三崎亜記作品のページ No.3



21.名もなき本棚 


【作家歴】、となり町戦争、バスジャック、失われた町、鼓笛隊の襲来、廃墟建築士、刻まれない明日、コロヨシ!!、海に沈んだ町、決起!−コロヨシ!!2−、逆回りのお散歩

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玉磨き、ミサキア記のタダシガ記、ターミナルタウン、手のひらの幻獣、ニセモノの妻、メビウス・ファクトリー、チェーン・ピープル、30センチの冒険、作りかけの明日、博多さっぱそうらん記

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21.

「名もなき本棚 Bookshelf With No Name ★☆   


名もなき本棚

2022年07月
集英社文庫

(580円+税)



2022/09/22



amazon.co.jp

日常、SF、ロマン、幻想、ファンタジー、そして三崎さんならではの不条理と、様々な趣向からなる掌篇、計19篇。

冒頭は、日常、SF、ロマンといった趣向が続き、それなりに楽しめますが、今ひとつ物足りず。
何故ならと言えば、三崎亜記さんらしさを余り感じなかったからでしょう。
その後の「私」以降、不条理が描かれる篇になってくると、やはり三崎亜記さんらしい掌篇集と感じて楽しくなってきます。

「私」「ゴール」「公園」の3篇は、中学・高校の教科書に採用されたそうです。

私として面白かったのは、
「回収」「妻の一割」「緊急自爆装置」「管理人」の4篇。
「回収」:ゴミ捨て場に捨てられていたのは会社員。気にしないでくださいと言われるが、回収日まで気になってしまう。
「妻の一割」:妻を失くしてから3年後、妻が発見される。しかし、発見者に謝礼として妻の一割が渡されたというが・・・。
「緊急自爆装置」:市民の為に緊急自爆装置を購入した市でしたが、それはそれで需要が高まり・・・。
「管理人」:ある部屋の家事、料理等を託された管理人。入れ替わり泊りにくる男たちの正体は・・・。どんな理由?と考えるといろいろな設定が浮かび、楽しくなってきます。

また、唯一ロマンチックな篇である
「スノードーム」、雰囲気が好きです。

表題の
「名もなき本棚」と最後の「The Book Day」の2篇は本絡み。本好きとしては好感を抱く内容です。

日記帳/部品/待合室/ライブカメラ/確認済飛行物体/きこえる/闇/スノードーム/私/名もなき本棚/回収/ゴール/妻の一割/街の記憶/緊急自爆装置/流出/公園/管理人/The Book Day

            

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