日明 恩
作品のページ No.2



11.ヒマかっ! Get a Life!

【作家歴】、それでも警官は微笑う、鎮火報、そして警官は奔る、埋み火、ギフト、ロード&ゴー、やがて警官は微睡る、啓火心、ゆえに警官は見護める、濁り水

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11.
「ヒマかっ! Get a Life! ★★


ヒマかっ!

2023年09月
双葉社

(1800円+税)



2023/10/15



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幽霊退治話と言ってしまうと、和製“ゴーストバスターズ”かと思われかねませんが、かなり違います。
というのは、本作に登場する幽霊たち、とても人間らしい。そして格別に悪質ということはなく、むしろ生きている人間の方が余程どうしようもない、のですから。

本ストーリィ、最初から面白い、楽しくなってきます。
主人公と主要キャラクターの出会いが良い。幸せになれる、幸運と言っても良い出会いです。

主人公の
桧山光希(ひろき)は17歳。幼い頃から見える子。それを母親が利用し、詐欺まがいのスピリチュアル商売。それが嫌さについに家出を決行、広島から東京へ。目指すは18歳の誕生日、分籍届を役所に提出し、母親と縁を切ること。
しかし、現実は厳しいと思い知った処で出会ったのが、足場工事会社の社長である
須田陽平と、その社員である奥隼人頭島丈という3人、いずれも20代。
“ペイ・フォワード”を信条とする須田に声を掛けられ、光希はその会社でバイトとして働くことになります。住む部屋も確保。

そして、光希と頭島が一緒にいることによって思わぬ事実が明らかになります。
中三時のある出来事以来見えなくなっていた幽霊を、光希が再び目にし会話もできるようになったこと。一方、頭島は幽霊を見ることはできないが、触ること、取り押さえ殴ることもできる、ということ。
幽霊を退治して以来、3人の元に幽霊退治以来が相次ぎます。その顛末は・・・。
題名の
「Get a Life!」はどんな意味か。それもお楽しみに。

光希の成長&自立と、コミカルで温かな幽霊退治ストーリィ。
また、光希の友情話には、ちょっと胸がジンと来ます。
楽しいストーリィ好きな方には、是非お薦め。

※警官、消防士、救急車員とシリーズものが多い日明さんには珍しい単発もの。幽霊が題材という点では
ギフトに連なる作品と言って良いでしょう。
“消防”シリーズの登場人物=裕二、雄大、守の名前が登場する処も楽しい。

1.なんか、ゴメン/2.しょーもなっ!/3.ざっけんな!/4.ヒマかっ!?/5.「Get a Life!」

   

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