晴野まゆみ著作のページ


1957年東京都生、西南学院大学文学部外国語学科英語専攻卒。勤務先解雇後、フリーライター。

 


   

「さらば、原告A子−福岡セクシュアル・ハラスメント裁判手記−」 ★★




2001年08月
海鳥社
(1600円+税)



2026/10/28



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綾瀬はるかさん等が出演した映画「ファーストボイス−私たちの逆転裁判−」の原型となった、1989年に提訴された日本初のセクハラ裁判、その原告の手記。
題名の意味は、裁判において「A子」という匿名で争った被害者が、支援の会等からの束縛から解き放たれ、自分の名で、自分の思いを語る、ということ。

加害者が被害者について言い放った言葉の数々、本当に酷い。映画よりずっと下劣極まりなし、というもの。セクハラ被害の内容は映画を観て分かっていてもなお、怒りが込み上げてきます。
加害者、即ち上司であった編集長は、何故こんな振る舞いをしたのか、そんな下劣な人間だったからなのか。

女はだまって男に従うもの、女が男より能力で優ること、女が男を批判することなどあってはならない、と思い込んでいたのでしょうか。
それは負け犬の卑怯な振る舞い、としか思えませんが。
なお、女は男に慕うもの、優ってはならない、上位に立ってはならないという考え方は、男女差別を恥じることなく明確にしようとした先般の皇室典範改正内容に、そのまま通じているものだと思います。
模範はまず上位から行うべきもの、そうであれば皇室典範における男女差別撤廃が、当然行われるべきものです。

全面勝訴から30年余の時間が経ちますが、今なお女性は男性に黙って従うべきと考えている人は、まだ多いのでしょう。
セクハラという言葉が使われる機会が増えているように思いますが、それはセクハラがちっとも無くなっていないという事実の裏返しでしょう。
社会全体の課題であることを、忘れてはいけないと思います。

序章/1.性的中傷の日々/2.解雇通告/3.私は男社会に石を投げる/4.法廷での対決/5.何かが毀れていく/6.さらば、原告A子/終章.これからも私は生きていく/あとがき

         


     

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