三國清三(みくにきよみ)著作のページ


1954年北海道増毛町生。札幌グランドホテル、帝国ホテルで修業後、駐スイス日本大使館料理長。大使館勤務の傍らフレディ・ジラルデ氏に師事。その後トロワグロ、オーベルジュ・ドゥ・リィル、ロアジス、アラン・シャペル等の三ツ星レストランにて修業を重ね、83年帰国。ビストロ・サカナザのシェフを経て85年東京・四谷に「オテル・ドゥ・ミクニ」をオープン。2003年フランス共和国農事功労賞シュヴァリエを受勲。他の著書に「皿の上に、僕がある」「ぼくの美味求新」等あり。

HOTEL DE MIKUNIhttp://www.oui-mikuni.co.jp


 

●「料理の哲学」● ★★

 


2003年12月
青春出版社刊

(1600円+税)

 

2004/02/08

読んでいる間中、とても楽しい時間を過ごせた一冊。
副題は「五人の神様から学んだ三ツ星のエスプリ」という。

本書は、仏料理店の代表的オーナー・シェフである三國さんが、現在に至るまでの道筋、その過程で5人の三ツ星シェフに学んだこと、料理に対する思い等を順々と語った一冊です。
「五人の神様」とは、フレディ・ジラルデ、トロワグロ兄弟、ポール・エーベルラン、ジャン・ドラベーヌ、アラン・シャペルという、言わずと知れた有名シェフ。
一口に名シェフと言っても、各人実に個性的。第三者的な観察ではなく、一緒に働いた三國さんの言葉だけに、各シェフの姿がありありと浮かんできて、実に楽しい。
その他、(実はここに書くのもおこがましいのですが、独身時代あちこちの仏料理店を一人で食べ歩いていたことがあり、その経験に照らして、)三國さんの語る料理・サービスへの思いに納得できるところが大いにあります。その点も楽しく読めた理由のひとつ。
フランス料理が好きな人なら、たっぷり楽しめる一冊であることに間違いありません。

プロローグ・五人の神様から学んだ料理の真髄
/料理とは自然の恵みを理解すること/料理人「三國清三」ができるまで/そして「奇跡の一皿」は生まれる/すべてに「もてなす心」を込めて/料理人としての人生哲学/エピローグ・料理の世界に感謝して

オテル・ドゥ・ミクニのオープンと、食べ歩きをしなくなった時期が同じ頃だった為、未だに三國さんの料理は食べたことがありません。しかし、16年前に読んだ山本益博「フランス美食街道」という本の中に、当時「ジラルデ」にいた三國さんが少し顔を出しており、三國さんにはそれ以来ずっと関心をもっていました。

    


  

to Top Page     to エッセィ等 Index