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1.「日中韓」外交戦争 2.安倍官邸vs.習近平 |
1. | |
「「日中韓」外交戦争−日本が直面する「いまそこにある危機−」 ★★ |
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2016年06月
2014/07/14
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2013年09月から翌年02月までの間、読売新聞に断続的に掲載された政治面連載“政治の現場”シリーズから大幅に加筆修正を施しての単行本化、とのこと。 大国として自信をつけなりふり構わず強硬路線を突き進む中国、何故なのか?と疑問を抱かざるを得ないほど一方的に日本への敵対感情を煽り続けている韓国、そして重要な同盟国である米国との間に生じている軋み、という現在の日本を取り巻く「日本の危機」としか言いようのない状況がよく判る一冊です。 それにしても、本書を読んでもなお首を傾げずにいられないのは韓国の状況。いったい国として何を、国際関係に置いてどんな方向を目指しているのか、皆目判らない。一部の過激な声に国全体が引っ張られてしまっているような印象を受けます。 そんなことも含めて、現在の日本が置かれている状況を理解するには格好の一冊。 |
2. | |
「安倍官邸vs.習近平−激化する日中外交戦争−」 ★★ |
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新聞記事というのはその場限りのものが多く、全体像や記事になった事柄にどんな意味があるのかといったことは中々判り難いもの。 そうした意味で、一連の流れをまとめた本を読むと、初めて一片一片の記事の意味が判ってくるということがあるので有り難い。本書はそんな一冊です。 南シナ海に対する中国の武力による強引な領土拡張姿勢は勿論許し難いものですし、何かと日本に対して攻撃的になりがちな韓国の姿勢にも課題があるのは事実。 といって日本側に何の問題もなかったとは言えず、安倍首相の「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない」、「河野・村山談話をそのまま継承するわけではない」といった発言や靖国神社参拝が両国を挑発した面があるのも事実ですから、安倍首相の言動が日本の足を引っ張っているとも言え、困ったものです。 そもそも外交とは、エゴとエゴのぶつかり合いですし、ちょっとでも気を許せば相手がエゴを通すということにもなりかねないのですから、外交とは難しい。 リアルに“外交戦略”or“国家戦略”とは? と感じさせられる一冊です。 ※だからといって、時の内閣による一方的な解釈の変更によって憲法の定めを実質改定するようなやり方が認められる訳ではない、と思っています。念のため。 プロローグ/1.衆院選にらみ、笑顔なき首脳会談/2.中国を取り囲む日米豪ASEANの連鎖/3.日米TPPと中国AIIBの仁義なき経済戦争/4.70年談話で謝罪外交に終止符/5.「新冷戦」下の中露接近に楔/6.中国傾斜を続ける韓国との不協和音/7.中国の影なき日朝交渉の迷走/あとがき |