こまった。
ネタがない。
このエッセイ、今回でちょうど二十回目です。今年の四月から、一回おやすみしたけれど、なんだかんだで節目となる回数っていうのは、うれしいものです。
昔から、飽きっぽいといわれてきたし、自分でもそう思ってます。いろんなことに、手と時間を費やして、でも結局ものにならずにつぎのことに手を出して。
でも、ネタがないんです。
いろいろなことに手を出したわりに、二十回のエッセイでネタがつきてしまうような、そんなんだったんですかね、いままでの生活って。まあ、いいんですけど。
もちろん、その中でも細々と続いていることはあって。それは、下手な文章をつづることと、下手な音楽を奏でることで。
このふたつ、ぼくにとってかなり共通しているところがあって、それは、徹底的に才能に見放されているんだけど、でもとっても楽しいっていうこと。
音楽って、たのしいよ。
前にも何回か書いているけど、ぼくはあるバンドに所属していて。そしてそのバンドの、中高生とのジョイントコンサートが、先日行われて。
ジョイントコンサートっていっても、みんなが顔を合わせるのは当日だけで、ゆっくりしゃべる時間はもちろん、挨拶するひまもろくになくて。どんな奴等なんだろう、っておもうんだけど。
でも、他のバンドの音を聞いて、自分たちも音を出して、最後にみんなでいっしょにおんなじ曲を演奏したりした日には、もうそんなこと、いいんだよね。
「互いにギター、鳴らすだけで、わかりあえてた、やつもいたね」
ほんと、そうなんだ。
だから、たのしいんだ。
自分たちだけで演奏してても、それは十分たのしいんだけど、今回のコンサートは、自分たちよりずっと年下の人たちと楽しみを分かち合えたということもあって、とってもうれしかった。
みんなと演奏する音楽の楽しみっていうのは、もちろん文章をつづる楽しみとはちがうもので、文章の楽しみの方は、機会があれば、紹介しようと思います。