“先生、私の隣に座っていただけませんか? ★★☆
(2021年日本映画)

監督:堀江貴大
脚本:堀江貴大
出演:黒木華、柄本佑、金子大地、奈緒、風吹ジュン

  

ANIMAを撃て!」の堀江貴大監督が“TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018”で準グランプリを獲得した企画を映画化したサスペンス・コメディ、との由。

主人公は漫画家の早川俊夫。といっても5年近く新作を描けておらず、今は同じ漫画家である妻=佐和子のアシスタントを務めている。
実はその俊夫、佐和子の担当編集者である桜田千佳と不倫関係。

ちょうど連載が終了した時、田舎で一人暮らしをしている佐和子の母が脚を怪我したとのことで、2人はしばらく母親の家に同居することになります。
その家で佐和子は新作のネーム作りを始めるのですが、ふとそれを見てしまった俊夫、震えあがります。
何とこれまでの漫画から一転してテーマは“不倫”、そのうえ登場人物はまるで俊夫と千佳? と事実そのもの・・・。
一方、佐和子は自動車教習所に通い始め、その教官と親しくなっていく様子がネームの中にそのまま描かれていきます。

不倫を隠そうとする俊夫に対し、佐和子はそれに気づいているのか、それとも単にストーリィ作りというだけなのか。俊夫は疑心暗鬼にかられる一方。
新作ネームを挟んで、俊夫と佐和子の間に、心理サスペンスといった緊張感が膨らんでいきます。そしてついに・・・。

佐和子を演じる黒木華さんが素晴らしい。純真そうにみえて、実は策士なのか。何を考えているのか誰にも悟らせない、という表情が圧巻。

最後、展開は目まぐるしく一転二転し、でもそれが事実なのか、ネーム中のことなのか、観る側は完全に翻弄されてしまい・・・。
さて結果は? 流石に母親だけは、佐和子の本心に気づいていたようです。

黒木華さんを堪能できる作品。ファンならきっと楽しい限り、の筈です。

2021.09.10

              


  

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