“虹の女神 Rainbow Song  ★★☆
(2006年日本映画)

監督:熊澤尚人
脚本:桜井亜美、斉藤美如、網野酸
出演:市原隼人、上野樹里、蒼井優、酒井若菜、鈴木亜美、相田翔子

 

大学以来の親友である佐藤あおい、今はアメリカにいるそのあおいが飛行機事故で死んだことを岸田智也は知る。
そしてそれから、智也が好きな相手をストーカーしていたのがきっかけで知り合い、あおいが監督する映画に主演させられたことから始まるあおいとの付き合い一切が回想のようにして描かれていきます。

ストーリィのテーマは、近くにいたのに判らなかったこと、ということになるのでしょうけれど、私としては、男と女の間に友情は成立するのか、その問題に通じるストーリィだと思う。その答えは判らないものの、簡単に成立すると思う男はアホだし、そんな相手を好きになった女の子の方は切ない。一言で言えば本映画はそんなストーリィです。
岸田智也という主人公は鈍感過ぎるにしろ、幾らなんでもアホ過ぎ、ドジ過ぎで非現実的に過ぎるのですが、そんなことはどうでもいいくらい、上野樹里演じるあおいが好い。
率直で飾らず、物言いのイントネーションがユニークで、そっと切ない想いを胸に潜めている女の子。そのあおいがついに感情を爆発させて岸田をバッグで殴り続ける場面が圧巻。そして、会社の屋上で失恋したことを岸田に告げる場面も切なく忘れ難い。
主演の上野樹里、まだ20歳なんですよね。見事だナァ・・・。

なお、恋が成就するのが一番かもしれないけれど、花の盛りに死んだ恋人は、一生彼にとって女神であり続けるのかもしれない。経験がないから判りませんが。

※本作のDVD、視覚障害者および聴覚障害者向けのメニューが設けられていました。そのことにも好感を覚えました。

2007.05.20

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