“明日の記憶” ★☆
(2005年日本映画)

監督:堤 幸彦
原作:荻原 浩
脚本:砂本 量
出演:渡辺謙、樋口可南子、坂口憲二、吹石一恵、水川あさみ

 

“若年性アルツハイマー”を発病した中年サラリーマンの過酷な日々を描いた話題作の映画化。

ストーリィはほぼ原作をそのまま追っていますが、印象はかなり異なります。
原作では主人公のドラマであり、その過酷さに読んでいる私自身も震えおののいた記憶がありますが、映画は夫とそれを支える妻の夫婦の物語という観が強いです。
それは妻の枝実子を演じる樋口可南子さんの存在感が映画においては強く、彼女を起用したからには当然のごとく生かさざるを得ないからでしょう。
実際に、渡辺謙、樋口可南子の2人とも、かなりの熱演です。

それでも、私自身にも起きるかもしれない物語として衝撃を受けながら読んだ原作に比べると、夫婦の感動ドラマとして第三者的にしか感じられなかった映画についてはやや物足りなさを感じます。主人公のあの恐慌ぶりは、映画での外観からだけではとても想像つくものではありません。
そうしたこともあって、熱演ぶりばかりが強く印象に残った映画でした。

2006.11.20

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※原作 → 「明日の記憶

    


  

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