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1.少女@ロボット 2.派遣ちゃん |
●「少女@ロボット」● ★ |
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フリーターの女の子等を主人公にした、ポップな作品集。 うーん・・・正直言って、ついていけてなーい。 求人募集に出かけると殆どは実質エステ商品の押しつけ販売だったり、おはぎや肉まんを売る相方は人を底意地の悪いベテラン社員だったり、セクハラ院長の下での歯科助手勤め。「A面」と「B面」は共にイジメられ子で臭い故にスカント呼ばわりされている高校生が登場。「子供ダヨ!全員集合」では小憎たらしい子供たちの相手をしなくてはならない教師も辛い。 ダジャレみたいな会話が多くてシェイクスピア「間違いの喜劇」を思い出してしまったのですが、気をつけて読んでみれば会話がすれ違っているのが判ります。 クローバー/秋彼岸/マウスピース/少女ロボット(A面)/少女ロボット(B面)/子供だヨ!全員集合/ロッカールーム/魚眼レンズ/プライドリル |
●「派遣ちゃん」● ★★ |
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今やとかく話題となりがちな派遣社員への関心、「少女@ロボット」で今一つ宮崎作品をつかみ切れなかったという思いから、再度挑戦というつもりで読んだ一冊。そしてこれは正解。
まず「青瓢箪」。 「欠落」は「青瓢箪」と同じく派遣社員を描きながら、主人公を初めて派遣社員の仕事に挑む若い男性とした点で対照的。 派遣社員という仕事が全て上記のようであるかどうかは判りませんが、社員という安全な世界にいるのと違って、自分一人の能力で世渡りしていくという覚悟をもった派遣社員たちの姿を描いた本ストーリィ、リアルで、すこぶる面白い。 青瓢箪/欠落 |
「水田マリのわだかまり」 ★★ | |
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「水田マリのわだかまり」を読み始めてすぐ連想したのは、小林多喜二「蟹工船」(スミマセン、読んだことありません)。 ですから本作について思ったのは、これって現代日本社会におけるプロレタリア文学じゃない?っていうこと。 主人公の水田マリ、母親は新興宗教に入り込んでマリの学費保険まで解約、父親は競馬好きで若い娘と出奔。そんな状況からか、マリはせっかく入学したばかりの高校を3日で辞め、祖父が5年前まで働いていた洗剤工場で働き始めます。 これが、うゎーッ、凄いリアル。次々と持ち場を変えられ、ベテランおばさんたちの無茶苦茶な敵視、ベテラン社員の押しつけに囲まれながら、という容赦ない労働環境。それでも怒りを溜めずに、マリはマジメに働く。 これに較べたら、他のことをした方が、例えば高校に復学するとか、そうした方がどれだけ楽か、と思ってしまいます。 一方、日本に出稼ぎに来ている外国人女性たちの何と逞しいことか。 リアルな現実がここにあり、というストーリィです。 (※ひらがなで書くと「みずたまり」、主人公の名前にも含みがありそうです。) 「笑う門には老い来たる」は、父親が認知症を患い、同居する母親の身を案じながら、学校でのイジメが原因か懸賞応募に熱中する娘に苦労する、主婦の姿を描いた作品。 親と子に挟まれた世代として大変だなぁと思うものの、これまでの経験を踏まえた逞しさを感じるところ、多々あります。 これまた、現代日本社会ではごく普通の光景ではないかと思います。 その点で、本篇もリアルな現実を描いたストーリィ。 そんな現実に落ち込んでしまうのか、それとも開き直って前を向くのか、それは各人次第と思わされます。 両篇とも、からっと突き抜けた明るさあり、と感じます。 水田マリのわだかまり/笑う門には老い来たる |