伊園 旬
(いぞのじゅん)作品のページ


1965年京都府生、関西大学経済学部卒。国内コンピューターメーカー勤務。

  


 

●「ブレイクスルー・トライアル」● 




2007年01月
宝島社刊

(1800円+税)

 

2007/03/23

 

amazon.co.jp

セキュリティ分野における有名企業が催した賞金1億円の一大イベント“ブレイクスルー・トライアル”
それは、様々なセキュリティ装置で保護された北海道にあるその研究所に侵入し、チーム毎に用意されたマーカーを入手して無事脱出することを競う、というゲーム。
障害となるのは、獰猛な番犬、新型警備ロボット、指紋・静脈・虹彩といった生体認証システム、等々。

主人公の門脇雄介は、突然に現れた大学時代の親友・丹羽史朗から誘われ、このトライアルへの参加を決めます。
2人+αが挑戦する順番となった競技最終日には、他に宝石強奪犯チーム、ライバル会社チームが加わり、とりわけド派手な競争が繰り広げられることになります。
さらに頑固一徹な管理人に加え、その娘と恋人が事態を知らないままに研究所内の攻防に参戦。
果たして彼らは無事トライアルに成功するのか、勝者は誰になるのか。そして門脇と丹羽の2人は、彼ら本来の目的を遂げることができるのか、というストーリィ。

本書は第5回「このミステリーがすごい!」大賞作品とのこと。
しかしなぁ、私にはそれ程面白いとは思えませんでした。これはもぅ、好みの問題と言う他ないのでしょうねぇ。
それともうひとつ、はやみねかおる「都会のトム&ソーヤの延長線上にあるようなストーリィと感じたのです。
「トム&ソーヤ」は、ゲームの如き罠をサバイバル技術を備えた2人の中学生が突破するという、都会派少年冒険小説。本書はド派手で大人向けアクションとは言いつつ、中身としては「トム&ソーヤ」とそれ程変わらないように思うのです。
したがって、新鮮さという面白味もあまり得られず。

 


  

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