徳渕真利子著作のページ


1984年生。父の仕事の関係で子供の頃から転校を繰返し、新幹線が好きになる。専門学校卒業後名門ホテルに就職するが、その実態に失望して退職。情報誌で「新幹線パーサー」の仕事をみつけ、アルバイトパーサーとして東海道新幹線車内でワゴン販売の仕事に就く。05年12月正社員に登用。その年の職場(全社員パーサー 300人)の売上げ No.1に輝き、朝日新聞「天声人語」で紹介される。

 


   

●「新幹線ガール」● ★★



 
2007年03月
メディアファクトリー刊
(952円+税)

 

2007/07/03

 

amazon.co.jp

東海道新幹線車内でワゴン販売を担当するのが“パーサー”。
その一人で、バイトから正社員になったばかりだというのに売上 No.1の成績を達成したのが、23歳と若い徳渕真利子さん。
本書はその徳渕さんによる“パーサー”の仕事紹介記。

書店で見かけて親密感を覚えました。何しろ1年余り毎週のように東京―大阪間を行ったり来たり。黙々と乗り続けているその2時間半という間、ワゴン販売でコーヒーを飲むことがどれだけ慰めになったことか。そんな感謝の思いがあるからです。
それまでは、車内販売というと高い、鉄道会社にうまく儲けられているという意識が強かったのですが、おかげですっかり考え方は変わりました。
もっともJR側でも、売らんかなという姿勢から物品販売を超えたサービスの提供という姿勢への変化もあったのでしょう。そうでなければ“パーサー”という呼称の意味はない筈。

売上 No.1を達成したパーサーの体験記だからといって、何も本書は成功物語ではありません。新幹線パーサーという仕事に興味をもち、その苦労を越えて接客という仕事の喜びを伝えている手記です。
「パーサーの仕事をもっと知ってほしい」「この仕事をやってみたいと思ってくれる仲間が増えてくれれば」という徳渕さんの思いが素直に伝わってくるからでしょう。ですから、本書を読んでいると徳渕さんの笑顔に満ちたサービスを受けているようで、とても気持ち良い。
ただ残念なことは、徳渕さんがパーサーになったのは、私の大阪出張がなくなってからのこと。う〜ん、残念。
毎週同じ曜日・同じ時間の新幹線に乗っても、同じパーサーに出会うということはまずありませんでした。徳渕さんの言うとおりまさに一期一会。そう思うと、次に新幹線に乗る時のパーサーの人たちとの出会いが楽しみに思えます。

東京〜新大阪のお仕事/「パーサーになる!」/驚きの"パーサー心得"/ワゴンの裏側で/大好き!新幹線/フリーターから/売上げナンバーワン!

 


     

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