“ANIMAを撃て!” ★★
(2018年日本映画)

監督:堀江貴大
脚本:堀江貴大
出演:服部彩加、小柳友、黒澤はるか、藤堂海、中村映里子、大鶴義丹

  

当初まるで気に留めていなかったのですが、ふと「ANIMA」という言葉に引かれて内容を見たところ、地元“SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017”のオープニング作品であり、ストーリィの舞台も地元。さらに舞台挨拶も予定されていると知って、急遽観に行きました。

留学支援のための選考審査に挑戦中である、将来を有望視されているバレエダンサーの呉田果穂が主人公。
審査委員の前で踊る果穂の表情は、どこか冴えない。
その理由は、枠に嵌められた観のあるバレエに飽き足らず、自由に踊れるコンテンポラリーダンスを、振り付けも自分で創作して踊りたいという願望を持っている所為。
その果穂は偶然、元ドラマーという経歴を持つホール職員の伊藤が、倉庫でドラムを叩いている音を聞き、自然と身体が動き始めます。
題名にある“ANIMA”とはラテン語で「魂・生命」という意味とのこと。ドラムの音で私の持つダンスの感性を叩いて欲しい、というのが題名の意味だそうです。
最終選考の自由演目に一緒に出場しようという果穂の言葉に、最初こそ尻込みした伊藤でしたが出場を決意。2人で練習を重ねるようになるのですが・・・・。

登場人物も少なく、上映時間も77分と短い、小ぶりな映画でしたが、気持ちの好い作品でした。
何より、楽しいという気持ちを大切にしようということ、また人と人との繋がりを大事にしようというメッセージが率直に伝わってきて嬉しい。

ダンスにしろ小説にしろ、芸術・文学というものを忌避、否定するつもりは全くありませんが、その前にまず<楽しさ>があって良いと思うんですよね。
好きになれるのは、そこに楽しさがあるからこそと思いますから。

主演の服部彩加さん、クラシックバレエ、新体操、様々なジャンルのダンスを経験し、現在は日本ダンススポーツ連盟準強化選手だそうですが、演技はこれが初めてとのこと。かえってそれが素朴な雰囲気を感じさせてくれるのか、好感大。
なお、堀江監督もまた、商業映画の監督は今回がデビュ―だそうです。

※なお、上映後、監督と主演2人の3人揃っての舞台挨拶、舞台裏の話もちょっと聞けて楽しかったです。

2018.04.07

          


  

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