万城目 学
(まきめ・まなぶ)作品のページ No.2



11.バベル九朔

12.パーマネント神喜劇 

13.ヒトコブラクダ層ぜっと


【作家歴】、鴨川ホルモー、鹿男あをによし、ホルモー六景、ザ・万歩計、プリンセス・トヨトミ、かのこちゃんとマドレーヌ夫人、ザ・万遊記、偉大なるしゅららぼん、とっぴんぱらりの風太郎、悟浄出立

万城目学作品のページ No.1

  


            

11.

「バベル九朔 


バベル九朔

2016年03月
角川書店刊

(1600円+税)

2019年02月
角川文庫化



2016/04/10



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万城目学作品というと、「鴨川」「鹿男」「トヨトミ」「しゅららぼん」と来て奇想天外なストーリィというイメージが強いのですが、本書については「バベル」という題名からして不穏さを感じ少々困惑する思いでした。
案の定というか、いつもの万城目作品が明るくユーモアもある印象だったのに対し、何となく陰のある暗い印象を受けます。

主人公は小説家志望の
九朔満大。3年勤めた会社を退職し、2年前から祖父=九朔満男が建てた5階建ての商業ビル“バベル九朔”の管理人をしながら応募作品を書いているという身。
ぱっとしない店ばかりがテナントのバベル九朔に、このところ不審事が続いて起こります。
いったい何が起こったのか。懸念する主人公の前に現れたのは、黒いミニのワンピースに大きなサングラスを掛けたグラマーな美女・・・・。

万城目さんらしい大掛かりな奇妙さある物語要素が詰まっていますが、でも何となく陰気さを否めず。
黒いワンピース姿の美女が読み手の関心を惹き付け、ストーリィを引っ張っていきますが、主人公は今一つぱっとせず、他にはこれといった登場人物も窺えず。
“バベル”という題名らしいストーリィ展開ではあったものの、読み終えた時には、だから何だったのか、という消化不良な気持ちが残りました。
今一つ、ストーリィに得心が行かないまま終わってしまった、というのが本書の読後感。


1.水道・電気メーター検針、殺鼠剤設置、明細配布/2.給水タンク点検、消防点検、蛍光灯取り替え/3.階段掃き掃除、水道メーター再点検/4.巡回、屋上点検、巡回/5.階段点検/6.テナント巡回/7.避難器具チェック、店内イベント開催/8.大きな揺れや停電等、緊急時における救助方法の確認/9.バベル退去にともなう清算、その他雑務/10.バベル管理人

      

12.

「パーマネント神喜劇 ★☆


パーマネント神喜劇

2017年06月
新潮社刊

(1300円+税)

2020年05月
新潮文庫


2017/07/14


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神社の前を通りかかった登場人物たちの前に、変わった図柄の長袖シャツを着た中年男とスリムなスーツ姿の男という2人組が現れ、自分たちは“神”だと名乗ります。
そして中年男の方、自分は“縁結びの神”だと名乗り、スーツ姿の男のことは〇〇〇だと紹介します。

神様が人間と出会えば、当然ながら願いを叶えてくれる筈。
そのためにこそ神様は登場人物たちの前に登場した訳ですが、願いは直接叶えられるのではなく、かなり遠回りして叶えられる。その辺りの展開に面白さあり。

しかし、本書の骨頂は、真の主人公と言うべき剽軽者の“縁結び”の神様のおしゃべりによって語られる、神様世界の喜劇譚にあります。
フリーライターの前に気取ったり、審査員と言われて慌てたり、まるで人事査定を受けるサラリーマンの如きという具合で、やれやれ気忙しい。
とにかく、人を喰った(いや、神様を喰ったと言うべきか)話ばかり。神様たちによるドタバタ喜劇と言って良いでしょう。

ドタバタ劇は好きですし、それなりに楽しめましたが、小さな神社の神様であるという故に話のスケールとしてはやや小ぶり。
でも、神様というものが身近に感じられるようになった気がします。その点は拍手。


はじめの一歩/当たり屋/トシ&シュン/パーマネント神喜劇

        

13.

「ヒトコブラクダ層ぜっと Arabian camel layer Z ★★   


ヒトコブラクダ層ぜっと

2021年06月
幻冬舎

上下
(各1800円+税)



2021/07/18



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題名自体、何のこっちゃ?と困惑させられますが、ストーリィ自体も奇想天外で、驚くというより呆れてしまうと言う他ない、古代文明に迫る歴史的冒険ストーリィ。

梵天、梵地、梵人(ぼんど)の榎戸三兄弟は三つ子。3歳の時に隕石が実家に墜落、両親が死去し、それ以来3人で生きていた。
この3人がそれぞれ「3秒」に関わる特殊な能力を持っているのですが、その3人の前に突然現れたのが、謎の女性。
その女性の仕業か、3人は陸上自衛隊に入隊させられ、あれよあれよという間に中東イラク派遣。
それで終わらず、さらに他国の軍人と共に、失われたメソポタミアの遺跡を追い求めることになるのですから、読み手としてももうついて行くのが大変。(笑)

クライブ・カッスラー“ダーク・ピット”シリーズで様々な遺跡には出会い済ですが、本作ではなんとまぁ、メソポタミア、シュメール文化とは! もう幻の古代史世界ですね。

3秒の特殊能力、謎の女、イラク派遣に、謎の老人、そこからさらに・・・・。
冒険にやっと決着が付いたと思ったら、その後の全ての謎解きがまた・・・・で、どこまで行くの?という印象。
まさに何でもありの奇想天外な冒険ストーリィです。

ただ、次々と奇想天外弾が連続発射されるという展開に、ストーリィを追うのみで終わってしまい、ワクワク感、興奮はあまり感じないままに終わってしまった、という気がしないでもありません。そこは少々残念。
なお、
銀亀三尉を登場させた点は評価したい。紅一点として十二分の存在感を発揮し、ストーリィに彩りを添えていました。

序章 2022.11.14 PM11:21/1.天/2.人/3.山/4.陸/5.砂/6.女/7.男/8.層/9.Z/10.都/11.頂/12.ヒトコブラクダ/終章 2024.11.5 PM1:36

      

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