“ムトゥ 踊るマハラジャ” ★★
(1995年インド映画)

主演:ラジニカーント、ミーナ

 

インドの娯楽大作映画として、以前話題になった作品です。ビデオレンタルができたからこそ、漸く観た、という作品です。
約3時間と長い映画の割に、ストーリィ自体はあまり大したものではないという評判だったようですが、概ねその通りかな、と思います。
とにかく、大勢で踊るシーンが多い。でも、私としては好きなんです、こういうの。MGMミュージカルの最初も、こうした大勢でのダンスシーンが多かったです。でも、それはスタジオ内でしたから、本作品のように屋外のダンスとなると、趣も変わります。開放的という代わりに粗さもちょっとあるかな。
全体の構成としては、
ボーマルシェ「フィガロの結婚的なストーリィに、ブルース・リーあるいはジャッキー・チェン、怪傑ゾロのような活劇を加えて、更にダンス・シーンをやたらめった加えた、という印象です。
やはりインドだなあと思い、興味深かった点が2つあります。主人公ムトゥが、他州に入り込んだら、言葉が通じないということ。本作品はタミル語で作られているようです。もうひとつは、聖者の登場。何も持たず木の下で生活する人物が聖者として崇めたてられていること。ちょうど、インド人作家
キラン・デサイ「グアヴァ園は大騒ぎ」を読み終えたばかりなのですが、樹の上にのぼった若者が聖者と崇めたれられるというストーリィです。インドではごく普通のことなのか、と感じた次第。
ストーリィは、大地主の召使ムトゥと女優ランガを中心とするラブ・コメディ・活劇で、同じくランガにほれ込んだ若主人や欲深な若主人の伯父のおかげで騒動が展開されるというものです。


ボーマルシェ「フィガロの結婚」、キラン・デサイ「グアヴァ園は大騒ぎ」は、
“信兵衛の読書手帖”→“読書のおと(2)”に感想をアップしていますので、よかったらご覧ください。

2000.01.22

 


  

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