山崎光夫著作のページ


1947年福井県福井市生、早稲田大学卒。雑誌記者等を経て作家活動入り。98年「藪のなかの家−芥川自死の謎を解く」にて新田次郎文学賞を受賞。医学関係に造詣が深く、現代社会を医療の立場から解読した作品多。他書に「東京検死官」(新潮社)あり。

 


 

●「逆転検死官」● ★☆




2003年2月
新潮社刊
(1400円+税)

 

2003/04/05

警視庁勤務時代、3千という空前絶後の変死体の検死に立会い、“検死の神様”といわれた芹沢常行・元東京検死官から取材したノンフィクション。
芹沢さんについては、その現役時代に扱った事件を描いた「東京検死官」(山崎光夫著・新潮社刊)が既にあるそうです。
本書は、その芹沢さんが扱った難事件の検死を、著者である山崎さんが解き明かすべく挑戦する、という趣向です。

ミステリ小説を読むと、検死ミス、検死における誤解釈を探偵が正し、真相を明らかするというのが常のこと。しかし、本書を読むと、検死の深さ、難しさが良く判ります。
検死によって他殺、自殺、殺害方法が明確になる、捜査方針が逆転することもある、といって過言ではありません。
事実は小説より奇なり、本書もそんな一冊。
ただ、こうした検死経緯を面白く読むか、私のようにフ〜ムといって読むかは、読む人の好み次第でしょう。

トリックの誘惑/迷宮からの便り/赤い死体/冷たい狂気/事件ウイルス

 


  

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