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●「市川猿之助
傾き(かぶき)一代」● ★★ |
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2010/04/11
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宙乗りや早替わり等の“ケレン(外連)”歌舞伎の復活、さらには“スーパー歌舞伎”の創造等により、古典的芸能といった観ある歌舞伎とは一線を画した活躍で一世を風靡した、三代目市川猿之助の、スーパー歌舞伎〜オペラ演出へと挑戦し続けた経緯を詳細に語った一冊。 本書を読むと、批判も受ける一方で注目も集め続けた市川猿之助という歌舞伎役者のことが、よく判ります。(今更ながらという気もしますが) 新しいものへの挑戦というと聞こえが良いですが、誰でもそう唱えながら大抵は中途半端に終わってしまうその原因は、基本的に楽をしたいという気持ちがどこかに混ざるから。 本書は、市川猿之助が演じ、演出してきた舞台の裏側を詳細に語るに留まらず、仕事に対する取り組み姿勢というものを深く考えさせられる一冊。その点でも読む意味あり。 序幕/スーパー歌舞伎への挑戦/オペラへの挑戦/伝統への挑戦/大詰(あとがき) |