“7月24日通りのクリスマス 
(2006年日本映画)

監督:村上正典
原作:吉田修一
脚本:金子ありさ
出演:大沢たかお、中谷美紀、佐藤隆太、上野樹里、阿部力、劇団ひとり

 

吉田修一「7月24日通り」が原作であることは間違いなく、ほぼその通りのストーリィではありますが、肝心なところで別物と言うほかありません。

ストーリィは、自分の住み暮らす長崎の町をポルトガルのリスボンの街に置き換え、毎日が楽しい日々であるように空想して過ごしている冴えない女性、サユリの恋物語です。

原作の良さは主人公の恋物語にあるのではなく、間違ったことでもあえて足を踏み出してみようとする、主人公のその気持ちの変化にありました。そして、弟の婚約者であり、自分とよく似ている女の子・めぐみの存在、彼女とのやりとりが秀逸な作品でした。
それに対して本作品は結局のところクリスマスをキーにしたラヴ・ロマンスに終わってしまっていて、いかに中谷美紀の熱演はあるといっても、その点が物足りない。
また、めぐみを折角上野樹里が演じたというのに、原作ほどの重みはなく、出番も少なく、これまた物足りない。

本映画は、原作とはまったく別のラブ・ロマンスとして観るべきでしょう。

2007.05.24

    
→ 原作:「
7月24日通り

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