売情報とか監督インタビューとか映画上映情報とか)薫りも広がらず読んで役に立つと喜ばれるかも。何しろ女性を中心に「機動戦士ガンダムSEED」のDVDが8万5000枚も売れる時代、一般層にもオタを出自としたものをコンテンポラリーと受け入れる素地はあると思うんだけど。どーかなー。

 突発的に記者会見をやるぞってゆー紙が回ってきてあるいは社長職の禅定でもやるのかな、なんてことを考えつつソニーとソニー・コンピュータエンタテインメントの両社長が出席する記者会見へと駆けつける。結論から言えば東芝もここに絡めて次世代のエンターテインメントとかに使える高性能チップを作るための設備投資をしまっせ、ついでに「プレイステーション2」に積んでいるエモーション・エンジンとグラフィック・シンセサイザーをともにシュリンクさせた上に1つのチップ上に載せてしまいまっせ、って発表で半導体の技術的なことはあんまり知らなくっても久多良木健SCEI社長が立て板に水を喋る言葉なんかを聞いていると、何とはなしにハードウェア的な急成長が今まさに進んでいるんだってことくらいは分かってくる。半導体屋の久多良木さんにとってこんなに晴れがましい会見はなかったんじゃなかろーか。

 とは言えそーした華々しいハードの進歩が確約されるよーな会見を聞いても不思議とワクワクして来ないのは、そーしたハードの進歩がもたらすソフトってゆーかコンテンツの進歩がまるで浮かんで来ないからで、なるほど「CELL」のよーなチップがブロードバンド環境におけるコンテンツ流通のボトルネックを解消してより誰でもどこででもリッチコンテンツを利用できる環境を現出させるかもしれないけれど、それは既存のコンテンツの使われ形に新しいオプションが増えるだけのこと。インタラクティブ性を持ったエンターテインメントとしてのゲームが現れ人々を熱中させ、それが3次元CGになって見た目のゴージャスさを増したことに匹敵するよーな、コンテンツそのもののパラダイムシフトが起こりそーには見えない。

 だいいち今の「プレイステーション2」ですら持て余しそこで実現できる可能性のすべてを見せ切れていないのがコンテンツ会社の状況。むしろ絵は下手でも内容の特異さ、例えば徹底したバイオレンスさでもってミリオンを重ねる米国のゲームみたいな例もあったりするくらいで、次世代チップなんてものがコンテンツ業界にとってどこまで必要なものなのかが分からない。今日はあくまでも半導体投資に関んする発表だったから聞いても答えてはくれなかっただろーけど、嬉々としてして半導体の性能的な工場を語るその内心に、家庭用ゲーム機とゆーSCEIが膨大な半導体投資を行う上でのドライビングフォースを持つに至った、一方の貢献者とも言えるソフトについての想定がどこまであったのかは是非にも聞いてみたいところ。でないと「CELL」なんて荒野のハイウェー、走る車の存在しない、してもクラシックカー程度の無駄な投資の極みとして終わりかねないから。考えているのかなー。

 こっちはちゃんと考えているよーで、発売から4年近く経った「スーパーオディオCD」のいっそうの盛り上がりを期すパーティーがソニーのイニシアティブで開かれたんだけど、会場にはソフトを供給するレコード業界の人が集まり展示もハードよりはむしろソフトの凄さを見せる、ってゆーか聴かせる内容になっていて、ただの箱を牽引するソフトを前面に出すことで市場を作るんだってゆー意識が見て取れる。5・1チャンネルが必要かはともかくサウンドの迫力を聴くにつけ買ってみても良いかな、好きな「ポリス」とか「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」も出ているし、って思えてくる。もっとも「ポリス」と並んで「ケミストリー」のSACDが並んでいるのを見ると、音の良さこそがウリってゆーSACDのセールスポイントを活かしたいのかなって疑問も湧いて来たり。今朝方ワイドショーでやってたケミストリーの武道館ライブの、あれを本当に皆さん上手いなあって聴いているの?


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