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1981年東京都生、東京大学大学院総合文化研究科超越文化科学専攻比較文学比較文化コース修士課程修了。2006年「愛し、日々」にてシンガーソングライターとしてデビュー。音楽活動の傍ら、ノンフィクションやエッセイを執筆。 |
「あのころのパラオをさがして−日本統治下の南洋を生きた人々−」 ★★ |
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南太平洋の諸島、パラオ。太平洋戦争当時に日本軍が占領し、一部の地では激戦(ペリリュー島)も行われたことは漠然と知っていましたが、余りよくは知らないというのが正直なところ。 著者の寺尾さんとしては、サイパンを題材にした2015年刊行の「南洋と私」に続き、同じ南洋群島であるパラオを実際に訪ねて、現地の老人たち等々に日本統治時代のパラオについて取材したルポ、という一冊。 総じて、日本に対して好意を抱いている人が多いようです。しかし、その一方で日本移民、沖縄人・朝鮮人・現地民との差別、戦況悪化の折には現地民が作った農産物を取り上げる、パラオ人虐殺計画なるものも立案されていた、という事実は歴然としてあったようです。 いつか、南洋のリゾート地としてではなく、かつて日本が統治した時代の面影を残すパラオを訪ねてみたいという気持ちになりました。 |