井上孝夫作のページ


1954年神奈川県生、東京大学文学部言語学科卒。新潮社校閲部・部長。漫画・イラストにおいて「にいがたマンガ大賞」第2回ストーリーマンガの部、第5回コママンガの部で各々最優秀作品賞、2002年読売新聞北陸支社「高橋尚子似顔絵展」最優秀賞、「沢の鶴4コマ漫画大賞」第4回大賞を受賞

 


 

「その日本語、ヨロシイですか? ★★


その日本語、ヨロシイですか?画像

2014年01月
新潮社刊

(1200円+税)

   

2014/02/16

  

amazon.co.jp

新潮社・校閲部の部長が校閲という仕事の内容、日本語の苦労を紹介した一冊。

作家〜担当編集者〜出版というルートはすぐ思い浮かべても、地味な校閲という仕事は中々頭に浮かばないのですが、実際に印刷した本を手にしている者としては大変にお世話になっている部署です。
私などは本を読んでいると、本に書かれている文章、漢字、言い回し等が正しいものであるとして、参考にしていることも多いですから。 

本書では、本多幸太、文(あや)悦子という校閲部に配属された新人2人に仕事内容を教えていくという設定で進行、漫画も交えながらの説明ですから、リアルにして判り易いです。
それにしても本書で感じたのは、書き言葉の日本語における漢字の難しさ。旧字・新字だけでなくいろいろな字体の漢字があるということのうえに、時代の変化等々あり、と。
以前だったら漢字相違、今は漢字の変換相違。会社でも文章を書くときには、前後の文章がきちんと意味を通じているか、変換相違がないかと気を付けていますが、今一層気を付けねば、という気持ちになります。

校閲の仕事、思っていた以上に苦労の多いことが判り、とても為になりました。
「吾輩は猫である」からのによるクイズ出題等々もあり、読んでの面白さも勿論ありますよ。

プロローグ/1.校閲よ、こんにちは/2.調べ方の調べ方/3.ルビ(ふりがな)は難しい/4.嗚呼!漢字/5.仮名づかひ今昔/6.グローバル時代の翻訳/7.その日本語、間違ってます?!/8.その日本語、ヨロシイ?!/9.死語の世界/10.出版と日本語と校閲と
※「吾輩は猫である」クイズ/「浦島太郎」旧仮名変換問題/4コマ成語・ことわざクイズ/漢字クイズ/イラスト・校閲の仕事/4コマ名詩クイズ/死語?クイズ/校閲の実例

     


 

to Top Page      to エッセィ等 Index