“マザーウォーター” ★★
(2010年日本映画)

監督:松本佳奈
脚本:白木朋子、たかのいちこ
出演:小林聡美、小泉今日子、市川実日子、もたいまさこ、加瀬亮、光石研

   

京都内の静かな住宅地を舞台に、自然体で暮らす3人の女性たちがお互いに知り合う様子を穏やかに描いた、とくにこれといったドラマもないストーリィ。

不思議ですよね。特に何か事件が起きるわけでもなく、川に水が流れるような自然で静かな日々をただ描いていくだけなのですから。
ごく普通の一軒家のようで、ウィスキーしか出さないカウンターバーを営んでいるセツコ役が小林聡美。同じく一軒家のようで、コーヒーしか出さない喫茶店を営んでいるのタカコ役が小泉今日子。共に流行っている様子もなく、自然体で店をやっているという風。
その2人より若い女性で、豆腐屋を営んでいるハツミ役が市川実日子。
その3人をまるで引き合わせるかのように、飄々と街の中を歩き回っているマコト役がもたいまさこ、という顔ぶれ。
飄々としているセツコ、タカコ、マコトに比べ、若い青年2人は思い悩むこと多し、という風。
あれこれ考えたりせず、ただ単純に気持ちのままに動けば良い、というのが本作品の伝えるメッセージのようです。

小林聡美、小泉今日子というベテラン女優2人の存在感と、もたいまさこの味のある存在感だけでもたせた作品という印象です。それでも本作品、心地好さがあります。
もたいまさこの他にもう一人、皆を結びつける存在が、まだ1歳半の幼児ポプラ。皆が代わる代わるポプラの世話を焼く様子は、良き町社会のオマージュではないかと思います。

なお、小泉今日子さんについて。良い女優さんになったなぁと思います。アイドル時代の“きょんきょん”からはとても予想できませんでした。

※「めがね」と比べてみたら、出演者、何と殆ど同じ顔ぶれでした。

2010.11.07

          


  

 to 映画note Top     to 最近の映画 Index