おたくの巣窟


先週に続いて、アニメ映画をみた。

 ブームである、らしい。ヤマト、ガンダムに続くブームなのだそうだ。
 三週間のロードショウのあと、レイトショウになってしまう映画のどこがブームなのか、ということはさておいて、テレビで、雑誌で、多くの時間と紙面が、この作品を、というかこの作品が成し遂げたことを紹介している。
 曰く、300億円市場だ。曰く、宗教だ、古代キリスト教の復権だ。

そんなことはどうでもいいんだよ。

 たしかに謎が多くて、死海文書のキーワードがあちこちに張り付けてあって、登場人物は普通にくらべて「ちょっと」大人で、でも同人誌ネタには事欠かなくて。
 それからテレビ後半の、みていてつらくなるような作画レベルの低下や、公開一ヶ月前の「間に合いませんでした」宣言や。
 おたくの人から一般の人まで、「ちょっと一言」いいたくなる作品で。

でも、そんなことはどうでもいいんだよ。

 ちょうど時期が重なったからだろうけど、インターネット上で、これほど語られた映像作品は、きっとこれがはじめてだろうと思う。稚拙な作品解釈と、幼稚な制作者非難が、ネットニュース、関連ホームページに溢れかえった。
 最後の映画をみてから一週間ほど、ネット上で交わされるこの作品についての会話をはたから見てたけど。

ひどいね。

 いい映画だと思うよ。広げた大風呂敷を逃げずに真っ正面から畳もうとして、それはかなり成功してたし、なによりパワーがあって。
 でも、そんなことみんなみてないんだよね。あの謎とこの謎が残ってる、やっぱりふたつの映画にしたのは許せない、こんなのやだ。
 赤ん坊が駄々こねてるんじゃないってのに。
 ネット上には、最低限の審査もなく誰でもいいたいことがいえるから、モラルがなくなってもそれはしょうがないんだけど、でも、ちょっとレベル低すぎるよね。
 あの映画の持つ勢いとか、パワーとか、きっと感じられないんだよね。
 まあ、結局何万円も出してLD買って、コスプレとパロディのネタ探ししかできない人たちなんだろうね。

 リアルタイムの反応が創作意欲を高める、っていってたひとがいるけど、こんな反応しかないんだったら、いらないね。

インターネット上での、討論なんて。

 

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