“25年目のキス” ★★☆
NEVER BEEN KISSED
(1999年アメリカ映画)

監督:ラジャ・ゴズネル 
脚本:アビー・コーン&マーク・シルバースティン 
主演:ドリュー・バリモア、ディヴィッド・アークェット

 

主人公は、未だキスをしたこともないという25歳の女性、ジョジー・ゲラー。彼女は、勤め先であるシカゴ・サン・タイムズ新聞社の会議上、突然に高校への潜入取材を命じられます。
初の取材仕事に大喜びするものの、彼女は、高校時代に友達がいなかった、憧れていた男の子に屈辱的な目に遭わされたというトラウマを抱えています。したがって、今回の高校への潜入は、彼女にとって高校生活への再挑戦に他なりません。さて、果たして2度目はうまくいくのかどうか。
ストーリィとしては、ありふれたユーモラスな作品だと思うのですが、最後の“5分間”の場面がとても印象的。ダスティン・ホフマンの「卒業」を思い出しました。印象度は「卒業」程でないにしろ、その気持ちの良さが、本作品の魅力です。こうした見せ所を今でも作り出すアイデア力のあるところが、さすがにアメリカ映画です。
この最後の場面、とにかく彼女の表情が良いのです! これだけでも見応え充分。ジーンとしてきて、何度見返しても飽きることがありません。バック音楽も素敵!
この場面のために全てのストーリィがある、と言ってよい作品です。
なお、この映画で興味深いところは、
シェイクスピア「お気に召すまま」が効果的に使われている点。彼女が潜入した高校の授業場面で、「お気に召すまま」が取り上げられているのです。この「お気に召すまま」は、シェイクスピア喜劇の中でも最も恋愛ゲームの要素が高い作品であり、どうもこの“25年目のキス”のストーリィとは、対になっているようです。ジョジーとしては、なかなかロザリンドのようにうまい具合にはいかないわけです。

2000.01.29

 


   

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