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「覚醒するシスターフッド」 ★☆ | |
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国内外作家10人による短編集。 話題となり発売即増刷となった「文藝」2020年秋季号での特集、そこで掲載された小説作品をまとめての単行本化、とのこと。 テーマは、女性たちの連帯、自由、のようです。 それなりに期待して読んだのですが、う〜ん、今一つ乗れず。 で、結局2篇は読み残してしまいました。 女子グループでの連帯、そのままのストーリィと言えるのは、サラ・カリー「リッキーたち」と柚木麻子「パティオ8」。 柚木さんについては元々女子グループの姿を描くところからスタートした作家さんですから、まさに面目躍如、本テーマにぴったり嵌り過ぎ、と言ってよいくらい。 ヘレン・オイェイェミ「ケンブリッジ大学地味子団」は、設定こそ男子団と女子団の対決とそれらしいのですが、ストーリィとしては個人的な恋愛における勝負ごと、です。 藤野可織「先輩狩り」は、藤野さんらしいファンタジー的かつ危うさの漂う近未来を描いた篇。 マーガレット・アトウッド「老いぼれを燃やせ」については「侍女の物語」の印象が未だに残っていた所為か、どんな篇だろうと特に興味があったのですが、やはり近未来、恐ろしさを感じさせられます。 こだま「桃子さんのいる夏」は楽しめるストーリィ。一方、桐野夏生「断崖式」について連帯と口にするのは・・・・。 サラ・カリー「リッキーたち」(岸本佐知子訳) 柚木麻子 「パティオ8」 ヘレン・オイェイェミ「ケンブリッジ大学地味子団」(上田麻由子訳) 藤野可織 「先輩狩り」 文珍 「星空と海を隔てて」(濱田麻矢訳) 大前粟生 「なあ、ブラザー」 こだま 「桃子さんのいる夏」 キム・ソンジュン「未来は長く続く」(斎藤真理子訳) 桐野夏生 「断崖式」 マーガレット・アトウッド「老いぼれを燃やせ」(鴻巣友季子訳) |